デジタルテクノロジーを駆使しクライアントと共にビジネス価値を創出するBeyond Consulting Firm【株式会社Gran Manibus 代表取締役ミゲル氏、CTO保坂氏】
2024年11月11日更新
企業紹介
株式会社Gran Manibusは、住友商事およびSCSKグループに属するコンサルティングファームです。同社ではビジネスとエンジニアリングの両方のバックグラウンドをもつコンサルタントが、クライアントの目標達成をサポートするためにハンズオンでの支援を提供しています。今回は、代表取締役社長のミゲル氏と、Managing Director 兼 CTOの保坂氏に、Gran Manibusが提供する独自のサービスや企業の魅力について詳しくお話を伺いました。
インタビュイー経歴
話し手
ミゲルアンヘルエステベスアベ氏
株式会社Gran Manibus
代表取締役社長
日本生まれ、1993年慶應義塾大学商学部卒業。外資系コンサルティングファーム2社にて15年以上にわたり日本を中心として国内外金融機関全般の業務戦略、業務プロセス改革、M&A時の統合プロジェクト管理、システム設計・導入、ビジネスプロセスアウトソーシング、シェアードアウトソーシング、パッケージシステムの導入、など幅広くコンサルティング及びビジネスソリューションを提供。2008年当社代表取締役に就任し、現在に至る。
話し手
保坂隆太氏
株式会社Gran Manibus
Managing Director/CTO
2012年、マイクロソフトの日本法人から本社に移籍し、グローバルマーケティングや社内システムのクラウド移行プロジェクトなどに携わる。2018年、米ワシントン州シアトルのテクノロジーコンサルティング会社のSlalomに移籍し、2019年、同社の日本法人を立ち上げる。日米の双方において大企業から中小企業、さらにSIやコンサルティング会社と共に数々のアジャイル、デジタルトランスフォーメーションの取り組みに携わってきた。 2024年当社に入社、現在、テクノロジーを活用した新しいコンサルティングサービスづくりにチャレンジしている。
目次
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”資料の納品”に終始する従来型のコンサルティングに留まらず確実に価値を届ける「BizValue Transformation」を追求
──はじめに、自己紹介をお願いします
ミゲル氏代表取締役社長のミゲル・アンヘル・エステベス・アベです。大学卒業後、外資系コンサルティングファームで15年以上にわたり国内外の金融機関向けのコンサルティングで経験を積んできました。具体的には、業務プロセス改革、M&Aにおける統合プロジェクト管理、システム設計・導入、ビジネスプロセスアウトソーシング、シェアードアウトソーシング、パッケージシステムの導入など、幅広い分野でのコンサルティングサービスを提供してきました。2008年にGran Manibusの代表取締役に就任して以来、企業の変革を支えるパートナーとして、クライアントの成長と持続可能なビジネスモデルの構築に尽力しています。デジタルテクノロジーを活用して新たな価値を創出し、クライアントとの信頼関係を基に、ビジネスの発展をサポートすることを使命としています。
保坂氏マネージングディレクター兼CTOの保坂です。私は、マイクロソフト日本法人をはじめとするテクノロジー企業で豊富な経験を積んできました。具体的には、テクニカルサポートやマーケティング、コーポレートITなど、幅広いポジションで活動してきました。その後、シアトルに本社を置くテクノロジーコンサルティングファームであるSlalomの日本法人設立に関わったことを契機に、コンサルティング業界に足を踏み入れました。2024年にGran Manibusに入社し、テクノロジーを活用した新しいコンサルティングサービスづくりに取り組んでいます。
──Gran Manibusを設立された思いについて教えてください
ミゲル氏私は以前、グローバルなコンサルティングファームに所属し、東南アジアの統括なども務めていましたが、国ごとに人材が固定化されており、真にグローバルな連携が取れない点に課題を感じていました。香港やシンガポールなどのアジアを含めて、東京を拠点に人材を流動化させながらクライアントに価値を提供していきたいという思いから、「株式会社Asian Frontier」(創業当初の社名)を設立しました。
──Gran Manibusのミッションとこれまでの事業展開について教えてください
