「業界×テクノロジー」で社会に変革を起こす二刀流コンサルタント 【EYSCテクノロジー・ストラテジー&トランスフォーメーション(TST)公共セクターフォーカスチームインタビュー】
2025年03月13日更新
企業紹介
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下、EYSC)は世界150以上の国と地域で、戦略、M&A、テクノロジー、人材などあらゆるテーマをカバーするグローバルコンサルティングファームです。あらゆる業界に精通する専門チームや最新のテクノロジー、グローバルのネットワーク、これまで培ってきた知見を通して企業の長期的な成長・発展を支援しています。本日は、同社の特徴と魅力について、TSTユニットのパブリックチームの伊藤氏、真砂氏、杉浦氏、島田氏にお話を伺いました。
インタビュイー経歴
話し手

伊藤真一郎氏
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
ディレクター
SIerでのシステム開発や保守、コンサルティングファームでのITコンサルタントを経験し、2015年にEYSCに参画。現在は公共部門向けのテクノロジー変革とDXを推進するチームのリードを担当。
話し手

真砂拓也氏
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
マネージャー
パッケージベンダーでプリセールスやプロジェクトマネジメントを経て、2014年にEYSCに参画。官公庁や地方自治体へのDX、IT戦略立案、要件定義などの支援を中心に担当。
話し手

杉浦弘毅氏
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
シニアコンサルタント
SIerでクラウド基盤やデータ分析基盤の構築を担当した後、3年ほど前にEYSCに参画。現在は健康・医療関連のデータ分析を行う案件に従事。
話し手

島田萌夏氏
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
シニアコンサルタント
前職ではSIerとして基幹系システムの要件定義や設計・開発を担当し、1年ほど前にEYSCに参画。現在は保育DXなどこども関連のプロジェクトに携わっている。
目次
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「デジタルによる幸福な社会の実装」を目指す公共×テクノロジーの二刀流コンサルタント
──はじめに、お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。
伊藤氏 TST(テクノロジー・ストラテジー&トランスフォーメーション)というユニットの中で、公共部門向けのテクノロジー変革、DXを推進するチームのリードを担当しています。職位はディレクターです。EYに入社したのは2015年で、それまではSIerでシステム開発や保守、またコンサルティングファームでITコンサルタントを経験してきました。
真砂氏 私は同じチームのマネージャーとして、官公庁や地方自治体のお客さまに対するDX、IT戦略立案、要件定義などのご支援を中心に担当しています。メインの活動領域は、こども・子育て、児童福祉、教育といった分野になります。2014年にEYに入社する前は、パッケージベンダーでプリセールスやプロジェクトマネジメントに携わっていました。
島田氏 中途入社で1年ほどのシニアコンサルタントです。前職はSIerとして、主に基幹系システムの要件定義や設計・開発などの経験を積みました。もともとパブリック領域の仕事や社会課題解決にとても関心があり、EYへの転職を決めたのも「Building a better working world 〜より良い社会の構築を目指して」というパーパス(存在意義)に共感したからでした。現在は保育DXをはじめとするこども関連のプロジェクトに参画しています。
杉浦氏 私もSIerからの転身で、クラウド基盤やデータ分析基盤の構築を担当していました。コンサルティングは未経験で入社し、EYに入社してから2年半がたちました。現在の役職はシニアコンサルタントです。最初にアサインされたのがこども関連のプロジェクトで、今は健康・医療関連のデータ分析を行う案件に従事しています。
──皆さま、パブリック領域ご担当のメンバーということですね。チームのミッションについてお聞かせください。
