マーケティングとコンサルはどう違う?共通点・相違点、向いている人とあわせて、どちらを選ぶかの観点を解説
2025年07月22日更新
マーケティングとコンサルティングは、いずれも企業の成長を支える重要な仕事です。しかし、年収や業務内容、求められるスキルには明確な違いがあります。
本記事では、両者の共通点・相違点を整理しつつ、それぞれに向いている人の特徴や年収の傾向、業務内容の違いを比較しました。
最終的に「どちらを選ぶべきか」を判断するための観点も解説します。
マーケターとコンサルタントの間で進路に迷っている方は、自身の志向や強みと照らし合わせて、今後のキャリア選択の参考にしてください。
目次
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マーケティングとコンサルティングの共通点・違い
マーケティングとコンサルティングは、企業の課題解決や成長支援を目的とする点で共通しています。
しかしそのアプローチや役割には、明確な違いがあります。
ここでは、それぞれの仕事内容や特徴を整理したうえで、共通点と相違点を詳しく解説していきます。
マーケティングの概要
マーケティングとは、顧客のニーズを把握し、価値ある商品やサービスを提供することで、継続的な関係性を構築していく活動を指す言葉です。
日本マーケティング協会では、以下のように定義されています。
(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。
引用:マーケティングの定義(2024年制定)日本マーケティング協会
定義では「主体は企業のみならず、個人や非営利組織等がなり得る」とされていますが、本記事では主に企業が行うマーケティング活動に焦点を当てて解説していきます。
マーケティングは、大きくオンラインとオフラインの2つの領域に分かれ、それぞれに多様なチャネルがあります。
代表的なものは以下の通りです。
領域 | 具体例 |
---|---|
オンライン | Web広告/SEO/SNS/メールマーケティング など |
オフライン | テレビCM/チラシ/店頭プロモーション など |
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仕事内容は、顧客に商品やサービスを認知してもらい、購入や利用へと導く一連のプロセスに関わるものです。
この活動は、自社で提供する製品を扱う事業会社のマーケターと、他社の支援を行うマーケティング支援会社の両方で行われています。
コンサルティングの概要
コンサルティングとは、企業や組織が抱える経営課題に対して、専門的な知見をもとに解決策を提案し、その実行までを支援するサービスです。
クライアントの状況に応じて、戦略の立案から現場レベルでの実行支援まで、幅広いフェーズに携わることが特徴です。
コンサルティングにはさまざまな領域が存在します。
主な領域は以下の通りです。
コンサルティング領域 | 主な支援内容 |
---|---|
戦略 | 経営戦略、新規事業立案、M&A戦略など、企業全体の方向性を策定する支援 |
総合 | 戦略立案から業務改善、IT導入まで幅広く支援。多様な業界・課題に対応 |
IT | IT戦略策定、DX推進、システム導入支援。近年は戦略領域まで展開されることが多い |
組織・人材 | 人事戦略の策定、人事制度構築、人材育成など、組織と人材に関する課題を解決 |
ヘルスケア | 病院・医療機器メーカーなどの経営支援。医療・介護領域の基盤強化を行う |
財務 | 財務デューデリジェンス、企業価値評価、M&A実行支援など、財務領域に特化した支援 |
企業再生 | 経営不振企業に常駐し、事業の立て直しや再生をハンズオンで支援 |
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このように、コンサルティングには多様な領域が存在し、それぞれ異なる専門性と役割が求められます。
どの領域を志向するかによって、必要なスキルやキャリアの方向性も変わってきます。
マーケティングとコンサルティングの共通点
マーケティングとコンサルティングには、以下のような共通点があります。
- ニーズの把握と解決志向
- データドリブンの仮説検証型アプローチ
- 高い専門性が求められる
