KPMG FASへの転職|年収・難易度・働き方・キャリアを徹底解説
2025年10月29日更新
KPMG FASは、世界4大会計事務所「BIG4」の一角であるKPMGグローバルネットワークのフィナンシャルアドバイザリー部門です。
M&A、事業再生、企業価値評価など、企業の重要な経営判断を支える高度な財務アドバイザリーを提供しています。
特に、会計・監査・税務の各部門と密接に連携した総合力が強みで、国内外の複雑な案件に多数関与している点が特徴です。
M&Aアドバイザリーやデューデリジェンス、フォレンジックなど、財務の専門性を磨きたい人にとっては理想的な環境といえるでしょう。
本記事では、KPMG FASの企業概要・仕事内容・年収水準・働き方・転職難易度・選考対策までを詳しく解説します。
BIG4のなかでも高い評価を誇る同社への転職を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
著者

横見 大輔
Daisuke Yokomi
神戸大学卒業後、新卒で三菱UFJモルガン・スタンレー証券に入社。4年半リテール営業に従事。富裕層や法人に対して、株式や債券、投資信託をはじめとする金融サービスに加え、保険や遺言信託、ファイナンシングサービスを提供。業績では50人中5位の成績を収め、在籍していた支店は社長賞を受賞。その後同社の財務企画部へ異動となり、全社計画の策定や収益分析などの企画職に従事。求職者様のまだ見ぬ最高の出会いを一緒に探していきたいという思いからMyVisionに参画。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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KPMG FASとは?BIG4の一角としてM&A・再生支援に強み
KPMG FASは、KPMGジャパングループのなかでフィナンシャルアドバイザリー業務を担う専門ファームです。
M&Aや事業再生、企業価値評価など、企業の重要な経営課題を財務面から支援しています。
会計・監査・税務・コンサルティング各部門と密接に連携し、国内外の大型案件にも多く関与しているのが特徴です。
ここでは、同社の概要や事業領域、グローバルネットワークを活かした強みを詳しく見ていきます。
KPMG FASの概要と特徴
KPMG FASは、企業の成長戦略や事業再生など、経営上の重要局面で意思決定を支援するフィナンシャルアドバイザリーファームです。
M&Aや再編、ガバナンス強化など、多面的なアプローチで企業価値の最大化を目指しています。
最大の特徴は、KPMGのグローバルネットワークを活かした「総合力」と「専門性」の両立です。
世界各国のメンバーファームと連携し、海外企業とのM&Aやクロスボーダー案件にも高い精度で対応しています。
さらに、会計・税務・法務・リスクといった各分野の専門家がチームを組み、複雑な経営課題をワンストップで解決できる体制を整えています。
フォレンジック(不正調査)やバリュエーション、PMIなど幅広い領域をカバーしている点も強みです。
近年は、サステナビリティ経営支援やESG投資に関連する案件にも注力しています。
社会的価値と経済的価値の両立を支えるパートナーとして、クライアント企業の長期的な成長に貢献しています。
| 会社名 | 株式会社KPMG FAS |
|---|---|
| 代表取締役 | 知野 雅彦/岡田 光/澄川 徹 |
| 所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目9番5号 大手町フィナンシャルシティ ノースタワー |
| サイトURL | https://kpmg.com/jp/ja/home/about/fas.html |
主な事業領域(M&A・再生・デューデリジェンス)
KPMG FASは、M&Aや事業再生を中心に、企業の経営課題を財務・戦略の両面から支援しています。
複雑な案件にも対応できる専門チームを組成し、戦略立案から実行支援までを一貫して行う点が特徴です。
主な事業領域は以下のとおりです。
| 領域 | 主な支援内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| M&Aアドバイザリー | 買収・売却の戦略立案、デューデリジェンス、PMI(統合支援) | 国内外の大型案件に多数実績。クロスボーダー案件にも対応 |
