財務コンサルタントとは?仕事内容、年収、おすすめ資格とあわせて転職するためのポイントを解説
2025年06月05日更新
財務の専門家として企業の経営課題に向き合う「財務コンサルタント」。
高度な会計知識や戦略的思考が求められる一方で、やりがいの大きい職種として注目を集めています。
本記事では、財務コンサルタントの具体的な仕事内容や平均年収、キャリア形成に役立つ資格情報を解説。
さらに、未経験から転職を目指す方に向けて、転職活動で押さえるべきポイントも詳しくご紹介します。
財務領域でのキャリアアップやコンサル業界への転身を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
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財務コンサルとは?仕事内容、似ている職種との違いを解説
財務コンサルとは、企業の財務面から経営課題を解決する専門家です。
単なる「数字の管理」ではなく、企業の現状を財務・会計データから読み解き、戦略的に再構築する役割を担います。
似た職種に経理や税理士、財務部門の管理職などがありますが、財務コンサルは外部の立場からより中長期的・構造的な視点で提言・実行支援を行う点が異なります。
職種 | 主な役割 | 視点・立場 | 業務内容の特徴 |
---|---|---|---|
財務コンサルタント | 財務戦略の提言・実行支援 | 外部の専門家として中長期視点 | 資金繰りや利益構造の見直し、経営改善提案など |
経理 | 取引の記録・帳簿作成 | 社内の実務担当者 | 日次・月次の記帳、仕訳、決算処理などの実務 |
税理士 | 税務申告や節税対策 | 外部の税務専門家 | 税務書類の作成、税務相談、節税アドバイスなど |
財務部門の管理職 | 財務戦略の社内統括 | 社内の中間管理職 | 資金計画・資金調達、財務報告、金融機関対応など |
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経理は日々の取引を記録・管理する実務職ですが、財務コンサルは「そもそも資金繰りに無理がないか」「利益構造が健全か」といった経営視点からの分析と改善提案を担当します。
また、税理士が主に法令に沿った処理や申告業務を担うのに対し、財務コンサルは「この事業は利益を生むのか?」「資金調達の戦略は適切か?」など、経営判断に直接関与するポジションです。
財務コンサルの仕事内容
財務コンサルの主な役割は、財務健全性の改善と成長のための資金戦略支援です。
経営者に近い立場で経営判断を後押しすることが多く、単なるアドバイザーではなく、実行フェーズまで伴走するケースも少なくありません。
特に中堅・中小企業にとっては、社内に財務の専門人材がいないことも多く、外部からの支援ニーズは年々高まっています。
財務状況の改善
企業が成長するには、まず土台となる財務体質の健全化が欠かせません。
財務コンサルは、企業の貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)などを分析し、資産の無駄・不採算事業・過剰在庫・固定費の肥大化などを洗い出します。
その上で、どこを改善すれば利益率が向上するのかを明確にし、具体的な施策へと落とし込みます。
たとえば、以下のような支援を行います。
- 不採算事業の縮小・撤退、採算性の高い部門への資源集中
- キャッシュフロー改善のための請求・支払条件の見直し
- 財務指標(ROE・自己資本比率など)を用いた経営管理支援
数字に強いだけでなく、「経営者が納得し、実行に移せる」提案力と、現場の状況を考慮した柔軟性が求められる仕事です。
資金調達の計画策定と実行管理
企業の成長戦略には、ほぼ必ず「資金調達」がセットになります。
財務コンサルは、どのタイミングで・どの手法で・どれくらいの資金を確保するのが最適かを設計し、経営陣の意思決定を支援します。
さらに、調達した資金を無駄なく使うための投資計画の立案、進捗モニタリング、投資対効果(ROI)の検証まで担当します。
具体的には以下の業務を担います。
- 金融機関からの借入・融資条件の交渉支援
- 資金用途に応じた資金配分の最適化
- 予算編成・資金繰り表の作成、月次での差異分析・報告
- ベンチャー企業に対してはVC・エクイティ調達の戦略設計も
この領域では、「数字で信頼を勝ち取る」プレゼン力が重要です。
また、単に数字を作るだけでなく、社内外のステークホルダーを動かすための交渉力・巻き込み力も求められます。
M&A戦略サポート
M&A(合併・買収)支援も財務コンサルの主要な業務領域の1つです。
