FAS系コンサルとは? 魅力的なキャリアや年収、仕事内容を徹底解説
2026年02月16日更新
未経験からコンサルティング業界への転職は、ハイクラス人材にとって非常にポピュラーなキャリアパスになっていますが、FAS業界への転職も同様に人気があります。そこで今回はFASに興味のある方向けに、FASの仕事内容や働き方といった基本的な情報から、実際のプロジェクト事例、その後のキャリアパスまで網羅的にご説明したいと思います。
本記事を読んでいただければFASについて全体のイメージをつかんでいただくことができると思います。また、弊社MyVisionは、業界未経験からFAS業界への転職も数多く支援しております。FAS業界に興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。
著者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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FASとは何か?
FASは「Financial Advisory Services」の略式名称で、企業の財務・会計に関するコンサルティングサービス、またその業務を提供するコンサルティングファームのことを指します。 具体的には、M&Aや事業売却に携わることが多いです。 近年では後継者不在などの問題によりM&Aが活発になる中で、FASに対する案件も増加しています。
FAS系コンサルファーム 企業一覧(代表例)
FAS系ファームの代表企業としてはデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)、PwCアドバイザリー、KPMG FAS、EYストラテジー・アンド・コンサルティングがあります。これらは世界4大会計事務所(BIG4)のグループファームという特徴があります。 以下のファームリストは、グローバルで代表的なFASの企業一覧になります。
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー (DTFA)
- PwCアドバイザリー
- KPMG FAS
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ
- エスネットワークス
- フーリハン・ローキー(旧GCA)
- プルータス・コンサルティング
FAS(財務アドバイザリー)の求人情報
【札幌】会計コンサルタント(未経験可)
想定年収
400~700万円
勤務地
北海道札幌市
業務内容
札幌支社における会計コンサルティング業務(IPO支援・事業承継・企業再生・経営管理支援など)をお任せします。 単なる「集計作業」としての経理・会計ではなく、数字を根拠に経営の意思決定を支える「コンサルタント」として、企業の存続と成長を支援する役割です。 具体的な業務 入社後は先輩コンサルタントのアシスタント業務からスタートし、OJT形式で実務を習得していただきます。 ●IPO支援 :ベンチャー企業の新規上場(IPO)支援業務 ●M&A関連業務 :M&Aにおける財務・税務デューデリジェンス、バリュエーション、ファイナンシャルアドバイザリー(FA)業務 ●事業計画策定・再生支援 :成長局面や事業再生フェーズにおける中期経営計画の策定、資金調達・補助金申請サポート、財務状況の適正化支援など キャリアパス ●入社1~2年目 指定図書や動画研修に加え、先輩のOJTのもと、 クライアント等とのQA対応(一次対応) 、報告書・提案書・その他関連資料の作成などを行っていただきます ●入社3年目~ 小規模案件のメイン担当として、顧客への直接提案や実務の一部を主導します。 ●入社4年目~ 案件の責任者としてプロジェクト全体を統括。提案スキームの構築、PJのとりまとめ及びマネジメント、報告資料・提案書・数値等の成果物のチェックなどより複雑なスキームへの挑戦や、後輩指導も担います。 ・基本的には複数人でチームアップして案件に取り組みます。OJTを通じ、段階的にできることを増やしていける環境です。 ・個人の成長度合いによりますが、4年以降でPMとなり、経験者レンジ(年収700~1,000万円クラス)へ到達することを目指していただけます。 ●入社後に活躍している人の共通点 クライアントの役に立ちたいという気持ちが強く、積極的にクライアントとコミュニケーションを取ろうという姿勢の方は成長速度が速く、活躍している人が多いです。 逆に、受け身の姿勢でクライアントから依頼されたことをこなしているだけだと、成長速度は遅く、活躍領域が広がりにくいといえます。 入社事例 ●30代前半(公認会計士/中堅監査法人 ⇒ AGS入社) 会計領域を主軸に幅広い領域で活躍。強みを活かしつつ、各種事業計画策定(IPO、M&A、再生、補助金など)や業務フロー整備に従事。 ●30代前半(公認会計士/大手監査法人 ⇒ AGS入社 3年目) 事業再生大手監査法人を経て、顧客の規模感や社風、事業再生業務に魅力を感じ入社。 事業再生フェーズの財務DDや計画策定に従事 希望していた再生業務のほか、M&Aの財務DDサポートや成長企業の事業再構築補助金支援などにも対応。 ●30代前半(公認会計士/大手監査法人 ⇒ AGS入社) 大手監査法人にて会計監査4年、IPO業務1年半を経験後、コンサルに関心を持ち入社。 財務DDやバリュエーションを中心に業務従事 中心業務であるM&A案件のほか、事業再構築補助金のコンサル支援などにも対応。 ●30代後半(公認会計士/大手監査法人 ⇒ AGS入社4年目) 事業会社、大手監査法人を経て、コンサルに関心を持ち入社。 入社後は、財務DDやバリュエーション等のM&A関連業務、IPO支援、事業再生支援等幅広く業務を担当。 近年の案件/プロジェクト事例 ●案件のルート ・メガバンクや大手地銀を中心に紹介多数。札幌拠点においても順調な紹介が見込まれる。 ・既存クライアントやHPからの問い合わせからの案件あり ●案件事例 ・IPO支援(東京プロマーケット含む) ①事業承継ニーズの選択肢として東京プロマーケット上場の提案をし、Jアドバイザーとの間に入って管理体制を支援/ルート:地域の金融機関 ②グロース上場を目指していた東京プロマーケットを経由したステップアップ上場の提案をし、Jアドバイザーとの間に入って管理体制を支援/ルート:AGSクライアント ・M&Aにおける財務デューデリジェンス、バリュエーション ①M&Aアドバイザー、財務デューデリジェンス、 バリュエーション、PMI、実行後の税務サポートまでを実行/ルート:AGSクライアント(買手側) ②デューデリジェンス、バリュエーション、PMIそして買収会社の税務顧問まで支援/地元ルート:地域の金融機関 ・事業計画策定 ①新事業に関する補助金申請を検討している企業の事業計画策定支援/ルート:地域の金融機関 ②再生フェーズの企業の資金調達に関する、事業計画及び財務デューデリジェンス―を支援/ルート:地域の金融機関 ●今後の方針 ・事業承継案件札幌エリア№1を目指し、親族内承継案件のみならずM&A案件や東京プロマーケット支援に注力していきたい ・北海道経済の活性化に寄与すべく、事業再生案件や設備投資や新事業進出に関する補助金案件のサポートに注力していきたい 雰囲気 ●創業55年の安定基盤がありながら、年次や役職に関わらず意見を言いやすいフラットな企業文化で、積極的に声を上げることが歓迎される環境です。 ●東京メンバーとの共同プロジェクトや実践的なOJTを通じ、高度なナレッジを直に吸収。札幌にいながら、都心と変わらないスピード感でキャリアを磨ける環境です。 ●2026年3月にヒューリックスクエア札幌(地下鉄南北線「さっぽろ駅」徒歩1分)へ移転予定。好立地の新しいオフィスで働けます。
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【税理士法人所属/大阪勤務】中堅企業担当/税務顧問業務(シニアスタッフ~マネージャー候補)
想定年収
600~1,200万円
勤務地
大阪府大阪市
業務内容
