KPMG FASの評判と実態まとめ|年収や働き方を徹底解説
2025年07月17日更新
KPMG FAS(KPMG Financial Advisory Services)は、M&Aや事業再生、フォレンジック調査といった高度な経営支援を担うプロフェッショナル集団です。
近年、異業種からの転職希望者にも注目されており、「年収は?」「働き方は激務?」「成長環境はどうか?」など、実際の評判を気にする声が増えています。
本記事では、KPMG FASの会社概要から働き方、待遇、社風まで、最新の情報と口コミをもとに徹底的に解説します。
コンサル業界への転職を検討している方が「自分に合うかどうか」を見極める判断材料となることを目指しています。
著者

横見 大輔
Daisuke Yokomi
神戸大学卒業後、新卒で三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社。4年半リテール営業に従事。富裕層や法人に対して、株式や債券、投資信託をはじめとする金融サービスに加え、保険や遺言信託、ファイナンシングサービスを提供。業績では50人中5位の成績を収め、在籍していた支店は社長賞を受賞。その後同社の財務企画部へ異動となり、全社計画の策定や収益分析などの企画職に従事。求職者様のまだ見ぬ最高の出会いを一緒に探していきたいという思いからMyVisionに参画。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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KPMG FASの会社概要と特徴
KPMG FAS(KPMG Financial Advisory Services)は、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、日本国内外の企業に対し高度なアドバイザリーサービスを提供する専門機関です。
監査・税務・アドバイザリーを横断するKPMGのネットワークを活かし、特にM&Aや事業再生、戦略策定、ガバナンス構築、不正調査など、企業の意思決定や制度整備に直結する業務に強みを持ちます 。
KPMG FASの特徴は、業種別に専門性の高い人材を集めたインダストリー・グループ体制を採用していること。
業界知見と海外ネットワークを融合させ、クライアントのグローバル展開や複雑な課題にも対応できる点が評価されています。
企業概要と主要事業領域
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | 株式会社 KPMG FAS(KPMG Financial Advisory Services) |
設立 | 2001年(KPMGグループ日本内で法人設立) |
代表取締役 | 知野 雅彦、岡田 光、澄川 徹 |
所在地 | 東京・大阪・名古屋・福岡に拠点あり |
従業員数 | 約900名(KPMG Japan全体では約9,800名) |
主要事業領域 | M&A/PMI、事業再生、戦略策定、ガバナンス・フォレンジック支援 |
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KPMG FASは、2001年設立のフィナンシャル・アドバイザリーを専門とする法人で、M&Aや再生、戦略・ガバナンス構築などを中心に幅広いフェーズで企業価値向上を支援しています。
注力領域としては以下が挙げられます。
- M&A/PMI(買収・統合):戦略策定からバリュエーション、買収後の統合支援(PMI)まで、一気通貫で支援。国内・クロスボーダー案件ともに実績豊富 。
- 事業再生/Restructuring:財務・業務両面からの改善策提示、債権者交渉、再編計画策定など、再建支援を包括的に実施。
- 経営戦略/ストラテジー業務:経営戦略や事業ポートフォリオ策定など、M&A前の意思決定支援を担う。
- グループ経営・ガバナンス構築支援:企業グループの統治体制設計や海外統括体制の立案などにも対応。
- フォレンジック/不正調査・防止:企業内部の不祥事調査、情報漏洩分析、コンプライアンス体制強化などを支援。
KPMG FASが手がける主要コンサルティングサービス
KPMG FASは、企業の変革と持続的成長を支援する多様なコンサルティングサービスを展開しています。
特に注目すべきは、戦略立案からM&A、デューデリジェンス、ポートフォリオ見直し、海外進出、無形資産投資支援までを一貫して担える、総合的なソリューションの提供体制です。
主力とされるコンサルティング領域は下記のとおりです。
