BIG4監査法人とは?監査法人の業務内容から、各法人の特徴、転職するためのポイントまで解説
2025年03月30日更新
BIG4監査法人は、グローバルに展開する大手会計事務所の日本法人であり、高い専門性と豊富なキャリアパスが魅力です。
「BIG4監査法人に転職してキャリアアップを目指したい」「どの監査法人が自分に合っているのだろう?」そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、BIG4監査法人それぞれの特徴を整理し、転職を目指す方が押さえるべきポイントや成功のコツを詳しく解説します。未経験からBIG4への転職を考えている方も、経験を活かしてキャリアアップを目指す方も、ぜひ参考にしてください。
目次
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そもそも監査法人とは?業務内容、年収などについて解説
監査法人とは、企業の財務情報の信頼性を第三者の立場で保証する組織です。ここでは、監査法人の主な業務内容や年収、公認会計士資格の必要性について詳しく解説します。
監査法人の業務内容
監査法人の主な業務は、企業が作成する財務諸表が会計基準に沿って適切に作成されているかを確認する「監査業務」です。
この監査により、企業の財務情報の信頼性が保証され、投資家や金融機関は安心して判断を行うことが可能になります。
監査法人は監査業務のほか、IPO支援やM&Aに関わるデューデリジェンス、内部統制構築といった「非監査業務」も行っています。
財務コンサルティングやアドバイザリー業務を通じて、企業の経営課題の解決や企業価値の向上にも貢献しています。
監査法人の年収
監査法人の年収は、役職が上がるごとに大きく増加するのが特徴であり、マネージャー以上になると年収1,000万円を超えるケースも一般的です。以下に、職位ごとの平均年収の目安をまとめます。
職位 | 年数 | 年収(目安) |
---|---|---|
スタッフ(アソシエイト) | 入社から3〜4年目 | 450万円〜600万円 |
シニアスタッフ | 4〜6年目 | 600万円〜850万円 |
マネージャー | 7〜11年目 | 900万円〜1,200万円 |
シニアマネージャー | 12〜14年目 | 1,200万円〜1,500万円 |
パートナー | 15年目以降 | 1,500万円〜3,000万円以上 |
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なお、昇進までにかかる年数はあくまで目安であり、昇進スピードは個人の能力や実績、さらには組織の状況によって異なります。特にBIG4はグローバル案件や大手クライアントを多く担当しているため、中小の監査法人と比べて報酬水準が高い傾向にあります。
監査法人に公認会計士は必須か
監査法人で監査業務を行うには、公認会計士の資格が不可欠ですが、アドバイザリー業務や事務職など、資格がなくても働ける職種もあります。特に「監査トレーニー」や「監査アシスタント」は、公認会計士を目指す受験生が実務経験を積みながら働けるポジションです。
また、USCPA(米国公認会計士)を取得していれば、日本の監査法人でも監査業務に関われるチャンスが増えています。経理や財務の経験、英語力などがあると、資格がなくても監査法人で活躍できる可能性が高まります。
BIG4監査法人について特徴とその他の監査法人との違いを解説
監査法人の中でも、売上や人員規模、クライアント数において国内トップクラスを誇る4つの監査法人は、通称「BIG4監査法人」と呼ばれています。
BIG4監査法人について
BIG4監査法人とは、世界的に影響力を持つ、次の4つの大手監査法人を指します。
- 有限責任あずさ監査法人(KPMG)
- EY新日本有限責任監査法人
- 有限責任監査法人トーマツ
- PwCあらた有限責任監査法人
これらの法人は、日本でも従業員数や売上が他の監査法人と比べて圧倒的に多く、監査業界で重要な役割を果たしています。
金融庁による「大手監査法人」の定義(社員数1,000人以上、売上高100億円以上)にも該当し、その専門性と影響力の高さが特徴です。
出典:公認会計士・監査審査会
監査業務にとどまらず、税務やコンサルティングなど幅広いサービスを提供しており、グローバルネットワークを活用して企業の課題解決を支援しています。ここからは、各法人の特徴を解説します。
有限責任あずさ監査法人(KPMG)
有限責任あずさ監査法人は、KPMGのメンバーファームで、国内でもトップクラスの規模を誇る監査法人です。
