コンサルタントに向いている人・向いていない人の特徴7選|必要なスキルやマインドセットも解説
2025年10月03日更新
コンサルタントは、専門知識と経験を活かして企業や組織の課題解決を支援する専門職です。この記事では、コンサルタントの仕事内容や年収、向いている人・向いていない人の特徴、転職支援サービスについて詳細に解説します。
コンサルタントの全体像から、未経験からの転職に必要な具体的な情報まで網羅的にまとまっており、コンサルタントを目指す方にとって必見の内容です。ぜひ参考にしてください。
著者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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そもそもコンサルタントとは?
「コンサルタント」という言葉は、個人または組織からの依頼に基づき、クライアントの抱える固有の問題や課題について、自らが持つ知識・経験・情報・ノウハウ等をもって解決をサポートする存在と定義されます。
具体的には、企業や組織における問題点や課題を発見し、その解決策を策定、さらには対策実施にあたってのサポートを行う専門家を指します。英語の「consult(相談する)」を語源とするこの職業は、クライアントの相談役としての役割を担い、高度な専門性と幅広い知識をもって成功を支える重要な存在です。
コンサルタントの本質的な役割は、クライアントが自力では解決できない問題を解決することにあります。彼らは、経営課題の解決において最も効果的かつ効率性の高い課題を特定し、最適な解決策を考案するプロフェッショナルです。
コンサルタントが提供する商品は、有形の商品ではなく、彼ら自身の知識や経験そのものです。企業の抱える問題点を洗い出し、その解決策を導き出すためには、業界、経営、会計などといった分野での専門的な知識が不可欠となるのが一般的です。
コンサルタントの業務内容
コンサルティング業務は、一般的に「課題の発見」「解決策の提案」「実行支援」という3つの主要なプロセスで構成されます。
- 課題の特定:最初のステップとして、コンサルタントはクライアント企業の現状を詳細に分析し、潜在的な課題や問題点を明らかにします。これには、クライアントへのヒアリングやインタビュー、財務データや市場動向など各種データの収集と分析、そして時には現場への視察などが含まれます。クライアント自身が認識している顕在的な課題に加え、その背景にあるより深い潜在的な課題を特定することが、効果的なコンサルティングの第一歩となります。
- 解決策の提案:次に、特定された課題に対して、解決策となる戦略や具体的な計画を策定します。この段階では、コンサルタント自身の専門知識や経験はもちろんのこと、コンサルティングファームが蓄積してきた独自の知識、過去の事例などが活用されます。策定された解決策は、クライアントにとって実現可能であり、かつ効果的なものでなければなりません。
- 実行支援:提案に留まらず、クライアントの意識改革を促したり、プロジェクトチームを支援したりするなど、解決策の実行まで深く関与することが増えています。
クライアントが主体的に課題解決に取り組むための意識改革を促したり、戦略を実行するためのプロジェクトチームを立ち上げ、その推進をサポートしたり、助言を行う場合から、クライアントの組織に深く入り込み、共に実行を支援するなど、関わり方は様々あります。
コンサルタントの種類
コンサルティング分野である、戦略コンサルタント、総合コンサルタント、ITコンサルタント、そしてシンクタンク系コンサルタントの4つの種類に焦点を当て、それぞれの定義、主な特徴、業務概要、そして代表的な企業について詳細に解説します。
戦略コンサルタント
戦略コンサルタントは、企業の経営者や経営陣と緊密に連携し、組織全体の競争力を高めるための戦略策定や、複雑な経営課題の解決を専門とするプロフェッショナルです。
彼らの主な任務は、企業が長期的な視点で持続的な成長を達成するために、どのような方向へ進むべきかを検討し、そのための最適な道筋を示すことです。具体的には、企業の全社戦略、特定の事業における戦略、そして全く新しい事業の立ち上げに関する検討など、企業の重要な意思決定の上流段階において、経営判断を支えるための深い分析と洞察に基づいた支援を提供します。