- 全社戦略・事業戦略立案:長期的なビジョンの再定義、競争環境分析を通じて、企業全体または事業単位での成長シナリオを策定。組織改修も視野に入れた抜本的な改革を支援します。
- M&A戦略立案・実行支援(Deal Strategy):中長期的な成長目標に沿って、最適なM&A機会を選定。自社資源・時間・コストの制約を加味し、統合効果を最大化する戦略を構築します。
- ビジネスデューデリジェンス(Business DD):M&A対象企業の市場性・競争優位性を分析し、リスク洗い出しと共に、事業計画の精度向上を支援。知的財産・技術領域にも対応可能です。
- 事業ポートフォリオの再構築(Portfolio Review):ROICなどの財務指標に基づき、収益性の低い事業の再編や撤退を支援。企業価値向上のための「選択と集中」を加速します。
- PBR向上支援/無形資産投資支援:資本市場における企業評価を高めるため、成長投資の設計・実行支援を実施。中長期的なPER改善に向けたストーリー形成も対応。
- 新規事業開発(Growth Strategy)/海外展開支援:社会課題解決型の市場創造、顧客価値と経済価値の両立を軸に、新事業の立ち上げを支援。グローバル市場への展開や現地パートナー選定も網羅的に支援します。
- デジタル戦略・オペレーション改革:デジタルプラットフォーム構想から業務プロセス改善、サプライチェーン最適化、カスタマー戦略、ブランド価値の再定義まで、全社的な変革を支援。
- 財務・オペレーティングモデル構築支援:将来的な投資計画やKPI管理の基盤となる財務モデルの設計支援。予測データに基づいた定量的な経営判断を可能にします。
KPMG FASの強み
KPMG FASが国内外の企業から高く評価されている理由は、単にグローバルネットワークの一員であることにとどまりません。
数多くの実績に裏打ちされた“実行力”と“専門性”の高さこそが、同社の真の競争力です。
まず特筆すべきは、M&A支援の件数と規模が国内トップクラスであることです。
大手日系企業やプライベート・エクイティファンド(PEファンド)を主要クライアントとし、国内外の大型案件を多数手がけています。こうした豊富な経験が、クライアントからの高い信頼につながっています。
また、部門横断的な専門家による総合力もKPMG FASの大きな強みです。
財務、法務、IT、税務、業務改革、戦略、再生といった多岐にわたる分野のプロフェッショナルが連携し、複雑かつ高難度な案件にもワンチームで対応します。
これにより、クライアントにとって実現可能で実効性のあるソリューションが提供されています。
さらに、企業再生やフォレンジック領域での専門性にも定評があります。
企業不正やガバナンス問題に対して、調査・是正策の立案から内部統制の構築、危機対応体制の設計まで、専門チームが的確かつ信頼性の高い支援を行っています。
そして、KPMG FASではインダストリー・グループ体制を導入しており、業界別に専門人材を配置しています。
これにより、クライアントが属する業界特有の課題や構造に即した最適なアドバイスや支援が可能となり、より深い課題解決につながっています。
カテゴリ別に解説!KPMG FASのリアルな評判
口コミサイトをもとにKPMG FASの年収や評価制度、働き方、キャリア形成、社風や人間関係といったテーマごとの口コミ・評判をご紹介します。
年収・評価制度に関する評判
OpenWorkによると、KPMG FASの平均年収は1,238万円でした。
「マネージャークラスで年収1,400万円」「アソシエイトでも1,200万円以上」といった声が複数寄せられており、業界内でも高水準です。
”Fasの中では1番高く、総合コンサル以上、外資系戦略コンサル未満。2024年新卒は465万円+ボーナス+残業代とのこと。その後はみなし50hでA 600+ボーナス、SA 800+ボーナスと2-300万ずつベースが上がる(但し、給与改定がよくある業界なのであくまでイメージ) ただ、AでベースがSAを越えている人もいるらしいので、詳細は不明。昇進も実力次第なので毎年昇進も実力により可能。” 参照:openwork
”給与はボーナス部分が非常に大きくかつ個人差も大きいところ。勤務時間には連動せず、プロジェクトの規模や難易度、そこでの貢献度が総合的に評価される。若手でも高い評価により高額のボーナスを狙うことが可能” 参照:openwork
”おそらく世間一般であまり認知されていないが、コンサルの中でもかなり高い部類に属する。 ベース年俸+ボーナス。ボーナス比率が高く、パフォーマンスによって大きく差がつく。 ボーナス支給額のイメージは、ベース年俸×2ヵ月分~半年分程度。CFはボーナス水準がさらに高い。” 参照:openwork
