公共コンサルとは?業務分野や年収、事例とあわせて転職するためのポイントを解説!
2026年02月24日更新
近年、少子高齢化や環境問題などさまざまな社会課題に直面している中で、需要が高まっているのが公共コンサルです。大手コンサルファームが公示案件を手がけることも多く、転職市場でも注目が高まっています。
一方で、「そもそも公共コンサルとは何か」といった初歩的な疑問や具体的な業務内容のイメージが掴めずにいる人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、公共コンサルの基本概念や具体的な事例をご紹介します。
未経験から公共コンサルになるためのポイントも解説しますので、転職活動をはじめる前に、ぜひ参考にしてください。
著者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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公共コンサルタントの求人情報
【パブリック&ガバメント】コンサルタント/アソシエイト 大学研究機関向けコンサルティング
想定年収
400~800万円
勤務地
東京都 千代田区
業務内容
・日本全体のイノベーション・エコシステムの発展に向けた各種プロジェクトの実行メンバー -自治体を対象に、スタートアップ×地域企業による地方創生・産業振興、社会課題を目指したアクセラレータープログラム -大学、高等専門学校を対象にした研究シーズの事業化に向けた伴走支援プロジェクト ・プロジェクトの推進に向けた各種作業(報告資料の作成、議事録の作成等) ・個別のプログラム(オープンイノベーション、研究シーズの事業化等)に対する、スタートアップや地域企業、大学研究者等への伴走支援 -各種調査・分析 -有識者へのヒアリング -ミーテイング資料の作成 等
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【TCF-LA-IA】海外戦略/インフラストラクチャー・アドバイザリー Infrastructure Advisory
想定年収
-
勤務地
EY東京オフィス ‐ 東京ミッドタウン日比谷
業務内容
・日本企業による海外インフラ市場の基礎調査、新規市場参入、事業投資支援業務 ・政府機関(主に国交省など)による海外インフラ市場・FS調査、政策立案支援業務 ・開発金融機関(主にJICAなど)による海外インフラ市場・FS調査、制度構築支援業務 上記海外業務の立ち上げメンバーを募集します。 その他にチームとして以下のような様々な国内インフラアセットにかかる業務に取り組んでおり、チームの案件状況、専門性や参画いただく職階等に応じて関与いただきます。 ・交通インフラ(空港・航空・鉄道・バス・タクシー等) ・上下水道事業 ・廃棄物・再生可能エネルギー ・その他、インフラ関連企業/事業/資産
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社会戦略(環境・エネルギーコンサルタント/C~SMクラス)
想定年収
520~1,000万円
勤務地
東京都千代田区
業務内容
募集ユニット 社会・環境システム戦略コンサルティングユニット 【ミッション】 デジタルによるSXの実現 ~データによる可視化+インパクト評価+ルールメイキング~ ■概要 民間企業、中央省庁・地方自治体における環境・エネルギー分野を中心としたコンサルティング業務、調査研究に従事していただきます。 【プロジェクトの概要】 環境・エネルギー分野の戦略、新規事業企画、ビジネス開発に関する調査研究、コンサルティング業務 【具体的な取り組みテーマ】 ・サーキュラーエコノミー(容器包装、バッテリー、太陽光パネル等のリサイクル) ・カーボンニュートラル (自治体の脱炭素計画の策定、カーボンファーミング、JCM等のカーボンクレジット、再エネ、CCUS技術の活用等) ・SX×DX 起点のまちづくり (日本版シュタットベルケ) ・温暖化対策 民間ビジネス(経営支援、情報開示支援コンサルティング、認証取得コンサルティングなど) ・先端技術起点のGX(水素、洋上風力、メタン削減等を含む) 等 【プロジェクト事例(一部紹介)】 ・再エネ電解水素の製造及び水素混合ガスの供給利用実証事業 ・地域エネルギー会社(日本版シュタットベルケ)を通じた地方創生 ・環境エネルギーインフラの海外展開支援、海外企業との国際連携支援 ・羊の腸内メタンを削減する海藻に着目!農業分野のメタンガス排出量削減プロジェクト ・リチウムイオンバッテリーにかかる欧州規則への対応及びバッテリー回収情報管理システムの高度化に向けた実証事業支援 ■担当業務 コンサルティングプロジェクトのメンバーとして、デリバリー業務の中心的役割を担っていただきます。 