| 事業再生・ターンアラウンド | 財務改善策立案、再建計画策定、債権者交渉支援 | 金融機関・投資ファンドと連携しスピーディに再生を実現 |
| デューデリジェンス/バリュエーション | 財務・税務・ビジネスDD、企業価値評価 | リスクとリターンを数値で可視化し、投資判断の精度を向上 |
| フォレンジック(不正調査) | 不正会計・贈収賄対応、内部統制強化 | 国際的な不正対応経験を活かし、再発防止策を提言 |
これらの業務は、会計・税務・法務の各専門家と連携して行われます。
財務的な知見と経営戦略の両面から企業価値を高める点が、KPMG FASの大きな強みです。
高い専門性とグローバルネットワークの活用
KPMG FASは、グローバルに展開するKPMGネットワークの一員として、世界水準の知見と専門スキルを活かしたアドバイスを提供しています。
日本国内の案件にとどまらず、海外企業とのM&Aや再編プロジェクトにも強みを持ちます。
特に、KPMGの各国オフィスとリアルタイムで連携できる点が大きな魅力です。
税制や会計基準、法規制の異なる国際案件でも、現地の専門家と協働しながら最適なソリューションを導きます。
以下は、グローバルネットワークを活用して実施される代表的な国際案件の例です。
| 専門領域 | 提供する主な価値 |
|---|---|
| クロスボーダーM&A | 各国の法制度・税制に精通したチームによるスムーズな取引支援 |
| フォレンジック・不正対応 | グローバル基準のリスク評価と再発防止策の立案 |
| バリュエーション/モデリング | 世界各地の評価基準を踏まえた企業価値算定 |
| 再生・リストラクチャリング | 海外拠点を含むグループ全体の再編支援 |
さらに、同社では以下のように、部門や専門領域をまたぐ分野横断的な強みも発揮しています。
- 会計・税務・法務・リスクの各専門家が一体となったチーム体制
- 各国の業界データベースを活用した精緻な市場分析
- 最新のテクノロジー(AI・データ分析)を用いたモデリング・リスク予測
これらの連携力と情報基盤により、KPMG FASは国内外を問わず最適な財務アドバイスを提供できるファームとして高く評価されています。
KPMG FASの特徴や社風については、以下の記事でも詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。
KPMG FASの年収はBIG4 FASの中でも上位水準
KPMG FASの年収水準は、BIG4のFAS部門のなかでも上位に位置します。
成果に応じた報酬制度が整備されており、実績次第で若手のうちから高年収を目指せる環境です。
職位が上がるにつれて裁量や責任が増す一方、報酬も大きく伸びるのが特徴です。
ここでは、平均年収や報酬体系、役職別レンジをはじめ、他ファームとの比較やボーナス制度について詳しく解説します。
平均年収と報酬体系
KPMG FASの平均年収は約1,229万円(引用:OpenWork)で、BIG4 FASのなかでも上位に位置します。
業績連動型の報酬制度が導入されており、成果に応じて大きく報酬が変動するのが特徴です。
年収は基本給に加え、業績評価に基づくボーナスやプロジェクト成果に対するインセンティブで構成されています。
特にマネージャー以上の職位では、案件の収益やチーム貢献度が評価に直結します。
| 給与構成 | 内容 |
|---|---|
| 基本給 | 年功序列ではなく、職位・成果に応じて決定 |
| 業績ボーナス | 半期ごとのパフォーマンス評価に連動して支給 |
| 残業代・深夜手当 | 管理職以外は全額支給されるケースが多い |
| 福利厚生 | 退職金制度・確定拠出年金・長期休暇制度などを完備 |
FAS部門では、成果主義を徹底しながらも、長期的な成長を支える制度が整っています。
高い専門性と成果を発揮すれば、入社3〜5年で年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
役職別・年次別の年収レンジ
KPMG FASの年収は、職位が上がるごとに大きく伸びていきます。
アソシエイトクラスでも高水準であり、マネージャー以上になると1,000万円を超えるケースが一般的です。
以下は、口コミデータや転職エージェントの公開情報をもとにした目安レンジです。
| 職位 | 想定年収レンジ | 想定年次・目安 |
|---|---|---|