戦略コンサルタントの役割は、単に目の前の問題を解決するだけでなく、企業の将来の方向性を決定づける可能性のある重要な責任を担っています。企業の命運を左右するような提案を行うためには、高度なデータ分析能力、市場や競合に関する深い洞察力、そして倫理観と責任感が不可欠です。
また、戦略コンサルタントは、経営戦略に留まらず、マーケティング戦略、営業戦略、さらには会計や人事といった幅広い領域にわたる専門知識を駆使して、企業の課題解決を支援することがあります。
<主要な戦略コンサルティングファーム>
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ボストン・コンサルティング・グループ
- ベイン・アンド・カンパニー
- ドリームインキュベータ
- ベイカレント・コンサルティング
- 野村総合研究所
総合コンサルタント
総合コンサルタントは、クライアント企業が抱える経営課題に対し、戦略立案といった上流工程から、具体的な施策の実行支援といった下流工程まで、包括的なサポートを提供する役割を担います。戦略コンサルタントが主に企業の経営層を対象に、より経営に近い課題に特化してコンサルティングを提供するのに対し、総合コンサルタントは、経営層だけでなく、現場の担当者など、より幅広い役職の人々と連携しながらプロジェクトを進めていく点が特徴です。
総合コンサルタントは、企業のあらゆる階層や機能に対応し、幅広い課題解決を支援するジェネラリストとしての役割が強いと言えます。このため、総合コンサルタントには、特定の専門分野に特化した深い知識だけでなく、多様な分野に関する幅広い知識と、状況に応じて柔軟に対応できる能力が求められます。
<主要な総合コンサルティングファーム>
- デロイトトーマツコンサルティング
- PwCコンサルティング
- KPMGコンサルティング
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、情報技術(IT)を活用して企業の抱える課題を解決することを専門とするプロフェッショナルです。彼らは、企業の経営戦略を深く理解した上で、その戦略目標を達成するための最適なIT戦略を策定し、具体的なシステム開発の提案や、既存のITシステムの最適化を通じて、企業の経営を支援します。
ITコンサルタントの仕事は、単にITシステムを導入することに留まらず、企業のビジネスモデルや業務プロセスをITの力で革新し、競争優位性を確立することを目指します。そのため、IT投資計画の策定や、課題解決に必要なITツールの選定・導入・活用支援を行うことが、彼らの重要な役割となります。
ITコンサルタントは、単にITシステムを導入するだけでなく、IT戦略を通じて企業の経営目標達成に貢献する役割を担っていることがわかります。このことは、ITコンサルタントが、最新のテクノロジーに関する深い知識だけでなく、企業のビジネス戦略や業界動向に関する理解も深く持つ必要があることを意味します。
<主要なITコンサルティングファーム>
- 日本アイ・ビー・エム
- アビームコンサルティング
- 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所
シンクタンク系コンサルタント
シンクタンク系コンサルティングファームは、元々は社会や経済、政治など、特定の課題に関する「調査・分析・研究」を主な目的としていたシンクタンクが、その活動を通じて培ってきた高度なリサーチ能力や専門知識を活かして、企業や政府機関などに対してコンサルティング業務を提供するようになったものです。
コンサルタントの主な目的が「クライアントの課題解決」であるのに対し、シンクタンクの本来の目的は、社会や経済、政治に関する「調査・分析・研究」を行うことにあります。シンクタンクは、営利を目的とする企業というよりも、特定の分野の専門家によって構成された「研究機関」としての性質が強いと言えるかもしれません。
シンクタンク系コンサルタントの最も大きな特徴は、深い専門知識と高いリサーチ能力を基盤として、客観的なデータや分析に基づいた提言を行う点にあります。そのため、データに基づいた論理的な解決策を求めるクライアントにとって、シンクタンク系コンサルタントは非常に価値の高い存在となります。
<主要なシンクタンクコンサルティングファーム>
