未経験からのBIG4転職 各社が求める人材を徹底解説
2024年05月30日更新
総合系コンサルティングファームのうち、特にBig4は近年最も勢いのあるコンサルティングファームです。
BIG4はあらゆる業種・テーマに対応できるケイパビリティの広さを武器に、ファームの規模を拡大してきました。特に、直近ではデジタル化の潮流にともない、IT領域のコンサルティングを上流から下流まで一気通貫で提供できるBIG4への引き合いは非常に強くなってきています。
本記事ではそうしたBIG4への転職をテーマに、転職での難易度や採用動向等について解説します。
弊社ではBIG4を中心とした総合系ファームへの転職支援を積極的に行っておりますので、特に未経験からコンサルタントへの転職を検討されている方は是非参考にしてみてください。
監修者
大河内 瞳子
Okochi Toko
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
プロフィール詳細を見る
目次
全部見る
BIG4コンサルの転職の最新情報
BIG4コンサルの転職難易度
コンサル業界への転職難易度は他業界と比べると高いですが、中でもBIG4コンサルの転職はより難易度が高いです。近年、BIG4は転職先として人気が上昇しています。BIG4では複数の業界・職種向けのサービスラインを有しているため、自分のキャリアの嗜好性にあったプロジェクトにアサインされる可能性が高まります。
また、コンサルタントとしての成長機会も多く得られるため、転職市場でもコンサルタントを目指す若手ハイキャリア層から人気が高くなっています。加えて高年収や転職後のキャリアパスの豊富さも魅力的です。
その一方、即戦力であることや、未経験でもコンサル適性を要求されるため、BIG4コンサルの中途採用の基準・条件は高いです。一般的なコンサルティングファームで求められる以上の地頭の良さ・論理的思考力・コミュニケーション能力などが求められます。総じて、BIG4コンサルは、採用数自体は増加しているものの、ファームからの要求水準が高く、また各業界で優秀な方が応募するため、必然的に転職難易度は高くなります。
BIG4コンサルの採用動向
BIG4系ファームの採用状況について解説します。
BIG4をはじめとする総合系コンサルティングファームは、全体的に業績好調の状況が続いています。各社近年急成長を続けており、部門によっては昨年と比較して約2倍の採用目標を掲げるなど、コンサル未経験・経験者に限らず積極採用を行っています。
その背景には、経営環境の変化によって、これまでの経営戦略立案~各種実行支援だけでなく、リモートワークを含めた働き方改革やDX、デジタル化の推進、アフターコロナへの経営戦略など、クライアント企業のニーズが多様化し、プロジェクト案件数の増加したことがあります。結果として、プロジェクト案件数の増加に伴う需要に対するコンサルタント数の不足し、各ファームが積極採用を行っています。
BIG4では広範な領域でビジネスを展開しており、多様なバックグラウンドを持つ人材を常に求めています。そのため、コンサル未経験でも「論理的思考力」や「問題解決力」があれば採用の可能性は十分にあります。加えて、20代中盤〜30代半ばくらいまでがメインターゲットとなっており、コンサル業務と親和性の高い、ITやDX経験者などであれば採用の可能性は非常に高くなります。
また、第2新卒を含めたポテンシャル採用も積極的に行われており、若手ハイエンド層にはかなりチャンスであると言えます。
第2新卒のコンサル転職については、下記の記事でより詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
BIG4系コンサルファームの選考の特徴
各BIG4系ファームにおける選考の特徴としては、事業会社や日系ファームと比較して高いレベルの要求水準を求められることがあります。
ここでは「選考ステップ」「面接ポイント」「求められる人物像」の3点から解説したいと思います。
選考ステップ
各社ごとに若干の違いはありますが、基本的には 書類選考→適性検査(Webテスト)→面接(2~3回) というステップになっています。
面接についてはリモートで行うファームもあれば、最終面接だけ対面で、というファームもあり、ファームごとで異なります。また、戦略系や業務系の応募ポジションによってはケース面接を実施するファームもあります。
面接ポイント
面接では論理的思考能力やコミュニケーション能力などの「コンサルタントとしての適性があるのか」というポイントを徹底的に見られます。
他にも、経歴や志望動機について「なぜ?」という深堀質問を行うなど、転職理由・志望動機も重要視されます。特にBIG4系では部門によって求める人材像も異なるため、各社の特色を捉え、自身のこれまでの経歴と、これからやりたいことがそのファーム・部門とフィットしているのかを考える必要があります。加えて応募ポジションにおける業界経験・知見も求められるので、自身の経歴と応募ポジションで求められることの共通点を上手くアピールすることも大切です。
