コンサルタントの業務とは 【1日のスケジュールをインタビュー】
2024年06月24日更新
コンサルファームへの転職の人気が高まり、転職市場でもコンサルタントへのキャリアを目指す方が多くなりました。しかし、その仕事内容や一日のスケジュールについては未だ明らかになっていない部分も多いのがコンサル業界です。
そこで本記事では、コンサルの業務内容や1日の過ごし方、また仕事のやりがいやプロジェクトの決まり方など「コンサルタントの仕事」という切り口で解説します。
監修者
大久保 宏菜
Okubo Hirona
大学卒業後、ソーシャルサービスの企画~開発、運用を経験した後、電通デジタル・アクセンチュアにてマーケティングコンサルに従事。MyVisionでは実務・コンサルティング経験を生かしたコンサル経験者・エグゼクティブに対するマーケ/IT領域の転職支援を得意とする。
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目次
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コンサルタントの仕事の概要
まずは、「コンサルタントという仕事とは何か」を解説します。
コンサルタントは、企業の経営課題解決のため、その原因を発見し、解決に導く職業です。
19世紀末にアメリカで誕生した職業であり、外資系コンサルティングファームが主体となりグローバルに広まっていきました。日本においても1960年代に外資系ファームが進出しています。 各ファームは専門性を持って問題解決に従事しており、例えば経営戦略、IT、人事、金融・財務、など細分化されており、所属するコンサルタントの業務内容も異なります。
コンサルタントの仕事の流れ
コンサルタントの仕事内容は、前述したようなプロジェクトのテーマや専門性によって大きく異なります。例えば、戦略コンサルタントとITコンサルタントでは仕事の内容も大きく異なります。 一方で、一連の業務フローの中には共通している部分も存在します。それがプロジェクトの大まかな流れや進め方です。
コンサルタントの業務フローを大別すると、提案フェーズとデリバリーフェーズの2つに分類されます。
それぞれのフェーズは下記の具体的な業務に分解できます。
- 提案フェーズ
- クライアントからの依頼
- 提案、案件の受注
- デリバリーフェーズ
- ヒアリング/インタビュー
- 課題の整理と仮説の立案
- 企画・計画
- 実行支援
- 検証/フォローアップ
またコンサルファームでは役職ごとにどの業務を担当するかが、大まかに決まっています。 下の図は、具体的な業務フローと担当する役職をマッピングしたものになります。
提案フェーズ
コンサルティングファームのプロジェクトは、クライアントからの依頼でスタートします。 パートナーがクライアントに対して直接営業提案を行う場合もあれば、クライアントが複数のコンサルティングファームに対してコンペ形式で依頼する場合もあります。 コンサルティングファームは、クライアントからの相談やRFP(提案依頼書)をもとに、課題解決に向けた初期仮説を提案します。
提案内容には、課題へのアプローチ方法の他にも、契約条件やプロジェクトのチーム構成、成果物などが含まれ、この段階でプロジェクトの大まかな方針が規定されます。
最終的に、クライアントがそうした提案内容に納得して発注することで、プロジェクトがスタートします。
一連の提案フェーズを担当するのは、パートナーやマネージャーと言われる管理職クラスです。メンバーレベルのコンサルタントは、案件化されたプロジェクトにアサイン(配属)されることになります。
デリバリーフェーズ
プロジェクト開始後はクライアントのカウンターパート(担当者)と一緒にプロジェクトを進めていくことになります。カウンターパートは、発注元の部署の役員からスタッフ、またはプロジェクトのために特別に組成されたタスクフォースのメンバーとして参加することがあります。
プロジェクト開始後は、課題解決のプランを練るために、情報収集を行います。 デスクトップサーチやデータ分析、関係者にヒアリングを行い、プロジェクトの論点整理をします。その後、クライアントとの議論を経ながら論点をブラッシュアップし、課題解決に向けた計画・プランを作成していきます。
戦略立案を行うプロジェクトであれば、完成したプランを役員陣へ報告することで完了となります。しかし、近年では後続案件として、最終報告した計画に基づいた実行支援、また実行後の運用支援まで提供することが主流になりつつあります。
一般的に、後続フェーズ(実行支援系、運用系プロジェクト)のプロジェクト期間は、戦略立案系の2~3ヶ月程度程度に対し、半年〜数年単位と長くなる傾向があります。
コンサルの1日のスケジュール
ここまでコンサルタントの仕事内容について説明しましたが、次にコンサルタントのスタッフ職の1日の平均的なスケジュールについて説明します。