まず、どちらの職種も相手のニーズを正確に捉え、それを満たすための最適な手段を設計・実行する点で共通しています。
マーケティングでは消費者や顧客のニーズに、コンサルティングではクライアント企業の課題に向き合うものの、「相手に価値を提供する」という本質は同じです。
次に、データ分析に基づいて仮説を立て、検証と改善を繰り返す思考プロセスが重視される点も共通しています。
根拠のある意思決定を行うためには、論理的なアプローチが欠かせません。
さらに、いずれの職種においても高い専門性が求められます。
マーケティングではWeb広告やCRM、SNSといった手法やツールへの理解が必要であり、コンサルティングでは業界知識やソリューションの知見が重要とされます。
このように、マーケターとコンサルタントは異なる領域で活躍しながらも、課題解決型の思考と高度な専門スキルという共通基盤の上に成り立っている職種です。
マーケティングとコンサルティングの違い
マーケティングとコンサルティングは、いずれも課題解決を目的とした職種ですが、その目的や関わる対象には明確な違いがあります。
以下の表で、マーケティングとコンサルティングの主な違いを比較しました。
比較項目 | マーケティング | コンサルティング |
---|---|---|
目的・成果物 | 認知度向上や購買促進などの施策立案と実行・広告成果やKPI改善が成果物 | 経営課題の解決や事業戦略の立案・実行支援・提案書や改善計画書などが成果物 |
対象(顧客層) | 一般消費者や購買担当者など生活者や顧客に近い層を相手にする | クライアント企業の経営層や部門責任者など意思決定権を持つ層が主な相手 |
関与する階層 | 現場に近い中・下流工程が中心 | 経営に近い上流工程が中心 |
仕事のプロセス | 仮説・検証・実行を繰り返す点では共通、手法やツールも多岐にわたる | 論理的な分析と課題設定を行い、実行フェーズまで関与することが多い |
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このように、マーケティングとコンサルティングは一見似たプロセスを持ちながらも、さまざまな項目において明確な違いがあります。
どちらが自分の志向や強みに合っているかを見極める材料として、ぜひ参考にしてください。
マーケターとコンサルタントの年収
マーケターとコンサルタントは、どちらも高度な専門性を求められる職種であるため、比較的高い年収水準となっています。
ただし、年収は個人のスキルや経験、さらに所属する企業の業種・規模によって大きく異なります。
あくまで傾向としての目安にはなりますが、職種ごとの平均的な年収や特徴を把握しておくことは、キャリアを検討するうえで有益といえるでしょう。
ここでは、それぞれの年収事情について解説していきます。
マーケターの年収
OpenWorkのデータによると、マーケターの平均年収は約728万円となっており、全体的に高水準であることがわかります。
令和5年分の国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者全体の平均年収は約460万円であり、それと比較してもマーケターの収入はかなり高い水準にあるといえるでしょう。
ただし、マーケティング職といっても領域は非常に広く、多岐にわたります。
- Webマーケティング
- 広告運用
- CRM
- ブランド戦略 など
それぞれに必要なスキルや知識が異なるため、年収にも大きな幅が生まれます。
自身のスキルを磨き、実績を積むことで、さらに高い年収を目指すことも十分に可能です。
参考:マーケティングの平均年収|OpenWork 参考:令和5年度分民間給与実態統計調査|国税庁
コンサルタントの年収
コンサルタントの年収は、全体的に高い水準にあります。
OpenWorkの情報によると、代表的なコンサルティングファームの年収は以下の通りとなっており、いずれも一般的な企業に比べて高額です。
- アクセンチュア:約869万円
- アビームコンサルティング:約821万円
- デロイトトーマツコンサルティング:約952万円
さらに、コンサル業界では成果や実力に応じて昇進スピードが速く、年収1,000万円を超えることは十分可能です。
マネージャーやパートナーといった上位ポジションに昇格すれば、年収2,000万円以上を狙えるケースも少なくありません。
