FASはやめとけといわれる理由は?後悔内容や年収・転職事例を詳しく解説
2026年01月28日更新
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)への転職は高収入や専門性、やりがいを求める人にとって魅力的な選択肢です。
しかし「FASはやめとけ」という声も耳にし、その実態が気になる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、FASの業務内容、M&AコンサルやIBDとの違い、年収、そして「やめとけ」といわれる理由を徹底解説します。
さらにFASで働くメリット、向いている人、未経験からの転職事例と成功のコツ、おすすめの転職エージェントまで、FAS転職を検討する上で必要な情報を網羅的に紹介します。
著者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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監修者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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目次
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FAS(財務アドバイザリー)の求人情報
★急募★【富山/高岡本部勤務】税務・会計コンサルタント<内勤>
想定年収
296~340万円
勤務地
富山県高岡市
業務内容
<募集ポジション> 全国展開している税理士法人です。県内有数の大きな税理士事務所であり、多様なサービスを提供し、幅広い顧客層を持っています。医業の関与先数、相続税申告数は県内でもトップクラスであります。業務拡大に合わせて、税理士補助(内勤)スタッフを募集します。※転勤なし <業務内容> お客様の資料に基づいて会計・税務の処理を行っていただきます。内勤のため、外部に打ち合わせに行くことは基本的にありません。ご経験により、仕訳業務から始めていただき、研修を受けていただきながら徐々に決算業務、申告業務など業務の幅を広げていただきます。 具体的には ●仕訳等入力業務 ●決算、各種申告書の作成、チェック ●年末調整業務 ●顧客への報告資料作成 ●その他付随する書類作成、データ集計 など
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【AD統轄事業部 FRG事業部】リスクコンサルタント
想定年収
-
勤務地
-
業務内容
私たちは、不正対応、内部統制構築、リスク対応などの専門知識を活かし、企業のガバナンス・リスク・コンプライアンス(GRC)領域強化を支援しています。 これにより、企業のインテグリティを高め、AI時代の進化など環境の変化に対応した持続可能な経営基盤を構築するための総合的なサービスを提供しています。 さらに、得意とするこれらの知見を活用し、会計監査における不正リスク対応の体制強化にも深く貢献しています。 ● 有事対応後の再発防止支援 ● データ・AIを活用したリスク予兆管理およびモニタリング ● リスクマネジメント ● コンプライアンスに関連するリスクマネジメント ● ESG(気候変動、人権など)及び地政学等に関連するリスクマネジメント ● 内部統制(J-SOX、US-SOX、IT監査)対応 ● デジタル技術を活用した最適な内部統制・モニタリングの構築支援 ● 財務経理・税務・法務・コンプライアンスに対する内部監査(IT監査含む) ● 内部監査の品質評価対応 ● 子会社あるいは海外事業管理を含めた経理ガバナンス ● 経営工学・金融工学やデータ分析 ● セキュリティ管理フレームワークを用いた監査やリスク分析(ISO27001, COBIT, NISTサイバーセキュリティフレームワーク等) 等 ※業務内容の変更の範囲:全ての業務への配置転換あり
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【DIA統轄 IT Audit事業部(東京/大阪)】IT監査人材(内部統制、データ分析、アドバイザリー)
想定年収
-
勤務地
東京都千代田区
業務内容
ITに関する内部統制の評価、データ分析、アドバイザリー業務をIT監査チームメンバーとして実施いただきます。 IT監査チームは通常、責任者、管理者、主担当者、メンバー、アシスタントで構成され、平均的には7,8名規模のチームとなります。 <主な業務内容> ITに関する内部統制の評価、データ分析、アドバイザリー
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【大手町】プロモーション担当(デジタルマーケティング部)
想定年収
500~800万円
勤務地
東京都千代田区
業務内容
