コンサルタントとは 仕事内容やキャリアパス、働き方、年収を徹底解説
2024年06月24日更新
近年、ハイクラス層の転職先として非常に人気の高いコンサル業界ですが、クライアントとの守秘義務の関係上、その仕事内容や働き方についての情報はなかなか公開されていません。
『コンサルタントの仕事内容』、『働き方やワークライフバランス』、『将来のキャリアパス』などに疑問を持っている方は非常に多いです。
本記事では、累計1,000名以上のコンサル転職を支援してきたMyVision代表の山口が、コンサルタントの仕事内容やキャリアパス、年収についてわかりやすく解説します。
監修者
山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
プロフィール詳細を見る
目次
全部見る
コンサルタントとは何か
コンサルタントとは、クライアントが抱える課題を解決するために、戦略の立案や業務改善、そしてその実行まで幅広く推進する人を指します。エンドユーザーに自社サービスを提供したり、製品そのものを売るのではなく、アドバイザーとしてクライアントへ提供するコンサルティング行為そのものが提供価値となります。
一般に、『コンサルタント』という言葉は広く使われており、定義は広範囲にわたりますが、本記事の対象となるのは、コンサルティングファームに所属するコンサルタントとなります。(また、弊社による転職支援の対象のコンサルタントも同様の定義となります。)
コンサルタント種類 | 所属 | クライアント | 価値提供の方法 |
---|---|---|---|
本記事の対象となるコンサルタント(コンサルティングファームに所属するコンサルタント) | コンサルティングファーム(戦略ファーム、総合ファーム、ITファームなど) | 企業や行政機関 | アドバイザーの立場からクライアントの課題解決を支援(戦略立案、実行支援等) |
ソリューション企業コンサルタント | 自社サービスや製品を持つ企業(SaaS企業、メーカーなど) | 自社サービス・製品の顧客企業 | 自社サービス・製品の活用方法を提案 |
その他専門コンサルタント | 個人や専門領域の組織(医療コンサルタント、飲食店コンサルタント) | 個人から法人まで幅広く | 個別ニーズに応じて幅広く |
横にスクロールできます
所属するファームにより取り扱うテーマは多種多様になっており、戦略・業務・IT・組織人事・新規事業立案・会計・事業再生などのテーマが存在します。 コンサルタント自身、及びファームの専門性や強みを活かしながら、クライアントである企業や行政機関に対してコンサルティングサービスを提供します。
コンサルタントの業務内容
コンサルタントの業務は、所属するファームによって大きく異なります。例えば、戦略コンサルタントとITコンサルタントではアサインされるプロジェクトが異なるため、実際の業務も大きく異なります。
一方で、一連の業務フローについては、共通しているものが多いです。通常、コンサルタントはプロジェクト単位で案件にアサインされます。このプロジェクトの進行フローを大別すると、提案フェーズとデリバリーフェーズの2つに分類されます。
提案フェーズを主にマネージャーと呼ばれる上位役職者が担当し、実行部分であるデリバリーフェーズをメンバークラスのコンサルタントが担当します。
それぞれのフェーズは下記の具体的な業務に分解できます。
提案フェーズ(マネージャークラスの仕事) 1.クライアントからの依頼 2.提案、案件の受注
デリバリーフェーズ(メンバークラスの仕事) 3.ヒアリング/インタビュー 4.課題の整理と仮説の立案 5.企画・計画 6.実行支援 7.検証/フォローアップ
また、コンサルティングファームでは役職ごとにどの業務を担当するかが、大まかに決まっています。下の図は、具体的な業務フローと担当する役職をマッピングしたものになります。
業界未経験からコンサル転職をする場合、ほとんどの方はメンバーレベルで入社することになるため、下記の図の③〜⑦を担当すると考えていただくのが良いでしょう。
コンサルタントの役職
前述したように、コンサルタントの業務内容は役職によって異なります。ファームによって細かい呼び方には差異があるものの、コンサルタントの役職は概ね下記5つに分類されます。
コンサルタントの役職 1. パートナー 2. プリンシパル/シニアマネージャー 3. マネージャー 4. コンサルタント 5. アナリスト
コンサルファーム各社は、役職ごとに人材要件を詳細に定義しており、それにのっとってコンサルタントの評価や昇進を行います。役職ごとの業務内容や評価観点、昇進するために必要な素養などは、下記の記事で解説していますので興味がある方は参考にしてみてください。
