エネルギー業界の変革期を先導するテックコンサルタント 【EYストラテジー・アンド・コンサルティング テクノロジー・ストラテジー&トランスフォーメーション(TST)エネルギーチームインタビュー】
2025年03月28日更新
企業紹介
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下、EYSC)は世界150以上の国と地域で、戦略、M&A、テクノロジー、人材などあらゆるテーマをカバーするグローバルコンサルティングファームです。あらゆる業界に精通する専門チームや最新のテクノロジー、グローバルのネットワーク、これまで培ってきた知見を通して企業の長期的な成長・発展を支援しています。本日は、同社の特徴と魅力について、TSTユニットのエネルギーチームの田島氏、鎌田氏、藤井氏にお話を伺いました。
インタビュイー経歴
話し手

田島良一氏
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
アソシエートパートナー
電力会社、SIerを経て、コンサルティング業界に転職。2018年にEYSCに参画し、Energyチームのリードを担当。
話し手

鎌田実知朗氏
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
マネージャー
独立系のITベンダーを経て、6年前にEYSCに参画。現在は主に電力関係のクライアントを担当し、比較的大規模な開発支援プロジェクトに携わっている。
話し手

藤井貴之氏
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
シニアコンサルタント
前職は金融系のSIerを経て2021年にEYSCに参画。EYSCを選んだのは、採用面接で出会った上位職の方々がとてもフランクで人間味があると感じたから。
目次
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「テクノロジー×ビジネス」の力で業界課題に挑むエネルギー専門部隊
──TST-Energyチームから3名様にお越しいただきました。まず、自己紹介をお願いいたします。
田島氏 アソシエートパートナーとしてEnergyチームのリードを担当しています。もともとはエネルギー系企業出身で、人事や経理、資材管理などを務めた後、SIerで業務変革に関するシステム開発などに携わってからコンサルティング業界に転じました。さまざまな企業の変革案件に立ち合ううち、コンサルタントという職業の面白みに惹かれたからです。2018年にEYに来た当初、このチームはまだ非常に小さい存在でしたが、ここ数年で波に乗るかのように大きく成長するのを目の当たりにしてきました。
鎌田氏 独立系のITベンダーを経て、6年前にこのチームに参画しました。前職でもお客さまはエネルギー業界が中心で、基幹システムの導入支援に軸足を置きながら、中小規模のスクラッチ開発案件などで経験を積んできました。今はマネージャーとして主に電力関係のクライアントを担当し、比較的大規模な開発支援プロジェクトに携わっています。
藤井氏 2021年4月に中途で入社しました。前職は金融系のSIerです。外国為替取引のシステムを主に担当していたのですが、あらかじめ方向性が決められた中での開発案件というのが少し物足りなく感じられるようになりまして、方向性を決めること自体に挑戦したいと思って転職を決めました。EYを選んだのは、採用面接で出会った上位職の方々がとてもフランクで人間味があり、面接というより相談会といった雰囲気で和やかに時間を過ごせたことが大きな理由です。エネルギー業界との接点はここに来てからです。
──では田島様から、チームのご紹介をお願いします。どのようなミッションを掲げていますか。
田島氏 まず我々が所属するTST(テクノロジー・ストラテジー&トランスフォーメーション)というユニットのミッションですが、「CIOアジェンダに寄り添い、社会ビジネス課題を解決すること 」を目指しています。テクノロジーコンサルタントの一員ではありながら、使命はあくまで課題解決にありますので、その手段をITのみに閉じ込めず、戦略策定から始まる幅広い領域をカバーしているのが特長です。またそのために、クライアントの業界・業務に対する深い知見と専門性を兼ね備えていることも強みとしています。
