コンサルが独立して成功するには?メリット・デメリットと合わせて解説
2025年05月15日更新
コンサル経験を活かして独立したいけれど、成功できるか不安…そんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、独立後の選択肢であるフリーランスと起業家の違いから、それぞれのメリット・デメリット、年収相場、成功する人の特徴、そして独立前に準備すべきことまで具体的に解説します。
あなたの独立を成功に導くヒントが満載です。
ぜひ最後まで読んでいただき、今後の方向性を決める参考にしてください!
目次
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コンサルが独立した後の選択肢
コンサルタントとしての経験を活かし、独立を考える際、大きく分けて二つの魅力的なキャリアパスがあります。
一つは、組織に縛られず自身の専門知識で勝負する「フリーランスコンサルタント」。
もう一つは、新たな価値を創造し事業を興す「起業家」です。その実態と選択のポイントを詳しく解説します。
フリーランスコンサルタント
フリーランスコンサルタントは、特定の組織に属さず独立した立場で活動する専門家を指します。 多くの場合、コンサルティングファームで培った専門知識や経験を活かし、個人としてクライアント企業にコンサルティングサービスを提供します。
この働き方を選択する際、まず個人事業主として開業するケースが一般的です。
税務署への届け出により比較的容易に事業を開始できますが、事業の成長や社会的信用の観点から株式会社や合同会社といった法人を設立する道もあります。
法人化は設立や維持に手間とコストがかかるものの、対外的な信用度向上や節税面でのメリットが期待できます。
いずれの形態であっても、自身が事業主体としてクライアントと直接契約を結び、プロジェクトを推進していくことになります。
フリーランスコンサルタントの大きな魅力は、企業に雇用される場合と比較して働き方や報酬における自由度が格段に高い点にあります。
自身の専門性や興味に応じて請け負うプロジェクトを自由に選択でき、特定の業界やテーマに特化することも可能です。
また、働く時間や場所についても、プロジェクトの許容範囲内で柔軟に決めることができ、自宅やコワーキングスペースでのリモートワークや、プロジェクト間の長期休暇取得なども実現しやすくなります。
報酬面でも、自身のスキルや市場価値に基づいて単価を設定し、直接クライアントと交渉するため、実力次第では企業勤務時代を上回る収入を得ることも不可能ではありません。
しかしながら、こうした自由と引き換えに、全ての責任を自身で負う覚悟も必要です。最も重要な課題の一つが、継続的な案件獲得です。
フリーランスは自ら人脈をたどったり、エージェントを活用したり、あるいは直接営業活動を行ったりして、能動的に仕事を見つけ続けなければなりません。これにはコンサルティング能力とは別の、営業力や交渉力が求められます。
さらに、日々の業務にはコンサルティング活動だけでなく、請求書の発行や入金管理、経費の記録、契約書の確認といった事務作業が伴います。
そして、年に一度の確定申告をはじめとする税務処理も自身で行うか、費用をかけて税理士に依頼する必要があります。個人事業主であれば国民健康保険や国民年金、法人であれば社会保険の手続きや支払いも自己責任となります。
起業家
コンサルタント独立のキャリアパスとして、「起業家」という選択肢もあります。自らが主体となって新しい事業や独自のサービスを構想し、それを実現するための組織を創り上げ、経営の全責任を負うという挑戦的な道です。
これまでのコンサルタントとしての経験は、起業において非常に価値ある基盤となります。
多様な企業の課題解決を通じて培われた高度な分析力、論理的な思考に基づいた問題解決能力、そして複雑な計画を管理・実行する能力は、会社経営に活かすことができます。
しかし、外部から助言を行うコンサルタントと異なり、起業家は事業の内部当事者として、最終的な実行責任まで負う立場です。
ゼロから具体的な価値を創造し、それを市場に根付かせるプロセスは、コンサルティング業務とは質の異なる困難さと、それに伴う深いやりがいがあります。
