コンサルタントの役職を解説 ランクごとの給与や業務内容
2024年06月24日更新
近年、ハイクラス人材の転職先として非常に人気の高いコンサルティングファームですが、ファームの具体的な業務内容や、ファームに勤めるコンサルタントの働き方については、表立って情報が出ることは少ないです。そのような情報の1つに、コンサルタントの職位(ランク)があります。
本記事では、コンサルティングファームへの転職を検討されている方向けに、コンサルタントの職位(ランク)について業界の基本情報を整理しました。
転職前に知りたい業界情報を網羅的にまとめましたので、ぜひご一読ください
監修者
菅原 真太朗
Sugawara Shintaro
台湾の大学を卒業後、商社に就職しインドネシアにおけるプロジェクトマネジメントを担当。その後、レガシーな業界をテクノロジーで変革するという点に共感してMyVisionに転職し、現在は営業バックグラウンドの方を中心とした転職支援を担う。
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目次
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コンサルの職位とは
昨今、転職市場で人気が上昇しているコンサルファームですが、社員は経験年数や期待される役割に応じて、いくつかの職位に分かれています。
ファームによって呼び方には差異があるものの、コンサルタントの職位は概ね下記5つに分類されます。
役職 | 年次 |
---|---|
アナリスト | 1~3年目 |
コンサルタント | 3~6年目 |
マネージャー | 5~10年目 |
プリンシパル/シニアマネージャー | 7~12年目 |
パートナー | 10年目~ |
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年収もその職位に応じてある程度決定します。また、業界未経験から転職する場合、アナリスト〜コンサルタントとして採用されることが多いです。それでは、各職位別の仕事内容や、給料について説明していきます。
アナリストとは
アナリストは、マネージャー・アソシエイトの指導の下で、情報収集・分析・提言を主に行います。一般的に、アナリストは新卒・第二新卒の採用者で構成されます。
アナリストの仕事とは
アナリストは新卒・第二新卒で入社したコンサルタントのスタートポジションになります。
アナリストの仕事は主に情報収集・分析と資料作成です。具体的な業務として、会議の資料作成、ミーティングの議事録作成、クライアントとのミーティングの準備、Excelを用いた分析、各種情報収集があります。マネージャーやコンサルタントからの指示を基にタスクを実行し、報告するという形を繰り返します。
リサーチや分析など、地道な業務を通じて、コンサルタントに必要な基礎的なスキルを身につけます。
アナリストの給料
戦略系ファームと総合系ファームで異なりますが、戦略系で600〜1,000万円、総合系で400〜800万円の給料が支給されます。
アナリスト業務のやりがいや楽しさ
アナリストはクライアントとのミーティングやデータの一次情報・ファクトと向き合う機会が多いです。そのため、そこから仮説や示唆を出すことがやりがいと言えます。
また、上位者が把握できていない点からの発言はプロジェクト全体の品質向上にもなるため、的を得た意見が採用されることにやりがいを感じることも多いです。
アナリスト業務の大変さや苦労
アナリストは社会人経験・コンサル経験ともに少ないために、上位者(コンサルタント・マネジャー)からの指示を理解するのが難しいことが多いです。特に最初は上位者の期待値に達しない成果物を作成したり、指示を理解できず、間違ったタスクの進め方をする場合もあります。
また、作業量自体も膨大であるため、どのタスクから処理していくべきかの優先順位付けや、各作業に必要な時間の把握などでも苦労します。
アナリストで身に付く能力やスキル
アナリストで身につくスキルとしては、資料作成能力・分析能力・議事録作成・情報収集が挙げられます。これらは一見目立たないスキルである一方、コンサルタントとして重要な基本的なスキルになります。
また、会議設定などのロジ(事務的な作業)のスキルも、アナリストでは非常に重要なスキルと言えます。
アナリストから昇進するために必要なこと
アナリストからコンサルタントへの昇進率は高く、一般的には1〜3年程度で9割程度はコンサルタントに昇進していきます。
コンサルタントとして求められる「自らの判断でタスクを設計し、遂行できる」能力があると判断された場合、昇進することができます。
コンサルタントとは
職種としての一般名詞のコンサルタントではなく、職位としてのコンサルタントもあります。
