医療機関へのハンズオン支援により医療提供体制の維持に貢献【株式会社シーユーシー エリアマネージングディレクター 神野氏、工藤氏インタビュー】
2024年09月26日更新
企業紹介
株式会社シーユーシー(以下:CUC)は、「医療という希望を創る。」のミッションのもと、国内外の医療課題の解決に向き合っているヘルスケアベンチャーです。「医療という希望を創る。」を使命に掲げ、さまざまな医療課題の解決に向けて、国内外の医療機関の支援やホスピス事業、居宅訪問看護など多角的な事業を展開しています。本日は、CUCの主幹事業の一つである医療機関支援事業において、エリアマネージングディレクターを務める神野氏と、訪問診療クリニックや訪問看護ステーションを経営する医療機関の事務長補佐の工藤氏に同社の特徴と魅力についてお話をお伺いしました。
インタビュイー経歴
話し手
神野大輔氏
株式会社シーユーシー
千葉埼玉エリア エリアマネージングディレクター
大学卒業後、約10年間住宅メーカーの設計部署に所属。その後、IT企業やコンサル企業を経験し、2018年にCUCへ入社。入社後は、約3年間病院事務長として病院へ出向し、直近3年間は在宅医療を中心に複数の医療機関を支援、2024年4月より千葉・埼玉エリアの統括マネージャーを務める。
話し手
工藤卓人氏
株式会社シーユーシー
訪問診療クリニック 事務長補佐
大学では理学療法学科を専攻し、理学療法士の資格を取得。大学卒業後、理学療法士として高齢者特化型の急性期病院へ6年間所属し、2022年1月にCUCへ入社。入社後は、支援先医療機関へ出向し、医療職と共に診療帯同業務に従事。2024年4月より訪問診療クリニックや訪問看護ステーションを経営する医療機関の事務長補佐を務める。
目次
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M&A、採用、マーケティング、組織運営、オペレーションなど医療機関の経営課題をハンズオンで支援
──自己紹介をお願いします
神野氏千葉埼玉エリアのエリアマネージングディレクターを担当している神野と申します。大学卒業後、10年ほど住宅メーカーの設計部署に所属していました。その後、IT企業へ転職してIPOした後に、コンサル企業を経験し、2018年に弊社へ入社いたしました。弊社に入社後、約3年間病院の支援先に出向し、病院事務長を務めていました。その後、直近3年は訪問診療クリニックの事務長や事務局長として、複数の拠点を束ねるポジションを担っていました。2024年4月からは千葉・埼玉エリアの統括マネージャーとして、10拠点を担当しています。
工藤氏訪問診療クリニック 事務長補佐を担当している工藤と申します。医療系専門の大学で理学療法学科に所属し、在学中に理学療法士の資格を取得しました。大学卒業後、高齢者特化型の急性期病院に理学療法士として勤務し、6年間臨床現場を経験した後、弊社へ2022年1月に入社いたしました。弊社に入社後は、訪問診療をメインとするクリニックに常駐して、医師や看護師と共に診療帯同業務を行っていました。2024年4月より、訪問診療クリニックや訪問看護ステーションを経営する医療機関の事務長補佐として数値管理、採用、組織再編を行っています。
──所属されている部門の概要について教えてください
神野氏弊社の運営本部には病院医療・在宅医療・透析医療・外来医療の4つの支援事業があり、私は病院と在宅医療を担当する部に所属しています。各エリアの病院・訪問診療クリニックの医療機関に対して経営、マーケティング、M&A、新規クリニック開設支援などを行っています。支援の規模感は、例えば工藤さんが勤務する支援先の医療機関では、職員数200名に対し、弊社のメンバーが5名ほど常駐しています。各拠点には主担当として1名が配置され、支援する業務や短期或いは中長期の計画に応じて他のメンバーがサポートに入る、といったフレキシブルな体制で支援を行っています。また、常駐するメンバー以外にも本社の間接部隊として様々な業務の実行支援、運営企画、採用などの各機能に強みを持つチームがあり、全国の医療機関にサービス提供しています。
──CUCの支援の特徴について教えてください
