「人」起点で発想し、多様な人材が協働することで真のCX変革を支援する【Ridgelinez株式会社 執行役員Partner 村瀬氏、Consultant 東氏インタビュー】
2024年09月25日更新
企業紹介
Ridgelinezはデジタルトランスフォーメーション(DX)における戦略から実行までを支援する総合プロフェッショナルファームです。ストラテジー、デザイン、テクノロジーをクリエイティブに融合させ、クライアントの経営課題解決に伴走します。金融、製造、通信、運輸、リテールなど多岐にわたる業界で、デジタルテクノロジーを通じて変革を加速し、End to Endのコンサルティングサービスを提供します。Ridgelinezは変革の中核となる「人」を起点にした独自の先見力によって、チェンジリーダーとともに持続的な未来を創造するパートナーとして社会に貢献しています。
本日は、同社の特徴と魅力について、CX(Customer Experience)Practice(※)でPartnerを務める村瀬氏とConsultantとして活躍する東氏にお話を伺いました。
※Practiceとは、専門領域(業界・ビジネステーマ・技術)ごとに組成されるプロフェッショナルコミュニティのこと。 従来の組織体よりも組織間の壁が低いことが特徴で、業務内容が限定されることがなく、様々なテーマのプロジェクトに携わることができる。 また、Practice間で連携も取りやすく、柔軟に仕事を進めることが可能となる
インタビュイー経歴
話し手
村瀬馨人氏
Ridgelinez株式会社
執行役員Partner
国内総合系コンサルティングファームおよび北米マーケティング会社を経て現職。事業戦略および新規事業創造、デジタルチャネルの立ち上げに加え、特にロイヤルティマーケティング領域における大型案件を主導。専門/総合小売、金融・保険、不動産デベロッパー、情報通信等の業界で実績多数。
話し手
東竜也氏
Ridgelinez株式会社
Consultant
新卒で小売業界の企業に入社し、店舗の販売管理業務に従事。その後、同グループ内のマーケティング会社に出向し、マーケティング戦略の立案業務を担当。2022年7月にRidgelinez株式会社に入社後、CX Practiceに参画し、クライアント企業のデータドリブン経営や、未来の顧客ニーズと価値観を基軸にした新規事業創出プロジェクトに携わる。
目次
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ストラテジー、デザイン、テクノロジーの融合で「人起点」のCX変革を実現
──はじめに、自己紹介からお願いします
東氏Consultantの東と申します。私は2017年に新卒で小売業界の一員としてキャリアをスタートしました。最初の2年間は、食品を取り扱う店舗で、販売計画の策定と顧客体験の向上を目的とした店舗レイアウトの改善など、現場の最前線で業務に取り組みました。その後、同グループ内のマーケティング関連会社にて、会員の購買データを基にしたマーケティング戦略の立案および提案に3年間携わりました。2022年の7月からは、Ridgelinez株式会社のCX Practiceに参画し、現在はCXの戦略領域を専門とするコンサルタントとして、クライアントの顧客エンゲージメントとロイヤルティ向上のため、顧客特性に基づいたロイヤルティプログラムの構築支援に携わっております。
村瀬氏執行役員Partnerの村瀬と申します。私は新卒から国内総合系コンサルティングファーム複数社に所属し、途中で北米のマーケティング会社に出向するなどのキャリアを通じて、一貫して事業戦略やCX戦略の策定、その実現に向けた企画実装、運用のコンサルティングに携わってきました。Ridgelinezには2021年よりDirectorとして参画し、現在はCX領域を担当する執行役員Partnerとしてクライアントの変革をご支援するとともに、日本型CX変革の実践的なアプローチについて発信・提言していく役割を担っています。
──CX(Customer Experience)Practiceの概要について教えてください
村瀬氏我々CX Practiceは、3種類の異なる専門性・役割を持つチームで構成されています。 1つ目がStrategyチームです。CXの戦略策定から実行計画、業務設計への落とし込みなど主にビジネスコンサルティングといわれる領域を担当しており、事業会社出身の方や他のコンサルティングファーム出身の方など様々な知見を持つコンサルタントで構成されています。事業開発やブランド・マーケティング戦略、顧客ロイヤルティの評価やマネジメント等、CX領域の幅広いテーマに対する専門性をもった人材が在籍しています。
2つ目がDesignチームです。CXのあるべき姿の定義・実現に向けて、生活者を理解しニーズに基づいた新しい体験をデザインします。弊社ではクリエイティブデザインと呼んでいますが、そういった体験のデザインにおけるリサーチから具体的なサービスデザイン、クリエイティブディレクション等を担っています。 Designチームのメンバーについては、社内でデザイナーを育てる取り組みも推進しているのですが、基本的には中途で専門職の採用を行っています。その中でも、デザイナーとしての専門性を起点に、ストラテジーやテクノロジーのメンバーと協業してクライアントに価値を提供してきたいという思いを持った方に入社いただいています。