コンサルタントは、マネージャーの指揮下で、自らの判断に基づき、必要な情報収集・分析・提言を行います。また時には一部のパートのプロジェクトリードも担当します。中途採用者とアナリストからの内部昇格者、MBA採用者で構成されます。
コンサルタントの仕事とは
コンサル業界未経験者の多くが、コンサルタントの職位で採用されます。コンサルタントは、プロジェクトの主要メンバーとして、一定範囲の業務をまとめて担当します。
基本的にはマネージャーの指揮下で、自分の担当パートが与えられます。自分の判断で課題設定、仮説の構築、検証作業、クライアントとの折衝を任されます。加えて、チーム内のミーティングやマネジャーとのディスカッションを通じて、プロジェクトの推進役を担います。また担当領域の作業責任者としてアナリストを管理し、成果物のレビューも行います。
コンサルタントの給料
戦略系ファームと総合系ファームで異なりますが、戦略系で1,200〜2,000万円、総合系で700〜1,000万円の給料が支給されます。
コンサルタント業務のやりがいや楽しさ
コンサルタントは、特定領域の担当責任者としてプロジェクトを推進するため、自分が主体となって社内・クライアントを巻き込んで、プロジェクトを進め、品質を高めていくという感覚を持って仕事をすることが多くなります。
また、上位者の役割である顧客とのディスカッションや、プロジェクトマネジメントも自分の能力によっては任されることもあり、より成長スピードも高まることもやりがいと言えます。
コンサルタント業務の大変さや苦労
コンサルタントはアナリストと異なり、担当領域について、自分1人でタスク設計から成果物の品質管理、アナリストのレビューまで行う必要があります。プロジェクトを進める手段を自分で決定できる一方、正しく効果や優先順位を決める必要があるため、タスク設計や管理のレベルが上がります。
また、クライアントとの折衝を行う機会が増えるため、クラアイントの意図を読み取ったり、ミーティングでのディスカッションを活性化させることも難しいタスクの1つです。
コンサルタントで身に付く能力やスキル
コンサルタントとして身につくスキルとしては、担当領域におけるタスクの設計能力、セルフマネジメント能力、アナリストなどの小規模なチームのマネジメント能力があります。これらはプロジェクトの推進において必要不可欠なスキルであり、今後より大規模かつ難易度の高いプロジェクトや、マネージャーに昇進した後でプロジェクトマネジメントや人材育成を行う上で必要なスキルです。
また、クライアントとのコミュニケーション能力も高まります。コンサルタントになるとクライアントと折衝する機会が増加するため、クラアイントの意図を読み取ったり、ミーティングでのディスカッションを活性化させる必要もあります。
コンサルタントから昇進するために必要なこと
コンサルタントとしてある程度のプロジェクトをこなし、顧客との折衝経験やプロジェクトマネジメントの能力があると判断されれば、マネージャーに昇進します。個人差はありますが、3〜5年程度と言われています。
コンサルタントからマネージャーに昇進する場合は、アナリストからコンサルタントに昇進する場合より難易度が高いです。アナリストとコンサルタントの差異は業務内容の難易度の変化によるものが多い一方、マネージャーはプロジェクトマネジメントや顧客との関係性構築、売上責任など、別の能力が求められることもあるためです。
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マネージャーとは
マネージャーは、プロジェクトマネジメントの品質に責任を負い、 顧客開拓やセールス活動も求められることもあります。また人材の採用・教育等、内部管理における活動も求められます。
マネージャーの仕事とは
プロジェクトリーダーとして、プロジェクトを取りまとめ、進行及び最終成果物に関して責任を持ちます。マネージャーの仕事は大きく分類すると、「プロジェクトマネジメント」「顧客との折衝」「予算管理」になります。
マネージャーの仕事内容は、非常に多岐にわたります。セールス段階からプロジェクトに参画し、プロジェクト初期の課題の構造化、仮説構築、作業設計などの業務をプロジェクトの中心として行います。その後、プロジェクトの方向性を決定し、各メンバーのスキルとバックグラウンドに応じて担当役割を割り振ります。プロジェクト全体の管理や人員・コスト管理だけでなく、メンバーの育成や、ミーティングにおけるクライアントとのメインのディスカッションも担当します。加えて、プロジェクトを収益管理して利益を出すことも求められます。
また総合系ファームでは顕著ですが、マネージャーが売上目標を持つ場合もあります。その場合、クライアントに対する次期案件獲得などのセールス活動も仕事に含まれます。
マネージャーの給料
戦略系ファームと総合系ファームで異なりますが、戦略系で2,000〜3,500万円、総合系で1,000〜1,400万円の給料が支給されます。
マネージャー業務のやりがいや楽しさ
