戦略コンサルタントとは?仕事内容や年収、大手ファームの一覧を紹介
2025年09月12日更新
本記事では戦略コンサルタントの仕事内容・年収・必要スキル・キャリアパスなど、戦略コンサルタントの全体像をわかりやすく解説します。
戦略ファームが手がけるプロジェクト事例や、業界の最新トレンド、実際の転職成功事例なども紹介しており、「戦略コンサルタントって本当にハードなの?」「年収や将来性は?」といったリアルな疑問にもお答えします。
戦略コンサルタントの魅力や評判が気になる方、将来的にキャリアアップを考えている方はぜひ参考にしてください。
著者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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戦略コンサルタントとは
戦略コンサルタントとは企業の経営層(経営者や取締役など)が抱える企業の将来を左右するような経営課題や事業課題を解決するために、 戦略の立案から実行までを行うコンサルタントです。
戦略コンサルタントの仕事内容
戦略コンサルタントの主な仕事内容は、クライアント企業の経営課題を特定し、解決策を提案・実行することです。具体的には中期経営計画の策定や新規事業の立ち上げ、M&A戦略の立案、DX推進など、企業の将来に関わる重要テーマを扱うことが特徴です。
こうした業務は、コンサルタントの役職ごとに役割分担されており、一般的な戦略コンサルティングファームでは以下のような体制が採られています。
役職 | 勤務年数 | 業務内容 |
---|---|---|
アナリスト | 1~3年 | 情報収集、分析、資料作成 |
コンサルタント | 3~6年 | プロジェクト推進のコア業務全般 |
マネージャー | 5~10年 | プロジェクト全体の管理や顧客との折衝 |
パートナー | 10年~ | 顧客開拓やプロジェクト受注、ファームの経営 |
役職が上がるにつれ、クライアントへの提案活動や案件の獲得といった営業的役割の比重が高まります。特にパートナーは、プロジェクトの現場業務には関わらず、案件の受注や組織運営に注力するのが一般的です。
その一方で実際のプロジェクト推進は、マネージャー以下のメンバーが中心となって担います。なお戦略コンサルタントが取り組むプロジェクトのテーマは多岐にわたりますが、以下のような企業経営の根幹に関わるテーマが中心です。
- 中期経営計画の策定
- 全社改革(トランスフォーメーション)
- 組織再編
- 営業戦略・マーケティング戦略・DX戦略の策定
- 新規事業の立ち上げ
- M&A戦略の立案
- ビジネスデューデリジェンス(投資先の事業性調査)
プロジェクトでは、膨大な情報収集と綿密な分析を通じて経営層に示唆を提供し、明確なメッセージと提案をもって意思決定を支援します。 最終的にサポートを通じてクライアント企業の経営課題を解決し、持続的な成長や業績向上に貢献することが戦略コンサルタントの使命です。
戦略コンサルタントと他コンサルタントとの違い
戦略コンサルタントは、特に企業のトップ層とともに抽象度の高い課題に向き合う仕事であるため、ロジカルな思考力とスピード感が求められます。その一方で経営コンサルタントやITコンサルタントは、実務や業務レベルに近い視点での改善提案・実行支援が中心です。
総合コンサルタントはその名の通り、戦略立案・実行、システム導入や運用など幅広い支援が可能なビジネスコンサルタントとしての総合力が求められます。そのため、職種や配属プロジェクトにより、仕事内容や年収レンジが大きく異なるのが特徴です。
項目 | 戦略コンサルタント | 経営コンサルタント | ITコンサルタント | 総合コンサルタント |
---|---|---|---|---|
主な支援領域 | 経営戦略の立案、新規事業開発、M&A支援 | 業務改善、組織改革、人材マネジメント | IT戦略立案、システム導入支援、DX推進 | 戦略立案〜業務改善・IT導入まで一貫対応 |
クライアント層 | 大手企業の経営層・役員クラス | 管理職〜部門責任者 | IT部門・情報システム部門 | 幅広い業界・職層(中小〜大手まで) |
思考特性 | 高度な仮説思考と抽象的課題への対応力 | 実務知見と論理性を融合した課題解決力 | 技術的知識と業務要件の橋渡し能力 | 柔軟性と現場理解に基づく実行力 |
年収目安 | 高水準(1,000万円以上) | 中〜高水準(700〜1,000万円) | 中程度(600〜900万円) | 職種・業務範囲により幅広い(500〜1,200万円程度) |