自社および自社サービスのプロモーション担当者として、以下の業務に携わっていただきます。 (クライアントワークではありません) ・他社開催イベントに関する各種対応 ・自社イベントに関する企画・運営 ・自社のプロモーションに関する企画・実行 ・社内外関係者との調整 ●事業部構成 7名体制(2024年10月時点)
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【大手町】ファシリティ担当(管理部)
想定年収
500~700万円
勤務地
東京都千代田区
業務内容
管理本部は<管理部、人事部、ICT部>から構成されており、 そのうち管理部 総務チームの一員として、下記の幅広い業務に従事いただきます。 ①ファシリティ業務|オフィス開設および移転等の検討/委託業者との調整協議 等 ②株主総会の企画運営|司法書士との調整/招集通知、議事、シナリオ作成/当日対応 等 ③印章管理業務|書面・電子契約書の押印および契約書の保管・システム管理 等 ④法務手続き業務|定款および登記の登録、変更手続き/税理士会への登録、変更手続き 等 ⑤社宅管理業務|社宅利用者との調整/社宅代行業者との連携 等 ⑥社内イベント企画運営|懇親会/大掃除/年賀状/納会/お中元、お歳暮 等 ⑦庶務業務|電話、郵便対応/備品発注、管理/その他庶務業務 ⑧社内会議の運営支援|会議資料の作成依頼/会議資料のとりまとめ 等 ⑨その他業務: 会社の事務でどこの部署にも属さない業務 ●業務内容(入社後イメージ) まずは①の業務を主担当としてご対応いただきます。 適性を踏まえ他の業務(②~⑨)の業務へも従事していただく予定です。
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FASは「やめとけ」「後悔する」といわれる理由
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)は、高い専門性と年収が得られる職種ですが、一方で「やめとけ」「転職して後悔した」という声も聞かれます。
その背景に、業界特有のハードな労働環境や、極めて高いプレッシャーがあることは事実です。
ここでは、なぜ後悔する人が生まれるのかを紐解きながら、逆に「どのような人が活躍できるのか」という視点で解説します。
激務で労働時間が長いから
「後悔した」という理由で最も多いのが、プロジェクトの佳境における労働時間の長さです。
M&Aアドバイザリーなどは、買収や統合といった明確な納期が決まっており、クライアントの都合に合わせて深夜や休日でも対応せざるを得ない場面があります。
プライベートを完全に優先したい人にとっては、この拘束時間は大きなストレスになりやすいです。
しかし、「短期間で数年分のビジネス経験を積める」というメリットもあります。
プロジェクト単位でメリハリをつけて働き、若いうちから場数を踏みたい人にとっては、むしろ充実した環境といえるでしょう。
求められるスキルが高いから
FASが扱う案件は動く金額が桁違いに大きく、わずかなミスが数億、数十億円の損失につながるリスクがあります。
そのため、財務分析や企業価値評価(バリュエーション)における精緻さはもちろん、背景にあるビジネスモデルまで深く理解する高度なスキルが不可欠です。
常に最新の法規制や金融知識を学び続ける姿勢がなければ、ついていけずに後悔することになるでしょう。
一方で、この厳しい環境で磨かれた専門性は、どの業界でも通用する「極めて高い市場価値」になります。
知的好奇心が強く、自己研鑽を苦と思わない人にとっては、自分の価値を最速で高められる理想的なフィールドです。
責任・プレッシャーが大きいから
FASの業務は、企業の存続や成長に大きく影響を与える重要な局面にかかわることが多く、その責任とプレッシャーは非常に大きいです。
自分の分析やアドバイスが、クライアント企業の将来、ひいては従業員の雇用まで左右するというプレッシャーは決して軽いものではないでしょう。その重圧に耐え切れず、「精神的にきつい」「もうやめたい」と感じてしまうケースもあります。
しかし、大きな責任はそのまま「大きな達成感」と「社会的インパクト」につながります。
「自分の仕事が経済を動かしている」という手応えを感じたい人にとって、やりがいのある仕事です。
【MyVision編集部の見解】 MyVision編集部では、「短期的なワークライフバランス」を最優先にする人がFASを目指すことを推奨しません。
なぜなら、FASの業務(とくにM&A)はクライアント企業の「社運をかけたタイミング」に立ち会う仕事であり、土日や深夜の緊急対応が避けられない局面が必ず存在するからです。
この「数年間のハードワーク」を「将来のキャリアへの投資」と割り切れる人にとっては、これほどリターン(ROI)が高い職種はありません。実際にFASで3〜5年揉まれた人材は、PEファンドや事業会社のCFO候補として引く手あまたとなるため、将来的に「時間も場所も選べる立場」を手に入れるための最短ルートといえます。
FASとは?