伊藤氏 TSTはいわゆるテクノロジーコンサルティングの一部門ですが、われわれが属する公共セクターをはじめ、エネルギー、自動車、製薬などといった業界ごとの課題解決をサポートするチームに分かれて活動しています。これを「セクターフォーカス」と呼んでいます。いわば、「業界の専門知見とテクノロジー知見を併せ持つ二刀流コンサルタント」の集まりと言えるでしょうか。二刀流であることにわれわれの強みがあり、その業界や組織に特有の社会課題・経営課題に精通したテクノロジーコンサルタントだからこその、真に必要なデジタル施策の立案が可能になるのだと自負しています。
中でもわれわれ公共セクターフォーカスチームでは、チームのパーパスとして「デジタルによる幸福な社会の実装」を掲げ、こども・子育て、保育、児童福祉、がん・難病・ゲノム、医療保険、防衛関連など、多岐にわたる分野をカバーし、さまざまな社会課題をテーマとするデジタル化の伴走支援に取り組んでいます。
例えば、保育施設業務のDXであれば、単に業務システムの構築を目的とするのではありません。自治体ごとに異なる保育給付制度や監査プロセスへの理解を踏まえ、また国の保育行政の動向までも熟知した上で、エンドユーザーである保育士や施設の職員、保護者の皆さんの真の困りごとに迫る解決策にフォーカスします。そうでなければ、教科書的なテクノロジー支援に終始してしまいます。業界に根差した課題感を持つからこそ、本質的な問題を見抜き、有効なデジタルの打ち手を講じる「決断力や責任感を持つ提案」ができるのです。
もう1つ加えれば、クライアントカットではなく、社会課題カットでプロジェクトチームを組成していることもわれわれの大きな特色です。児童福祉分野でいえば、こども家庭庁や地方公共団体の子育て部局など、いろいろなクライアントがありますが、そこに共通した社会課題がある以上、われわれはそれらを横断するチームとして解決をご支援しています。
「こどもたちがのびのびと成長できる社会」の実現に向けて
──課題カットのチーム編成によって、例えばどのようなプロジェクトが動いているのでしょうか。
真砂氏 「こどもデータ連携」「保育DX」の2つの事例をご紹介します。前者はこども家庭庁やデジタル庁を中心とする政府の事業で、いじめや虐待、不登校、ヤングケアラーといったこどもにまつわる痛ましいニュースが絶えない中、データの利活用によって支援を必要とするこどもを早期に把握し、行政がプッシュ型・アウトリーチ型の支援につなげることで事態の重篤化を未然に防ごうという取り組みです。われわれもこの事業に協力し、国や自治体における調査研究、テクノロジーの実証・検証などを進めています。
もう1つの保育DXは、保育施設等や自治体における事務負担の軽減を目的とするものです。書類を手書きするといったアナログな業務をデジタル化することで、保育士や自治体職員の負荷を減らし、保育の質向上や、こどもと向き合う時間の増加、保育士の働きやすさの向上などにつなげようと取り組んでいます。また、保護者の方が保育制度について調べ、保育施設等を探しその利用申し込みをする、いわゆる「保活」の手間を省くため、一連のプロセスをスマホでワンストップ化する動きも見られます。これらに伴う調査研究事業なども、われわれのチームがご支援しています。
この2つに共通しているのは、未来の社会を担うこどもたちが、のびのびと、生き生きと成長できる社会を創ること、またそれを支える家庭や保育の現場、行政がより良いものになっていくこと、その双方の実現を目指す事業だということです。それはすなわち、われわれにとってEYのパーパスを体現する取り組みにほかなりません。
──杉浦さんと島田さんは実際にプロジェクトに参画してみて、どんなところにやりがいや価値を感じましたか。
杉浦氏 コンサルタントになって初めて経験した案件が「こどもデータ連携」の案件でした。採用面接の時、そうしたプロジェクトがあることを知り、パーパスに対する具体的なイメージが湧くと同時に、社会課題に対して熱い気持ちで取り組む人たちがいる環境に引かれて転職を決めた経緯がありました。実際にその場に自分が身を置いてみて、答えのない問題にさまざまな観点から光を当て、原因となる要素を整理し、こうしたらどうかという仮説を導き出し提案するという、社会課題解決のための流れすべてにやりがいを感じています。
前職でエンジニアをしていたときは、システムを作り上げること自体が第一の目的でした。しかし、EYではそのシステムを手段として使い、クライアントの課題をどう解くのかが本当のゴールです。事業や課題の最上流に立って道筋をつけ、下流のシステムへと流す。私が求めていた仕事ができているのを実感しています。