ただし、年収の高さだけでコンサルタントを目指すのは注意が必要です。
入社の難易度が非常に高いうえ、入社後も成果主義の厳しい環境で働くことになります。
プロジェクトのプレッシャーや長時間労働に耐える体力・精神力が求められ、周囲には常に優秀な人材がひしめいています。
魅力的な年収水準に惹かれても、自身の志向やキャリア観とも照らし合わせて判断することが大切です。
参考:【2025年07月最新】平均年収ランキング|コンサルティング、シンクタンク業界で年収が高い企業TOP20|OpenWork
マーケティングの業務内容
マーケティングの業務は非常に多岐にわたり、担当する領域や企業のビジネスモデルによって内容は大きく異なります。
たとえば、戦略の立案に携わるポジションと、現場で施策を実行する役割では、求められるスキルや視点もまったく異なります。
そのため、ここではあくまでマーケティング全体に共通する代表的な業務について、大枠として整理していきます。
一連のプロセスを理解することで、マーケティング職の全体像がより明確になるはずです。
市場調査・分析
市場調査・分析は、マーケティング活動の出発点となる重要なプロセスです。
施策を効果的に展開するためには、自社を取り巻く市場環境や顧客ニーズを正確に把握しておく必要があります。
この業務では、以下のような手法を用いて、ユーザーの嗜好や行動傾向、潜在的なニーズを洗い出していきます。
- アンケート
- インタビュー
- グループインタビュー など
また、競合他社の動向や新たな市場トレンドについても綿密にリサーチを行い、自社の立ち位置や強み・弱みを相対的に評価します。
こうした調査・分析の結果は、商品企画や販促施策、広告戦略など、マーケティング全体の方向性を決めるうえでの基盤となります。
ユーザーの声や市場データを的確に読み解く力が、成果につながる打ち手を導く大きなポイントになるといえるでしょう。
商品・サービス企画
商品・サービス企画は、市場調査やユーザー分析の結果をもとに、既存サービスの改善や新たな商品・サービスを形にしていくプロセスです。
収集した情報をもとにアイデアを出し合い、方向性やターゲット像を明確にしていきます。
この段階では、「誰に使ってもらいたいのか」というペルソナの設定が欠かせません。
想定ユーザーの課題やニーズに沿った設計でなければ、どれほど魅力的な機能を持っていても市場で選ばれない可能性があります。
また、競合との差別化も重要な観点です。
既に類似の商品があるなかで、自社製品を選んでもらうためには明確な価値の違いが必要です。
さらに、企画段階では製造部門や営業部門との連携も不可欠です。
実現可能性やコスト面、販売ルートなどを加味しながら、具体的な形に落とし込んでいきます。
机上の空論で終わらせず、実現性の高い企画に仕上げることが、マーケターの腕の見せどころといえるでしょう。
販売促進
販売促進は、既存または新規で開発した商品・サービスを市場に浸透させ、顧客の購入や利用につなげていくための重要な業務です。
単に広告を出すのではなく、ターゲットとなる層に最も効果的にアプローチできる戦略を立て、それをもとに具体的な施策を展開していきます。
特にWebマーケティング領域では、以下のようなオンライン上のさまざまなチャネルを活用して、ターゲット層を呼び込む取り組みが中心になります。
- 検索エンジン最適化(SEO)
- リスティング広告
- SNS広告 など
流入経路の選定だけでなく、チャネルごとに適したコンテンツやメッセージを設計することが、成果に直結します。
また、販売促進はマーケティング部門単独で完結する業務ではありません。
LP(ランディングページ)の作成やバナー制作ではデザイナーと、導線設計や実装面ではエンジニアと連携しながら進めていく必要があります。
社内外の関係者と協力しながら、効果的な販促施策を実行していく調整力も求められる仕事です。
広告・宣伝
広告・宣伝は、企業やブランド、商品・サービスの認知度や好意度を高めることを目的とした活動です。
広報と混同されがちですが、マーケティングにおける広告は、あくまでターゲットに向けて能動的にメッセージを届け、ブランドの存在を印象づけることに重点を置いています。
以下のようなオフラインの手法が使われることも多くあります。
- テレビCM
- 新聞・雑誌広告
- 屋外広告 など