コンサルタントの給与
次にコンサルタントの役職及び年収・給料について解説します。 コンサルタントの年収は、基本的にファーム内の役職に応じて決まります。
また給与体系はベース給与と賞与(ボーナス)で構成されます。 ベース給与は役職で決まる一方、賞与はその年の個人のパフォーマンスやファーム全体の業績で決まります。一般的に、役職が上がれば上がるほど、賞与の割合が増えていく傾向にあります。
以下の図は、各役職の役割や年収について整理したものです。 年収は戦略ファームと総合ファームで大きく異なるため別々に記載しています。
役職 | 役割 | 年収(戦略ファーム) | 年収(戦略ファーム以外) | 年次(アナリスト入社時) |
---|---|---|---|---|
パートナー | ファーム経営全般、クライアントへの営業/提案 | 5,000万円以上 | 2,500万円以上 | 10年目~ |
プリンシパル(シニアマネージャー) | クライアントへの営業/提案、プロジェクト管理(複数) | 3,000~5,000万円 | 1,400~2,500万円 | 7~12年目 |
マネージャー | プロジェクト管理(単一)、チームマネジメント | 2,000~3,000万円 | 1,000~1,400万円 | 5~10年目 |
コンサルタント | プロジェクト推進の中心 | 1,200~2,000万円 | 700~1,000万円 | 3~6年目 |
アナリスト/アソシエイト | 調査/分析/資料作成 | 600~1,000万円 | 400~800万円 | 1~3年目 |
横にスクロールできます
直近でコンサル転職した方の年収事例
以下は、直近でコンサル転職をされた方の年収事例を一部抜粋したものになります。是非ご参考にしてください。
年齢 | 転職前職種 | 転職前年収 | 転職後年収 |
---|---|---|---|
26歳 | メーカー 営業 | 500万円 | 600万円 |
32歳 | メーカー 調達 | 700万円 | 850万円 |
28歳 | 小売業 企画 | 600万円 | 800万円 |
25歳 | SIer SE | 450万円 | 600万円 |
26歳 | メーカー 生産管理 | 450万円 | 550万円 |
29歳 | メガベンチャー 企画職 | 800万円 | 1,050万円 |
33歳 | メガバンク 総合職 | 850万円 | 1,000万円 |
28歳 | メガベンチャー エンジニア | 650万円 | 800万円 |
27歳 | 広告代理店 エンジニア | 550万円 | 700万円 |
29歳 | 厚生労働省 総合職 | 800万円 | 850万円 |
29歳 | 市役所 職員 | 450万円 | 600万円 |
29歳 | 人材業 営業 | 800万円 | 800万円 |
横にスクロールできます
コンサルに転職して年収が上がった方の体験談
コンサルに転職し、実際に大幅な年収アップを実現した方の声を一部抜粋しました。
──転職前は年収500万円、転職後は年収800万円になりました。
──転職前は年収350万円、転職後は年収500万円になりました。
また、コンサル業界の給与体系やよくある質問などについては下記の記事で解説しています。
コンサルタントの働き方と労働環境
次にコンサルタントの働き方や労働環境を解説します。一般的にコンサルタントは激務といわれることが多いですが、実際の勤務状況や、ワークライフバランスについてご紹介します。
コンサルは激務なのか
一般的に、コンサルタントは他の業種と比べるとハードワークと言われることが多いです。その理由は、業界のプロであるクライアントと対等に議論しつつ、限られたプロジェクト期間の中で高い価値を発揮しなければならない、といった業務特性によるものが大きいです。
また、プロジェクト期間が一様に忙しいというよりは、繁忙期に負荷が集中しやすい傾向にあります。例えば、プロジェクトにアサインされた直後のタイミングは繁忙期になりやすいです。アサイン直後はその業界に関する知識のキャッチアップが必要となり、クライアントからの信頼を得るためにも、業務負荷を一時的に上げて急速にインプットをすることが求められます。 他にも、プロジェクトの最終報告前や開発システムのリリース直前といった重要な局面では、局所的に稼働量が増える場合があります。
ワークライフバランス
一方で、働き方改革の浸透もあり、近年はワークライフバランスが確保されたコンサルティングファームも増えてきています。
例えば、日系総合ファームのベイカレント・コンサルティングは、平均残業時間が20.5h/月であることを公表しており、日本企業全体の平均残業時間と変わらない水準となっています。下記はベイカレント・コンサルティング 北風常務へのインタビューの一部引用です。