マネージャーはプロジェクトの現場責任者である分、非常に裁量権が多いです。プロジェクトを成功に導くために、メンバーのマネジメントを行うだけでなく、時にパートナーやファームの他のメンバーにも巻き込んで対応する必要があります。そのため、自分自身が中心となってプロジェクトをリードし、成功に導くことができる経験を得ることができます。責任が重い分、プロジェクトが成功したときの達成感は非常に高くなります。
また、クライアントとメインでディスカッションを行うため、ファームの成果物やチームのアウトプットの効果、クライアントのポジティブな反応をダイレクトに受けることができたり、クライアントと共にプロジェクトを成功に導く支援ができます。
マネージャー業務の大変さや苦労
マネージャー業務の難しい点としては、プロジェクトマネジメントです。マネージャーは「プロジェクトの現場責任者」であり、プロジェクト初期の課題の構造化、仮説構築、作業設計など、コンサルタントよりも抽象的な業務を行い、プロジェクトを設計する必要があります。加えて、チームメンバー、パートナー、ファームの他のメンバー、時にはクライアントを巻き込んで、プロジェクトを成功させる必要があります。加えてその中で収益化やメンバーの育成を行う必要があります。このように、コンサルタントの職位と比較して、プロジェクト全体を統括し、成功に導くことは非常に難易度が高いと言えます。
また求められる能力が多様化することも難しい点です。コンサルタントではあくまでプロジェクトの品質を高めることに注力していましたが、マネージャーはメンバーの育成やプロジェクトの収支管理、営業活動、ファームの新サービスの開発など、担当業務が増大します。
マネージャーで身に付く能力やスキル
マネージャーとして身につくスキルとしては、プロジェクトマネジメント能力があります。プロジェクトの成功に向けて、プロジェクト初期の課題の構造化、仮説構築、作業設計を行い、プロジェクトの方向性を定めたうえでメンバーに仕事や役割を割り振ります。その中でプロジェクトの品質を高めるため、メンバーへのレビューを行ったり、パートナーレビューを通じて、成果物の品質を高める必要があります。
加えて、メンバーの能力開発やマネジメントなども求められます。プロジェクトをデリバリーする上では、全体のフレームワークを構築し、適切で効果的なワークプランを作成する必要があります。その過程では、プレゼンスキルやファシリテーションスキル、プランニングスキルなどの、様々なビジネススキルが求められます。
また、特に総合系ファームのマネージャーで顕著ですが、売上獲得能力も求められます。顧客とのネットワーキングを広げる能力や新たなクライアントに斬新な切り口のソリューションを提案する能力、既存のクライアントや案件からも課題やニーズを引き出す能力を求められます。
マネージャーから昇進するために必要なこと
マネージャーとしてある程度のプロジェクトをこなし、プロジェクト全体の管理だけでなく、提案/営業活動の能力もあると判断されれば、プリンシパル/シニアマネージャーに昇進します。マネージャーからプリンシパル/シニアマネージャーに昇進するまでには、通常4〜7年程度の経験が必要と言われています。
元々のマネージャー業務をより高いレベルで遂行するだけでなく、提案/営業活動の比重も高くなるため、案件獲得能力もより求められます。また、個別のコンサルティングテーマに対して専門性・強みを持っている場合も多いです。
プリンシパル/シニアマネージャーとは
プリンシパル/シニアマネージャーとは、マネージャーよりも複数のプロジェクトマネジメントの品質管理や、 顧客開拓やセールス活動が求められます。また、所属組織の売上責任を持つ場合もあります。
プリンシパル/シニアマネージャーの仕事とは
プリンシパル/シニアマネージャーの基本的な仕事は、プロジェクトリーダーとしてプロジェクトの責任を持つことに加え、マネージャーと比較して、売上・顧客への提案活動の比重が高まります。
ファームのパートナーに昇進する場合、ファームの重要顧客を持っていることが多いです。
つまり、プリンシパル/シニアマネージャーからパートナーになるためには、重要顧客を任せてもらうこと、もしくは自分自身で重要顧客に育てることが必要となります。そのため、新規クライアントの開拓や、既存クライアントでの案件拡大も重要な仕事になります。
求められる役割としては、「パートナーの右腕」です。パートナーは、各プロジェクトの最終責任も持ち、プロジェクトの創出や拡大(セールス)、社内人材の育成も担当します。
その中で、プリンシパル/シニアマネージャーは複数プロジェクトの管理と新規プロジェクトの創出をメインに担当し、その過程において、売上・利益目標を責任として持ちます。また、複数プロジェクトを管理するため、そして自らがセールスにより注力するために、マネージャーの育成も重要な仕事内容です。
プリンシパル/シニアマネージャーの給料