評価制度に関しては、プロジェクトごとに評価が実施されているとのことですが、その評価基準は不透明なところもあるという口コミも見受けられました。
”正直、評価制度は謎だらけ。会社全体の評価基準が設定されておらず、マネジャー昇進の基準も共有されておらず、制度がどうなっているかさっぱりわからない。プロジェクト終了後に、フィードバック面談はあるけど、それがどのように年末評価・賞与に結びついているかよくわからない。” 参照:openwork
”正直、評価制度は謎だらけ。会社全体の評価基準が設定されておらず、マネジャー昇進の基準も共有されておらず、制度がどうなっているかさっぱりわからない。プロジェクト終了後に、フィードバック面談はあるけど、それがどのように年末評価・賞与に結びついているかよくわからない。” 参照:openwork
”年1回@7月・8月開催の評価会議により決定。 スタッフ時代は、アサインされたプロジェクトデリバリーへの貢献度が評価の大部分。 マネージャー以上は、最近評価制度が改訂され、売上金額による定量評価の比重がかなり大きくなった印象。” 参照:openwork
働き方・ワークライフバランスに関する評判
KPMG FASの働き方は、職位や配属プロジェクトによって大きく異なるようです。
ポジティブな声としては、「有給休暇が取りやすい」「マネージャーの裁量次第でリモートも柔軟」といった声が挙がっています。
一方で、ネガティブな意見では「プロジェクトなどによっては激務になる」などの意見もありました。
”DDやバリュエーション部門で専門家業務を提供する限りにおいては、成果物さえ適切なタイムラインで提出できれば上司・顧客から不満は出ないため労働時間は比較的自由である。ただし、成果物提出前は社内レビュー等でどうしてもインテンシブな働き方を強要されるが、忙しいタイミングが事前に分かるので、家庭との調整も取りやすい。” 参照:openwork
”どうしてもプロジェクトベースなので案件次第。どこの会社もそうだが、下のポジションで入るとプライベートを優先することは難しいと思う。” 参照:openwork
”どの部門でもワークライフバランスは確保しづらいと考えられる。有給については、前々から申請しておけばある程度希望が叶うが直前での申請等ではアベイラブルでもない限り実現可能性は高くないと思われる。 土日稼働はあまりないが、仕事のことを考えざるを得ないことはよくあるだろう。” 参照:openwork
キャリアパス・成長機会に関する評判
キャリア形成の観点では、KPMG FASに対する評価は非常に高い傾向です。
若手のうちから大規模なM&A案件や戦略立案業務に関与できる点に魅力を感じる人が多く、「実戦的な成長ができる」「高いスキルを身につけられる数少ない会社である」といった声が目立ちます。
“MAに関する業務が中心のため、クライアントにとって重要な局面に関与できる点では働きがいがある。” 参照:openwork
“いくつかの部署に分かれているため、自分がどの分野で活躍したいのかを明確にしたうえで経験を積んでいくことができる。 但し、部署間移動のハードルは高いため、入社時から何をしたいのかを明確にしておくことが重要だと思う。” 参照:openwork
“バリュエーション、FA、財務モデリング、監査サポートといったコーポレートファイナンスにかかる業務を手広く経験できることに加え、案件次第では戦略コンサル・業務コンサル・ITコンサルのような知見を得ることも可能なため、専門性と汎用性の双方の観点から、有意義なキャリア開発が出来ていると感じる。” 参照:openwork
”専門性が身についたことはとてもよかった。MAなど専門性が必要とされる業務を、高度なレベルで身につけられる環境はある程度限られており、それがある少ない会社である。” 参照:openwork
社風・人間関係に関する評判
社風に関しては、「オープンでフラット」「若手にもチャンスがある」といった前向きな声が多く見られます。
実際に、裁量を持って挑戦できる風土に魅力を感じている人が目立ちます。
“上司を評価することも出来、よかったと思います。若い人材が多いせいなのか、意外と真面目にこつこつ励む人材が多く、モチベーションは意外と高かったと思います。” 参照:openwork
“いい意味でも悪い意味でも体育会系、ドメスティックな社風がある会社だと思う。 上下関係が明確にあったり、上の人は口だけ出して手を動かさなかったりと気になる点は多いが、自分の作業を堅実に進めていれば大きな問題は起きない” 参照:openwork