FASとは「Financial Advisory Services(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)」の略称で、企業の「財務」に特化した専門的なコンサルティングサービスの総称です。
一般的な経営コンサルタントが「事業戦略」や「業務改善」を主軸とするのに対し、FASは「カネ(財務・会計・資本)」の視点から経営課題を解決します。
主に公認会計士や金融機関出身のプロフェッショナルが在籍しており、M&Aや事業再生、不正調査といった、企業の命運を左右する重要な局面で支援をおこなうのが特徴です。
「BIG4(デロイト、PwC、KPMG、EY)」系列のFASが代表的であり、高度な会計知識と法規制への理解を武器に、経営層の意思決定を支える「ブレイン」の役割を担います。
FASの業務内容
FASの業務領域は、企業の成長フェーズ(M&Aによる拡大)から危機対応(再生・不正調査)まで、極めて多岐にわたります。
単なる計算や調査だけでなく、戦略の実行までを財務面からサポートするのが特徴です。
代表的な業務は以下のとおりです。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| M&Aアドバイザリー | 買収や売却の戦略立案から、相手先との交渉、契約締結までのプロセス全体を支援します。 |
| バリュエーション(企業価値評価) | M&Aや資金調達の際に、対象となる企業や事業の価値を適正に算定します。 |
| デューデリジェンス(DD) | 買収対象企業の財務状況や法務リスクを詳細に調査し、買収リスクを洗い出します。 |
| PMI(M&A後の統合支援) | M&A成立後、異なる企業文化やシステム、業務プロセスを円滑に統合するための支援をおこないます。 |
| 事業再生・再編 | 経営不振に陥った企業の再建計画策定や、不採算事業の切り離し(カーブアウト)などを支援します。 |
| フォレンジック(不正調査) | 粉飾決算や横領などの不正会計が発生した際に、事実解明のための調査や再発防止策を提案します。 |
M&Aの戦略立案
M&A戦略立案はFASの主要な業務であり、クライアント企業の経営戦略や成長戦略を深く理解することから始まります。
M&Aを通じて達成したい目標、たとえば新規事業への参入、市場シェアの拡大、コスト削減、技術獲得などを明確にし、その目標達成のためにどのようなM&A戦略が最適かを検討するのが主な業務です。
具体的には、完全買収、一部出資、合弁事業設立、事業譲渡など、さまざまな選択肢のメリット・デメリットを比較し、クライアントの状況やリスク許容度を踏まえて最適な戦略の方向性を決定します。
戦略策定後に取り組むのが、その戦略に合致する買収・提携候補となるターゲット企業の選定です。ここでは、事業内容や財務状況、市場での位置づけ、シナジー効果の見込みなどを多角的に分析し、優先順位をつけて候補企業を絞り込みます。
最後に、ターゲット企業の価値を評価するのも業務のひとつです。この企業価値評価は、買収価格の交渉や買収後の統合プロセスにおける意思決定の基礎といえます。
PMI(ポストマージャーインテグレーション)
PMI(ポストマージャーインテグレーション)は、M&A成立後に実施される統合プロセスであり、M&Aの成否を分ける重要なフェーズのひとつです。
PMIを実施する主な目的は以下の通りです。
- シナジー効果の最大化:売上の増加、コスト削減、技術やノウハウの共有など、M&A本来の狙いを実現させる
- 組織や事業の早期安定化:買収後の現場の混乱を最小限に抑え、業務を軌道に乗せる
- 企業価値の向上:上記の達成を通じて、最終的な企業価値の向上を目指す
PMIの活動は、「組織・人事統合」「業務プロセス統合」「ITシステム統合」「経営管理統合」の領域に分類できます。
組織・人事統合では、新しい組織体制の構築、つまり部門の統合や再配置、役割分担の明確化などをおこないます。また、報酬体系、評価制度、福利厚生といった人事制度の統一や調整も重要な要素です。
業務プロセス統合においては、両社の業務プロセスを比較・分析し、重複業務の解消や効率化を目指します。業務マニュアルの作成、共通の業務ルールの導入などを通じて、業務の標準化・共通化を図ることも重要な業務です。
また、サプライチェーンの最適化も重要な要素です。調達、生産、物流などの見直しをおこないます。
ITシステム統合では、基幹システムの統合やデータ移行、各部門で使用しているアプリケーションの整理、統合、標準化をおこないます。また、ネットワーク、サーバー、データセンターなどのITインフラの統合、そしてセキュリティ対策の強化も不可欠です。
