結果を出すコンサルに拘る。完全成果報酬型から始まったコストマネジメントの今後の展望とは 【株式会社プロレド・パートナーズ インタビュー 遠藤氏、大橋氏】
2024年09月27日更新
企業紹介
プロレド・パートナーズは、2009年に設立された成果報酬型の経営コンサルティングファームです。“成果報酬”という革新的な経営コンサルティング手法とその実績が評価され、2018年7月に東証マザーズに上場、2020年4月には東証一部への市場変更を果たしました。本日はパートナー遠藤様と大橋様に、プロレド・パートナーズの特徴と魅力についてお話を伺いました。
インタビュイー経歴
話し手
遠藤昌矢氏
プロレド・パートナーズ
パートナー
大学院卒業後、2002年に外資系コンサルティングファーム Booz and Company(ブーズ・アンド・カンパニー/現Strategy&(ストラテジーアンド))へ入社。製造、IT、流通、小売など幅広い領域を手掛けるコンサルタントとして活躍。9年間の経験を経て、2011年にDeNA(ディー・エヌ・エー)へ。ソーシャルゲームやWebサービスの開発・運営改善のほか、海外拠点の組織やオペレーションの立ち上げなど、幅広いマネジメント業務を経験。2015年にプロレド・パートナーズに入社。
話し手
大橋雄輝氏
プロレド・パートナーズ
コストマネジメントセクター マネージャー
大学卒業後、2014年に国内大手証券会社へ入社。リテール営業として、主に富裕層オーナー、及び非上場企業を担当し、株式/債券/投資信託をはじめとする金融資産の運用から、相続対策に至るまで、個々のニーズに合った幅広いソリューションを提供。6年間の経験を経て、2020年にプロレド・パートナーズに入社。
目次
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クライアントと一蓮托生の成果報酬型でコストマネジメントにコミット
──まずは、自己紹介をお願いします
遠藤氏外資系コンサルティング会社のBooz & Company(現在はPwCのStrategy&)にて9年間コンサルティング経験を積み、その後DeNAで4年間勤務した後、プロレド・パートナーズへ参画しました。元々コンサルティング経験が長かったことから、主にコンサルティング事業の拡大、サービスの品質向上に関わる責任者を務めてきました。2020年に東証一部上場するまでは完全成果報酬のコストマネジメントをメインに担当していましたが、直近では新たなサービスの立ち上げを中心に関わっています。
大橋氏前職は証券会社で、リテール営業に従事し、プロレド・パートナーズにはコンサル業界未経験で2020年に入社しました。現在はコストマネジメントコンサルティングのマネージャーとしてコンサルティング業務に従事しています。
──コストマネジメントセクターの概要について教えてください
遠藤氏当社はコストマネジメントという領域を完全成果報酬で手掛けていることが大きな特徴です。成果が出なければ報酬は0円ですが、成果を出すことに自信があるからこそ、クライアントと一蓮托生となる完全成果報酬のスキームで支援することができています。 大手コンサルファームは、売上3,000億程度以上で予算が潤沢にある企業から、数千万円以上のコンサルティング案件を獲得するということが一般的だと思いますが、当社では大手コンサルファームがターゲットとしないような売上100億~1,000億程度の企業様も支援しています。新たな取り組みをしようとしても、社内に適切な人材がおらず、数千万円をかけて外注するのは難しいという課題を抱えていることも多いです。数千万もの予算がなくても、極端に言えば赤字でも、プロジェクトで出た成果の一部を報酬としていただく完全成果報酬型のスキームであればそのような企業も支援することができ、それは社会的にも意義があるのではないかという思いを持っています。
──コストマネジメントのプロジェクトの進め方について教えてください
