「健康が当たり前の世の中」を目指すため、新しい医療体験の創造を追求する【Ubie株式会社 BizDev田中氏、安森氏インタビュー】
2024年09月25日更新
企業紹介
Ubieは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、医師とエンジニアが2017年5月に創業したヘルスケアスタートアップです。AIをコア技術とし、症状から適切な医療へと案内する「ユビー」と、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビーメディカルナビ」等を開発・提供しています。本日は、BizDevの田中様、安森様に同社の特徴と魅力についてお話をお伺いしました。
インタビュイー経歴
話し手
田中佑岳氏
Ubie株式会社
2016年に新卒でボストン・コンサルティング・グループに入社。BCGではプロジェクトリーダーを務めた後、2024年1月にUbieに参画し、BizDevを担当。
話し手
安森衣音氏
Ubie株式会社
2020年に新卒で野村総合研究所に入社。2024年5月にUbieに参画し、BizDevを担当。
目次
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患者・医療機関・製薬企業との接点を通じて、真に医療アウトカムに貢献するプロダクトを開発
──はじめに、自己紹介からお願いします
田中氏BizDevの田中と申します。私は2016年にBCGに新卒で入社しプロジェクトリーダーまで担当しました。その後、2024年の1月にUbieに参画し、ファーマイノベーション事業部で製薬企業のクライアントと患者様や医師の啓発を行うプロジェクトを複数担当しています。
安森氏BizDevの安森と申します。2020年にNRIに新卒入社し、2024年5月にUbieに参画しました。田中と同じく、製薬企業のクライアントとのプロジェクトに携わっています。
──Ubieの事業概要と、お二人が所属されるBizdevの役割について教えてください
田中氏Ubieは生活者の適切な受診行動をサポートする症状検索エンジン「ユビー」の開発・提供や、医療現場の業務効率化を図る「ユビーメディカルナビ」を提供しています。また、Ubieは世界で唯一、医療機関・患者様、それぞれと直接の接点を持つオープンな医療データプラットフォームです。医療アウトカムへの真の貢献を果たすために、“治療”領域のエキスパートとなる製薬企業との協業も行っています。そこで、Ubieが保有しているデータ等を用いて製薬会社と一緒にプロジェクトを推進する役割もBizdevで担っています。
Ubieの事業概要
Ubieのサービスによる患者様への価値提供プロセスの一例
──Ubieの組織概要について教えてください
田中氏会社全体では280人のメンバーが在籍しており、そのうち製薬事業が60人在籍しています。さらにその中で、顧客と相対するBizDevが30人在籍しています。弊社の特徴的な組織構造として、「ホラクラシー」という組織形態を取っており、マネージャーという役職は存在しません。それぞれのロールを定義した上で、意思決定は一番精通している人が権限を持って行っています。その中で、プロジェクトをリードするロールを担うディレクターは約10人在籍しています。
──Ubieに在籍するメンバーのバックグラウンドについて教えてください
田中氏コンサルティングファーム出身者が6割、事業会社出身者も4割(うち、ヘルスケア出身者が1-2割程度)で多様なバックグラウンドを持つ社員が在籍しています。平均年齢は33歳程度です。
──BizDevの業務内容について教えてください。また、その中でお二人の前職であるコンサルティングファームとの業務の違いについても教えてください
田中氏業務の全体像としては、クライアントとの関係構築やプロジェクトの受注を狙うセールス、プロジェクトの実行を担うデリバリーに加えて、プロダクト開発や組織開発を担う社内業務があります。コンサルティングファームでは、若手の内はデリバリーしか担わないことが多いと思いますが、弊社ではセールス業務が過半数を占めるフェーズでもありコンサル出身者にとっては新鮮な環境だと思います。また、実際にプロダクト開発にも携われることは事業会社ならではの魅力ではないでしょうか。
安森氏新規性の高いプロダクトを扱っているため、セールス業務においてプロダクトの価値を理解していただくことは一定の難しさがあります。私自身も前職のコンサルティングファームではセールス業務をメインで担っていなかったため、そういった業務には難しさもありますが、非常にやりがいを感じています。 また、コンサルティングファームのようにクライアントとプロジェクト単位でお付き合いする関係性に留まらないことも大きな違いだと考えています。弊社の場合はそのタイミングでプロジェクト化しなかったとしても、クライアントの課題を基に商品開発やデータの蓄積を行うことで、継続的に関与し価値提供していくことが可能です。
