“100年後の世界を良くする会社”を増やすべく、戦略と実行のサイクルを回してユニークな価値を発揮する 【株式会社リブ・コンサルティング 執行役員CHRO武山氏インタビュー】
2024年09月25日更新
企業紹介
リブ・コンサルティングは大企業、中堅中小企業、ベンチャー企業といった多様なクライアントに対し、戦略・組織・オペレーションといったあらゆる領域のコンサルティングを提供するファームです。戦略と実行が一体化したコンサルティングを通じ、”100年後の世界を良くする”会社を社会に多く生み出すことを使命としています。本日は、同社の特徴と魅力について、執行役員CHROである武山氏にお話を伺いしました。
インタビュイー経歴
話し手
武山慎吾氏
株式会社リブ・コンサルティング
執行役員CHRO
東京大学経済学部を卒業、三菱商事、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)を経て、2017年にファーストリテイリングに入社。同社の人事部長としてグローバル本社の組織構造改革、人事制度企画、経営人材育成等をリード。その後、IT系ベンチャー企業の人事責任者を経て、2022年11月にリブ・コンサルティングにCHROとして参画。
目次
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中堅中小・ベンチャー企業向けグロース支援と、大企業向け新規事業開発支援に強み
──はじめに、自己紹介からお願いします
武山氏執行役員CHROの武山です。新卒で三菱商事に入社し、リスクマネジメント部門で事業投資の案件審査や取引先の与信管理といった管理系の業務を担当していました。その後BCGに移り、経営コンサルタントとして6年半に渡り金融業界やエネルギー業界などのクライアントを中心に支援していました。ファーストリテイリングに移って人事にキャリアチェンジし、柳井会長の下で人事改革推進を担当した後、 2022年にリブ・コンサルティングにCHROとして入社し、現在に至ります。
──リブ・コンサルティングの概要について教えてください
武山氏弊社は、「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」というミッションを掲げ、コンサルティングサービスを提供しています。コンサルティング業界は、トレンドに乗って収益・規模を目指す企業も多いですが、弊社は社会や人々の生活が本当の意味で豊かになることに貢献したいと考えています。 現在、設立から13年目となり、従業員数は300名程度です。コンサルティング業界の中では比較的若く、規模も大きくないためベンチャースピリットを持っている会社です。そのため、経営陣と現場のコンサルタントの距離が近く、風通しもよく、大きな裁量を持ってチャレンジすることができる環境といえます。
──リブ・コンサルティングではどのようなクライアントを支援することが多いのでしょうか
武山氏弊社は長年にわたって中堅中小・ベンチャー企業を中心に支援してきました。経営的なノウハウやリソースは足りないが、大手のコンサルティングファームに高いフィーを支払う余裕がない中堅中小企業をサポートすることで、ミッション実現を推進してきました。中堅中小・ベンチャー企業向け支援においては、コンサルティング業界の中でユニークなポジションを築いています。 また、近年は大手企業向けの新規事業開発支援も増えてきました。新規事業の立ち上げに課題感を持つ大企業は増えており、そうしたクライアント企業が、弊社がこれまで中堅中小企業支援で培ってきたノウハウにご期待いただいているという背景がございます。
──リブ・コンサルティングではどのようなプロジェクトが多いのでしょうか
武山氏中堅中小・ベンチャー企業向けの支援と、大手企業向けの支援で特徴が分かれるため、それぞれお話しします。 まず、中堅中小・ベンチャー企業向け支援には大きく2つのテーマがあります。 1つ目は、営業・マーケティング関連の支援です。ベンチャー企業が事業グロースしていく際によく当たる壁として、「良いサービス/プロダクトはできたが、売れない」というものがあり、そうした課題に対し、マーケティング・営業の支援を行っています。 2つ目が、組織・人事管理支援です。売上が順調に伸びていくにつれて従業員数も増えていく中で、組織関連の課題感を抱える企業は多いです。例えば、30人であれば上手くいっていた組織が、100人以上になってきたタイミングで上手く回らなくなってきた、という課題はよくあります。そうしたクライアントに対し、組織開発、人材育成などの組織人事関連支援を行っています。 一方、大手企業向け支援では、前述したように新規事業開発を支援することが多いです。弊社が中堅中小・ベンチャー企業向け支援で培ってきたノウハウやネットワークを活かし、大企業の新規事業開発の支援を行っています。一部の大手企業の中では、既存の事業改善は大手の戦略系/総合系ファームに依頼しつつ、新規事業開発については弊社に依頼するといった棲み分けをしていただくケースも増えてきています。