| アナリスト | 580万円〜600万円 | 入社1〜2年目、若手メンバーとして分析・資料作成を担当 |
| アソシエイト | 600万円〜1,000万円 | 入社2〜4年目、リサーチやモデル作成を中心に担当 |
| シニアアソシエイト | 850万円〜1,300万円 | 入社4〜6年目、案件の一部をリードしクライアント対応も実施 |
| マネージャー | 1,100万円〜1,800万円 | チームを率い、複数案件を同時に管理 |
| シニアマネージャー | 1,600万円〜2,000万円以上 | 大型案件の統括や後進育成を担う中核ポジション |
| ディレクター | 2,000万円〜2,500万円以上 | 事業戦略策定・新規案件獲得・組織運営を主導 |
| パートナー | 2,800万円〜4,000万円以上 | 経営層として収益責任とファーム全体の成長戦略を担う |
引用:OpenWork
職位が上がるにつれ、マネジメントスキルやクライアント対応力など「財務分析を超えた総合力」が評価対象となります。
また、グローバル案件を担当する社員は、英語力や海外勤務経験が昇給要因になることもあります。
中途・新卒入社時の想定年収
KPMG FASの新卒入社時の想定年収は、「M&A・戦略コンサルタント職で約580万円〜」とされており、入社時から専門性の高さと成果に見合った待遇が設定されています。 (参考:公式採用サイト(新卒採用))
入社後は、財務モデリングやデューデリジェンスの基礎を実務を通じて学びながら、早期にクライアントワークを経験できます。
努力次第で20代後半から年収1,000万円超を目指すことも可能です。
一方で中途採用の年収は、「経験・能力を考慮の上、応相談」という形で個別に設定されます。 (参考:公式採用サイト(経験者採用))
中途入社者の場合、前職での成果や専門スキルが報酬に直結します。
特に即戦力として採用される場合は、初年度から年収1,000万円前後を提示されるケースも見られます。
成果主義・ボーナス制度の特徴
KPMG FASでは、明確な成果主義のもとで評価と報酬が決定されます。
評価は半期ごとに行われ、個人のパフォーマンスとチーム貢献の双方を基準として総合的に判断されます。
ボーナスは年2回支給される「パフォーマンスボーナス」として位置づけられ、職位や成果に応じて支給額が変動します。
特にマネージャー以上の職位では、案件の難易度やクライアント満足度、チームの収益貢献度などが重要な評価項目です。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 評価時期 | 年2回(半期ごと)に業績・行動を総合評価 |
| 評価基準 | 個人の成果・チーム貢献・リーダーシップなどをバランスよく考慮 |
| ボーナス支給 | 評価結果に応じて支給額が変動(パフォーマンスボーナス) |
| 昇給・昇進 | 成果・能力次第でスピード昇進も可能 |
参考:OpenWork
また、FAS業務はプロジェクトごとの成果が明確なため、努力と実績がダイレクトに報酬へ反映されやすい環境です。
年功序列ではなく、若手でも高評価を得れば早期に昇給・昇進が可能です。
この成果連動型の仕組みは、専門性と責任感のある人材を正当に評価する制度として機能しており、KPMG FASが高年収を維持する大きな要因となっています。
他BIG4 FASとの年収比較
KPMG FASの平均年収は約1,229万円で、BIG4 FASのなかでも最も高い水準に位置します。
各ファームともに専門性の高い業務を担いますが、報酬体系には一定の差が見られます。
以下は、主要BIG4 FASの平均年収を比較したものです。
| 法人名 | 平均年収(OpenWork調べ) | 特徴 |
|---|---|---|
| KPMG FAS | 1,229万円 | 会計・税務連携による高付加価値案件が多く、高水準を維持 |
| PwCアドバイザリー合同会社 | 1,082万円 | 案件数が多く、マネージャー層以上での昇給幅が大きい |
| デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA) | 967万円 | 案件領域が広く、若手のうちから案件リードを経験できる |
| EYストラテジー・アンド・コンサルティング(FAS部門含む) | 903万円 | ワークライフバランス重視傾向で安定志向の社員が多い |
引用:OpenWork