経営管理統合の領域では、新しい組織の経営計画や事業計画を策定します。シナジー効果や統合の進捗状況を測定するためのKPI(重要業績評価指標)を設定し、KPIに基づいた進捗管理、問題点の早期発見と対応をおこないます。
PMIを成功させるためには、M&A成立前からPMIの準備を開始し、M&A成立後速やかに統合プロセスに着手することが重要です。
DD(デューデリジェンス)
FASにおけるDD(デューデリジェンス)とは、対象企業や事業の価値やリスクを詳細に評価・分析するプロセスのことです。デューデリジェンスにはいくつかの種類があり、それぞれ調査対象や目的が異なります。
FASが主に関与するのは、財務・ビジネス・税務のデューデリジェンスです。
財務デューデリジェンスでは、対象企業の収益性や資産状況、キャッシュフローの状況、負債の実態などを把握します。
ビジネスデューデリジェンスでは、対象企業の事業内容、市場環境、競合状況、ビジネスモデル、成長戦略などを分析。税務デューデリジェンスでは、対象企業の税務申告状況、税務調査の履歴、税務リスクを調査します。
それぞれのデューデリジェンスの結果を踏まえ、買収価格の交渉や契約条件の交渉をサポートします。潜在的なリスクや問題を早期に発見・対策することで、M&Aのリスクを調整することも業務のひとつです。
さらに、デューデリジェンスを通じて得られた情報はPMIに活用され、統合をスムーズに進めることにも貢献します。
バリエーション(企業価値評価)
バリュエーション(企業価値評価)は、企業の価値を算定する業務です。企業価値評価には、大きく分けて3つのアプローチがあります。
1つ目は、マーケットアプローチです。類似する上場企業の株式市場での評価や、類似のM&A取引における評価額を参考に、対象企業の価値を推定します。
2つ目は、インカムアプローチです。対象企業が将来生み出すと期待されるキャッシュフローを、適切な割引率で現在価値に割り引いて企業価値を算出します。
3つ目は、コストアプローチです。対象企業の貸借対照表上の純資産を基に企業価値を評価します。
こうしたアプローチをおこない、FASは対象企業の特性、評価目的、利用可能な情報などを考慮して、バリエーションを算定します。
フォレンジック
フォレンジックは、直訳すると「法廷の」や「弁論の」という意味であり、法廷での証拠として提出できるレベルの、高い客観性と信頼性が求められる調査・分析をおこないます。
具体的には、不正会計や横領、情報漏洩、知的財産権侵害などの問題に対し、専門的な知識と技術を駆使して、事実関係の調査をしたり、証拠の収集・分析をしたりするのが特徴です。さらに再発防止策の提言などもおこないます。
FASがフォレンジックサービスで提供する価値は、専門性、独立性、そして信頼性です。会計士、弁護士、IT専門家など、多様な専門家チームが、それぞれの専門知識と経験を活かして、複雑な問題を解決します。
また、独立した第三者の立場から客観的な調査・分析をおこなうことで、調査結果の信頼性を高めるのが主な目的です。さらに、法廷での証拠として提出できるレベルの厳格な調査・分析をおこなうことで、法的リスクを軽減します。
企業再生支援
企業再生支援は、経営危機に陥った企業に対し、財務、事業の両面から専門的な支援をおこない、事業の再生と再建を目指すサービスです。
FASは、企業の状況を迅速かつ正確に把握し、再生計画の策定から実行まで、一貫したサポートを提供することで、企業の持続的な成長を支援します。
初期段階では、企業の財務状況、事業状況、経営環境などを詳細に分析します。財務デューデリジェンスを通じて、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの財務諸表を精査し、実態の債務超過額、資金繰りの状況、収益性などを把握するのが主な目的です。
次に、初期調査の結果に基づき、具体的な再生計画を策定します。再生計画には、事業再構築計画、財務再構築計画、組織再編計画などが含まれます。
そして策定した再生計画を着実に実行し、その後モニタリングをおこなうまでが主な業務です。FASは、計画の進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて計画の見直しや追加の施策を提案します。
なお、企業再生支援を含むFAS系コンサルの仕事内容や年収、キャリアパスについては、以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