そして起業家という道には、大きな成功の可能性がある一方で、無視できないリスクも存在します。事業を軌道に乗せるためには膨大な時間と労力の投入が求められ、プライベートを犠牲にすることも少なくありません。投じた資金を失うリスクもあります。
経営判断に伴う重圧や、常に変化する市場環境、資金繰りへの不安といった精神的な負担もあるでしょう。
しかし、これらの困難や危険性を乗り越え、事業を成功へと導いた際には、非常に大きなリターンが期待できます。
雇用されている場合には得られない規模の報酬を得る可能性があるだけでなく、自らのアイデアや情熱を形にし、社会に貢献できたという充実感や達成感は何物にも代えがたいものです。
また、自身の裁量で事業の方向性や働き方を決められる自由度の高さや、創造性を存分に発揮できる環境も大きな魅力と言えるでしょう。
コンサルが独立した時の年収相場
フリーランスのコンサルタントとして独立した場合の年収相場について、主に案件の報酬を基に記載します。
なお、起業した場合の収入については、事業規模により変動が大きいため除外しています。
フリーランスコンサルタントの年収は、多くの場合、月額の案件報酬をベースに考えられます。
- 年収の算出方法:年収の目安は、基本的に「1ヶ月あたりの報酬額 × 12ヶ月」で算出されます。これは、年間を通じてコンスタントに案件を獲得し、稼働することを前提とした計算です。
- 月額報酬の目安:案件の種類やコンサルタントの専門性・経験によって報酬は大きく異なります。例えば、戦略コンサルタントのような専門性が高い分野では、月額100万円からの案件もザラに存在します。他の分野(例:業務改善、IT関連など)でも、経験やスキルに応じて高い報酬が設定される傾向にあります。
- 年収のポテンシャル:上記の月額報酬に基づくと、例えば月額100万円の案件を継続できれば、年収は1200万円(100万円 × 12ヶ月)となります。
このため、フリーランスのコンサルタントとして独立した場合、年収1000万円は軽く超えることが現実的な目標となり得ます。
さらに、高単価な案件を継続的に受注したり、複数のプロジェクトを効果的にマネジメントしたりすることで、年収2000万円以上を目指すことも可能な範囲です。
留意点としては、これまでに示した年収額は、あくまで案件が途切れず年間を通じて高い稼働率を維持できた場合の目安であり、営業活動期間や待機期間が発生すると実際の年収は変動します。
また、報酬額そのものも、個々のコンサルタントが持つスキル、経験、専門分野、そして交渉力によって大きく左右されることを理解しておく必要があります。
とはいえ、フリーランスのコンサルタントという働き方は、自身の能力と市場価値が報酬に直結しやすく、それに応じて高い収入を得られる可能性があると言えるでしょう。
コンサルが独立するメリットとデメリット
フリーランスコンサルタントとしての独立は、働き方の自由度や収入アップの可能性といった魅力的なメリットがある一方で、見過ごせないデメリットも存在します。
ここでは、コンサルが独立するメリットとデメリットを具体的に解説します。
コンサルが独立するメリット
フリーランスコンサルタントへの転身は、いくつかのメリットがあります。
働く場所や仕事内容を自分で選び、社内業務に煩わされず専門性を追求できること。
そして、ライフスタイルに合わせて稼働量を柔軟に調整でき、実力と成果が収入に直結しやすいため、会社員時代以上の年収を得るチャンスも広がります。
独立がもたらす具体的なメリットを詳しくご紹介します。
働く環境・業務内容を自由に選べる
独立することで、どのような環境で働くか、どのようなクライアントと、どのようなテーマの仕事をするかを自分で選べるようになります。
働く場所については、自宅やコワーキングスペース、カフェなど、自身が最も生産性を高められると感じる環境を自由に選択でき、日々の通勤ストレスからも解放されます。
また、業務内容に関しても、自身の専門性や興味関心に強く合致したプロジェクトを選んで受注することが可能です。
ファームに所属していると、組織の方針やアサイン状況により、必ずしも希望しない業務を担当することもありますが、独立すればそうした制約は大幅に軽減されます。
会社員として働いていると、クライアントワークに加えて、部下の育成や指導、人事評価、定例の社内会議などといった、コンサルティング以外の様々な業務もこなす必要があります。