3つ目がTechnologyチームです。CX領域のサービス開発におけるプロトタイピングやアジャイル開発の推進、およびテーマに応じたソリューションの選定・導入を支援しています。内容によって求められる専門性は異なりますが、エンジニア経験やシステム開発プロジェクトのマネジメント経験を活かし、コンサルタントやデザイナーと柔軟に連携しながらテクノロジー観点でプロジェクトを前に進めていく役割を担うことができる人材が集まっているチームです。
──CX Practiceが主に担当する業界や、プロジェクトのテーマについて教えてください
村瀬氏CXは特定の業界に閉じたテーマではないので、幅広い業界のクライアントをご支援しています。プロジェクトに関しては、CXの戦略・ビジョン策定から、新規事業の創造、既存サービスやブランドのリデザイン・リブランディング等、各種施策を推進しています。さらに、それを実行した後の顧客ロイヤリティ向上や継続的にCXを高度化するためのマネジメント基盤を作っていくところまで、ワンストップで支援しています。 市場の成熟化が進む中、クライアントには、従来のビジネスモデルの延長線上での成長に限界を感じられている方々が多くいらっしゃいます。多様化する生活者の価値観やライフスタイルへの対応、先端的なテクノロジーの取り込みといった観点に加え、その中で新たな独自性を定義し、サービス・ビジネスモデルの変革を実現していきたいというニーズをお持ちです。それらに対して、我々としても「人起点」でCXのビジョンをデザインし、それをビジネスモデルに落とし込みながら、テクノロジー観点での実現性を担保していく、そういった役割が求められていると強く感じています。 これを実現するためには「Strategy」「Design」「Technology」のプロフェッショナル達が協業する必要があり、同じPractice内で機動的に連携しながらクライアントのニーズに応えられることは、他ファームではなかなかない強みなのではないかと考えています。
また、直近特にご要望を頂くことが多いテーマとしては、従来日本企業において組織の縦割り・個別最適で展開されてきたCX施策を、顧客起点かつ全社視点で見直し、連携・統合を図っていくといった内容があります。 Ridgelinezでは特に、国内外での豊富な事例実績を持ち、富士通を含め数多くの日本企業で変革を実現してきた実践的なノウハウを有する人材が在籍していますので、組織の実態に合わせた変革支援に高い期待を寄せられていると感じています。
「人」を起点とした顧客体験像を描き、企業の変革を推進する
──東様がコンサルティング業界に転職された理由を教えてください
東氏転職の理由は大きく2つあります。1つ目は、前職で直面していた課題の解決を図りたいと思ったためです。前職では、顧客の定量的なデータを基に顧客の嗜好や購買パターンの変化に応じた販売戦略の立案・提案や、アプリを通じたプロモーション施策の企画・提案などを行っていました。しかし、定量的なデータのみでは、表層的な顧客理解にとどまってしまい、顧客の行動原理を掴むことが難しく、その点にもどかしさを感じていました。そのため、顧客の表層的な部分だけでなく、深層にある真理や価値観にフォーカスして顧客理解を深めたいと思ったことがきっかけの1つです。
2つ目は、様々な業界の課題に取り組み、そこから学び、自らのキャリアをさらに発展させたいと考えたためです。多岐にわたる業界で直面するそれぞれの顧客課題に向き合い、解決策を見いだすプロセスを通じて、自分自身のスキルと経験を広げていきたいと思いました。このような多様な経験を通じて成長する機会を与えてくれるコンサルティング業界に強い魅力を感じ、転職することを決断しました。
──コンサルティング業界の中でも、Ridgelinezを選ばれた理由は何だったのでしょうか
東氏自分が直面していた課題と、Ridgelinezが掲げている「我々は『人』を起点に発想する」というパーパスへの深い共感です。 さらに面談を通じて社員と話をする中で、このパーパスが実際に社内で浸透していることを実感したという点が一番大きな理由です。私の中途面接を担当した面接官が本日のインタビューに同席している村瀬だったのですが、私は面接の中で「この人たちと一緒に働きたい」と心から感じました。このパーパスが、クライアント向けだけでなく、従業員にも浸透していることが、私にとって非常に魅力的でした。
──これまでにご経験されたプロジェクトについて教えてください
東氏これまでのキャリアで携わってきた主なプロジェクトは2つあります。 1つ目は、建設業界のクライアントに向けた業務改革支援のプロジェクトです。クライアントは、データ管理と部署間業務連携の不十分さにより、コストや施工管理に問題が発生していました。そういった課題に対し、リアルタイムな情報共有システムとしてのダッシュボードの導入提案・実装、およびモニタリング用KPIの策定を支援しました。このプロジェクト自体はCXのテーマからは少し離れていましたが、前職での経験を活かしてクライアントを支援することができました。