総合アカウンティングファームである弊社の関西エリアにおいて、 税務顧問業務をベースとしながら弊社の幅広いサービスをクライアントに提供しております。 ・税務顧問業務(中堅中小法人、上場会社、グループ通算制度) ・組織再編税制案件 ・事業承継、財産承継支援業務(相続・贈与サポート、事業承継スキーム立案等) ・タックスプランニング検討 ・相続税申告業務 ・株価算定 ・税務調査対応 等 ※希望があれば、M&AやIPOなどのコンサルティング業務に携わることができます。 ※ご経験によっては、プロジェクトマネージャーやアシスタント職メンバーの育成にも携わっていただきます。 ●変更の範囲:会社の定める業務 <案件事例> (1)サービス業(年商40億円、非上場)に税務顧問業務で新規受注し定期的な接点を持ちながら、会社の組織・ガバナンス体制整備、資本政策の検討を実施(システムコンサルティングメンバーにシステム導入支援も連携) (2)サービス業(年商250億円、当時非上場)の税務顧問クライアントで、上場準備過程において組織再編(株式移転によるHD化、合併・会社分割による機能別分社化)によるスキーム検討、PJファシリテート・組織再編時の税務申告を実施。その後、グループ通算制度を導入し、継続関与中。 (3)金融機関紹介で卸売業(年商20億円、非上場)から自社株式の承継、経営承継の相談を受け、事業承継スキームの検討、財産評価シミュレーション、株式譲渡・贈与実行支援等を実施。自社株式承継後、相続発生による相続税申告、経営承継コンサルティングを実施。 <キャリアパス> ・税務業務経験の浅い方 帳簿レビュー、質問対応、決算・申告書作成といった、基本的な業務からしっかりと土台を築いていただきます。 担当クライアント層について、小規模法人、グループ会社の子会社担当など組み合わせてアサインし、PJマネージャーがフォローしながら担当していただきますので、安心して仕事に取り組み、ステップアップを目指すことができます。 ・一定の税務業務経験者の方 ご経歴に合わせて、税務顧問クライアントのメイン担当として会計税務全般をお任せします。上場会社税務、組織再編業務、グループ通算制度業務、事業承継支援やなど、より専門性を要する業務へも色々に携わっていただきます。 スタッフたちの成果物のレビューなども行いながら、将来的にマネジメント業務にも挑戦するであったり、ご希望により税務会計業務以外のコンサルティングサービスを経験するなどより広い場面で活躍していただけることを期待しています。
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【札幌】M&Aコンサルタント(未経験可)
想定年収
500~700万円
勤務地
北海道札幌市
業務内容
札幌支社におけるM&Aアドバイザリー業務全般をお任せします。 クライアントは中小企業から上場企業まで多岐にわたり、幅広い案件に携わることが可能です。 具体的な業務 入社後は中小規模のM&A仲介業務にアソシエイトとして担当いただき、OJT形式で専門知識を習得していただきます。 ・M&A実行支援(案件進行管理、資料作成・収集) ・企業価値評価(財務分析、業界調査、バリュエーション補助) ・クライアント対応(経営者との面談同席、提案資料作成) キャリアパス ●3年目までのロードマップ 未経験からでも着実にステップアップし、将来の自分を想像できる環境です。 ●入社1年目:アソシエイト 指定図書や動画研修に加え、先輩のOJTのもとでM&Aの一連の流れを習得。基礎的な財務・法務知識をインプットします。 ●入社2年目:シニアアソシエイト 小規模案件のメイン担当として、顧客への直接提案や実務の一部を主導します。 ●入社3年目~:プロジェクトマネージャー(PM) 案件の責任者としてプロジェクト全体を統括。より複雑なスキームへの挑戦や、後輩指導も担います。 ※個人の成長度合いによりますが、3年程度でPMとなり、経験者レンジ(年収700~1,000万円クラス)へ到達することを目指していただけます。 入社事例 30代前半(地銀法人営業経験 ⇒ AGS入社) ・1年目:アソシエイトとして従事 入社当初は先輩のサポート役として複数の仲介案件を担当。 OJTを通じてM&Aの実務プロセスを一通り経験し、着実に経験値を蓄積。 ・2年目以降:主担当として独り立ち 現在は中小規模の仲介案件で主担当として活躍中。 <現在の業務比率> 仲介業務(主担当)8割:ソーシング業務2割 近年の案件/プロジェクト事例 ●案件のルート/業界 ・紹介ルート:金融機関からの紹介が7割、自社他部署(税務顧問先等)からの紹介が3割。 ・案件比率:中小企業の「FA案件・仲介案件」が6割、中堅・上場企業の「FA案件」が4割。 ・担当体制:基本は2名体制(インチャージ+アソシエイト)。規模により1名やチーム組成など柔軟に対応します。 ●案件事例 (1)M&A仲介(木材卸売業/譲渡価額3億円) メガバンクからの紹介案件。買い手探索からクロージングまでを一気通貫で支援。 (2)売り手FA(化成品卸売業/譲渡価額30億円) 当社の税務顧問先からの事業承継相談。売り手側のアドバイザーとして、買い手候補との条件交渉からクロージングまでを支援。 (3)買い手FA(地方中堅ゼネコン/買収規模40億円) 大手ゼネコンによる買収戦略支援。対象企業のデューデリジェンス(資産査定)から、売り手FAとの高度な条件交渉までをサポート。 上場企業・中小企業のFA(買い手FA、TOB等)、仲介案件を基軸にして拡大していく予定です。
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【札幌】M&Aコンサルタント(経験者向け)
想定年収
700~1,000万円
勤務地
北海道札幌市
業務内容
札幌支社におけるM&Aアドバイザリー業務全般をお任せします。 クライアントは中小企業から上場企業まで多岐にわたり、幅広い案件に携わることが可能です。ソーシングよりもエクゼキューションが中心となります。 ●具体的な業務 ・FA案件の主担当のプロジェクトマネージャーとして案件全般をお任せします。 ・財務デューデリジェンスを主に担うメンバー・他部署と連動して、DDにも携わるチャンスがあります。 ・チームを率いるマネジメント職にも挑戦可能です。将来的に北海道エリアのM&A事業を統括する責任者として活躍いただくことを期待しています。 ●入社事例 40代前半(Big4 FAS経験10年 ⇒ AGS入社) 前職でのFA経験を活かし、入社後は上場企業の買い手FA案件を主担当としてリード。 <現在の業務比率> 上場企業FA 6割:非上場企業FA 4割 ●近年の案件/プロジェクト事例 案件のルート/業界 ・紹介ルート:金融機関からの紹介が7割、自社他部署(税務顧問先等)からの紹介が3割。 ・案件比率:中小企業の「FA案件・仲介案件」が6割、中堅・上場企業の「FA案件」が4割。 ・担当体制:基本は2名体制(インチャージ+アソシエイト)。規模により1名やチーム組成など柔軟に対応します。 案件事例 (1)M&A仲介(木材卸売業/譲渡価額3億円) メガバンクからの紹介案件。買い手探索からクロージングまでを一気通貫で支援。 (2)売り手FA(化成品卸売業/譲渡価額30億円) 当社の税務顧問先からの事業承継相談。売り手側のアドバイザーとして、買い手候補との条件交渉からクロージングまでを支援。 (3)買い手FA(地方中堅ゼネコン/買収規模40億円) 大手ゼネコンによる買収戦略支援。対象企業のデューデリジェンス(資産査定)から、売り手FAとの高度な条件交渉までをサポート。 上場企業・中小企業のFA(買い手FA、TOB等)、仲介案件を基軸にして拡大していく予定です。
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【Digital Innovation & Assurance統轄事業部/Digital Advisory事業部】金融機関向けITリスク・デジタルガバナンスコンサルタント(アドバイザリー中心)
想定年収
-
勤務地
-
業務内容
★2023年に新設したDigital Advisory事業部において、金融機関のクライアントに対するDX推進を支援するチームメンバーの求人です。 DX推進における攻めと守りの両輪で支援を行うコンサルタントを募集しています。 金融機関のDXを実現するCDO(Chief Digital Officer)やCIO(Chief Infomation Officer)の伴走者として、デジタルアドバイザリー業務を担当して頂きます。 システムとデータ・テクノロジーの攻めと守りを全方位でサポートし、企業価値の向上に寄与するアドバイザリーサービスを網羅的に提供しています。 (サービス例) ・DX戦略、実行計画策定支援 (企業がDXを推進するための俯瞰的なグランドデザイン(IT中期計画)、とその実行計画の策定・実行支援) ・生成AIの導入・利活用支援 (生成AIのワークショップ、POC開発など) ・デジタルガバナンス構築支援 (企業のデータの管理態勢を強化し、デジタル技術の導入と運用におけるリスク管理を支援) ・AIガバナンス構築支援 (AI技術を効果的に導入し、リスクを適切に管理しつつ競争力を高め、持続可能な成長を実現) ・リスク評価支援 (企業のIT・デジタル領域におけるリスクや内部統制の評価を支援し、リスク管理の高度化を実現) ●業務内容の変更の範囲:全ての業務への配置転換あり