- 野村総合研究所
- 三菱総合研究所
- 日本総合研究所
コンサルタントに求められるスキル・マインドセット
コンサルタントは、専門的な知識や経験を武器に、企業の課題を解決へと導くプロフェッショナルです。クライアントにとって信頼できる存在であるためには、高い専門性だけでなく、日々の業務に対する姿勢や思考の柔軟性、継続的な成長意欲も欠かせません。
ここでは、コンサルタントとして活躍するうえで重要となるスキルやマインドセットを7つに整理し、それぞれの詳細について解説します。
高いストレス耐性とプレッシャーへの対応力
コンサルタントに求められるのは、プレッシャーのかかる状況でも冷静に思考と行動を継続できる力です。どれだけ優れた知識やスキルを持っていても、精神的に不安定な状態では、その力を十分に発揮できません。
実際の現場では、タイトなスケジュールや厳しい成果目標が課されるなかで、仕事を進めることも珍しくありません。さらに、複数のステークホルダーとの調整や、クライアントの高い期待に応え続ける必要もあります。
こうした環境においては、「自分に何ができるか」「どう乗り越えるか」を前向きに考え続ける姿勢が不可欠です。適切にストレスに対処しながら課題に立ち向かえるタフさは、長期的に活躍できるコンサルタントに共通する特徴のひとつです。
本質的な課題を見抜く思考力(イシュー分析力)
コンサルタントにとって、目の前の事象に惑わされず「本当に解決すべき課題(イシュー)」を見抜く力は非常に重要です。表面的な問題にアプローチしても、根本的な解決にはつながりません。
実務では、クライアント自身も気づいていない構造的な問題や因果関係を特定し、それに対する打ち手を提案することが求められます。そのためには、論理的思考力と仮説構築力をもって、限られた情報から最も重要な論点を見極めていく必要があります。
コンサルタントとして幅広い業界やテーマに対応するには、本質を見抜く力が欠かせません。問題の核心に迫ることで、クライアントの意思決定をより的確なものへと導くことができます。
多様な業界への興味と学習意欲
幅広いテーマや業界に対して関心を持ち、自ら学び続ける姿勢は、コンサルタントとして活躍するための土台となります。専門分野に加え、新たな業界知識やトレンドをキャッチアップし続けることが、提案の質を高めるポイントです。 コンサルティング業務では、IT・金融・医療・製造など、あらゆる分野の企業と関わる可能性があります。その都度、業界構造や商習慣、クライアント特有の課題を理解しなければ、的確なアドバイスはできません。
そのため、自分の得意領域に閉じこもらず、初めての領域にも前向きに飛び込める柔軟さと知的好奇心が重要です。学び続ける意欲がある方ほど、プロジェクトごとに成長を重ね、コンサルタントとしての市場価値を高めていくことができます。
タスクをやり遂げる自己管理力と時間管理力
限られた時間のなかで成果を出し続けるには、高い自己管理力と時間管理力が欠かせません。コンサルタントには、複数のタスクを優先順位をつけてさばきながら、常に納期を守る遂行力が求められます。
プロジェクトは同時並行で進むことが多く、資料作成、クライアント対応、内部会議などやるべきことは多岐にわたります。加えて、短期間でアウトプットが求められる場面も珍しくありません。
そのため、自分自身のコンディションを整え、計画的にタスクを進める力が非常に重要です。成果物の質だけにとらわれず、「いつまでに」「どこまで仕上げるか」を逆算して動ける方は、信頼される存在としてチームやクライアントから高く評価されます。
クライアント視点で考え抜く力
コンサルタントに求められるのは、「自分が正しいと思う提案」ではなく、「クライアントにとって本当に価値のある解決策」を導き出す姿勢です。常に相手の立場に立ち、課題の背景や事業上の制約を深く理解した上で、実効性のある打ち手を構想する力が不可欠です。
ビジネス上の課題は、理論やデータだけでは割り切れない複雑さを伴います。現場での運用、経営陣の意図、組織文化など、多角的に捉える視点が欠かせません。だからこそ、机上の空論ではなく、「会社の実情に合った現実的な解決策」を提示できるかどうかが、クライアントからの信頼を左右します。