“外資と言うのは名前だけであり、実質ビック4の中でも非常に古いジャパンを感じさせる社風。戦略コンサルタントとしての経験が長い上司がいたとしても、他の超ドメスティックなコンサル会社出身がほとんど(外資系であっても超ドメドメのところも含む)。これは、働き方、プロジェクトの進め方、コミュニケーションの全てに影響するものであるため、外資系ファンタジーを持って入社を決めようとする人にはおススメ出来ない。” 参照:openwork
“オープンかつフラット。若手が挑戦できる環境が揃っている。が、育成はつくマネジャー・シニアマネジャー次第(競合以上に運要素がでかい)。” 参照:openwork
“KPMGグループの一員のため、グループ全体でのコミュニティやコミュニケーションの場は用意されている。個人が望めばそのような機会を活用することは可能。 実務面では、チームごとに文化は違うため、プロジェクトにより働き方やコミュニケーションの取り方は変わってくる。個人商店の集まりのような感じのため、自らコミュニケーションをとり、人脈を広げることが重要だと思う。 部門内でのコミュニケーションを活発化するためのイベント等は日々計画されており、部門内の繋がりを強めるための働きかけは積極的に行われていると感じる。” 参照:openwork
KPMG FASの年収・評価制度・福利厚生の実態
KPMG FASの年収水準や評価制度、そして福利厚生の実態について、より具体的に整理します。
KPMG FASの平均年収
KPMG FASは非上場のため、有価証券報告書による年収公表は行っていませんが、口コミベースでは高い報酬水準が確認できます。
OpenWorkにおける集計では、回答者の平均年収は約1,234万円でした。
OpenWorkの口コミによる職種別平均年収については以下の通りです。
職種 | 平均年収(目安) |
---|---|
コンサルタント | 1,183万円(700〜3,000万円) |
プロフェッショナル | 1,327万円(850〜2,060万円) |
アソシエイト | 1,328万円 (1,020〜1,500万円) |
アドバイザリー | 1,520万円(800〜3,200万円) |
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口コミでは職種ごとの年収について、下記のような記載もありました。
”ベースサラリーはアソシエイト600万円〜、シニアアソシエイト800万円〜、マネージャー1000万円〜、シニアマネージャー1200万円〜、ディレクター1400万円〜。平均2-3年で次のタイトルに昇格し、200万円ずつ昇給する。但し同じタイトルの間は昇給はほとんどなく、最大年間25万円ずつ。 ボーナスは会社業績、部門業績、個人評価に連動。コロナ禍は大きく減額となっていたが、直近は業績が好調。平均ベース6ヶ月分程度は支給されている様子。 アソシエイト、シニアアソシエイトについては、一定時間の残業代が既に含まれたベース給であるが、それを超過した分の残業代は支給されるため、アソシエイトでもトータル1000万円は到達可能” 参照:openwork
また、年齢別の平均年収は下記のとおりでした。
年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
---|---|---|
30歳 | 1059万円 | 708万円 〜 1584万円 |
35歳 | 1277万円 | 853万円 〜 1910万円 |
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成果主義を軸にした評価制度
KPMG FASの評価制度は「成果主義」とは明文化されていませんが、採用情報や口コミからその内容が伺えます。
”KPMGコンサルティングの構成員は、「The Clear Choice」、すなわちKPMGがクライアントに常に選ばれる存在であることを目指しています。 クライアントに常に選ばれ続けるためには、時代や環境が変わろうとも価値を提供し続けられるコンサルタントでなければなりません。” 参照:openwork
“簡単な挑戦ではありませんが、目の前の課題を超えて全体像を描ける方、取り組みたいテーマがありそれを解決したいというパッションがある方と一緒にチャレンジし、新しい世界を切り拓いていきたい” 参照:openwork
口コミでは評価制度について下記のように記載がありました。
”一定時間をチャージした案件について、個別評価される。評価については、チャージ時間に比例する傾向はある。案件ごとの個別評価については、担当マネージャーの定性的な評価も大きい。評価については、相対的なバランスも重視される。” 参照:openwork
