30代未経験でもコンサルに転職できる?転職時の5つのポイントや年収目安を紹介
2025年10月01日更新
30代から未経験でコンサル業界への転職を目指す方は少なくありません。実際にMyVisionの支援実績でも、転職成功者の約半数はコンサル未経験の30代です。特に30代前半は採用されやすい傾向にあり、早めの行動が成果につながりやすいといえます。
もっとも、年齢が上がるにつれて競争が激しくなるのも事実です。だからこそ、これまでのキャリアで培った強みを整理し、的確にアピールできる準備が欠かせません。
本記事では、30代未経験からコンサル転職を成功させるための評価ポイントや年収の目安、実際の転職事例までを解説します。MyVisionでは30代の方を対象にした支援実績が豊富にありますので、検討を始める際の参考にしてみてください。
著者

永井 一聡
Nagai Kazutoshi
横浜国立大学卒業後、みずほ総研(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)やアクセンチュアで人事及びIT領域のコンサルティング業務に従事。自身の経験を生かしたIT/人事コンサル転職を得意とする。またコーチング経験も豊富に積んでおり、長期的なキャリア支援を提供可能。
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監修者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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目次
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30代未経験でもコンサル転職は可能か?
30代から未経験でコンサル転職を目指す場合、現実的にチャンスはあるのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、実際に可能かどうか、その背景や難易度について整理します。
30代未経験でも転職は十分に可能
30代から未経験であっても、コンサル業界への転職は十分に可能です。実際にMyVisionの支援実績でも、前職がSEや銀行、メーカー営業など多様なバックグラウンドを持つ30代が内定を獲得しています。
採用企業が重視するのは「年齢」よりも 「これまで培った経験やスキルが、コンサルタントとして価値を発揮できるかどうか」 です。たとえばマネジメント経験や専門的な知識、顧客折衝力といった強みは即戦力として評価されやすく、未経験のハンデを補う武器となります。
つまり、コンサルに必要な適性や強みを整理し、的確に伝えられれば、30代からの未経験転職も現実的な選択肢となり得ます。
30代未経験の方を採用する背景
コンサルティングファームが30代未経験を採用する背景には、以下のような理由があります。
- 専門性やスキルを活かせる
- クライアント業界の知見を持っている
- コンサルタントとしての適性が高い
30代の転職者は、これまでのキャリアで培った強みが大きな評価ポイントとなります。たとえばITシステム導入やDX推進に携わった経験は、コンサル案件と親和性が高く、即戦力と見なされます。
また、官公庁や金融、製造業などは業界特有の商習慣や暗黙のルールが存在するため、現場感を理解している人材が重宝されます。
さらに、論理的思考力や顧客折衝力といった資質が際立っている方であれば、業界未経験でも採用対象となります。
このように、コンサルファームが30代未経験者を採用するのは「特別な例外」ではなく、むしろ過去の経験を新しい環境で活かせるからこそニーズがあるといえます。
ただし転職難易度は高い
30代未経験からのコンサル転職は可能ですが、難易度は高めです。理由としては以下が挙げられます。
- 20代に比べてポテンシャル採用の枠が限られる
- 即戦力としての成果が早期に求められる
- 年齢が上がるほど専門性やマネジメント経験の有無が重視される
特に30代前半と後半では評価基準に差があり、前半であればポテンシャルや柔軟性も考慮されやすい一方、後半になると「これまでに培った専門知識やリーダーシップで即座に案件に貢献できるか」が問われます。
そのため、過去のキャリアをどうコンサル業務に結びつけるかを明確に言語化できないと、採用通過は難しくなるでしょう。
このように、30代未経験でも道は開かれていますが、戦略的な準備と自分の強みの棚卸しが成功の前提条件となります。
30代未経験のコンサル転職で見られる5つのポイント
30代・業界未経験から、コンサルファームへ転職する方は年々増加しています。 しかし、誰もが同じように評価されるわけではなく、企業は応募者の経歴や資質を複数の観点からチェックしています。
MyVisionがこれまで支援してきた実績をもとにすると、特に重視されるのは次の5つのポイントです。
要素 | アピールポイント | どうやって判断されるか |
---|---|---|