求められる人材像
BIG4系コンサルティングファームが扱っているサービスラインやインダストリー(業界)と近しい出身者の方が採用されやすい傾向にあります。
具体的には、下記のような業界・職種が採用に有利です。
- 採用に有利な職種
- 事業会社の経営企画
- マーケティング
- 人事企画での業務経験
- 採用に有利な業界
- 自動車
- エネルギー
- 医療ヘルスケア
- 官公庁
- SIerやソフトウェア企業でのPM/SE経験
また、コンサルタントはプロジェクト単位での働き方であるため、これまで社内特命のプロジェクトや、全社や他部門を巻き込んだ業務経験も評価される傾向があります。
年齢については、主要なターゲットは20代前半の第二新卒クラスから30代前半くらいまでです。少し自身の年齢がターゲットから外れていたとしても、ファームが特に力を入れているテーマにおいての実績が豊富であれば即戦力として期待されて採用につながることもあるため、タイミングも重要です。
第二新卒クラスにおいて、Big4系ファームでは年に数回、採用イベントを実施しています。特にバックグラウンドは不問であり、完全にポテンシャルのみでの選考評価となりますので、業界経験が少なくともコンサルタントへのキャリアチェンジの可能性が広がります。
BIG4とは何か
ここまでは、各BIG4系の転職難易度や採用状況、選考の特徴について説明しました。ここではそもそもBIG4系とはどのようなファームなのかについてご説明したいと思います。
BIG4とは
大前提として、総合系ファームは幅広い業種のクライアントに対して、戦略立案から実行支援、システム導入、保守運用、業務改善といった包括的なコンサルティングサービスを提供しています。
また、総合系ファームの特徴として、会社の規模が非常に大きいことが挙げられます。グローバルな総合系コンサルティングファームであれば社員数は、グローバル全体で数十万人を超えるところもあります。また、在籍するメンバーの職種や専門性も多種多様になっています。コンサルタント以外にもエンジニアやデザイナー、データサイエンティスト、マーケター等、幅広いバックグラウンドをもったメンバーが在籍しており、必要に応じて適宜最適なメンバーをアサインし、クライアントへサービスを提供できるのが総合系ファームの強みです。
その中で、BIG4とは、四大監査法人である「デロイト」「PwC」「KPMG」「EY」の巨大会計事務所グループを指します。BIG4の各グループには、コンサルティングファーム、監査法人、税理士法人が所属しており、どの法人においてもBIG4系コンサル、BIG4系監査法人、BIG4系税理士法人と「BIG4」の冠を付けて呼ばれています。
そのうち、コンサルティング業界においてのBIG4は下記のファームを指します。
- 「デロイト トーマツ コンサルティング」
- 「KPMGコンサルティング」
- 「PwCコンサルティング」
- 「EYストラテジー・アンド・コンサルティング」
そのサービスラインの豊富さや、監査法人、税理士法人など他グループと協業することで企業の経営課題をワンストップで解決できることから、「総合系コンサルティングファーム」と呼ばれています。
BIG4各社の特徴
次に、BIG4系コンサルティングファームの4社を紹介いたします。特徴的な点として、手掛けるコンサルティングテーマの多さ、グループファームとの協業が挙げられます。提供サービスや組織構成が同じ部分が多いですが、各社独自のカルチャーなど、差別化される要素もあります。
PwCの特徴
PwC Japanグループでは、各法人はそれぞれ別法人ではありますが、緊密に連携をとりながら、監査、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、法務の専門家が連携し、ワンストップでトータルなサービスを提供しています。分野の異なる専門家が"One Team"として結集することで、案件を多角的にとらえ、重要な問題点を的確に掌握し、有効かつ斬新な解決策を生み出すことを可能としています。
PwCの強みはこのトータルサービスとグローバルネットワークです。各領域において高度な専門能力を持つプロフェッショナルスタッフを擁し、総合的かつ迅速なサービス提供できる体制を構築しております。
また最近では、「やさしいコンサル」を目標に掲げています。 コンサル業界における厳しさの中にも、会社全体として気軽に上司に相談できる、お互いのプライベート事情からチームとしてフォローし合うなど、やさしさの中から成果が繋がるとして、フラットなコミュニケーション文化を推進しています。
EYの特徴
世界150カ国以上に多様なメンバーを持つEYのグローバルネットワークは大きな武器となっております。国内では、グローバルで培われた様々な知見を活かせるほか、海外展開を考える日本企業や日本市場に参入する海外企業のプロジェクトなどクロスボーダー案件も多く対応しております。それ以外にも、財務プロセス改革からコスト削減支援、サプライチェーン最適化といった財務・業務改革の分野での実績も数多くあります。