弊社の平均残業時間は約20時間/月に抑えることが出来ています。大手ファームで残業時間を公表している企業はほとんどないため比較するのは難しいですが、私の知っている範囲ではかなり少ない方だと思っています。弊社はプライム上場企業でもあることから、働いている方が中長期的に活躍できるような環境を提供することは責務だと考えています。また、私としても、中長期でベイカレントで活躍してもらうために、短期的に無理して働いて燃え尽きてしまうような働き方はしてほしく思っています。(ベイカレント・コンサルティング 北風氏)
ベイカレント・コンサルティング以外にも、ワークライフバランス重視を方針として掲げ、残業時間が10〜30時間程度で収まっているファームも多く存在しています。
近年の労働環境の変化については、以下の記事で解説しています。
仕事場所
働く場所は、プロジェクトに依存する部分が大きいです。 プロジェクトの建て付けによっては、クライアント先に常駐する場合もあれば、ファームのオフィスで作業する場合もあります。 また、近年の特徴としては、リモートワークで仕事をできるケースが増えており、仕事の柔軟性は比較的高まってきているといえます。
こちらの記事でコンサルタントの働き方について詳細を解説していますので、もっと知りたいという方は、ぜひご一読ください。
コンサルタントの仕事のやりがい
コンサルタントは様々な業界のトッププレイヤーや経営層とプロジェクトを経験することができます。プロジェクト中は常に高い成果を求められますが、そのような状況下でプロジェクトを成功させた時の達成感や、クライアントから感謝される瞬間に大きなやりがいを感じる、というコンサルタントが多いです。
コンサル業界で得られるやりがいや経験には、下記のようなものがあります。
- 日本を代表する大企業の経営課題にとりくめる
- 短期間で多くの経験を積むことができる
- 唯一無二のファームの資産にアクセスできる
それぞれについて解説します。
日本を代表する大企業の経営課題にとりくめる
コンサルティングファームのクライアントは、日本を代表する大企業がメインです。日本を代表する企業の経営課題に直接携わることができるということはコンサルタントとしての大きなやりがいとなります。
また、大企業のクライアントは、多くの取引先や顧客を抱えています。従って、大企業の経営課題を解決することは、間接的に多くのステークホルダーにインパクトを与えることになります。実際に関与していたプロジェクトが、ニュースとして全国的に報道される場合もあります。このように自分の仕事が社会的な意義に直結していると感じる機会が多いのは、コンサルタントとしてのやりがいの一つになります。
また、このような経営課題を解決するためには、クライアントの経営陣が納得のいくアウトプットを出す必要があります。高いレベルのアウトプットを求められることで、自分自身の経験やスキルを向上させることができます。
短期間で多くの経験を積むことができる
コンサルタントの仕事は、数ヶ月スパンで複数のプロジェクトにアサインされることが一般的です。
ファームにおいて多くのプロジェクトに携わることで、様々な企業や業界のビジネスの知識・経験を積むことができます。 また短期間で多くのプロジェクトに携わることで、限られた時間の中で情報をインプットし、高いアウトプットを出すという汎用的な能力を身につけることができます。
プロジェクトごとに異なる課題に対して、様々なステークホルダーと協力して問題を解決することで、コミュニケーション能力やリーダーシップ、プレゼンテーションスキルなどのビジネススキルも向上させることができます。 コンサルタントとして多くのプロジェクトに携わった経験は、自身のキャリアにおいて大きなアドバンテージになります。
こちらの方は海外で活躍できるスキルを身に着けるため、外資系ファームに転職しました。
──グローバル案件に携わるには、それに値するスキルを身に着けることが重要だと考えました。そして、年次に関係なくグローバルで活躍できるスキルを身につけられる環境を探した結果、外資系コンサルティング業界への転職が最も現実的なプランであると考えました。
唯一無二のファームの資産にアクセスできる
コンサルティングファームで働くことで、希少価値の高いファームの資産を積極的に活用していくことができます。特に、優秀な上司や同僚、ファームに蓄積されたナレッジを活用できるのは、中長期のキャリアに大きなアドバンテージとなります。
優秀な上司や同僚と切磋琢磨することで、自然に自分自身も成長し、スキルアップすることができます。ファーム退職後に、コンサル時代のアルムナイネットワーク(= 卒業生ネットワーク)が次の職場で活きることも多いです。
