FASはやめとけと言われる理由は?業務内容・向いている人とあわせて転職事例を解説
2025年04月17日更新
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)への転職は、高収入や専門性、やりがいを求める方にとって魅力的な選択肢です。しかし、「FASはやめとけ」という声も耳にし、その実態が気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、FASの業務内容、M&AコンサルやIBDとの違い、年収、そして「やめとけ」と言われる理由を徹底解説します。
さらに、FASで働くメリット、向いている人、未経験からの転職事例と成功のコツ、おすすめの転職エージェントまで、FAS転職を検討する上で必要な情報を網羅的にご紹介します。
目次
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そもそもFASとは?業務内容など基本情報を解説
FASとは、ファイナンシャル・アドバイザリー・サービスの略で、財務に関するアドバイスやサポートの呼び名です。以下、詳しく解説します。
業務内容
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)は、企業の財務に関わる高度な専門サービスを提供するプロフェッショナル集団です。
代表的な業務として、M&A戦略立案、PMI(M&A後の統合プロセス)、DD(デューデリジェンス)、バリエーション(企業価値評価)、フォレンジック(不正調査)、企業再生支援などがあります。
M&Aの戦略立案
M&A戦略立案はFASの主要な業務であり、クライアント企業の経営戦略や成長戦略を深く理解することから始まります。
M&Aを通じて達成したい目標、例えば新規事業への参入、市場シェアの拡大、コスト削減、技術獲得などを明確にし、その目標達成のためにどのようなM&A戦略が最適かを検討します。
具体的には、完全買収、一部出資、合弁事業設立、事業譲渡など、様々な選択肢のメリット・デメリットを比較し、クライアントの状況やリスク許容度を踏まえて最適な戦略の方向性を定めます。
戦略策定後は、その戦略に合致する買収・提携候補となるターゲット企業を選定します。ターゲット企業の事業内容、財務状況、市場での位置づけ、シナジー効果の見込みなどを多角的に分析し、優先順位をつけて候補企業を絞り込みます。
そして、ターゲット企業の価値を評価します。この企業価値評価は、買収価格の交渉や買収後の統合プロセスにおける意思決定の基礎となります。
PMI(ポストマージャーインテグレーション)
PMI(ポストマージャーインテグレーション)は、M&A成立後に実施される統合プロセスであり、重要なプロセスの一つです。
PMIの主な目的は、M&Aの目的であるシナジー効果、つまり売上増加、コスト削減、技術・ノウハウの共有などを最大化すること。買収後の混乱を最小限に抑え早期に組織や事業を安定させること。そして、これらの目的を達成し結果として企業価値を向上させることです。
PMIの活動は、「組織・人事統合」「業務プロセス統合」「ITシステム統合」「経営管理統合」の領域に分類できます。
組織・人事統合では、新しい組織体制の構築、つまり部門の統合や再配置、役割分担の明確化などを行います。また、報酬体系、評価制度、福利厚生といった人事制度の統一や調整も重要な要素です。
業務プロセス統合においては、両社の業務プロセスを比較・分析し、重複業務の解消や効率化を目指します。業務マニュアルの作成、共通の業務ルールの導入などを通じて、業務の標準化・共通化を図ります。
また、サプライチェーンの最適化も重要な要素です。調達、生産、物流などの見直しを行います。
ITシステム統合では、基幹システムの統合やデータ移行、各部門で使用しているアプリケーションの整理、統合、標準化を行います。また、ネットワーク、サーバー、データセンターなどのITインフラの統合、そしてセキュリティ対策の強化も不可欠です。
経営管理統合の領域では、新しい組織の経営計画や事業計画を策定します。シナジー効果や統合の進捗状況を測定するためのKPI(重要業績評価指標)を設定し、KPIに基づいた進捗管理、問題点の早期発見と対応を行います。
PMIを成功させるためには、M&A成立前からPMIの準備を開始し、M&A成立後速やかに統合プロセスに着手することが重要です。