この業務においても、販売促進と同様にターゲットの明確化が欠かせません。
誰に、どのような印象を与えたいのかを定め、それに適したプランを設計していく必要があります。
単に「広く知られる」ことを目的とするのではなく、「狙った相手の心に届く」コミュニケーションが求められます。
一方で、広告・宣伝は効果測定が難しいケースが多く、マーケティング施策のなかでも判断や運用に高い専門性が求められる分野です。
直接的な売上への貢献が数値化しづらいからこそ、長期的なブランド価値の向上を見据えて戦略を描く力が必要となります。
コンサルティングの業務内容
コンサルティングの仕事は、クライアント企業が抱える経営課題を発見し、解決に導くための一連のプロセスを支援することにあります。
関わる領域や業種によって具体的な業務は大きく異なりますが、コンサルタントの基本的な業務フローには一定の共通性があります。
ここでは、戦略系・IT系・組織人事系などの領域を問わず、コンサルティング全体に共通する主要な業務プロセスとして、現状分析から課題特定、解決策の提案、実行支援、そして効果測定と改善の流れについて解説していきます。
現状分析・課題特定
コンサルティング業務は、クライアントの現状分析から始まります。
クライアント側にはすでに課題感や要望があることが多いものの、第三者の視点で実態を客観的に把握することが、的確な解決策を導くうえで不可欠です。
このフェーズでは、ヒアリングや社内資料の確認に加え、必要に応じて従業員へのアンケートや現場観察などを通じて情報を収集します。
また、クライアント企業単体の状況にとどまらず、市場環境や業界全体の動向も調査対象に含め、外部要因との関係性も踏まえて課題の構造を明らかにしていきます。
ある程度の分析が進み、仮説としての課題が見えてきた段階で、クライアントとの認識すり合わせが行われます。
プロジェクトでどの領域に注力するのか、どの課題にフォーカスするのか、合意を得て進めていくことが、この後の提案や実行支援を成功させるうえで非常に重要です。
解決策の提案
課題が明確になったあとは、それを解決するための施策を検討し、具体的な提案を作成していきます。
ここでは単に正解を提示するのではなく、状況に応じた最適な打ち手を選び抜くことが求められます。
そのためには、仮説を立て、必要な情報を収集・検証しながら、実行可能かつ効果的なアプローチを構築していく必要があります。
この段階では、クライアント以上にその企業や業界について深く理解していることが重要です。
外部環境の変化や他社事例、自社の強み・弱みを多角的に分析し、それらを踏まえた提案でなければ、実効性のある解決策にはなりません。
インプットの質と量が提案の精度を左右するといっても過言ではありません。
また、優れた内容の提案であっても、クライアントに理解され、納得されなければ意味を持ちません。
そのため、提案内容は論理的に整理されたうえで、誰にでも伝わるようなプレゼン資料として可視化することが求められます。
提案の成否は、コミュニケーションの設計力にも大きく影響されるといえるでしょう。
実行支援
コンサルタントの役割は、単に解決策を提示するだけではありません。
施策の実行をクライアントが円滑に進められるよう、現場での支援まで行うことが求められます。
提案内容を成果につなげるには、実行段階での関与が不可欠です。
まず、施策の意図や内容についてクライアントの理解を深め、現場での合意形成を図ります。
そのうえで、実行体制としてプロジェクトチームを立ち上げ、以下のような進行に必要な枠組みを設計していきます。
- プロジェクトの目標設定
- 期間
- 役割分担
- スケジュール管理 など
実行フェーズにおいては、計画通りに進行しているかを定期的に確認し、問題があれば適切に対処します。
クライアント側の現場と密に連携を取りながら、必要に応じて調整やアドバイスを行う姿勢が求められます。
成果が定着するまで伴走することが、信頼されるコンサルタントとしての重要な役割といえるでしょう。
効果測定と改善
施策を実行したあとは、その効果を客観的に測定し、必要に応じて改善を重ねていくことが求められます。
成果が出たかどうかを検証せずに終わらせてしまっては、コンサルティングの本来の価値が発揮されません。
売上やアクセス数などの数値や、現場の意識や行動の変化といった手応えをもとに、施策がどれだけ効果を発揮したかを確認し、振り返ることが大切です。