──中堅中小・ベンチャー企業向けのマーケティング・営業の支援では具体的にどのようなことを実施されるのでしょうか
武山氏マーケティング支援でよくある手法の一つに、クライアントのプロダクト・サービスの強みを明確に言語化し、効果的な打ち出し方を模索するというものがあります。例えば、技術的に優れたプロダクトがあったとしても、そのプロダクトがどのようなメリットを提供するのか、 競合と比べてどのような独自性を持つのか、といった部分が不明瞭で顧客に伝わっていないケースは多いです。そういったケースにおいて、強みの言語化と、それをいかに顧客に伝えるか、といった部分の戦略立案と実行の支援をしています。 営業支援については、プロダクト・サービスの魅力を伝えるためのトークスクリプトの作成や、効率的な営業管理の仕組みづくりなどの支援が多いです。例えば、あるクライアントでは、スター営業マンは売れているものの、普通の営業マンは売れない、といった課題を抱えていました。そのケースでは、スター営業マンの成功理由を分析し、全員の能力底上げをするための仕組み化、および人材育成の仕組みのコンテンツの作り込みがメインの支援テーマとなりました。
──戦略からエグゼキューションまで一気通貫で支援されているのですね
武山氏戦略立案とそれに伴う実行計画の策定は勿論重要ですが、実際に実行し、実行からフィードバックを回すことも非常に重要だと考えています。社内ではそのプロセスを「戦略と実行のサイクルを回す」と呼んでいます。 例えば、弊社では実行フェーズにおいて、クライアントの名刺を持って実際に営業することがあります。こうしたアクションは、実際に営業活動で高い成果を出して貢献することは勿論、この取り組みで得た知見をマーケティング戦略へフィードバックする効果も見据えています。実行を担うことで初めて得られる知見を戦略策定に活用していく、そうした現場感のある支援をリブ・コンサルティングでは重視しています。
プロジェクト側・コンサルタント側の相互アピールにより最適なアサインを実現する仕組み
──リブ・コンサルティングではどのようなコンサルタントが働かれているのでしょうか
武山氏現時点のコンサルタントの平均年齢は33歳です。内訳としては、20代後半〜30代前半がボリュームゾーンで6割程度、20代前半が2割程度、30代後半〜40代が2割程度の構成です。20代後半でパートナークラスも存在しており、マネージャーの多くが30代で構成されているなど、比較的若い組織です。 コンサルタントの男女比率については、現在男性7割、女性3割ですが、将来的には男女比率5:5を目指しています。男性も女性も等しく意見を出し合うことによって、アイデアの偏りをなくし、意思決定を適正に行うことで、クライアントに提供している価値も向上させていくことが出来ると考えています。
──どのようなバックグラウンドを持つ方が在籍されているのでしょうか
武山氏我々は中堅中小企業向けという観点では、住宅・不動産業界、モビリティ業界で多くの支援実績・強みを持っているため、それらの業界出身者の方は一定数います。但し、それらの業界に偏っているわけではなく、商社、広告、銀行、メーカー、人材系など、多様なバックグラウンドを持つ方に活躍いただいています。
──プロジェクトへのアサインの考え方について教えて下さい
武山氏プロジェクトアサインの前提となる考え方として、プロジェクト側とコンサルタント側が相互にアピールし選択し合う、健全な緊張関係をつくることを重要視して設計しています。 プロジェクト側の視点では、クライアントから相談いただくテーマにあわせて、合致するスキルや経験を持つ方をアサインしたいという考えがあります。そのため、プロジェクトで得られる経験や、成長気化器を適切にアピールし、コンサルタントにプロジェクトへの参加を希望してもらうことが必要です。 一方でコンサルタントの視点では、自身の強みや経験を活かせる領域だけでなく、今後新しく業務の幅を広げるためにチャレンジしていきたいという考えもあります。そうした時、自分の希望を通すためには、過去の成果や実績を積極的にアピールしていく必要があります。このように、相互にアピール・選択しあう健全な緊張関係を維持しながらアサインが決定されるプロセスを設計しています。
──大手企業向け支援と、中堅中小企業向け支援でアサインの仕組みは異なるのでしょうか