クライアント目線で考え抜く力とは、単なる共感力ではなく、プロとして成果責任を果たす姿勢の表れです。相手の期待を正確に汲み取り、その一歩先を見据えた価値提案ができる人材は、どのコンサルティングファームでも重宝されます。
チームで成果を生み出す協調性
コンサルタントは「個人の能力」だけでなく、「チーム全体で成果を最大化する力」が求められる仕事です。多様なバックグラウンドを持つメンバーと協力しながら、一つの目標に向かって取り組む姿勢が欠かせません。
プロジェクトは基本的にチーム単位で進行し、分析、資料作成、提案準備など役割分担しながら動いていきます。意見がぶつかる場面もあるなかで、他者の視点を尊重しつつ建設的な議論ができるかどうかが、プロジェクトの質を左右します。
また、クライアントとの連携も重要です。信頼関係を築き、円滑にプロジェクトを進めるには、協調性や柔軟な対応力が大きな武器になります。組織の垣根を超えて成果を出せる人こそ、コンサルタントとしての適性が高いといえるでしょう。
失敗から学び続ける向上心
コンサルタントとして長く活躍するには、失敗を恐れずに挑戦し、そこから学び続ける姿勢が欠かせません。一度の成功よりも、試行錯誤を重ねて成長する力が、プロフェッショナルとしての価値を高めていきます。
実際のプロジェクトでは、初めての業界や想定外のトラブルに直面することもあるでしょう。そうしたときに、「なぜうまくいかなかったのか」「次はどうすれば改善できるか」を冷静に振り返り、次の行動につなげる力が重要です。
また、クライアントからの厳しいフィードバックも、自分を磨くチャンスと捉えられる人ほど、成長スピードが早い傾向にあります。常に学ぶ意欲を持ち続けられる方は、変化の激しいコンサル業界でも価値を発揮し続けることができます。
コンサルタントに向いている人の特徴7選
コンサルタントは、企業や団体の成長と発展に大きく貢献する一方で、常に高度な専門性と多様な能力が求められる仕事でもあります。コンサルタントとしてあると良い7つの特性に焦点を当て、それぞれの重要性と具体的な内容について深く掘り下げて解説します。
1.論理的思考力がある
コンサルタントにとって、論理的思考力は業務遂行の基盤となる能力です。複雑な問題を細分化し、それぞれの要素間の関連性やパターンを客観的に捉え、データや証拠に基づいて結論を導き出す力と言えます。例えば、市場のトレンド分析、組織内の課題特定、そして戦略的な提言の策定といった、コンサルタントが日常的に行う業務で必要となります。
論理的思考を支える重要な要素として、演繹的推論と帰納的推論が挙げられます。演繹的推論は、一般的な原則や理論を特定の事例に適用することで結論を導き出す思考法です。例えば、確立されたビジネス理論を個々のクライアントの状況に当てはめて分析する際に用いられます。
一方、帰納的推論は、複数の具体的な事例から共通のパターンや傾向を見つけ出し、より一般的な結論を導き出す思考法であり、市場調査データから新たなトレンドを発見する際などに活用されます。
2.問題解決能力が高い
コンサルタントに求められる問題解決能力とは、単に目の前の問題に対する答えを見つけるだけでなく、クライアントが抱える根本的な課題を特定・分析し、最適な解決策を策定。そして実行計画を立て、その効果を評価する一連のプロセスを包括する能力です。
このプロセスは状況に応じて柔軟に、時には試行錯誤を繰り返しながら進められます。
問題解決の過程においては、MECE(ミーシー)や80/20の法則(パレートの法則)、仮説思考などといった、コンサルティング特有のフレームワークや手法が有効に活用されます。
MECEは、問題を漏れなく、重複なく整理するための考え方であり、複雑な課題を構造的に理解するのに役立ちます。80/20の法則は、全体の結果の80%は、全体の原因の20%によって生み出されるという考え方で、重要な要素に焦点を当てることで効率的な問題解決を可能にします。仮説思考は、初期段階でいくつかの仮説を立て、検証していくことで、効率的に問題の本質に迫るアプローチです。
高い問題解決能力は、単に一つの正解を見つけるだけでなく、クライアントのニーズや制約条件を考慮した上で、最適な答えを見つけ出すことを意味します。クライアントは多くの場合、複数の解決策の候補を持っています。重要なことは、それらの選択肢を多角的に評価し、実現可能性、費用対効果、長期的な影響などを考慮することです。
3.思考体力がある