遠藤氏一般的なコンサルが行う分析やそれに基づいたアプローチの提案で終わるのではなく、当社は 結果を出し切るところまで支援します。クライアントの代わりに、取引先との細かい協議や、契約をまとめ上げる部分までやり切り、PLに数字を反映させてプロジェクトがクローズするという進め方になります。 私も戦略コンサルに約10年間在籍し、コストマネジメントのプロジェクトも担当しましたが、クライアントの代わりに協議を行い契約条件まで細かくチェックすることは一度もありませんでした。現場のコンサルタント視点でも、従来のコンサルスキルだけではなく、事業会社でも必須になる取引先との交渉や契約の取りまとめに関するスキル・知見を得られることは当社の大きな特徴だと考えています。
──プロジェクトの担当件数や期間はどの程度でしょうか
大橋氏コンサルタントは1人最大5件程度を担当します。費目の特性にもよりますが、期間は4ヶ月〜6ヶ月程度であることが多いので、順調にいけば半年で5件以上のプロジェクトの経験を積むことができます。
一般的なアプローチに留まらず、専門的な知見・ノウハウでコストを徹底的に削減
──コストマネジメントの対象はどのような費目がメインになるのでしょうか
遠藤氏現時点では間接材全般をメインで扱っており、状況によって原材料系を取り扱うプロジェクトもあります。間接材に注力している背景としては、業界が違えどノウハウや知見が共有化できることが理由です。当社が多くのプロジェクトを担当すればするほど、ノウハウ・知見を蓄積しシナジー効果を出せる構造になっています。一方、原材料系のプロジェクトの数が少ないのは、クライアントが調達先に投資している等の理由で個社毎に縛りが存在する場合や、業界の特異性が高いケースも多いためです。
──コストマネジメントにおけるノウハウ・知見とは具体的にどのようなものか教えてください
遠藤氏コストマネジメントの一般的なアプローチとして、例えば相見積もりがありますが、それだけでは他ファームとの差別化にはならず、場合によってはクライアント内で完結できてしまうこともあります。当社はカテゴリー毎に専門的な知見を持つコンサルタントが在籍していることが大きな強みです。 例えばオフィスカテゴリーの複合機を例にとると、複合機を担当しているコンサルタントは、毎月のように複数社と条件等の協議を行うことになります。1年程度続けると、複合機メーカーの営業担当から 「他社はどのような提案をしてきているのか」等、最新の他社動向についてヒアリングされることもあるほど、業界情報に詳しくなります。専門性のあるコンサルタントだからこそ、「A社は今四半期売上を重視しているため、販促キャンペーンの一環として条件緩和を行っている」などタイムリーな情報も含めて、クライアントに対して最適な提案ができています。
──コストマネジメントのインパクトはどの程度になるのでしょうか
遠藤氏タイミングや費目にもよりますが、平均7~8%、高い場合は20~30%コストを見直せるケースがあります。
──インフレの影響と、どのように対策しているか教えてください
遠藤氏IRでも公開している通り、直近の売上はピーク時の70%程度の水準に落ち込んでいます。但し、完全成果報酬であれば売上げの90%が吹き飛んでもおかしくない値上げ一辺倒の経済状況において、むしろ70%程度も保てていること自体はポジティブに捉えています。当社のコストマネジメントは、インフレの中でも見直せる領域を把握し提案できるため、事業としての強さを改めて感じています。マクロ経済の波の中で、2024年度の後半ぐらいからはインフレも収まり、コストマネジメント領域の成果も出やすくなると考えていますので、更に強みを磨いていきます。 また、インフレのような経済状況でも強いサービスの開発をここ数年進めてきました。従来の完全成果報酬では受けられなかったコンサルティングのテーマについて、固定報酬で支援する領域も増えており、案件の比率としては50%程度が固定報酬となりました。完全成果報酬型の場合は3ヶ月~6ヶ月程度で短期に結果を出し切れるテーマにフォーカスしますが、例えば物流領域やサプライチェーンの最適化、売上向上など、結果を出すことにフォーカスする強みを活かして、長期のプロジェクトも手掛けています。インフレなどの逆風が、結果的に当社のサービスラインを強化するきっかけにもなりました。