プロジェクト期間 | 短期〜中期(数週間〜3ヶ月程度) | 中期(3〜6ヶ月程度) | 中〜長期(6ヶ月〜1年超) | 案件に応じて短期〜長期まで様々 |
戦略コンサルタントの年収
一般的に戦略コンサルタントは、他のコンサルタントと比べても高い年収水準にあります。
特にマネージャー以上の職位では1.5〜2倍近い差が生じるケースもあり、トップ層に至っては5,000万円を超える報酬を得ることも珍しくありません。
下記に、戦略系コンサルティングファームとその他のファームの役職別の平均年収を表にしました。
役職 | 仕事内容 | 年収(戦略ファーム) | 年収(戦略ファーム以外) | 年次(アナリスト) |
---|---|---|---|---|
プリンシパル(シニアマネージャー) | クライアントへの営業/提案、プロジェクト管理(複数) | 3,000万円前後 | 1,400~2,500万円 | 7~12年目 |
マネージャー | プロジェクト管理(単一)、チームマネジメント | 2,000万円前後 | 1,000~1,400 | 5~10年目 |
コンサルタント | プロジェクト推進の中心 | 1,500万円前後 | 700~1,000万円 | 3~6年目 |
アナリスト/アソシエイト | 調査/分析/資料作成 | 800万円前後 | 400~800万円 | 1~3年目 |
なお、最上位職である「パートナー」については、ファーム経営や営業活動の成果により報酬が大きく変動し、青天井に近い水準となるので本表には記載していません。 また、年次についてはあくまで一般的な目安であり、戦略コンサルティングファームは実力主義のため、昇進スピードや年収は個人差が大きい点にも留意が必要です。
なぜ戦略コンサルタントの年収は高いのか
戦略コンサルタントの年収がここまで高額である理由としては、大きく次の2点があると考えられます。
- 企業経営に直結する付加価値の高いコンサルティングサービスを提供しているため *** 2. 一般的なコンサルファームと比較しても、戦略ファームではよりハードワークが求められるため***
前提として、戦略ファームのコンサルティングフィーは非常に高額です。その高額なフィー設定は、戦略ファームが提供するコンサルティングサービスの付加価値の高さと、その高付加価値サービスを提供できるファーム/人材の希少性により成り立っています。
高付加価値・高品質のコンサルティングサービスが、戦略ファームとしてクライアントに提供する最大の売りとなっており、それは、ファームに集まった優秀なコンサルタントのハードワークにより支えられている側面が少なからずあります。
そのため、優秀な人材を確保し、ハードワークを続けられる環境を作ることは戦略ファームにとっての最重要論点の一つであり、それが個々のコンサルタントへの高額な報酬体系に反映される形になっています。
実際に戦略コンサルタントに転職をして年収を大幅アップさせた事例
MyVisionが支援した方々にも、戦略コンサルタントに転職することで年収の大幅アップを実現させたケースは多くなっています。 下記の表は、コンサルタント未経験から実際に年収アップを実現させた方々の事例をまとめたものです。
転職前の職種 | 転職前年収 | 転職後年収 |
---|---|---|
研究開発 | 1,000万円 | 1,100万円 |
企画 | 900万円 | 1,050万円 |
プロジェクトマネージャー | 1,000万円 | 1,100万円 |
研究開発 | 500万円 | 650万円 |
情報システム | 600万円 | 750万円 |
また、より詳しい転職体験談は以下のリンクからご覧いただけます。
戦略コンサルタントに求められるスキル
一般的にコンサルタントには様々なスキルが求められていると言われていますが、その中でも特に重要な2つのスキルについて紹介します。 それは論理的思考力とコミュニケーション能力です。実際、転職における面接でも主にこの2点を見られているケースが非常に多いです。
ここではそれぞれどのようなスキルなのか、そして何故戦略コンサルタントに求められるスキルなのかについて説明します。
論理的思考力・ロジカルシンキング
論理的思考力は戦略コンサルタントにとって最も重要なスキルの1つです。複雑な課題を整理し、解決するために論理的思考力は不可欠となります。
この思考力が身についていれば、問題の背景にある要因について因果関係を抑え、正しい原因を特定できます。また、特定した課題を解決するために必要な手順を整理し、戦略通りプロジェクトを実行していく上でもロジカルシンキングは重要です。
実際に面接では、この論理的思考力を見るためにケース面接が設けられています。 ケース面接の対策方法について、詳しくは以下の記事で解説しておりますので、参考にしてみてください。