年齢 | 30代前半は柔軟に育成できる余地があり有利。後半でも専門性があれば可能 | 履歴書 |
卒業大学 | 学歴は評価にプラスに働きやすい | 履歴書 |
前職業界 | IT・金融・製造・会計など、コンサル案件との親和性があると有利 | 履歴書・職務経歴書 |
職務経験 | PM・業務改善・DX推進などの経験は即戦力として評価されやすい | 履歴書・職務経歴書 |
コンサル適性 | 論理的思考力・顧客折衝能力・思考体力は必須。ケース面接で重視される | Webテスト・面接・ケース面接 |
ここからは、表にある5つの観点について、具体的にどのように評価されるのかを解説していきます。
1.年齢
コンサル転職において、年齢は採用可能性を左右する大きな要素です。具体的には若手の方が採用されやすく、年齢が上がるにつれ、内定獲得の難易度は高まります。
下記の画像は、過去にMyVisionが支援した方の年齢分布です。ボリュームゾーンは20代後半で、30代前半は全体の約3割を占めますが、30代後半になると1割以下にまで減少します。
背景として、30代になると新卒から在籍しているコンサルタントの多くはマネージャーやシニアマネージャーに昇進しており、同年代の未経験者にはより高いスキルや即戦力性が求められます。
このため、30代のコンサルタントに求めるスキルや能力に対するファームからの要求水準が高くなり、結果的に未経験の場合なるべく若い方を採用したいと考える傾向があります。
少しでもコンサル転職を検討している方は、なるべく早く転職活動を始めることを推奨します。
2.卒業大学
コンサル転職では、卒業大学のレベルが採用に影響する傾向があります。特に東京一工や旧帝大、早慶などの出身者が全体の半数を占めており、院卒の場合でも学部の大学名が重視されるケースが一般的です。
背景には大きく次のような理由があります。
- 書類選考で大学名を評価基準のひとつとしているファームが存在する
- 高学歴者は論理的思考力や知的体力に優れると判断されやすい
- 高学歴の人材は大企業出身者が多く、コンサルの主要クライアントである大手企業案件との親和性が高い
もちろん、学歴がすべてを決めるわけではありません。ただし選考の早い段階でフィルターとして機能することがあるため、学歴以外の強みをどう示すかが、30代未経験者にとって重要な戦略となります。
3.前職の業界
30代未経験でコンサル転職に成功した方の前職は、IT・金融・官公庁・製造業など、コンサル案件と親和性の高い業界出身者が多い傾向にあります。特にIT分野の経験は需要が大きく、アクセンチュアやBig4といった人気の外資系ファームからも強い採用ニーズがあります。
以下は採用されやすい前職業界と、それぞれを積極的に採用している代表的な企業の一例です。
採用されやすい前職業界 | 積極採用をしている企業(一部抜粋) |
---|---|
IT・情報通信業界 | アクセンチュア・ベイカレント・アビームなど総合ファームやITコンサルファーム |
銀行・保険・証券業界 | KPMG FAS・PwCAなどのFASや総合ファーム内の金融特化チーム |
メーカー・小売業界 | アクセンチュア・ベイカレントなどの総合系ファーム |
官公庁・地方自治体 | 日立コンサルティング・アクセンチュア・アビーム、NRI・NTTデータ経営研究所など |
製造業 | アクセンチュア・ベイカレントなどの総合系ファーム |
これらの業界出身者は、クライアント企業との商習慣や業務知識を持っているため、コンサル業務へのスムーズな移行が可能と見なされます。
もっとも、上記で取り上げていない業界出身者の方につきましても、多くの転職支援実績があります。
MyVisionの支援では、業務経験を丁寧に棚卸しすることで、一見コンサルと無関係に思えるキャリアからも親和性の高い強みを見出すケースが多くあります。
4.職務経験
コンサル業界では、過去の職務経験が選考結果に大きく影響します。特に評価されやすいのは次のような経験です。
- 経営企画・事業企画・人事企画・営業企画などの企画系職種
- SCM・M&A・PMOといった専門領域の知見
- ITの開発や要件定義などのシステム関連経験
- マネジメント経験や案件獲得経験
これらの経験はコンサル案件との親和性が高く、即戦力として評価されやすい要素です。特に企画系の業務は、課題を整理し解決策を考えるプロセスがコンサルティングと直結しています。
また、M&AやSCMなどの専門知識は特定領域の案件で強みとなり、IT経験はDX関連のニーズの高まりを背景に採用で有利に働きます。
さらに、マネジメント経験もある場合、将来的なチームリーダーやマネージャーへの登用を見据えた採用が行われるケースもあります。30代未経験者であっても、こうした職務経験を整理してアピールすることで、転職成功の可能性を高められます。
5.コンサルタント適性
コンサル転職では、適性が重視されるため、以下のようなスキルについて評価されることが一般的です。
- 論理的思考力
- 顧客折衝力
- 知的体力
未経験者はまずリサーチや資料作成などの実務を担うことが多いですが、同時にクライアントと直接向き合う場面も多く、現場で成果を出せるかどうかを選考で見極められます。