DD(デューデリジェンス)
FASにおけるDD(デューデリジェンス)とは、対象企業や事業の価値やリスクを詳細に評価・分析するプロセスのことです。デューデリジェンスにはいくつかの種類があり、それぞれ調査対象や目的が異なります。
FASが主に関与するのは、財務・ビジネス・税務のデューデリジェンスです。
財務デューデリジェンスでは、対象企業の収益性や資産状況、キャッシュフローの状況、負債の実態などを把握します。
ビジネスデューデリジェンスでは、対象企業の事業内容、市場環境、競合状況、ビジネスモデル、成長戦略などを分析します。税務デューデリジェンスでは、対象企業の税務申告状況、税務調査の履歴、税務リスクを調査します。
それぞれのデューデリジェンスの結果を踏まえ、買収価格の交渉や契約条件の交渉をサポートし、潜在的なリスクや問題を早期に発見・対策することで、M&Aのリスクを調整します。
さらに、デューデリジェンスを通じて得られた情報はPMIに活用され、統合をスムーズに進めることにも貢献します。
バリエーション(企業価値評価)
バリュエーション(企業価値評価)は、企業の価値を算定する業務です。企業価値評価には、大きく分けて3つのアプローチがあります。
1つ目は、マーケットアプローチです。これは、類似する上場企業の株式市場での評価や、類似のM&A取引における評価額を参考に、対象企業の価値を推定する方法です。
2つ目は、インカムアプローチです。 これは、対象企業が将来生み出すと期待されるキャッシュフローを、適切な割引率で現在価値に割り引いて企業価値を算出する方法です。
3つ目は、コストアプローチです。これは、対象企業の貸借対照表上の純資産を基に企業価値を評価する方法です。
こうしたアプローチを行いFASは、対象企業の特性、評価目的、利用可能な情報などを考慮して、バリエーションを算定します。
フォレンジック
フォレンジックは、直訳すると「法廷の」や「弁論の」という意味であり、法廷での証拠として提出できるレベルの、高い客観性と信頼性が求められる調査・分析を行います。
具体的には、不正会計や横領、情報漏洩、知的財産権侵害などの問題に対し、専門的な知識と技術を駆使して、事実関係の調査をしたり、証拠の収集・分析をしたりします。さらに再発防止策の提言なども行います。
FASがフォレンジックサービスで提供する価値は、専門性、独立性、そして信頼性にあります。会計士、弁護士、IT専門家など、多様な専門家チームが、それぞれの専門知識と経験を活かして、複雑な問題を解決します。
また、独立した第三者の立場から客観的な調査・分析を行うことで、調査結果の信頼性を高めます。さらに、法廷での証拠として提出できるレベルの厳格な調査・分析を行うことで、法的リスクを軽減します。
企業再生支援
企業再生支援は、経営危機に陥った企業に対し、財務、事業の両面から専門的な支援を行い、事業の再生と再建を目指すサービスです。
FASは、企業の状況を迅速かつ正確に把握し、再生計画の策定から実行まで、一貫したサポートを提供することで、企業の持続的な成長を支援します。
初期段階では、企業の財務状況、事業状況、経営環境などを詳細に分析します。財務デューデリジェンスを通じて、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの財務諸表を精査し、実態の債務超過額、資金繰りの状況、収益性などを把握します。
次に、初期調査の結果に基づき、具体的な再生計画を策定します。再生計画には、事業再構築計画、財務再構築計画、組織再編計画などが含まれます。
そして策定した再生計画を着実に実行し、モニタリングを行います。FASは、計画の進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて計画の見直しや追加の施策を提案します。
FASの年収
FASは、M&Aや事業再生など、企業の財務に関わる高度なアドバイスを提供する専門性の高い業務であるため、全般的に高収入が期待できます。
ただし、FASと一口に言っても、所属するファームや個人の経験・能力、担当する案件、さらに賞与や残業代によって、年収は変動します。
FAS各社 年齢別・平均年収(推定)
ファーム名 | 25歳(万円) | 30歳(万円) | 35歳(万円) | 平均年収(万円) |