また、実行支援が完了した段階でプロジェクトが終了する場合でも、クライアントが自走して改善サイクルを回せるような仕組みづくりやマインドの定着を図る必要があります。
単発の支援で終わらせず、継続的に成果を出せる体制を構築するところまでが、コンサルタントの役割といえるでしょう。
契約期間の終了後も、成果の定着や運用状況の確認といったフォローアップを行うことで、クライアントとの信頼関係を維持し、長期的な支援につなげていくことが可能になります。
マーケターに向いている人の特徴
マーケティングは、感覚だけで成り立つ仕事ではありません。
データに基づいた分析力や論理的な思考はもちろん、常に変化する市場やユーザーの動きに対応できる柔軟性も求められます。
さらに、施策を試し、改善を重ねて成果につなげる粘り強さも欠かせません。
ここでは、マーケターとして活躍しやすい人の特徴について解説します。
マーケティング職が適しているかを判断する参考にしてください。
分析力・論理的思考力
マーケティングの現場では、日々、以下のようなさまざまな数値を確認しながら施策を評価していきます。
- 売上
- アクセス数
- 広告のクリック率
- Webサイトのコンバージョン率(CVR)など
マーケターには、これらのデータをもとに、「なぜこの数値になっているのか」「何が影響しているのか」を分析する力が欠かせません。
単に数値を見るだけでなく、その背景にある要因を論理的に整理し、改善の糸口を見つけることが求められます。
数字と向き合い、そこから仮説を立てて検証することにやりがいを感じる人は、マーケティングに向いているといえるでしょう。
感覚ではなく、根拠をもって意思決定できる人にとっては、大きな強みを発揮できるフィールドです。
トレンドに敏感な人
マーケティングの仕事では、常に変化する市場環境やユーザーの動向をいち早く捉える力が求められます。
SNSやニュースメディア、Web記事などから日常的に情報収集を行い、新しいトレンドに敏感でいられる人は、マーケティングに向いているといえるでしょう。
時代や消費者の価値観はめまぐるしく変化しており、それに合わせて戦略や施策を柔軟に調整していく必要があります。
情報をアップデートせずに過去の成功事例に頼るだけでは、成果を挙げることは難しくなってきています。
さらに、ユーザーの動きだけでなく、Googleをはじめとするプラットフォームの仕様変更や、広告・分析ツールの進化にも目を向けなければなりません。
変化を前向きに捉え、積極的に学び続ける姿勢があるかどうかが、マーケターとしての成長を左右します。
ユーザー目線で物事を考えられる人
マーケティングの根幹にあるのは、「ユーザーは何を求めているのか」を正しく理解する姿勢です。
どれほど優れた商品やサービスでも、ユーザーの心に響かなければ選ばれません。
そのため、相手の立場に立ち、どう見せれば興味を持ってもらえるのか、どんな機能や情報が必要とされているのかを考える力が求められます。
このようなユーザー目線を持つには、感覚だけに頼るのではなく、以下のような地道な調査活動が欠かせません。
- 実際にユーザーに話を聞く
- アンケートを実施する
仮説と検証を繰り返しながら、ニーズや課題を丁寧に拾い上げていく必要があります。
また、人の意思決定や行動の背景にある心理に興味を持てるかどうかも、マーケターとしての適性を左右します。
心理学や行動経済学などへの関心が強い人は、ユーザーの思考や感情をより深く理解できるため、説得力のある施策を考えやすくなるでしょう。
こうした視点を自然に持てる人は、マーケティングの世界で力を発揮しやすいといえます。
粘り強くPDCAを回せる人
マーケティングと聞くと、クリエイティブで華やかな仕事を想像する方も多いかもしれません。
しかし実際の現場では、以下のようなPDCAサイクルを粘り強く回す地道な作業の積み重ねが成果を左右します。
- データの収集や整理
- 施策の効果検証
- 改善策の立案 など
一度打った施策が、すぐに効果を上げるとは限りません。
小さな仮説を立て、検証し、うまくいかなければ修正を加えて再実行する、この繰り返しをに根気強く向き合える人は、マーケティング職に強い適性があります。
逆に、「華やかさ」だけを期待してこの職種を選んでしまうと、想像以上に地味で緻密な仕事の連続にギャップを感じてしまうこともあります。