──BizDevでのプロジェクト事例について教えてください
安森氏製薬企業のクライアントに対して、患者様向けの疾患啓発を用いたプロジェクトを紹介します。弊社は症状検索エンジンで疾患啓発を行うことで、患者様に疾患に関する理解を深めてもらい正しい診療科への受診につなげます。啓発の前後でどれくらい患者様の行動変容に寄与できたかなどのデータを分析し、その疾患に対する弊社の貢献を製薬企業のクライアントにメッセージとして提示しています。
Ubieのミッションに共感し、“早期に発見されていれば救えたはずの患者の死”をなくしたいという熱い思いを持って入社
──安森様がUbieに入社された理由について教えてください
安森氏Ubieのミッションに共感したため入社しました。私は幼少期に子宮頸がんで祖母をなくしたのですが、祖母が定期検診に行けていなかったことが早期発見できなかった理由でした。その時から、生活者の病気への意識の低さに課題を感じ、知識がなくても、適切に予防・受診・診断・治療されるような社会にしていきたいという思いを持ちました。新卒でコンサルティングファームに入社した後もヘルスケア領域に携わっていたのですが、クライアントである製薬企業やメーカーの支援に留まってしまうことにもどかしさを感じていました。自分が事業会社の立場でより主体的に関わることができ、かつ、ミッションに共感できる企業を探す中で、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というUbieのミッションに共感して入社を決めました。
──田中様がUbieに入社された理由について教えてください
田中氏Ubieのミッションへの共感に加えて、そのミッションに事業がマッチしていることが魅力的だったため入社しました。前職のコンサルティングファームでは、新規事業の立ち上げ支援も行いました。そこで学んだのは、企業としてのミッション・ビジョンを忠実に守ることと、収益を上げることの両立の難しさでした。Ubieはミッションと事業の一貫性から逸れることなく挑み続けていることを社員さんとお話をする中で実感できたため、Ubieに入社を決めました。
──Ubieのミッションに共感されて入社される方が多いのですね
田中氏はい。弊社の共同代表の2人が熱い思いを抱いており、常に発信をしています。私も含めてほとんどのメンバーがそういった思いに共感して入社していると思います。
安森氏弊社の共同代表の1人である阿部自身が、研修医時代の経験から、如何に医療技術が発展していても、適切なタイミングで来院いただけなければ、救うことは難しい患者様もいる、ということを目の当たりにしたことが弊社を創業したきっかけの一つです。弊社のメンバーでも、本当はもっと早く適切な診断ができれば助かった人を救いたいという思いに共感している方は非常に多いです。
クライアントのその先の患者ファーストで価値提供を追求できる環境がコンサル時代との大きな違い
──コンサルティングファームからUbieに転職されて、仕事のやりがいなどはどう変わりましたか
田中氏1つ目は、クライアントである製薬企業が見据えている患者ファーストで仕事できていることにやりがいを感じています。コンサルティングファームではクライアントファーストで仕事していましたが、現在Ubieでは患者ファーストで製薬企業の方を巻き込み、プロジェクトを立ち上げることもできています。例えば、これまでは医師に自社製品を理解してもらうことに注力していた製薬企業のクライアントと共に、患者様向けの啓発プロジェクトにも取り組んでいます。このプロジェクトでは、患者様に対して医学的中立性に基づいて病気や治療法の情報を提供し、適切な受診行動に繋げることを目指しています。 2つ目は、患者様から直接感謝の声をいただける機会にやりがいを感じています。例えば、体調が悪くてずっと苦しんでいたが、近くのかかりつけ病院にいっても様子見と診断されていた方がいました。その方が、ユビーのアプリを使って、違う病院に行くと正しい診断・治療を受けることができて感謝されたことがあります。プロジェクトの中でも、患者様に直接インタビューをする機会もあるため、クライアントに留まらず、その先の患者様に価値貢献を実感できていることはやりがいにつながっています。 このように、製薬企業・一般患者様の両方をクライアントとして事業を営んでいることがUbieの特徴だと思っています。これにより、製薬企業の営利追及に偏ることなく、患者様を中心にビジネスを行う「Patient Centricity(ペイシェントセントリシティ)」を実感しながらビジネスに従事することができます。
──安森様についても、Ubieに転職されてやりがいを感じた瞬間があれば教えてください