コンサルタントだからこそアクセスできるナレッジも魅力的なアセットです。特にグローバルファームで働く場合は、各地域でのビジネスに関するノウハウやベストプラクティスが共有されています。ファーム内に蓄積された知識やデータを活用することで、より高品質な価値をクライアントに提供することが可能になります。
コンサルタントに求められるスキル
コンサルタントに求められるスキルとしては、資格のような目に見えるスキルというよりも、適性や能力といった形としては見えないスキルの方が重要です。
そういった基礎スキルをベースに、個別の知識や専門性を掛け合わせることでコンサルタントとしての価値に希少性を持たせ、クライアントへの付加価値を高めていく、というのが基本的な考え方になります。
コンサルタントに求められる代表的なスキルには、以下のようなものがあります。
- プロフェッショナルマインド
- 問題解決力
- コミュニケーション能力
- 特定領域における知見・専門性
- IT・デジタルリテラシー
- 英語力
それぞれについて解説していきます。
プロフェッショナルマインド
コンサルタントに必要なスキルの中でも最も重要なものの一つであり、プロとして持つべき仕事に対する責任感や価値観のことを指します。クライアントが抱える経営課題に臨むうえで、常に高い熱意や倫理観を持ち、真摯に向き合う姿勢が求められます。
問題解決力
コンサルタントの基本的なスキルの一つであり、解くべき問題を明確に定義したうえで、情報収集や分析をし、適切な解決策を立案・実行する能力を指します。クライアントが抱える経営課題を正確に理解し、最適な解決策を提供するうえで最も重要となる能力になります。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力はクライアントとの関係を築くために非常に重要な能力です。コンサルタントは、クライアントとのコミュニケーションを通じて、顧客の課題やニーズを理解し、解決策を提供します。プレゼンテーションや資料の作成といった日々の業務においても読み手や聞き手を意識してアウトプットを作ることが求められます。
特定領域における知見・専門性
クライアントがコンサルタントに求めているものの1つに、特定領域における深い知見や経験があります。業界のトレンド、法律、規制、固有の課題といった見識があると、それだけでクライアントに価値を提供しやすくなります。そのため、主に他業界からのコンサルタント転職者にとって、個別業界の深い知識を保有していることは、大きなアドバンテージとなりえます。
IT・デジタルリテラシー
現代のビジネスシーンでは、企業の問題を解決するためにIT・デジタルを活用することが不可欠となってきており、同時に、ITの素養もあらゆるコンサルタントに求められるようになってきています。実務的なITスキルがなくとも、システムに関する理解や活用方法、問題解決に必要な部分を理解していることが重要です。今後、IT・デジタル周りの素地をもったコンサルタントの価値はますます上がることが予想されます。
英語力
現代のグローバルビジネス環境では、英語力はますます重要なスキルとなっています。クライアントが日系企業の場合でも海外系のプロジェクトは多く存在し、英語力があればグローバルプロジェクトへのアサイン確率もあがります。また、グローバルファームの場合、英語は海外の資料や同僚へのアクセスに必要となるため、社内ナレッジの活用という観点でも重要です。
コンサルタントのキャリアパス
コンサルタントのキャリアパスにはどのようなものがあるのでしょうか。 ファームに残ってコンサルタントとしてのキャリアを築く場合もありますが、コンサル業界以外への転職や起業といった形でネクストキャリアを形成していく人も多く存在します。
ポストコンサルのキャリアパスは、ファーム在籍時にどのような経験をしているかによって変わることが多いため、代表的なファームでの経験別に、その後のキャリアについて紹介していきます。
戦略コンサルタントの方のキャリアパス
戦略ファームや、総合ファームの戦略部門に在籍していたコンサルタントは、中期経営計画の策定や、新規事業立案、全社組織再編、ビジネスデューデリジェンスといったプロジェクトテーマへの経験が多くなります。
このため、戦略コンサルタントのキャリアパスには、下記のようなものが挙げられます。
- 事業会社の企画系部署への転職(経営企画、事業企画、全社横断系部署など)
- プロフェッショナルファームへの転職(PEファンド、投資銀行など)
- スタートアップ企業のCxO、執行役員、マネージャーとしての転職