コンサルタントの仕事は、分析や問題解決、コミュニケーションなどといったことが求められるため、精神的な持久力、すなわち思考体力が非常に重要になります。
思考体力とは、困難な状況下でも集中力を維持し、粘り強く考え抜く精神的なスタミナのことです。たとえプレッシャーや課題に直面しても、集中力を途切れさせることなく、生産性を維持する能力が求められます。また、途中で壁にぶつかったとしても、すぐに諦めるのではなく、そこから学び、立ち直ることも思考体力の重要な要素です。
思考体力を養うためには、日々の工夫が重要です。タスク管理や優先順位付けなどといった業務遂行の工夫はもちろん、ハイパフォーマンスを維持するために適切な休息や運動習慣など、業務以外の時間も意識した生活を送ることが大切です。また、ストレスを効果的に管理するテクニックを身につけることも、思考体力の維持には不可欠です。
4.コミュニケーション力がある
コンサルタントのコミュニケーション力とは何を意味するでしょうか。それは、クライアントやチームメンバーと円滑な意思疎通を図り、信頼関係を構築し、最終的には相手に影響を与え、行動を促すための総合的な能力です。
例えばコンサルタントは、経営層や管理職、現場担当者など、様々な立場の人々とコミュニケーションを取る必要があります。それぞれの相手に応じて、言葉遣いや説明をすることが求められます。
さらに、分析結果や提案内容をクライアントに分かりやすく説明し、納得してもらう必要があります。そのためには、データを効果的に視覚化したり、ストーリーテリングの手法を用いたりするなど、情報を魅力的に伝える工夫が重要になります。
優れたコミュニケーション力は、単に情報を伝えるだけでなく、クライアントやチームメンバーとの強固な関係を築き、協調的な関係を育む上で大切な要素です。効果的なコミュニケーションは信頼と協力を生み出し、プロジェクトの成功に大きく貢献します。
逆に、コミュニケーションの不足や誤解は、プロジェクトの遅延や失敗につながる可能性があります。関係者全員が同じ目標を共有し、進捗状況や課題を正確に理解するためには、明確で簡潔なコミュニケーションが必要です。
5.チームワークを重視できる
コンサルタントは多くの場合チームを組み、クライアント側の担当者とも連携しながら進められます。そのため、個人の能力だけでなく、チームとして最大限の成果を発揮するためのチームワークを重視する姿勢が非常に重要になります。
効果的なチームワークを実現するためには、メンバー間の活発な意見交換、互いを尊重する姿勢、建設的なフィードバック、そして共通の目標達成に向けた協力が不可欠です。時には意見の衝突もあるかもしれません。そうした状況を乗り越え、建設的な解決策を見出すことも重要になります。
チームワークの能力を高めるためには、グループワークや共同プロジェクトに積極的に参加したり、リーダーシップを発揮する機会を求めたり、他者の意見に耳を傾け、共感する姿勢を意識したりすることが有効です。
どんなに優秀なコンサルタントであっても、効果的なチームワークを発揮できなければ、その能力を十分に活かすことは難しいでしょう。複雑な課題に対しては、チームとして協力し、それぞれの専門性を持ち寄ることで、より質の高い解決策を生み出すことができます。
6.成長意欲が高く、学び続けられる
変化が激しい現代においてコンサルタントも、現状に満足することなく、常に新しい知識やスキルを積極的に学び、変化に対応していく姿勢が求められます。
最新の情報を得るためには、業界の専門誌や論文を読んだり、セミナーに参加したり、オンラインコースを受講したり、メンターから指導を受けたりするなど、主体的な学習活動が重要になります。また、クライアントや同僚からのフィードバックを積極的に求め、自己省察を行うことで、自身の強みや課題を認識し、改善につなげることが大切です。
常に新しい知識やスキルを習得し、変化に迅速に対応できるコンサルタントは、クライアントにとってより価値のある存在となり、延いてはファーム全体の競争力を高めます。また、継続的な学習意欲は、コンサルタント自身のキャリア形成にも大きく貢献します。最新の知識やスキルを身につけることで、より高度なプロジェクトに挑戦する機会が増え、自身の市場価値を高めることができるでしょう。
7.ストレス耐性がある