企業が成長戦略の一環として他社を買収したり、子会社を統合する際には、財務的な評価・戦略立案・交渉サポートが欠かせません。
財務コンサルはこれらのプロセスを主導・支援し、経営層の意思決定を後押しします。
M&A支援における具体的な業務内容は以下の通りです。
- M&A戦略立案:どの領域・規模の企業を買収すべきか、対象選定のロジック設計
- デューデリジェンス(DD):財務・法務リスクの洗い出しと評価
- スキーム設計:買収方法(株式取得・事業譲渡など)の構築と資金計画
- PMI(統合プロセス)支援:買収後の経営統合、人材・制度の整合支援
とくにPMIは、企業文化やオペレーションの違いが顕著に現れる難所であり、財務面だけでなく組織的な視点も必要とされます。
数字に強いだけでなく、相手企業との信頼構築や社内外との交渉力も問われるため、高度なスキルと経験が求められる業務領域です。
IR対応
財務コンサルは、クライアント企業のIR(投資家向け広報)活動を支援することもあります。
IRとは、企業が投資家や株主に向けて、財務状況・事業戦略・ESG情報などを開示し、信頼関係を築くための重要なコミュニケーション手段です。
特に上場企業にとってはIRが経営戦略の一部と言っても過言ではなく、プロフェッショナルの支援が求められます。
財務コンサルのIR支援業務には以下があります。
- 決算資料・説明会資料の作成支援(財務分析+戦略整理)
- ESG情報や社会貢献活動の開示設計(統合報告書など)
- 投資家との対話シナリオ設計や想定問答の作成
- 監査対応に向けた内部資料・報告体制の整備
財務に関する専門知識はもちろん、「数字を誰にでもわかりやすく伝える」プレゼン力や構成力も求められます。
経営と投資家の橋渡しをする重要なポジションとして、信頼性と説得力を兼ね備えた情報設計が必要です。
事業再生支援
事業再生支援とは、経営難に直面している企業の立て直しを目的としたコンサルティングです。
財務コンサルは、財務悪化の原因を特定し、再生計画の立案・実行を通じて企業を再建へ導く役割を果たします。
単にコストカットを行うだけではなく、事業の「選択と集中」や収益モデルの再設計なども求められます。
事業再生における代表的な支援内容は以下の通りです。
- 財務分析による問題点の可視化(過剰債務・在庫・不採算事業など)
- リストラや事業撤退など、思い切った構造改革の提案
- 再生計画の作成と金融機関・投資家との調整・説明支援
- 実行フェーズでのPDCA支援(業績管理・資金繰り・現場改革)
企業再生は繊細なテーマであり、「数字」だけではなく「人」や「感情」にも深く関わる支援です。
財務的な知見に加えて、冷静な判断力と高いコミュニケーション力が求められます。
財務コンサルとFASとの違い
財務コンサルとFAS(Financial Advisory Services:ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)は、業務領域に重なる部分が多いものの、アプローチや関わり方に違いがあります。
どちらもM&Aや財務改善、資金戦略に関与しますが、FASは「アドバイザー(助言者)」としての色が強く、財務コンサルは「実行支援」まで担うケースが多いのが特徴です。
項目 | 財務コンサル | FAS |
---|---|---|
主な役割 | 財務課題の特定と改善、資金計画、再生支援など | M&Aや財務戦略に関する分析・評価・助言 |
支援スタイル | 実行支援まで含む伴走型 | 分析とレポート提供が中心 |
関わりの深さ | 中長期的にクライアントと関与 | プロジェクト単位で短期間に集中することが多い |
主な対象業務 | 財務改善・資金繰り・IR・事業再生 | デューデリジェンス、バリュエーション、M&A支援 |
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FASは外資系ファームや監査法人系で多く見られ、特にM&A領域の専門性が高い傾向があります。
一方、財務コンサルは中堅〜中小企業にも深く入り込み、クライアントの“社内メンバーに近い立場”で経営を支えるケースが多くなります。
どちらが優れているというより、キャリアとして「分析志向か」「実行志向か」で向き不向きが分かれる領域です。
財務コンサルの年収
財務コンサルの年収は、企業の規模や本人の経験値によって差はあるものの、基本的には「職位」に応じたレンジが明確に分かれています。
特にコンサル業界では、成果・責任範囲に応じて昇進とともに報酬が跳ね上がる傾向が強く、年収アップには“役職に就くこと”がカギになります。
財務コンサルのキャリアパスと年収目安は以下の通りです。
職位 | 年収レンジ(目安) | 特徴・期待される役割 |