“各プロジェクト毎に評価が付くような制度になっており、多方面から評価されるため、比較的納得のいく評価制度が整っている” 参照:openwork
一部では評価者による部分もあるとの意見もありました。
”スタッフはほぼ、携わった案件のマネージャー・パートナーの絶対評価で決まるといっても過言ではない。その上でマネージャー以上全員が集まって行うスタッフの評価会議で相対評価を行い順列をつけるが、その際には、声が大きいマネージャー以上の人間にどれだけ推してもらえるかが重要になってくる。 マネージャー以上の評価は、関与した案件の数字で機械的に決められる部分が大半であるため、案件の巡り合わせ等運やタイミングに左右される部分も大きいが、比較的透明度は高いといえる。” 参照:openwork
大手監査法人系ならではの福利厚生制度
KPMG FASでは、KPMGジャパングループ共通の福利厚生制度が適用されており、非上場企業としては比較的手厚い制度が整備されています。
特に専門性の高い人材の採用・定着を目的とした設計がなされており、安心して働ける環境づくりが進められています。
主な福利厚生制度は以下の通りです。
- 社会保険完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
- 通勤交通費支給
- カフェテリアプラン制度
- 財形貯蓄制度
- 公認会計士企業年金基金
- マッサージルーム(東京事務所隣接ビル内、施術費用:30分、500円)
- 育児・介護短時間勤務
福利厚生においては、下記のような口コミがありました。
人によっては物足りないと感じる可能性もあるかもしれません。入社前に確認することがおすすめです。
”福利厚生・オフィス環境:カフェテリアシステム・オフィス環境は非常に良い” 参照:openwork
“福利厚生はほぼなく、退職金もないので、給与面がよくても実際の待遇は平均的一部上場企業等に比べるとかなり劣っていると感じる。 オフィス環境では、スタッフレベルは自分の机は提供されない。” 参照:openwork
KPMGグループ全体で制度設計が行われており、FASもその対象に含まれます。
一方で、福利厚生の充実は、働きやすさを考えるうえで重要なポイントの一つではあるものの、ワークライフバランスに直接的には関連しないという点には注意が必要です。
実際には、業務量や繁忙期の忙しさなどにより、制度を十分に活用できない状況が生じるケースもあります。
KPMG FASの働き方とワークライフバランスの実態
KPMG FASではリモートワークやフレックス制度といった柔軟な働き方の制度が整備されていますが、実際にそれらの制度がどの程度活用されているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
また、残業の多さや繁忙期の働き方など、業務の実態がどうなっているのかも、転職を検討するうえでは確認しておきたいポイントです。
ここでは、口コミ情報などをもとに、KPMG FASで実際にどのような働き方が行われているのかを整理しています。
制度としての仕組みだけでなく、現場でどのように運用されているかという視点からも見ていきます。
残業時間と繁忙期の傾向
OpenWorkの口コミによるとKPMG FASの月間平均残業時間は約65.5時間とされています。コンサルティング業界の平均は約40時間と言われているので、その中でも高い水準にあたります。
特にM&Aや再生支援といったタイムプレッシャーの大きい業務を担当する部署では、その傾向が顕著です。
”プロジェクトに依存。BDD案件は期日が明確にあり、その中で最大限の貢献が求められるのでなかなか自分の時間は取れない。アサインで調整することが必要。” 参照:openwork
”私の経験では、プロジェクトが落ち着いているときでも、毎日2
3時間くらいの残業はする。1年に12回くらいは100時間残業は超える。ずっとプロジェクトにアサインされているわけではない(一時期全然プロジェクトない状態も続いた)。私はプロジェクトの掛け持ちはなかった。” 参照:openwork
一方で、閑散期には自分の裁量で業務量を調整できるケースもあり、一定のバランスが取れていると評価する声もあります。
とはいえ、全体としては「激務」と感じる場面もある環境であることは考えられます。
リモートワークやフレックス制度の運用実態
KPMG FASでは、リモートワークおよびフレックス制度が導入されており、実際にこれらを活用して働く社員も多く存在します。