スキル・経験に応じてプロジェクトのマネジメント支援、コンサルティングセールス等も実施可能です。 ■職階 コンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー 【キャリアパス】 コンサルタント ▼ シニアコンサルタント ▼ マネージャー ▼ シニアマネージャー ▼ アソシエイトパートナー ▼ パートナー ※マネージャー以下は主にコンサルティングのデリバリを担当します。 シニアマネージャー以上は受注責任を有し、セールス活動および社内のマネジメント・事業戦略立案にミッションの比重が移ってきます。
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デジタル・ガバメント推進コンサルタント/C~Mクラス
想定年収
520~1,000万円
勤務地
東京都千代田区
業務内容
●募集ユニット ソーシャル・デジタル戦略ユニット ●ミッション・特徴 ・官民両方の上流案件のみに幅広く対応 ・社会課題~デジタル・ハイテク系の戦略案件の担い手 ・テーマ/インダストリーに囚われない案件獲得 ・主なコンサルティング領域は以下の通り。 -事業会社向け、戦略策定~変革実現 -社会問題の解決をテーマに、デジタル化政策や官公庁のデジタル化 -UX変革、デジタルマーケティング等の戦略策定 ・これらの領域に幅広くアサインメント ・若手でもバイネームで情報発信 ・各種委員、研究員、客員教授などへの就任も可能 【デジタル・ガバメント推進コンサルタント】 ・法人向けコンサルティングにはない、特徴的なサービスを提供。 (以下、例示) ーデジタル・ガバメント政策の立案に関連する調査研究 ーデジタル・ガバメント政策の実現 ー社会課題解決を目指した提言や新規サービス検討 ー官民のデータ連携やサービス連携、準公共分野のデジタル化 ー国のシステムのあり方提言、行政手続のデジタル化、データ戦略立案、データマネジメント強化 ●担当業務 ・官公庁及び民間企業の公共事業領域向けのビジネスコンサルティング(主としてデジタル政策の実現や新規サービス構想)のプロジェクトメンバーとして、デリバリー業務の中心的役割を担って頂きます。 ・比較的早い段階で、顧客向けの検討資料作成・プレゼンテーション・ディスカッションを自らの方針でリード頂きます。 ・幅広い業界・コンサルティングテーマを経験いただくことが可能です。 また、シニアコンサルタント以上はチームマネジメントやセールス活動にチャレンジ頂く機会もあります。(本人の特性や希望による) ●職階 コンサルタント シニアコンサルタント マネージャー ●キャリアパス コンサルタント ▼ シニアコンサルタント ▼ マネージャー ▼ シニアマネージャー ▼ アソシエイトパートナー ▼ パートナー コンサルタント、シニアコンサルタントは、主にコンサルティングのデリバリを担当し、マネージャー以上になってくると、セールス活動および社内のマネジメント・事業戦略立案にミッションの比重が移っていきます。
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LVC(民間・官公庁向けヘルスケア分野コンサルタント/C~Mクラス)※コンサル/ヘルスケア分野未経験可
想定年収
520~1,700万円
勤務地
東京都千代田区
業務内容
業務内容 ■概要 我々介護テクノロジー・生産性向上グループでは「ヘルスケア・福祉の現場を子供たちの憧れの仕事に」をグループVisionとして、介護や障害領域を中心としたヘルスケア分野における社会課題解決を支援しています。 官公庁や自治体からの案件が多く、国や自治体の政策に上流から関わり、未来の日本を担う社会的意義の大きい案件を多く手掛けていることが特徴です。 我が国の社会課題を我が事として捉え、我々と一緒に課題解決に向けチャレンジしてくれる方を募集します! コンサルタント未経験のメンバーも多く入社し、活躍しています。 これまでにヘルスケア・福祉分野における職務経験がない方でも、社会をよりよくした想いがあり、強い関心をお持ちの方であれば大歓迎です!! ◇組織:我々介護テクノロジー・生産性向上グループ 当グループは2019年に立ち上がった比較的若い組織です。 メンバーは30歳台が多く、グループ長含め現在16名のコンサルタントが在籍しています。 メンバーのバックグラウンドはコンサルファーム出身者をはじめ官公庁、業界団体、専門職、民間企業と様々ですが、一貫して介護や福祉分野に強い問題意識を持ち、常に現場目線に立った”手触り感”ある仕事を大切にしています。 ◇主な事業領域 (1)介護領域 生産性向上/テクノロジー活用/テクノロジー開発支援/外国人介護人材/介護助手/地域包括ケア (2)障害領域 バリアフリー/障害者差別/テクノロジー活用 (3)医療領域 医療機器/健康寿命(フレイル等) (4)その他の領域 多文化共生(外国人介護人材等)/保険者/医療介護連携 等 ◇主なプロジェクトタイプ 実証実験/政策提言/調査研究/コンソーシアム/PMO/BPR 等 今後も組織規模を拡大しながら、ヘルスケア分野の他領域への展開を視野に入れています。 ◇主な実績(官公庁案件を中心に) ・介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム事業/厚生労働省 https://www.kaigo-pf.com/ ・介護ロボットのニーズ・シーズマッチング支援事業/厚生労働省 https://www.kaigo-ns-plat.com/ ・介護分野における生産性向上ガイドライン策定事業/厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-seisansei.html ・介護ロボット効果実証導入促進事業/埼玉県 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/77104/kaigo-robot-tebiki.pdf ・在宅での使用を前提としたロボット介護機器等の開発・改良促進基盤調査/AMED ・交通制約者にも優しい自動運転バスに関する調査研究事業/NEDO ・介護現場における持続的な生産性向上の取組を支援・拡大する調査研究事業/厚生労働省 ・介護現場の生産性向上に関する普及・定着促進事業/厚生労働省 ■担当業務 ・メンバークラス Cクラス:PJのデリバリーを中心に担っていただきます。 SCクラス:PJのデリバリーにおけるパートリーダーおよびマネジャークラスの営業支援を担っていただきます。 ・マネジャークラス Mクラス:PJのPLおよび営業活動を担っていただきます。 SMクラス:PJのPLおよび営業活動に加え、グループ長の補佐として組織運営・開発を担っていただきます。 ・マネジャークラス Mクラス:PJのPLおよび営業活動を担っていただきます。 SMクラス:PJのPLおよび営業活動に加え、グループ長の補佐として組織運営・開発を担っていただきます。 ■職階 ・メンバークラス ・マネジャークラス
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公共コンサルティングの概要
まずは公共コンサルの概要について、他業種との違いや業務分野も含めて解説します。
公共コンサルとはなにか
公共コンサルは、政府や自治体などを対象としたコンサルティング業務、あるいはコンサルティング業務を請け負う企業です。
国や地方自治体などの行政機関や公共法人がクライアントとなり、業務内容は多岐にわたります。たとえば、少子高齢化や環境問題など社会課題を解決するための政策立案や、観光振興や地方創生プロジェクトの運営支援などが含まれます。
また、データ分析やDX化の推進など、行政機関や公共法人における業務効率化をサポートすることも、公共コンサルが担う重要な役割です。
【MyVision編集部の見解】 MyVision編集部では、社会貢献性の高さだけを基準に公共コンサルを志望することを推奨しません。なぜなら、実際には政策支援や調査分析だけでなく、地道な資料作成や関係者調整など実務負荷も大きいからです。
そのため、使命感に加えて、長期プロジェクトをやり切る粘り強さや調整力まで考慮し、自分の強みと業務内容が合致しているかを見極めたほうが納得のいく転職になりやすいです。
社会性と実務適性の両面を言語化できると、選考でも評価されやすいでしょう。
ほかの業種との違い
公共コンサルと似た言葉に、「地方創生コンサル」や「行政コンサル」があります。
それぞれの言葉に明確な定義はありませんが、地方創生コンサルは地域振興に特化した領域と考えるのが一般的です。一方で、公共コンサルと行政コンサルは、どちらも公共機関を対象としたコンサルティングです。
しかし、公共コンサルのほうが対象領域の幅が広く、教育や交通システム、医療体制など、社会課題全般の解決支援をおこないます。行政コンサルは、政府や行政機関のみを対象としたコンサルティングを指すことが多いです。
また、公共コンサルは、民間企業のコンサルタントとも違いがあります。社会課題の解決を目的とする公共コンサルに対し、民間企業のコンサルタントは利益追求が主な目的です。