これらの適性は、Webテストやケース面接、模擬プレゼンを通じて判断されるのが一般的です。裏を返せば、こうした力を具体的な経験やエピソードで示せれば、30代未経験でも採用を勝ち取る可能性があります。
30代未経験で転職可能なコンサルファームと年収イメージ
30代未経験でも挑戦できるコンサルファームは少なくありません。実際にどのような企業で内定が出ているのか、そして転職後にどの程度の年収が見込めるのかは、多くの方が気になるポイントでしょう。
ここではMyVisionの支援実績をもとに、30代未経験で内定を獲得した事例や年収の目安を紹介します。具体的な企業イメージや転職後の待遇感を把握し、キャリアを選択する際の参考にしてください。
30代未経験の内定先イメージ(転職支援実績の紹介)
30代未経験の内定先について、下記のような人気のコンサルファームへの転職支援実績がございます。 ぜひ、ご参考にしていただければと思います。
企業群 | 企業名 |
---|---|
外資系総合ファーム | アクセンチュア/Big4など |
日系総合ファーム | ベイカレント/アビーム/フォーティエンスコンサルティング(旧クニエ)/日立コンサルなど |
外資系FAS | KPMG FAS/DTFA/PwCAなど |
日系戦略ファーム | ドリームインキュベータ/クロスピアコンサルティング/グロービングなど |
日系ITファーム | ノースサンド/ディルバートなど |
日系シンクタンク | NTTデータ経営研究所など |
日系再生ファーム | 山田コンサルティング/フロンティアマネジメントなど |
転職後の年収のイメージ
転職後の年収ですが、30代未経験からのご転職の場合、800万程度が目安になります。
転職時の年齢 | 転職後のベース年収イメージ(過去の支援データを元に作成) |
---|---|
20代前半 | ¥5,002,000(別途、残業代とボーナスが支給) |
20代後半 | ¥6,000,200(別途、残業代とボーナスが支給) |
30代前半 | ¥7,490,000(別途、残業代とボーナスが支給) |
30代後半 | ¥8,250,000(別途、残業代とボーナスが支給) |
背景には、ランクと呼ばれる役職によって年収が決まるコンサル業界の給与形態が存在します。業界未経験から30代の方が転職をする場合、コンサルタントかシニアコンサルタントという役職から入社されるケースが一般的ですが、この役職の年収が700~1,000万のレンジであることが多いためです。
30代未経験でコンサル転職に成功した方の声
SEから転職された34歳の方の声
-コンサル転職のきっかけ 他のSlerや外資ITベンダーに転職しても良かったのですが、グローバル案件に積極的に携わっていく上では外資系コンサルファームが最適だと思ったためです。グローバルでも認知のある外資系ファームを第一志望にしました。 -MyVisionを選んだ背景 SAPのモジュールに対する知識も非常に豊富で、他に話を聞いたエージェントと比較すると圧倒的に見識がある方だなという印象を受けました。 -転職活動で良かった点 最終的に年収300万円アップという非常に高い評価をしていただけましたが、SEとしてのスキルだけではなくチームマネジメントのスキルをしっかりアピールできたのが大きいと思っています。ここは門山さんに指摘されるまでしっかり準備していなかった部分なので、お手伝いいただき本当に良かったです。
銀行からFASに転職された32歳の方の声
-転職のきっかけ 自分の成長観点として、やはりグローバルで活躍したいというものがありました。そして現職に留まったままではグローバルの業務に携わることができないと考え、転職を決意しました。 -コンサル転職のきっかけ FASに行けば、M&A案件を通じて日本企業のグローバル支援が行えると考えていました。その中でグローバルで活躍したいという自分の求めているキャリアも描けると考えました。またM&Aのプロフェッショナルとして、グローバルにチャレンジするクライアントへ価値提供ができると考えました。 -MyVisionへのコメント 現職の銀行での業務がどのようにFASで活きるかについて丁寧なインプットをいただきました。 また、各ファームの良い面を教えてくれるだけでなく、悪い面もしっかり教えてくれたので、信頼できる方だと感じ、安心してお任せできました。ケース面接の対策についても、外資系戦略ファーム出身の方が個別に対応をしてくれたので、本番も自信を持って臨めました。
その他の転職体験談については、是非弊社の転職体験談を参考にしてください。
まとめ
30代未経験でも、これまでの専門性や業界知識、マネジメント経験を活かし、論理的思考力や顧客対応力といった適性を示せばコンサル転職は可能です。
ただし年齢が上がるほど求められる水準は高くなるため、早めの準備と戦略的な行動が重要となります。
MyVisionでは、30代の支援実績をもとに適切なファーム紹介から選考対策まで徹底サポートしているため、ぜひお問い合わせください。