プロジェクトのテーマや内容、プロジェクトのフェーズ、クライアントMTGの有無によってコンサルタントの1日の過ごし方は異なります。ここでは、参考としてクライアントMTGの有無ごとに1日の流れを説明します。
クライアントミーティングがある日
クライアントMTGのある日の仕事の特徴として、前後の準備や議事録の作成なども含め、ミーティングが仕事の中心になることです。丁寧なクライアントコミュニケーションはクライアントワークを行う上で非常に重要です。円滑にプロジェクトを進めるために、コンサルタントは1つ1つのミーティングに対し入念な準備を行います。
以下のスケジュールは、外資系コンサルティングファームに勤務しているコンサルタントの方にヒアリングをしたスケジュールの一例です。
9:00-10:00:社内MTG プロジェクトマネージャーが前日に作成したタスクリストについてチームメンバーに共有し、1日の各メンバーのタスクを把握します。 自分を含めたメンバーの1日のタスクとゴールを決定します。本日はクライアントMTGがあるため、それに向けた最終準備がメインです
10:00-12:00:作業 クライアントMTGに向けて資料を最終化します。 スライドの前後の整合性や誤字脱字など、入念にチェックします。
13:00-15:00:クライアントMTG(メイン) クライアントMTGでは、前回のMTG後に出たアジェンダについてディスカッションを行います。 メインスピーカーはマネージャーですが、自分が担当したパートの説明は自分で実施します。いくつかディスカッションを行い、次回MTGに向けての課題について合意します。
15:00-16:00:社内MTG 先ほどのクライアントMTGを受けて、社内で意識合わせを行います。 議論内容を振り返り、来週のクライアントMTGに向けてのワークプランを作成します
16:00-17:00:議事録作成 クライアントMTGの議事録を作成します。議事録も重要な成果物の1つです。
17:00-18:00 クライアントMTG(サブ) サブでのクライアントMTGです。メインのMTGで話す粒度でない内容や、お互いクイックに相談したいことについてディスカッションを行います。
18:00-20:00:来週の社内MTGの準備 明日の社内MTGに向けて、自分のワークプランや成果物のイメージを準備します。
20:00 帰宅
クライアントMTGがない日
クライアントMTGのない日は、実際にプロジェクトを進める日になります。初期仮説を元にして、社内外のソースから情報収集を行います。マネージャーと壁打ちを行い、プランを作成します。
10:00-12:00:プロジェクト概要理解/ワークプラン議論 プロジェクトの開始日であり、過去資料確認や担当マネージャーからのディレクションでプロジェクトの概要を理解し、プロジェクトへのキャッチアップを行います。 クライアントMTGに向けたワークプランを作成します。初回MTGでのアジェンダ作成、それまでにやるべきタスクの洗い出しなど、初回クライアントMTGに向けて、準備を進めます。
12:00-13:00:プロジェクトメンバーで昼食 コンサルワークは初対面の人と仕事をすることも多く、ランチなどで懇親を図る場合も多いです。
13:00-15:00:デスクトップリサーチ マネージャーからの指示を基に、自分で考えるリサーチソースにあたり、関連情報を収集します 必要に応じてマネージャーとディスカッションを行い、情報収集の精度を高めます。
15:00-17:00:社内ヒアリング プロジェクト関連の作業の精度を高めるため、テーマに詳しい社内エキスパートにヒアリングを行います。 今回は自動車産業の海外事例についてヒアリングを実施しました。その内容を基に、資料の内容をより具体化させていきます
17:00-18:00:社内MTGの準備 18:00からの社内MTGに向けた準備を行います。パートナーとMTGでは初期仮説やワークプランの全体像や方向性を合意するため、マネージャーと入念に資料を作成します。
18:00-19:00:社内MTG パートナーも含めたmtgを行い、初期仮説やワークプランの全体像をチームで合意します。基本はマネージャーが説明しますが、自分の担当パートは自分で説明します。 パートナーからいくつかレビューがあったので、プランに反映させます。
19:00-20:00:残タスク処理 先ほどのパートナーからのレビューを反映させます。 その後は、情報収集及び明日のクライアントMTGの準備を行います。
20:00 帰宅
コンサルタントの仕事の決まり方
次にコンサルタントのプロジェクトのアサイン方法について説明します。 コンサルタントをプロジェクトに配置することをファームでは「アサイン」と表現しますが、そのメカニズムや意識すべき点を説明します。
アサイン面談を踏まえた基本的な方針
コンサルファームはプロジェクト制であり、各プロジェクトごとにチームを組成します。その際にメンバーを参画させることをアサインと呼びます。
