官僚・国家公務員からのコンサル転職 支援事例を元に徹底解説
2024年05月30日更新
コンサル転職の人気が増加している背景もあり、国家公務員や官僚からコンサルタントに転職する方が増加しています。しかし、パブリックセクターから民間への転職という点に不安を感じている方は少なくありません。
本記事はMyVisionが支援をした方の体験談や年収事例なども含め、国家公務員や官僚からコンサルタントに転職するメリットや転職対策のやり方、よくあるご相談等を解説します。
監修者
安部 拓朗
Abe Takuro
上智大学卒業後、ジェイエイシーリクルートメントに入社し、大手~ベンチャー企業まで幅広い業界を対象に延べ2,000名以上の転職を支援。大手総合エージェントで培った業界横断的な提案力や面接支援に強みを持つ。
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目次
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官僚・国家公務員からのコンサル転職の事例
コンサル業界の人気の高まりの影響もあり、国家公務員からコンサル業界に転職する方は非常に増えています。各省庁とコンサルティングファーム間で人材交流をする中で、コンサルへ関心を持つ方も少なくありません。
ここでは、過去にご支援させていただいた方を一部紹介させていただきます。
転職前の職場 | 転職先 | 転職先の役職 |
---|---|---|
文部科学省 | 日系総合ファーム | コンサルタント |
外務省 | 外資系総合ファーム | アナリスト |
防衛省 | 外資系総合ファーム | シニアコンサルタント |
経済産業省 | ブティック系ファーム | コンサルタント |
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官僚・国家公務員からコンサル業界へ転職する理由やきっかけ
次に国家公務員や官僚からコンサル業界への転職のきっかけについて解説します。官庁からコンサル業界に転職する方の動機としては、以下のような3つの理由が挙げられます。
- 官庁での残業時間に限界を感じる場合
- 理想の業務と現実にギャップを感じる場合
- 足元のキャリアや年収に不安を感じる場合
それぞれについて解説します。
官庁での残業時間に限界を感じる場合
労働環境が是正されつつあるとはいえ、国家公務員の方の労働環境はコンサル業界と比べても激務です。また、コンサル業界は働き方改革の影響もあり、ホワイトな労働環境を実現しているファームも増えています。 こういった背景から、結婚や出産のタイミングで転職する方やプライベートの充実を目的にコンサル転職をする方が増えています。
こちらの方は残業時間が100時間を超えたことに問題意識を感じ、コンサル転職を行いました。一部引用いたします。
──国会対応などで非常に多忙となり、残業100時間を超える月もしばしばあることが以前から悩みの種となっていました。一度WLBの改善を最優先事項として転職活動を始めました。
理想の業務と現実にギャップを感じる場合
配属が変わったことで、当初やりたかった業務に就けなくなってしまい、コンサル転職を行う方もいらっしゃいます。 コンサル業界の特徴として、マネージャーとの配属面談を経てプロジェクトが決まるため、一般的な民間企業と比べ配属リスクが低いです。また、ファームごとに強みがあり、ご自身の強みを活かせるファームに転職することで、専門性を磨きながらキャリアを登りやすい環境にあります。
こちらの方は配属変更により興味関心の強かった業務ができなくなったことで、コンサル転職を行いました。一部引用いたします。
──中小企業支援の政策に携わり、このドメインでキャリアを進みたいと考えていた矢先、部門異動になりました。一度部門が変わると、なかなか融通が効かないので、今後も中小企業支援に携わるために転職を決意しました。
足元のキャリアや年収に不安を感じる場合
国家公務員からコンサルタントに転職するきっかけに、「多様なキャリアへの憧れ」や「専門性の習得」といった野心的な目標があるケースもあります。
こちらの方はもっとキャリアの可能性を広げたいという思いから、コンサル転職を行いました。一部引用いたします。
──防衛大からそのまま自衛隊に入隊し幹部候補として順調なキャリアは積めていましたが、給与の上り幅やキャリアの可能性の狭さに不安を覚えたことで転職を意識しました。
官僚・国家公務員からコンサル転職するメリット
次に国家公務員からコンサル転職するメリットについて解説します。以下は特に国家公務員からコンサルティングファームへの転職希望者が感じるメリットです。
- 高い報酬
- 刺激的な業務
- 視野の拡大
- キャリアの加速
高い報酬
コンサルティング業界の報酬は、一般的な企業と比較しても高く、また実績に応じて適性な報酬が提供されます。ファームの系統によって年収帯に違いはありますが、少なくとも5年ほど働けば年収1,000万を超えることが多いです。
コンサル業界の年収は、職位によって決まっています。このため高い職位でも活躍できると判断された方には高い報酬が払われるため、転職前後で大幅に年収が上がる方がほとんどです。
以下は過去にMyVisionでご支援させていただいた、国家公務員からコンサル転職をされた方の転職前後での年収比較です。150万円から200万円ほど年収が上がる方も少なくありません。
年齢 | 転職前の年収 | 転職後の年収 |
---|---|---|
