KPMG FASの年収はなぜ高い?職種・役職別の給与テーブルとキャリア戦略を解説
2025年07月23日更新
KPMG FAS(読み方:ケイ・ピー・エム・ジー エフ・エー・エス)への転職を検討しているものの、「年収はどのくらい高いのか」「なぜ高年収を実現できるのか」「自分はその水準を目指せるのか」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
KPMG FASは、転職口コミサイトOpenWorkのデータによると平均年収約1,237万円と、BIG4 FAS(世界4大会計事務所グループの財務アドバイザリー部門)の中でもトップクラスの年収水準を誇ります。
これは、同じBIG4に属するデロイト トーマツFASの990万円(参照:OpenWork)、EYストラテジー&コンサルティングの905万円(参照:OpenWork)と比較しても300万円以上高い数値です。
そこで本記事では、KPMG FASの職種別・役職別の詳細な年収データから、高年収の背景にある3つの理由、昇進・評価制度の仕組みまで、転職成功に向けた実践的な情報を網羅的に解説します。
記事を読み終える頃には、KPMG FASでの年収イメージが明確になり、転職によって目指せる具体的な年収水準とそれを実現するための戦略が把握できるはずです。
目次
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KPMG FASとはどんな会社か
KPMG FAS(株式会社KPMG FAS)は、世界的なプロフェッショナルサービスネットワークであるKPMGの一員として、日本において財務アドバイザリーサービス(FAS:Financial Advisory Services)を専門とするコンサルティングファームです。
FASとは、企業のM&A(企業の合併・買収)や事業再生といった重要な局面で、財務面から専門的なアドバイスを提供するサービスのことを指します。
KPMG FASは、企業が直面する「有事」における下記4つの領域に特化しています。
- 経営戦略
- M&Aアドバイザリー
- 事業再生・再編
- 不正・不祥事調査(フォレンジック)
クライアント企業の経営課題を根本から解決し、企業価値の長期的な向上を目指すアプローチを取っています。
会社概要
KPMG FASの設立は2001年9月20日です。KPMGジャパンのFAS部門を担う中核企業として位置づけられています。
本社は東京・大手町フィナンシャルシティ ノースタワーに構え、大阪、名古屋、福岡にも事務所を展開し、全国的なサービス提供体制を構築しています。
上述したように主な業務内容は、M&Aアドバイザリー(企業の合併・買収支援)、事業再生(経営難企業の立て直し支援)、バリュエーション(企業価値評価)、フォレンジック(不正・不祥事調査)の4つの領域です。
KPMG FASは、KPMGのグローバルネットワークを最大限に活用し、世界中のKPMGメンバーファームとの連携を通じて、クライアント企業の複雑な経営課題に対し包括的なアドバイザリーサービスを提供できる総合力を強みとしています。
KPMG FASの特徴
KPMG FASは、M&A・再生分野において豊富な実績を持ち、特に中堅~大企業向けのMBO案件に強みを発揮しています。
業界・業種別の専門チームとして、製造業、金融、消費財、IT・通信など12の主要セクターに組織されたインダストリーグループ制を採用し、各業界の深い専門知識に基づいたソリューションを提供します。
組織文化においては、フラットな環境で若手にも大きな裁量が与えられ、成果主義・実力重視の社風が徹底されています。
転職口コミサイトOpen Workの口コミにも、下記のような投稿がありました。
「まず風通しはとても良い。廊下ですれ違ったパートナーとプライベート含め相談しやすい環境であり、年齢に関係なく議論できる。」
個人のパフォーマンスが年収や昇進に直接反映されるため、年次や学歴に関わらず早期のキャリアアップが可能です。
案件ごとに深く入り込む"職人気質"なカルチャーと、KPMGのグローバルネットワークを活用したクロスボーダー案件の豊富さも特徴です。
これらの要素が高単価案件の獲得に繋がり、同社の高収益構造を支える重要な競争優位性となっています。