▼FASについて詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
FASの年収
FASは、M&Aや事業再生など、企業の財務にかかわる高度なアドバイスを提供する専門性の高い業務であるため、全般的に高収入が期待できます。
ただし、FASとひと口にいっても、所属するファームや個人の経験・能力、担当する案件、さらに賞与や残業代によって、年収は変動します。
| ファーム名 | 平均年収 |
|---|---|
| KPMG FAS | 約1,196万円 |
| PwCアドバイザリー | 約1,101万円 |
| デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA) | 約938万円 |
| フロンティア・マネジメント(FMI) | 約1,030万円 |
| 経営共創基盤(IGPI) | 約1,081万円 |
FAS業界の企業
日本の主要なFAS企業は、以下の通りです。
| 企業名 | 公式サイト |
|---|---|
| デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 | https://www2.deloitte.com/jp/ja/careers/dtfa.html |
| PwCアドバイザリー合同会社 | https://www.pwc.com/jp/ja/careers/advisory/mid-career.html |
| 株式会社KPMG FAS | https://recruit.kpmg-fas.jp/ |
| EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 | https://www.eysc.jp/recruit/ |
| 山田コンサルティンググループ株式会社 | https://www.yamada-cg.co.jp/careers/new-recruit/ |
| フロンティア・マネジメント株式会社 | https://www.frontier-mgmt-recruit.com/ |
FASに向いている人
FASに向いている人の特徴をそれぞれ解説します。
体力・精神的にタフな人
FASは、企業のM&Aや事業再生など、高度な専門知識と高いプレッシャーの中で業務を遂行する仕事です。そのため、「体力・精神的にタフな人」が向いているといえます。
体力面では、先に説明したとおり労働時間が長い傾向にあるため、それに耐えられることが重要です。
また、プロジェクトの状況次第では食事や睡眠時間が不規則になることもあり、そうした状況でも体調を崩さず、パフォーマンスを維持することも求められます。
さらにプロジェクト次第では、クライアント先への出張も考えられるため、移動による疲労にも対応できる体力が必要不可欠です。
精神面においては、まず何よりもプレッシャー耐性が重要です。M&Aなどの案件は金額が大きく、企業の将来を左右する重要な取引であるため、常に高いプレッシャーの中で冷静に判断し、行動する精神力が求められます。
厳しい納期、クライアントからの要求、社内外との調整など、ストレスを感じる場面は多岐にわたりますが、それらをうまくコントロールし、前向きに業務に取り組む力も必要です。
こうした体力面・精神面でのプレッシャーに耐えられるなら、FASという業務を検討してもいいでしょう。
専門性を身に付けたい人
FASは、高度な専門性を身につけたい人にとって、非常に魅力的なキャリアパスです。なぜならFASの業務は、財務、会計、税務、法務などに関する深い知識と高度なスキルが求められるためです。
たとえば、M&Aのデューデリジェンスでは、対象企業の財務諸表を詳細に分析し、潜在的なリスクや価値向上の可能性を評価します。この過程で、会計基準や税法に関する深い理解、企業価値評価の手法に関する専門知識が必要です。
事業再生の場面では、企業の財務状況を改善し、再建計画を策定・実行するために、財務分析能力に加えて、事業戦略、組織再編、資金調達に関する知識も求められます。
FASの業務を通じて、これらの専門知識やスキルを実践的に習得できます。
規模が大きな仕事をしたい人
FASは、規模の大きな仕事に携わりたい人にとって、非常に魅力的な選択肢です。なぜならFASが扱う案件は、企業のM&A、事業再生、大規模な資金調達など、経済や社会に大きなインパクトを与えるものが多くあるからです。
たとえば、M&Aの案件では、数百億円、数千億円規模の取引にかかわることも珍しくありません。このような大規模な取引は、企業の成長戦略や業界再編に大きな影響を与え、新聞やニュースで大きく報道されることもあります。