KPMG FASは、M&A・再生・フォレンジックといった高付加価値案件を数多く手掛けるため、報酬水準が相対的に高い傾向にあります。
特に専門資格を持つ会計士や金融出身者の比率が高く、個々のスキルに見合った評価制度が整っていることが、高年収につながっています。
KPMG FASの働き方はハードだが専門性を磨ける環境
KPMG FASの働き方は、プロジェクト単位で業務量が大きく変動するのが特徴です。
繁忙期には長時間勤務となるケースもありますが、その分だけ高い専門性と実務力を身につけられる環境が整っています。
M&Aや再生支援などの案件は短期間で成果を求められるため、スピード感と精度の両立が求められます。
一方で、プロジェクト終了後には有給休暇をまとめて取得できるなど、メリハリのある働き方が可能です。
ここでは、KPMG FASの実際の働き方や社内の文化、口コミから見えるリアルを紹介します。
案件特性と働き方の実態
KPMG FASの業務は、M&A、事業再生、フォレンジック調査など、案件ごとにチームを組成して進めるプロジェクト型の働き方が基本です。
各案件には明確な納期が設定され、短期間で精度の高いアウトプットを求められます。
M&A関連では、買収・売却の意思決定までに限られた期間しかないため、デューデリジェンスやバリュエーションなどの分析を短期間で完了させる必要があります。
こうした業務特性上、案件の山谷がはっきりしており、繁忙期には集中的な対応が発生することもあります。
ただし、プロジェクト完了後には有給休暇やリフレッシュ休暇を取得しやすく、一定の休息期間を確保できる体制が整えられています。
案件の合間に専門研修やグローバルを含めた人材育成プログラムを受講できる点も特徴です。
このように、KPMG FASでは業務負荷は高いものの、短期間で専門スキルを磨ける実践的な環境が整っています。
プロフェッショナルとして成果を重ねたい人に適した職場といえるでしょう。
ワークライフバランスと残業時間
KPMG FASの平均残業時間は月59.9時間とされています。 (引用:OpenWork)
一般的な企業と比べると長時間労働の傾向があり、特に案件の締め切り前はタイトなスケジュールで業務を進めることが多いのが実情です。
ただし、残業時間の多くは、クライアント対応や資料作成などプロジェクトの進行に直結するものであり、無駄な業務が少ないという点で効率性を評価する声もあります。
また、在宅勤務やフレックスタイム制度が導入されており、時間帯の裁量を持ちながら働ける体制が整っています。
一方で、業務の密度が高く、入社初期にはペースに慣れるまで負荷を感じる人も少なくありません。
そのため、同社ではチーム単位での作業分担や、プロジェクト後の有給取得推奨など、負担を軽減する取り組みも進められています。
このように、KPMG FASの働き方はハードではあるものの、成果を上げるための環境整備と制度的な柔軟性の両立が図られています。
キャリア形成を重視する人にとっては、挑戦と成長の両方を得られる職場といえるでしょう。
チーム文化とプロ意識
KPMG FASでは、職位や専門分野を超えて協働する「チームワーク型」の文化が根づいています。
M&Aや再生支援などのプロジェクトは複数の専門家が関与するため、個人のスキルよりもチーム全体で成果を出すことが重視されます。
会計士、金融出身者、コンサルタントなど、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、互いの強みを補完しながら業務を進めます。
専門領域を横断した情報共有が盛んで、知見の蓄積やナレッジ共有の文化が発達しています。
また、同社ではプロフェッショナリズムを重視しており、納期遵守と品質担保を徹底する意識が浸透しています。
特にクライアントとの信頼関係を最優先に考え、論理性・正確性・スピードを兼ね備えたアウトプットを求める姿勢が特徴です。
このように、KPMG FASは「個の力をチームで最大化する」文化のもとで高い専門性を発揮する組織です。
実力主義の環境で切磋琢磨したい人や、専門家同士の協働を通じて成長したい人に適した職場といえるでしょう。
社員の口コミ・評判
KPMG FASの働き方については、社員から「高い専門性と成果主義が両立した職場」という声が多く見られます。
実際の口コミからも、成長環境・業務負荷・働き方の柔軟性など、同社の実態が浮かび上がります。
まず、成長環境について以下のような口コミがありました。