成果の裏側では、地道な改善の積み重ねがあるという現実を理解し、それを楽しめる人こそが、真に成果を出せるマーケターといえるでしょう。
コンサルタントに向いている人の特徴
コンサルタントの仕事は、専門知識だけでなく、高い思考力や対人スキル、そして継続的に学ぶ姿勢が求められる総合力の高い職種です。
クライアントの経営課題を捉え、論理的に解決へと導く力はもちろん、信頼関係を築くためのコミュニケーション能力や、プレッシャーの中でも粘り強く取り組める精神的なタフさも欠かせません。
ここでは、コンサルタントに向いている人の主な特徴について解説します。
課題発見と論理的思考が得意な人
コンサルタントとして成果を挙げるには、クライアントの置かれている状況を深く理解し、真の課題を見極める力が求められます。
そのためには、以下のような膨大な情報をインプットしたうえで、本質的な問題がどこにあるのかを見つけ出す必要があります。
- 企業の財務データ
- 業務フロー
- 業界動向 など
単に情報を集めるだけではなく、そこから仮説を立て、論理的に構造化しながら解決の道筋を描いていくスキルが重要です。
数字や事実をもとに考えることが好きな人や、複雑な状況を整理して筋道を立てて考えることにやりがいを感じる人は、コンサルタントに向いている傾向があります。
課題を発見する力と、そこに至るまでの思考のプロセスを楽しめるかどうかが、コンサルティングにおける適性を見極めるポイントといえるでしょう。
知的好奇心が強く、学習意欲が高い人
コンサルタントの仕事は、クライアントごとに業界や事業内容が異なるため、毎回ゼロベースで新たな知識を習得することが求められます。
案件に応じて、以下のような内容を短期間で理解しなければならない場面も少なくありません。
- 業界構造
- ビジネスモデル
- 専門用語 など
そのため、新しいテーマに触れることを前向きに楽しめる人、知らないことを調べて吸収するプロセスにやりがいを感じる人は、コンサルティングに強い適性を持っています。
知的好奇心と学習意欲が自然と湧いてくるタイプであれば、未知の分野でも柔軟に対応しやすいでしょう。
一方で、毎回大量の情報に向き合うことを負担に感じやすい人や、インプット作業を億劫に思う傾向がある場合は、業務の多くにストレスを感じてしまう可能性もあります。
継続的に学び続ける姿勢があるかが、長く活躍できるかどうかを左右する大きな要素となります。
クライアントとのコミュニケーションが得意な人
コンサルタントにとって、クライアントとの円滑なコミュニケーションは欠かせない要素の一つです。
クライアントが抱える課題やニーズを正確に把握するためには、ただ話を聞くだけでなく、相手の言葉の裏にある意図や背景まで汲み取る力が求められます。
また、自分たちの提案をわかりやすく、かつ納得感のある形で伝える能力も重要です。
どれほど優れた解決策であっても、相手に理解されなければ実行に移してもらえません。
そのため、人と関わることが好きな人や、相手に応じた説明が自然にできる人は、コンサルタントとして活躍しやすい傾向があります。
信頼関係を築きながら提案を前に進められるかが、成果に直結する場面も多くあります。
コミュニケーションに自信がある人は、コンサルティングという職種において大きな武器を持っているといえるでしょう。
体力・精神共にタフな人
コンサルタントの仕事は、ハードワークで知られる職種のひとつです。
常に高いクオリティのアウトプットが求められ、プロジェクトには明確な締切があるため、プレッシャーのかかる場面も多く発生します。
上司やクライアントからの厳しいフィードバックを受けながら、改善を重ねていくことも日常茶飯事です。
さらに、繁忙期には長時間労働が続くことも珍しくありません。
集中力を切らさず、複数のタスクを並行して処理するには、一定以上の体力が求められます。
それに加え、想定外の事態にも動じず、冷静に対応できる精神的な安定も重要です。
このような環境のなかでも自分をコントロールし、成果に向けて粘り強く努力できる人は、コンサルタントとして大きな強みを持っています。
忙しさや厳しさを成長の機会と捉え、前向きに取り組める人こそが、継続的に成果を出し続けることができるでしょう。
マーケター or コンサルタント、どちらを選ぶべき?判断するための3つの観点