論理的思考力と聞くと、身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は論理的思考力は時間をかければ習得可能です。
コンサルタント業界で有名な、論理的思考力の基礎を身に付ける為の書籍を3冊ご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- 「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」バーバラ ミント
- 「新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術」齋藤 嘉則
- 「ロジカル・シンキング (Best solution)」照屋 華子, 岡田 恵子
コミュニケーション能力
論理的思考力と同様に重要なスキルがコミュニケーション能力です。実際に働いているコンサルタントの方に聞くと、論理的思考力よりコミュニケーション能力のほうが重要と答える方もいるぐらい重要なスキルです。
なぜなら、コミュニケーション能力はクライアントとの信頼関係を築くために不可欠なスキルであり、クライアントとの信頼なくしてプロジェクトを成功させることは不可能だからです。
クライアント情報の連携をスムーズに行い、顧客課題や市場のニーズを把握するためにスムーズなコミュニケーションは重要です。また戦略コンサルタントが策定した戦略プランを速やかに実行してもらうためには、何よりクライアントからの信頼が必要です。どれだけいい戦略を描けても、彼らからの信頼がなければ、思ったようにプロジェクトが進行せずに期待していた成果が出ないこともあります。
また近年は、戦略系ファームにおいても戦略策定だけでなく、クライアントと一緒になって実行支援まで行うファームが増えてきています。現場の社員やチームメンバーたちとプロジェクトを遂行するためにコミュニケーション能力の重要さは一層増しています。
戦略コンサルタントに資格は必要か?
ここまで戦略コンサルタントに必要なスキルについて解説してきましたが、転職する上で必要な資格があるのか疑問に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
結論としては、戦略コンサルタントに転職する上で、必須の資格のようなものはありません。例えば、ITファームであればIT系の資格を持っていることが役立つこともありますが、戦略ファームに限って言うと、前述した2つのベーシックスキルを含む個々人の素の能力・ポテンシャルが重視される傾向にあります。
唯一、MBAの学位を持っていれば転職時に有利になりうる可能性はありますが、こちらも全くもって必須というわけではなく、実際に戦略ファーム内におけるMBA保有者の割合は近年では1~2割程度に留まっています。
戦略コンサルタントに向いている人の特徴
戦略コンサルタントは、企業の経営層と対峙しながら課題解決を担うプロフェッショナル職です。そのため、誰にでも適性があるとは限りません。
戦略コンサルタントに向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 論理的に物事を考えるのが得意
- プレッシャーの中でもやり抜く力がある
- 抽象度の高いテーマにも興味を持てる
- 自分の頭で考え、提案するのが好き
- 経営視点で物事を捉えたい
戦略コンサルタントの仕事は、「なぜその課題が起きているのか」「何が解決策となるのか」を筋道立てて考え、クライアントにわかりやすく伝えることが求められます。仮説を立て情報を整理し、論理的に結論へと導く力は、すべての業務の土台です。
また戦略コンサルタントのプロジェクトは短期集中型が多く、常に高いクオリティとスピードが求められます。
クライアントは経営層であることも多く、プレッシャーのかかる場面も少なくないため、困難な状況でも最後までやり切る力は、戦略コンサルに欠かせない資質です。
さらに「新規事業をどう立ち上げるか」「グローバル戦略をどう再構築するか」など、戦略コンサルが扱うテーマは極めて抽象的です。正解のない問いに対して興味を持ち、自分で考え抜いた意見を伝えることにやりがいを感じる人に向いています。
このように、戦略コンサルタントは思考力や体力、自律性を兼ね備えた人材が求められる傾向にあります。
戦略コンサルタントのキャリアパス
ここまで戦略コンサルタントに関して、働き方やプロジェクト事例、年収など説明してきましたが、戦略コンサルタントを卒業後のキャリアにはどのような選択肢があるのでしょうか。