品質の高いもの業務をスピーディーに要求される環境のため、自然と成長機会が多い環境になっている。
また周りの社員は士気が高く優秀な方が多いので、自分自身で成長を求めている人にとっては刺激的で動機付けが常にある環境だと思う。 引用:OpenWork
一方で、プロジェクトベースの働き方に伴う負荷の大きさを指摘する声もあります。
どうしてもプロジェクトベースなので案件次第。どこの会社もそうだが、下のポジションで入るとプライベートを優先することは難しいと思う。 引用:OpenWork
働き方の自由度については、柔軟性を評価する声が見られます。
働き方は比較的自由に選べる。出社比率と在宅比率のベンチマークはあるものの、自分の予定に合わせて働く場所は選ぶことができ、フレキシブルな社風がある。 引用:OpenWork
また、プロフェッショナルとしての意識の高さを象徴する意見もありました。
時給何万のプロの世界なので、9時5時で勤務するのは個人的に違うと思うものの、限られた時間内でバリューを出すマインドセットに繋がるという意味では悪くないと考えている。 引用:OpenWork
これらの口コミから、KPMG FASは高い要求水準と自由な働き方が共存する環境であり、自律的に成長を目指す人ほどやりがいを感じやすい職場であることが分かります。
KPMG FASの口コミは、以下の記事でもリアルな評判として多数掲載しています。ぜひご覧ください。
KPMG FASの転職難易度は高いが専門スキルがあれば狙える
KPMG FASへの転職は、BIG4のなかでも難易度が高い部類に入ります。
M&Aや事業再生、フォレンジックなど高度な専門領域を扱うため、財務・会計・金融に関する知識や実務経験が重視されます。
一方で、会計士や投資銀行出身者など、明確な専門スキルを持つ人にとっては十分にチャンスがある環境です。
ここでは、KPMG FASの採用基準や求められるスキルセット、転職成功の傾向を整理し、どのような人材が評価されやすいかを解説します。
採用の競争率と求められるスキル
KPMG FASの中途採用は、BIG4のなかでも高い競争率にあります。
扱う案件がM&A・事業再生・バリュエーション・フォレンジックなど専門性の高い領域に集中しているため、応募者には実務経験と論理的思考力の双方が求められます。
公式採用ページでは「経験・能力を考慮の上、応相談」と明記されていますが、選考では実務経験よりも「即戦力として業務を遂行できる力」が重視されます。
特に以下のようなスキルセットを持つ人材は評価されやすい傾向があります。
- 財務諸表を読み解く力(PL・BS・CFの構造理解と分析)
- Excelを用いた財務モデリング・シミュレーションスキル
- PowerPointによる論理的な提案資料作成力
- 課題を定量的に捉え、解決策を構築する論理的思考力
- 英語での資料作成・会議対応力(グローバル案件対応)
- 高い当事者意識と自己管理能力
また、FAS業務はスピードと精度の両立が求められるため、限られた時間内で成果を出すタイムマネジメント能力も重要です。
単なる知識量よりも、数字を根拠に意思決定を支援できる実務的なスキルが採用のカギとなります。
向いている人・向いていない人
KPMG FASは、難易度の高い案件を短期間で遂行する環境のため、主体性と論理的思考力を持つ人ほど活躍しやすい職場です。
数字をもとに課題を構造化し、限られた時間の中で成果を出すことが求められます。
向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 財務・会計領域への強い興味と学習意欲がある
- 高い目標設定のもとで成長を楽しめる
- 精度とスピードの両立を意識できる
- 周囲と協働しながら成果を上げる姿勢がある
- クライアント視点で論理的に課題を解決できる
一方で、次のような人はミスマッチを感じやすい傾向があります。
- 長時間労働を避けたい、安定したペースで働きたい
- 指示がないと行動できない
- 不確実な状況下での判断や自己管理が苦手
- 専門知識の習得にあまり関心がない
KPMG FASは「プロフェッショナルとして自立して行動できる人材」を評価します。
裁量と責任が大きい分、自ら成長をつかみに行ける人ほど、スピーディにキャリアを築ける環境です。
他業界出身者が採用されるケース
KPMG FASでは、コンサルティングや金融業界出身者に加え、事業会社からの転職者も一定数採用されています。