---|---|---|
アナリスト | 500〜700万円 | 調査・分析・資料作成など、実行支援が中心 |
アソシエイト | 600〜700万円 | 小規模案件での実務主担当、顧客対応の一部 |
シニアアソシエイト | 700〜900万円 | 中型案件を主導、提案・資料作成もリード |
マネージャー | 約1,500万円前後 | 複数案件の統括、チームマネジメント、営業責任 |
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マネージャーに昇進するには、一般的に約10年程度の経験が必要とされており、30代前半〜40代前半が平均的な到達ラインです。
また、外資系やFAS領域に近い案件を持つ企業では、マネージャークラスで年収2,000万円以上となることもあります。
企業ごとにボーナス比率やインセンティブ制度が異なるため、転職時は「基本給+賞与」の内訳にも注目して検討しましょう。
財務コンサルに求められるスキル
財務コンサルタントとして活躍するには、財務知識だけでなく、多面的なビジネススキルが求められます。
中でも重視されるのが以下のスキルです。
- 問題解決能力
- 財務や会計に関する専門知識
- コミュニケーション能力
クライアント企業が抱える課題は明確でないことが多く、まず何が問題かを特定する力がないと支援が始まりません。
それぞれのスキルについて順番に見ていきましょう。
問題解決能力
財務コンサルが直面する課題の多くは、表面化していない「構造的な経営課題」です。
そのため、ヒアリングや財務データをもとに、課題を抽出・定義し、解決策を設計する問題解決の型が必要です。
問題解決能力に含まれる要素は以下の通りです。
- 論理的思考力:数字や事実に基づいた因果関係の整理、論点の明確化
- 仮説構築力:原因仮説と検証シナリオを立てるフレームワーク思考
- 施策立案力:定量・定性情報を踏まえて、実行可能な提案に落とし込む力
- 柔軟な視点:経営・現場・金融機関など複数の視点での整理と思考が求められる
また、問題解決は“頭の中”だけで完結しません。
相手にわかりやすく伝えるプレゼン力、実行に移すための巻き込み力もセットで求められます。
財務コンサルは「思考」と「実行」がセットになった仕事です。知識以上に、実際に現場で“解く力”が問われる職種といえるでしょう。
財務や会計に関する専門知識
財務コンサルタントとして活躍するためには、財務・会計領域に関する専門知識は必須です。
なぜなら、財務戦略の立案、事業再生、資金調達、M&A支援といったコンサル業務のほとんどは、数字を土台とした判断・提案が求められるからです。
単に知識として理解しているだけでは不十分で、実務に落とし込めるかどうかが評価の分かれ目です。
財務コンサルに求められる知識領域の一例は以下のとおりです:
- 財務諸表分析(P/L・B/S・C/F の相互理解と解釈)
- キャッシュフロー改善(運転資金の最適化、資金繰り表作成など)
- 資金調達戦略(金融機関対応・VC資金・エクイティ vs デット判断)
- M&A関連知識(バリュエーション、DD、PMIの基礎理解)
また、資格が必須というわけではありませんが、以下のような資格を保有していると専門性の証明として有利になることもあります。
- 公認会計士(CPA)・USCPA
- 税理士(科目合格含む)
- 中小企業診断士
- 日商簿記1級
上記の資格は、面接や提案の場面で「知識の信頼性」を担保してくれる武器となります。
ただし、あくまで評価されるのは「知識を使えるかどうか」。
学んだことをどう実務に落とし込み、クライアントの意思決定につなげられるかが、財務コンサルの真価です。
コミュニケーション能力
財務コンサルは“数字の専門家”であると同時に、人を動かすプロでもあります。
どれだけ優れた分析や改善提案があっても、クライアントに理解され、受け入れられなければ意味がありません。
そのため、財務コンサルには高度なコミュニケーション能力が求められます。
具体的に必要な場面は以下の通りです。
- 現状ヒアリング:経営陣や現場から必要な情報を正しく引き出す
- ニーズの深掘り:顕在課題の裏にある真因を対話の中であぶり出す
- 提案の説得:相手の関心や立場に合わせて伝えるプレゼン力
- 関係構築と信頼形成:伴走者として継続的に支援を受け入れてもらう
さらに「耳の痛いことを伝える力」も大切です。
財務の改善提案は、コスト削減や事業撤退など反発を招く内容になりがちです。
そのような場面でも、相手を傷つけずに課題を伝え、納得を得るためには、論理と感情の両面を丁寧に扱う力が不可欠です。
相手に合わせて伝え方を工夫できる人ほど、信頼され、案件を任される機会も増えていきます。