ミゲル氏弊社のミッションは「BizValue Transformation」であり、これはテクノロジーを活用して、ビジネス価値を確実に向上させるコンサルティングサービスをクライアントに提供することを目指しています。 私自身金融領域のコンサルティング経験を積んできたため、創業当初は主に金融系クライアントへの支援に注力していました。その後、マーケットのニーズも踏まえて日本の製造業への支援にも力を入れるようになりました。他にも、AIのニーズが高まったタイミングで、AIを活用した先端技術ソリューションサービス部門をスピンアウトさせた株式会社Ridge-iを設立するなどコンサルティングを軸に様々な挑戦を行ってきました。
──Gran Manibusの組織について教えてください
ミゲル氏現在、社員は約30名です。フロント部門のメンバーは、従来のビジネスコンサルタントとしてのバックグラウンドを持つ社員が半分、あとの半分はエンジニアリングのバックグラウンドを持つ社員です。フロント部門のメンバーは全員がコンサルティングファーム出身者であり、高度な専門知識と豊富な実務経験を備えています。この多様なバックグラウンドを活かし、クライアントに対して最適なソリューションを提供できる体制を整えています。
──コンサルティング業界におけるGran Manibusの立ち位置について教えてください
ミゲル氏私たちは、従来型の紙ベースの成果物を納品するだけのコンサルティングサービスではなく、プロダクトやサービスをアウトプットとして生み出す新しいコンサルティングスタイルを提供しています。 30年前にコンサルティング業界でキャリアをスタートした時、私はプログラミングから始め、テクノロジーと共にキャリアを築いてきました。コンサルティング業界を含めて産業界のバリューチェーンのあらゆる場面において、高度に分業化と細分化が進み、テクノロジーは効率化を図るための手段として利用されていました。しかし、現在はテクノロジー 自体が価値を生み出し始めています。トラディショナルテクノロジーとウォーターフォールに基づいたやり方では、バリューチェーンの変化に対応できない状況になっています。そのため、当社では、モダンテクノロジーを前提としたエンジニアリングとコンサルティングを融合させ、アジャイルなアプローチを取り入れることで、差別化を図っています。
保坂氏最近、コンサルティングファームではDXが叫ばれていますが、肝心のコンサルティングファーム自体は、依然としてタイム&マテリアル型のビジネスモデルに留まっています。テクノロジーが私たちの日常生活において重要な役割を果たすようになっている今こそ、コンサルティングファームとその提供するサービスは、時代に即した形に進化していくべきだと考えています。小回りが効く弊社の規模であるからこそ、マーケットにおいてユニークなサービスデリバリーモデルや新しい価値を提供するための挑戦をしていきたいと考えています。
真のクライアントファーストを実践するためにクライアントと密なコミュニケーションをとり支援
──貴社のプロジェクトの支援事例と、支援の背景にある考え方について教えてください
ミゲル氏とある鉄板加工を行う中小製造業に対する支援事例を紹介します。テクノロジーを十分に活用できていなかった中で、競合他社がBtoBコマースの世界を構築したことで受注率が低下したことが課題でした。通常、このような案件は営業力向上や課題の特定に焦点を当てるコンサルティングを行いますが、弊社はプロダクトエンジニアリングのアプローチを採用し、エクスペリエンスデザイナーが中心となり支援しました。
保坂氏日本の製造業は中小企業が多く、テクノロジーやデジタル活用が遅れているのが現状です。ビジネスをテクノロジーで変革しようとすると、従来のコンサルティングファームは要件定義から開発まで半年〜1年かかるプロジェクトの提案を行い、クライアントは予算面で挫折することが多々あります。そこで、我々は予算を大幅に引き下げ、より迅速に新しい価値を提供できる方法を模索し、現在プロジェクトを進行中です。我々はクライアントとコラボレーションしながらソフトウェアやシステムを構築し、実用的なソリューションを提供することでビジネスの変革を実現しています。その中で最も重視しているのは、「クライアントのビジネスをどのように変えていくかをクライアントと共に考えること」です。具体的には、製造業のプロジェクトにおいて要件定義から開発までをわずか3ヶ月で行うという非常にアグレッシブなチャレンジに取り組みました。このプロジェクトの成功のためには、毎日クライアントとコミュニケーションを取ることが鍵であり、距離感を縮めて強い仲間意識を持つことを大切にしています。
ミゲル氏我々は真のクライアントファーストを実践することを追求しています。特定のITやメソッドを販売するのではなく、クライアントの課題に対して共に解決策を見出し、同じ方向を目指して協力して動くことで価値貢献することを目指しています。
