マッキンゼーの卒業生 各界でOB・OGを年代別に解説
2024年06月24日更新
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、言わずと知れた世界各国の重要課題やグローバル企業の経営課題を手掛けるトップファームですが、コンサルタントはファーム卒業後も各界で活躍されています。
そこで今回は現在ビジネス領域で活躍しているマッキンゼー出身者についてご紹介したいと思います。
監修者
岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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マッキンゼー卒業生のキャリアの傾向
マッキンゼー出身者はその後も経営領域で活躍されている方が多くいます。卒業後にキャリアを重ねて企業の代表に就任するケースや、卒業後に自ら起業して大手企業への売却や、上場まで成長させているケースも多くあります。
直近で言うと2010年以降、国内でもスタートアップ業界が活発になった影響もあり、マッキンゼー出身の起業家の数も急増しています。2010年前後に設立された比較的若い企業においても、既にロコンドやメドレー、ウェルスナビ、プログリットなど多くの上場企業があります。 また、最近ではマッキンゼー出身者による教育領域やヘルスケア領域での起業、進出が増えており、これらの領域はマッキンゼー在職時に受け持った案件や経験から得た深い洞察や、その業界が抱える課題に対するインサイトによるものが大きいと考えられます。
30代~40代前半までのマッキンゼー卒業生
続いて、マッキンゼー出身者の起業家、経営者について紹介したいと思います。 マッキンゼーでは30代から40代の比較的若い年次の経営者も多く、今後のロールモデルとして是非参考にしてみてください。
氏名 | 現職 | 学歴 |
---|---|---|
田中裕輔 | 株式会社ロコンド 代表取締役 | 一橋大学卒業、カリフォルニア大学バークレー校経営大学院(MBA) |
岡田祥吾 | 株式会社プログリット代表取締役社長 | 大阪大学卒業 |
豊田剛一郎 | 株式会社メドレー執行役員、元代表取締役医師 | 東京大学卒業 |
柴山 和久 | ウェルスナビ株式会社代表取締役CEO | 東京大学法学部卒業、ハーバード・ロースクール、INSEAD |
加藤 勇志郎 | キャディ株式会社代表取締役 | 東京大学卒業 |
加藤 エルテス 聡志 | 株式会社JDSC代表取締役 | 東京大学卒業 |
郡谷 康士 | 游仁堂 / REVISIO株式会社(リビジオ)株式会社代表取締役社長 | 東京大学卒業 |
中村 陽二 | 株式会社サイシード代表取締役 | 東京大学卒業 |
江口 亮介 | 株式会社TERASS代表取締役 | 慶応義塾大学卒業 |
曽原 健太郎 | 株式会社センジュ創業(上場企業にM&A)、piece共同創業 | 東京大学卒業 |
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田中 裕輔
一橋大学を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに新卒で入社。小売や消費財領域を中心にコンサルティングに従事。2009年カリフォルニア大学バークレー校経営大学院でMBAを取得。同年に、DeNA Globalに移り、マーケテイング・製品担当上級副社長として勤務。2011年、株式会社ロコンドを共同創業。代表取締役を務め同社を上場へ導く。
岡田 祥吾
大阪大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。日本企業の海外進出、 海外企業の日本市場戦略立案等、 数々のプロジェクトに従事。2016年に退社し、学生時代に留学先で出会った友人と英語学習をサポートする株式会社GRITを設立。英語コーチングプログラム PROGRIT(プログリット) を運営し、2022年東京証券取引所に上場承認され新規上場を果たした。
豊田 剛一郎
東京大学医学部卒業後、脳神経外科医として勤務。日米での医師経験の後、2013年マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。主にヘルスケア業界の戦略コンサルティングに従事。2015年より株式会社メドレーの共同代表に就任。代表取締役医師として、オンライン医療事典「MEDLEY」、オンライン診療アプリ「CLINICS」などの医療分野サービスの立ち上げを行い、2019年上場。
柴山 和久
東京大学法学部卒業後、約10年間の財務省勤務を経てINSEADへ留学。帰国後マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。10兆円規模の資産を持つウォール街の機関投資家を、世界水準のアルゴリズムを用いた資産運用システムを構築するなどしてサポート。2015年、一般人向けの高水準な資産運用サービス創造を目標に、ウェルスナビを設立し2020年上場。
加藤 勇志郎