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FASの業務内容
FASが主に携わる業務がM&Aに関する業務支援です。M&A関連業務は以下のようなプロセスに分かれます。
- M&A戦略
- デューデリジェンス(DD)
- バリュエーション
- PMI
一般的に、これらそれぞれの領域に専門のチームを構えていることがほとんどです。
また、M&A以外のFASの業務としては、以下の3つが代表的なものとしてあげられます。
- 企業再生支援
- フォレンジック
- インフラ/PPP
各領域に対応した組織を持つことで、より専門的なアドバイザリーサービスを提供できることがFASの強みの1つです。
下記の画像は、それぞれの業務内容をまとめたものです。

FASとIBDの違いは?
FASとよく比較されるのが、証券会社の投資銀行部門であるIBD(Investment Banking Divisionの略称)です。 IBDもFASと同様にクライアントへのM&A実行戦略提案から、企業間統合のPMIまで、M&Aの一連の流れをカバーしています。
FASとIBDの違いですが、FASは証券会社と異なりファイナンスの機能がないため、株式や債券の引き受けによる資金調達支援ができません。
その一方で、バイサイド・セルサイドのM&Aアドバイザリー業務を中心とし、加えてM&A後のPMIまで含めてIBDと比較してもより踏み込んだ支援を行うことができるという点がFASの特徴になります。
MyVision編集部では、ブランド名や「Big4かどうか」だけを基準に選ぶことを推奨しません。なぜなら、実際にブランド力を優先して入社したものの、自身の志向と業務内容が合わず早期離職に至るケースもあるからです。
そのため、案件の規模感や関与フェーズ、チームカルチャーまで具体的に確認し、自分がどのM&A工程で価値を出したいのかを明確にした上で選ぶ方が、納得のいく転職になりやすいです。
FASの役職と年収
FASはコンサルティングファームと同様に他の業種と比べて比較的高収入であると言われています。
下記はFASの役職別の一般的な年収となります。

給与の内訳は、ベース給与と賞与(ボーナス)です。ベース給与は役職ごとにある程度固定で決められています。賞与は、おおよそ*固定給の10%〜30%*ほどで、その年の個人のパフォーマンスやファームの業績によって決まります。
FASは昇給スピードが一般的な企業と比べるとかなり早く、早い方は20代のうちに年収1,000万円を超えます。 自身の能力や結果に応じて昇進スピードが決まるため、実力に応じた年収増を目指せる環境となっています。
実際にFASに転職して年収がアップした事例
弊社MyVisionでもFAS転職の支援を行っていますが、転職の結果年収が大幅に上がった事例は多いです。 下記の表で、実際に年収アップを実現させた事例をまとめています。
| 転職前の職種 | 転職前年収 | 転職後年収 |
|---|---|---|
| 会計士 | 700万円 | 900万円 |
| 経理 | 500万円 | 700万円 |
| 人事 | 500万円 | 800万円 |
| 監査 | 600万円 | 800万円 |
| 営業 | 500万円 | 800万円 |
| 法人営業 | 700万円 | 900万円 |
| 会計士 | 600万円 | 1000万円 |
また、より詳しい体験談も以下からご覧いただけます。
──年収も大幅に上がったため反省点は特にないです。非常に満足しています。
MyVision編集部の見解では、提示年収や昇給スピードだけで検討することは失敗しやすいです。その理由は、FASでは評価制度やアサイン案件によって実質的な成長スピードや市場価値の伸び方が大きく異なるからです。