必ずしもFAS経験が必須ではなく、財務・会計領域への理解と成長意欲があれば、異業種出身でもチャンスがあります。
代表的な採用事例としては、以下のようなキャリアが挙げられます。
- メーカーや商社の経営企画・財務部門で、M&Aや予算管理に関わった経験
- 銀行・証券・ファンドなど金融業界での企業評価・投資分析経験
- 会計事務所や監査法人での監査・会計アドバイザリー業務経験
- IT・通信業界でのデータ分析や事業再構築プロジェクトへの参画経験
このようなバックグラウンドを持つ人は、既存の知見を活かしつつ、財務アドバイザリーとしての専門性を高められます。
特に、経営数字を扱う業務経験や課題解決のプロセスに慣れている人は即戦力として評価されやすいです。
KPMG FASでは、経験よりも「ロジカルに考え、数字で語れる人材」を重視しています。
異業種からの転職であっても、財務分析力・課題整理力・行動力があれば十分に活躍できる環境です。
KPMG FASの選考は実務理解と論理性がカギ
KPMG FASの選考では、財務・会計の実務理解と論理的思考力の両立が重視されます。
書類選考ではスキルや経験の一貫性、面接では問題解決力や数字を根拠にした説明力が問われるのが特徴です。
また、同社はM&Aや事業再生といった専門領域を扱うため、選考全体を通じて「どれだけ現場感を持って課題を捉えられるか」が評価のポイントとなります。
ここでは、KPMG FASの選考フローや質問傾向、効果的な対策方法について詳しく解説します。
書類選考・面接の流れ
KPMG FASの中途採用については、公式サイトで具体的な選考フローは公開されていません。
しかし、新卒採用の選考プロセスが詳細に掲載されており、中途採用でも基本的な流れは大きく変わらないと考えられます。
KPMG FAS公式サイトに掲載されている新卒採用フローは以下のとおりです。
- マイページより応募
- 書類選考(エントリーシート)
- Web適性検査
- オンラインケース面接
- ジョブ型選考(職種別選考)
- 個人面接(複数回)
面接は現場コンサルタントやマネージャー、人事担当者が担当し、実務スキル・志向性・カルチャーフィットを総合的に確認します。
なお、ケース面接ではM&Aや企業再生をテーマとしたビジネス課題が出題されることがあります。
数値データを用いて論理的に分析・提案する姿勢を示すことが重要です。
KPMG FASの選考は、知識だけでなく実務を想定した思考力と柔軟なコミュニケーション力を重視する構成になっています。
面接で問われる質問例
KPMG FASの面接では、財務的な知識だけでなく、論理性・思考の深さ・英語力を含めた総合的なビジネススキルが確認されます。
質問内容は実務理解を問うものから、人物面を評価する質問まで幅広く、ケース面接的な要素を含むのが特徴です。
転職会議によると、実際の面接では以下のような質問が出されています。
- 「最近興味を持ったM&Aは?」
- 「弱みと改善機会は?」
- 「マーケティング的に注目している業界」
- 「英語で経験した案件を教えてください」
- 「なぜFASなのか?」
- 「リーダーシップを発揮した経験を教えてください」
引用:転職会議
これらの質問は、単なる知識確認ではなく、候補者がどのように課題を捉え、行動に移しているかを評価する意図があります。
特に「なぜFASなのか」といった志望動機では、会計・金融知識を自らのキャリア目標とどう結びつけているかが問われます。
また、英語に関する質問が出ることからも、グローバル案件への適応力を重視していることが分かります。
論理的かつ具体的なエピソードをもとに、自分の強みを一貫したストーリーで伝えることが重要です。
技術・ケース面接対策
KPMG FASの面接では、実務理解と論理的思考力の両方が重視されます。
M&Aや事業再生に関するケース面接が中心で、企業価値評価(バリュエーション)や財務分析の基礎を問われることが多いです。
特に次のようなテーマ・知識は頻出です。
- DCF法・マルチプル法などの企業価値評価手法
- P/L・B/S・C/Fを連動させた財務分析の基礎理解
- M&Aの流れ(ソーシング〜クロージング〜PMI)
- 財務モデリングやExcelによる簡易シミュレーション
評価されるのは正答よりも「問題の分解力」と「根拠の一貫性」です。
想定問答集に頼るよりも、M&A事例を自分なりに分析し、論理的な判断軸を持つことが効果的です。
KPMG FASでは、理論よりも実務で使える思考プロセスを重視します。