──支援するクライアントの業界やプロジェクトの傾向があれば教えてください
ミゲル氏支援するクライアントは、自動車メーカー、その他製造業、通信、Eコマースなど多岐にわたっており、テーマとしては結果的にテクノロジーの導入・活用を支援するケースが多いです。現在、我々は7〜10社のアカウントを支援しており、プロジェクト数としては約25件あります。リピートカスタマーがほとんどであり、年間の新規プロジェクトは5〜6件ですが、新規プロジェクト以外の20件は同じクライアント内で別のテーマに取り組むプロジェクトとなっています。 今年からテクノロジーのバックグラウンドが強い新しいメンバーが組織に加わっています。そこで、新規顧客や既存顧客の新部署とプロジェクトを進める際に、新たな価値を提供するための取り組みを行っています。具体的には、クライアントに我々が提供する価値を体験していただくため、半日から1日かけてワークショップを行っています。これにより、アジャイル手法の体験や、今後の取り組むべき課題のビジョンやそれを達成するためのステップを一緒に作成しています。こうした活動でクライアントとの接点を持ち仲間意識を醸成していくことで、新たな価値貢献を提供しています。
プロスポーツチームのように個々の社員がプロフェショナルとして集う環境で、「Beyond Consulting」の実現を目指す
──Gran Manibusのカルチャーについて教えてください
ミゲル氏我々のチームは非常にアットホームであると同時に、ビジネスマンとしてマチュア(成熟した)なメンバーが多数在籍しています。各自が豊富な専門知識を持ちながら、人間力も兼ね備えた優れた人材が揃っています。当社は、メンバー間の階層を極力排除し、年齢、国籍、性別に関係なく、それぞれがプロフェッショナルとして尊重し合う環境を提供しています。実際にこの4月から社員の構成が変わってきており、これまでほとんどが日本語ネイティブでしたが、外国籍の社員も増えてきています。また、多趣味な方も多く、その趣味に対しても深掘りしている方が多いと思います。このような多様性と尊重の文化は、イノベーションを促進し、チーム全体の成長につながると考えています。
保坂氏弊社は、自分自身が持っている問いや課題に対して深く向き合い、良い意味で自分探しを行っている方が多いと感じます。
──求める人材について教えてください
ミゲル氏コンサルティングとエンジニアリングを融合させ、プロフェッショナルとして革新的でスピーディーなサービスを提供することに共に挑戦してくださる方を求めています。弊社は「会社」というより、「プロスポーツチーム」のように、各メンバーがプロフェッショナルとしてそれぞれの役割を果たしながら運営しています。チーム全体として目標に向かって戦い、私がその監督を務めているようなイメージです。そのため、弊社の業務内容や業界、クライアント、アプローチが自分に合っていると感じ、クライアントファーストの姿勢で価値を創出することに情熱を持てる方を歓迎します。
保坂氏コミュニケーション能力などのソフトスキルを持っている方に来ていただきたいです。クライアントとオープンに対話し、課題を共有した上で、未来の方向性についてクリエイティブなディスカッションができる能力は、コンサルティング事業に必須だと考えています。生成AIなどの先進的なテクノロジーによって、これまでの市場調査などの各種サービスは容易に解決可能となりました。そのため、これからのコンサルティングにおいては、クライアントとのコミュニケーションがますます重要になっています。笑顔が素敵であり、クライアントの感情に寄り添える力が大切なポイントだと考えています。我々のテーマである、”クライアントと共に今までやっていなかったことにチャレンジすること”を達成するためにも、ハードスキルよりまずはソフトスキル面の”人間力”を持っている方を歓迎したいです。
──最後に、転職候補者様に向けてメッセージをお願いします
ミゲル氏今後、コンサルタントもテクノロジー開発に関与し、クライアントを含むすべての人がテクノロジーを利用できる社会が実現すると考えています。私たちは、この変化に向けてタイム&マテリアルモデルのような属人的な業務から進化し、新しいビジネスモデルの構築を目指しています。我々の価値観を大切にし、クライアントと共にプロダクトを創出していく“Beyond Consulting”に一緒にチャレンジしたいという思いをお持ちの方はぜひお待ちしています。
保坂氏我々の挑戦の先には、日本の企業のグローバル展開を加速させていきたいという思いがあります。これから、日本は新たなステージに入ると考えています。その変化を先取りし、一緒に挑戦したいという思いを持った方はぜひ仲間になっていただきたいです。
──ありがとうございました