M&Aを軸にクライアントの非連続な成長を導く戦略プロフェッショナル
2024年09月27日更新
企業紹介
PwCアドバイザリー合同会社は、戦略、財務、M&A・再生の高い専門性をもって、クライアントのビジョン実現のために、環境・社会貢献と事業成長の両立を経営の側面から支援しており、国内企業の海外進出や、構造改革を狙いとした大規模なM&A案件に対して、包括的なアドバイザリーサービスを提供していることが特徴です。今回はM&Aプロセスの中でも、戦略策定領域を専門としているディールズ ストラテジー部門の特徴について、パートナーの大屋様とシニアアソシエイトの古谷様にお話を伺いました。
インタビュイー経歴
話し手
大屋直洋氏
PwCアドバイザリー合同会社
パートナー
新卒で都市銀行に入行した後、会計系のFainancial Advisory Service(FAS)の企業に入社し、主に事業再生やM&A関連業務に従事。その後、外資系戦略コンサルティングファーム、組織開発の事業会社を経て、2017年にPwCアドバイザリーに入社。現在は、ディールズ ストラテジー部門のパートナーとして、M&A戦略の立案、ビジネスデューデリジェンス、新規事業戦略など、多様なテーマのプロジェクトをリードする。
話し手
古谷健人氏
PwCアドバイザリー合同会社
シニアアソシエイト
新卒で大手総合商社に入社し、主に化学品の営業を担当。2019年12月にPwCアドバイザリーに入社し、ディールズ ストラテジー部門の案件を中心に、中期経営計画の策定やビジネスデューデリジェンスに携わる。
目次
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M&A戦略を軸に、経営戦略全般からM&A後のPMIまで幅広いテーマをカバー
──まずはお二人の自己紹介と、PwCアドバイザリーへの入社経緯をお願いします
大屋氏これまでのキャリアですが、新卒で都市銀行に入り、大手会計事務所系アドバイザリーファーム、戦略コンサルティングファーム、組織開発系の事業会社を経て、2017年にPwCアドバイザリーに転職しました。現在は、DS部門のパートナーをしており、特にインフラ領域(建設・不動産・電力・ガス・エネルギー業界)を担当しています。
私が入社したのは、PwCアドバイザリーがディールズ ストラテジー部門(以下、DS部門)を立ち上げるタイミングでした。M&A・戦略という自分の専門性を追求しながら、組織開発の知見も還元できるため、これまでのキャリアで培ってきた経験を最大限発揮できるポジションだと感じました。
古谷氏私は、前職は総合商社で化学品の営業をしており、主に動植物系原料を担当していました。その後、2019年の12月にPwCアドバイザリーに中途入社し、現在は、DS部門のシニアアソシエイトをしています。
私が総合商社から転職してきた理由を一言で表すと、M&Aの専門性を身につけたかったためです。 企業活動におけるM&Aの重要性は年々高まっていますが、総合商社においてもトレードから投資へと軸足を移していく流れがあり、そうしたダイナミズムを中の者として強く感じていました。 そこで、M&Aについてもっと専門的に学びたいという思いを抱くようになり、総合商社を離れてFAS業界へ転職することを決めました。
また、転職当時の考えとしては、FAS業界で働きたいというよりも、DS部門で働きたいという思いがありました。当時の私は、M&Aだけでなく戦略も学びたいと考えていたため、M&Aと戦略を併せて経験できる環境を探した結果、PwCアドバイザリーのDS部門の存在を知り、志望度が高まっていった次第です。
──PwCアドバイザリーの概要について教えてください
大屋氏PwCアドバイザリーは、M&Aや事業再生といったディール(取引)に対して、プロフェッショナルサービスを提供しているアドバイザリーファームで、900名程度が在籍し、DS部門の他に、事業再生部門や、コーポレートファイナンス部門、バリュエーション部門など、それぞれの専門性に応じたチームで構成されています。
──DS部門の概要についても教えてください
前提として、M&Aプロセスを3つに分けると、Pre-M&A(Pre)、Execution(Transaction)、Post Merger Integration(PMI)に分解できますが、DS部門は Preのプロセスを中心に支援しています。