数値を基に結論を導く練習を重ねることで、ケース面接への対応力が高まります。
論理的思考力のアピール方法
KPMG FASの面接では、数字や事実をもとに結論を導く論理的思考力が最も重視されます。
面接官は、候補者がどのように課題を整理し、根拠をもって説明できるかを確認しています。
論理的思考を効果的に示すには、次のポイントを意識するとよいでしょう。
- PREP法(結論→理由→具体例→再主張)で簡潔に伝える
- 数値・データを交えて発言し、主張の根拠を明確にする
- 問われた内容に即して構造的に回答する(結論から話す)
- 自身の経験を抽象化し、「再現性のある考え方」として説明する
たとえば「困難な課題をどう解決したか」を問われた際には、課題、分析、対応、成果の流れで整理すると説得力が増します。
KPMG FASでは、結論の正確さよりも思考の一貫性と論理展開の明瞭さが評価対象です。
KPMG FASでキャリアアップを実現する方法
KPMG FASでは、実績と能力に応じて明確なキャリアパスが設けられています。
成果主義を軸に、若手のうちから責任あるポジションを任される機会が多く、早期にマネジメント経験を積むことが可能な点が特徴です。
また、評価は短期的な業績だけでなく、チーム貢献や専門性の深化も対象となります。
ここでは、KPMG FASでの昇進・昇給の仕組みやキャリア形成のステップ、そして長期的に成長し続けるためのポイントを解説します。
昇進・昇給の仕組み
KPMG FASでは、成果と能力に基づいた明確な昇進制度が整っています。
年功序列ではなく、個々の実績とスキルレベルを重視する成果主義の文化が根づいており、実力次第でスピーディにキャリアアップが可能です。
昇進は一般的に以下の順に進みます。
| 職位 | 主な役割 | 評価のポイント |
|---|---|---|
| アナリスト | 調査・資料作成・データ整理などの実務補助 | 財務理解、分析スピード、正確性 |
| アソシエイト | 分析・レポート作成、クライアント対応の補助 | 論理的思考力、専門知識の習得 |
| シニアアソシエイト | 案件の一部をリードし、若手の指導も担当 | 自立性、業務品質、チーム貢献 |
| マネージャー | プロジェクト管理・チームリード | 案件推進力、収益貢献、リーダーシップ |
| シニアマネージャー | 大型案件の統括・複数チームのマネジメント | 組織運営力、対外折衝力 |
| ディレクター | 新規案件開拓、戦略的提案 | 事業開発力、顧客基盤拡大 |
| パートナー | 経営参画・ファーム全体の戦略立案 | 売上責任、組織成長への貢献 |
半期ごとの業績評価に基づき、昇給・昇格が決定されます。
特にマネージャー層以上では、案件収益やチーム貢献度が昇進に直結します。
努力と成果が正当に評価される環境であり、専門性を高めながら段階的にキャリアを築けるのがKPMG FASの特徴です。
専門職とマネジメント職のキャリア
KPMG FASでは、成果と専門性に応じた評価制度が整備されています。
昇進・昇給は年功ではなく、半年ごとの業績評価に基づいて決定される成果主義の仕組みです。
評価軸は主に次の3つで構成されています。
- 業績評価:プロジェクト成果や収益貢献度
- 能力評価:専門知識・課題解決力・リーダーシップ
- 行動評価:チーム貢献、クライアント対応、価値観の体現
これらの総合スコアにより、昇進や報酬改定が決まります。
高評価を得た社員は、同世代より早いスピードで昇進できる仕組みであり、入社3〜5年でマネージャーに昇格する例もあります。
また、報酬は固定年俸に加え、業績連動ボーナス(インセンティブ)が支給されます。
特にマネージャー以上では、担当案件の成果が年収に直接反映される仕組みが採用されています。
このように、KPMG FASでは「努力が正当に報われる」評価体系が整っており、成果を重ねるほどキャリアも収入も着実に伸ばせる環境です。
入社後に求められる役割と成長ステップ
KPMG FASでは、M&Aの各フェーズを理解しながら経験を積むことで、段階的に責任の範囲を広げていくキャリアステップが設定されています。
新人のうちはプロジェクトの一部を担当し、経験を重ねるごとにチームリードやクライアント対応など、より高度な役割を担うようになります。
| キャリアステージ | 主な役割・ミッション | 成長の方向性 |
|---|---|---|
| アナリスト/ジュニアアソシエイト | 上位者の指示のもと、タスク単位で作業を遂行 | 財務知識・分析力の習得、正確性 |