2つ目が、通信業界のクライアントに向けた新規事業開発のプロジェクトです。クライアントは、社会や消費者の価値観・ニーズの変化、またはIT技術の革新が急速に進む中で、企業としての競争優位性を確立していくために、新たに中長期的な成長事業を作っていきたいと考えていました。この目的のため、Ridgelinze独自のモデルであるHuman & Valuesを活用し、未来における人の生活スタイルや価値観を特定したうえで、どのようなサービスや顧客体験を提供すべきかについて、初期の企画段階から具体的な運用計画に至るまで、私たちは約1年間にわたり一貫して支援を行っています。「人」を起点とした革新的な新規事業開発を目指すといった、まさにCX Practiceの知見を活かすことができるプロジェクトです。 これらのプロジェクトに携わることで、データ駆動型アプローチと人間中心の戦略策定が、企業の持続可能な成長と競争力向上に非常に効果的であることを実感しました。特に、戦略的思考や洞察力を磨きながら、変革を推進する能力を高めることができ、それが私にとって大きな自信となりました。今後も、クライアントが直面する課題に対してより効果的な解決策をご提案し伴走できるよう、この経験と自信を役立てていきたいと思います。
未経験でも早期にキャッチアップするための研修・育成制度が充実
──Ridgelinezのプロジェクトへのアサインの仕組みについて教えてください
村瀬氏グレードによってプロジェクトへのアサイン方法は異なります。アソシエイトおよびコンサルタントのレベル1までのグレードでは、DX全般に関わる様々なテーマで経験を積んでいただきたいという意図で、General Talent Groupという、様々なPracticeから声がかかりアサインされていくという仕組みになっています。 コンサルタントのレベル2以上に関しては、参画するPractice内でアサインを決定していきます。プロジェクトへの参画を通じてCX領域での専門性・実績を伸ばしていただきつつ、他のPracticeとのコラボレーションを通じて、Ridgelinez全体で変革を実現できる人材へ成長していただくことを後押ししています。Practice内でのプロジェクトアサインについては、コンサルタントのスキルや本人の希望を勘案して決定していきます。スキルについては、CX Practiceでは定期的なCX領域のスキルアセスメントを個々人に対して実施しており、その結果を踏まえて伸ばしていくべきスキルを可視化しながら会話しています。
──コンサルタントの研修・育成環境について教えてください
村瀬氏Ridgelinez全社での研修と、CX Practiceとして独自に2つの取り組みを行っています。
1つ目の、Ridgelinezとして全社員を対象に実施している研修ですが、コンサルティングの基礎とスライドライティングなどに関する基本的な思考法や行動様式を学んでいただく約1か月の集中的なトレーニングとなります。基本的にシニアマネージャーまでは受講必須であり、コンサルタント未経験者にはコンサルティング業務の理解とスキル習得の機会として、経験者にはRidgelinezのスタイルの理解と企業文化に慣れてもらうための期間として用意しています。 2つ目は、「CAMPFIRE」と呼んでいるCX Practice独自のナレッジ共有やCXの動向把握に向けた取り組みです。具体的には、実際に支援したプロジェクトの事例紹介や、Practice内で標準的に行うタスクであるユーザーリサーチ、カスタマージャーニー作成などの講座があります。これらの共有会を毎週実施しており、過去に開催した内容もビデオで閲覧することが可能です。
3つ目が、「TRAIL RUNNING」と呼んでいるバーチャルプロジェクトの実践型トレーニングです。実際に支援しているクライアントの課題をテーマとして、ユーザーリサーチやビジネス要件の整理、また、それらを踏まえた具体的なCX変革の仮説提言、実証していくためのプランニングなどを検討します。このトレーニングは、OJTと並行して3か月程度の期間を通じて実施します。マネージャー以上のレビュアーが研修対象者に必ず1人ついて、面倒を見ながらその取り組みのクオリティを高め、最終的にはPracticeメンバー全員にプレゼンを行い、フィードバックを受け取ることができます。
──東様が実際に感じられた、成長環境としてのRidgelinezの魅力について教えてください
東氏Ridgelinezでのキャリアは特に2つの点で成長の機会に溢れていると感じます。まず1つ目は、未経験からでもコンサルタントとしてのベーススキルをしっかりと向上させることができる環境があることです。毎週のようにクライアントから出される正解のない問題に対して仮説を立て、提案することが求められるため、仮説構築能力や推論力などの基本的な思考力を養うことができていると実感しています。