KPMG FASの年収はどのくらいか
KPMG FASは非上場企業であるため、有価証券報告書による平均年収の公開は行われていません。
そのため、複数の口コミサイトや転職エージェントの独自調査の内容を参考にしながら、KPMG FASの平均年収について解説していきます。
KPMG FASの平均年収
転職口コミサイトOpenWorkによると、KPMG FASの平均年収は1,237万円と報告されています。
これは、マイナビエージェントが報告する監査法人の平均年収約702万円と比較して1.5倍以上と、業界平均を大きく上回る水準です。
KPMG FASの年齢別年収
KPMG FASでは、年齢が上がるにつれて年収も高くなる傾向が見られます。
経験と実績が積み重なることで、より高難度のプロジェクトにアサインされ、評価や昇進に繋がるためです。
OpenWorkのデータに基づく年齢別平均年収は以下の通りです。
- 30歳:平均年収1,000万円(年収レンジ:706万円~1,592万円)
- 35歳:平均年収約1,200万円(年収レンジ:840万円~1,896万円)
20代後半で800万円~1,200万円、30代前半でマネージャー昇格により約1,500万円に達するケースも報告されており、個人の能力や成果によって、同年齢でも年収に大きな差が生じることが示されています。
KPMG FASの職種別年収
KPMG FASの年収は、職種によっても明確な差があります。
これは、各職種に求められる専門性、責任、貢献度が異なるためです。
OpenWorkのデータに基づく職種別平均年収は以下の通りです。
- コンサルタント:平均年収1,194万円(年収レンジ:700万円~3,000万円)
- プロフェッショナル:平均年収1,327万円(年収レンジ:850万円~2,060万円)
- アソシエイト:平均年収1,314万円(年収レンジ:1,020万円~1,500万円)
これらの数値はあくまで平均であるため、個人のパフォーマンスやプロジェクトへの貢献度によって、同じ職種でも年収レンジ内で大きな幅が生じる可能性があります。
KPMG FASの役職別年収
KPMG FASの年収は、役職(タイトル)と強く連動しています。
昇進が年収アップの主要な要因となるため、キャリアパスと各役職の年収水準を理解することは非常に重要です。
口コミサイトの情報に基づく役職別年収の目安は以下の通りです。
- アナリスト:年収500万~600万円(0~2年目)
- アソシエイト:年収600万~1,000万円(1~3年目)
- シニアアソシエイト:年収850万~1,300万円(3~5年目)
- マネージャー:年収1,100万~1,800万円(6~8年目)
- シニアマネージャー:年収1,600万~2,000万円以上(8~10年目)
- ディレクター:年収2,000万~2,500万円以上(実力次第)
- パートナー:年収2,800万~4,000万円以上(実力次第)
アソシエイト以下のポジションでは、基本給に加えて残業代が支給されるため、プロジェクトの繁忙期には一時的に年収が高くなることがあります。
しかし、マネージャー以上になると裁量労働制が適用されるため、残業代は基本給に含まれる形となり、年収の大部分は基本給と業績連動型のボーナスによって構成されます。
他のFAS系(BIG4)ファームとの比較
KPMG FASの年収水準は、BIG4に属する他のFAS系ファームと比較しても高い位置にあります。
これは、同社のビジネスモデルや案件特性が影響していると考えられます。
OpenWorkのデータに基づくBIG4 FAS各社の平均年収は以下の通りです(2025年2月時点)。
- KPMG FAS:1,237万円
- PwCアドバイザリー:1,075万円
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー:977万円
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング:907万円
KPMG FASがBIG4 FASの中で最も高い平均年収水準を誇ることが明確に示されています。
KPMG FASの平均年収は、2位のPwCアドバイザリーと比較しても162万円高く、最下位のEYストラテジー・アンド・コンサルティングとは330万円の差があります。