安森氏私も患者様から直接価値を感じていただけることにはやりがいを感じています。例えば、近くのかかりつけ病院に行っても風邪と診断されたものの、咳の症状が止まらなかった患者様がいました。その際に、ユビーのアプリで疾患に関しての情報収集を行ったところ、自身の症状が喘息かもしれないということに気付き、別の病院で医師から適切な診断を受け、治療することができた事例がありました。このように、本当に困っている人に対して、ちゃんとした医療を提供できているというのは魅力だと感じています。
参考:症状検索エンジン「ユビー」ご利用者様の声 Youtube動画 https://www.youtube.com/watch?v=_-w-VoD7K-U
ワークライフバランスのコントロールとオープンな議論が推奨される環境で、社会貢献にコミットできる
──Ubieの働く環境としての魅力について教えてください
田中氏圧倒的にワークライフバランスが改善しました。総労働時間が減っていることに加えて、私の場合は、7:00-8:30と18:00-21:00は家庭の時間としてカレンダー上ブロックしておりミーティングはもちろん、連絡もとれないという前提で社内に周知しています。Ubieは従業員の子育て率が50%以上と働くパパ・ママが多く、家庭の時間も大切にしながら働きやすい環境が整っています。 また、Ubieでは全社員を対象に退職後の権利保有・行使も可能なストックオプション制度「U-win」が整備されています。スタートアップとして報酬のアップサイドが期待できることも魅力的な環境ではないでしょうか。
──Ubieのカルチャー面での魅力について教えてください
安森氏Ubieはホラクラシーという階層のない組織形態をとっていることもあり、フラットで非常に仕事がしやすい環境です。また、わからないことはわからないと言える雰囲気も魅力的です。例えば、Slackにも“そぼぎ(素朴な疑問)”というチャンネルがあり、ふと疑問に思ったことは質問しやすい環境が整っています。
田中氏オープンに議論するカルチャーは魅力的だと考えています。例えば、自分が携わっている案件でなくても少しクライアントや患者様のために良くなると思ったことについては、他の案件に意見し、場合によっては手も出して一緒にやっていくことを歓迎する文化があります。slackでも基本的にプライベートチャンネルは作成されず、自分が携わっていない案件もオープンに見ることが可能です。
──お二人の今後の展望について教えてください
安森氏クライアントのことを深く理解し、議論をリードできるようになっていきたいです。現在プロジェクトを共にしているディレクターの方は、クライアントの業務を深く理解しており、その理解を踏まえた仮説の立案・検証が非常に上手です。そういったロールモデルに近づいていけるように頑張っていきたいと考えています。
田中氏コンサルティングファーム時代はクライアントの戦略立案を担当していましたが、現在は事業会社で自身の手で事業を推進することを経験できています。目の前の案件を確実に成功させることはもちろん、ベンチャー企業として世の中に新たな価値・事業をつくって届けていくことにコミットしていきたいと考えています。
──Ubieでどのような方と一緒に働きたいですか
田中氏弊社は、自分だけが活躍したい、評価されたいという思考を持つ方には向いていません。自分と組織が社会に貢献するために仕事を行っていきたいという熱い思いを持つ方と一緒に働きたいです。
安森氏現在、ベンチャーとしてチャレンジをしているフェーズであるため、何か決まった業務をやればいいだけではありません。ミッションを実現するために、一人一人が裁量と責任を大きく持って取り組んでいます。そのため、自分から率先して動くことができる方がフィットすると考えています。仮に失敗したとしても、周りのメンバーが助けてくれる環境があります。自分で挑戦することができる方であれば、フィットすると思います。
──最後に、転職を考えている方に向けてメッセージをお願いします
田中氏社会貢献は行いたいが、自分の時間の100%を仕事だけに注ぐことは難しい、という方にとって非常に魅力的な環境だと思います。私はコンサル時代に休日を犠牲にするほど仕事に没頭していた時期もありましたが、娘が生まれたことでその働き方が自分にとっての幸せではないと感じるようになりました。一方で、仕事を通じた社会貢献の機会や、自分としてのやりがいを求めたいという想いもありました。そこで、Ubieと出会い、家族を優先しつつ、仕事も意義あることができています。コンサルディングファームで勤務している方には同じような思いを持つ方もいると思いますので、ぜひ一度お話を聞いていただけると嬉しいです。
安森氏私自身、コンサルティングファームでの若手時代は、タスクの一部を任されることが多く、クライアントの役に立っているのかが見えづらいと感じることもありました。Ubieに参画後は、自分の仕事が製薬企業や患者様に貢献できていることが実感でき、それが仕事へのモチベーションにもつながっています。そういった環境に興味を少しでもお持ちいただける方は、ぜひ一緒に働きたいです。
──ありがとうございました