マーケティングとコンサルティングは、どちらも企業の課題解決に関わる重要な職種ですが、業務のスタイルや求められる素質、キャリアパスには大きな違いがあります。
どちらを選ぶべきか迷ったときは、単に年収やイメージだけで判断するのではなく、自分自身の価値観や適性と照らし合わせて検討することが大切です。
ここでは、3つの観点から、どちらの職種がより自分に合っているかを考えるヒントをお伝えします。
納得感のあるキャリア選択をするために、ぜひ確認してみてください。
仕事に何を求めるか
職種選びにおいては、「自分が仕事に何を求めているのか」を明確にすることが重要です。
- 安定した環境でじっくりとスキルを磨きたい:マーケター
- 変化のある環境でスピード感を持って多様な経験を積みたい:コンサルタント
安定した環境でじっくりとスキルを磨きたい場合は、マーケター、特に事業会社のポジションが向いています。
同じ商材やブランドに長期的に関わることが多いため、腰を据えてノウハウを蓄積しやすい環境です。
一方で、変化のある環境でスピード感を持って多様な経験を積みたい場合は、コンサルタントの働き方が合うでしょう。
コンサルティングファームでは、短期間で複数の業界やテーマに携わる機会があり、常に新しい課題に挑戦することになります。
また、「大きな裁量を持って働きたいかどうか」も一つの判断軸です。コンサルタントは若手のうちから経営層と向き合う場面が多く、責任ある仕事を任されやすい傾向があります。
ただし、ベンチャー企業のマーケターなどでも、成果次第で早期に裁量を得られるケースはあります。
どちらの職種でも、挑戦できる環境を選べば自分らしい働き方が実現できるでしょう。
キャリアで何を重視するか
職種選びでは、「どのようなキャリアを築きたいか」という視点も欠かせません。
- 特定の分野で専門性を深めたい場合:マーケター
- 幅広いスキルや視野を持ちたい:コンサルタント
上記のように、特定の分野で専門性を深めたい場合は、マーケターのキャリアが適しています。
実務ではSEO、SNS運用、広告運用などの分野に細分化されているため、1つの領域を極めることで、社内外から重宝されるスペシャリストとして成長していくことができます。
一方、幅広いスキルや視野を持ちたいと考えているなら、コンサルタントという選択肢が有効です。
さまざまな業界・業種の企業に関わり、多様な経営課題に向き合うなかで、業界横断的に通用する汎用スキルが身につきます。
実際にコンサル経験を経て、事業会社の経営企画や新規事業開発へ転職する人も多く見られます。
「深く狭く専門性を磨きたいのか」「広く多様な経験を積みたいのか」といった軸を明確にすることで、自分にとって最適なキャリアパスが見えてくるはずです。
自分の強みはなにか
マーケターとコンサルタント、どちらの職種が自分に向いているかを考えるうえで、「自分の強みがどちらにフィットするか」を見極めることは非常に有効です。
たとえば、マーケターに向いている強みは以下の通りです。
- ユーザーの気持ちを汲み取る共感力
- 魅力的なコンテンツを作る表現力
- 数値を読み解く分析力
- 地道にPDCAを回す継続力 など
一方で、コンサルタントに向いている強みは以下の通りです。
- 複雑な状況を整理する論理的思考力
- 課題を見抜く洞察力
- 提案を伝えるプレゼン力
- スピード感を持って複数案件を同時に回す実行力 など
自分の強みがどちらの仕事の内容とより相性が良いかを考えることで、より活躍しやすい環境を選ぶ手がかりになります。
ただし、強みや適性だけがすべてではありません。
最終的には「自分がどうなりたいか」「どんなキャリアを描きたいか」という意志が、もっとも大切な判断基準になります。
自分らしい働き方を見つけるための一つの材料として、強みを棚卸ししてみてください。
マーケティングからコンサルティングに転職した人の事例
マーケティングからコンサルティングへの転職は、一見すると領域が異なるように感じられますが、実は共通点も多く、キャリアチェンジの選択肢として現実的です。
ここでは、実際にマーケティング職からコンサルティング業界へ転職した方の事例を2つ紹介します。
事例①
マーケティング職としてキャリアを積んでいたM.Nさんは、若手にも大きな裁量が与えられる環境を求めて、戦略系コンサルティングファームへの転職を実現しました。