同社はグローバル企業ならではの豊富な案件数により、クライアントからの報酬が高くなり、それが従業員の高い報酬に還元される構造が形成されています。
特にクロスボーダー案件の多さは、プロジェクト規模を大きくし、結果として従業員の報酬水準を押し上げる要因となっています。
国際的な案件は、国内案件と比較して複雑性が高く、求められる専門性も多岐にわたるため、より高額な報酬が設定される傾向にあります。
なぜKPMG FASの年収は高い?年収水準の背景にある3つの理由
KPMG FASの年収水準がBIG4の中でも高額になる理由について、さらに深ぼっていきましょう。
成果主義と高付加価値なプロジェクトが中心
KPMG FASの給与体系は、個人の成果が年収に直結する「完全実力主義」が徹底されています。
年功序列ではなく、成果重視の評価制度が採用されており、高いパフォーマンスを出せば、早ければ20代後半でマネージャーに昇格し、年収1,200万円を超えることも十分に可能です。
同社が手掛けるM&A案件や事業再生支援は、クライアント企業の経営に与えるインパクトが非常に大きく、その分、提供するサービスの付加価値も高くなります。
例えば、数百億円規模のM&A案件では、成功により企業価値が大幅に向上するため、アドバイザリー報酬も数億円単位となることが珍しくありません。
このような高付加価値なプロジェクトは、クライアントから高額な報酬を得ることを可能にし、その収益が従業員の高い報酬として還元される仕組みが確立されています。
個人の能力とプロジェクトへの貢献度が直接的に評価され、それが年収に反映されるため、*高いモチベーションを維持しながら高収入を目指せる環境+が提供されています。
M&Aなど専門性の高い領域での活躍が評価される
KPMG FASの業務は、M&Aアドバイザリー、財務デューデリジェンス(買収対象企業の財務面での詳細調査)、事業再生、フォレンジック(不正調査)といった、極めて専門性の高い領域が中心です。
これらの業務を遂行するには、財務、法務、戦略といった複合的なスキルに加え、高度な分析力と判断力が求められます。
通常、市場において、このような複合的かつ高度な専門性を持つ人材は希少価値が高いです。そのため、それぞれの報酬水準を押し上げる大きな要因となっています。
さらに、案件ごとに異なる複雑な課題への対応力が求められるため、常に最新の知識とスキルを習得し、実践する能力が重視されます。
KPMG FASは、この高い専門性を持つプロフェッショナルに対して、その貢献度に見合った報酬体系を整備しており、専門性の高さが直接的に年収に反映される構造となっています。
案件単価の高さと長時間労働という現実も
高年収の背景には、ハードワークという側面も存在します。
KPMG FASが手掛けるプロジェクトは、その性質上、+案件単価が高く、クライアントからの期待値も非常に高い*ため、成果を出すためのプレッシャーは相当なものです。
Open Workの口コミには下記のようなコメントがありました。
「基本的に仕事をしていれば日中病院に行っても良いが、仕事量が多いため、深夜や休日の稼働も一定度発生。」
「どうしてもプロジェクトベースなので案件次第。どこの会社もそうだが、下のポジションで入るとプライベートを優先することは難しいと思う。」
プロジェクトの繁忙期には、上司からのプレッシャーや、資料作成、クライアント対応が重なり、長時間労働となることが一般的です。
年収を上げたいなら?昇進・評価制度を理解しよう
KPMG FASで年収を効果的に上げるためには、昇進・評価制度を深く理解し、それに基づいたキャリア戦略を立てることが不可欠です。
昇進スピードと年収アップのタイミング
KPMG FASでは、明確なキャリアパスと昇進による大幅な年収アップが特徴です。
一般的に、平均して2~3年で次の役職に昇格するケースが多く、昇進のタイミングで約200万円ずつ年収が上昇するとされています。
同じ役職に留まっている間の年収上昇が年間最大25万円程度と比較的少ないことと比較すると、昇進がいかに年収アップの主要なドライバーであるかがわかります。
昇進の速さは、個人の能力と実績に直接連動しており、特に若手にとっては、20代後半でマネージャーに昇格し、年収1,000万円を超えることも十分に現実的です。