アーンスト・アンド・ヤングが開発したグローバルで一貫した手法およびツールを用いて、高品質なサービスを提供していることが特徴です。 具体的には、様々な業界の経験、関連するテーマに精通したナレッジ、そして世界中で培った最新の知見から得られるコンサルティングを提供しております。
Big4系の中で唯一パーパス経営を取り入れており、社会課題解決にも大きな力を入れています。ファームの雰囲気としては体育会系より比較的穏やかな社風です。
プロジェクトについては海外とのコラボレーションも盛んで、その制度も整っています。
Deloitteの特徴
Deloitte Touche Tohmatsu(世界約150カ国に25万人以上のプロフェッショナルを抱える)のメンバーファームで、監査法人トーマツ(最大級の会計事務所)、DTFA(財務アドバイザリー)とも連携し、コンサルティング以外にも様々なサービスを提供しております。
プロジェクトにおいては純粋な戦略立案だけではなく、実行支援まで伴走するプロジェクトが比較的多いです。昔から業務改革コンサルに強く、案件の割合としては戦略系よりも業務系が多い傾向にあります。
ユニット・部門は、インダストリー(業種)とコンピテンシーの機能軸に分類され、プロジェクトにおいては各ユニットから専門的知識を持ったコンサルタントが集まり、チームを組成します。
社員の育成については、人を育てる社風があると言われており、「Up or Out」といわれる外資系に顕著な厳しい社風ではありません。コンサルタントとして一人前になるまで社内で長期的に面倒を見るという考え方が浸透しています。そのため、採用の段階においても「一人前のコンサルタントに成長できる素質を持っているかどうか」を重要視しています。
KMPGの特徴
KPMGインターナショナルのメンバーとして、2014年7月にスタートしたファームです。ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジー、リスク&コンプライアンスの3分野でサービスを提供するコンサルティングファームであり、国内グループファームとして、あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGFASなどがあります。
業務の棲み分け・役割分担については、縦割りの組織構造ではなく、自ら志願すれば挑戦できる環境が整っています。そのため、入社後最初のプロジェクトでプロジェクトリードや、未経験の分野に挑戦することも可能です。またBIG4の中でも最も歴史が浅いことから、DX・IT系に強みがあり、プレゼンスを発揮していることも特徴です。
また、クライアントに対して、KPMGグループ全体でソリューションを提供し、成長に寄与するカルチャーを持っています。そのため、他のユニットとの協業が多く、あずさ監査法人主体のプロジェクトやコンサルティングなどにも携わる事が可能です。
BIG4の仕事内容とは
先ほども紹介した通り、BIG4を中心とした総合系ファームでは戦略立案から実行支援まで幅広くサービスを展開しています。
一般的に戦略系ファームは戦略工程メイン、業務系ファームは実行支援工程メイン等の住み分けがありますが、総合系ファームでは全工程に対してサービスを提供しているため、ご自身のキャリアプランに応じて、どのようなプロジェクトを担当したいか希望を反映させることができます。
仕事内容は、扱うプロジェクトのテーマや専門性によって大きく異なります。例えば、業務系プロジェクトと、IT系プロジェクトなどでは仕事の内容も大きく異なります。一方で、プロジェクト全体の流れとしては共通している部分も多くみられます。
まず、コンサルタントのプロジェクトのフローを大別すると、「提案フェーズ」と「デリバリーフェーズ」の2つに分類されます。それぞれのフェーズは下記①〜⑦の具体的な業務に分解できます。
- 提案フェーズ
- クライアントからの依頼
- 提案、案件の受注
- デリバリーフェーズ
- 論点整理・仮説構築
- ヒアリング・調査・分析
- 戦略立案・計画策定
- 実行支援
- 検証・フォローアップ
また、コンサルティングファームでは役職ごとに、どの業務を担当するのか大まかに決められており、上の図は、具体的な業務フローと担当する役職をマッピングしたものになります。
加えて各①〜⑦のステップでの実施内容は下記になります。
提案フェーズ
クライアントからの依頼
コンサルティングファームのプロジェクトは、多くの場合、クライアントからの依頼によって始まります。この際、クライアントは自社の課題や目指す目標、プロジェクトの期待成果などをRFP(提案依頼書)にまとめ複数のコンサルティングファームに提出することで、コンペ形式で提案を募集することが一般的です。
提案、案件の受注
次に、コンサルティングファームは、クライアントからのRFPをもとに提案資料を作成します。提案にはクライアントの問題に対する解決策やアプローチ方法、プロジェクトのスコープ、チーム構成、期間、費用などが明記されます。コンペを通して、正式に案件を受注し、プロジェクトが開始します。このフェーズにおける提案書の作成や実際の提案活動はパートナーやマネージャーなどのハイレイヤーのコンサルタントが行うことが一般的です。案件を正式に受注した後、スタッフレベルのコンサルタントのアサインが調整されます。