主にM&Aに関わる戦略策定を行っていますが、実際にディールとなった際には、ビジネスDDなども担当しています。FASの戦略部門というと、M&A戦略だけを担当しているチームという印象をお持ちになる方も多いですが、実際にはM&Aに留まらず、ジェネラルな経営論点に対して戦略コンサルティングを提供していることが多いです。
いざM&Aが論点に上がった際に、企業の経営陣からファーストコールが掛かるようなアドバイザーであるべきと考えており、そのためには、M&Aに限らず多岐にわたる経営課題についてCxOレイヤーとコミュニケーションを取る必要があります。 最近では、パーパス、サステイナビリティ、ROIC経営、PBR1倍割れ問題、といった経営アジェンダについてのご相談が増えています。こうした日々の戦略イシューの延長線上に、M&Aのご提案をできるところがDS部門の醍醐味だと考えています。
──DS部門はPreがメインのチームとのことですが、TransactionやPMIといったM&Aの後工程は別のチームが担当されるのでしょうか
DS部門はPreを中心に担当していますが、実際はかなり守備範囲が広く、Transactionや、場合によってはPMIまで担当するケースもあります。DS部門の実際のプロジェクトテーマの割合は直角三角形をイメージしていただけると分かりやすいかもしれません。M&Aの最初の工程である戦略策定が最も多く、後工程になるほど徐々に割合が減っていくといったイメージです。 TransactionやPMI等の各専門チームが社内に存在するため、それらのチームと連携して支援をしていますが、売上増加やコスト削減等に関しては、DS部門がPMIまで担当することもあり、Pre段階から実際にM&Aが完了してPMIに移るまでという長期の継続支援になるケースもあります。
また、PMIにおいて、ITシステムのインプリメンテーションなどが求められる場合は、法人を超えてPwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)とコラボレーションすることもあります。PwC Japanグループ(以下、PwC Japan)全体で協働し、クライアントへの提供価値を最大化させる動き方は、PwCの特長であり、私たちだからこそ実現できる強みだと思います。
財務知識は入社後でも十分身につく。求められるのは早期のキャッチアップに耐えうる思考力
──古谷さんが現在取り組んでいるプロジェクトについて教えてください
古谷氏私はPreの中でも、かなり多様な業務を経験させていただいていると思います。直近ですと、ゼネコン企業の中計策定支援にて、財務・戦略・IRなどの領域が重なるプロジェクトを担当しています。このプロジェクトのゴールは、短期的にはプライム市場の上場維持、中期的にはPBR1倍超えをいかに達成するか、といったところになります。
一口に中計策定と言いましても、非常に複眼的な思考が求められるプロジェクトです。例えば、PBRについては、株価のシミュレーションをした上で、達成までのロードマップを策定しており、財務だけでなく、市場とのコミュニケーションも念頭においた上でプロジェクトの推進をしています。その一方で、現場の方々のアクションを促進するための決起集会を行ったり、実際に体験してもらうためのアクションプランを作ったりもしました。
──そうしたプロジェクトを通じて、成長を感じられた部分があれば教えてください
コンサルに未経験で入り、M&Aを軸にBDDや戦略策定を4年間やってきた中で、本当に様々な経験ができたと思っています。BDDでは、市場環境の調査や、ヒアリング、消費者調査、事業モデルの作成などを経験しました。中計策定では、経営層とコミュニケーションを取る機会も豊富ですし、細かいデータの分析を元にモデリングなどを行うことも多いです。 根本的な部分ですが、プロジェクトを通じて、リサーチスキルや論理的思考力、財務モデル、対人コミュニケーションなどのスキルは飛躍的に向上したと感じています。
──未経験で入社されてキャッチアップするのはかなり大変だったのではないでしょうか