定量的な分析のみならず、ウェットな交渉やマネジメントに要諦がある
──大橋様はこれまでどのようなプロジェクトに参画されたのでしょうか
大橋氏私は損害保険や、クレジットカード手数料といった金融領域の費目を担当する事が多かったです。中でも印象的だったのは、経営層のリーダーシップの重要性を非常に強く感じた、損害保険のプロジェクトです。クライアントは、子会社の中に保険代理店があったため、子会社経由で保険を手配していたのですが、保険コストを削減しようとすると、子会社の売上も減少してしまうため、子会社が反対勢力となり、プロジェクトが推進できない状況でした。そこでクライアントに対して、プロジェクトを進めることによる子会社への影響を定量的に示しつつ、子会社の業績については配慮いただくよう依頼し、改めてクライアントから子会社へ丁寧に説明していただくことで、何とか子会社の理解を得てプロジェクトを進めることができました。このように、プロジェクトを推進する過程においては様々な課題がつきものですが、成果を出すためにはロジカルな分析やアプローチだけでなく、経営層のリーダーシップといった定性的でウェットな要素も必要で、そこをいかに突破できるかが現場コンサルタントの力量だと学びました。
──プロレド・パートナーズで働く中で得られたスキルや経験について教えてください
大橋氏スキルの観点では2つあります。1つ目がロジカルシンキングや資料作成等のPCスキル、プロジェクトの進め方といった一般的なコンサルスキルです。特に前職が金融の営業だったこともあり、正直入社直後は新卒よりもPCスキルがないといった状況だったのですが(笑)2つ目は、間接材における専門知識です。 また、経験という観点では、先程遠藤からも申し上げたような、戦略策定から実行まで一気通貫でのコンサルティング経験です。プロジェクトをどう進めればコストを最適化できるのかという協議の戦略策定から、実際に実行してやり切るところまで一連の流れとして経験できることが魅力だと感じています。
──金融のリテール営業出身の方がコンサルタントに転身されるケースはそこまで多くないと思いますが、苦労したことがあれば教えてください
大橋氏入社当初は本当の意味で相手の立場に立ってプロジェクトを進めることができておらず、プロジェクトが途中で頓挫してしまうということもありました。目の前にいるカウンターパートだけでなく、その裏側にいる上司、もしくは、先ほどの事例で申し上げたようなグループ内の関係者など、様々なステークホルダーの視点を持つことによって、どのようなストーリーで進めれば成功したのか振り返り、改善を図ってきました。その結果、社内のベストプロジェクト賞を受賞することができたり、直近ではプロジェクトが終わったタイミングでクライアントから熱い感謝メールをいただき、全社朝礼で代表の佐谷に取り上げられるといった結果を得ることができました。
──大橋様は未経験で入社され、現在はマネージャーを務められているとのことですが、どのようなステップで昇格されたのでしょうか
大橋氏2020年にコンサルタントとして入社し、約2年でシニアコンサルタントとなり、先日マネージャーに昇格しました。私と同時期に入社したコンサル未経験の建設業出身のメンバーは、現在事業部長クラスのポジションを務めているなど、成果に応じて“昇格”という形で評価される環境だと思います。
蓄積された知見・ノウハウを活かしたサービスライン拡充を狙う
──今後の展望について教えてください
遠藤氏当社はこれまでコストマネジメントを完全成果報酬でやってきましたが、インフレ等を経て、更にサービスを進化させています。間接部門は総務部門が管轄している費目が多いですが、そこから物流、工事などクライアントにも専門家がいる領域についても、我々がプロフェッショナルとして支援できるようになってきました。昨今の環境に関するマーケットのニーズも高まっている中で、2020年に知識経営研究所(現株式会社ナレッジリーン)という環境コンサルティングに強い会社にもジョインしていただき、環境コンサルティングサービスも提供し始めています。 また、完全成果報酬型のコストマネジメントで培った知見を活かし、大手企業の社内の購買体制、オペレーションの再構築や購買の最適化なども手掛けています。当社は今後も機動的に次々と新しいサービスをトライアンドエラーし、積極的に事業化を進めていきます。