コンサルタントの仕事はクライアントの要求に答え続け、ハイレベルのパフォーマンスを求められる環境にあります。そのため、ストレスにうまく対処し、冷静さを保ちながら業務を遂行する能力、すなわちストレス耐性が重要になります。
ストレス耐性は、先に述べた思考体力と相互に補完し合う関係にあります。思考体力がどんな状況に耐え抜くスタミナであるのに対し、ストレス耐性は、プレッシャーの中で冷静さを保ち、パフォーマンスを維持する能力と言えます。
ストレス耐性と密接に関連する概念として、レジリエンス(回復力)があります。レジリエンスとは、困難な状況やストレスから立ち直る力のことです。コンサルタントは、予期せぬ問題や失敗に直面することもありますが、前向きな姿勢を保つことが求められます。
コンサルタントに向いていない人の特徴7選
コンサルタントはやりがいのある仕事である一方、環境や求められる資質が特殊で、人によっては強いギャップを感じることもあります。「高年収」「成長機会が多い」というイメージだけで判断すると、入社後のミスマッチに悩むこともあるでしょう。
ここでは、コンサル業界への転職を検討する方に向けて、ミスマッチが起きやすい人の特徴を7つの視点で解説します。
1.変化よりも安定を優先したい
日々の業務に安定性を求める方にとって、コンサルタントの仕事はストレスを感じやすい環境かもしれません。なぜなら、プロジェクトごとにクライアントや業界、求められるテーマが変わることが多く、一定の業務を継続して担当する働き方とは大きく異なるからです。
コンサルタントには、新しい業界の知識を短期間でキャッチアップし、状況に応じて柔軟に対応する力が求められます。業務の進め方も常に一定とは限らず、スピード感を持って変化に適応し続ける姿勢が不可欠です。
そのため、「毎日同じ業務を同じペースで進めたい」「環境が変わるのは苦手」という方は、ミスマッチを感じやすい可能性があります。変化を楽しめるかどうかが、コンサルに向いているかを見極める一つのポイントになります。
2.論理的に物事を考えるのが苦手
コンサルタントに求められるのは、課題を構造的に整理し、筋道を立てて解決策を導く論理的思考力です。この力が不足していると、クライアントの課題を正しく捉えることができず、的確な提案につながりません。
実際の業務では、「なぜその結論に至ったのか」「根拠はどこにあるのか」といった問いに、論理の流れを踏まえて答える力が求められます。感覚や経験則に頼った説明だけでは、クライアントの納得を得られない場面も多く見受けられます。
なお、もともと論理的思考に自信がなくても、トレーニングによって習得することは十分に可能です。ただし、論点を整理する習慣や、多角的に物事を見る意識が身についていないと、実務の中でつまずく場面が増えてしまうかもしれません。
3.指示がないと動けない
コンサルタントには、自ら考え、主体的に動く姿勢が不可欠です。上司やクライアントからの明確な指示を待ってから動くスタンスでは、スピード感のある業務に対応しきれない可能性があります。
実際の現場では、「何をすべきか」「どこに課題があるか」を自分で見極め、必要なアクションを自律的に取ることが求められます。状況に応じて柔軟に判断し、仮説を立てて提案する力が、コンサルタントとしての信頼につながります。
そのため、「言われたことを正確にこなす」ことに安心感を覚える方や、自分でタスクの優先順位を決めるのが苦手な方にとっては、コンサルタントの職業は負担を感じやすいかもしれません。自走力の有無が、コンサルの適性を左右する大きなポイントとなります。
4.ワークライフバランスを絶対視したい
「毎日定時に退社したい」「休日は完全にオフにしたい」といった働き方を絶対条件にしたい方にとっては、コンサルタントの仕事はギャップを感じやすいかもしれません。プロジェクトの状況や納期によっては、長時間労働や休日対応が必要になる場面もあるためです。
もちろん、すべての案件が過度な負荷を伴うわけではありません。しかし、クライアントファーストの姿勢が求められる以上、柔軟な働き方や時間の使い方を許容する必要があります。
成果に応じて裁量を得られる一方で、自律的に時間をマネジメントする力が問われる点は、コンサルタントとして働くうえで理解しておくべきポイントです。
5.細かい作業や精度への意識が低い