また、事業再生の案件では、経営危機に陥った企業を再建し、事業継続や雇用の維持に貢献することで、地域経済や社会全体に貢献できます。
FASの仕事は、単に数字を扱うだけでなく、企業の経営戦略や将来のビジョンにかかわる重要な意思決定をサポートする役割を担います。そのため、自分の仕事が企業や社会に与える影響を肌で感じられ、大きな達成感や、やりがいを得られるでしょう。
高い年収を稼ぎたい人
FASは、ハイレベルなパフォーマンスが求められるため、その対価として一般的に高い年収で知られています。稼ぎたい人にとっては、魅力的な選択肢のひとつです。下記はイメージです。
| 職位や役職 | 給与 |
|---|---|
| アナリスト | 600 - 900万円 |
| アソシエイト | 900 - 1,200万円 |
| VP / マネジャー | 1,200 - 1,500万円 |
| シニアVP / シニアマネジャー | 1,500 - 2,200万円 |
| ディレクター / パートナー | 3,000 - 6,000万円 |
いうまでもありませんが、高い年収はあくまで結果としてついてくるものであり、FASの仕事は決して楽ではありません。
長時間労働やプレッシャーの大きい環境で、常に高いパフォーマンスを求められます。高い年収を得るためには、それに見合うだけの努力と覚悟が必要です。
FASは、高い年収を目標とするだけでなく、専門性を高め、企業の成長や社会貢献に貢献したいという強い意欲を持つ人にとって、やりがいと報酬の両方を得られる魅力的なキャリアパスといえるでしょう。
【MyVision編集部の見解】 一般的には「会計や数字に強い人が向いている」と思われがちですが、MyVision編集部が重視する「本当に見るべきポイント」は、「極限状態での調整力(人間力)」です。M&Aや事業再生の現場では、数字の計算以上に、買収される側の従業員の感情や、利害が対立する銀行団との交渉といった「ドロドロした人間関係」をまとめる力が問われます。
そのため、PCに向かって黙々と作業するのが好きなタイプよりも、正解のない中で板挟みになりながらも、粘り強く関係者の信頼を獲得できる「泥臭いコミュニケーション力」がある人こそが、FASでパートナー(幹部)クラスまで昇進できる人材の特徴です。
▼FAS系コンサルについて詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
未経験からFASへの転職のコツ
未経験からFASへの転職は難関ですが、戦略的な準備で可能性は広がります。この章では、FAS転職を成功に導く3つの重要ポイントを解説します。
志望動機を作り込む
未経験からFASへの転職を成功させるには、説得力のある志望動機の作成が不可欠です。採用担当者は、なぜ数ある選択肢の中からFASを志望するのか、その理由に強い関心を持っています。
単に「数字が好き」「成長分野だから」といった表面的な理由では、熱意や適性を伝えることはできません。
志望動機は、自身の原体験を掘り下げて具体的に語ることが重要です。
たとえば、「営業職として顧客企業の財務状況を理解する必要があった」「マーケティング職としてROIを意識した施策立案にかかわった」などといった経験は、財務的視点の重要性を認識するきっかけとして説得力を持つでしょう。
さらに「なぜFASなのか」という点も考える必要があります。「コンサルティングに興味がある」「M&Aにかかわりたい」という理由だけでは、説得力が弱いです。
FASの提供するM&Aアドバイザリー、財務デューデリジェンス、バリュエーション、事業再生といった多岐にわたるサービスの中で、具体的にどの分野に興味があり、そこでどのような専門性を身につけたいのか。
そして、FASでの経験を通じて、将来的にどのようなプロフェッショナルになりたいのか、具体的なキャリアビジョンまで語る必要もあるでしょう。
面接でのアピール方法を考える
FASへの転職を成功させるためには、説得力のある志望動機を伝えるだけでなく、FASで求められるスキルを効果的にアピールすることが不可欠です。
面接の場では、単にスキルを羅列するのではなく、志望動機と絡めながら、自身の経験や強みがFASの業務にどのように活かせるのかを具体的に伝えることが求められます。
もし、簿記やUSCPAなどの資格があるなら、学習経験をアピールするのは有効です。
たとえば、「USCPAの学習を通じて、財務諸表分析の基礎を習得し、企業の経営状況を多角的に評価できるようになった」など、具体的な学習内容と、それがFASの業務にどう活かせるのかを説明することが重要です。