──環境コンサルティングサービスは既存のコストマネジメント事業とのシナジーはあるのでしょうか
遠藤氏コストマネジメントで培った、現場に入り込み結果を出し切るコンサルティングの知見が活かせると考えています。環境コンサルティングについても、勿論CO2排出量のモニタリングを整えるといった業務もあるのですが、工場の内部でエネルギー効率をどう向上させるか、食品ロスをどう削減するかなど、現場に入り込んだ形での改善にもコミットしています。
コンサル経験の有無を問わず、結果に拘り抜ける人に出会いたい
──プロレド・パートナーズが求める人材を教えてください
遠藤氏数値や結果に拘り抜ける人に是非入社していただきたいです。実は、当社はコンサル業界未経験で入社した事業会社出身の人材も多いです。成果報酬型は結果を出すことが全てのため、例えば事業会社の営業で毎月目標数字を達成していた方は当社で活躍していただける可能性が高いと考えています。 具体的には、当社のコストマネジメントのプロジェクトにおいて、綺麗なロジックだけでは話が通じない取引先と協議を進めなければならないこともあります。そういった時に、事業会社の営業で活躍していた方が強みを活かし、雑談を踏まえながらなんとか協議し、最終的に取引先から「〇〇さんのためだったら一肌脱ごう」とプロジェクトを進めることができたという事例もあります。 実際に、コンサル業界未経験で中途入社し、数年で執行役員まで昇格しているメンバーも2名います。1名は保険会社の営業出身、もう1名は専門商社の営業出身ですが、コンサルタントとして結果を出しています。未経験であっても、臆せずに挑戦していただきたいと思います。
大橋氏泥臭く仕事に取り組める方、また、何事にもオーナーシップを持って最後までやりきれる方が当社にフィットすると思います。裁量権を持ってクライアントとゴールを目指して最後まで伴走する手触り感を楽しみたい方には最適な環境だと思います。
──転職候補者様に向けてプロレド・パートナーズの魅力を教えてください
遠藤氏当社はまだ社員数200人程度の規模のため、クライアントの反応を感じられる、手触り感のある仕事ができる環境だと思います。また、大手コンサルの大規模なプロジェクトのように、プロジェクトの全体像が掴みきれないまま末端の1人として働くことはなく、コンサルタント一人一人がプロジェクトをマネジメントし、クライアントと密にコミュニケーションを取ることができる環境です。また、このタイミングで入社していただき1年程度経験を積むと、インフレも落ち着き結果を出しやすい経済状況になる、最適なタイミングではないかと思っています。
大橋氏未経験であっても、最初から裁量権を持って働ける点が魅力だと思います。但し、裁量権があるといっても放置されることはありません。社内のバックアップ体制や、日々刷新される研修プログラム、社内の有識者に専門知識を聞けば快く答えてくれる温かい環境もあります。あらゆる手段を使って最終的に結果に結びつけることができる方であれば、楽しめる環境だと思います。
──最後に、転職を検討されている方へメッセージをお願いします
遠藤氏プロレド・パートナーズはまだ若い会社のため、積極的に新しいことに挑戦しています。カルチャーは、大手コンサルというよりはITベンチャーに近く、20代~30代の社員が中心に活躍しています。また、代表も個室はなく同じ執務室で仕事をしているため、オフィスでコミュニケーションがとりやすく、組織的にもフラットで風通しが良い環境です。そういった雰囲気で、結果を出し切るコンサルティングにチャレンジしたいという前向きな方は、是非当社に来ていただきたいです。
──ありがとうございました