神野氏1つ目が、ハンズオン支援です。医療機関では、経営に精通した人材の不足が課題となることが多いため、弊社では経理・財務・人事・総務・ITシステムなどの非医療職の部門を網羅的にハンズオンにて支援しています。 2つ目が、弊社に経営に精通した役職員が多いこともあり、マーケティングや財務、法務、数値計画策定及び実行のノウハウに長けていることです。
──医療機関への支援の流れについて教えてください
神野氏医療機関毎に課題は様々ですが、弊社が多く支援している事業承継のケースとしてPMI支援(M&A後の経営統合業務)の流れをご紹介します。PMI支援は、新たな経営体制の構築、経営ビジョン実現のための計画策定・両社協業のための体制構築、業務やITシステムの統合といった一連の取り組みを担い、M&Aによるリスクの最小化と、成果の最大化に貢献する役割があります。多くの場合は人材採用から始まり、人事・経理会計領域を強化します。併行して、収益改善や売上拡大に向けて患者の集客向上に注力します。このフェーズでは工藤さんのような現場の診療を経験しており、多職種と呼ばれるケアマネージャーや訪問看護ステーションの管理者と、医療に関する内容のコミュニケーションを取ることができるメンバーが担っています。患者のニーズを把握し集患に繋げていく流れを安定させながら、診療の効率化などのオペレーション見直しを行っていきます。
──支援先医療機関の事例について教えてください
神野氏私は事業承継後の医療機関を多く担当し、事業を持続可能性高く成長させていくために、ステークホルダー含め関係者対応や、新規顧客層の開拓などの支援を行ってきました。また、事業承継においては、組織内の医療職の方々のモチベーション維持が課題となることが多く、人事評価の仕組みづくりや個々人との面談を行い、組織づくりにも関わらせていただくことも多くあります。
工藤氏私は入社後は訪問診療クリニックに常駐して診療帯同業務を行うことが主な業務内容でした。その中で、診療の効率化を図るためのICTツールの導入や、それを医師や看護師に浸透させるためのコミュニケーションが主な役割でした。
──CUCはどのようなバックグラウンドを持つ方が多いですか
神野氏支援先の医療機関で医師や看護師チームのリーダーシップを醸成し、組織マネジメントを行うため、業界問わず、現場で組織マネジメントを経験されてきた方や、コミュニケーション力に優れた方が多くいらっしゃいます。
地域医療全体への貢献を見据えた視座に立ち、医療機関の経営再建にコミットできる環境
──CUCに入社した経緯について教えてください
神野氏医療・介護に従事する方々が減少していることを知り、日本の社会的な課題に対して自分の仕事として、直接携わりたいと考えていたことがきっかけです。私は前職のコンサル支援先で、民間病院の経営再建を手がけた経験があったため、その経験を活かして医療業界の経営再建に携わりたいという思いから、CUCへ入社いたしました。
工藤氏1つ目は、理学療法士として働いていた際、医療機関の構造やその構造に興味を持ち始めたことです。 2つ目は、在宅医療に興味を持っていたことです。少子高齢化が進行していく中で2025年問題や2040年問題が取り上げられ、国策として在宅医療の推進が高まっていたタイミングです。さらに、当時20代後半だったので、キャリアチェンジをするなら今しかないと思い、転職にチャレンジしました。 また、CUCを選んだ理由は、訪問看護に特化したソフィアメディなど、CUCグループ全体で、多くの理学療法士が在籍、活躍していることを知り、これまでの経験が活かせると感じたことが、転職の決め手となりました。
──入社されて得られたスキルについて教えてください
神野氏医療業界についての知見・ノウハウを多く蓄積することができました。私はこれまで様々な業界に携わってきましたが、医療業界は独自の商慣習が多いため、蓄積したノウハウは医療業界において非常に有用だと考えています。また、弊社はグループ会社で訪問看護事業やホスピス事業、薬局など多岐に渡る事業を展開しており、これらの分野でも知見を得ることができました。