---|---|---|---|---|
KPMG FAS | 700 | 790 | 1056 | 848 |
PwCアドバイザリー | 608 | 853 | - | 730.5 |
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA) | 670 | 793 | 1051 | 838 |
フロンティア・マネジメント(FMI) | 752 | 939 | 1051 | 914 |
経営共創基盤(IGPI) | 700 | 875 | 1133 | 902 |
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参考 FASの年収・給与 コンサルティングファーム別年収と評価制度|転職サービスのムービン
FASと他職種との違い
ここからは、FASとM&Aコンサル、IBDの違いを解説します。FASはM&Aの財務面に特化、M&Aコンサルは戦略立案から実行まで包括的に支援します。
一方IBDは、資金調達やM&Aを金融市場の専門性からサポート。FASは会計・財務、M&Aコンサルは経営全般、IBDは金融市場の専門家という違いがあります。詳しく見ていきましょう。
M&Aコンサルとの違い
FASは、M&A取引における財務面に特化した専門家という立ち位置に対し、M&Aコンサルは、M&A取引全体の戦略立案から実行までを包括的にサポートする役割を担います。
クライアントの事業戦略を踏まえたM&A戦略の策定、買収・売却候補企業の選定と交渉、契約締結、そしてM&A成立後の統合プロセス(PMI)まで、M&A全体に関与します。
PMIにおいても、FASはあくまで財務面に特化するのに対し、M&Aコンサルは経営戦略、組織再編、ITシステム統合など、より広範囲をカバーします。
そのため、M&Aコンサルには、M&Aに関する幅広い知識、業界動向への深い理解、交渉力、そしてプロジェクト全体を統括するマネジメント能力が求められます。
FASとM&Aコンサルは、M&Aプロジェクトにおいて協働することが一般的です。M&Aコンサルが全体の戦略を描き、FASが財務デューデリジェンスなどの専門的な業務を担当するという形で、互いの強みを活かしてプロジェクトを成功に導きます。
ただし、近年では両者の業務領域が一部重複するケースも見られ、FASが戦略立案に関与したり、M&Aコンサルが財務DDの一部を担うこともあります。
IBDとの違い
IBDは、Investment Banking Divisionの頭文字をとったもので、投資銀行部門のことです。 目的は、企業や政府などの資金調達(株式発行、債券発行など)や、M&Aのサポートを通じて、クライアントの成長や戦略実現を支援することです。
業務としては、企業の株式公開(IPO)や増資をサポートする株式引受業務(ECM)、社債や地方債などの発行を支援する債券引受業務(DCM)、そして企業買収、合併、売却などのM&Aアドバイザリー業務が主な業務です。
FASと同様にM&Aアドバイザリー業務を行うため混同しやすいですが、FASが会計・財務の専門性を軸に企業の課題解決に深く関わる側面が強いです。これに対しIBDは、金融市場の専門性を軸に資金調達やM&Aを組成・実行するという違いがあります。
FAS業界の企業
日本の主要なFAS企業と、その公式サイトのリンクを載せます。企業選びの参考にしてみてください。
企業名 | 公式サイト |
---|---|
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 | https://www2.deloitte.com/jp/ja/careers/dtfa.html |
PwCアドバイザリー合同会社 | https://www.pwc.com/jp/ja/careers/advisory/mid-career.html |
株式会社KPMG FAS | https://recruit.kpmg-fas.jp/ |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 | https://www.eysc.jp/recruit/ |
山田コンサルティンググループ株式会社 | https://www.yamada-cg.co.jp/careers/new-recruit/ |