KPMG FASにおける年収増加の大部分は、役職のステップアップによってもたらされる構造であり、パフォーマンスを継続的に発揮し、早期の昇進を目指すことが高年収達成の鍵となります。
年収に影響する人事評価制度の特徴
KPMG FASの人事評価制度は、成果主義が徹底されていることが最大の特徴です。
評価は、案件での成果、チームへの貢献度、クライアント満足度などが多角的に評価対象となります。
年次や学歴よりも「パフォーマンス重視」の姿勢が明確であり、個人の実績が直接的に評価に結びつくため、非常に公正性が高いとされています。
Open Workの口コミによると、評価基準は明文化されており、目標設定、中間レビュー、最終評価という流れがあります。
成果主義の文化は、従業員が能力を最大限に発揮し、高い目標達成に向けて努力するインセンティブとなっています。
評価の透明性と公正性は、従業員が自身のキャリアパスを明確に描き、年収アップを目指す上で重要な要素となります。
ボーナス支給額やインセンティブの仕組み
KPMG FASの報酬体系において、ボーナス(賞与)は年収を大きく左右する重要な要素です。
業績連動賞与の割合がかなり高く、会社の利益を従業員と共有する意識が強いことが伺えます。
ボーナスは通常年2回支給され、標準的な額は基本給の3~6ヶ月分とされています。
個人と会社全体の業績が非常に良い場合、ボーナスが基本給の8~12ヶ月分に達することもあります。
アソシエイトの賞与目安は200万~350万円、シニアアソシエイトでは300万~600万円と推定されており、同業他社水準と比較しても多い水準です。
特にマネージャー以上のポジションでは、ボーナスが年収の30%~50%を占めることもあり、ベース給の100%をゆうに超える額を受け取る人も存在します。
ボーナス制度は、個人のパフォーマンスと会社全体の業績が直接的に報酬に反映される強力なメカニズムとして機能しており、従業員が日々の業務で高い成果を追求する大きな動機付けとなっています。
KPMG FASで高年収を得るには?キャリアパスの描き方
KPMG FASで高年収を得るためには、単なる昇進だけでなく、自身のスキルと資格を継続的に高め、戦略的なキャリアパスを描くことが不可欠です。
スキルアップ・資格取得が収入に直結
KPMG FASは成果主義と専門性評価を重視する企業文化のため、個人のスキルの質が直接収入に反映されます。
高度な専門知識と経験が求められるM&Aや事業再生の分野では、特定の資格が個人の市場価値を大きく高め、結果として高年収に直結します。
特に評価されやすい資格は下記が挙げられます。
- 公認会計士
- 米国公認会計士(USCPA)
- 税理士
- 中小企業診断士
- 簿記1級
公認会計士は、財務諸表の監査や企業価値評価において不可欠な専門知識を証明する国家資格であり、米国公認会計士は国際的なM&A案件で重宝される資格です。
財務デューデリジェンス(買収対象企業の財務調査)やバリュエーション(企業価値評価)といったKPMG FASの主要業務において、これらの資格は不可欠な専門知識を証明するものであり、資格取得支援制度も充実しています。
その他、税理士、中小企業診断士、MBA、簿記1級なども、財務・経営に関する深い知見を示すものとして評価される傾向にあります。
継続的な自己研鑽と資格取得は、自身の専門性を高め、より複雑で高付加価値な案件へのアサインメント機会を増やし、結果として年収向上に繋がる明確な経路となります。
海外案件や社内異動で年収が上がるケースも
KPMG FASは、KPMGのグローバルネットワークを最大限に活用しており、海外KPMGと連携したクロスボーダーM&A案件も多数手掛けています。
国際的な案件は、国内案件と比較してプロジェクト規模が大きく、報酬水準も高くなる傾向があるため、担当する従業員の年収にも好影響を与えます。
例えば、日本企業が海外企業を買収する際のアドバイザリー業務では、複数国の法規制や税制を理解する必要があり、高度な専門性が求められます。
このような案件では、通常の国内M&A案件と比較してさらに高額な報酬が設定されることも珍しくありません。
KPMG FAS内では、部署によって年収差がある傾向も示唆されています。