独立を選択することで、これらのマネジメント業務や組織運営に関連する業務から解放され、純粋にコンサルティング業務そのものに集中するための時間をより多く確保できるようになります。
稼働量を自分で決められる
独立後はどの仕事を、どの程度の時間や労力をかけて請け負うかを自分で管理することが可能になります。
例えば、一つの大きなプロジェクトに深く関わることも、複数の異なる案件を組み合わせて担当することも自由です。
実際に、独立した専門家向けの仕事を探す際には、契約の初期段階から稼働率を抑えた条件、例えば通常の八割程度の稼働時間(80%稼働など)を前提とする案件も多く見られます。
これにより、自身の健康状態やプライベートな活動との調和を図りながら、無理のない範囲で仕事量をコントロールすることが現実的になるのです。
この柔軟性は、特に出産や育児、家族の介護といった家庭の事情により、働く時間に制約が生じている方々にとって、非常に大きな魅力となるでしょう。
例えば、「日中は家庭の用事を優先し、早朝や夜間に集中して作業する」、あるいは「子供が学校や保育園に行っている時間帯を中心に働く」といった、個々の生活リズムに合わせた働き方を、顧客との合意形成を通じて実現しやすくなります。
これは会社勤めではなかなか難しい、個人のライフステージに密着した働き方と言えます。
正社員よりも年収がアップする
コンサルティングファームに所属している場合、昇進や昇給は個人の能力や成果だけでなく、社内のポジションの空き状況や評価制度、会社の業績といった様々な要因に左右されることがあります。
どれだけ高いスキルを持っていても、タイミングや組織の都合によっては、希望通りの昇進や年収アップが実現しないケースが考えられます。
一方、独立したコンサルタントは、自身のスキルや経験を直接市場価値に反映させることができます。
案件を獲得し、そこで高いパフォーマンスを発揮してクライアントの期待を超える成果を出すことができれば、それが直接的な評価、すなわち報酬へと繋がります。
クライアントからの信頼を継続的に獲得し、高い評価を得続けることで、より単価の高い案件を獲得したり、長期的な契約を結んだりすることが可能となり、結果として年収の大幅なアップを目指すことができます。
社内政治やポジションの空きといった外的要因に左右されにくく、自身の努力と成果が収入に直結しやすい点は、独立の大きな魅力と言えるでしょう。
コンサルが独立するデメリット
フリーランスコンサルタントとしての独立は魅力的な選択肢ですが、見過ごせないデメリットも存在します。
常に案件を獲得し続けるための営業活動、病気や景気変動による収入の不安定さ、社会的信用の問題、確定申告などの煩雑な事務負担、そして業務上の課題を相談できる相手がいない孤独感など、会社員時代にはなかった困難が伴います。
独立を成功させるためには、これらの課題を事前に理解し、備えておくことが不可欠です。
案件を獲得し続けるための営業活動が必要
コンサルタントとして独立する際に直面するデメリットの一つは、案件を獲得し続けるための営業活動が常に必要になるという点です。
通常、コンサルティングファームなどの組織では、会社自体が営業活動を通じて案件を獲得してくるため、個々のコンサルタントが自ら積極的に案件を探し回る必要はほとんどありません。
主に割り当てられたプロジェクト業務に専念できる環境が整っています。
しかし、フリーランスとして独立すると、このような組織の後ろ盾はなくなり、自身の事業を維持し収入を得るためには、プロジェクトが途切れないよう、常に自らの力で能動的に案件を探し、交渉し、獲得し続けなければなりません。
ですが、一度契約したクライアントに対して質の高いサービスを提供し、期待される成果を出すことで、同じクライアントから継続的に次の案件を依頼されたり、関連する別の仕事を紹介されたりする可能性が高まります。
近年では、フリーランスコンサルタント向けの案件紹介を専門とするエージェントサービスや、多種多様なプロジェクト情報が集まるオンラインのマッチングサイトも充実しています。
しかしながら、これらの外部サービスを利用するにしても、最終的には自身の能力や経験を効果的に伝え、他の多くの候補者の中から選ばれるための自己アピールが欠かせません。
稼働ができない時の保障がない