島田氏 私は「こどもデータ連携」と「保育DX」の両方に関わりました。自治体業務の現状や、保育施設等の実情についてヒアリングを重ね、課題を取りまとめることを第一段階として、そこから見えてくる在るべき姿に向けて、解決策としての保育DXを実現するまでのロードマップを描いていくという、システムを作るという狭い枠に収まらない、そんな本質的な支援を提供できることが最大の魅力だと思っています。
私も前職では確かに、会社や自分が持てるソリューションの範囲内で何ができるかを考えていた部分がありました。ですが、EYではソリューション在りきの姿勢ではなく、この課題にとって本当に必要な策は何かを考え、それがシステム導入であるかどうかは二の次としてお客さまに提案するという姿勢が徹底しています。
伊藤氏
少しだけ補足すると、DXのDの部分、すなわちデジタル化についてはさまざまなベンダーやITコンサルタントが得意としているところですが、われわれはそれに加えてXの部分、トランスフォーメーションを最終目標に据えている点で違いがあると思っています。要するに、システム構築の後の社会がどう変わるか、社会変革の実現によってこそバリューを提供できると考えているのが、われわれEYというファームです。
コンサル未経験者を成長させる「チームワーク」の創発力
──プロジェクトを通じて得られたスキルや、ご自身の成長についてはいかがでしょう。
杉浦氏 課題の原因となっているものは何か、その要素を洗い出して分析し構造化した上で、考え得る解決方法を成果物としてまとめるという、コンサルタントに求められる基本的なスキルと経験を積むことができました。特にこの案件ではデータ利活用に関する重要論点について、幅広く知見を得ることができたと思います。具体的には要素分析のための論文、ヒアリング調査方法、データ分析基盤の構築に伴うシステムアーキテクチャやデータ標準化の考え方、法的・倫理的な視点、そしてEBPM(エビデンスに基づく政策立案)に関する知見などが挙げられます。つまり、公共セクターのデータ分析案件に求められるスキルの全般と言っていいと思います。
こうした経験は前職ではあまり機会がないことでしたし、EYの場合、TSTだけでなくグローバルを含めた多種多様な専門チームと協働しながらプロジェクトを進めますので、そうした接点からも多くのことを学ぶことができています。
島田氏
私の場合、前職でのシステム開発の経験やテクノロジーに関する知識を生かせていると感じつつも、課題整理、戦略提案に関するスキルや、顧客をリードしながらバリューを出していくといった姿勢は、コンサルタントになって得られた新しい経験値として自分の成長につながっていると思います。
──お二人ともコンサルタント未経験での転職とのですが、必要な知識やスキルをどのようにしてキャッチアップされたのですか。
杉浦氏 初めて経験する仕事ですから、どのタスクがこれからの自分にとって大事なのかわからなくて当然です。どの仕事にチャンスが隠れているのかもわかりません。ですから私は、どんなタスクにも本気で取り組む、どんな仕事も避けずに受けることを意識しました。
ここにはSIer出身の先輩もたくさんいますので、これまでの仕事とのギャップについても気軽に相談に乗ってもらえます。また、やる気があれば何でも挑戦させてもらえる土壌がありますので、担当しているプロジェクト以外の仕事や専門外の領域にも積極的に手を挙げて、フォローしてもらいながら成長の機会をつかむことが大事だと考えています。
島田氏 チームとして最大限の成果を上げるために、自分がすべきことは何か。そのように考えて動くことを意識してきました。これは入社して初めてプロジェクトにアサインされたとき、上司がかけてくれた言葉なのですが、当時、経験がないことでとても不安だった自分の気持ちが、すっと軽くなったのを覚えています。たとえ自分がメインで担当する仕事だったとしても、一人ですべてを抱え込もうとせず、早めに相談して足りないところを補うことが大切です。いろいろな人を巻き込みながら、チームとしての成果を最大化することが、一人で完全を目指すよりも大事なことだと教わりました。
そうして大勢の人と力を合わせて何かを創り上げていくことが、この仕事の1つのやりがいにもつながっているように感じます。