25歳 | 400万円 | 600万円 |
32歳 | 750万円 | 900万円 |
29歳 | 600万円 | 750万円 |
27歳 | 600万円 | 650万円 |
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また、コンサルティングファームの給与についてはこちらの記事で解説しています。関心がある方は是非ご一読ください。
刺激的な業務
コンサルタントは若い内からクライアントの経営層と直接対話し、共同でプロジェクトに取り組むことになります。これにより、ビジネスの最前線での意思決定や戦略立案に関わる機会が増え、若手の頃から刺激的な業務を経験できます。
また、プロジェクトによっては高いプレッシャーを感じたり、限られた期間の中で成果を出さなければならない場面もあります。このような状況下で日々業務に取り組むことによる刺激や挑戦は、自己の成長やキャリアの可能性を広げます。
視野の拡大
コンサルティングファームのプロジェクトでは、多種多様な業界やビジネスモデル、組織文化に触れる機会があります。これにより国家公務員の頃と比較して、これまで関わりが無かったような商習慣や人々と出会うことになります。さらに、それぞれのプロジェクトで新たに優秀なメンバーと出会い業務を遂行していく中で、成長の刺激を得たり、ご自身のスキルを継続的に強化することができます。
こちらの方はキャリアの視野を広げたいという思いから、コンサル転職を行いました。一部引用いたします。
──職場の優秀な先輩が、某外資系コンサルティングファームに転職し、その人の近況を聞いたことでコンサル転職を意識しました。外務省時代と比べ、やりがいを持って働いている姿を見て憧れを抱きました。民間企業での経験もなかったので、まずは自分のキャリアを広げるためにという意味もあり、様々な業界のクライアントと仕事ができるコンサル業界への転職を決めました。
キャリアアップの加速
また、コンサルティングファームで働くことで、ご自身のキャリアを大幅に加速させることができます。一般的な業種と比較してもコンサルティングファームは実力主義であり、昇進も成果に応じて行われます。年功序列とは反対の文化と言ってもよいでしょう。コンサルティングファームでは早ければ30歳前後でマネージャーとなり、プロジェクトの現場責任を負うことになります。このように早い段階で大きな責任を負うことで、ご自身のキャリアアップを加速させることになります。
また、コンサルタントして経験を積むと、ポストコンサルタントとして市場価値が上がり将来のキャリアの可能性を広げることができます。例えば、スタートアップのCXOポジション、PEファンド/VCなど、メーカー出身の方であれば採用され辛い企業・ポジションに転職できる可能性が高まります。将来のキャリアの可能性を広げるためにも、コンサルティング業界は有効な選択肢の一つと言えます。
また、ポストコンサルタントのキャリアについてはこちらの記事で解説しています。関心がある方は是非ご一読ください。
官僚・国家公務員の方がコンサル転職市場で評価が高い理由
前述したように、国家公務員の方がコンサル業界に転職する方は年収が大幅に上がるケースが多いです。また複数ファームから同時に内定が出ることも少なくなく、それだけ国家公務員の方はコンサル転職市場で評価が高いと言えます。 この背景には以下のような理由があるので、それぞれ解説します。
- 高い倫理観や使命感
- 幅広い知識と経験
- マネジメント能力
高い倫理観や使命感
国家公務員は公共の利益を守るという重要な使命を担っており、そのために高い倫理観や使命感を必要とします。この資質は、クライアント企業のために最善を尽くすという精神に共通する部分があり、コンサルタントとして求められる重要な素質です。 コンサルティング業界においては、プロフェッショナルマインドと言い換えられる場合もありますが、クライアントが抱える経営課題に臨む上で、常に高い熱意や倫理観を持ち、真摯に向き合う姿勢は非常に重要になります。
幅広い知識と経験
国家公務員は国や地域社会、また様々な利害関係のあるステークホルダーと関わっていくための広い視野や知識を必要とします。これは、コンサルティングの世界では非常に重要となる能力です。クライアントの経営課題を解決するためには、経営課題の全体像を正しく把握し、様々なステークホルダーの利害関係を理解していることが重要になります。特にパブリックセクターに対する知見を多く輸入できることは、転職市場で評価の高い要因の1つです。
マネジメント能力
国家公務員は、政策立案や事業計画の作成、複雑な問題の解決などを通じて、高いマネジメント能力を培っています。コンサルタントはクライアントの課題解決を支援するため、多くの関係者と関わりながらプロジェクトを推進していく必要があります。このような状況で国家公務員として培ったマネジメント能力は非常に重要な役割を果たします。
コンサルティングファームからすると、国家公務員として働いてきた方は上記のスキルやマインドを既に持ち合わせていると期待できるため、コンサルファームにとって魅力的な候補者となり得ます。
よくあるご質問やご相談
最後に、国家公務員からコンサル転職を目指す方からよくいただく質問をまとめました。
ビジネス経験について
以下の2つのご相談をいただくことが多いです。 「ビジネス経験がないため活躍ができるのか心配」 「そもそも民間企業から評価されるのか心配」