武山氏はい、異なります。大手企業向け支援の場合は、ワンプール制でのアサインを採用しています。現在、大手企業向けは60〜70人のコンサルタントが所属しており、基本的には1人1プロジェクトの体制でアサインを決めていきます。 一方、中堅中小・ベンチャー向け支援の場合は、組織が産業軸での事業部に分かれています。その事業部内でもさらに5〜7人程度のチームに分かれており、そのチーム毎にプロジェクトチームを組成しアサインを決定していきます。中堅中小・ベンチャー向け支援を担当するコンサルタントは、1人2〜4プロジェクト程度を同時に担当しています。
──コンサルタントの部署間での移動もあるのでしょうか
武山氏はい、あります。やはり、クライアントからのニーズに合わせて各部署で必要となるコンサルタント数も変動するため、部署間での異動や、短期的に別部署のプロジェクトでアサインいただくこともあります。また、個々のコンサルタントが歩みたいキャリアの希望に沿って部署移動するケースもあります。例えば、大企業向け支援をやっていたが、ベンチャー企業の経営者と近い距離感で支援したくなったなど、個人のアスピレーションを踏まえて異動するケースもあります。
数年単位の濃密な育成制度、丸2日間かける半期評価など、コンサルタントの成長に惜しみなく投資
──リブ・コンサルティングでの働き方について教えて下さい。
武山氏ハイブリッド出社を前提としており、週1日のオフィス出社は必須としています。出社する日は各人の業務毎ごとに決めており、出社した日には一緒にプロジェクトを担当する人と必ず対面でコミュニケーションが取れる機会にできるように設計しています。週1出社がルールではありますが、オフィスに来てコミュニケーションをとりたいという方も多いため、実際の出社率は週2〜週3程度です。 また、育児休暇や産休を取得するコンサルタントも多いです。実際に、女性のマネージャーが育休を2年間取得してこの5月から復帰する方や、もうすぐ産休に入るコンサルタントもいます。男性も育休を2週間〜1ヶ月程度は当たり前に取得する方が多く、執行役員やパートナーなどシニアなクラスの人間も育休を取得しています。
──入社後のコンサルタントの育成・研修環境について教えください。
武山氏弊社の特徴的な育成・研修の仕組みとして、ユース制度、トレーナー制度について紹介します。 1つ目のユース制度では、入社後3ヶ月間にわたり基礎スキル習得と人間関係を構築することを目的としたコミュニティに所属する制度です。コンサルタントとしての基礎スキル習得に必要なメニューをOFF-JT(Off-the-Job Training)で提供されるトレーニングで学ぶことに加え、様々な事業部のプロジェクトに短い期間で参加し、様々な経験を積みます。この経験により、コンサルタントとしての幅が広がることに加え、多くの先輩コンサルタントからスキルやマインドセットを学ぶことが可能です。また、コミュニティ内では朝会や月次での勉強会を実施しており、お互いの取り組みをシェアすることで、教え合い、学び合うことが出来ます。コンサルタントとしての最初の3ヶ月間は一番大変な期間ですが、仲間と共に一緒に乗り越えていくことで絆も生まれます。ユース制度の期間が終了した後も、入社同期としての情報交換や、たまに集まって互いの近況をシェアしあえる人間関係を構築することが可能です。
2つ目のトレーナー制度は、一流の先輩コンサルタントが新入社員の入社後2年〜3年間トレーナーとしてつく制度です。多くの会社でも、メンター/トレーナー制度はあるとは思いますが、月に1回程度接点があり少し愚痴を聞いてあげて精神的なサポートを行うことに留まっている場合も多いのではないでしょうか。弊社のトレーナー制度は、最低でも週に1回1時間はしっかり1on1を行うことをルール化しており、人によっては2日に1回、毎日30分間など高頻度でやるケースもあります。この1on1では、足元の業務での困りごとに対するアドバイスは勿論、コンサルタントがその1週間で学んだ内容や改善すべき点を内省して成長するための支援を主目的として実施しています。また、コンサルタントとしてのキャリア目標から逆算して、どのような経験やスキルを身につけるべきか、どのような人と働くべきか、などアクションに落とし込む支援も行います。弊社に存在するオポチュニティ、リソースを一緒に整理し、実際につなぎ役になるサポートなど、様々な具体的な支援も行っています。
──コンサルタントの評価制度について教えて下さい
武山氏評価のタイミングは半年に1回であり、グレードやプロモーション/昇給もそのタイミングで決まります。評価体制は、プロジェクトリーダー、チームのマネージャーが中心になって行いますが、一緒に仕事をしたことのあるコンサルタントからの横、斜めから評価のキャリブレーションも行います。 また、弊社の評価指標は全部で56個あります。内訳としては、コンサルタントとしてのスキル面で25個、コンサルタントとして必要なマインド面で11個、社会人として求められる基本的な要素について20個です。コンサルタントとしてのスキル面は8段階評価、マインドについては11項目、社会人として必要な基本的要素については2段階の◯✕評価を行います。ただ評価を決定するのではなく、その方の成長を促すためのフィードバックも行うため、約2日を費やして詳細な議論を行います。評価を受ける方が今後何を頑張ればいいのか、ということを明確にすることによってコンサルタントが成長できる環境をつくっています。