戦略コンサルタントは、ファーム在籍中に主に中期経営計画策定、全社組織再編、新規事業立案など企業経営の最上流の案件を経験することが多いため、その後のキャリアもそうした経験に則したものになりやすいです。 言い換えると、抽象度が高く、複雑なミッションを抱えるポジションへのキャリアチェンジが多くなります。 そうしたミッションを担える人材は数が多くないため希少価値が高く、多くの企業から引く手数多になります。
ただし、戦略コンサル時代の業務経験がそのまま次の職場で活きるケースはそこまで多くはない、という注意点もあります。各々の転職先で、適宜必要な知識やスキルを高速でキャッチアップしながら、ファームで身につけた問題解決力をフル活用してバリューを発揮していく、というのがex-戦略コンサルの方の価値創出パターンの良くあるケースとなります。
以下に、戦略コンサル経験者の代表的な3つのキャリアパスについて説明します。
1. 事業会社への転職
事業会社への転職は、戦略コンサルタントのメジャーなキャリアパスの一つです。 経営戦略室や新規事業を統括するような経営全般に関わる部門に転職することが一般的です。
戦略案件で経験した、業界に関する深い洞察や論理的思考力、問題解決力などは事業会社からも強いニーズがあります。 次に紹介する方も、将来的に事業会社へ転職することを見越して、戦略ファームに転職された方になります。一部、転職体験談から引用致します。
──3年ほど戦略ファームで経験を積んで、1つ職位を上げるつもりです。その後は、事業会社に転職をしたいです。個人的にはスタートアップに転職したいので、リスクを取れるだけの力をつけたいと思っています。
2. 独立/起業
コンサルティングファームでの経験を活かして、独立/起業を選択するケースも珍しくありません。 戦略コンサルタントとして一定数経験を積んだ場合、独立してからもコンサルタントとして案件を獲得するのは比較的容易です。そのため、起業して自身の事業が軌道にのるまでの間、フリーコンサルタントとして収益を得つつ、本業のサービス開発を続けるという選択をするコンサルタントもいます。
戦略コンサル出身の有名経営者には下記のような方々がいらっしゃいます。
▼戦略コンサル出身の経営者(代表例)
- 大前研一(株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長)
- 南波智子(株式会社ディー・エヌ・エー取締役)
- 安達保(カーライル 日本代表)
- 堀 紘一(ドリームインキュベータ代表取締役会長)
- 岩瀬 大輔(ライフネット生命保険代表取締役社長兼COO)
- 冨山 和彦(株式会社経営共創基盤代表CEO)
- 笹沼泰助(アドバンテッジ パートナーズ共同代表パートナー)
3. ベンチャー企業への転職
急成長中のベンチャー企業で社長の右腕として、会社の経営に関する様々な業務を担当するポジションへの転職も人気のキャリアパスです。
大型資金調達をしたベンチャー企業は優秀な人材確保にも積極的なため、戦略コンサルタントのような業界に関する深い洞察力や思考力と実行力を併せ持った人材に対して強いニーズがあります。
こちらの記事では戦略コンサルタントのキャリアパスについて詳細に解説しております。
戦略コンサルタントになるには?
戦略コンサルタントを目指すには、新卒・第二新卒・未経験中途・経験者中途など、入り口に応じてアプローチ方法が異なります。
ただし共通して求められるのは、論理的思考力や地頭の良さ、粘り強くやり切る力などの基礎スキルと、ファームのニーズと自分の経験・強みを結びつけてアピールできるかどうかです。
ここからは、入り口に応じたアプローチ方法を見ていきましょう。
新卒・第二新卒採用で目指す場合
新卒採用や第二新卒・ポテンシャル枠での採用では、コンサルタントとしての実務経験がなくても、地頭やポテンシャルが重視される傾向があります。具体的には、以下のような経験が評価されやすくなります。
大手企業での長期インターンやアルバイト経験 学生時代に取り組んだ起業・プロジェクト運営の経験 専門領域に関する知見
未経験でも、自身のバックグラウンドがファームにとって価値があることを論理的に説明できれば、選考通過の可能性は十分あります。
中途採用(未経験)で目指す場合
未経験から戦略コンサルを目指す場合は、以下のような業務経験が強みになります。
経営陣直下での企画立案や業務推進経験 データ分析やKPI設計、マーケット調査の実務経験 自社内の業務改革プロジェクトの推進実績 特定業界における深い専門知識
特に経営視点で物事を考えた経験や、仮説や検証、提案のプロセスを体現してきたかどうかが問われます。また異業種出身者であっても、ファームが注力している業界・テーマと親和性があれば、転職成功のチャンスは十分にあります。