そのため、公共コンサルは、社会全体に与える影響が強いプロジェクトが多いです。たとえば、公共サービスにオンライン手続きを導入したり、地域の交通システムを再構築したりなど、目に見える形で人々の暮らしに影響を与えることもあります。
一方で民間企業のコンサルタントは、新規事業立ち上げや売上向上といった経営戦略にかかわるプロジェクトが多い傾向です。
シンクタンクとの違い
公共問題や社会全体の課題を扱う点ではシンクタンクも同じですが、シンクタンクは、課題に対しての調査研究や、解決策の提言など、分析重視の業務をおこないます。一方で公共コンサルは、課題の特定から実行支援まで、より多角的な支援を担うことが特徴です。
▼シンクタンクの仕事内容や年収について詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
官僚との違い
国家公務員である官僚もまた、よりよい社会を作っていくという点では公共コンサルと共通しています。両者の違いは、官僚はトップダウン、公共コンサルはボトムアップで社会課題と向き合っていくことです。
官僚は中央行政機関の各省庁に所属し、法案や予算案の作成などに携わります。一方で公共コンサルは、目の前にある課題そのものの解決など、ボトムアップの形でアプローチすることが特徴です。
主体的な働き方でやりがいを感じたい人には、コンサルタントのほうが向いています。また、年収の視点でも、実力主義の世界でどんどん高めていきたい人には、コンサルタントがおすすめです。
官僚は国家公務員のため、成果よりも勤続年数が影響し、年収の伸びにも限界があります。
公共コンサルの分野
公共コンサルの業務は、主に以下の分野にわかれます。
- 政策立案・実行支援
- 地方創生・地域活性化支援
- 行政業務の効率化・組織改革
- デジタル化(DX)推進
- 官民連携(PPP/PFI)プロジェクト支援
- 社会インフラの整備・改善
実際に支援をおこなう領域には、産業振興や農林水産業、地方自治体、郵政、教育などがあります。この項目では、上記した業務内容について、詳しく見ていきましょう。
政策立案・実行支援
公共コンサルに多い案件のひとつは、政府や自治体などを対象とした、政策の立案や実行支援です。とくに人材不足などの課題を抱える場合に、公共コンサルは外部サポートとして重要な役割を担います。
また、公共コンサルは、政治や社会に関する豊富な知識と迅速な問題解決能力を持ち、客観的な視点での分析も可能です。行政機関や公共法人が公共コンサルを活用することで、国民視点の政策立案につながります。
たとえば、ITの総合力に強みを持つ日立グループの日立コンサルティングでは、「政策提言AI」による政策立案を支援するサービスを提供しています。
政策提言AIは、これまでのデータや政策担当者の想いに基づき、未来の展開をシミュレーションや取るべき対策の検討の支援をおこなうものです。
地方公共団体や中央省庁、教育機関への導入実績があり、大震災が発生した場合の復興シナリオやESG投資の普及度合いに関するシミュレーションなどをおこなっています。
地方創生・地域活性化支援
地方創生・地域活性化支援は、近年ニーズが高まっている公共コンサル事業のひとつです。国が掲げている地方創生のキーワード「まち」「ひと」「しごと」の3つにアプローチし、各地方を活性化させていくことが目的です。
具体的には、各地方自治体が抱える人口減少や産業衰退など地域性が強い課題への取り組みや、地方自治体のDX推進などが含まれます。
中でも、地域の特性を活かした観光振興計画策定や観光マーケティング、プロモーション戦略の立案など、ツーリズム産業を通しての自立的な経済発展を支援する取り組みが増えています。
ほかにも、移住・定住促進策や域産業の再生支援など多様なアプローチが求められる中、世界最大級のコンサルティングファームであるPwCでは、関係人口を目指す取り組みとして、愛媛県今治市の「いまばりワーケーション推進事業」の支援をおこないました。
この事業は、都市部のIT企業やフリーランスを対象に、今治市でのワーケーション実証事業への参加を働きかけるものです。
旅行代理店や地域事業者と連携を取り、都市圏の人材と今治市のコミュニティやつながる機会を提供した地方創生プロジェクトの成功事例といえます。
行政業務の効率化・組織改革
公共コンサルの仕事には、行政機関の業務プロセス分析や業務効率化、組織改革の提案などもあります。
たとえば、政府主導で公共サービス改革が推進される昨今は、各自治体で人件費削減、民間の創意工夫の活用といった利点があることから、積極的な民間企業への業務外部委託が広まっています。
しかし、実際にはマニュアルが煩雑で外部委託に踏み切れない状況や、委託後の業務範囲の取り決めの難しさなど、さまざまな課題を抱えていることが現状です。