フロンティア・マネジメント株式会社 | https://www.frontier-mgmt-recruit.com/ |
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FASはやめとけと言われる理由
FASは、高い専門性とやりがいがある一方で、「やめとけ」と言われることもあります。その主な理由は、労働時間の長さ、求められるスキルの高さ、そして責任とプレッシャーの大きさにあります。詳しく見ていきましょう。
労働時間が長いから
FASの業務は、多くの場合プロジェクト単位で進められます。例えばM&Aアドバイザリーであれば、買収や売却の検討段階から交渉、契約締結、その後の統合プロセスまで、各段階に明確な納期が設定されています。
これらのプロジェクトは、クライアントにとって極めて重要度の高い案件であり、その成否が企業の将来を左右することも少なくありません。
そのため、プロジェクトの進行中は、締め切りに向けて集中的に業務に取り組む必要があり、結果として労働時間が長くなる傾向があります 。
プロジェクトの進捗状況によっては、休暇中にクライアントからの急な要請に対応する必要が生じることもあります 。
また、プロジェクトの遅延が発生した場合や、予期せぬ問題が発生した場合には、納期を守るために長時間労働を余儀なくされることもあります 。このように、FASの業務は、その性質上、時間的な拘束が長くなる傾向にあると言えるでしょう。
求められるスキルが高いから
FASの業務は、絡んでいる金銭が多額なことが多いため、それ相応のスキルが求められます。
例えば企業価値評価や財務分析においては、わずかなミスが数億円、あるいは数百億円単位の損失につながる可能性もあるため、細部にまで注意を払い、徹底的に精査する必要があります 。
そして、作成する報告書や分析資料は、企業の重要な意思決定の情報となるため、その質には極めて高い水準が求められます 。
財務分析、企業価値評価、デューデリジェンス報告書など、扱う情報の種類は多岐にわたりますが、いずれも正確性、網羅性、そして洞察力が不可欠です。
数値の計算はもちろんのこと、その背景にある経済状況や市場動向、さらには企業のビジネスモデルまで深く理解した上で、客観的かつ説得力のある結論を導き出すことが求められます。こうしてFASは、ハイレベルなスキルが求められます。
さらにFASは、そのレベルを維持するため、常に最新の金融知識や業界動向を習得し続ける必要があります。金融市場や関連法規は常に変化しており、クライアントに質の高いアドバイスを提供するためには、自己研鑽を怠ることはできません。
また、テクノロジーの進化に伴い、データ分析やAIに関する知識も重要性を増しています。これらの幅広い知識を常にアップデートしていくためには、相当な時間と労力を投資する必要があります。
責任・プレッシャーが大きいから
FASの業務は、企業の存続や成長に大きく影響を与える重要な局面に関わることが多く、その責任とプレッシャーは非常に大きいと言えます 。M&Aや事業再生、IPO支援など、クライアント企業の経営にとって極めて重要な意思決定に関与します 。
M&Aにおいては、買収や合併の成否が企業の将来を大きく左右しますし、事業再生においては、企業の存続そのものがかかっている場合もあります 。IPO支援においては、企業の資金調達や成長戦略の実現に貢献します。
このように、FASの業務は、クライアント企業の根幹に関わるものが多く、その責任の重さを常に意識しながら業務に取り組む必要があります。自身の分析やアドバイスが、企業の命運を左右する可能性があるというプレッシャーは、決して軽いものではありません 。
FASに向いてる人
体力・精神的にタフな人
FASは、企業のM&Aや事業再生など、高度な専門知識と高いプレッシャーの中で業務を遂行する仕事です。そのため、「体力・精神的にタフな人」が向いていると言えます。
体力面では、先に説明した通り労働時間が長い傾向にあるため、それに耐えられることが重要です。
また、プロジェクトの状況次第では食事や睡眠時間が不規則になることもあり、そうした状況でも体調を崩さず、パフォーマンスを維持することも求められます。
さらにプロジェクト次第では、クライアント先への出張も考えられるため、移動による疲労にも対応できる体力が必要不可欠です。