工藤氏私はもともと専門職で医療知識には自信がありましたが、現場に入ることで、より高い視座での知見が深まり、組織としての各職種の役割を理解することができました。また、元々私が働いていた病院はITの導入が遅れていたため、クライアントの活用支援を通じてIT導入方法についても学びを得ることができました。
──工藤様は医療職からの転職ですが、入社後苦労したことはありますか
工藤氏入社後苦労したことは、売上や組織運営に関する数値に関わる仕事です。数値への意識は、ビジネス経験豊富な上司から学びながらキャッチアップしました。また、現場で患者様と向き合って何かの判断が必要となった際、これまでは感覚的に判断することが多かったですが、経営的な観点でコミュニケーションを取り、意思決定ができるようになりました。その経験を通じて、クライアントである現場の医師や看護師を説得力をもって動かせるようになったと考えています。
──医療職などの異職種から転職される方はどのようにキャッチアップしていますか
神野氏医療職や異業種からご転職される方は、視点を変えて全体最適を意識していただくことが重要だと考えています。特に医療職の方は、目の前の患者を助けるということが最優先なのですが、弊社に入社後は、患者さんへの視点を維持しながら、地域全体や医療従事者にとってもより良い環境を共に創っていく、といった高い視座を持つことが重要です。そういった視座向上を支援するために、CUCには充実した各種研修制度があります。たとえば次世代リーダー向け研修や、大手ビジネススクールの受講を通じてスキル習得を支援する制度も用意しています。 また、医療機関の場合、一つの医療機関内に限定されたジョブローテーションに留まってしまいますが、CUCはご支援する医療機関が多岐に渡り、事業も多数展開しています。そのため、多様なジョブローテーションが可能で、広い視野で医療業界の課題解決に携わることができる環境が整っています。
多様な医療機関の再建・マネジメントを通じて地域社会の存続・発展を支える
──医療職から転職される方のCUCで働く魅力について教えてください
神野氏これまでの医療業界での知見を活かし、マネジメントの範囲を広げて医療業界にイノベーションをもたらせることが魅力だと考えています。例えば、理学療法士など医療専門職としてプロフェッショナルの頂点を目指す道もありますが、より医療業界に大きな影響を与えたい方にとっては非常に魅力的な環境です。
──今後の展望について教えてください
神野氏1つ目は、地域医療の強化です。病床が限られる中で、高齢者の終末期の過ごし方が大きな課題となっています。その課題に対し、訪問診療や訪問看護、受け皿となる施設を中心に、在宅医療の体制構築支援で解決していきたいと考えています。 2つ目は、私の担当エリアにおいてですが、小児科経営支援の強化です。日本の将来を担うお子様への医療、親世代を支える基盤を作るため、小児科の医療機関を充実させ、少子化の進行を緩和することを目指しています。ベッドタウンと呼ばれるエリアに対して、良いクリニックがあるので安心して子育てしていける、と皆さんが仰るような地域社会をつくっていきたいと考えています。
──求める人材について教えてください
神野氏当事者意識の強い方に来ていただきたいと思います。その中でも、目の前の患者に向けた当事者意識は勿論ですが、医療機関全体、或いは地域全体を俯瞰して見て、最適化していこうといった当事者意識を持てる方が求められます。特に、小さいクリニック内では全体最適のバランスが崩れることが多々あり、俯瞰して物事を捉え、そこに対して当事者意識を持って、医療現場や関係する方々に伴走できる方に来ていただきたいと考えております。
──最後に転職候補者様に向けて、メッセージをお願いします
神野氏医療機関や介護施設の支援事業として、業界内でもご評価を頂きつつあると感じております。実際に関わらせて頂いている地域、支援先医療機関数やその先にいらっしゃる患者さんも大きく伸びてきております。売上・収益共に成長率が高く、ご支援先医療機関の引き合いも増えてきています。また、ベンチャー気質のある会社であるため、昇進を含めたチャンスも多数ある環境です。次世代の経営者を目指して、マネジメント手腕を振るっていきたいという方は是非ご検討をお願いできればと思います。
──ありがとうございました