2014年東京大学経済学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。2016年には同社史上最年少でマネージャーに就任。大手メーカーをクライアントとして、資材を町工場に発注する「調達」の現場で2年以上勤務。2017年末に退職し、キャディ株式会社を設立。 直近では2023年7月に総額118億円のシリーズC資金調達を発表し、累計調達額は217.3億円となる。
加藤 エルテス 聡志
東京大学卒業後、P&G、マッキンゼー・アンド・カンパニー、米系メーカー等での経験を経て、2013年に一般社団法人日本データサイエンス研究所(Japan Data Science Consortium、現 株式会社JDSC)を創設。機械学習等を活用したアルゴリズムモジュールの開発やライセンス提供事業、ITシステムの開発と運用事業等を展開。
郡谷 康士
東京大学法学部卒業後、2005年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。国内外の案件を幅広く担当したのち、リクルート中国の事業戦略統括を経て、上海にてデジタル広告エージェンシー游仁堂を起業。2015年TVision Insights (TVI)を起業し、代表取締役に就任。 TVision Insightsでは、テレビの「視聴質」を計測し、そのデータをテレビCMに関わる広告主、広告代理店、テレビ局などに提供している。現在はグローバルに拠点を広げ、東京・ボストン・ニューヨークにて展開。
中村 陽二
東京大学工学部在学中にシステムコンサルティングやダイレクトマーケティング領域で起業。CRMやナレッジマネジメントシステムの導入・運用などに携わる。 卒業後にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、製造業分野のM&Aや成長戦略案件を経験。2015年に同社を退職し、株式会社サイシードを起業。 サイシードでは「先端技術とビジネスデザインを通じた価値提供」をミッションに掲げ、AIを活用したチャットボットや、企業内のコミュニケーションを効率化するツール等を開発・提供する傍ら、旧帝大などの上位校や理系に特化した採用支援事業を行っている。
江口 亮介
慶應義塾大学経済学部卒業後、株式会社リクルートに新卒入社し、SUUMOの広告企画営業を担当。その後、売買領域のMP(Media producer)として、SUUMOの商品戦略策定・営業推進・新商品開発などに関わる。2017年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、戦略・マーケティングを中心とした経営コンサルティングを手がける。2019年に株式会社TERASSを創業する。
曽原 健太郎
東京大学経済学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。東京支社、ロンドン支社にて小売業、消費財メーカー、金融機関などへの全社戦略立案、マーケティング戦略立案に従事。2011年ベインキャピタルに転職。2013年から半年間、スマホ決済アプリ等を展開するOrigami社にてユーザーグロースを担当。その後、2014年にファミリー向けのサービスを提供するセンジュ社を設立し上場企業にM&A後pieceを共同創業。
40代後半以降のマッキンゼー卒業生
続いて、40代以降の経営者です。中長期的なキャリアプランを考える上での1つのご参考になるかもしれません。
氏名 | 現職 | 学歴 |
---|---|---|
大前 研一 | 株式会社ビジネス・ブレークスルー 代表取締役社 | 早稲田大学卒業、東京工業大学大学院修士、MIT博士 |
南場 智子 | 株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役会長 | 津田塾大学卒業、ハーバード・ビジネス・スクール(MBA) |
安達 保 | 株株式会社ベネッセホールディングス 代表取締役社長 | 東京大学卒業、マサチューセッツ工科大学スローン・スクール(MBA) |
高島 宏平 | オイシックスドット大地株式会社 代表取締役社長 | 東京大学大学院卒業 |
三村 真宗 | 株式会社コンカー 代表取締役社長 | 慶應義塾大学卒業 |
川鍋 一朗 | 日本交通株式会社 代表取締役会長 | 慶應義塾大学卒業、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院(MBA) |
木南 陽介 | 株式会社レノバ 代表取締役社長 | 京都大学卒業 |
安宅 和人 | ヤフー株式会社 執行役員 事業戦略統括本部長 | 東京大学大学院、イェール大学 |
坂田 宏 | 株式会社お金のデザイン 最高戦略責任者、最高財務責任者 | 東京大学卒業、スタンフォード大学ビジネススクール(MBA) |
安田 隆二 | 大和証券グループ本社、株式会社ヤクルト本社、オリックス株式会社など 社外取締役 | 東京大学卒業、カリフォルニア大学バークレー校 |
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大前 研一
早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を取得。その後米国に渡り、マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所で原子力開発部技師として勤務。1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。以来、ディレクター、日本支社長などを歴任。1994年にマッキンゼー・アンド・カンパニーを退職後、一新塾を設立。1998年にビジネス・ブレークスルーを設立、代表に就任。