精神面においては、まず何よりもプレッシャー耐性が重要です。M&Aなどの案件は金額が大きく、企業の将来を左右する重要な取引であるため、常に高いプレッシャーの中で冷静に判断し、行動する精神力が求められます。
厳しい納期、クライアントからの要求、社内外との調整など、ストレスを感じる場面は多岐にわたりますが、それらをうまくコントロールし、前向きに業務に取り組む力も必要です。
こうした体力面・精神面でのプレッシャーに耐えられるなら、FASという業務を検討してもいいでしょう。
専門性を身に付けたい人
FASは、高度な専門性を身につけたい人にとって、非常に魅力的なキャリアパスです。なぜならFASの業務は、財務、会計、税務、法務などに関する深い知識と高度なスキルが求められるためです。
例えば、M&Aのデューデリジェンスでは、対象企業の財務諸表を詳細に分析し、潜在的なリスクや価値向上の可能性を評価します。この過程で、会計基準や税法に関する深い理解、企業価値評価の手法に関する専門知識が必要となります。
事業再生の場面では、企業の財務状況を改善し、再建計画を策定・実行するために、財務分析能力に加えて、事業戦略、組織再編、資金調達に関する知識も求められます。
FASの業務を通じて、これらの専門知識やスキルを実践的に習得することができます。
規模が大きな仕事をしたい人
FASは、規模の大きな仕事に携わりたい人にとって、非常に魅力的な選択肢です。なぜならFASが扱う案件は、企業のM&A、事業再生、大規模な資金調達など、経済や社会に大きなインパクトを与えるものが多くあるからです。
例えば、M&Aの案件では、数百億円、数千億円規模の取引に関わることも珍しくありません。このような大規模な取引は、企業の成長戦略や業界再編に大きな影響を与え、新聞やニュースで大きく報道されることもあります。
また、事業再生の案件では、経営危機に陥った企業を再建し、事業継続や雇用の維持に貢献することで、地域経済や社会全体に貢献することができます。
FASの仕事は、単に数字を扱うだけでなく、企業の経営戦略や将来のビジョンに関わる重要な意思決定をサポートする役割を担います。そのため、自分の仕事が企業や社会に与える影響を肌で感じることができ、大きな達成感や、やりがいを得ることができるでしょう。
高い年収を稼ぎたい人
ここまで書いてきた通りFASは、ハイレベルなパフォーマンスが求められるため、その対価として一般的に高い年収で知られています。稼ぎたい人にとっては、魅力的な選択肢の一つです。下記はイメージです。
職位や役職 | 給与(万円) |
---|---|
アナリスト | 600 - 900 |
アソシエイト | 900 - 1,200 |
VP / マネジャー | 1,200 - 1,500 |
シニアVP / シニアマネジャー | 1,500 - 2,200 |
ディレクター / パートナー | 3,000 - 6,000 |
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USCPAが活躍するFASのM&A業務、その実態は?その2 職場環境編
言うまでもありませんが高い年収は、あくまで結果としてついてくるものであり、FASの仕事は決して楽ではありません。
長時間労働やプレッシャーの大きい環境で、常に高いパフォーマンスを求められます。高い年収を得るためには、それに見合うだけの努力と覚悟が必要です。
FASは、高い年収を目標とするだけでなく、専門性を高め、企業の成長や社会貢献に貢献したいという強い意欲を持つ人にとって、やりがいと報酬の両方を得られる魅力的なキャリアパスと言えるでしょう。
未経験からFASに転職した事例
メガバンクでの法人営業経験を持つ二人の転職事例を紹介します。一人目は、裁量と成長を求め、中小企業支援への情熱を胸にFASへ。二人目は、経営課題への深い関与と自己成長を追求し、事業再編に強みを持つFASへ。詳しく見ていきましょう。
事例①メガバンク営業からFASへ
転職先として選んだのはコンサルティング業界(FAS)です。ビジネス誌に掲載されていた元銀行員のコンサルタント転職成功事例の記事がきっかけとなり、コンサルティング業界、特にファイナンスの知識を活かしつつ中堅・中小企業支援をメインにできるFASに興味を持ちました。
転職理由は、主に3点ありました。