企業に勤める会社員であれば、体調不良などで休む場合でも有給休暇制度によって収入が守られ、担当している業務も他のプロジェクトメンバーが一時的に代行することが可能ですが、フリーランスのコンサルタントにはそうした制度的な支えがありません。
自身が病気や怪我で稼働できなくなれば、それは直接収入の途絶を意味し、「休む=収入ゼロ」という厳しい現実に直面します。
代わりの人材を自身で確保できない限り、契約上の責任を果たせないだけでなく、収入が途絶えるリスクを負うことになります。
さらに、フリーランスコンサルタントの立場は景気変動の影響を非常に受けやすく、経済状況が悪化し企業がコスト削減に動く際には、外部委託費、特に比較的高額となりがちなコンサルティング費用が削減対象となりやすい傾向があります。
正社員の雇用維持が優先される中で、フリーランスは契約終了や非更新といった形で、真っ先に影響を受けるリスクに晒されやすくなります。
このように、個人の健康問題による稼働不能リスクと、経済状況の悪化による案件減少リスクという二つの側面から、独立コンサルタントは収入が不安定になり、時には急激に減少する可能性を抱えています。
社会的信用が低い
企業やコンサルティングファームといった組織に所属している場合と比較すると、個人で活動するコンサルタントの社会的信用はどうしても低く見られがちです。
クライアントからの信頼を勝ち取るためには、所属組織の看板に頼ることはできません。自身の専門知識、スキル、そして具体的な成果といった実力そのもので、相手に価値を認めさせることが絶対的に必要となります。
さらに、社会的信用の低さは、業務上の関係構築に限らず、個人の生活面にも影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、住宅ローンを組む際や賃貸物件の契約時などにおいて、安定した組織に属する会社員と比較して審査が通りにくくなる傾向があります。
したがって、もし将来的に住宅ローンなどの予定があるのであれば、社会的信用が相対的に高いとされる組織に所属している間に、手続きを完了させておくことが必要となるでしょう。
確定申告などの事務作業をする必要がある
会社員時代には会社が対応してくれていた事務作業を、すべて自分自身で管理・実行する必要が生じます。
具体的には、年に一度の確定申告が代表的ですが、それ以外にも国民健康保険や国民年金といった社会保険関連の手続き、日々の活動にかかる経費の精算や記帳、そしてクライアントへの請求書発行や入金確認といった、多岐にわたる煩雑な作業をこなさなければなりません。
これらの事務負担を軽減するために、税理士や記帳代行サービスなどを利用して一部または大部分を外部に委託するという選択肢もあります。
しかし、たとえ専門家に外注する場合であっても、完全に任せきりにできるわけではありません。どのような処理が行われているのかを理解し、適切に管理・判断するためには、税務や経理に関する最低限の知識を身につけておくことが不可欠となります。
業務について相談できる相手がいない
コンサルティングファームに所属していれば、同じ案件を担当しているチームメンバーに相談を持ちかけたり、社内にいる特定の分野の専門家からアドバイスを求めたりするなど、行き詰まった際に周囲からの助力を得やすい環境があります。
しかし、フリーランスとして活動する場合、このような組織的なサポート体制は利用できなくなるため、基本的に自身の知識や経験、問題解決能力を頼りに、あらゆる課題を乗り越えていく必要があります。
この課題に対処するためには、独立前から意識的に人脈を構築しておくことが重要です。
具体的には、以前所属していたファームの元同僚や上司との良好な関係を維持したり、同じようにフリーランスコンサルタントとして活躍している人々と積極的に交流したりすることで、いざという時に相談できる相手や、自身のメンターとなり得る人物を見つけておくことといいでしょう。
コンサルから独立して成功する人の特徴
独立したコンサルタントとして成功を収めるには、専門知識だけでは不十分です。会社組織の後ろ盾なく、自らの力で道を切り拓くためには、特有の能力や心構えが不可欠となります。
「自己管理能力」「案件の見極め」「コミュニケーション能力」「向上心」という4つの資質について、その理由とともに詳しく解説していきます。
自己管理ができる
会社組織から独立するということは、これまで分業されていた可能性のある業務の全てを基本的に一人で担うことを意味します。