そこで公共コンサルが間に入り、委託前のヒアリングや分析、委託範囲の積算などで支援をおこなった事例があります。
また、公共機関におけるセキュリティ対策の強化や、最先端テクノロジーを活用した組織改善化の提案なども、重要な公共コンサルの役割です。
デジタル化(DX)推進
公共コンサルには、公共機関のデジタル化(DX)推進を支援する案件も多くあります。DX推進には専門知識が求められるため、最新テクノロジーに精通し、デジタル分野での対応力がある公共コンサルは、自治体にとって心強いパートナーです。
デジタル化は、公共機関の業務効率改善だけでなく、住民向けサービスのオンライン化など、暮らしやすさやスマートコミュニティの実現に貢献していることが特徴です。
大手コンサルファームであるアクセンチュアでも、DX推進の公共コンサルに力を入れています。たとえば海上自衛隊への支援では、同社のセキュリティグループ主導で機密性の高い情報を扱う業務全般のDX推進を支援していました。
ほかにもアクセンチュアは、これまでに教育DX推進として「東洋大学公式アプリ」の開発・運用を支援や、経済産業省で事業者の申請手続きを電子化する「保安ネット」の構築などをおこなっています。
▼アクセンチュアについて詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
官民連携(PPP/PFI)プロジェクト支援
官民連携とは、行政と民間が連携して公共施設などの建設、維持管理、運営などをおこなうことを指します。官民連携の目的は、多くの地方公共団体が抱える課題の解決や、活気にあふれる地域経済の実現をサポートすることです。
官民連携で用いられる用語には、官民連携の概念を指す「PPP(Public Private Partnership)」と、その手法を表す「PFI(Private Finance Initiative)」があります。
公共コンサルは、官民連携(PPP/PFI)のプロジェクト支援において、PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)に基づいた施策を提案し、良質な公共サービスの提供やコスト削減へとつなげています。
官民連携(PPP/PFI)政策に力を入れているコンサルティングファームのひとつが、日本総研です。
サービス内容は「スマートシティ戦略策定支援」や「スポーツ分野の新規事業開発・事業化支援」など多岐にわたり、国土交通省をクライアントとしたスマートシティコンソーシアム運営支援の実績などがあります。
▼日本総研について詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
社会インフラの整備・改善
社会インフラの整備や改善も、公共コンサルが担う重要な仕事です。近年では、社会インフラを支える多くの企業が、設備の老朽化や維持コストの増加、収益の悪化など、経営の根幹にかかわる課題を抱えています。
公共コンサルはこうした課題に対し、持続可能な運営体制を構築するために、新事業モデルの構想・企画やAIやIoTを活用したソリューションの開発で支援をおこなっています。
具体的な事例として、野村総合研究所(NRI)では、三井E&Sマシナリーと共同で「AI画像解析によるインフラ非破壊検査サービス」を開発しました。
同サービスは、老朽化が深刻な課題となっている交通インフラにおいて、「路面下空洞」「路面のひび割れ」「トンネル覆工コンクリート表面のクラック」の3点を、AIで自動抽出・解析するシステムです。
このように、公共コンサルは先端技術を駆使しながら、暮らしのインフラ確保と企業経営の持続可能性の両立を支えています。
公共コンサル業界の主なプレイヤー
公共コンサルは造語的な表現であり、明確な括りや決まった業界区分となっているわけではありません。ここでは、公共案件に携わる業界分野を紹介していきます。
大手コンサルファーム
| アクセンチュア | 世界最大級の総合コンサルティングファーム・デジタル技術やテクノロジー分野に強い・戦略支援から実行まで一貫したサービスを提供 |
| PwC | 監査や税務などの専門家と連携しているコンサルティングファーム・ワンストップサービスを提供 |
| アビームコンサルティング | 日本発の総合コンサルティングファーム・アジア市場に強い・戦略立案からシステム導入まで一貫したサービスを提供 |
| 日立コンサルティング | 日立グループとしての経験や実績を活かしたコンサルティングファーム・ITを活用した業務改革や社会インフラ、エネルギー分野に強い |
大手コンサルファームは、幅広い領域と戦略から実行まで一貫した支援体制を持つことが特徴です。業務の幅が広く、裁量も大きいことから、強い成長意欲を持つ人に向いています。