各ファーム毎に多少の差異がありますが、このアサインでは基本的に各部門ごとのアサイン会議の中で決定します。主にマネージャー以上が参加する会議で、各メンバーの特性や課題、強みを基に、どのプロジェクトに参画させるか議論します。
その結果をスタッフ職に通知し、プロジェクトマネージャーとアサイン面談を実施し、プロジェクトへのアサインが決定します。
アサインの決まり方
基本的には、プロジェクトの内容と、各スタッフの希望や能力開発に適したプロジェクトをマッチさせることが理想です。 例えば、あるスタッフ職が今後人事領域に専門性を磨いていきたい、という希望があれば人事系のプロジェクトにアサインさせたり、今後マネージャーを目指したいスタッフがいれば、一部マネージャーの役割を担えるプロジェクトへのアサインを検討します。
ですが、昨今は総合系ファームに代表されるように、大規模なシステム案件の受注も増加しており、多くのスタッフを1つの案件にアサインするケースもあります。 その場合、個人の適性やキャリアの志向性が必ずしも反映されるとは限りません。
コーチ・評価者とコミュニケーションを継続する
自身の希望通りのアサインを叶えるためには、自身の評価者やコーチ(評価者とは別のスキルアップなどを支援するメンター的存在)と密にコミュニケーションをとる必要があります。
アサイン会議では、そのコンサルタントのスキルセットや、教育担当の上司が持っている育成方針などを考慮した上でアサインが議論されます。
つまり、自身のコーチと日頃から自分の現在のスキルセットや今後経験したいこと、アサインにあたって配慮してほしいことを共有することによって、アサイン会議の場でコーチや評価者から自分の希望や育成プランを伝達してもらうことが重要です。
コンサルタントの仕事の魅力とは
各コンサルファーム別の業務内容を説明した上で、次にコンサルタントの仕事の魅力について説明します。
スキルがつきやすい
コンサルタントの仕事では大企業の経営課題を解決することであり、非常に高いレベルの論理的思考力やコミュニケーション能力、マネジメントスキル、業界特有の知識などが非常に高いレベルで求められます。 20代から大企業の役員と仕事を共にすることも多く、事業会社と比較して、成長スピードが圧倒的に速いです。
したがって、新しい業界に転職したいと思うようになった場合、専門知識を身につければ他の業種への転職など、自身のキャリアの選択肢が拡大します。
クライアントから感謝される
コンサルファームは事業会社と異なり、コンサルタント自身がサービス・商品であり、能力やパフォーマンスがプロジェクトの成否に如実に反映します。
事業会社でも自社のサービスや自分の提案や実施した行動が顧客に感謝されることはありますが、コンサルファームでは評価・感謝の対象がより自分自身であることが大きな違いです。そのため、クライアントから直々に「〇〇さんのおかげです。ありがとうございます」と言われることも珍しくありません。
このように非常に属人性の高いビジネスモデルであるため、自分自身が顧客からダイレクトに評価・感謝されやすい職種です。よって、クライアントの喜ばせたい・貢献したい、という思いをお持ちの方にはフィットする職種であると言えます。
他にもコンサルの魅力として、年収が高いことや市場価値が高まることも挙げられます。コンサル転職の魅力について解説した記事は以下になります。
コンサルファーム別の仕事について
次に各ファーム別の仕事内容について説明します。昨今では戦略系と総合系の境界が曖昧になっている場合もありますが、各ファームごとの特徴を整理しました。
具体的な業務と、それぞれのやりがいについて解説しています。
戦略系コンサルタントの仕事
戦略ファームの仕事は、クライアント企業の経営課題のうち、企業の全社戦略やM&Aにおける事業統合のサポート、海外新規参入戦略など企業経営のトップレベルに関わる問題解決を手がけています。
戦略立案
戦略立案の案件は、時代の潮流に即した全社戦略再構築/赤字に陥っている事業の再生等が該当し、戦略コンサルが最も得意とする領域と言えます。具体的な内容としては、全社事業戦略、事業戦略、海外進出戦略、新規事業創出などがあります。
デュー・デリジェンス(DD)
デュー・デリジェンスの案件は、クライアント先が買収を検討している/予定している企業の評価や買収シナジーの検証等が該当します。 デュー・デリジェンス自体には法律面/金融面/事業面等の観点があり、戦略コンサルティングファームは主に事業面のDDを担当します。具体的には、買収検討/買収予定企業の企業価値を、手掛ける事業の市場の将来性や、買収した場合のクライアントの既存事業/既存リソースとのシナジー等を踏まえて評価/算出し、クライアントが買収判断する際のサポート/助言を実施します。
オペレーション改善/戦略実行支援
オペレーション改善/戦略実行支援の案件は、生産性向上やコスト削減等による利益率向上に向けた取り組みや、戦略の実行等が該当します。 戦略実行支援の案件は、昨今の戦略コンサルティングファームで増加しています。背景には、クライアント企業も実行するための人材獲得の難易度が上がっていることや、社内での効率化も求められることが多くなっており、実行支援まで求めるニーズがここ10〜15年で増加しています。