具体的には、新規顧客を獲得するための営業活動から始まり、契約条件の交渉と締結手続き、そしてコンサルティング業務の遂行、さらには業務完了後の請求書発行と入金確認に至るまで、多岐にわたるタスクを全て自身で管理し、それぞれの期限を厳守して完了させる必要があります。
コンサルタントとしての実力だけでなく、契約手続きや請求書対応といった事務作業も含めた、包括的な自己管理能力が不可欠となります。
会社員時代とは異なり、業務の進捗状況を確認したり、定期的なフィードバックを与えたりする上司や同僚は存在しないこともあり、しっかりした自己管理能力は必須といえるでしょう。
取引先をしっかり見極められる
独立直後は安定した収入への不安から、つい報酬額の高さだけで判断してしまったり、継続案件がないことを恐れて依頼された仕事を安易に引き受けてしまったりすることがあります。
しかし、そのような判断基準だけで仕事を選び続けると、自身の専門性や価値観と合わない業務、あるいは過大な要求を伴うプロジェクトに関わることになり、結果的に心身ともに疲弊してしまうリスクがあります。
提示される報酬額や契約条件といった表面的な情報だけでなく、業務内容の詳細、求められる成果物のレベル、プロジェクトの期間など慎重に吟味して、案件を選択する姿勢が不可欠です。
目先の利益や状況に流されることなく、多角的な視点から案件の本質を見抜き、自身にとって最適な選択を行っていく必要があります。
コミュニケーションスキルが高い人
独立したコンサルタントは、組織の後ろ盾なく、自身の能力と信用でビジネスを築き上げていく必要があるため、コミュニケーション能力が重要な役割を占めます。
具体的には、まずクライアントとの折衝において、単に良好な関係を築くだけでなく、クライアントが抱える課題の深層を正確に理解し、本質的なニーズを的確に引き出すための高度なヒアリング能力と洞察力が求められます。
次に、新規クライアントを獲得するための営業活動においても、コミュニケーションスキルが必要です。自身の専門性や提供価値を明確かつ魅力的に伝え、潜在的なクライアントの関心を引きつけなければなりません。
さらに、相手の状況や課題を的確に把握し、それに対して自身のサービスがどのように貢献できるのかを具体的に示すことで、信頼を獲得し、継続的な関係性構築に役立ちます。
そして、契約交渉の場面では、提示された条件に対して、自身の価値や提供するサービス内容に見合った対価を主張し、合意形成を図る必要があります。
単に自社の要求を押し通すのではなく、クライアントの予算や状況も考慮に入れながら、双方にとって納得のいく着地点を見出すための交渉力が不可欠です。
こうして独立したコンサルタントは、多くの面でコミュニケーションスキルが求められるでしょう。
向上心がある
企業に所属している間は、定期的な評価や面談などを通じて上司から自身の業務に対するフィードバックを得る機会が設けられています。
しかし、一度フリーランスとして活動を始めると、そうした外部からの客観的な評価や指摘を受ける機会は基本的に失われます。
フリーランスのコンサルタントは、他者からの評価に頼ることなく、自らの仕事ぶりを客観的に評価し、改善点を見つけ出す自己分析能力が不可欠です。
もちろん、独立当初や特定のプロジェクトにおいては、これまでの経験やスキルだけで十分に対応できる場面もあるでしょう。
そのため、日々の自己研鑽を怠ったとしても、短期的に見れば大きな問題として表面化しないかもしれません。
しかし、中長期的な視点で見ると、状況は大きく異なります。市場は常に変化し、クライアントの要求も進化していきます。
向上心を失い、自己研鑽を止めてしまえば、自身の知識やスキルは陳腐化し、結果としてコンサルタントとしての市場価値は徐々に低下していくことになります。
したがって、フリーランスのコンサルタントとして長期的に活躍し続けるためには、現状に満足することなく、向上心を持ち、学び続ける姿勢が不可欠なのです。
コンサルから独立するときに準備しておくこと
独立する理由を明確にする
コンサルタントとしてのキャリアから独立を考える際、その第一歩として、なぜ独立するのかという理由を徹底的に明確化しておくことが重要です。
まずは、ご自身の内面と向き合う自己分析を行い、独立を通じて何を達成したいのか、どのような将来像を描いているのかという具体的な目標設定をすることが不可欠となります。