はい、入社当初は苦しかったです。特に苦労したことは3つほどあり、1つ目は論理的思考力です。入社前は、多少なりとも自分の思考力に自信を持っていたのですが、入社後はDS部門のアドバイザーのレベルの高さを体感しました。そこで、研修やOJTを積極的に活用しましたし、自分で買った書籍を読み漁ることもしましたが、何より上司からの鋭いフィードバックを通じて徐々に成長することができたと感じます。
2つ目は、財務関連の知識ですね。こちらも書籍や研修等から学びました。やはりM&AはFinancialな知識がなければ話にならないところも多いので、そこのインプットは意識的にやりました。逆にいうと、会計系のバックグラウンドがない私のような者でも、プロジェクトに応じて適宜財務知識をつけていけば十分にパフォーマンスを出せる環境ではあると思います。
最後は、アドバイザーとしてのお作法みたいなところですね。モデルを組む時のルールや、プレゼン資料の作り方など。些細な部分かもしれませんが、未経験で飛び込んだ自分にとってはそういう足腰を鍛えられる環境は貴重でした。
M&Aが有用なソリューションとなる経営論点は多い。そういうテーマでこそPwCアドバイザリーの強みが発揮される
──貴社での経験を通じて、アドバイザーとしてどのようなスキルを身につけることができるか教えてください
大屋氏当社に入社して一定のプロジェクト経験を経ると、M&Aプロセス全般に関わる素養は一通り身につくことになります。そのうえで、所属部門の専門性に関しては、より一層深く磨けます。 例えば、バリューコンサルティング部門に所属するアドバイザーは、M&Aの中でもファイナンス領域の専門性を特に磨くことができます。私どものDS部門では、M&A×戦略構築という専門性を追求することができます。
──DS部門で身につく専門性について、具体的に教えていただいても良いでしょうか
例えば、直近の経営戦略のテーマとして、ROIC経営やPBR1倍割れといったテーマがあります。私たちのクライアントの経営陣の方も非常に大きな課題感を持っており、日々のコミュニケーションでも論議テーマとなることが増えています。DS部門のミッションの一つは、こうしたジェネラルな経営論点のディスカッションを起点として、M&Aの提案をすることになります。 ROICやPBRだけでなく、ネットゼロや地政学リスクといった経営課題は、最終的には事業ポートフォリオの問題へ帰結することが多いです。このため、ソリューションとしてのM&Aは非常に有効な手段となり、戦略レベルからロードマップを描けることは非常に価値のある専門性となります。
このような戦略レイヤーのディスカッションおよびプロジェクトは、PwCアドバイザリー全体にとって、M&A案件のオリジネーションという大きな意味を持ち、その後のFAやPMIに繋がることで会社としても、もちろんクライアントにとっても非常に大きなインパクトがあります。
──戦略案件では戦略ファームとコンペになることも多いと思いますが、競合優位性ついても教えてください
確かに、ピュアな経営課題の解決というテーマについては戦略ファームの引き合いは強いと感じます。一方で、ソリューションとしてM&Aが有用なイシューに関しては、私たちの強みを評価いただけていると感じます。 M&Aで達成されるゴールと、そこに至るロードマップを詳細に描きつつ、実際にPMIまで伴走して最後まで支援できる部分が、PwCアドバイザリーのDS部門の強みです。事実として、財務と戦略を高度に融合させたアドバイザリー業務ができるファームはそれほど多くなく、実際に、コンペになった場合はクライアントから高い評価をいただけるケースが増えています。
柔軟な働き方とキャリアの可能性を両立できる環境
──中途採用者における、コンサル経験者と未経験者の割合はどのぐらいでしょうか
大屋氏DS部門の中途採用者の経験者比率は半分程度です。このため、未経験からでもポテンシャルの高い方であれば、活躍できる環境だと考えています。経験者で入社される方は、大きく会計系コンサルファームやブティック系ファームから入社される方が多いです。
──他ファームから入社される方は、DS部門のどのような部分に魅力を感じて移ってこられるのでしょうか