| アソシエイト/シニアアソシエイト | 定められたスコープに基づき、業務を自律的に遂行 | 実務遂行力、コミュニケーション力 |
| マネージャー/シニアマネージャー | チームを率い、複数案件のマネジメントを担当 | 案件管理力、チーム育成力 |
| ディレクター | 大型案件の統括や新規案件の提案活動を主導 | リーダーシップ、事業開発力 |
| パートナー | 経営層としてファーム全体の戦略を策定・実行 | 組織運営、顧客基盤拡大への貢献 |
このように、職位が上がるごとに「実務者」から「マネージャー」、そして「経営参画者」へと成長していきます。
各ステージで求められる能力が明確に定義されており、定期的なフィードバックや評価制度を通じてキャリア形成を支援する仕組みが整っています。
マイビジョン経由の転職成功事例
KPMG FASをはじめとするFAS系コンサルティングファームでは、会計・金融・企画などのバックグラウンドを持つ方が多く活躍しています。
MyVisionを通じて転職を成功させた方々のなかから、異なるキャリア出身の2名の事例を紹介します。
1.損保での人事経験を活かし、金融機関向けの改革に挑むためFAS系コンサルティングファームへ転職
| 氏名 | H・Sさん |
|---|---|
| 年齢/学歴 | 31歳/慶應義塾大学卒 |
| 前職 | 損害保険会社/人事・企画 |
| 転職後 | 外資系FASコンサルティングファーム/コンサルタント |
| 年収変化 | 800万円→950万円 |
H・Sさんは、人事としてリストラ案件に携わった経験をきっかけに、「より経営課題の本質に関わる仕事をしたい」と考え、コンサル業界への転身を決意しました。
MyVisionのキャリアアドバイザーが、FAS系ファームのなかでも金融機関向けチームを提案したことで、自身の経験を活かせる転職を実現しました。
丁寧な面談と実践的な面接指導を通じ、入社後もキャリアの方向性を明確に描けた好事例です。
2.第二新卒枠で、証券会社の営業からFAS系コンサルティングファームへ挑戦
| 氏名 | S・Sさん |
|---|---|
| 年齢/学歴 | 25歳/神戸大学卒 |
| 前職 | 証券会社/法人営業 |
| 転職後 | FAS系コンサルティングファーム/アナリスト |
| 年収変化 | 450万円→600万円 |
S・Sさんは、証券会社での営業経験を経て「企業の成長を支援する立場で働きたい」と感じ、第二新卒枠でのFAS転職に挑戦しました。
MyVisionの田仲アドバイザーとの出会いをきっかけに、金融知識と営業力を活かせるFASの道を発見しました。
書類・面接対策を徹底することで、未経験からのキャリアチェンジを成功させました。
まとめ:KPMG FASはハードだが財務のプロを目指す最高の環境
KPMG FASは、M&A・事業再生・フォレンジックなどの最前線で、企業の経営課題を解決する専門家集団です。
高い専門性と厳しい成果基準が求められる一方で、成長スピードと報酬水準は業界でもトップクラスに位置しています。
ハードな環境であることは間違いありませんが、得られる経験値とスキルの汎用性は圧倒的です。
財務・会計・経営の知見を武器に、将来的にCFOや経営層を目指す方にとって、KPMG FASはこれ以上ないキャリアの土台となるでしょう。
MyVisionが選ばれる理由
FAS業界への転職では、会計・金融・戦略といった高度な知識と業界理解が求められます。
MyVisionは、こうした専門領域に精通したキャリアアドバイザーが多数在籍し、KPMG FASをはじめとするハイクラス転職を数多く支援しています。
MyVisionが選ばれる理由は、次の3点にあります。
- 専門性の高い支援体制:各ファームの組織構造や案件特性を熟知し、あなたの経験に最適なポジションを提案
- 実践的な選考対策:財務・ケース面接・英語面接までを想定した模擬面接やフィードバックで内定率を向上
- 中長期的なキャリア伴走:入社後のキャリア形成や異動・昇進に関する相談も継続的にサポート
MyVisionは、単なる転職エージェントではなく、「キャリアの専門家」としてあなたの次の一歩を支援します。
KPMG FASをはじめ、FAS・コンサル業界で本気でキャリアを築きたい方は、ぜひご相談ください。
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