独立の目的と達成したい目標が明確になることで、独立後にどのような種類の仕事を引き受けていくのか、どのようなクライアントをターゲットとするのかといった事業の方向性を定める指針となります。
目的意識が曖昧なままでは、逆境において心が折れてしまい、せっかく始めた独立の道を諦めてしまうことにも繋がりかねません。
明確な目的意識は、厳しい状況に立たされたときの精神的なよりどころにもなります。
「なぜ自分はこの道を選んだのか」「何を成し遂げたかったのか」という確固たる理由を明確にすることで、困難を乗り越えるための精神的な支柱にすることができるでしょう。
スキル・経験をしっかり積んでおく
コンサルタントとして独立する際に、スキルと経験をしっかりと積んでおくことは重要です。
フリーランスのコンサルタントが評価されるのは、所属していた企業の名前や規模ではなく、純粋にその個人の持つコンサルタントとしての実力だからです。
独立する前の準備期間においては、何よりもまずコンサルタントとしての実力を徹底的に磨き上げ、多様な案件を通じて経験を積み重ねることに注力すべきです。
具体的には、課題発見、分析、戦略立案、実行支援、関係者とのコミュニケーションといった一連のコンサルティングプロセスにおいて、高いレベルで価値を提供できる能力を身につけておく必要があります。
もし独立後に手がけたい案件の分野やテーマ、業界などの方向性がある程度定まっているのであれば、その特定の領域に特化して専門性を深め、関連する実績を意識的に増やしておくことも必要です。
特定の分野における深い知見と経験は、独立後の自身の強みとなり、他のコンサルタントとの差別化を図る上で大きな助けとなるでしょう。
案件をもらえるような人脈形成をしておく
コンサルタントとして独立を考える際、将来の案件獲得に向けた人脈形成は重要な準備となります。独立後は、どのようにして安定的に案件を獲得するかが事業継続の鍵を握るため、事前の仕込みが欠かせません。
具体的な準備として、まず、自身の周囲で既に独立を果たしているコンサルタントがいるのであれば、積極的に連絡を取ることが有効です。
独立後のリアルな状況、特に案件獲得の具体的な方法や苦労、成功の秘訣などを直接聞くことで、自身の準備に活かせる学びがあるでしょう。
こうした交流を通じて、将来的に案件を紹介してもらえたり、協業の機会が生まれたりする可能性もあります。
さらに、現在所属しているコンサルティングファームとの関係性も重要です。良好な関係を保ったまま退職することで、独立後も元同僚や上司との繋がりを維持しやすくなります。
将来的には、古巣のファームから案件の紹介を受けたり、逆に自身のサービスを提供したりといった協力関係が生まれる可能性も考えられます。
そのためにも、在籍中から強固な人脈形成は必要不可欠です。
コンサルから独立した事例
マイビジョンのコンサルタントで、コンサルファーム出身から独立起業したコンサルタントを紹介します。
・岡﨑 健斗 麻布高校・東京大学を卒業後、戦略コンサルティングファームのBCG(ボストンコンサルティンググループ)に入社。BCG卒業後は、モビリティ領域のスタートアップ企業に参画し、執行役員として事業グロース全般を管掌。その後、IT企業を自ら起業。ゼロイチの事業立ち上げ・グロースを実現したのち、国内大手損害保険グループに売却。
・北野 雄大 名古屋大学卒業。トヨタ自動車に入社し海外商品企画(中東向け)に従事した後、デロイトトーマツコンサルティングにて、自動車メーカーの事業計画立案や大手サプライヤーの長期商品企画案件を担当。2022年にMyVisionを設立。
まとめ
コンサルタントの独立には、大きく分けてフリーランスと起業家という道があります。 フリーランスは自由な働き方と高収入が魅力ですが、継続的な案件獲得や事務作業、収入の不安定さが課題となります。
起業は大きなリターンが期待できる一方、高いリスクと負担を伴います。成功には自己管理能力、案件の見極め、コミュニケーション能力、向上心が重要です。
コンサルタントになりたい人、すでにコンサルタントの人も、この記事を参考に自分を見つめ直し、今後の方向性を定めてくれればと思います。
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