大手消費財メーカーのマーケティング職での業務はやりがいもありましたが、若手の意見が通りにくい企業文化に疑問を感じ、実力主義の世界へ飛び込む決意を固めたといいます。
コンサル業界を目指すきっかけとなったのは、同世代のコンサルタントとして活躍する友人の話でした。
入社1年目から経営層と向き合い、プロジェクトを推進している様子を聞き、「自分もそうした環境で挑戦したい」と感じたそうです。
事業会社でのマーケティング経験を武器に、自らの市場価値を広げたいと考えたM.Nさんは、個人の能力がより重視される戦略ファームを選びました。
転職活動では、マーケティング経験者の支援実績が豊富なMyVisionを唯一の相談先とし、担当エージェントから実践的なケース面接対策を受けながら、スムーズに内定を獲得しました。
年収アップも実現し、自らが望んだ「成長と裁量のある環境」への一歩を踏み出しています。
項目 | 内容 |
---|---|
年齢 | 25歳 |
転職前の職種・業界 | 消費財メーカー/マーケティング部門 |
転職後の職種・業界 | 戦略系コンサルティングファーム/コンサルタント |
転職理由 | 年功序列の文化に不満。若手でも裁量を持って働ける環境を求めていた |
転職のきっかけ | 同世代のコンサルタントとして働く友人の話に刺激を受けた |
転職前後の年収 | 600万円→700万円 |
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事例②
Y.Hさんは、食品メーカーでブランドマーケターとして4年間勤務していました。
消費者ニーズを読み取りながら商品開発に関わる一方で、意思決定のスピードや裁量の少なさに強いもどかしさを感じていたといいます。
上司や経営層の意向に従うだけの環境に限界を感じ、「自分の考えをもとに議論し、意思決定ができる仕事がしたい」と転職を決意しました。
転機となったのは、コンサルティングファームに転職した元同僚から話を聞いたことです。
クライアントと協働しながら、現場の課題に寄り添い、実行まで支援している姿に惹かれ、コンサルという職種に興味を持ちました。
特に、総合系ファームであれば新規事業支援などにも関われる可能性があり、マーケターとして培ってきたトレンド感覚を活かせると確信したそうです。
転職活動では、マーケティング出身のアドバイザーが在籍するMyVisionを選択しました。
業界知識や求められる資質を丁寧に伝えてもらい、模擬面接などの実践的な支援を通じて、自信を持って選考に臨むことができました。
結果として、希望していた裁量のある職場に転職を果たし、年収も大きくアップしています。
項目 | 内容 |
---|---|
年齢 | 26歳 |
転職前の職種・業界 | 食品メーカー/マーケティング部門 |
転職後の職種・業界 | 総合系コンサルティングファーム/コンサルタント |
転職理由 | オーナー主導で意思決定が進む企業文化に不満。自分の考えを反映できる環境を求めた |
転職のきっかけ | コンサルに転職した同僚から仕事内容を聞き、興味を持った |
転職前後の年収 | 550万円→650万円 |
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特に、元コンサルタントによる模擬面接では、ケース面接やフィット面接を本番に近い形式で練習でき、確実に実力を高めることができます。
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転職を機にキャリアを大きく広げたい方は、ぜひ一度相談してみてください。
まとめ
マーケティングとコンサルティングは、共に企業の成長に貢献する仕事ですが、業務内容や求められる適性には明確な違いがあります。
安定した環境で専門性を深めたいならマーケター、変化に富んだ現場で幅広い課題に挑みたいならコンサルタントが適しているでしょう。
迷った場合は、自分の強みやキャリア観を軸に、どちらの道がより活躍できそうかを見極めることが大切です。
もしコンサル転職を検討するなら、業界を熟知したMyVisionの支援を受けることで、選考対策からマッチするファームの紹介まで、安心してチャレンジできます。
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