杉浦氏 成長させてもらえる環境としては、異なるチームとのコラボレーションを積極的に進めているEYの風土や制度も非常に優れていると思います。面識のないチームの方でも、専門的な知見をくださいとお願いすれば親身に応えてくれますし、知識を付けるならこんな資料が参考になるよ、こういう資格があるよ、などと親切に教えてくれます。
そうやって社内での関係を築いておくことで、自分の知見が広がり価値が付いていくのだと思いますし、それがチームの専門性を広げることにもつながっていくように思います。
島田氏 逆に言って、自分自身の強みや専門性を他のチームやメンバーのために役立てることもできますね。その意味では、コンサル未経験であってもチームとしての総合力を高めることに貢献できるわけですし、むしろプラスと捉えることもできるのではないかと思います。
コラボレーションでもっと楽しくなる「最高に幸福なチーム」
──コラボレーションのお話が出ましたが、それがメンバーの成長を促す仕組みにもなっているわけですね。
真砂氏 コラボレーションは、EYというファームが持つ最大の特長の一つであり、文化といってもいいと思います。先ほどお話しした2つのプロジェクトにおいても、Data ScienceやMicrosoftといった、テクノロジーコンサルティング部門の別ユニットはもちろん、業界別に組織されたビジネスコンサルティングのセクターチーム、監査等の別サービスライン、さらには海外のメンバーファームとの連携もごく普通に行われています。
One EYとしてクライアントの課題、ひいては社会の課題に相対する体制が確立している。そのことが、おっしゃるようにメンバーの成長にとっても非常に大きな役割を果たしているわけですね。杉浦さん、島田さんの場合も、多種多様なチームと一緒に働く中で、コンサルタントとしてのスキルや知見を着実に身に付けてきたからこそ、今の活躍があるのだと思います。そういう意味でも、未経験者であっても早期にキャッチアップして成長できる環境が整っている職場です。
──ちなみに、チームのメンバー構成はどのようになっているのですか。
伊藤氏 現在の人数は80名弱。杉浦さん、島田さんがそうであるように、社会貢献や社会課題解決に密に関わるこのチームの使命に関心を持ち、EYのパーパスに共鳴して参画した人ばかりです。8割近くがSIer出身ですが、テクノロジーコンサルタントとしてみな立派に成長しています。女性の割合は12%ほどですが、これはもっと高めたいと思っています。
総じて言えば活気にあふれ、仕事以外でもチーム内外との交流が活発ですね。プロジェクトをまたいで有志でグループを作り、趣味トークやランチ会、ディナー会などを企画しているようですし、共通の趣味を持つ人たちが多いので、部活動化も検討しているところです。ウェルビーイングの視点から言っても、居心地のいい環境だと思いますよ。
──では最後に、皆さまの「マイビジョン」をお聞かせいただけますか。
島田氏 私はこれからも、「こども関連×テクノロジー」の領域で専門性を高めていきたいと考えています。いずれEYでの履歴が長くなり、経験や知見をどれだけ積み重ねても、今のこの初心を忘れずに、社会にとって本当に意義があると誇れる仕事をして、こどもたちに関わる環境を少しでも良くすることに寄与し続けたいと思います。
杉浦氏 「こどもたちが幸福に過ごせる社会を実現する」ことが私自身のパーパスです。データ利活用に関する知見を身に付けながら、パーパスの実現に向けてそれをどのように生かすかを考えながら、こどもを取り巻く課題を一つずつ解決していきたいと思います。
真砂氏 マイパーパスは「デジタルの力で、世の中の“不”をなくしていく」ことです。不平等、不利益、不満、不安、不便、こういうものを一つずつ解消していくことで、みんなが安心して生き生きと暮らせる社会を創りたいです。私には二人のこどもがいますが、彼らを含む未来あるすべてのこどもたちに、そんな社会を残すことが私の使命です。これからも、いろいろな強みを持ったEYの仲間たちと共に社会にインパクトを与え、価値をもたらす活動を続けていきたいと思っています。
伊藤氏
冒頭に申し上げたチームとしてのパーパス、「デジタルによる幸福な社会の実装」がそのまま私自身のパーパスでもあります。自分を成長させてくれた社会に対して貢献したいという思い、そしてこれからの社会を生きる人々に幸せを実感できる社会を届けたいという思い、この2つをデジタルによって具現したい。それは当然、私一人の力で成し得ることではありません。であるからこそ、「二刀流」の仲間をどんどん増やし、メンバーの誰もが自己実現できる、最高に幸福なチームを作りたいのです。
──どうもありがとうございました。