シンクタンク
| MRI 三菱総合研究所 | シンクタンクとコンサルティングの機能を両立・公共政策分野において豊富な実績・気候変動対策やカーボンニュートラルの推進に注力 |
| 野村総研(NRI) | コンサルティングとITソリューションを組み合わせたビジネスモデルを展開・証券業界に向けた勘定系システムで高いシェア率を誇る・金融ITソリューションに強い |
| 日本総研 | シンクタンク、コンサルティング、ITソリューションを有する総合情報サービス企業・金融ITに特化したサービスを提供 |
| NTTデータ | 国内最大手のITサービス企業・官公庁や大手企業のシステム開発を手掛ける・公共分野のシステム開発、運用において高い実績 |
シンクタンクは広範な社会的課題に対するリサーチ業務を基盤として、政策提言や経営コンサルティングとしての役割も担います。社会的意義の高いプロジェクトにかかわりたい人や、専門性の高い仕事をしたい人に向いています。
建設系・インフラ系コンサル
| 八千代エンジニヤリング | 創業60年以上の総合建設コンサルタント・防災、減災、インフラ維持管理に強い・地域密着型で社会課題解決に注力 |
| 日本工営 | 海外にも実績を持つ総合建設コンサルタント・ダム、下線、道路などの社会資本整備に強い・計画、設計から施工管理まで一貫したサービスを提供 |
| 建設技術研究所(CTI) | 日本初の建設コンサルタント・河川、水工部門で業界トップクラスの実績・日本全国47都道府県に営業拠点あり |
| パシフィックコンサルタンツ | 社会インフラの構築、整備に携わる総合建設コンサルタント・DXソリューションの開発やグローバル展開に注力 |
建設系・インフラ系のコンサルは、インフラ整備を通じた社会貢献をミッションとしていることが特徴です。地域密着型の支援が求められるため、技術力があり実務重視で働きたい人に向いています。
公共コンサルの年収
国や各自治体と連携し、社会課題の解決に向けた政策立案や実行支援をおこなう公共コンサルですが、気になるのはその年収です。
しかし、「公共コンサル」という区分はなく、比較が難しいため、ここでは公共案件を取り扱うことが多い「大手コンサルファーム」「シンクタンク」「建設系・インフラ系コンサル」に分けて紹介します。
代表的な企業の年収もあわせてご紹介しますが、あくまでも参考として、具体的な年収については企業ごとの公式サイトや求人情報に掲載されている想定年収を確認ください。
大手コンサルファーム
コンサル業界の中でもトップクラスの給与水準を誇るのが、総合・戦略系に分類される大手コンサルファームです。多くが上場していないため、ファーム別の明確な年収を比較するのは難しいですが、年収レンジは800万~1,500万円とされてます。
口コミサイトOpenWorkによると、アクセンチュアの平均年収は867万円、アビームコンサルティングの平均年収は819万円とされています。インセンティブ制度を導入しているファームが多く、成果が直接給与に結びつくことが特徴です。
また、一般的な大手コンサルファームのキャリアパスは、アナリスト → コンサルタント → マネージャー → シニアマネージャー → パートナーといった順で進んでいきます。パートナークラスになると、年収3,000万円以上なども夢ではありません。
シンクタンク
シンクタンクについても、コンサルティングファームと遜色のない給与水準で、年収レンジは600万~1,200万円とされています。
ただし、シンクタンクは、金融機関や商社のグループ会社が多い「民間系シンクタンク」と、省庁などを母体とする「政府系シンクタンク」にわかれます。
政府系シンクタンクの場合には、国家公務員の給与体系に準じていることが特徴です。そのため政府系シンクタンクの平均年収は、約620万円程度となります。
一方、民間系シンクタンクとして、日本の大手5大シンクタンクに含まれる野村総合研究所(NRI)の平均年収は987万円、三菱総合研究所の平均年収は884万円と、非常に高い水準です。
建設系・インフラ系コンサル
建設系・インフラ系コンサルの年収レンジは、500万~900万円以上とされており、ほかのコンサルファームと比べると下限の年収水準が低めの傾向です。
建設系・インフラ系コンサルの年収は、地域や経験年数、資格に影響され、大手と中小企業でも顕著な差があります。
たとえば、一般的に20代など若手コンサルは、年収300万~500万円程度からのスタートで、30代・40代など中堅社員の平均年収は600万円〜800万円台です。
