FAS系コンサルとは? 魅力的なキャリアや年収、仕事内容を徹底解説
2026年02月16日更新
未経験からコンサルティング業界への転職は、ハイクラス人材にとって非常にポピュラーなキャリアパスになっていますが、FAS業界への転職も同様に人気があります。そこで今回はFASに興味のある方向けに、FASの仕事内容や働き方といった基本的な情報から、実際のプロジェクト事例、その後のキャリアパスまで網羅的にご説明したいと思います。
本記事を読んでいただければFASについて全体のイメージをつかんでいただくことができると思います。また、弊社MyVisionは、業界未経験からFAS業界への転職も数多く支援しております。FAS業界に興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。
著者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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目次
FASとは何か?
FASは「Financial Advisory Services」の略式名称で、企業の財務・会計に関するコンサルティングサービス、またその業務を提供するコンサルティングファームのことを指します。 具体的には、M&Aや事業売却に携わることが多いです。 近年では後継者不在などの問題によりM&Aが活発になる中で、FASに対する案件も増加しています。
FAS系コンサルファーム 企業一覧(代表例)
FAS系ファームの代表企業としてはデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)、PwCアドバイザリー、KPMG FAS、EYストラテジー・アンド・コンサルティングがあります。これらは世界4大会計事務所(BIG4)のグループファームという特徴があります。 以下のファームリストは、グローバルで代表的なFASの企業一覧になります。
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー (DTFA)
- PwCアドバイザリー
- KPMG FAS
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ
- エスネットワークス
- フーリハン・ローキー(旧GCA)
- プルータス・コンサルティング
FAS(財務アドバイザリー)の求人情報
【SV統轄】サスティナビリティコンサルタント(サステナビリティ開示支援・社内体制構築支援)
想定年収
-
勤務地
東京都(千代田区大手町)
業務内容
・監査法人におけるサステナビリティ開示対応支援(主に時価総額5,000億円以上の企業を対象) ・SSBJ・CSRD等のサステナビリティ開示基準への対応に向けたプロジェクト管理およびPMO業務 ・サステナビリティ関連のリスク・機会の特定、および将来的な財務影響の分析・算定支援 ・開示基準対応に必要となるサステナビリティ関連情報の収集・管理体制(業務プロセス・システム)の構築支援 ●業務内容の変更の範囲:全ての業務への配置転換あり
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【大手町】サポートスタッフ(BC企画部)
想定年収
350~500万円
勤務地
東京都(千代田区大手町)
業務内容
【BC企画部とは】 ビジネスコンサルティング企画部(以下BC企画部)は2023年1月より発足した新しい部署です。 全社組織的には、ビジネスコンサルティング事業部(以下BC事業部)と共に ビジネスコンサルティング部門(以下BC部門)に所属しています。 【業務内容】 (1)「全社事業計画プロジェクト。 補助金支援業務」 ⇒中堅中小企業向け補助金業務の全社事務局。 大規模成長投資補助金、成長加速化補助金、省力化補助金、新事業進出補助金を中心に ➀企画業務 ➁ナレッジ体系化業務 ➂現場メンバーのサポート業務 ④申請書類の品質管理業務 などを対応しています。 (2)「BC事業部の企画部門」 ⇒中堅中小企業を対象とした成長支援および再生支援など、 企業が事業継続する過程において、いろいろな局面に応じた支援を行う業務です。 ➀企画業務 ➁ナレッジ体系化業務 ➂中期事業計画策定のひな型作成 ④BC部門の社内ポータルの作成 ⑤東海、関西、九州各エリアへのBC事業のナレッジの展開 をサポートします。 ●会計系コンサルティングファームのサポートスタッフとして以下の業務を担当いただきます。 当面の慣れる間は、補助金業務関連に従事して頂きます。 (1)事務関係の庶務作業 ・企画部および事業部内の管理資料作成 ・提案書およびディスカッションペーパー作成補助、報告書の基礎データ入力・作成、体裁チェック ・営業事務(契約書、請求書等の処理、調査費等の経費申請等) (2)補助金およびコンサルティング現場でのサポート業務 ・各種エクセルデータ作成、パワーポイントでのグラフやチャート作成、AI活用による補助金審査サポート ・PL、BS、CFなどの財務分析サポート ・クライアントとの会議における議事録作成サポート ・統計データ等の加工・分析 (3)補助金関連業務の情報収集および社内展開 ・経産省の補助金事務局、専門コンサル等からの最新情報を入手 ●変更の範囲:会社の定める業務
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【岡山】サポートスタッフ
想定年収
300~500万円
勤務地
岡山駅周辺
業務内容
2027年1月に開設予定の岡山支店にて、拠点長およびコンサルタントの業務サポートを中心に、支店運営に関わる事務業務を担当いただきます。 当社では、地域企業に対して、事業承継、事業再生、経営コンサルティングなどの支援を行っています。 本ポジションには、コンサルタントが顧客対応や案件推進に専念できるよう、各種資料の作成、スケジュール調整、情報整理などを、正確かつスピーディーに進めていただくことを期待しています。 岡山支店における最初のサポートスタッフとして、拠点長と相談しながら業務の進め方を整え、円滑な支店運営を支えていただくポジションです。 大阪支社や広島支店のサポートスタッフとも連携し、既存拠点の進め方を参考にしながら業務を行っていただきます。 <具体的な業務> ・コンサルタント・拠点長の業務サポート ・拠点長のスケジュール管理および日程調整 ・顧客訪問や社内会議の日程調整 ・顧客訪問、打ち合わせ、会議に必要な資料の準備 ・Word、Excel、PowerPointを使用した資料作成および修正 ・提案書、見積書、企画書等の作成補助 ・データ入力、集計および情報整理 ・資料のコピー、ファイリング、文書管理 ・郵便物、お礼状、電報等の作成および手配 <支店運営に関する総務・庶務> ・電話、来客、業者対応 ・郵便物の作成、発送および到着確認 ・備品の在庫管理、発注および納品対応 ・会議準備 ・契約書、請求書、伝票等の事務処理 ・IT機器の不具合発生時における社内担当部署への連絡および作業補助 ・その他、岡山支店の運営に必要な事務・庶務業務 変更の範囲:会社の定める業務 <関西エリアについて> ・関西エリアは大阪・京都・広島の3拠点で構成されており、九州を除く西日本をカバーしています。 ・明るく、活気あふれており、些細なことでも相談しやすい環境です。 ・エリア全体で100名が所属し、平均年齢37歳。 ・さまざまなバックボーンがある方ばかりですので、自由な社風です。 (内訳) 税務系コンサルタント 20名 会計系コンサルタント 20名 その他専門コンサルタント(人事・システム・M&A・国際)25名 サポートスタッフ 25名
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【大手町】労務コンサルタント※労務コンサル経験者(HR事業部)
想定年収
500~1,000万円
勤務地
東京都(千代田区大手町)
業務内容
主な業務領域/労務・人事制度・研修・組織開発など様々な領域の業務を行っています ・上場やM&Aに向けた労務DD、労務コンサルティング ・企業合併などに応じた、人事制度・労務管理体制の統合支援 ・HR領域アドバイザリー業務(労務顧問、人事アドバイザリー) ・人事制度(等級・評価・給与)の設計・運用 ・役員報酬制度の設計 ・サクセッションプラン・人材育成施策の企画 ・組織開発・エンゲージメント向上施策 ・プロダクト(パッケージ)開発 ※戦略策定〜導入支援まで一気通貫で担当するため、裁量と成長機会が大きい環境です。 ●変更の範囲:会社の定める業務 ●入社後の想定業務 入社後は、IPO・M&Aに伴う労務DDや労務改善アドバイザリー、労務顧問業務などの労務コンサルティングを中心にご担当いただきます。 また、当社では労務課題の解決にとどまらず、人事制度設計や企業統合に伴う人事・労務管理体制の統合支援まで一貫して支援しているため、労務領域に加えて人事制度コンサルティングにも携わっていただきます。 