特定の専門領域やクライアント層が、より高額な報酬を生み出すためと考えられます。
海外勤務や駐在経験は、国際的なビジネススキルと異文化対応能力を培う貴重な機会となり、その後のキャリア(社内での昇格や、将来的な独立・転職)にも非常に好影響をもたらします。
転職や独立も視野に入れたキャリア形成戦略
FASでのキャリアは、社内昇進だけが全てではありません。
KPMG FASで培われる高度な専門性と実践的な経験は、外部市場での高い評価に繋がります。
FAS経験者は、専門性から引き抜きニーズが高く、転職市場において年収交渉力も強い傾向にあります。
具体的なキャリアパスとして、他のコンサルティングファームや投資銀行への転職、事業会社の財務・経営企画部門、スタートアップのCFO(最高財務責任者)といった選択肢があります。
KPMG FASで3~5年の経験を積んだマネージャークラスであれば、転職により年収1,800万円~2,500万円を目指すことも現実的です。
さらに、フリーランスのアドバイザーとして独立したり、会計事務所などを開業したりする道も開かれています。独立系のM&Aアドバイザーとして成功すれば、年収3,000万円以上を実現することも可能です。
KPMG FASで得られる経験は、これらの多様なキャリアパスにおいて強力な武器となります。
高年収を維持し、さらなるキャリアアップを目指すためには、社外への展開も視野に入れた戦略的なキャリア形成が重要です。
KPMG FASの福利厚生と働き方も要チェック
高年収が魅力のKPMG FASですが、年収以外の待遇や働き方についても理解しておくことは、長期的なキャリアを考える上で重要です。
年収以外に魅力のある待遇・福利厚生
KPMG FASは、高年収に加えて、従業員が安心して働けるよう充実した福利厚生制度を提供しています。
基本的な社会保険制度として、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険といった各種社会保険が完備されています。
加えて、公認会計士企業年金基金への加入があり、将来の資産形成をサポートします。
健康サポート制度では、健康保険組合のカフェテリアプランやマッサージルーム(施術費用:30分、500円)など、従業員の健康維持・増進を支援するユニークな制度も提供されています。
休暇制度については、出産・育児休暇、介護休暇、慶弔休暇など、ライフイベントに合わせた休暇制度が整備されており、育児・介護短時間勤務制度も利用可能です。
従業員が仕事とプライベートのバランスを取りながらキャリアを継続できるよう配慮されています。
研修制度も充実しており、M&Aや戦略コンサルタントに必要な知識やスキルを向上させるための多種多様なトレーニングプログラムが提供されています。
基礎的・普遍的なスキルから、業務に関する深い専門知識、コミュニケーション・リーダーシップスキルまで、幅広い領域をカバーしています。
福利厚生や研修制度は、直接的な金銭報酬ではないものの、従業員のウェルビーイングと専門能力開発に貢献し、KPMG FASの総合的な価値提案を高めています。
高年収の裏で求められる働き方とは
KPMG FASの高年収は、求められる高い労働時間、責任、成果プレッシャーと密接に結びついています。
財務アドバイザリー業界の特性とも言えます。
案件ごとに設定される厳しい納期プレッシャー、膨大な資料作成、クライアントからの高度な要求に対する対応が重なるため、長時間労働となることが一般的です。
特にM&Aアドバイザリーやデューデリジェンスの繁忙期には、月間80~120時間の残業が発生することもあります。
Open Workの口コミの中には、「ワークライフバランスは存在しない」と感じる声や、徹夜が続く日々、朝4時に帰宅し10時に出社するといった状況が報告されています。
ただ、タレントスクエアの独自調査では平均残業時間が50.7時間と報告されており、プロジェクトによって大きく異なるようです。
ただし、近年ではリモートワークの推進や効率的な業務プロセスの構築など、働き方改革への取り組みも進められており、以前と比較して労働環境は改善傾向にあるという声も聞かれます。
高年収は、高負荷な業務と責任、成果へのコミットメントに対する対価であると理解することが重要です。