- CEOや共同創業者としての起業
全体的に、抽象度が高く、複雑なミッションを抱えるポジションへのキャリアチェンジが多くなります。そうしたミッションを担える人材は希少価値が高く、多くの企業から求められることとなります。
ただ、戦略コンサル時代の業務経験がそのまま活きるケースはそこまで多くはなく、各々の転職先で適宜必要な知識やスキルを高速でキャッチアップしながら、ファームで身につけた問題解決力をフル活用して価値を出していくケースが多くなります。
ビジネスコンサルタントのキャリアパス
ビジネスコンサルとして働いた方の代表的なネクストキャリアは、以下になります (ビジネスコンサルとは、アクセンチュアのS&CやSongといった、総合系コンサルファームのNon-IT部門を指します。)
- スタートアップ企業の執行役員、マネージャーとしての転職
- 事業会社の特定ファンクションを統括する部門への転職(営業企画、物流企画など)
- 事業会社内のタスクフォースなどを担うポジションへの転職
その後、バックオフィスの統括系役員や、事業部門担当役員などを目指すルートが一般的に多いです。
ITコンサルタントのキャリアパス
ITコンサルとして働いた方の代表的なネクストキャリアは、以下になります。
- 事業会社のIT企画部門、情シス系部門への転職
- ITベンダー/SIerの営業、コンサル部門への転職
- スタートアップ企業のCIO、CTO
また、業務/ITコンサルのキャリアとしては、事業会社に転職せずに別のコンサルティングファームへ転職し、年収やワークライフバランスの向上を実現するケースも多くあります。
ITコンサルのキャリアについてもっと知りたい方へ
こちらの記事では、ITコンサルの長期的なキャリアについてさらに詳しく解説しています。ITコンサルのキャリアに興味がある方は参考にしてみてください。
FASで経験を積んだ場合
FASでは、主にM&Aの一連フェーズ(戦略、買収先選定、ディールの実業務など)、事業再生、企業/事業の価値評価案件等を経験することができます。 このため、卒業後のキャリアもファイナンスの専門性を活かせるポジションが中心になります。
FASコンサルタントとして働いた方の、代表的なキャリアは下記になります。
- 事業会社の財務系企画部門への転職
- 戦略ファームのM&A部隊への転職
- IBDへの転職
- 投資ファンドへの転職
FASでの業務は戦略コンサルティングファームのM&Aユニットや、証券会社の投資銀行部門と一部業務が重なる部分もあるため上記のようなキャリアが主流になります。
監査法人で経験を積んだ場合のキャリアパス
監査法人出身者のキャリアパスについては、公認会計士の場合と、システム監査/アドバイザリーの場合について説明します。
監査法人後のキャリア(公認会計士)
公認会計士を経験した方の代表的なキャリアは下記になります。
- FASへの転職
- 事業会社の財務部門へ転職し、企業内会計士として最終的にCFOを目指すルート
- 監査法人対応を行う事業会社の内部監査/内部統制部門への転職
- 独立し、会計事務所を設立
監査法人後のキャリア(システム監査/アドバイザリー)
システム監査/アドバイザリーを経験した方の代表的なキャリアは下記になります。
- ITベンダーやリスク系のブティックファームへの転職
- 事業会社の内部監査/内部統制部門への転職
ポストコンサルキャリアの概要については、以下の記事で詳しく解説しています。コンサル経験後のキャリアについて知りたい方は参考にしてみてください。
コンサルタントのプロジェクト事例
コンサルティングファームのプロジェクトは公開されることが少ないため、具体的にどのようなプロジェクトを実施しているのかイメージを持ちにくいかもしれません。 実は、私達にとって身近な企業や政府機関が実施しているプロジェクトには、裏でコンサルティングファームが関わっていることも多く、いくつかの事例は各社のホームページに掲載されています。 こちらでは、大手企業や政府において実施されたコンサルティングファームのプロジェクト事例について紹介します。
BCG (ボストンコンサルティンググループ)の事例
BCGとWEFの共同プロジェクト: 温室効果ガス排出量ネットゼロへの挑戦
温室効果ガス排出量ネットゼロの達成に向け、多くの企業がビジネスの変革を迫られるなか、世界経済フォーラム「CEO気候リーダー・アライアンス」(the WEF Alliance of CEO Climate Leaders)とBCGで、経営リーダーに向けて温室効果ガス排出量ネットゼロに関する共同レポートを作成。
消費者に訴求するグリーン製品を生み出し、その提供に必要なリソースを確保するための6つの重要なアクションを整理。