さらに、人的資本経営支援や企業統合支援、研修・セミナー講師など、HR領域全般へ専門性を広げていただくことも可能です。 なお、実務経験の浅い方については、OJTを通じて基礎知識やコンサルティングスキルを習得しながら、段階的にプロジェクトへ参画いただきますのでご安心ください。 案件/プロジェクト事例 <案件のルート/業界> 安定した案件基盤: 金融機関からの紹介(約8割)および社内他部署との連携により、質の高い案件が安定的に寄せられます。 多彩なクライアント: スタートアップから上場企業まで、中堅・中小企業を中心に業界を問わず幅広いフェーズを経験可能です。 戦略的なアサイン: 専門領域のマネージャーが一人ひとりのスキルやキャリアプランを考慮し、最適なプロジェクトをアサイン。 個々の成長フェーズに合わせ、着実なスキルアップを支援します。 少人数精鋭のチーム: コンサルタント1〜2名、アシスタント1名を基本単位とし、一人ひとりが大きな裁量を持ってクライアントに伴走します。 <案件発生~デリバリーまでの流れ> ご紹介: 金融機関や社内の他部門より、HR領域の課題を抱えるクライアントの紹介を受けます。 ヒアリング: クライアントへ訪問・面談を実施し、組織の現状や潜在的な課題をヒアリングします。 提案・スコープ設定: 課題に対する解決策を策定し、コンサルティング内容を提案。 具体的な支援の範囲(スコープ)を確定させます。 デリバリー: プロジェクトをキックオフ。 戦略の策定から現場への導入・定着まで、一気通貫で支援を行います。 ※当社は、金融機関と強いパイプがあるため、独力での新規顧客開拓は現在は行っておりません <コンサルティング事例> ・複数会社の企業統合に伴う、人事制度・労務管理体制の統合及び設計・改善 ・IPOやM&A時の人事/労務デューデリジェンス ・企業の抱える労務課題に対しての労務改善コンサルティング ・労務顧問(顧問業務は労務アドバイザリーに限定しているため、給与計算や社会保険手続き業務はありません) ・企業の人事制度設計、運用支援 ・各種研修やセミナーの実施 ※労務DDや労務改善支援をきっかけとして、その後の人事制度改定やPMI支援など中長期的なプロジェクトへ発展するケースも多くあります。 <今後の方針> 主力である人事制度構築案件で培ったノウハウを土台に、現在はIPOやM&Aにおける労務DDや、企業の人事制度・労務管理体制の統合支援、人的資本開示に関わる役員報酬設計など、より経営に直結する領域へも支援の幅を広げています。 HRTechの活用を含め、時代の変化に先んじた新たなコンサルティング価値の創出に取り組んでいきます。 ●入社事例 ・30代 上場会社の人事マネージャー → 労務コンサルファーム → AGSコンサルティング(マネージャー) 事業会社とコンサルティングファーム双方での経験を活かし、企業統合に伴う人事制度・労務管理体制の統合をリード。 労務DDやPMIにおける労務管理体制の統合支援を中心に担当。現在は人的資本経営支援や人事制度設計プロジェクトにも携わるなど、労務領域にとどまらないコンサルタントとして活躍しています。 ・20代 事業会社 → 社労士法人 → 労務コンサルファーム → AGSコンサルティング(コンサルタント) 事業会社・社労士法人・コンサルティングファームで培った知見をもとに、IPO・M&Aに伴う労務DDや労務改善アドバイザリーを実行。その他にも複数会社の人事制度の統合・設計から数千人規模の労務改善プロジェクトまで、多様なコンサルティング業務に携わっています。
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【福岡支社】ビジネスコンサルタント(企業成長・企業再生)
想定年収
500~1,000万円
勤務地
福岡県(福岡市)
業務内容