正確なアウトプットが求められるコンサル業務では、細部にまで気を配る姿勢が不可欠です。正確性や論理の一貫性に甘さがあると、クライアントからの信頼を損ねてしまう可能性があるためです。
提案資料や数値分析においては、数字の整合性や表現の正しさ、根拠の明示といった「見えにくい品質」が結果を左右します。たとえ内容が優れていても、誤字や数字の誤差があるだけで、説得力は一気に失われてしまいます。
そのため、大まかな方向性だけで進めたい方や、細かい確認作業を煩わしく感じるタイプの方は、ストレスを感じやすいでしょう。緻密さや丁寧さを厭わず、最後まで気を配れる人が、コンサルの現場では強く求められます。
6.単独で黙々と作業したい
一人で静かに業務を進める働き方を好む方にとって、コンサルタントの仕事は負担を感じやすいでしょう。なぜなら、コンサル業務は「対話」と「協働」を前提とした仕事だからです。
プロジェクトは複数名のチーム体制で進行するため、メンバー間の密なコミュニケーションが欠かせません。さらに、クライアントとの打ち合わせや提案機会も多く、自分の意見を整理して伝える場面が日常的です。
黙々と作業に集中する時間もゼロではありませんが、それだけで完結する仕事ではないのがコンサルの特徴です。チームで成果を出すことに価値を感じられるかが、適性の分かれ目となるでしょう。
7.ストレス耐性が低くプレッシャーに弱い
精神的な負荷に弱いと感じる方にとって、コンサルタントの仕事は過酷に映るかもしれません。厳しい納期、クライアントからの高い期待、チーム内外との調整など、常に一定以上のプレッシャーがかかる環境に身を置くことになるためです。
特に若手のうちは、短期間で多くのインプットを求められたり、未経験の分野に果敢に挑戦することが続いたりと、気力と体力の両方が試されます。そうした状況で、冷静さを保ちながら成果を出す力が求められます。
もちろん、全ての人が完璧なストレス耐性を持っている必要はありませんが、プレッシャーに対して過度に不安や緊張を感じやすい方にとっては、継続的に働くのが難しいと感じることもあるでしょう。タフな環境に前向きに立ち向かえるかどうかが、コンサルの適性を大きく左右します。
コンサルティングファームに転職するならMyVision
上述した「向いている人の特徴」を踏まえ、コンサル業界への転職に興味が出てきた方に向けて、ここではMyVisionの転職サポートについて深堀します。詳しく見ていただき、転職活動にお役立てください。
圧倒的支援実績やコンサルファームでの実務経験を持つエージェントで構成
MyVisionの強みの一つは、エグゼクティブコンサルタントチームが「コンサル転職において圧倒的な支援実績を持つ人材」と「コンサルファームでの実務経験を持つ人材」のみで構成されている点です。
MyVisionのエージェントの多くは、「業界出身者」であり、中にはトップ戦略コンサルティングファームの出身者も含まれています。
また、MyVisionは過去に8,000名以上のコンサルティング業界への転職希望者に対してキャリアカウンセリングを実施してきました。そして、1,000名以上もの人々がMyVisionを通じてコンサルティング業界への転職を成功させています。
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このようにMyVisionは、プロの手厚いサポートや独自のコネクションにより、求職者を転職成功に導きます。
まとめ
コンサルタントは、専門知識と多様なスキルを駆使し、クライアントの課題解決を支援するやりがいのある仕事です。この記事では、コンサルタントの業務内容、種類、向いている人の特徴と向いていない人の特徴について解説しました。
コンサルタントに向いているのは、論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力などを持ち合わせ、常に学び続ける意欲のある人です。未経験からでも、自身の強みを活かせる分野を見つけ、入念な準備をすれば、コンサルタントへの道は開けます。
未経験からコンサル業界への転職は簡単ではありませんが、転職エージェントの活用で可能性は広がります。MyVisionは、コンサル業界に特化し、圧倒的な支援実績と独自の選考対策であなたの転職をサポートします。コンサルタントへのキャリアチェンジに興味がある方は、ぜひMyVisionに相談してみてください。