まず1つ目のご質問ですが、コンサルティングファームはどのファームも研修が充実しています。有形の商材を持たないコンサルファームにとって最も価値が高い資産は人材であり、人材育成には並々ならぬ力を注いでいます。しっかりと研修やOJTに取り組むことで、問題なくキャッチアップできるので特段の心配は必要ありません。
次に2つ目のご質問ですが、前述したように国家公務員の方はコンサル転職市場で高く評価されています。きちんと選考対策を行うことで希望するファームから内定獲得ができる可能性は高いです。ぜひ前向きにコンサル転職に臨んでいただきたいと思います。
その先のキャリアビジョンについて
以下のご相談をいただくことが多いです。 「コンサルタントになった先のキャリアイメージがつかない」
国家公務員と比べキャリアの多様性が高い分、逆にその先のキャリアに対し不安を感じてしまうこともあると思います。前提としてポストコンサルタントのキャリアは多様ですが、コンサルタント時代に磨いた専門性やスキルを軸に、さらにキャリアアップしていく形が一般的です。 様々なプロジェクトにアサインされながら、興味関心を模索していく方もいれば、転職活動時期に既にやりたいことが固まっている方もいらっしゃいます。まずはMyVisionのエージェントと一度キャリア相談をする中で、キャリアの棚卸しをしながら、志向性や興味関心を言語化することをおすすめします。
具体な業務イメージについて
以下の2つのご相談をいただくことが多いです。 「自分に合ったファームが分からない」 「コンサルタントの仕事のイメージがつきにくい」
まず1つ目のご質問ですが、ぜひMyVisionのエージェントをご活用ください。200社以上のファームとのコネクションを活かし、非公開求人も含め1,000件を超える求人から、候補者様にもっとも適しているポジションをご紹介させていただきます。紹介できるファームが少ないエージェントですと、希望に合致していない求人を紹介されることもありますので、ぜひ業界専門のエージェントをご活用いただければと思います。
また2つ目のご質問ですが、ファームやポジションによってもかなりまちまちではあります。コンサル業界の情報はオープンになっていない部分もありますが、以下の記事などを参考にしていただければと思います。
詳しい話をもっと聞きたいという方は、ぜひMyVisionエージェントをご活用ください。
選考対策について
以下の2つのご相談をいただくことが多いです。 「ケース面接対策はどのぐらい必要か」 「ケース面接以外にやることはあるのか」
まず1つ目のご質問ですが、徹底的にケース面接対策を行うことをおすすめします。前提として評価されやすい経歴ですので、対策をしっかりと行うことで希望するファームやポジションから内定獲得できる可能性が高いです。MyVisionでは、元外資戦略コンサルタントや元外資コンサルファームの人事担当を中心に、業界トップクラスの選考対策を行なっています。ぜひご活用ください。
また2つ目のご質問ですが、ケース面接対策以外に、Webテスト対策、職務経歴書の作成、選考企業のピックアップ、選考スケジュールの調整、ビヘイビア面接の対策などやることは沢山あります。内定獲得後の承諾期間を揃える目的の先行スケジュールの調整など、意外な落とし穴があります。ぜひエージェントを活用し煩雑な部分は全てお任せください。
選考全体の流れはこちらの記事に記載してあります。ぜひご活用ください。
官僚・国家公務員からコンサル転職に成功するために
エージェント活用
国家公務員からコンサルティングファームに転職するには、事前の準備と計画が必要です。その一環として、転職エージェントの活用は非常に効果的です。
転職の準備における重要なポイントの一つは、ご自身のスキルや経験を客観的に評価し、それがコンサルティングファームでの業務にどのように貢献できるかを明確に示すことです。国家公務員としての経験が、コンサルタントの仕事にどのように活かせるのか、具体的な事例を用いて説明できると転職に成功する確率が高まります。
MyVisionの特徴
このような準備の過程で、コンサルティング業界を専門とした転職エージェントを活用すると効果的です。転職エージェントは、ご自身のキャリア目標に合わせた転職活動のサポートを提供します。具体的には、業界の動向や転職市場の情報提供、応募書類の添削、ケース面接対策など、転職に必要な様々な支援を提供します。
弊社でも戦略ファーム出身のメンバーを中心に、これまで数多くの方のケース面接や選考対策を支援してきました。
未経験からのコンサル転職に不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。ファーム毎の傾向や、最近のトレンド等含めてサポートさせていただきます。
まとめ
本記事では、国家公務員からコンサルティングファームへの転職について解説しました。国家公務員経験者はコンサルティングファームでも活躍できるチャンスがあり、多くの方がコンサル転職後も活躍されています。
未経験からのコンサルティング転職は事前準備など大変なこともある反面、自身のキャリアを飛躍させる大きなチャンスでもあります。 MyVisionでは、コンサル転職に関する情報提供から適切なファームや求人ポジションの紹介、選考対策まで、個々人の事情に合わせた幅広い支援を提供しています。
コンサルティングファームへの転職を少しでも検討されているようでしたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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