短期的な年収アップだけでなく、3〜5年後にどのポジションへ進みたいのか、そのキャリアから逆算して今のファームを選べているかどうかが、長期的な満足度を左右します。
FASの働き方
改善されつつあるワークライフバランス
FASはクライアントワークであるため繁忙期はありますが、働き方改革の浸透やコンサルタント数の増加により、近年では比較的ワークライフバランスが確保されてきています。加えて、在宅ワークが推奨される場合もあるため、精神的・肉体的な負担も以前と比べると少なくなってきています。
また、FASと同様にM&Aアドバイザリー業務を行う投資銀行と比較しても、FASは1プロジェクトにアサインされる人数が多く、一人当たりの業務や責任範囲は限定的である場合が多いです。このため、IBDと比べても1メンバー当たりの業務負担が軽く、ワークライフバランスが確保されやすい環境です。
プロジェクトの忙しさを左右する要素
ワークライフバランスが改善されつつあるFASではありますが、アサインされるプロジェクトのフェーズや形態、マネージャーやクライアントの志向次第で、実際の働き方は異なってきます。
プロジェクトのフェーズ・規模
担当しているディールのエグゼキューションが佳境の時期や、クロスボーダー案件で時差のある海外オフィスとプロジェクトを行う場合は、労働時間が長くなる傾向があります。また、デューデリジェンス時や、M&Aの売却対象企業をまとめるIM(インフォメーションメモランダム)作成時にも同様にハードワークになる傾向があります。
プロジェクトの規模による忙しさについては、大型案件ではチームメンバーの数が比較的多くなるため、一人当たりの業務や責任範囲は限定的となることに対して、スモール〜ミッドキャップの案件はアサインされるメンバーの数が少ないです。このため、大型案件では相対的にワークライフバランスが確保されやすいと言えます。
プロジェクトマネージャー/チームメンバー
プロジェクトのメンバーの出身によっても、働き方が異なるケースがあります。 特にチームのシニア層に元IBD出身者が揃っているようなプロジェクトでは、IBDさながらのハードワークになる場合があります。一方で銀行出身のシニアが多いチームでは比較的に業務負荷が軽くなる場合もあります。
クライアント
クライアントの志向は実際の働き方に影響を与える要素の1つです。週に1度程度の定例進捗での報告で良しとするクライアントもいれば、細かな報告や丁寧な進め方を好むクライアントもいます。 細かいステップで進捗報告を求めるクライアントの場合、ミーティングの回数や必要な定例資料のアウトプットが増加するため、業務負荷が増える傾向にあります。
コンサルタントの忙しさについては、下記の記事でも解説しています。コンサルタントの働き方に興味がある方は、ぜひご覧ください。
FASコンサルタントに求められるスキル
FASに求められるスキルは職位や専門領域によって様々ですが、全てのFASコンサルタントに共通して必須のスキルとして、論理的思考力(ロジカルシンキング)とコミュニケーション能力が挙げられます。
加えて、FASは戦略コンサルタントや総合コンサルタントといった一般的なコンサルタントと比較すると財務領域やおける知識や経験も重要になってきます。FAS転職では、未経験での採用も行われておりますが、金融のバックグランドが有利に働くことが多いのはこのためです。
本章ではFAS転職で求められる3つのスキルについて解説していきます。
論理的思考力
論理的思考力はFASコンサルタントにとって最も重要なスキルの1つです。複雑で抽象的な問いを整理し、課題を設定・構造化して、問題解決ができるように落とし込んでいく能力は、M&Aの現場では日夜問わず必要となる力です。
論理的思考力については時間をかければある程度習得可能で、それらに関する書籍も多く出版されています。
以下はコンサルタント業界で有名な、論理的思考力の基礎を身に付ける為の書籍です。ぜひ参考にしてみてください。
- 「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」バーバラ ミント
- 「新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術」齋藤 嘉則