中途採用(コンサル経験者)でキャリアアップする場合
すでに他のコンサルティングファームでの経験がある場合は、以下の点が評価対象です。
実績として評価されるプロジェクト経験 顧客とのリレーション構築力や提案力 チームマネジメント・育成経験 社会貢献性の高いプロジェクトへの関与実績
戦略ファームへの転職を目指す場合は自分がどういった強みを持ち、それが戦略領域でどう活かせるのかを、過去の成果とともに論理的に語れるかが鍵になります。
MyVisionのケース面接対策
弊社MyVisionでも戦略ファーム出身のキャリアコンサルタントを中心に、ケース面接対策を厚くサポートさせていただいております。 以下のリンクから、実際にMyVisionの面接対策を活用し、総合商社から外資戦略ファームに転職された方の体験談がご覧いただけます。
──「面接で何を聞かれるのか」だけではなく、その質問意図も1つ1つ教えてくださったことがよかったです。面接官の気持ちを考えるのは業界経験がないとかなり難しいと思ったので、エージェントの力を借りることができたのはよかったです。結果的に志望動機も1つずつ納得感を持って作成することができ、実際の選考でも自信を持って語ることができました。
数多くの業界未経験の方も戦略コンサルティングファームへの転職を実現していますので、ぜひご相談下さい。
代表的な戦略コンサルティングファーム一覧
著名な戦略系ファームにはマッキンゼーや、BCG、ベインなどの外資系コンサルティングファームがあります。他にもアーサーディリトルやローランドベルガーといったファームも有名です。日系の戦略ファームでは、コーポレイトディレクションやドリームインキュベータなどが人気のファームとなっています。
また、総合ファームにも、戦略案件を専門とする部門/チームを有するところがあります。例えば、モニターグループを買収してできたモニターデロイトや、パルテノンを買収してできたEYパルテノンは有名です。このため、必ずしも戦略ファームに入らなくても、総合系ファームの戦略チームに入ることで戦略案件に携わることができます。
以下は戦略案件を取り扱う代表的なファームになります。
マッキンゼー・アンド・カンパニー ボストン コンサルティング グループ ベイン・アンド・カンパニー A.T.KEARNEY(A.T.カーニー) アーサー・D・リトル ローランド・ベルガー Strategy&(旧ブーズ・アンド・カンパニー。PwCグループ) モニターデロイト EYパルテノン KPMGコンサルティング (戦略部門) アクセンチュア (戦略グループ) コーポレイト ディレクション ドリームインキュベータ
戦略系コンサルティングファームのプロジェクト事例
コンサルティングファームのプロジェクトは公開されることが少ないため、具体的にどのようなプロジェクトを実施しているのか、イメージを持ちにくいかもしれません。
実は、私達にとって身近な企業や政府機関が実施しているプロジェクトには、裏でコンサルティングファームが関わっていることも多く、いくつかの事例は各社のホームページに掲載されています。
今回は、その中でも戦略系ファームが行っているプロジェクト事例をいくつか紹介していきます。 コンサルティングファームのイメージがより具体的になると思いますので、ぜひご確認下さい。
BCG (ボストンコンサルティンググループ)の事例
グローバル・ファッション企業:バリューチェーン全体のAI組織能力拡張
カスタマージャーニーのオンラインへの急速な移行、業界を再形成するプラットフォームの登場、よりサステナブルな慣行への消費者の要求の高まりなど、ファッション業界はさまざまなディスラプションに直面しています。
このような課題に対応しつつ、商品や体験をよりサステナブルでパーソナライズされ、収益性の高い方法で提供するために、ファッション企業AはBCGにバリューチェーン全体にAIを埋め込む支援を依頼しました。
支援内容・実績
BCGは少数のきわめて重要な業務プロセス(需要プランニング、店舗の品ぞろえ、顧客エンゲージメント、プロモーション・マネジメント)に焦点を絞り、AIを軸に仕事のしかた全体を変革しました。
BCGの流通、AI、データ&デジタル・プラットフォームの各チームにわたるエキスパートがクライアントと協働して、AIソリューションを共につくり上げ、日々のオペレーションに埋め込みました。並行して、基盤となるデータ/AI・プラットフォームを構築し、それらを中核システムに統合。BCGはまた、これらのソリューションを全社に拡大展開するために、多分野にわたるビジネスとテクノロジーのエキスパートのチームの採用と立ち上げも支援しました。 出典:BCG公式サイト