戦略系ファームと総合系ファームで異なりますが、戦略系で3,000〜5,000万円、総合系で1,400〜2,500万円の給料が支給されます。
プリンシパル/シニアマネージャー業務のやりがいや楽しさ
プリンシパル/シニアマネージャーは自分から案件を発掘し、創出する点にやりがいがあると言えます。
マネージャーの場合、既存の継続案件や「特定企業のこの案件を受注するように」という状態から仕事を始めることが一般的です。一方、プリンシパル/シニアマネージャーは案件自体を自ら創出する必要があります。ターゲットとなるクライアントを選定し、案件化するためにクライアントとコンタクトをとり、継続的にコミュニケーションを行う必要があります。
またプロジェクトで扱っているテーマから派生した課題や、他の部門への影響を予測し、既存クライアントから案件を拡大することもあります。
クライアントがミーティング中に「この話を別の部門に通したいが困っている」という発言をしたい、チームメンバーから「クライアントの〇〇さんがこういった内容で悩んでました」とボトムアップで提案の機会をエスカレーションされる場合があります。このように、今のプロジェクトを起点にして、より多くのプロジェクトに拡大することもやりがいです。
またプリンシパル/シニアマネージャーになると、既存の自分の専門領域以外の案件にも関与するようになります。その場合は新規で専門領域を身に付けたり、ソリューションを開発するチャンスでもあります。複数の専門性を身に付けることで、多様なクライアントのニーズに対応できるというメリットがあり、案件獲得の機会が増加します。
プリンシパル/シニアマネージャー業務の大変さや苦労
プリンシパル/シニアマネージャー業務の難しい点としては、案件の創出です。マネージャーと異なり、まったくの0からの状態で案件を創出する必要もあるため、そもそもターゲットとなるクライアントを新規で見つける場合や、その後の課題の特定、解決策やロードマップの提示などは高いレベルが求められます。
またプリンシパル/シニアマネージャーは案件を獲得し、自分のチームのメンバーの工数を消化し、給与を払える状態を保ち続ける必要があります。
シニアマネージャーに昇進したばかりの時点だと、マネージャーとの営業活動の違いから、案件を受注することが難しいことも多いです。そして、案件がない状況に対する恐怖から、初めのうちは案件があれば数百万でも受注する場合もこともあります。しかし、このような非効率な営業活動だと、シニアマネージャーとしての目標に到達できない可能性が高いです。
また、マネージャーの人材育成も難しい業務です。プリンシパル/シニアマネージャーは案件獲得に比重が傾くので、プロジェクトのデリバリーをマネジャーに依頼し、セールスに集中する必要があります。そのため自分の下のマネージャーにデリバリーを任せる必要があります。マネージャーに任せるといっても、最初は非常に勇気が必要です。プロジェクトが佳境の場面でも、介入しすぎるとマネージャーの能力は開発されないので、介入を我慢する必要があります。自身でデリバリーをしないというのは決して楽なことではなく、クライアントからのクレームが発生するリスクもあります。
プリンシパル/シニアマネージャーで身に付く能力やスキル
プリンシパル/シニアマネージャーとして身につくスキルとしては、まず案件創出・拡大していく能力があります。シニアマネージャーは新規クライアント開拓から、既存クライアントの案件の拡大まで、プロジェクトの創出や拡大(セールス)、採用、育成を担当します。これにより案件を作り出すフェーズから、デリバリー、最終的には案件を拡大していくことができます。
特に新規で案件を獲得し、案件を拡大させていく能力はパートナーに昇進した際にも重要なスキルです。
また、プリンシパル/シニアマネージャーは複数の専門性を会得することも可能です。案件数が増加すると、ソリューションがファーム内になかったり、自分の専門外である場合もあります。その場合、オファリング(ソリューション)開発を行い、自身が複数の専門性を備えることが多いです。新たなオファリングは自分の提案できるソリューションが拡大するので、クライアントを増やすチャンスにもなります。また、パートナーになるためには、一定の売上規模を維持する必要があります。その中でも、複数の専門性を有すると様々な業界・クライアントから案件を獲得できる可能性が高まります。
プリンシパル/シニアマネージャーから昇進するために必要なこと
プリンシパル/シニアマネージャーとしてある程度のプロジェクトをこなし、新規での案件創出能力や、クライアントの開拓能力が判断されれば、パートナーに昇進することが可能になります。プリンシパル/シニアマネージャーからパートナーに昇進するまでには、通常5〜10年程度かかると言われています。
パートナーはコンサルティングキャリアの最終地点です。クライアントへの営業/提案を行うだけではなく、ファームを経営していく役割もあります。