2つ目は、CX 領域における専門的なスキルを習得できる点です。RidgelinezではCX領域で専門性を深めるために、特定のテーマに基づいたオファリング活動というナレッジ共有の機会が提供されています。私はこの活動を通じて、顧客ロイヤリティやエンゲージメントの事例・トレンド等に関する知見を深めています。学んだことを実際に活用し、その過程で専門性を一層高めていくことができているため、大変貴重な機会だと感じています。
──オファリング開発にも参加されているのですね
村瀬氏CX Practiceでは、グレードを問わず全コンサルタントにオファリング開発やThought Leadership活動に参加してもらっています。具体的には、CX Practiceとしてクライアントに提言していきたい領域について、4つのワーキンググループを展開しています。実際にプロジェクトの推進方法を標準化したり、業界内の課題と目指していくべき方向性を外部に発信したりしています。コンサルタント・アソシエイトでも外部に顔・名前を出してコラムを発表する機会があることは非常に特徴的だと考えています。
──コンサルタントの成長環境として、特筆すべき魅力が他にあれば教えて下さい
村瀬氏まだまだ成長途上にあるファームですので、各人の縄張り意識やグレードごとの人数制限などもなく、意欲・実力があれば、様々な機会を得ながらスピード感をもってキャリアを形成することができる環境だと思います。各グレードで期待される役割を満たすことができていれば、年功序列などは勿論なく、実力や実績に応じたプロモーションが行われます。私自身も昨年、37歳にしてRidgelinezとしては最年少でパートナーに昇格することができました。
──東様からも、RidgelinezのCX Practiceの魅力について教えていただけますでしょうか
東氏1つは、人を中心に考える文化です。従業員1人ひとりの成長を全面的に支援し、業務以外の悩みにも真剣に寄り添うなど、本質的に人を大切にする環境を築いています。 私自身、「この人たちと働きたい」ということが仕事の大きなモチベーションになっています。
もう1つは挑戦を後押しする環境があることです。私のようにコンサル業界未経験者であっても、各Practiceの専門家からインプットをいただける機会や、自分自身が能動的にアウトプットを行うことでフィードバックが得られる環境が整っています。その環境が従業員のモチベーションの源泉となり、さらにRidgelinezがクライアントに独自の価値を提供できることにつながっていると考えています。
自身のキャリアを主体的に考え、様々な領域に好奇心を持てる方がRidgelinezで活躍
──CX Practiceの今後の展望について教えてください
村瀬氏クライアントへの支援テーマとしては、現在注力しているCX戦略、新規事業、施策の実装・マネジメントなどの領域に加えて、B2B領域における営業生産性向上・高度化や、グローバル展開にも今後注力していきたいと考えています。また、ビジネス・組織の拡大としては今の1.5倍〜2倍の規模の成長を数年以内に達成することを目標としています。
──Ridgelinezが求める人材について教えてください
村瀬氏1点目は、自分のキャリアを主体的に考えることができ、かつ成長意欲が高い方です。先ほどお話したアサインやスキルアセスメント、目標設定等の取り組みを通じて、主体的にご自身のキャリアを考える方の成長機会を我々もチームとしてご用意しています。Ridgelinezを自身の成長の場として積極的に活用したいと考えている方に来ていただきたいですね。
2点目は、業務領域に線を引かず、様々な領域への好奇心を持てる方です。特にCX領域は、複数の専門性が求められるタスク、チームをまとめて全体をプロデュースすることにより価値を提供する領域であるため、例えば自分はコンサルタントだからデザインには興味がない、と線を引きがちな人は成果を上げていくことが難しいです。自身の専門性や経験を基に、新しい分野へ積極的にチャレンジし、他分野とのコラボレーションに好奇心を持つ方が高いパフォーマンスを発揮しています。
上記のようなマインドを持つ方であれば、たとえ未経験であったとしてもコンサルタントとしての働き方や専門性をキャッチアップできる機会を用意していますので、ぜひチャレンジしていただきたいです。
──最後に転職を検討されている方に向けて、メッセージをお願いします
東氏挑戦したいという意欲があれば誰でも平等に機会が与えられる会社です。CX領域で新たな価値を創造し、キャリアアップしていきたいという強い思いがある方はぜひ弊社に来ていただきたいです。
村瀬氏コンサルティング業界において、これからは従来のコンサルティング機能を保有するだけでは、提供できる価値に限界がくると思っています。弊社では、多様な専門性を持つ人材とコラボレーションすることで従来のコンサルティング業界のモデルを打破し、真のCX改革をクライアントとともに実現していきたいと思っています。成長やキャリアアップに強い意思を持つ方にとっては非常に魅力的な環境だと思いますので、お待ちしています。
──ありがとうございました