また、中小企業は平均500万円前後の水準が一般的ですが、大手企業になると700万~900万円程度となり、専門性の高い技術者の場合にはそれ以上も目指せます。
年収例として、OpenWorkのデータでは、八千代エンジニヤリングの平均年収は632万円、日本工営は614万円です。
▼コンサル業界全体の年収水準を詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
公共コンサルに求められること、適性の話
公共コンサルは社会課題の解決や、暮らしの利便性を高めるなど、やりがいの大きな仕事です。一方で、公共コンサルはその性質から、民間企業のコンサルタントとは異なる姿勢や価値観を求められます。
ここでは、公共コンサルに求められることや、向いている人の特徴を解説します。
公共・社会課題への関心・使命感
公共コンサルが担う大きな役割は、地域社会や行政機関と連携を取り、社会課題の解決に取り組むことです。そのため公共コンサルには、コンサルとしての論理的思考力だけでなく、公共性への強い使命感やプロジェクトが持つ社会的意義への関心が求められます。
また、実際の現場では、利益最優先で考える一般的なコンサルとは異なり、持続可能な社会を目指す姿勢や、公共の利益を優先することも重要です。経験やスキル以上に、公共コンサルとしての軸となる姿勢や使命感を持つことが、高く評価されるポイントです。
問題解決能力
公共・民間といった分野を問わず、問題解決能力はすべてのコンサルタントに求められる資質です。コンサルタントは常に、課題に対して論理的思考力を持って道筋を立て、適切な回答を見つけなければなりません。
とくに公共コンサルは、政策や制度といった解決法がひとつではないテーマと向き合うことが多く、複雑な課題を分解し、因果関係を整理しながら最適解へと導く力が求められます。
多角的な視点で情報を整理できる構造化思考を持ち、本質的な課題を見極める力がある人は、クライアントから信頼されやすく、公共コンサルとして高いパフォーマンスを発揮できる傾向にあります。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力もまた、コンサルタントに共通して求められる素質のひとつです。とくに公共コンサルは、官公庁や自治体の関係者など、多くのステークホルダーがかかわるため、意見が錯綜することも珍しくありません。
そのような中で公共コンサルは、課題を正確に把握しながら、クライアントの意図を汲み取り、ときには市民の声やニーズを代弁することも必要です。
そのため、公共コンサルには、多方面の関係者と信頼関係を築くための傾聴力や、わかりやすく伝えるプレゼンテーション能力が求められます。
プロジェクトマネジメント力
公共コンサルは、長期にわたる公共プロジェクトをリードしていくため、プロジェクトマネジメント力も重要です。プロジェクト全体像を描く設計力からはじまり、やるべきことの優先順位や適切なリソース配分も欠かせません。
地方自治体との協働プロジェクトでは、現場との細やかな連携も取りながらスケジュール管理をおこないます。
また、地域社会や環境問題と密接にかかわる公共コンサルの現場では、予期せぬ課題が発生することも多く、計画の見直しなど臨機応援な対応力も求められます。
公共性と多様なステークホルダーへの配慮
公共コンサルは、官公庁や自治体だけでなく、民間企業など多様なステークホルダーとかかわりながら、プロジェクトを進めていきます。そのため公共コンサルは、人と人をつなぎ、一体として成果を出せるように行動することが重要です。
立場や意見が異なるそれぞれのステークホルダーに配慮し、共創・協働の姿勢を持つことが、公共コンサルとしての高いパフォーマンスを発揮するポイントです。
未経験から公共コンサルになるには
コンサルファームの多くが積極的な中途採用をおこなっているため、未経験から公共コンサルとして転職することも可能です。
しかし、コンサルファームは大手になるほど転職難易度が高くなり、公共コンサル系の部署へ入社を希望する場合には、相応の素質や業務理解の深さが問われます。
ここでは、未経験から公共コンサルに転職をする際に、意識しておきたいポイントを4つに分けて紹介します。
社会課題や政策についての深い理解
公共コンサルの仕事は、社会課題の解決や地域の暮らしを良くすることです。そのため、公共コンサルを目指すにあたり、社会や地域が今抱えている課題や、それに対する政策の理解は欠かせません。面接でも、現在の社会課題に対する意見を聞かれることがあります。
また、社会が抱える多様な課題に対して柔軟性を持って対応できる力も、面接でアピールすべきポイントです。これまでの経験やスキルを整理し、公共コンサルとして活かせる強みを伝えられるように準備しておきましょう。