財務コンサルとして持っていると有利になるおすすめ資格
財務コンサルタントとして必須となる資格はありませんが、専門性や信頼性を高めるうえで、資格は大きな武器になります。
特に、財務・会計・税務・経営戦略などの知識を体系的に学べる資格は、知識の底上げだけでなく、クライアントや採用側に対する説得力にもつながります。
実際に有利になる資格は以下の通りです。
- 中小企業診断士
- 税理士
- 公認会計士
ここでは、財務コンサルを目指すうえであると有利になる3つの資格を解説します。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経済産業省が認定する「経営の国家資格」として知られています。
財務・会計だけでなく、マーケティング・人事・ITなど、企業経営全体を体系的に学べるため、財務コンサルの実務に直結しやすい資格です。
特に以下のような場面で強みを発揮します。
- 財務改善の背景に「組織」「戦略」など複合要因がある場合の分析力
- クライアントが中小企業の場合、制度上の支援策や補助金との連携知識
- 経営者との目線合わせに必要な“事業全体視点”の習得
この資格は中小企業向けと考えられがちですが、実際は大企業やベンチャー企業にも応用できる普遍的なビジネス知識の集合体です。
1次・2次試験・実務補習と取得に一定の労力はかかりますが、その分経営のプロフェッショナルとしての信頼を得やすい資格です。
税理士
税理士は、税務に関する高度な専門性を持つ国家資格です。
財務コンサルにおいて必須資格ではないものの、税務知識の有無は財務提案の質を左右する要素となります。
たとえば、税効果会計や繰延税金資産の判断、タックスプランニング(節税対策)のアドバイスなど、経営判断に直結する知見を提供できる点で相性が良い資格です。
取得のメリットは以下の通りです。
- 法人税・消費税・所得税など税法に関する理解が深まる
- M&Aや事業再編時の「税務上のスキーム構築」に活かせる
- 有資格者としての「箔」が付き、クライアントや転職市場での評価が上がる
なお、税理士試験は科目合格制のため、働きながら1科目ずつ取得することも可能です。
実務で活かすには資格がなくても対応できる部分もありますが、信頼性の証明として強い武器になります。
公認会計士
公認会計士は、日本三大国家資格の一つとして位置づけられる難関資格です。
会計監査に必要な高い専門性を有しており、財務・会計のプロフェッショナルであることを証明できる資格と言えます。
そのため、財務コンサルタントとしてのキャリアと非常に親和性が高く、コンサルファームでもCPA保有者は高く評価されます。
保有のメリットは以下の通りです。
- 財務諸表の分析や内部統制の設計における圧倒的な専門性
- M&AやDD(デューデリジェンス)業務での活躍可能性が高い
- 外資系FASや大手コンサルへのキャリアチェンジにも強い
ただし、取得には相当な学習時間(数千時間)が必要であり、短期間での取得は難易度が高いため、長期的なキャリア設計に組み込むことが現実的です。
財務コンサルに転職するには
財務コンサルへの転職は、知識やスキルだけでなく志向性と準備の質が問われるキャリアチェンジです。
財務領域の専門性はもちろん、コンサルタントとしての論理的思考やプレゼン能力も必要になるため、万全の準備をして臨む必要があります。
財務コンサルへ転職するには以下のが重要です。
- 自分のスキルと実績を整理する
- 財務コンサルを目指す志望動機を明確にする<
- ケース面接対策を入念に行う
- 未経験の場合、財務・会計知識をしっかりとつけておく
- 転職エージェントを利用する
上記について順番解説していきます。
自分のスキルと実績を整理する
財務コンサルへの転職活動を始める際、最初にやるべきことは「自分のスキルと実績の棚卸し」です。
コンサルタントは即戦力であることが前提とされやすく、面接官が見るのはこれまでの経験が今後の業務にどう活かせるかが大切だからです。
【棚卸しのステップ】
項目 | 内容 |
---|---|
業務経験の分解 | これまでの職務を「業務内容」「成果」「難しかったこと」に分けて言語化することで、経験の再現性と説得力を高める |
スキルの見える化 | 財務分析・経営管理・改善提案・マネジメント経験などをカテゴリ別に棚卸しし、スキルを整理・可視化する |
企業ごとのアピールポイントを調整 | 応募先企業の求めるスキルと自分の強み・経験を照らし合わせ、アピール内容をカスタマイズして訴求力を高める |