デリバリーフェーズ
論点整理・仮説構築
プロジェクト開始後は、まず論点を整理し、問題解決のための仮説を構築します。これは、具体的な解決策を考え出す前に、問題を理解し、その背景や影響を把握するための重要なステップとなります。この段階では、クライアントのビジネスモデル、置かれている状況、競合環境など様々な情報を分析し、問題の本質を理解することに重きを置きます。
ヒアリング・調査・分析
次に、ヒアリング、調査、分析を通じて仮説の妥当性を検証します。ヒアリングでは、クライアントの経営陣やクライアント組織内の関係者、関連する外部ステークホルダー、プロジェクトのテーマについて深い知見を持つエキスパートなどから直接情報を得ます。また、クライアント社内の過去資料やこれまでの取り組み等を収集し、具体的なアクションや課題の特定に落とし込みます。
戦略立案・計画策定
情報収集と分析が終わったら、具体的な戦略を立案し、計画を策定します。問題解決のためのアプローチや、それを実現するための詳細なステップを定めます。ここでは、具体的なアクションや、担当者、期限などを定義します。
実行支援
計画を策定したら実行支援フェーズに移行します。このフェーズになるとコンサルタントは、計画の実行をクライアントと共に行います。また、実行フェーズになるとより多くのリソースが必要になるため、コンサルタントの人員を増加することも頻繁にあります。
総合系ファームでは特に実行支援系のプロジェクトの比率が高く、またプロジェクトも大規模なものになるため、このタイミングから参画するコンサルタントの数も多くなります。
このフェーズでは、プロジェクトの開始段階からアサインされているコンサルタントがより多くの知見を有しているため、主体的にリーダーシップを取っていく必要があります。
検証・フォローアップ
最後に、検証とフォローアップが行われます。計画の実施結果を評価し、予定された目標が達成されたかどうかを検証します。また、クライアントに対して継続的なサポートを提供し、必要に応じて計画の調整や改善を行うこともあります**。このフェーズでは、プロジェクトの成功を確保するために、必要に応じて改善のための提案を行い、さらなる問題解決や新たなプロジェクトにつなげることもあります。
BIG4に転職するメリットについて
コンサル業界未経験の若手ハイエンド層の転職先として非常に人気の高いコンサルティングファームですが、人気の背景には数々のメリットが存在します。
ここではコンサル業界未経験からBIG4ファームに転職することのメリットについて説明します。
これまで経験を活かした独自の価値を提供できる
コンサル業界未経験者が保有する特定の業界・業務に関する深い知見は、総合系ファームへの転職後も非常に役立ちます。
前職では自身が実際にクライアント側で当事者として業務を経験しているため、そこで培った視点は、クライアントの業務理解や肌感覚を持った解決策の提案等の価値提供に直結します。総合系ファームで案件が多いDX・IT導入等のテーマの場合でも、システム開発の前の業務分析フェーズで業界知識・業務知識を活かすことが可能です。
より深いクライアント視点からコンサルティングができることは、コンサル業界しか経験していないコンサルタントと比較した際に、転職者であることが一つのアドバンテージになります。コンサル業界未経験から総合系ファームに転職し、コンサルタントとして適性を磨きながら自分の強みを活かし、最終的にパートナーまで上り詰めている方も多くいます。
多様な業界・案件に触れる機会
総合系ファームでは、さまざまな業界や案件に関わる機会があります。そのため、コンサル業界以前のキャリアと比べると、自身の希望によって経験の幅や視野を大幅に広げることができます。
コンサルタントは様々な案件を経験していく中で、一つの企業にいながら数多くの日本を代表するような企業の成功事例や、時には失敗事例を見ることになります。また、コンサルティングファームに依頼される案件は、大手企業の会社全体の方向性を左右するような案件が多く、若いうちから企業の経営全体・変革に関われることは、コンサルティングファームに転職することで得られる大きなメリットです。
またBIG4の強みとして、監査・会計・税務など、コンサルティング以外の各種アドバイザリーファームと協業する機会も多いです。業種・提供サービスの幅が広がり、より自身のキャリアを拡大させるチャンスが得られます。
キャリアの拡大
コンサルティングファームは自らの提案・思考のみが商品にも関わらず、高額な報酬でクライアントに価値を提供することが求められるため、必然的に成長が求められます。また、常に高い熱意や倫理観、責任感をもって仕事するプロフェッショナルマインドを持つ方が先輩/同僚に多い環境であることも特徴です。そのような環境下で、様々なプロジェクトを経験していくと「問題解決力」や「論理的思考力」などのビジネススキルやプロフェッショナルとしてのマインドを短期間で身に付けることができます。