総合アカウンティングファームである弊社の九州エリアにおいて、 主に事業成長・再生の分野でのコンサルティング業務に携わっていただきます。 <具体的なプロジェクト内容> ①成長支援 ・中期経営計画策定(資本コスト経営視点の導入、事業ポートフォリオ再設定) ・次世代育成(理念/歩みの共有、MVVの確認) ・磨き上げ(M&A伴走、FA) ・経営管理体制構築支援(原価計算、システム連携等) ②再成長支援 ・決算分析・支援(資金繰り状況把握、現状分析、改善計画、金融機関対応) ・コベナンツヒット見込み(財務分析・事業分析・事業計画・金融機関対応) ・不採算事業/グループ会社対応(現状分析・課題と解決方針の検討) ③再生支援 ・資金ショート懸念(資金構造・実態把握・資金見通し・対応策検討) ・再建計画策定(資金繰り確認・財務/事業DD・事業計画・第三者機関対応) ・再生型M&A(財務/事業DD・スポンサー探索・第三者機関他対応) ・上記のプロジェクトを主軸として、その他複数のプロジェクトに参画頂きます。 (ご自身のスキル・経験を鑑みマネージャーとの面談のうえ) <その他プロジェクト例> ・M&Aにおける財務/税務DD、企業価値評価 ・組織再編、M&A戦略・PMI支援・IPO支援(資本政策の策定、会計制度の構築、内部管理体制の構築等) ・上場会社支援(決算開示支援等)・人事制度設計 九州エリアについて ●オフィスの雰囲気・環境 ・相談しやすいフラットな組織: 明るく活気があり、職歴や年齢に関わらず意見を言い合える風通しの良さがあります。 ・チームで育てる文化: プロジェクトは複数名のチーム制です。 OJTや定期的な1on1面談を通じて、未経験の業務も安心してスタートできるバックアップ体制を整えています。 ●データでみる福岡支社 人員構成: 38名(エリア長・支社長含む) 有資格者: 税理士 9名 / 公認会計士 9名 年齢層: 20代後半~50代前半のメンバーが活躍中
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FASの業務内容
FASが主に携わる業務がM&Aに関する業務支援です。M&A関連業務は以下のようなプロセスに分かれます。
- M&A戦略
- デューデリジェンス(DD)
- バリュエーション
- PMI
一般的に、これらそれぞれの領域に専門のチームを構えていることがほとんどです。
また、M&A以外のFASの業務としては、以下の3つが代表的なものとしてあげられます。
- 企業再生支援
- フォレンジック
- インフラ/PPP
各領域に対応した組織を持つことで、より専門的なアドバイザリーサービスを提供できることがFASの強みの1つです。
下記の画像は、それぞれの業務内容をまとめたものです。

FASとIBDの違いは?
FASとよく比較されるのが、証券会社の投資銀行部門であるIBD(Investment Banking Divisionの略称)です。 IBDもFASと同様にクライアントへのM&A実行戦略提案から、企業間統合のPMIまで、M&Aの一連の流れをカバーしています。
FASとIBDの違いですが、FASは証券会社と異なりファイナンスの機能がないため、株式や債券の引き受けによる資金調達支援ができません。
その一方で、バイサイド・セルサイドのM&Aアドバイザリー業務を中心とし、加えてM&A後のPMIまで含めてIBDと比較してもより踏み込んだ支援を行うことができるという点がFASの特徴になります。
MyVision編集部では、ブランド名や「Big4かどうか」だけを基準に選ぶことを推奨しません。なぜなら、実際にブランド力を優先して入社したものの、自身の志向と業務内容が合わず早期離職に至るケースもあるからです。
そのため、案件の規模感や関与フェーズ、チームカルチャーまで具体的に確認し、自分がどのM&A工程で価値を出したいのかを明確にした上で選ぶ方が、納得のいく転職になりやすいです。
FASの役職と年収
FASはコンサルティングファームと同様に他の業種と比べて比較的高収入であると言われています。
下記はFASの役職別の一般的な年収となります。

給与の内訳は、ベース給与と賞与(ボーナス)です。ベース給与は役職ごとにある程度固定で決められています。賞与は、おおよそ固定給の10%〜30%ほどで、その年の個人のパフォーマンスやファームの業績によって決まります。
FASは昇給スピードが一般的な企業と比べるとかなり早く、早い方は20代のうちに年収1,000万円を超えます。 自身の能力や結果に応じて昇進スピードが決まるため、実力に応じた年収増を目指せる環境となっています。
実際にFASに転職して年収がアップした事例
弊社MyVisionでもFAS転職の支援を行っていますが、転職の結果年収が大幅に上がった事例は多いです。 下記の表で、実際に年収アップを実現させた事例をまとめています。
| 転職前の職種 | 転職前年収 | 転職後年収 |
|---|---|---|
| 会計士 | 700万円 | 900万円 |
| 経理 | 500万円 | 700万円 |
| 人事 | 500万円 | 800万円 |
| 監査 | 600万円 | 800万円 |