大きく3つあると思います。 1つ目は携われる範囲が広い点です。DS部門ではPreからPMIまで、上流から下流まで携われる魅力があります。2つ目に専門性を追求したいという方も多いです。高い専門性を持ったプロフェッショナルが数多く在籍していますし、そういった部分を魅力に感じていただける場合も多いです。 最後に、働き方の観点から選んでいただけるケースも多いです。当社が扱っているアドバイザリーのテーマは非常に難易度が高いですが、その分担当する人数も多いため、一人あたりに掛かる負荷は、通常のファームよりも小さいと思います。 PwCでみると、世界で約364,232人、日本では約11,500人のネットワークがありますので、チームで上手く分業してアドバイザリーサービスを提供することが可能です。また、これだけの規模になると働き方という部分にも気を配る必要があります。メンバーの労働時間の管理には注意しながら、ファーム経営を行っています。
──実際の労働時間としては、どれくらいになっているのでしょうか
古谷氏平均するとかなり短くなってきている感覚があります。途中に育児などで2時間ほど間をあける日もあり、比較的自由に働かせてもらっています。 残業時間も一定の時間数を超えるとJob Managerへアラートが送られる仕組みとなっており、プロジェクト増員などの調整が行われます。また、PC稼働時間を本人・上長ともに確認することもでき、非常に働きやすい環境です。
働き方の魅力という観点では、フルリモートワークも非常にありがたい制度です。リモートワークの制度自体は以前からありましたが、COVID-19をきっかけに、さらに整備されました。私は現在も積極的に活用しており、近畿に住みながら、東京オフィス所属のアドバイザーとして勤務しています。
企業価値向上・構造改革に繋がる「在るべきディール」を創出する
──DS部門にマッチする方の特徴があれば、教えてください
大屋氏FASの中における戦略チームというユニークなポジショニングを楽しめる方は、親和性が高いと考えています。例えば、戦略ファームにもMA戦略を担うチームはありますが、FAチームはありません。また、投資銀行にはFAのチームはありますが、戦略コンサルティングをする機能はありません。 FAS内の戦略チームは、M&A×戦略を専門にしつつ、M&Aの他の領域の専門家とコラボレーションを前提に結果を出します。そうした働き方、クライアントへの価値の出し方に関心がある方にとっては、非常に良い環境なのではないかと考えています。
また、DS部門のユニークネスは、案件の創出・オリジネーションにあります。M&Aを提案して終わりではなく、PMIまで伴走することをイメージしながら、企業価値向上、ひいては構造改革に繋がる「在るべきディール」を創出できることは、DS部門でしか経験できない醍醐味だと考えています。
補足として、当社では案件オリジネーションを強化するため、数年前からインダストリー軸を強化しています。私たちが理想とする「お客様からM&Aの要望が来る前に、中長期戦略の文脈の中でDS部門側からM&Aを提案する」状態を作るためには、インダストリーレベルでドメイン知識を高め、密にリレーションを構築する必要があると感じたためです。 今後、一層オリジネーションの意味合い、ひいてはDS部門の役割がPwCアドバイザリー社内で強くなっていくと思われるため、非常にやりがいのある仕事だと感じます。
──最後に、転職を考えている方に向けてメッセージをください。
古谷氏手前味噌にはなりますが、非常に良い会社だと思います。仕事内容も刺激的ですし、制度面も充実しています。人付き合いも良い方が多く、カルチャー面でもとても働きやすいです。 M&A領域を軸にキャリア形成をしたい方は、きっと相性が合うのではないかと思います。
大屋氏刺激的であることは然ることながら、同時にやりがいもある仕事です。 私は、日本の失われた30年の大きな理由の一つに、企業の新陳代謝がされていないことがあると考えています。その点、PwCアドバイザリーの仕事は、クライアントと一緒にM&Aを仕掛けていくことで、業界再編や構造改革を牽引することができます。また、グローバルで戦える日本企業を増やしていくことにも繋がります。 社会的に大きなインパクトを出せる領域になるので、そうしたことに興味のある方には、ぜひ応募してきていただきたいと思っています。
──ありがとうございました