これらのスキルやマインドを保有する人材はコンサル以外の業界でも非常に市場価値が高く、自身のキャリアの可能性をさらに広げることが可能になります。また、各ファームでは、コンサル未経験でも、転職後すぐにキャッチアップできる仕組みや、コンサルタントのキャリア開発のための研修が整備されています。そのため、それぞれのキャリアプランを実現するための自己研鑽ができる仕組みを上手く活用し、キャリアアップを成功させている方も多くいます。
グローバル案件へのアサインのチャンス
総合系ファームの中でも、BIG4の強みとして、グローバル案件へのアサインされる可能性が高まります。BIG4も最初は会計事務所として誕生し、その後拠点は全世界に拡大しました。その過程で膨大なノウハウやナレッジ、グローバルネットワークを有しています。そのノウハウ・ナレッジである財務・税務に関する知見を活かし、企業の経営方針や、課題解決のためのアドバイスをはじめ、コンサルティング業務を展開していきました。
その背景もあり、現在でもBIG4はグローバル案件が豊富です。日系企業の海外進出や現地法人設立のプロジェクト、海外のファームとの連携、最新のコンサルティング事例の日本での展開を行うことなどもあります。このようにグローバル案件に関与することができるのは、BIG4におけるメリットの1つです。
BIG4に転職成功するためには
積極的な採用活動を進めているBig4ですが、転職を成功させるにはいくつかのポイントがあります。転職に失敗する主な原因としては、「選考の失敗」と「入社後のミスマッチ」が挙げられます。これらの失敗を回避し、コンサル転職を成功へと導くためには以下の点に注意する必要があります。
選考の失敗を避ける
選考に失敗する主な原因としては、自分のスキルや経験が企業の求めるものと一致していないということが挙げられます。この問題を避けるために、自己分析をしっかりと行い、自分の強みやこれまでの経験を面接時に適切に伝える力が大切です。また、各ファームの求める人材や、コンサルティングの業務についての基本的な理解も必要となります。
例えば、Big4は総合系ファームであり、抱えるテーマも多岐に渡ります。そのため、自身は組織人事出の制度設計や組織再編を希望して転職活動を行っていたにも関わらず、選考に進んだファームは人事業務のIT化や、PMIに強みがあり、ご自身の希望の案件にアサインされるのが難しいケースもあります。
本来なら採用されるような候補者でも、事前準備や情報収集を適切に行なっていないために採用を逃してしまう可能性もあります。このような選考における失敗をできるだけ少なくするため、弊社MyVisionでは、個々人のキャリアや経験に合わせたアドバイスを提供し、コンサル転職の成功へとサポートいたします。
入社後のミスマッチを避ける
また、入社後にミスマッチが発生して転職が失敗に終わってしまうケースもあります。入社後のミスマッチは、例えば業務内容や各ファームの企業文化、報酬等に対するご自身の期待値と、採用後の実際の現実との間にギャップが生じてしまった場合に起こります。
例えば、前職が事業企画で海外向けの新規事業創出業務を担当されていた場合、事業計画やマーケット分析の知見は豊富な一方で、国内業務での知見や実行後のシステム導入の知見は必ずしも豊富とは言えません。その方が事業部の業務改善のためにあるべき業務像の策定や商品選定、ベンダーコントロールのプロジェクトにアサインされた場合、関連する知見が不足した不足しているためプロジェクトの推進に困難を感じることがあります状態でプロジェクトに臨みます。結果として自分の知見が活かせる場面が少なく、期待されたバリューを発揮できないケースがあります。
この問題を避けるために事前に企業調査を行い、自分がどのような環境で働きたいのか、何を達成したいのかというビジョンを明確にしておくことが重要です。 弊社MyVisionでは、数多くの方の転職をサポートする中で得られた、公には公開されていないリアルな情報についても個別の面談を通して共有させていただき、入社後のミスマッチをできる限り防ぎます。
転職に求められるスキル
Big4への転職は非常に人気ではありますが、その採用難易度は高く、転職を成功させるには、一定の適性や能力が必要となります。年齢や経験にもよりますが、おもに求められるスキルは以下になります。
ベースとして求められるスキル・素養
論理的思考力・コミュニケーション能力
「論理的思考力」や「コミュニケーション能力」はコンサルタントにとって、最も重要なスキルの一つです。面接においてもこの2点を見られることが多いです。
「論理的思考力」はビジネス上の問題を解決するために重要であり、問題を整理し、仮説を立て、適切な解決策を導き出すために必要な能力です。面接ではケース問題を通して、論理的思考力の有無を判断されます。
また、「コミュニケーション能力」は、クライアントやチームメンバーと良い関係性を保つために非常に重要です。異なるバックグラウンドを持つ人々と、信頼関係を築きながら日々のプロジェクトを進めていく上で必須のスキルになります。