| 営業 | 500万円 | 800万円 |
| 法人営業 | 700万円 | 900万円 |
| 会計士 | 600万円 | 1000万円 |
また、より詳しい体験談も以下からご覧いただけます。
──年収も大幅に上がったため反省点は特にないです。非常に満足しています。
MyVision編集部の見解では、提示年収や昇給スピードだけで検討することは失敗しやすいです。その理由は、FASでは評価制度やアサイン案件によって実質的な成長スピードや市場価値の伸び方が大きく異なるからです。
短期的な年収アップだけでなく、3〜5年後にどのポジションへ進みたいのか、そのキャリアから逆算して今のファームを選べているかどうかが、長期的な満足度を左右します。
FASの働き方
改善されつつあるワークライフバランス
FASはクライアントワークであるため繁忙期はありますが、働き方改革の浸透やコンサルタント数の増加により、近年では比較的ワークライフバランスが確保されてきています。加えて、在宅ワークが推奨される場合もあるため、精神的・肉体的な負担も以前と比べると少なくなってきています。
また、FASと同様にM&Aアドバイザリー業務を行う投資銀行と比較しても、FASは1プロジェクトにアサインされる人数が多く、一人当たりの業務や責任範囲は限定的である場合が多いです。このため、IBDと比べても1メンバー当たりの業務負担が軽く、ワークライフバランスが確保されやすい環境です。
プロジェクトの忙しさを左右する要素
ワークライフバランスが改善されつつあるFASではありますが、アサインされるプロジェクトのフェーズや形態、マネージャーやクライアントの志向次第で、実際の働き方は異なってきます。
プロジェクトのフェーズ・規模
担当しているディールのエグゼキューションが佳境の時期や、クロスボーダー案件で時差のある海外オフィスとプロジェクトを行う場合は、労働時間が長くなる傾向があります。また、デューデリジェンス時や、M&Aの売却対象企業をまとめるIM(インフォメーションメモランダム)作成時にも同様にハードワークになる傾向があります。
プロジェクトの規模による忙しさについては、大型案件ではチームメンバーの数が比較的多くなるため、一人当たりの業務や責任範囲は限定的となることに対して、スモール〜ミッドキャップの案件はアサインされるメンバーの数が少ないです。このため、大型案件では相対的にワークライフバランスが確保されやすいと言えます。
プロジェクトマネージャー/チームメンバー
プロジェクトのメンバーの出身によっても、働き方が異なるケースがあります。 特にチームのシニア層に元IBD出身者が揃っているようなプロジェクトでは、IBDさながらのハードワークになる場合があります。一方で銀行出身のシニアが多いチームでは比較的に業務負荷が軽くなる場合もあります。
クライアント
クライアントの志向は実際の働き方に影響を与える要素の1つです。週に1度程度の定例進捗での報告で良しとするクライアントもいれば、細かな報告や丁寧な進め方を好むクライアントもいます。 細かいステップで進捗報告を求めるクライアントの場合、ミーティングの回数や必要な定例資料のアウトプットが増加するため、業務負荷が増える傾向にあります。
コンサルタントの忙しさについては、下記の記事でも解説しています。コンサルタントの働き方に興味がある方は、ぜひご覧ください。

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FASコンサルタントに求められるスキル
FASに求められるスキルは職位や専門領域によって様々ですが、全てのFASコンサルタントに共通して必須のスキルとして、論理的思考力(ロジカルシンキング)とコミュニケーション能力が挙げられます。
加えて、FASは戦略コンサルタントや総合コンサルタントといった一般的なコンサルタントと比較すると財務領域やおける知識や経験も重要になってきます。FAS転職では、未経験での採用も行われておりますが、金融のバックグランドが有利に働くことが多いのはこのためです。
本章ではFAS転職で求められる3つのスキルについて解説していきます。
論理的思考力
論理的思考力はFASコンサルタントにとって最も重要なスキルの1つです。複雑で抽象的な問いを整理し、課題を設定・構造化して、問題解決ができるように落とし込んでいく能力は、M&Aの現場では日夜問わず必要となる力です。
論理的思考力については時間をかければある程度習得可能で、それらに関する書籍も多く出版されています。