- 「ロジカル・シンキング (Best solution)」照屋 華子, 岡田 恵子
また、弊社MyVisionでもコンサルティングファーム出身のエージェントを中心に、ケース面接対策を厚くサポートさせていただいておりますので、コンサルティングファームへの転職をご希望の方はお気軽にご相談下さい。
コミュニケーション能力
論理的思考力と同様に重要なスキルがコミュニケーション能力です。現場で働く中で、前提となる情報や認識がクライアントと異なるケースは珍しくありません。クライアントと認識の齟齬をなくし、プロジェクトを正しい方向に進めるためには、相手の視点に立って認識をすり合わせた上で、議論していく能力が非常に重要になります。
また、M&Aという非常にセンシティブな業務に携わるため、クライアントとのコミュニケーションには常に緊張感があります。自分の意見を相手にただ伝えるだけでなく、相手の心のうちを探りながらも、納得感を持って受け取ってもらえるような伝え方を考え、実行する力は非常に重要です。
財務領域における知識・経験
財務領域における知識や経験はFASで活躍するためには必須の素養です。このため転職活動の面接においても、M&Aや財務知識を問うような質問がされる場合もあります。
こちらの方は監査法人の監査部門で働いたのち、会計士としての知識・経験を活かして外資系FASコンサルティングファームに転職しました。
──同僚の中にはBig4にステップアップする方も多く、その時に監査法人ではなくFASに転職する方も一定数いたので以前から関心は持っていました。監査業務ではない仕事に関心があったため、最初からFASの選考を受けるつもりでした。
FAS転職では未経験での採用も行われておりますが、金融業界未経験の場合は転職後に継続的なインプットが求められることになります。転職活動中から書籍やニュース等を通して最低限の知識を身に付けておくことを推奨します。
キャリアパス
ここまでFASについて、働き方やプロジェクト事例、年収など説明してきましたが、次にFASコンサルとして働いた後のキャリアについて説明します。
FASでは、主にM&Aの一連フェーズ(戦略、買収先選定、ディールの実業務など)、企業再生支援、企業/事業の価値評価案件等を経験するため、卒業後のキャリアもこれらのM&A関連の経験が活かせるようなポジションへの転職が多くなります。
ポストFASのキャリアは下記が主要になります。
事業会社に行く場合
FASから事業会社に転職するケースは多いです。具体的には下記のようなFASでのM&Aの経験を活かすことのできる企業に転職する事例がよく見られます。
- 総合商社
- 事業会社の経営企画
- M&A関連の部署
PEファンドやバイアウトファンドに行く場合
日系のPEや政府系バイアウトファンドへ転職する場合もあります。
外資系PEファンドは、どちらかというと投資銀行や戦略コンサル経験者が転職する場合が多いため、FASからの転職は比較的少ない実情があります。
IBDや戦略ファームのM&A部隊に行く場合
M&Aの経験を活かすのことのできるIBDや戦略ファームのM&A部隊への転職も少なくありません。
スタートアップのCFOを目指す方もいますが、FASを退職後すぐにベンチャーCFO等へ転職する方はあまり多くありません。FAS後に上記キャリアを経由して最終的にCFOを目指すキャリアパスが一般的です。
FASのプロジェクト事例
FASのプロジェクトはあまり公に公開されることがないため、具体的にどのようなプロジェクトを実施しているのか、イメージを持ちにくいかもしれません。
そこで今回は、FASが行っているプロジェクト事例をいくつか紹介していきます。 FASのイメージがより具体的になると思いますので是非ご確認下さい。
PwCアドバイザリーの支援事例
あいちフィナンシャルグループ:愛知県No.1の地域金融グループとして地元の期待に応えていく
2022年10月3日に、愛知県最大の地域金融機関である株式会社あいちフィナンシャルグループ(以下「あいちFG」)が誕生した。愛知銀行と中京銀行の経営統合により設立された持株会社で、傘下の2行は2025年1月に合併を予定している。
PwCは、基本合意後の2022年1月から円滑な経営統合に向けて、統合事務局やガバナンス、リスク管理、経理・財務などの各種支援を実施。