専門知識と経験
総合系ファームへの転職では、「論理的思考力」や「コミュニケーション能力」などで採用を判断するポテンシャル採用もありますが、年齢とともに経験や知識も求められる場合があります。特に30歳前後から、前職での経験や特定の業界に関する知識も重要になります。
総合系ファームでは、組織が「業種」×「機能」の2軸で分けられていることが一般的であるため、特定領域における業界のトレンドや、法律、規制、固有の課題などに深い見識を持っている場合は、転職の際に大きなアドバンテージとなります。
また、現代のビジネスシーンにおいては、企業の問題を解決するためにITを活用することが不可欠であるため、IT・デジタル領域の素養がある人はファームから歓迎されやすくなっています。そのため、ITのバックグラウンドを保有しているエンジニアやSIerとして働いていた方が、コンサルタントに転職して活躍しているケースも多いです。
あるとより有利になるスキル・経験
クライアントとの折衝能力
先述のコミュニケーション能力と重複しますが、対クライアントとのコミュニケーション能力や折衝能力もあるとより評価されます。具体的にはMTGや現場常駐型の案件において、クライアントの担当者とコミュニケーションをとり、プロジェクトを前進させるスキルのことです。
BIG4は案件拡大・人員強化を行う中で、プロジェクト数自体が増加しています。ファーム側としても、案件にアサインし、最前線でクライアントフェーシングができる人材を強く求めています。転職候補者は面接において、最初からクライアントのコミュニケーション能力が高いと判断された場合は有利になります。
マネジメントスキル
特に30代以降で顕著ですが、何らかの形でチームを一定期間リードした経験も重要です。
コンサルファームでは、30代の場合、マネージャー以上としてプロジェクトチームの仕事の差配や進捗管理といったプロジェクトマネジメントを行います。もし、前職でもチームのマネジメントをした経験があれば、スムーズにプロジェクトマネジメントを実行できると期待できるため、評価上プラスに働きます。
BIG4経営陣が転職候補者に期待する点
BIG4への転職は、「論理的思考力」「専門知識・実務経験」が必要ということを説明しました。その中で、各ファームのパートナーやマネージャークラスが具体的に求めるコンピテンシーはこちらです。
※敬称略
デロイト トーマツ コンサルティング
フレッシュな目線でクライアントと一緒に解を作っていくこと
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 代表執行役社長 佐瀬 真人
現代はあらゆる企業が新しい姿に生まれ変わろうとしている時代です。それはつまり、過去の分析に重きを置いたコンサルティング手法は通用しなくなるということ。 以前は、それぞれの業界を深く知っていることがコンサルタントとしての大きな付加価値でした。 しかし業界の垣根を超えてまったく新しい領域に参入していこうとすると、これまでとは異なる手法で、これまでとは異なる顧客層にアプローチしなければならない。 既存の価値観や思考回路では解けない課題が増えているのです。そうなるとむしろ、消費者目線を持った若手の方が有利になるケースも出てきます。自らがサービスの利用者の視点に立ち、どういうサービスがあれば嬉しいのか、どんなビジネスを生み出せば社会がもっと良くなるのかを思い描き、実行に移す。 フレッシュな目線でクライアントと一緒に解を作っていくことは、若い世代だからこそ出せる価値だと思います。
KPMG
時代や環境が変わろうとも価値を提供し続けられるコンサルタントであること
KPMGジャパン 執行役員パートナー ビジネスイノベーション統轄、バリュートランスフォーメーション統轄 佐渡 誠
今、コンサルティング業界が大きく変わろうとしています。 環境の変化が激しく、物事が複雑化している現在、コンサルタントが価値を発揮することは非常に難しくなってきています。そのような時代において、多くのコンサルティングファームは分業化し、あるいは専業化し、またはサービスを変え、業態を変え、さらにはビッグファーム化して、生き残りをかけた競争を繰り広げています。そういったコンサルティング業界における競争の中で、私たちKPMGコンサルティングはチャレンジャーとして勝ち抜いていかなければなりません。 ある特定の分野のみに特化した専門家だけでは、複雑化する社会のニーズには対応しきれません。だからこそ、コンサルタントとしての価値を発揮するためには総合的な力を身につける必要があると、そう信じています。つまり、KPMGコンサルティングは個人の専門性を切り分けて分業化するのではなく、時代や環境が変わってもコンサルタント一人ひとりが価値を生み出せる、変化に強い総合コンサルティングファームでありたいと考えているのです。 The Clear Choice ー これはKPMGグループの基本思想です。クライアントに常に選ばれる存在でありたい。言わば、KPMGのコンサルタント一人ひとりに受け継がれているDNAです。 クライアントに常に選ばれ続けるためには、時代や環境が変わろうとも価値を提供し続けられるコンサルタントでなければならない。KPMGコンサルティングでは、そういった価値のあるコンサルタントを育成しマーケットに提供することを目指し、人材育成プログラムを開発しています。