そうしたセクターフォーカスの組織編成の一翼を担うのが、我々Energyチームです。電力、ガス、石油、再生可能エネルギーといった分野のお客様をメインとしつつ、エネルギー運用支援の側面から公共機関や教育機関を含む幅広い層にサービスを提供しています。
メンバーはマネージャー、シニアコンサルタントの職域を中心に、中間層が厚みを持つひし形の人員構成となっています。もともと未経験者を含む新人コンサルタントだった彼ら/彼女らが日に日に成長し、成果を上げるとともに組織も成長してきた結果がこうした形に表れているのは、本当にうれしいことです。
人々の暮らしに直結する社会インフラを支えるミッション
──具体的なプロジェクトについて、社会的意義なども含めてお聞かせください。
鎌田氏 我々が進めているプロジェクトは主に3つあり、①既存事業の基盤強化支援、②新規事業の創造支援、③経営変革・グローバル化支援、に分けることができます。これらは互いに連関していて、サイクルを回すように連なっているイメージです。
このうち、私が今、携わっている既存事業基盤強化のプロジェクトについて簡単にご紹介します。この領域では、例えば戦略的経理手法の導入ですとか、グループ連結決算の高度化、設備保守システム開発、顧客データの活用など、さまざまな側面から事業基盤をより確かなものにするためのご支援やソリューションを提供しています。その一環で、電力会社様に対するCIS支援のサービスにここ2年近く取り組んできました。
CIS(Customer Information System)とは顧客情報を一元管理するシステムで、電力会社の場合、お客様情報の登録・更新などの機能に加え、電気料金の算出や請求などにも関係する非常に重要な基幹システムとなっています。特に最近では電力自由化の流れを受けて、電力会社やガス会社が相互に垣根を越えたサービスを提供したり、セット販売や使用量の見える化などの付加価値サービスで差別化したりといった展開が活発化しています。そうなると、料金体系の複雑化やサービスごとのCIS運用なども加速して、より重要性が高まってくるわけです。
我々はこのCIS回りの開発・運用支援を担当しているのですが、膨大な量の顧客情報を滞りなく管理し、複雑な料金計算をこなして安定的に運用することはもちろん、次々に生まれる新サービスに的確かつ迅速に対応することにも力を尽くしています。どんどん速度を増すビジネスのスピード感に対して、システムが足かせになるようなことがあってはなりません。電力小売事業の競争力強化を足回りのいいシステムでサポートする。それがこのプロジェクトの使命であり、社会的意義だと思っています。
──藤井様はいかがですか。新規事業領域に関わっておられるとのことですが。
藤井氏 はい。私も主に電力に関する分野で、例えば発電事業者と小売事業者との間の電力取引や、電力の需給バランスに関する管理、再エネなどを活用した分散型電源、蓄電池の活用促進といった新しい取り組みに関するプロジェクトに参画しています。一般の方々にはあまり馴染みがないかもしれませんが、これらはすべて私たちの生活の根幹を支える重要な社会システムに関係しますので、やりがいも責任もとても大きい仕事だと思っています。
電気というのは原則として貯蓄が効かないため、供給量と消費量を常に一致させておく必要があります。この需給バランスが崩れると最悪の場合は停電を起こしかねないので、そうならないためのシステムの維持管理・改修が重要になるわけです。また、再エネは日照時間や風量などの自然条件に左右されるため、出力量が不安定になりがちで、その調整弁ともなる分散型ネットワークの構築や蓄電池の活用が喫緊の課題となっています。それを支えるシステムの開発や管理もまた、社会への貢献につながるものだと思います。
ストラテジーを起点に変革を起こすコンサルティングの醍醐味
──藤井様はコンサル未経験で転職されましたが、いくつかのプロジェクトを経験されて、どのようなところにご自身の成長を感じますか。
藤井氏 まずコンサルタントという職業に就いたことで、仕事の幅が格段に広がったように思います。お客様の課題、あるいは社会の課題に対してどうすればよいかを考えるところから仕事が始まりますので、解決の選択肢もシステム導入に限らず幅広いものとなり、それによってプロジェクトの方向性もさまざまに展開していきます。その過程で関わる人たちの多さや多様さという点でも、これまでにない経験をしています。