南場 智子
津田塾大学卒業後、1986年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。1990年ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。1996年マッキンゼーでパートナーに就任後、1999年同社を退社しディー・エヌ・エーを設立。2011年には代表取締役社長を退任し、2015年取締役会長に就任。2017年、代表取締役会長に就任。
安達 保
東京大学工学部を卒業後、三菱商事に入社。マサチューセッツ工科大学でMBAを取得した後、1988年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。1995年からはパートナーとして、主に製造業、ハイテク企業の製品市場戦略などに従事した後、GEキャピタル・ジャパンに移籍。1999年、日本リースオート(現日本GE株式会社GEキャピタル)に代表取締役社長として着任しその後、2003年にカーライル・グループに参画。会長、シニアアドバイザーなどを経て、2016年10月にベネッセホールディングス代表取締役社長に就任。ヤマハ発動機株式会社の非常勤取締役も務める。
高島 宏平
東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修了後、1998年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。Eコマースグループのコアメンバーの一人として従事。 2000年にオイシックス(現・オイシックスドット大地)を設立、代表取締役社長に就任。
三村 真宗
慶應義塾大学法学部卒業後、創業メンバーとしてSAPジャパンに入社。ビジネス・インテリジェンス事業本部長、製品マーケティング本部長、戦略製品事業バイスプレジデント等を歴任し、2006年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。金融、通信、ハイテク企業等の戦略プロジェクトに従事した後、2009年にはベタープレイス・ジャパンにシニア・バイスプレジデントとして参画。2011年にコンカーの代表取締役社長に就任。
川鍋 一朗
慶応義塾大学経済学部卒業後、1997年にノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院MBA取得。同年に、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。2000年、日本交通入社と同時に同社の経営再建に尽力。代表取締役社長などを歴任した後、2015年に代表取締役会長に就任。東京ハイヤー・タクシー協会の会長も務める。
木南 陽介
京都大学総合人間学部人間学科に在学中、メディアマックスジャパンを設立。代表取締役社長に就任。京都大学を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。その後、2000年にレノバ(旧社名は株式会社リサイクルワン)を設立し、代表取締役に就任。
安宅 和人
東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程修了後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。その後、イェール大学脳神経化学プログラムに入学し学位(Ph.D.)取得後にマッキンゼー・アンド・カンパニーに復帰。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域における中心メンバーとして、様々なブランド立て直し、商品・事業開発に関わる。その後ヤフーへ移り、事業戦略統括本部長などを経て2012年よりチーフストラテジーオフィサー。事業戦略課題の解決、大型提携案件の推進に加え、市場インサイト部門、ヤフービッグデータレポート、ビッグデータ戦略などを担当。
坂田 宏
東京大学教養学部を卒業後、スタンフォード大学ビジネススクールでMBAを取得。その後2009年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、様々な企業変革プロジェクトを経験。2012年、国連開発計画(UNDP)のジャカルタオフィスに着任し、同国の農業制度改革に尽力。スタンフォード大学への留学やシリコンバレーでの投資活動を経て、お金のデザインに入社。
安田 隆二
東京大学経済学部を卒業後、カリフォルニア大学バークレー校で政治学博士(Ph.D)取得。その後、JPモルガンに勤務。マッキンゼー・アンド・カンパニーにビジネスコンサルタントとして入社。1996年よりA.T.カーニー社アジア総代表、2003年から2006年まで株式会社ジェイ・ウィル・パートナーズ取締役会長を務める。数社の社外取締役を務めながら、2002年より一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、2010年より一橋大学特任教授として勤務。