1点目は、裁量が少なく年功序列といった旧態依然とした社内文化への違和感です。
2点目は、銀行内でしか通用しない人材になることへの懸念から来る、自身の成長スピードに対する危機感です。
3点目は、変わらず持ち続けていた中小企業支援への思いです。これらの理由から、より自身の意見が反映され、成長できる環境で中小企業支援に携わりたいと考え、転職を決意しました。
転職活動においては、MyVisionを含め2社のエージェントと面談しましたが、最終的にコンサルティング業界に最も精通し、多くのファームへの転職支援実績があり、ケース面接対策も実施しているMyVisionを選択しました。
MyVisionのサービスを利用し、各ファームの強みや雰囲気などの情報収集、ケース面接やWEBテストの練習など、入念な選考対策を行いました。
転職活動で苦労した点は、現職との両立でした。一方で、エージェントと共に面接やWEBテストの練習をしっかり積めたことは、その後の選考に安心して臨む上で非常に有益であったと振り返っています。
結果として、転職前の年収600万円から100万円アップの年収700万円での転職に成功しました。
事例②メガバンクからFASへ
早稲田大学卒業後、メガバンクに新卒で入行し、法人営業として金融法人営業、中堅企業向けの融資営業、さらには不良債権処理など多岐にわたる業務に従事していました。
銀行の法人営業で培った経験を活かしつつ、より経営課題に深く関わりたいと考えた結果、コンサルタント、中でも経営改善や事業再編に携わる機会の多いFASへの転職を目指しました。
実力主義の環境で自己成長を促したいという思いも、コンサルタントへの転職を後押ししました。
転職のきっかけは、前職での業務が一段落し、自身のキャリアに不安を感じ始めたことです。融資営業や資金調達といった業務では、自身の市場価値向上に繋がらないのではないかと考え、企業経営の本質に関わる仕事に携わりたいという思いが強まり、転職を決意しました。
転職活動においては、3社のエージェントと面談しましたが、最終的にMyVisionを選択しました。その理由は、担当の石毛氏の実績と熱意に魅力を感じたからです。
石毛氏は、法人営業からコンサルティングファームへの転職支援実績が豊富で、面接対策では、法人営業で培った問題解決能力が伝わる話し方を伝授し、ビヘイビア面接・ケース面接の両面について具体的な対策を徹底的にサポートしました。
MyVisionのサービスについては、担当者の経歴に基づく、非常に実践的で具体性のあるサポートが印象的だったと評価しています。特に面接対策やケース面接の指導は非常に効果的だったと感じています。
転職活動の良かった点として、自身の強みや本当にやりたいことを明確に再認識できたこと、論理的思考や自己表現力が向上したことを挙げています。一方で、反省点としては、準備段階で自分自身のスキルセットや市場価値の整理が十分でなかったことを挙げています。
結果として、転職前の年収800万円から100万円アップの年収900万円での転職に成功しました。業界未経験であることから、当初は年収維持を想定していたものの、予想以上のオファーを得ることができました。
未経験からFASへの転職のコツ
未経験からFASへの転職は難関ですが、戦略的な準備で可能性は広がります。この章では、FAS転職を成功に導く3つの重要ポイントを解説します。
志望動機を作り込む
未経験からFASへの転職を成功させるには、説得力のある志望動機の作成が不可欠です。採用担当者は、なぜ数ある選択肢の中からFASを志望するのか、その理由に強い関心を持っています。
単に「数字が好き」「成長分野だから」といった表面的な理由では、熱意や適性を伝えることはできません。
志望動機は、自身の原体験を掘り下げて具体的に語ることが重要です。
例えば、「営業職として顧客企業の財務状況を理解する必要があった」「マーケティング職としてROIを意識した施策立案に関わった」などといった経験は、財務的視点の重要性を認識するきっかけとして説得力を持つでしょう。
さらに「なぜFASなのか」という点も考える必要があります。「コンサルティングに興味がある」「M&Aに関わりたい」という理由だけでは、説得力が弱いです。
FASの提供するM&Aアドバイザリー、財務デューデリジェンス、バリュエーション、事業再生といった多岐にわたるサービスの中で、具体的にどの分野に興味があり、そこでどのような専門性を身につけたいのか。