スキルの面でいうと、傾聴力、つまり相手の話に耳を澄ませ、言葉にならない部分も含めて何を意図しているかを汲み取ることを大切にするようになりました。もちろん、自分なりの意見を積極的に出すことも大事なのですが、関係者が多いだけに、大前提としてまずそれぞれの話をよく聞き、自分がなすべきことを考える姿勢が仕事の質を左右するものと思っています。
──鎌田様、マネージャーのお立場から見て未経験者の成長ポイントはどこにあると思われますか。
鎌田氏 システムに関する基本的な知識を備えていることを前提とした場合、コンサルタントとエンジニアの一番大きな違いはやはり、藤井さんも言うように解決策に対するスタンスの取り方でしょうか。ある程度方向性の決まった案件を舞台として、システム開発の観点から詳細化、具体化していくのがエンジニアだとすれば、コンサルタントはその前段にある解決策の方向づけを出発点として知恵を絞ることになります。
その部分の思考力といいますか、頭の使い方のようなものに慣れるにはそれなりに経験が必要です。キャッチアップするまでの時間も人によって違います。では、どんな人がスムーズにいくかというと、一人で抱え込まず、先輩や同僚、他チームのメンバーといった周囲のリソースをうまく巻き込みながら、1つのゴールに向かってチームワークで仕事を回すことができる人。そうした環境づくり、コミュニケーションの取り方に長けた人の成長は見ていて早いと感じます。
田島氏 それはEYSCというファームというファームの強み、魅力にも深く関係してくることですね。他の大手ファームと何が違うのかと聞かれたら、私は3つのことをお話しするようにしています。
1つ目に、エネルギー業界を取り巻く5つの変化を捉えた提案力。①サービス/商材の変化(販売→蓄電化など)、②顧客の変化(地域独占→自由化など)、③組織/マネジメントの変化(分社化/グループ経営強化など)、④社会意識の変化(脱炭素化など)、⑤技術革新(DX化など)の5つですが、これらを背景にお客様個々の事業を照らすことで、何をすべきかが見えてきます。我々はお客様のもとに手ぶらではまいりません。常に何らかの提案を携えてお話をします。
2つ目は、二人の話にもあったように、システム構築を前提としない上流部分からのご支援。解決策がデジタルであろうとなかろうと、経営や業務に変革を起こすための戦略づくりから入り、解決策の実行支援までずっと伴走します。こういうチームはコンサル業界でもあまり多くありません。
最後に、鎌田さんも指摘していたチームワーク、他者とのコラボレーションです。EYには監査法人や税理士法人といったメンバーファームが多数あり、グローバルにも700を超える拠点があります。EYSCの社内にはテクノロジーだけでなく、コンピテンシーや業界ごとに対応するビジネスコンサルティングの部隊があり、それらを横断しながら案件に応じて最適なチームを組成する仕組みが出来上がっています。業界部門にもエネルギーの専門チームがありますから、そことの連携もあるわけです。その中での我々の強みは、「テクノロジー+ビジネス」の両面性にあるといっていいでしょう。
──では締め括りとして、皆様のマイビジョンをお一人ずつお聞かせください。
藤井氏 エネルギーとITの掛け合わせならEYの藤井に聞けばいいよねと、1日も早くお客様に言ってもらえるようになりたいと思っています。その信頼感をベースに、お客様につながる別のお客様へと支援の輪が広がり、私自身の仕事の幅を広げていけたらと願っています。
鎌田氏 まさに同感です。エネルギー業界は今、大変な変革期を迎えています。次から次へと生まれる課題に漏らさず目を向け、包括的に解決できるチームを目指したい。そして、お客様や関係者から名指しで頼りにされる存在でありたいと思っています。
田島氏 本当にそうですね。エネルギーコンサルティングといえば、EYです。ここには日々多くのご相談があり、いくつものプロジェクトが動いているのですが、面白いのは興味のある案件に自分から手を挙げて参画できる気風があることです。そんな自由でフレキシブルな文化もまた、楽しんでいただけたらと思っています。
──どうもありがとうございました。