2022年1月のサービスインから、5月に最終合意、10月に持株会社を設立という非常にスピード感のあるサポートをPwCにて実施した。
出典:PwC公式サイト
DTFAの支援事例
最高難度のグローバルカーブアウト(※1)M&A支援
クライアントAは過去最大規模のM&Aを契機に自社のグローバルトランスフォーメーションを志向した。規模の大きさに加え、買収クロージングまでに対象事業をグローバルで適正にカーブアウトすること、および対象事業の強みを活かす「リバースインテグレーション」を軸としたPMIプラニングが求められる非常に難易度の高い案件であった。デロイトは日英のコンサルティング、ファイナンシャルアドバイザーの混成チームを組成し、一般的なプロジェクトマネジメントに留まらず、カーブアウト固有課題への対応、将来の統合を見据えての青写真策定、対象会社とのコミュニケーション円滑化等をリードした。
日本チームがPMOとして、クライアントおよび他アドバイザー含め総勢100名以上が関与する巨大プロジェクトの推進をリード。UKチームがクロージングに向けての各種契約(各国再編契約やTSA等)、シナジーやガバナンス設計といった個別領域での支援を実施した。
※1カーブアウト 会社分割の一種で、親会社が戦略的に小会社や自社の事業の一部を切り出し(carve out)、新会社として独立させること。
業界トップランナーの「持続的経営」に向けた全社改革
デロイトではクライアント企業Bのグループ経営体制再編(持株会社体制移行)を契機としたグループ経営改革を推進した。
当初、クライアントは今後の第2-3の柱候補となる特定事業がグループ内で分散しているため、それを集約するグループ内再編を想定していた。
しかし、デロイト内で討議を進める中で特定事業の再編だけでは経営陣が考える課題感、目指すべき姿の実現は困難であると結論付け、トップマネジメントに改革案を提起した。社外取締役・監査役との議論も経て、議論開始から約半年後の取締役会にてグループ経営体制改革の推進を正式承認した。その後、全社改革プロジェクトとしてM&Aユニットが全体統括となり、All デロイト(DTC、監査、税務、法務)で支援を実施した。
まとめ
本記事では、FASのコンサルタントに焦点を当てて「そもそもFASとは」といった基本的な部分からプロジェクト事例やその後のキャリアパスまで解説しました。
MyVisionでは、コンサルティングファームだけでなく、FASについても同様に適切なファームや求人ポジションの紹介、選考対策まで、個々人の事情に合わせて幅広く支援しています。
コンサルティングファーム、FASへの転職を少しでも検討されているようでしたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
MyVisionでは、FASやコンサルティングファーム出身者をはじめとする業界理解の深いコンサルタント陣が、キャリアの棚卸しから書類・面接対策まで一貫してサポートしています。
FAS系コンサルに関するよくある質問
Q1. FASに向いている人・向いていない人の特徴はありますか?
FASでは、正解が一つに定まらない状況の中で意思決定を支援する場面が多くあります。そのため、数字や事実をもとに仮説を立て、地道に検証していくプロセスを楽しめる人は向いています。また、クライアントとの折衝や社内外の関係者との調整も多いため、専門性と同時に「他者視点で物事を考えられる力」も重要です。
一方で、明確な指示がないと動きにくい人や、短期的な成果のみを求める人はギャップを感じやすい傾向があります。プロジェクト単位で環境が変わるため、変化耐性や学習意欲も重要な要素です。
Q2. FASに転職するために資格や英語力は必須ですか?
資格や英語力が“必須”というわけではありませんが、キャリアの幅を広げる上で有利に働くケースはあります。たとえば、公認会計士やUSCPAなどの資格は専門性の証明になりますし、英語力はクロスボーダー案件に携わる機会を広げる要素になります。
ただし、実務では資格の有無以上に「財務三表をどう読み解くか」「事業構造をどう理解するか」といった実践的な思考力が問われます。そのため、資格取得だけを目的化するのではなく、自身のキャリア戦略に沿って必要性を判断することが重要です。