──コンサルタントの育成に非常に注力していますね
武山氏はい、コンサルティングファームの中でも、圧倒的に力を入れていると自負しています。弊社は元々、ファームとしてのブランドや実績が少なかったため、即戦力となる人材をブランドと高い報酬で採用することはできませんでした。そのため、コンサルタントを育成することが一番の経営課題であり、育成環境の整備に非常に注力してきました。現在は徐々に即戦力となるコンサル経験者の方も入っていただく機会も増えていますが、それでも未経験の方の中途入社や、新卒の採用も増やしています。コンサルタントとして成長していきたい、という熱い思いを持って入社いただいた仲間全員が確実に、早いスピードで成長していただくための仕組みは引き続き強化していきます。
戦略と実行のサイクルを回す価値提供を軸に、海外展開・M&A・協業など支援スタイルを拡充し続ける
──リブ・コンサルティングが求める人材について教えて下さい
武山氏1つ目は、アンラーニングできる素直さ、柔軟性を持っている方です。事業会社で一定の経験や実績を蓄積した上でコンサルタントにチャレンジしたいという方は多くいますが、コンサルタントとしての仕事の進め方にすぐ慣れるのは簡単ではありません。そのため、今までの成功体験を一回脇に置いてアンラーニングし、謙虚にキャッチアップしていける素直さ、柔軟性がベースとしてあるか、ということは重要視しています。 2つ目は、フットワークが軽く、現場を重要視できる方です。弊社は、実行から得られる気づきと学びを戦略にフィードバックしていくスタイルで仕事を進めることが多いため、本やネットの情報に頼るだけでなく、フットワーク軽く現場に足を運ぶことが求められます。実際に現場で働く方々が何を感じているのか、お客様がどういったプロセスで購買をしているのかなど、現場のリアリティを体感し、徹底的に想像できる好奇心を持っていることが、弊社で活躍いただくために非常に重要だと考えています。
──今後の展望について教えてください
武山氏「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」というミッション実現に向け、我々が与えることのできる影響を大きくしていきたいと思っています。売上向上、従業員数規模の拡大はあくまで結果であり、弊社の強みや積み重ねてきたアセット・ノウハウを組み合わせることで、弊社にしかできない領域を開拓できるよう発展させていただきたいと思っています。 例えば、弊社が中堅中小・ベンチャー企業のグロースを支援してきた経験があるからこそ、最近では大企業の新規事業開発でも提供できる価値が広がってきています。また、モビリティや不動産・住宅業界で培ってきた強みやノウハウを基に、関連する領域での事業開発、デジタルソリューション開発の支援などの事例も増えています。 また、海外展開も加速させていきたいと考えています。現在、タイに事業を持っていますが、 アジアを中心とする国々に展開していくことで、中堅中小・ベンチャー企業向けにコンサルティングで価値を提供してきた日本発のユニークなファームの存在をアジアに広げ、儲けや規模至上主義が主流のコンサルティング業界にくさびを打ち込んでいきたいと考えています。 さらに、協業やM&Aといったかたちで新たな展開をしていくことも視野に入れています。様々なビジョンや特徴を持つブティックコンサルティングファームも増えてきました。しかし、経営的なノウハウやリソースが足りていない企業もあるかもしれません。そういった場合に、弊社と上手く協業したり、場合によってはM&Aなどでグループに入っていただくことで、弊社が経営面や営業、採用、育成など様々な観点でサポートし、シナジーを効かせながらグループ全体として世の中に提供できる価値のインパクトを大きくしていきたいと考えています。
──最後に、転職を考えている方にメッセージをお願いします
武山氏リブ・コンサルティングだからこそ、やる意味があると思える事業展開をこれからも加速させていきます。「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」というミッションを達成するため、コンサルティングファームの中でもユニークな存在であり続けますので、そういった環境でチャレンジしたいと興味を持っていただいた方はぜひ応募してください。
──ありがとうございました