以下はコンサルタント業界で有名な、論理的思考力の基礎を身に付ける為の書籍です。ぜひ参考にしてみてください。
- 「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」バーバラ ミント
- 「新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術」齋藤 嘉則
- 「ロジカル・シンキング (Best solution)」照屋 華子, 岡田 恵子
また、弊社MyVisionでもコンサルティングファーム出身のエージェントを中心に、ケース面接対策を厚くサポートさせていただいておりますので、コンサルティングファームへの転職をご希望の方はお気軽にご相談下さい。
コミュニケーション能力
論理的思考力と同様に重要なスキルがコミュニケーション能力です。現場で働く中で、前提となる情報や認識がクライアントと異なるケースは珍しくありません。クライアントと認識の齟齬をなくし、プロジェクトを正しい方向に進めるためには、相手の視点に立って認識をすり合わせた上で、議論していく能力が非常に重要になります。
また、M&Aという非常にセンシティブな業務に携わるため、クライアントとのコミュニケーションには常に緊張感があります。自分の意見を相手にただ伝えるだけでなく、相手の心のうちを探りながらも、納得感を持って受け取ってもらえるような伝え方を考え、実行する力は非常に重要です。
財務領域における知識・経験
財務領域における知識や経験はFASで活躍するためには必須の素養です。このため転職活動の面接においても、M&Aや財務知識を問うような質問がされる場合もあります。
こちらの方は監査法人の監査部門で働いたのち、会計士としての知識・経験を活かして外資系FASコンサルティングファームに転職しました。
──同僚の中にはBig4にステップアップする方も多く、その時に監査法人ではなくFASに転職する方も一定数いたので以前から関心は持っていました。監査業務ではない仕事に関心があったため、最初からFASの選考を受けるつもりでした。
FAS転職では未経験での採用も行われておりますが、金融業界未経験の場合は転職後に継続的なインプットが求められることになります。転職活動中から書籍やニュース等を通して最低限の知識を身に付けておくことを推奨します。
キャリアパス
ここまでFASについて、働き方やプロジェクト事例、年収など説明してきましたが、次にFASコンサルとして働いた後のキャリアについて説明します。
FASでは、主にM&Aの一連フェーズ(戦略、買収先選定、ディールの実業務など)、企業再生支援、企業/事業の価値評価案件等を経験するため、卒業後のキャリアもこれらのM&A関連の経験が活かせるようなポジションへの転職が多くなります。
ポストFASのキャリアは下記が主要になります。
事業会社に行く場合
FASから事業会社に転職するケースは多いです。具体的には下記のようなFASでのM&Aの経験を活かすことのできる企業に転職する事例がよく見られます。
- 総合商社
- 事業会社の経営企画
- M&A関連の部署
PEファンドやバイアウトファンドに行く場合
日系のPEや政府系バイアウトファンドへ転職する場合もあります。
外資系PEファンドは、どちらかというと投資銀行や戦略コンサル経験者が転職する場合が多いため、FASからの転職は比較的少ない実情があります。
IBDや戦略ファームのM&A部隊に行く場合
M&Aの経験を活かすのことのできるIBDや戦略ファームのM&A部隊への転職も少なくありません。
スタートアップのCFOを目指す方もいますが、FASを退職後すぐにベンチャーCFO等へ転職する方はあまり多くありません。FAS後に上記キャリアを経由して最終的にCFOを目指すキャリアパスが一般的です。
FASのプロジェクト事例
FASのプロジェクトはあまり公に公開されることがないため、具体的にどのようなプロジェクトを実施しているのか、イメージを持ちにくいかもしれません。
そこで今回は、FASが行っているプロジェクト事例をいくつか紹介していきます。 FASのイメージがより具体的になると思いますので是非ご確認下さい。
PwCアドバイザリーの支援事例
あいちフィナンシャルグループ:愛知県No.1の地域金融グループとして地元の期待に応えていく
2022年10月3日に、愛知県最大の地域金融機関である株式会社あいちフィナンシャルグループ(以下「あいちFG」)が誕生した。愛知銀行と中京銀行の経営統合により設立された持株会社で、傘下の2行は2025年1月に合併を予定している。