なぜ公共コンサルをやりたいかの自己分析をする
「なぜ公共コンサルなのか」について自己分析を深めることが、未経験からの公共コンサル転職成功の秘訣です。
志望動機として書類選考、面接のいずれにおいても重要なポイントのため、まずはなぜ公共関連に携わりたいのかを考え、その中でもなぜコンサルタントなのかについて、一貫性のある答えを作っておきましょう。
業界・企業研究をする
実際に応募するコンサルファームについての業界・企業研究も欠かせません。企業ごとに異なる専門領域やプロジェクトの特徴、求められるスキルを理解し、貢献度の高い人材であることをアピールできるように適切な準備をおこないましょう。
また、コミュニケーション能力や入社意欲を認めてもらうためにも、逆質問を用意しておくことも重要です。
コンサル特化のエージェントを利用する
コンサル業界への転職は、専門性の高いエージェントを利用することで成功率が大きくあがります。
ひとりで転職活動をおこなう場合、企業リサーチから書類や面接の準備、条件交渉まですべて自分でおこなわなければなりません。とくに未経験の場合には、自分での情報収集に限界があり、ミスマッチが発生しやすくなります。
また、ケース面接などコンサル業界特有の面接形式に向けた対策も重要です。
専門家であるコンサル特化のエージェントは、コンサル業界における幅広いコネクションを持ち、ファームごとの特徴や求める人物像も細かく把握しています。
非公開求人へのアクセスも可能で、満足度の高いキャリア形成につながる支援を受けられるため、ぜひ積極的に利用しましょう。
【MyVision編集部の見解】 年収が上がりにくい人をMyVision編集部が分析した結果、志望動機が抽象的である、政策テーマへの理解が浅い、プロジェクト経験を具体的に説明できないといった特徴があることがわかりました。
実際にエージェントの視点でも、社会課題に関心があるというだけでは差別化が難しく、過去経験との接続が重要視されます。
影響が出ないように、これまでの業務経験を公共領域にどう応用できるかを事前に整理し、面接対策をおこなうことが有効です。
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コンサル転職ならMyVsion
コンサル業界への転職や、公共コンサルを目指す人におすすめの転職エージェントは、MyVisionです。MyVisionはコンサル転職における豊富な支援実績と、国内に展開するほぼ全てのコンサルファームとのコネクションを持っています。
元コンサルタントが担当する模擬面接があり、実践に近い練習ができることもメリットです。また、戦略やIT、シンクタンクなど幅広いファームの出身者が在籍し、常に情報をアップデートしているため、各社・各ポジションの採用意向を踏まえた対策ができます。
相談は無料ですので、まずは気軽な一歩を踏み出し、未経験からのコンサル転職を計画的に進めていきましょう。
まとめ
公共コンサルは、社会課題の解決や、暮らしやすい地域づくりのサポートなど、社会全体にとって重要な役割を担っています。未経験からの挑戦にもチャンスが広がっており、個々のスキルを活かしながら社会貢献ができることから、転職市場でも注目度が高いです。
しかし、採用の競争率は非常に高く、選考突破のためには各ファームの特徴や採用意向を汲み取った適切なアプローチが欠かせません。
そのような背景を踏まえると、ファームごとの支援領域や求める人物像を正しく把握したうえで戦略的に動くことが重要です。MyVisionでは、公共領域に強みを持つコンサルファームへの転職支援実績も豊富で、相談から内定までの具体的なサポートの流れを事前に確認できる転職エージェントです。
業界特性を踏まえた対策を進めたい人は、ぜひご相談ください。
公共コンサルに関するFAQ
公共コンサルについて、よくある疑問にお答えします。
Q1.公共コンサルは未経験からでも目指せますか?
未経験からの挑戦も不可能ではありませんが、民間企業でのプロジェクト経験や、政策・社会課題への関心を具体的に説明できることが重要です。
とくに論理的思考力や関係者調整の経験は評価されやすい傾向があります。応募先の分野に関連する知識を事前に深めておくと、選考での説得力が高まります。
Q2.公共コンサルと民間向けコンサルの違いは何ですか?
公共コンサルは、行政機関や自治体などをクライアントとし、政策立案支援や地域活性化、社会インフラ整備などにかかわります。
一方、民間向けコンサルは企業の売上向上や業務改善などを主なテーマとします。
求められるスキルは共通する部分もありますが、公共領域ではより高い公共性や多様なステークホルダーへの配慮が求められる点が特徴です。