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単に「経理経験があります」「PL分析をしてきました」だけでなく、「何を工夫し、どう成果を出したのか」まで語れるように準備しておくことが、内定獲得の近道です。
財務コンサルを目指す志望動機を明確にする
財務コンサルの転職面接では、必ずといってよいほど「なぜ財務コンサルに?」「なぜこのファームに?」という質問がされます。
この問いに対し、納得感ある答えを用意できるかどうかが合否を分けるポイントです。
志望動機を設計する際は、以下の3点を意識しましょう。
項目 | 内容 | 例文 |
---|---|---|
現職で実現できないこと | 現職の業務範囲や限界を明確化し、転職理由とつなげる | 「今の仕事は業務改善までしか踏み込めず、資金戦略や事業再生まで携わりたいと思うようになった」 |
財務コンサルならではの魅力 | 他職種との違いや、転職先で実現したいことを明確にする | 「企業成長に直結する提案を経営者に届けられる立場である点に惹かれた」 |
中長期のキャリアプランとつなげる | 5〜10年後のキャリア像と志望動機を関連付ける | 「将来的には企業経営に関わる立場を目指しており、財務戦略から経営を支える力を養いたい」 |
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志望理由を仕事内容の魅力だけで終わらせず、「自分のキャリアビジョンと重なる」ことを語ることで、面接官の共感・納得を引き出しやすくなります。
ケース面接対策を入念に行う
財務コンサルを含むコンサルティングファームの採用プロセスでは、「ケース面接」が行われることが多くあります。
論理的思考力・構造化スキル・課題解決アプローチを測るための実技試験のようなもので、事前対策なしではまず通過できません。
ケース面接の代表的な出題形式は以下の通りです。
- フェルミ推定:「日本に電柱は何本あるか?」など、仮説思考・計算力を問う問題
- ビジネス課題解決型:「地方スーパーの売上を改善するには?」など、業界理解と提案力が必要
- グラフ・資料読解型:与えられた数値・図表から課題を見つけ、戦略提案まで導く
対策方法としては、以下のような取り組みが効果的です。
- ケース面接対策本(例:『現役外資コンサルが教えるケース面接対策』)を複数冊読み込む
- 実際に自分で手を動かして問題を解き、ロジック展開の癖をつける
- 模擬面接を通じて“話しながら考える”訓練を積む
財務コンサルは特に、数字を扱う問題や財務改善に関するケースが出やすいため、PL/BSの読み方や指標計算も復習しておくと安心です。
未経験の場合、財務・会計知識をしっかりとつけておく
未経験から財務コンサルに転職を目指す場合、まず取り組むべきは「財務・会計知識のインプット」です。
なぜなら、クライアントの財務課題を分析・提案する立場になる以上、基本的な知識がなければ会話についていくことも難しく、戦力として評価されづらいからです。
もちろん、財務領域の実務経験がなければ即戦力としての採用はハードルが高くなりますが、「独学でしっかり勉強している」「簿記や会計知識を体系的に理解している」といった姿勢が伝われば、ポテンシャル採用につながる可能性は十分にあります。
【未経験者におすすめの学習アプローチ】
- 日商簿記2級〜1級を目指し、会計の基礎・財務諸表の読み方をマスターする
- 財務三表(PL、BS、CF)の構造を理解し、簡単な分析ができるようにする
- 財務コンサル関連の書籍やYouTube、学習アプリを活用して日常的に学ぶ
- 財務分析や企業価値評価(バリュエーション)に関するフレームワークを学ぶ
また、勉強を進めることで「本当に自分はこの分野が好きか」「日々の業務で向き合えるか」といった適性の自己確認にもなります。
未経験だからこそ、まずは知識武装から。
面接では、勉強した具体的な内容やそれをどう仕事に活かしたいかを語れるようにしておくと、信頼感を得られやすくなります。
転職エージェントを利用する
財務コンサルへの転職を考えているなら、専門性の高い転職エージェントのサポートを活用することを強くおすすめします。
コンサルティング業界は各社ごとに採用基準や求めるスキルレベルに差があり、業界外の人にとってはそれを把握するのが難しいためでしょう。
特に財務コンサルは業務領域が広く、「どの会社がどの領域に強いのか」「自分の経験がどのポジションにマッチするのか」を見極めるには、業界に精通したプロのアドバイスが不可欠です。
転職エージェントを活用するメリットは以下の通りです。
- 業界内のポジションマップを理解したうえで、自分に合う企業を提案してもらえる
- 各ファームの選考フロー・通過のコツ(面接の傾向や面接官の特徴)を事前に共有してくれる