出典:BCG公式サイト
DTC (デロイトトーマツコンサルティング)の事例
邦銀:米国進出のサポート
邦銀が米国に進出するに当たり、DTCは日本と米国のメンバーで混成チームを組成し、グローバルネットワークを活用したトータルサポートを実施。 サポート領域は米国の市場・競合調査のみならず、日本と米国における銀行業の収支構造、ビジネスモデル、システム構造の違いなどの具体的な調査まで及ぶ。
抽象論で終わらない具体的なサポートをデロイトの現地拠点と連携して行う事で、クライアントのグローバル展開に大きく貢献した。
出典:デロイト公式サイト
日系自動車OEM:グローバルデジタルマーケティングプラットフォームの企画構想と実行支援
クライアントが掲げるデジタルマーケティング戦略を元に、それを実現していくために必要なビジネスモデルの設計、プラットフォームの構想、そして変革移行管理までを支援。デジタルマーケティング戦略の立案からその実行支援までを提供しているDeloitte Digitalチームが日米欧から集結し、デジタルプラットフォーム構築の企画を立案。延べ関係者は100名にも及ぶ一大プロジェクトとなった。
出典:デロイト公式サイト
アクセンチュアの事例
ニッポンハムグループ:新規D2C事業創出を支援
ニッポンハムグループは2021年に、「食べる喜び」をさらに追求しつつ持続可能な社会の実現に貢献するため「たんぱく質を、もっと自由に。」を掲げるVision2030を策定。優先的に取り組む5つのマテリアリティ(重要な社会課題)の解決の一環として新規D2C事業をアクセンチュアと立ち上げた。
新規D2C事業として、エンタメ事業、ウエルネス事業、エシカル事業の3つを構想。まずは、たんぱく質の新たな可能性との出会いを創出する「Meatful」(エンタメ事業)と25年以上の食物アレルギー事業への取り組みを進化させ食への多様なニーズに応える「Table for All」(ウエルネス事業)の立ち上げに向けてプロジェクトを始動。
出典:アクセンチュア公式サイト
アステラス製薬:全社横断の基幹業務プラットフォームの構築
これまで地域別に運用していた基幹業務システムを全面的に刷新し、グローバル規模で全社横断の基幹業務プラットフォームを構築。 すべてのトランザクションデータを集約・蓄積・分析することで、高精度の予測を行い、戦略的な意思決定を実現する「データ駆動型経営」をサポート。
出典:アクセンチュア公式サイト
PwC (プライスウォーターハウスクーパース)の事例
大日本印刷:「経費精算DX」で効果的な働き方を実現
PwCは、大日本印刷株式会社(DNP)の「経費精算DX」を加速させ、電子帳簿保存法に対応したペーパーレス化と業務効率化、およびガバナンスの強化を推進した。 DNPの経費精算業務の現状と課題を詳細に整理し、社員のテレワークや業務効率化の促進に向けた「経費精算DX」の構築と、経費精算業務の集約に向けた新たな体制の構築を支援した。
PwCが構築を支援した「経費精算DX」の主な特徴は下記の通り
電子帳簿保存法を適用した経費精算
- 法人カードの利用促進
- ガバナンス強化
- 社内人材のリスキリング(学び直し)
- 請求内容の自動読み取り
出典:PwC公式サイト
まとめ
近年転職先として非常に人気の高いコンサルティングファーム。 日本ではコンサルタントの需要が年々高まっており、コンサルティングファームでは積極的に中途採用を行っています。
しかし、コンサルファームへの転職はやや特殊な部分もあり、特に未経験・他業界からの転職となると、対策なしで転職を成功させるのは非常に難しくなっています。
弊社MyVisionでは、コンサル転職に関する情報提供から、適切なファームや求人ポジションの選定、選考対策まで、個々人の事情に応じて幅広く支援しております。 コンサルティングファームへの転職を少しでも検討されていらっしゃるようでしたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
参考:コンサルタントを活用するメリットは?業務内容や選ぶ3つのコツを解説 / 比較ビズ 参考:コンサルタントにおすすめの本7選!仕事ができる人になる秘訣とは? 参考:「ビジネスコンサルタント」とは?/ 青山システムコンサルティング 参考:人事コンサルタントとは?人事コンサルタントの仕事内容や必要なスキル / Re:ZONE 参考:-元コンサルが転職を解説-コンサルcollege 参考:退職代行サービスおすすめ比較ランキング3選【実績豊富なサイトを厳選】/ サクキャリアップ フリーランスも検討されている方はクラウドソーシングの「クラウディア」もご参考ください。 参考:SNSコンサルとは|おすすめの企業,料金相場も