PwCは、基本合意後の2022年1月から円滑な経営統合に向けて、統合事務局やガバナンス、リスク管理、経理・財務などの各種支援を実施。
2022年1月のサービスインから、5月に最終合意、10月に持株会社を設立という非常にスピード感のあるサポートをPwCにて実施した。
出典:PwC公式サイト
DTFAの支援事例
最高難度のグローバルカーブアウト(※1)M&A支援
クライアントAは過去最大規模のM&Aを契機に自社のグローバルトランスフォーメーションを志向した。規模の大きさに加え、買収クロージングまでに対象事業をグローバルで適正にカーブアウトすること、および対象事業の強みを活かす「リバースインテグレーション」を軸としたPMIプラニングが求められる非常に難易度の高い案件であった。デロイトは日英のコンサルティング、ファイナンシャルアドバイザーの混成チームを組成し、一般的なプロジェクトマネジメントに留まらず、カーブアウト固有課題への対応、将来の統合を見据えての青写真策定、対象会社とのコミュニケーション円滑化等をリードした。
日本チームがPMOとして、クライアントおよび他アドバイザー含め総勢100名以上が関与する巨大プロジェクトの推進をリード。UKチームがクロージングに向けての各種契約(各国再編契約やTSA等)、シナジーやガバナンス設計といった個別領域での支援を実施した。
※1カーブアウト 会社分割の一種で、親会社が戦略的に小会社や自社の事業の一部を切り出し(carve out)、新会社として独立させること。
業界トップランナーの「持続的経営」に向けた全社改革
デロイトではクライアント企業Bのグループ経営体制再編(持株会社体制移行)を契機としたグループ経営改革を推進した。
当初、クライアントは今後の第2-3の柱候補となる特定事業がグループ内で分散しているため、それを集約するグループ内再編を想定していた。
しかし、デロイト内で討議を進める中で特定事業の再編だけでは経営陣が考える課題感、目指すべき姿の実現は困難であると結論付け、トップマネジメントに改革案を提起した。社外取締役・監査役との議論も経て、議論開始から約半年後の取締役会にてグループ経営体制改革の推進を正式承認した。その後、全社改革プロジェクトとしてM&Aユニットが全体統括となり、All デロイト(DTC、監査、税務、法務)で支援を実施した。
まとめ
本記事では、FASのコンサルタントに焦点を当てて「そもそもFASとは」といった基本的な部分からプロジェクト事例やその後のキャリアパスまで解説しました。
MyVisionでは、コンサルティングファームだけでなく、FASについても同様に適切なファームや求人ポジションの紹介、選考対策まで、個々人の事情に合わせて幅広く支援しています。
コンサルティングファーム、FASへの転職を少しでも検討されているようでしたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
MyVisionでは、FASやコンサルティングファーム出身者をはじめとする業界理解の深いコンサルタント陣が、キャリアの棚卸しから書類・面接対策まで一貫してサポートしています。
FAS系コンサルに関するよくある質問
Q1. FASに向いている人・向いていない人の特徴はありますか?
FASでは、正解が一つに定まらない状況の中で意思決定を支援する場面が多くあります。そのため、数字や事実をもとに仮説を立て、地道に検証していくプロセスを楽しめる人は向いています。また、クライアントとの折衝や社内外の関係者との調整も多いため、専門性と同時に「他者視点で物事を考えられる力」も重要です。
一方で、明確な指示がないと動きにくい人や、短期的な成果のみを求める人はギャップを感じやすい傾向があります。プロジェクト単位で環境が変わるため、変化耐性や学習意欲も重要な要素です。
Q2. FASに転職するために資格や英語力は必須ですか?
資格や英語力が“必須”というわけではありませんが、キャリアの幅を広げる上で有利に働くケースはあります。たとえば、公認会計士やUSCPAなどの資格は専門性の証明になりますし、英語力はクロスボーダー案件に携わる機会を広げる要素になります。
ただし、実務では資格の有無以上に「財務三表をどう読み解くか」「事業構造をどう理解するか」といった実践的な思考力が問われます。そのため、資格取得だけを目的化するのではなく、自身のキャリア戦略に沿って必要性を判断することが重要です。