引用元:KMPG ジャパン公式サイト
PwCコンサルティング
クライアントが求める以上の価値を提供し、成長目標に向かって自己実現をする
PwCコンサルティング合同会社 パートナー兼採用担当パートナー 阿部 大祐
PwCコンサルティングは戦略の立案から実行まで(Strategy through Execution)の全フェーズを一貫してサービス提供できるコンサルティングファームです。経営戦略や事業戦略、組織再編、業務・IT改革(DX推進)など、企業の有機的成長を支援するコンサルティング領域に限らず、ディールアドバイザリー、監査、税務、法務といった専門的な領域についてもPwC Japanグループの強みを発揮し、総合的なサービスをクライアントに提供することが可能です。 PwCコンサルティングには各領域のプロフェッショナルが組織、国境を超えて協力・協業し、クライアントへの提供価値最大化に挑む文化があります。それぞれのプロフェッショナリズムのみでクライアントへサービスを提供する個人技を是とはせず、あくまでファーム・チームとしての知見を結集し、クライアントにとって何が最適解かということを念頭においてプロジェクトを推進します。 コンサルティングファームにおいて最も大切な経営資源は”ヒト”だと言われる中、PwCコンサルティングには社員を大切にする文化が強く根付いています。中途採用・新卒採用を問わず、入社を最終的に決めた理由として、「採用プロセスの過程で出会った”ヒト”で決めました」という意見が多いことは、採用担当パートナーとして非常に誇らしく感じております。 PwCコンサルティングでは多種多様な人材を求めています。どなたに対しても入社後には、ご自身の専門領域をさらに深め、そしてその幅を広げていけるような環境が提供されることでしょう。私たちとともに、この変化の激しい時代にクライアントが求める、あるいはそれ以上の価値を提供しつつ、成長目標に向かって自己実現を果たして行くという、すばらしい体験をしてみませんか。
引用元:PwCコンサルティング公式サイト
EY
自主性が高く、自ら決めて挑戦する姿勢を持つ
EYストラテジー・アンド・コンサルティング テクノロジーコンサルティング テクノロジーソリューションデリバリー パートナー 沖 崇寛
EYストラテジー・アンド・コンサルティング テクノロジーコンサルティング テクノロジーコンサルティング パートナー 鈴木 雄大
絶対に必要なスキルというのは特にありません。今現在、自分が持っている何か軸のようなもの、あるいは得意なものがあれば、そこを起点として、働きながら必要なスキルを伸ばしていけばいいと思います。例えば、TSDではグローバル案件が日常化していますが、英語があまり得意でなかったとしても気にする必要はありません。SAPなりITなりの知識があるなら、それをきっかけに成長する中で自然と英語力も向上します。逆もしかりで、英語はできるけれどSAPの経験は乏しいという人にも同じチャンスがあります。足りない部分を補うためのサポートを、我々は絶対に惜しまないことを約束します。 マインドの面から申し上げるなら、自主性の高さというのは1つ挙げられると思います。自分の強みを起点に成長していこうにも、それに向かって自発的に動くマインドがなければ実を結ぶのは難しいでしょう。足りない力を伸ばすために自分としてどう動くのか、それを自ら決めて挑戦する姿勢をぜひ持っていただけたらと思います。 そういう意味では、EYにはどんなことにもチャレンジしやすい、個人の主体性を尊重する風土が根づいていると思います。あれこれとお仕着せを押しつける文化ではありません。ただ、冒頭で申し上げたように、我々が目指すコンサルタントとしての方向性に賛同し、同調いただける方と一緒に働きたいと願っています。 より付加価値の高いサービス提供を求めて上流を目指し、グローバルを志向してともに歩みましょう。その中で、会社と同時に自分自身の可能性もどんどん広げていっていただきたい。EYSCはそのチャンスに満ちた会社です。
転職エージェントを活用するメリット
転職エージェントは多数あり、それぞれ独自の特徴を持っています。
規模が大きく総合的にサポートしている大手エージェントや、業界に特化した少数精鋭のエージェントなどでは強みが異なります。そのため、自分が希望する業界・職種に強いエージェントに相談することが重要です。ここではエージェントに相談するメリットについて解説します。
自分にフィットした求人の紹介
自分の過去の経験や今後の希望などを相談し、さらに話している性格なども含めて求人を紹介してもらえます。どんな求人案件を紹介されるのかを把握することで、おのずと市場価値が把握できるのも転職エージェントを利用するメリットです。自分の強みや需要を客観的に確認できます。