KPMG FASへの転職を成功させるためのポイント
KPMG FASへの転職は競争が激しいですが、適切な準備と戦略があれば成功の可能性を高めることができます。
転職難易度と選考で求められるスキル・経験
KPMG FASへの転職難易度は高めであり、BIG4系FASの中でも倍率が高いとされています。
同社が提供するサービスの専門性と、求める人材の質の高さに起因します。
選考で特に求められるスキルと経験は以下の通りです。
実務経験として、投資銀行、他のコンサルティングファーム、事業会社のM&A部門などでの実務経験は高く評価されます。
即戦力として期待される要因となります。
専門資格では、公認会計士や税理士などの専門資格は非常に有利に働きます。
財務・会計分野における深い知識と専門性を証明するものであり、資格手当が支給されることもあります。
英語力については、クロスボーダー案件が多いため、ビジネスレベル以上の英語力は必須、または強く推奨されるスキルです。
論理的思考力と問題解決能力は、複雑な経営課題を分析し、論理的に解決策を導き出す能力として、コンサルタントに最も基本的な要件です。
コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力では、クライアントやチームメンバーとの円滑なコミュニケーション、自身の分析結果を明確に伝えるプレゼンテーション能力も重要視されます。
KPMG FASは、アナリストからディレクターレベルまで幅広いポジションで中途採用を行っており、経験年数に応じて柔軟な採用が行われる傾向にあります。
志望動機・面接対策で押さえるべきポイント
KPMG FASの選考を突破するためには、明確な志望動機と効果的な面接対策が不可欠です。
ワンキャリアに寄せられた面接体験談によれば、志望動機では、以下の3点を意識して具体的に伝えることが重要です。
「なぜFASなのか」 FAS業界で働くことへの強い意欲と、理由を明確に示します。FASの仕事のどのような点に魅力を感じ、自身のキャリア目標とどのように合致するのかを説明します。
「なぜKPMG FASなのか」 数あるFASファームの中で、なぜKPMG FASを志望するのかを具体的に述べます。KPMG FASの強み(M&A・再生分野の実績、グローバルネットワーク、職人気質など)を理解し、共感する点をアピールします。
「自分の経験がどう活かせるのか」 自身のこれまでの経験やスキルが、KPMG FASでどのように貢献できるのかを具体例を交えて説明します。過去の成功体験や課題解決経験を、KPMG FASの業務内容と結びつけて語ることが重要です。
面接では、過去の課題解決経験や、論理的思考力、プレゼンテーション能力が見られる傾向にあります。
ケース面接が課されることもあり、限られた情報の中で論理的に思考し、解決策を導き出す能力が試されます。
KPMG FASの企業文化や価値観(成果主義、職人気質、チームワークなど)への適合性も評価されるため、これらを理解した上で、自身のパーソナリティや働き方をアピールすることが成功への鍵となります。
まとめ
KPMG FASは、平均年収約1,237万円とBIG4 FAS内でトップクラスの年収水準を実現しており、成果主義の徹底により20代後半でのマネージャー昇格も可能な魅力的な転職先です。
高度な専門性が求められるM&A・事業再生分野での実績と、グローバルネットワークを活用したクロスボーダー案件の豊富さが、高年収を支える要因となっています。
一方で、月間50時間以上の残業や高いプレッシャーという現実もあり、転職成功には投資銀行やコンサルティングファームでの実務経験、公認会計士などの専門資格、ビジネスレベルの英語力も重要です。
KPMG FASへの転職を検討される際は、専門性の高い転職エージェントの活用も有効な選択肢の一つです。
My Visionは、200社以上のコンサルティングファームとの強固なネットワークと1,000名以上の支援実績を持ち、コンサル業界出身のエージェントによる特化した選考対策を提供しています。
KPMG FASでの高年収キャリアを目指す方は、My Visionの専門的なサポートを検討してみてはいかがでしょうか。
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