- 未経験者にはケース面接や志望動機のブラッシュアップもサポートしてくれる
- 面接日程の調整や、オファー面談時の年収交渉なども代行してくれる
また、エージェント経由での応募は企業側も選考効率が高いと捉えており、書類通過率が上がる傾向もあります。
志望動機の添削や模擬ケース面接などの実践的支援も行っており、初めてのコンサル転職でも心強い味方となるでしょう。
財務コンサルに未経験で転職した事例
財務コンサルは専門性が高く「未経験では厳しいのでは」と思われがちですが、適切な準備とサポートがあれば未経験からの転職成功も十分に可能です。
ここでは、MyVision経由で実際に未経験から財務コンサルへの転職を果たした方の事例をご紹介します。
それぞれのバックグラウンドや転職理由、苦労した点、年収の変化などを通じて、「どんな人が成功しているのか」をリアルにお伝えします。
事例①:地方銀行→日系FASへ転職
- 前職:地方銀行
- 転職理由:新たなことにチャレンジしながら自分のキャリアを切り拓きたいと思い、コンサル業界に挑戦
- 転職活動で苦労した点:資格を取る前に、どのようなキャリアにしたいのか、そのためにどのような資格が必要なのか考えてから資格を選ぶべきでした。
- MyVisionの支援内容:中小企業診断士の資格を最大限生かせるポジションということで、山口さんからFASへの転職をご提案いただいた
- 年収変化:前職年収から300万円以上アップで内定獲得
この事例では、現職での業務範囲に限界を感じ、取得した資格を活かし新たなことにチャレンジしながら自分のキャリアを切り拓きたいと思ったのが転職の大きな動機となっています。
未経験からの転職ながら、「将来どうなりたいか」と「なぜその会社なのか」を明確に言語化できたことが成功の決め手となりました。
事例②:証券会社(営業職)→FAS領域の財務コンサルへ転職
- 前職:証券会社
- 転職理由:コンサルで働く大学時代の友人からFASという選択肢を提案された
- 転職活動で苦労した点:もっと早く転職活動に本腰を入れて取り組んでも良かった
- MyVisionの支援内容:書類の作成方法、面接対策など
- 年収変化:150万円以上の年収アップを実現
証券会社の法人営業からFASアナリストへのキャリアチェンジを成功させた事例です。
特に、現職での業務範囲に限界を感じ、より企業の成長に貢献できる仕事を志した点が転職の大きな動機となっています。
MyVisionのエージェントとの信頼関係や、徹底したサポートが転職成功の鍵となりました。
財務コンサルに転職するならMyVision
財務コンサルへの転職を考えているなら、コンサル業界に特化した転職エージェント「MyVision」の活用を検討してみてはどうでしょうか。
MyVisionでは単なる求人紹介にとどまらず、業界理解や面接対策、企業ごとのカルチャーに至るまで、実践的なサポートを提供しています。
特に、以下の3つの強みです。
- 全員が元コンサルタントのキャリアアドバイザー
- 国内に展開するほぼすべてのコンサルファームとのコネクション
- 実戦に近い模擬面接の提供
未経験者向けにも勉強の進め方やアピール方法、選考突破に必要なスキルなど、個別に合わせたサポートが行われており、初めてのコンサル業界へ転職する方のサポートが強いのも特徴です。
財務コンサルは特に数字×経営のバランス感覚が求められるため、選考突破には戦略的な準備が欠かせません。
MyVisionでは業界を熟知したプロが、あなたの転職活動を支援します。
財務コンサルへの転職を検討している方は、まずは無料相談から実施してみてはどうでしょうか。
まとめ
財務コンサルは、企業の成長・再生・変革を財務の視点から支援する専門職であり、キャリアの専門性・市場価値ともに高い分野です。
その一方で、即戦力性や業界理解、選考対策の質が強く問われる職種でもあります。
本記事では、財務コンサルの仕事内容・必要スキル・年収・おすすめ資格から、転職を成功させるためのステップまでを網羅的にご紹介しました。
改めてポイントを振り返ると、下記になります。
- 実績やスキルを明確に棚卸しして言語化すること
- 財務コンサルを目指す理由や中長期のキャリアプランを明確にすること
- ケース面接や財務・会計知識の習得を怠らず、地道に準備すること
- 転職エージェント、とくにMyVisionのような専門支援を活用すること
上記を押さえることで、未経験からでも財務コンサルへの転職成功は十分に狙えます。
数字を通じて経営を支えたい方、より専門性の高いコンサルティングに挑戦したい方は、ぜひ本記事の内容をもとに準備を進めてみてください。
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