数多くの求職者と接してきたエージェントによる客観的なフィードバックを貰うことで、自分自身の視野が広がったり、今後のキャリアの方向性が明確化される可能性があります。また、転職経験がない方などは、転職の理由がはっきりせずにもやもやしている状態が普通です。転職エージェントを使えば、アドバイザーに悩みや希望を聞いてもらいながら「自分が今後どうなりたいのか」「そのためにどんな転職をすればいいのか」を整理できます。
非公開求人の紹介
非公開求人を含む様々な案件の中から求職者の希望にマッチした案件を提案してもらえます。非公開求人とは、転職サイトでは募集が公開されていない求人案件のことで、企業の極秘ポジションや、今後注力していく事業のポジションなどの求人があります。他社競合対策や、自社に欲しい人材を効率よく採用すしたい場合に非公開求人となるケースが多いです。非公開求人はその転職エージェントに登録している人しか閲覧できません。そのため、転職サイト経由の応募と比べると採用倍率が低くなる傾向があります。つまり、選考通過率が上がるというメリットがあります。
履歴書・職務経歴書作成の添削
履歴書・職務経歴書などの応募書類の添削を受けることができます。エージェントが求職者の強み・弱みを面談を通じて把握し、企業に応じたアピール箇所を調整します。これにより、魅力的な履歴書や職務経歴書を作成できる可能性が高まります。
自分一人で応募書類を作成するのは難易度が高いです。そのため、一人で作成した応募書類を経験のあるエージェントから見た場合、内容や見せ方が適切でないケースは少なからずあります。また、優秀なエージェントは企業群・職種群ごとに、求められる項目に沿った内容に職務経歴書を変えるようアドバイスをしたりします。これにより、転職サイトや企業の採用ページから自分で直接エントリーするよりも、添削後の書類の方が、書類選考の通過率が向上します。
面接対策(ケース対策含む)
エージェントによる面接対策を通じて、面接突破の可能性を高めることができます。 また、優秀なエージェントは求人企業ごとの内情にも詳しいため、面接の内容、面接官の注目点などを把握しています。これらの情報を元に、面接対策を細かくアドバイスしているため、面接対策に力を入れているエージェントに対策してもらうことは重要です。
コンサル業界の転職においては、ケース面接という特殊な面接が選考に含まれる場合があるため、ケース対策の充実度も確認すべきポイントです。ケース面接は一人では対策し辛いため、エージェントに協力してもらうことで通過率も大きく変わってきます。
リアルな業界事情の共有
特定の業界・職種などに特化したエージェントは、担当エージェント自身がその業界出身者であることが多く、特にコンサル業界のエージェントはその傾向が強いです。そのため、実務経験もあり、内情に精通している方に担当してもらえるケースが多いです。
またエージェントは、人事担当者のみならず、現場の担当者やトップともパイプを持っていることが多く、リアルな社内の様子や雰囲気について聞くこともできます。加えて優秀なエージェントは、コンサル在職時の同僚や、過去担当した転職希望者と定期的に情報交換も行っています。求人サイトや企業のWebサイトを見るだけでは知りえなかった情報を事前に教えてもらうことで企業選びや面接対策に役立つため、大きなメリットと言えます。
企業との日程調整
企業への応募書類の提出や、面接の日程調整もエージェントが担当します。多い人では10社近くの企業の面接を並行して受けることもあるため、自分で管理せずとも応募先を管理・把握することが可能なので便利です。面接を受けている複数の企業の選考結果が同じタイミングで出るように面接の調整をし、それぞれを比較した上で入社の意思決定をしやすくする支援も可能です。
内定後の給与・入社日交渉
内定獲得後の年収交渉や入社日の調整等は、言い辛かったり、言うと印象が悪くなるという気持ちもありますが、このような連絡もエージェントが求職者の代行をしてもらうことが可能です。内定決定後、給与・入社時期などの条件交渉が行われますが、これから就職する企業に直接要望をぶつけることは、未経験者だとスキル的・心理的にもハードルが高いです。
また、企業と求職者では、どうしても企業側が主導権を握り、求職者は弱い立場となってしまう傾向があります。転職エージェントが仲介することで、直接は言いづらい年収や入社日の調整などもスムーズに行うことが可能です。
MyVisionの特徴
総合系ファームは非常に人気ですが、その分採用基準も高く、転職を成功させるためには適切な対策や余裕を持った計画が不可欠です。未経験からのコンサルティング転職は事前準備など大変なこともある反面、自身のキャリアを飛躍させる大きなチャンスでもあります。
MyVisionでは、コンサル転職に関する情報提供から、適切なファームや求人ポジションの紹介、選考対策まで、個々人の事情に合わせて幅広く支援しています。コンサルティングファームへの転職を少しでも検討されているようでしたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。