プロジェクトの期間
基本的に、プロジェクトは1ヵ月〜3か月程度の短期的なスパンのものが多いです。理由として、戦略立案に時間をかけすぎると環境・状況の変化により、立案した戦略が無に帰す場合があるため、できる限り最短の期間で戦略を立案し、実行に移す必要があるためです。
仕事の面白さ、大変さ
戦略系の案件は、短期間で経営課題の解決というレベルの高いテーマを求められるため、非常に難易度が高く、働き方もハードになります。 一方、企業の最重要課題という社会的に意義もあり、解決したときのインパクトの大きい課題にチャレンジできることは魅力と言えます。自身の活動が企業の未来の発展や、社会的に大きな影響を与える可能性がある仕事に就くことができます。
総合系コンサルタントの仕事
総合系ファームの仕事は、あらゆる業種・テーマに対応できるケイパビリティの広さを武器に、戦略立案から実行支援まで一気通貫でクライアントを支援します。直近ではデジタル化の潮流にともない、IT領域のコンサルティングを上流から下流まで一気通貫で提供できる総合系ファームへの引き合いは非常に強くなってきています。
そのため上流のトップマネジメント層の経営課題の解決から、業務改善などの実行支援、システム導入など、多岐に渡ります。
多岐にわたるプロジェクト
総合系ファームのプロジェクト内容は多岐にわたります。例えば企業のグローバル戦略、IT化・デジタル化推進・プラットフォーム構築・M&A、新規事業進出、成長戦略といった戦略系から、業務オペレーション改善・システム導入といった実行支援系、組織改革など特定の領域などが挙げられます。どれか1つの機能に絞って支援するのではなく、機能横断的に支援することで、より大きな成果が見込まれます。
プロジェクトの期間
プロジェクトの規模によって期間は様々です。数か月程度のものもあれば、数年をかけて行う大規模プロジェクトもあります。
仕事の面白さ、大変さ
基本的には戦略系とあまり変わりはありません。 但し、実行支援系のプロジェクトでは、具体的なソリューションを実施するため、クライアントの業務改革や課題解決を実際に間近で実感できるところが挙げられます。また戦略系案件と比較して、自身のコンサルティングワークの動きが迅速に結果に反映されるため、非常に”手触り感”を感じることができます。
総合系ファームの仕事内容については、こちらの記事で解説しています。 ぜひご参考にしてください。
IT系コンサルタントの仕事
ITコンサルタントの仕事は、クライアント企業の経営戦略をヒアリングし、それに沿ったIT投資計画の策定、必要なツールの導入・支援を行うことが仕事です。費用対効果やスケジュールを含め、システムの分析・選定も行います。このように、ITコンサルタントの仕事は多岐に渡ります。
代表的な案件として、「システム導入」「PMO支援」「IT戦略」の3つがあります。
システム導入
昨今のコンサルティングファームの案件で、最も増えているのがシステム導入です。元々、上流工程のみを担当していたファームも、昨今では下流のシステム導入までワンストップで引き受けるケースが増えております。
PMO支援
PMO支援も、コンサルティングファーム各社で多く取り扱っている案件となりますが、もともとはシステム導入における下流工程のプロジェクト管理支援が多数を占めておりました。しかし、昨今では事業会社各社でも効率化のための人材削減が進められており、事業会社の情報システム部門の立場でプロジェクト管理を支援する案件が増加しております。
IT戦略支援
IT戦略支援では、IT戦略策定やシステム導入における構想策定といった経営により近い超上流の工程を担います。
プロジェクトの期間
プロジェクト期間は導入するシステムや規模にもよりますが、パッケージ製品をそのまま適用というケースであれば、最短半年で導入は完了します。大規模なERPシステムの刷新プロジェクトとなると、2、3年がかりで進められることもあります。 RPAやBPMなどのフロントシステムは、製品によりますが3か月〜1年かけて進められるものとなります。
仕事の面白さ、大変さ
システム導入では、戦略系やNon-IT系の案件と異なり、具体的なソリューションを検討し、実行していくフェーズであるため、クライアントの業務改革や課題解決を実際に間近で実感できるところが挙げられます。 PMOでは、プロジェクトマネージャーやプロジェクトオーナーを担当している部門長や役員クラスのクライアントを相手にコンサルティングができるため、視座の高い仕事ができます。
IT系ファームの仕事内容については、こちらの記事で詳細に解説しています。 ぜひご参考にしてください。
コンサルタントの仕事についてよくある質問
最後にコンサルタントの仕事について、よくいただく質問について説明します。
英語は必要ですか?