通信企業:AIを活用したパーソナライゼーション
ある大手通信企業Bは、すでに先進的だった社内テクノロジーインフラに意欲的なデータ&AIプログラムを加えることによる売上増加を目指していました。しかし、非常に分散したプロダクト中心のテクノロジーおよびマーケティングのエコシステムのために、顧客にパーソナライズされたマーケティングを行うことは困難でした。
支援内容・実績
BCGはリアルタイムの行動や取引のデータを活用して、より充実した顧客ナレッジベースをつくりあげ、誰かが特定の商品・サービスに興味を示した際にそれがわかるようにしました。次に、すべてのチャネルにわたってパーソナライズされた提案やサービスをリアルタイムで提供するために、テスト・アンド・ラーン戦略で結果を最適化しながら、適切なテクニカル・エコシステムを構築していきました。
BCG XとBCGの通信業界、AI、パーソナライゼーション、デジタル・マーケティングのエキスパートの協働により、この企業は迅速かつ効果的に価値を実現できました。加えて、社内チームがデータ&AIトランスフォーメーションをサポートするために必要な手法やツール、スキルを獲得できました。これにより革新的なテクノロジーを特定する能力を強化できたことで、イノベーションのミッションに対して前進する助けとなり、競争力強化につながりました。 出典:BCG公式サイト
ジョイントベンチャー:農家の収入を25%増やすエコシステムの構築
世界の食料の70%を育てている5億人超の小規模農家の人々は、世界の最貧困層に含まれます。グローバルヘルスに大いに貢献しているにもかかわらず報酬が非常に少ないという貧困のサイクルが果てしなく続いています。
2020年にBCGとBCG Xは、食品・アグリビジネスの大手多国籍企業であるオラムと協働して、地方の農業経済地域の小規模農家の生計の改善に取り組む”profit-for-purpose”ベンチャー、Jivaを立ち上げました。
支援内容・実績
2022年には、このスタートアップ企業は前年比300%の成長を遂げ、主要営業地域で20~25%の市場シェアを獲得し、70,000人の農民にリーチしました。Jivaを利用した農民のほとんどが生産量を40%まで、収入を約25%増加させました。Jivaは農民との間に信頼を築いており、今後、農民の生産量と利益をさらに増やすための、機械学習を活用したデジタル・アドバイザリー・サービスをさらに多く提供予定。 出典:BCG公式サイト
ベイン・アンド・カンパニーの事例
グローバル小売企業:地域戦略による業績改善
小売企業であるクライアントAは100億ドル規模のグローバルカンパニーであるが、過去10年間の業績は芳しくなく、それに伴い株価も低迷していました。 同社はベインに、業績を成功させるための企業戦略の策定を依頼しました。
支援内容
クライアントAは世界的な小売専門業者であるため、小売店の地域戦略が必要でした。ベインは、各市場の魅力、戦略的位置づけ、新しい戦略との適合性を個別に評価しました。 この分析に基づき、ベインはクライアントAに対して、不採算拠点からの撤退を含め、各市場に適した対策を講じるよう提言しました。 その結果、各市場のターゲットを絞ったアクションが、時価総額を60%増加させることにつながりました。 出典:ベイン・アンド・カンパニー公式サイト
医療機器メーカー:欧州売上を向上させる地域別オペレーティングモデルの策定
あるグローバル医療機器メーカーBは米国においてはほとんどのカテゴリーで50%以上の売上シェアを獲得していましたが、欧州では米国での事業展開とは異なる分散型オペレーティングモデルであったため、売上高で競合他社に遅れをとっていました。
支援内容
ベインは欧州主要国の現状を把握するため、固有の規制環境や顧客ニーズを含む広範な範囲を調査しました。この取り組みにより、成長を加速させるためにヨーロッパでどのように事業を展開すべきかが決定され、業務の明確化と改善に向けた提言を行いました。また、新しいオペレーティングモデルの導入を支援し、移行も含め管理・支援を行いました。
まとめ
本記事では、戦略コンサルタントの仕事内容や他職種との違い、求められるスキルや経験、そしてキャリアの築き方について解説してきました。戦略コンサルタントは企業の経営層とともに未来を描く、やりがいと責任の大きな仕事です。
その一方で、高い論理的思考力や提案力、地道な努力が求められる厳しい世界でもあります。
「ぜひ戦略コンサルタントへ転職したいのでサポートしてほしい」「自分の場合、コンサルファームへ転職できそうか知りたい」といった方は、ぜひ一度MyVisionにご相談ください。