2024年時点で7,000名を超える専門家が在籍し、金融機関や大手企業への監査業務を中心に事業を展開しています。特に三井グループや住友グループとの関係が深く、関連企業を多くクライアントに持っています。
また、KPMGのグローバルネットワークを活用したグローバル案件やアドバイザリー業務にも強みがあります。
EY新日本有限責任監査法人
EY新日本有限責任監査法人は、グローバルに展開するEYのメンバーファームで、日本で初めて設立された有限責任監査法人です。長年にわたり監査報酬額で国内トップの実績を誇り、多くの上場企業をクライアントとしています。
近年は、AIやデータアナリティクスを活用した監査ツール「EY Helix」などを開発し、監査の品質向上と生産性の向上を実現しています。
最新テクノロジーを取り入れた、革新的な監査プロセスを確立しているのが特徴です。
有限責任監査法人トーマツ
有限責任監査法人トーマツは、世界四大会計事務所の一つであるデロイトのメンバーファームです。日本国内では特にIPO支援に強みを持ち、多くの企業の上場準備や監査業務を行っています。
監査に加えて、内部統制の構築やリスクマネジメントなど、幅広いアドバイザリーサービスも提供しています。
また、デロイトのグローバルネットワークを活かし、クロスボーダー案件にも柔軟に対応しています。
PwCあらた有限責任監査法人
PwCあらた有限責任監査法人は、グローバル会計事務所ネットワークであるPwCの日本におけるメンバーファームです。他のBIG4監査法人に比べると人員規模はやや小さく、2024年時点で約3,500名が在籍しています。
社風は外資系企業の特徴を色濃く反映しており、成果を重視しつつフラットなコミュニケーションが浸透しています。
取引先は外資系企業が中心で、国際基準に基づく監査やアドバイザリー業務に強みを持っています。
BIG4監査法人とそれ以外の監査法人の違い
BIG4監査法人は、売上高や従業員規模、担当するクライアントの規模で中小監査法人と大きな違いがあります。
BIG4監査法人が主にグローバル企業や大企業を対象に監査を行うのに対し、中小監査法人は地域密着型や特定業種に特化したサービスを提供することが多いです。
ただし転職を検討する際は、法人の知名度や規模だけで判断せず、自分の目指すキャリアや働き方に合っているかを見極めることが大切です。
特に、ワークライフバランスや専門性の向上、将来のキャリアパスを踏まえて選ぶことが重要になります。
BIG4監査法人に転職するにあたっておさえておきたいポイント
BIG4監査法人への転職を成功させるためには、事前に押さえておくべきポイントがいくつかあります。
ここでは、BIG4監査法人に転職するために知っておきたい具体的なポイントについて解説します。
監査業務に就きたい場合は公認会計士の取得が必須
BIG4監査法人には公認会計士資格がなくても入れるものの、監査業務を担当するためには、公認会計士資格を取得することが必須です。
この試験は難易度が非常に高く、転職や就職を目指す際の最大のハードルとされています。2024年の公認会計士試験の最終合格率は、欠席者を含めて*7.4%*です。公認会計士試験には学歴や年齢の制限はなく、科目合格制度を活用して計画的に学ぶことが効果的です。
合格後は監査法人で実務経験を積むことで、さらに専門性を高めることが可能です。
BIG4監査法人の採用スケジュールを把握しておく
BIG4監査法人の新卒・中途採用は、公認会計士試験の短答式・論文式の合格発表時期に合わせてスタートします。
特に11月に論文式試験の結果が公表されると、すぐに各法人で説明会や面接が実施され、短期間で内定が決まることが一般的です。
そのため、試験勉強と並行して企業の情報収集や応募書類の準備を早めに進めておくことが重要です。
スムーズに就職活動を進めるには、試験日程や採用スケジュールを事前に把握し、計画的に行動する必要があります。
監査法人ごとの特徴をおさえ、志望理由を作りこむ
BIG4監査法人は、それぞれ得意分野や企業文化が異なるため、応募前にしっかりと理解を深めておくことが大切です。
その上で、「なぜ監査業務を志望したのか」「なぜその法人を選ぶのか」という志望理由を論理的に整理しておく必要があります。
特に面接では、自分のキャリアビジョンと各法人の強みがどのように合致するかを具体的に伝えることが求められます。
説得力のある志望動機は、選考を突破するための重要なポイントになります。
BIG4監査法人に入社した後のキャリアプラン