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パートナーとは
パートナーは、共同経営者として、ファームを経営するだけでなく、プロジェクト運営に関する最終的責任や新サービス開発、人材の採用・教育・評価等、内部管理における主導的役割を担います。
パートナーの仕事とは
1つ目は新規クライアントを獲得することです。パートナーは各企業の経営者・役員に対して、最新の経済状況に対応した経営理論や経営モデルを提案します。セミナーの開催や各種書籍出版、個人的な人脈を通してクライアントにアプローチします。各パートナーの評価の指針の一つは営業売上高であり、個人の報酬も売上高に連動しています。
2つ目はコンサルファームの経営者としての役割です。中長期的な経営計画、成長戦略を立案し、ファームの経営をします。コンサルファームもグローバル戦略の立案や、DX(支援)戦略など、先の見えない時代において常に変化する経営環境に対応した事業計画を策定し、人材・組織戦略の立案を行う必要があります。
パートナーの給料
戦略系ファームと総合系ファームで異なりますが、戦略系で5,000万円以上、総合系で2,500万円以上の給料が支給されます。
コンサル業界は実力主義的な文化と言われることが多いですが、パートナーポジションの報酬はその特色が強く出ていると言えます。上記の年収レンジは最低ラインであり、賞与はファームの業績と結びついていることも多いため、実力次第で、より高い報酬を狙うこともできます。
パートナー業務のやりがいや楽しさ
パートナーのやりがいとしては、特定領域のエキスパートとして、企業の変革や日本経済の発展に関与できる点です。プロジェクトにおいて、有名企業の経営者と議論を交わしながら次の一手を導き、プロジェクトを成功へとつなげていくことは何よりも魅力です。自分自身の専門分野がクライアントに価値を発揮し、結果として、日本の経済を動かすことができるのが、大きな魅力と言えます。
またファームの運営もやりがいがあります。共同経営者の一人という立場でファームの課題解決や将来の道筋を立てることを求められます。実際にクライアントへコンサルティングを行うだけでなく、自分の手で経営を執行できることも魅力です。
パートナー業務の大変さや苦労
パートナー業務の難しい点としては、やはり売上を上げ続けることが挙げられます。パートナーには売上目標が課せられており、達成できないと退職する場合もあります。そのため役員を対象としたセミナーや各種書籍出版、個人的な人脈を駆使したクライアントへのアプローチなど、様々な手法を用いてプロジェクトを受注します。
また、ファームの運営も難しい仕事と言えます。コンサルタントまではデリバリー、シニアマネージャー/ディレクターまでは営業活動が新しい業務でしたが、パートナーではファームを運営することが求められます。クライアントワークだけでなく、ファームの成長戦略や事業計画、人材・組織戦略の立案を行う必要があり、新たな業務に取り組むことになります。
パートナーで身に付く能力やスキル
1つ目はより高度な案件受注能力です。パートナーは各企業の経営者・役員に対して、最新の経営理論や経営モデル、セミナーや書籍、または最近のプロジェクトの結果を基に、新規案件を提案し、受注します。その際はできる限り役員が担当するような抽象度の高いテーマだったり、他の案件に派生するような規模の大きいテーマであることが多いです。このように、シニアマネージャーと比較してパートナーは、ファーム全体として売上を伸ばしていくためのブランド戦略的側面が求められるなど高い視座での案件受注能力が身に付きます。
2つ目はコンサルファームの運営能力です。ファームの将来的な発展のため、中長期的な経営計画、成長戦略を立案し、事業計画・人材・組織計画を策定します。クライアントワークだけでなく、コンサルファームにおける経営・事業運営を、自分たちが主体者となって経験できるのは、ファームの中ではパートナーのみです。またパートナーの中には独立して個人でファームを設立する場合もありますが、その場合でもこれらの経験は役に立ちます。
まとめ
本記事では、コンサルファームの職位について解説しました。
コンサルファームへの転職は非常に人気ですが、その分採用基準も高く適切な対策や余裕を持った計画が不可欠です。
未経験からのコンサルティング転職は事前準備など大変なこともある反面、自身のキャリアを飛躍させる大きなチャンスでもあります。
MyVisionでは、コンサル転職に関する情報提供から、適切なファームや求人ポジションの紹介、選考対策まで、個々人の事情に合わせて幅広く支援しています。
コンサルティングファームへの転職を少しでも検討されているようでしたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。