業務の特性上、常に出社を求められるわけではなく、プロジェクトの状況に応じて柔軟に働くことが可能です。
口コミでも、「週に数日は在宅勤務が可能」「チーム内の調整によって遅めの出社や早めの退勤ができる」といった声が確認できます。
こうした制度を活用することで、家庭やプライベートとの両立を図っている社員も少なくありません。
ただし、制度の利用がどこまで柔軟に許容されるかは、配属先のチーム方針や上司の考え方にも左右される部分があります。
そのため、「制度としてはあるが、実態としてはチーム次第」と感じる人もいるようです。
“フレックスタイム制のため通院や子供の用事などは融通が利きやすい。また在宅勤務制度もあるため、調整はかけやすい。休暇は案件次第だが休むことにとやかく言われる感じではない。(あまり上は関心がないと思われる)” 参照:openwork
”コーポレートファイナンスは労働量が特に多いため激務ではあるが、直近フレックスタイム制が導入されており、勤務時間の融通は効かせやすい。有給の取得も強く推奨されており、チームメンバーでカバーし合いながら好きな日に休みを取ることは可能。” 参照:openwork
KPMG FASのキャリア形成と成長環境
KPMG FASでは、若手のうちから責任ある業務に関与するケースが多く、M&Aや再生支援といった専門性の高いプロジェクトに携わる機会もある環境です。
業務の中で実践的なスキルを磨く機会が得られるかどうかは、担当領域や個人のスタンスによって異なるものの、成長を実感している人が多い傾向です。
早期からハイレベルな案件に関われる環境
若手のうちから大規模な案件に関与し、自分の裁量で主体的に動く経験ができるという声が複数寄せられています。
“若いうちから裁量もって業務に取り組むため、若手の成長環境としては良いと思う。” 参照:openwork
“非常に大きなプロジェクトに関与することができ、専門性も高いため市場価値が上がる上に、任せられる裁量も大きく、働きがある職場。昇格もリーズナブルな評価であり、パフォーマンスを出せば、金銭的にもキャリア的にも十分なリターンがある。また、同僚もマチュアで、一緒に働きやすく、お互いに高め合えるため、成長する環境としては申し分ない。ハードワークではあるものの、ジュニアクラスでも主体性次第では大企業の幹部クラスを動かす仕事ができ、視座もスキルも上がり、社会へのインパクトも出せる大変魅力的な職場であることは、自信を持って言える。” 参照:openwork
早期に顧客対応や提案プレゼンまで任される環境が一定程度あることが伺えます。
特にM&Aや再生支援といった案件では、専門性の高い業務と責任ある役割が若手に委ねられるケースが少なくありません。
一方で、「仕事のできる人に仕事が集まり、できない人に居場所はない。若手は主体性がないと放置されがち」といった意見もありました。
キャリアの早期形成を目指す方にとっては非常に魅力的な環境である一方で、裁量型の働き方や主体的なアクションが求められる風土が、自身のスタイルと合っているかどうかを見極めることが重要です。
M&Aや再生支援を通じて実戦的なスキルが磨ける
KPMG FASの中核領域であるM&Aや事業再生・事業変革支援の案件にアサインされることもあり、クライアントの状況に応じ戦略立案から実行まで一気通貫したスキルを磨くことができる環境があります。
”CFの部署であれば、MAのディールに数多く携わることができ、FAとしてのハンドリングから、モデル構築、バリュエーション、DDまで、一連の流れをインハウスで実装しているため、比較的細部まで肌で感じることができるのではないだろうか。 投資銀行と比較すると、案件ベースでは劣る (かつセルサイドは取りにくい)が、様々なディールに関与することによって、今後の知見に活かせることができる。” 参照:openwork
若手からマネージャー層まで体系的に育成する研修体制
KPMG FASでは、キャリアの各段階に応じた育成体制が整備されています。
新人層からマネージャー層に至るまで、実務と連動した形で体系的なトレーニングプログラムが提供されており、専門知識と実践力の両方を高められる仕組みとなっています。
”研修も多くあり、やりたい人は自身を伸ばせる組織になっている。また将来のキャリア形成でもプラスの影響があると思う。” 参照:openwork
ただ、育成制度が整っているとはいえ、成長を周囲任せにできる環境ではありません。
実際には、成果を求められる場面が多く、自ら機会を取りにいく姿勢や行動力が求められる風土が根付いています。
KPMG FASが向いている人の3つの特徴
この記事では、KPMG FASで働くにあたって、特にフィットしやすい人物像を整理しています。