そして、FASでの経験を通じて、将来的にどのようなプロフェッショナルになりたいのか、具体的なキャリアビジョンまで語る必要もあるでしょう。
面接でのアピール方法を考える
FASへの転職を成功させるためには、説得力のある志望動機を伝えるだけでなく、FASで求められるスキルを効果的にアピールすることが不可欠です。
面接の場では、単にスキルを羅列するのではなく、志望動機と絡めながら、自身の経験や強みがFASの業務にどのように活かせるのかを具体的に伝えることが求められます。
もし、簿記やUSCPAなどの資格があるなら、学習経験をアピールするのは有効です。
例えば、「USCPAの学習を通じて、財務諸表分析の基礎を習得し、企業の経営状況を多角的に評価できるようになった」など、具体的な学習内容と、それがFASの業務にどう活かせるのかを説明することが重要です。
また、志望動機で触れた「なぜFASなのか」といった経験と関連付けて、その経験から得た知識やスキルがFASの業務にどのように役立つのかを具体的に示すことで、説得力が増します。
転職エージェントを利用する
未経験からFASへの転職は、高い専門性と実務経験が求められるため、容易ではありません。FASに特化した転職エージェントの活用は、選考突破の確率を大きく高める有効な手段となります。
FASに詳しい転職エージェントは、業界の選考プロセスに精通しており、過去の成功事例や最新の採用動向を踏まえた、実践的なアドバイスを提供してくれます。
例えば、志望動機の添削においては、単なる文章の修正にとどまらず、FASの業務内容や企業文化を踏まえた上で、より説得力のあるアピールポイントを引き出し、具体的なエピソードの深堀りをサポートしてくれます。
また、ケース面接対策においては、模擬面接を通じて実践的なトレーニングを提供し、論理的な思考プロセスや効果的なプレゼンテーション方法を指導してくれます。
さらに、転職エージェントは、一般には公開されていない非公開求人を保有していることが多く、未経験者でも応募可能なFASの求人を紹介してくれる可能性があります。
転職活動の幅を広げる意味でも、転職エージェントの活用は、有効な手立てといえるでしょう。
FASに転職するならMyVsion
MyVisionの強みは、「優秀で質の高いエグゼクティブコンサルタント」 の存在です。コンサルティングファームでの実務経験者、またはコンサル転職支援で突出した実績を持つ者のみで構成されており、その専門性は他社を圧倒します。
累計8,000名以上の転職支援実績(別会社での支援含む)は、IT、ヘルスケア、金融、製造業など幅広い業界、そしてエンジニア、会計、営業など多様な職種に及びます。
「200社以上のコンサルティングファームとの強固なコネクション」 も大きな強みです。著名な戦略ファーム、総合ファーム、シンクタンクをはじめ、国内のほぼ全てのコンサルティングファームへの紹介ネットワークを構築しています。
紹介可能なポジションは1,000を超え、求職者の経験とキャリアビジョンに最適なFASの求人を紹介できます。一部クライアントからは非公開求人や特別選考ルートを預かっており、これはMyVisionの信頼性の高さを証明しています。
FASはコンサルティングファームの一部門であることも多く、このネットワークは非常に有利に働きます。
参考:コンサル転職エージェント MyVisionが選ばれる理由
まとめ
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)について解説してきました。 FASは、M&A戦略立案、PMI、DD、バリュエーション、フォレンジック、企業再生支援など、企業の財務に関わる専門的なアドバイスを提供します。
高収入が期待できる一方、労働時間が長く、高度なスキルと大きな責任が求められるため、「やめとけ」と言われることもあります。しかし、専門性を身につけたい、大規模な仕事に関わりたい、高い年収を稼ぎたい人には魅力的なキャリアです。
未経験からの転職は、志望動機を作り込み、面接対策を徹底し、転職エージェントを活用することが成功の鍵です。MyVisionのエージェントなら、あなたにしっかり並走します。ぜひ一度連絡してください。
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