また、志望動機で触れた「なぜFASなのか」といった経験と関連付けて、その経験から得た知識やスキルがFASの業務にどのように役立つのかを具体的に示すことで、説得力が増します。
転職エージェントを利用する
未経験からFASへの転職は、高い専門性と実務経験が求められるため、容易ではありません。FASに特化した転職エージェントの活用は、選考突破の確率を大きく高める有効な手段となります。
FASに詳しい転職エージェントは、業界の選考プロセスに精通しており、過去の成功事例や最新の採用動向を踏まえた、実践的なアドバイスを提供してくれます。
たとえば、志望動機の添削においては、単なる文章の修正にとどまらず、FASの業務内容や企業文化を踏まえたうえで、より説得力のあるアピールポイントを引き出し、具体的なエピソードの深堀りをサポートしてくれるでしょう。
また、ケース面接対策においては、模擬面接を通じて実践的なトレーニングを提供し、論理的な思考プロセスや効果的なプレゼンテーション方法を指導してくれます。
さらに、転職エージェントは、一般には公開されていない非公開求人を保有していることが多く、未経験者でも応募可能なFASの求人を紹介してくれることも珍しくありません。
転職活動の幅を広げる意味でも、転職エージェントの活用は、有効な手立てといえるでしょう。
FASに転職するならMyVsion
MyVisionの最大の強みは、「優秀で質の高いエグゼクティブコンサルタント」の存在にあります。在籍メンバーは、コンサルファームでの実務経験者や、転職支援で突出した実績を持つスペシャリストのみです。
これまでの支援実績は累計8,000名以上(別会社含む)におよび、IT、金融、製造業など幅広い業界をカバーしてきました。エンジニアや会計、営業といった多様な職種からのキャリアチェンジを成功に導いています。
また、著名な戦略系コンサルファームや総合系コンサルファームをはじめ、国内ほぼすべてのファームと紹介ネットワークを構築している点も特徴です。
紹介可能なポジションは1,000を超え、一般には公開されていない非公開求人や特別選考ルートの案内も可能です。
まとめ
本記事では、企業の財務戦略を支える「FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)」について解説しました。
FASは、M&Aや事業再生といった企業の命運を握る局面において、高度な専門性を武器に支援をおこなうプロフェッショナル集団です。
激務やプレッシャーから「やめとけ」といわれることもありますが、裏を返せばそれだけ「圧倒的な成長」と「高収入」が得られる環境といえます。
自身の市場価値を最速で高めたい人にとって、これほど魅力的なキャリアはありません。
未経験からの転職は決して容易ではありませんが、戦略的な準備と対策をおこなえば、挑戦の扉は開かれています。
「自分に合ったファームはどこか」「未経験から挑戦できるか」と迷った際は、ぜひMyVisionまでご相談ください。
業界に精通したプロが、あなたのキャリアアップを全力でサポートいたします。
FAQ
FAS業界への転職を検討する際に寄せられる質問をまとめました。
FASとはなんですか?
FASとは「Financial Advisory Services」の略称で、企業の「財務・会計」に特化した専門的なコンサルティングサービスのことです。
一般的な経営コンサルタントが「事業戦略」や「オペレーション」を扱うのに対し、FASはM&A、事業再生、不正調査など、「カネ(資本や資金)」の視点から経営課題を解決します。
主に公認会計士や金融機関出身のプロフェッショナルが在籍しており、経営層の重要な意思決定を財務面から支える「ブレイン」の役割を担うのが特徴です。
未経験からFASに転職することはできますか?
未経験からの転職は難関ですが、戦略的な準備をおこなえば十分に可能です。
FASは専門性が高いため、単なる熱意だけでなく「即戦力になりうる素養」を論理的に証明する必要があります。
選考突破の確率を高めるための重要なポイントは以下のとおりです。
- 原体験に基づき「なぜFASなのか」を具体的に語れる志望動機を作る
- 将来のキャリアビジョンまで明確にし、採用担当者を納得させる
- 自身の経験や強みが、FASのどの業務で活かせるかを論理的に説明する
- 資格がある場合は取得事実だけでなく、実務での活かし方をアピールする
- 業界特有の選考やケース面接への対策として、特化型エージェントを活用する