倫理性、専門性、社会貢献という3つの視点から、向いている人の傾向を見ていきます。
高い倫理観と責任感を持ちプロ意識で仕事に臨める人
KPMG FASでは、企業行動原則に基づき、コンプライアンスや倫理の順守を最重要視しており、すべての社員が「正しいことを正しく行う」姿勢を求められます。
KPMGグループ全体では入社時や定期的な教育・報告体制を通じ、コード・オブ・コンダクトの理解と実践が義務付けられており、この倫理基盤を共有することがプロフェッショナルとしての前提とされています。
したがって、社会的信用に直結するような業務を担う立場として、倫理観や責任感を自律的に発揮できる人材にとっては、非常に適した環境と言えます。
財務や戦略領域での専門性を伸ばしたい人
KPMG FASが主力領域と位置付けているのは、M&A、財務アドバイザリー、事業再生支援などの高度専門業務です。
公式資料には、戦略立案から実行支援、再生計画策定までをカバーする支援体制が明記されており、業界内でも専門性を磨く機会が豊富にあることが示されています。
特に財務モデル構築やバリュエーション、デューデリジェンスなど、実務と理論の両方に触れながら専門性を高めたい方にとっては、経験を積みやすい環境といえるでしょう。
社会的意義のあるプロジェクトに挑戦したい人
KPMG FASでは、不正調査やガバナンス強化支援など、社会的信頼や透明性維持と直結するリスクアドバイザリー領域も担っています。
こうした業務はクライアント企業のみならず、資本市場や社会全体に対しても影響を及ぼす重要な役割を持つため、社会的意義の高い仕事に携わりたい方には、やりがいを感じられる領域です。
倫理性や透明性が求められる中で、企業と社会の未来を支えるようなミッション志向を持つ人にはマッチする環境です。
KPMG FASへの転職を成功させるための3つのポイント
KPMG FASは、高度な専門性が求められ、裁量の大きなプロジェクトに主体的に取り組むことが求められる環境です。
そのため、働き方や価値観によってはミスマッチを感じる可能性もあります。
ここでは、同社のカルチャーや業務スタイルから考えて「向いていない可能性がある人」の特徴を紹介します。
ポイント①M&Aや財務・戦略領域の基礎知識を押さえておく
KPMG FASは未経験者の採用にも門戸を広く開いていますが、M&Aや財務・戦略分野に関する基本的な理解があることが前提とされます。
面接突破や入社後のキャッチアップにおいて、事前準備と「学ぶ姿勢」の表現が差別化要因となる可能性があります。
基礎知識を持ち、強い学習意欲をアピールできることが転職成功の鍵になります。
ポイント②志望動機で社会貢献性や成長意欲を明確にする
KPMG FASの業務領域は、M&Aや事業再生支援、不正調査など社会的意義が高い要素を伴います。
企業行動の指針にも「誠実さ」「公共性の重視」が据えられていることから、志望動機において、なぜ社会貢献性や成長意欲を自分の言葉で説明できるかが、選考を左右する要素になり得ます。
その意欲や動機を論理的かつ誠実に伝えられるかが重要です。
ポイント③コンサル転職支援に強いエージェントを活用する
コンサルファームの選考では、業界理解と具体的な対策が不可欠です。
そこで、コンサル転職支援に実績があるエージェントの活用が有効です。
特にMyVisionでは、KPMG FASを含むFAS業界に精通した支援実績が豊富で、志望動機の構築や面接準備、キャリア相談まで丁寧に対応可能です。
支援を受けることで、自身の魅力やポテンシャルをより構造的に整理し、選考突破率を高めることが期待されます。
まとめ
この記事では、KPMG FASの働き方・制度・キャリア環境を口コミや公開情報を通じて整理しました。
- 高度専門業務や早期の実務参画を通じて、市場価値のある経験を積みたい方には魅力的な環境である一方、激務や裁量の大きさが負担になる可能性もあります。
- 評価制度や研修体制は整っているものの、自律的に学び成果を出す姿勢が求められるスタイルです。
- 志望時には、財務・戦略領域の理解を事前に積み、社会的意義や成長意欲を自分の言葉で明文化できるかが選考上のポイントです。
また、+MyVisionなどコンサル転職支援の知見を持つエージェント*を活用することで、志望動機のブラッシュアップや面接対策が進めやすくなります。
ご自身の志向やキャリア観と照らし合わせることで、KPMG FASが働く上で「合う」「合わない」を判断する一助になれば幸いです。
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