BIG4監査法人に入社した後は、多様なキャリアパスを描ける点が大きな特徴です。 監査法人内での昇進や専門領域への特化はもちろん、監査業務を通じて培った高度な専門知識や実務経験は、企業経営や財務戦略において高く評価され、将来的なキャリアの可能性を大きく拡げる資産となります。
本章では、代表的なキャリアの選択肢として、「監査法人内でのキャリアアップ」と「事業会社への転職」の2つのパターンについて詳しく解説します。
監査法人内でのキャリアアップを目指す
BIG4監査法人では、スタッフとしてキャリアをスタートし、シニアスタッフ、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーへと段階的に昇進していきます。この昇進プロセスは法人ごとに異なる部分もありますが、基本的な流れは各社ほぼ共通しています。
昇進の過程では、監査スキルに加え、マネジメント力やクライアントとの関係構築能力が重要視されます。また、英語力が高い人材は、グローバル案件や外資系クライアントの担当に選ばれやすく、昇格のチャンスも広がります。
パートナーに到達すれば、組織の運営や戦略策定に深く関わり、高収入や影響力を得るポジションに就くことができます。
監査法人から一般企業へ転職する
BIG4監査法人で身につけた監査や会計の専門スキルは、多くの上場企業やIPOを目指す企業から高く評価されています。特に、ベンチャー企業ではCFOやIPO責任者といった経営幹部のポジションに転職するケースも珍しくありません。
また、事業会社へ転職すれば、経営企画や資金調達、IR業務など監査法人では得られない幅広い実務経験を積むことができます。
そのため、監査法人から一般企業への転職は、キャリアの幅を広げる大きなステップと言えます。
BIG4監査法人に未経験で転職する際のポイント
MyVisionでは、BIG4を中心とした総合系ファームへの転職支援を積極的に行っています。業界未経験の方でも、転職理由や志望動機を明確にし、事前準備を徹底することで十分に内定を獲得することが可能です。
特に、公認会計士資格の取得に加え、ビジネススキルや英語力の向上は転職成功の重要なポイントとなります。
ここでは、未経験からBIG4監査法人への転職を目指す際に押さえておくべき2つのポイントをご紹介します。
自分の強みと各法人の求める人材像をしっかり理解する
BIG4監査法人は積極的に採用を行っていますが、選考を突破できない主な理由として、自身のスキルや経験が応募先のニーズと一致していないことが挙げられます。そのため、まずは自己分析をしっかり行い、自分の強みやこれまでのキャリアを棚卸しすることが不可欠です。
あわせて、各ファームの特徴や求められる人材像を正確に理解し、面接でのアピールポイントを明確にしましょう。
MyVisionでは、個別のキャリアに合わせたアドバイスを行い、選考通過に向けた具体的なサポートを提供しています。
入社後のミスマッチを防ぐにはよりリアルな情報が必要
無事に転職できたとしても、入社後に業務内容や社風が合わないと感じ、早期離職につながるケースは少なくありません。このミスマッチは、業務内容や企業文化、報酬などに対する自身の期待値と、実際の業務環境との間にギャップが生じた場合に発生します。
こうした問題を防ぐためには、事前に企業調査を十分に行い、自分のキャリアビジョンと働く環境がマッチしているかを慎重に見極めることが大切です。
MyVisionでは、実務経験豊富なエージェントが、公開されていないリアルな情報も個別面談を通じて共有し、入社後のミスマッチを最小限に抑えます。納得のいく転職を実現したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
BIG4監査法人は、監査業務だけでなく、アドバイザリーやコンサルティング領域にも強みを持つ、魅力的なキャリア形成の場です。
各法人ごとに特徴や社風が異なるため、BIG4監査法人への転職を成功させるには、自己分析や企業研究をしっかりと行い志望動機とキャリアプランを明確にすることが欠かせません。
また、面接対策はもちろん、入社後のミスマッチを防ぐための情報収集も重要なプロセスです。
MyVisionでは、あなたの経験や目標に合わせた個別サポートを提供し、転職活動を全面的にバックアップします。未経験からBIG4への転職を目指す方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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