前提として、日本のコンサルファームはクライアントが日系企業であり、日常業務で英語を使用する機会はそれほど多くありません。ですが、英語の能力が高いとクライアントの海外進出のプロジェクトにアサインされる可能性が高まります。他にも、海外事例のリサーチや海外オフィスとの会議などで英語を使用する場合や、一部ファームではマネージャー以上の昇格要件として英語試験の点数が求められます。
そのため、絶対に英語が話せないと入社できない、という訳ではありませんが、能力があるに越したことはないです。 むしろ、ファーム入社後に継続的なキャッチアップが求められます。
PCスキルはどのくらい求められますか?
コンサルファームでは、PCスキル(PPT・Excel・Word)が非常に高いレベルで求められるというイメージがあります。前提として、各ツールの基本的な関数やショートカットは把握しておいた方が望ましいです。
その上で、入社前に基礎的なスキルさえあれば、高度なスキルを求められることは少ないです。
重要なのはまず最初に「目的(=やりたいこと)」であり、PCスキルはあくまでそれを達成するための「手段」に過ぎません。 例えば、Excelも同様で、Excel関数という「ツール」は、何かやりたい処理/計算(=「目的」)があって開発されたものです。具体的な「目的」がないまま、Excel関数を練習しても非常に非効率です。ここで言う「目的」とは、Excelスキルを習得するということではなく、具体的な処理や計算を指します。
研修・育成制度の充実していますか?
コンサルティングファームの最大の武器は人材です。そのため、中途採用の人材の育成に関しても、どのファームもかなりの投資をしており、非常に充実しています。研修には大きく分類して、3つの種類があります。
入社時研修
未経験者で中途入社の場合、基本的にはまず入社時研修に受講します。研修の期間や内容はファームによって変わりますが、多くの場合2週間程度です。
内容については、ロジカルシンキングやリサーチのやり方、PCスキルなどの基礎スキルに関するものが大半です。また、外資系などの一部ファームの場合は、社内の研修だけでなく、グローバルでの共通研修を実施している場合もあります。グローバル研修は、グローバルでの横のつながりを早いタイミングで構築することで、海外メンバーとの連携を円滑にするという狙いもあります。
定期研修
入社時研修以外にも、定期的な研修が用意されています。
コンサルタントは昇進するにつれて、要求されるスキルが異なってくること、また特定のトピックやインダストリーに関する専門性を深める必要性が高まることから、それらのニーズに対応するよう研修も設けられています。具体的には、役職別の昇格時の研修や、各チーム別の特定インダストリーに関する研修があります。
その他個別研修
最後に、一部のファームではコンサルタントごとの悩みや課題に対して、所属するチームが研修を実施するケースもあります。未経験者だけでなく、ある特定のスキルにおいて非常に苦手意識を持たれている方もいらっしゃいます。そのような場合に、各チームごとに勉強会を開催したり、マネージャーやシニアスタッフが研修を実施する場合もあります。
また実際のプロジェクトにおいても、マネージャーやシニアスタッフが部下の育成に注力しているファームが多いです。このように、ファームが提供している研修と、実践を交互に取り組むことで、コンサルタントとしての能力開発が可能な仕組みがあります。
まとめ
ここまで、コンサルファームの仕事内容について説明しました。コンサルファームの仕事内容はかつてと比較してオープンになっている一方、未公開の内容も多く、未経験者ではキャッチアップが難しい場合もあります。 そのため、未経験から転職する場合は、事前にコンサルタントの働き方の実態をしっかりとリサーチすることが必要となります。コンサル転職においてはコンサルティング業界を専門とした転職エージェントから事前に情報収集することが活用が非常に重要です。また、できればファームでの就業経験のある人や、現在働いている社員にコンタクトをとり、実情を確認することも有用です。
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もし未経験からのコンサルファームへの転職に不安を感じている方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。ファーム毎の傾向や、最近のトレンド等含めてサポートさせていただきます。
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