Big4の転職ガイド|元コンサルが教える転職成功の方法
2025年12月25日更新
Big4への転職について、「未経験や第二新卒でも本当に可能なのか」「部門によって難易度はどれほど違うのか」と疑問に感じる人は多いでしょう。デロイト・PwC・EY・KPMGはいずれも高い専門性が求められるため、ハードルが高い印象を持たれがちです。
結論として、Big4への転職は難易度こそ高いものの、部門・ポジション・経験の組み合わせ次第で十分に実現可能です。
本記事では、Big4各社の違いや部門別の仕事内容、転職難易度、選考対策までを体系的に解説します。あわせて、Big4転職を成功させるために押さえるべきポイントや、MyVisionだから提供できる支援についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
著者

町田 康熙
Machida Yasuhiro
慶應大学を卒業後、博報堂グループ・リクルートでの営業や、ローランドベルガーでの戦略コンサルティングを経験。MyVisionでは、コンサルタントとしての実践知と営業としての提案力を生かし、事業会社・コンサルティングファーム両面のハイクラス転職に強みを有する
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監修者

北野 雄大
Kitano Yudai
株式会社MyVision取締役
名古屋大学を卒業後、トヨタ自動車、デロイトトーマツコンサルティング、エクサウィザーズを経てコンサルティング業界特化のエージェントに入社。その後、株式会社MyVisionを設立。 大企業~コンサル、スタートアップまでの幅広い経験を活かしたキャリア支援に強みを持つ。
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目次
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Big4への転職は難しい?
Big4とは、デロイト・PwC・EY・KPMGの4社からなる、世界最大級のプロフェッショナルファーム群です。監査法人を母体としながら、現在ではコンサルティングや税務、FASなど多様なサービスを展開しています。
しかし「Big4への転職は難しいのではないか」「自分の経歴ではハードルが高いのでは」と感じる人も少なくありません。実際のところ、Big4の転職難易度は一律ではなく、志望する部門やポジション、これまでの経験によって大きく異なります。
そこでここでは、Big4への転職難易度を、部門・ポジション・経験という観点から整理し、あわせて求められるスキルや学歴・資格の考え方を解説しました。
なお、Big4各社の概要や違いについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
転職難易度は「部門・ポジション・経験」によって異なる
Big4への転職難易度は一律ではなく、志望する部門やポジション、これまでの経験によって大きく変わります。「Big4=超難関」というイメージだけで判断すると、実態とのズレが生じやすいでしょう。
たとえば、監査や税務は専門性や資格が重視される傾向が強く、実務経験者や有資格者が有利です。一方、コンサルティングやFASでは、業界未経験であってもポテンシャルや論理的思考力を評価されるケースがあり、職種によって求められる要件は異なります。
また、同じ部門でもアナリスト・シニアクラスとマネージャークラスでは難易度が変わる点も特徴です。経験が浅い層はポテンシャル重視、即戦力層は専門性と再現性が問われるため、自身の立ち位置を正しく把握することが転職成功の第一歩といえます。
以下の記事は、Big4の入社難易度について詳しく知るためにおすすめです。入社難易度を乗り越えるための選考対策なども紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
求められるスキル・経験
Big4では、所属部門を問わず共通して評価されるスキル・経験があります。これは、プロフェッショナルファームとして最低限求められる基礎力と位置づけられるものです。
| 共通して求められるスキル・経験 | 内容 |
|---|---|
| 論理的思考力 | 課題を構造的に整理し、仮説や結論を導く力 |
| ドキュメンテーション力 | 資料やレポートで考えを正確に伝える力 |
| プロジェクト推進経験 | チーム内で役割を理解し業務を前に進めた経験 |
| 学習意欲・キャッチアップ力 | 新しい知識や業界動向を吸収する姿勢 |
一方で、志望部門によって求められる専門性や経験は大きく異なります。
- 監査:会計基準や監査実務への理解が求められ、監査法人や経理部門での実務経験が評価されやすい
- 税務:税務申告や国際税務などの専門知識に加え、法改正へ対応できる知識更新力が重視される
- コンサルティング:業界経験よりも、課題解決や業務改善を再現性高く実行してきた経験が評価される
- FAS:財務分析や企業価値評価、M&A関連業務など、数値を軸とした実務経験が強みになる
自身の経験を「共通スキル」と「部門別専門性」にわけて整理することで、Big4転職の実現性が判断しやすくなります。
求められる学歴・資格
Big4への転職において、学歴や資格は一定の評価要素ですが、それだけで合否が決まるわけではありません。部門やポジションによって重視度が異なり、実務経験やスキルと組み合わせて総合的に判断されます。
学歴については、難関大学出身者が多い傾向は見られるものの、必須条件ではありません。とくに中途採用では、学歴以上に「これまでどのような業務で価値を出してきたか」が重視されるケースが一般的です。
資格は、監査や税務など専門性の高い部門では評価を高める要素ですが、コンサルティングやFASでは必須ではありません。公認会計士や税理士、USCPAなどは強みですが、資格がなくても業務経験やポテンシャル次第で十分に転職は可能です。
big4が求める人物像
Big4が求める人物像は、単に高いスキルや実績を持つ人材に限られません。部門やポジションを問わず共通して重視される資質と、年齢・経験に応じて期待される役割の双方があります。
ここでは、各社に共通するスキルセットやスタンスを整理したうえで、年齢・経験・経歴によってどのように合格ラインが変わるのかを解説しますので、自身の立ち位置を確認しながら、どの観点が評価されやすいのかを把握する参考にしてください。
Big4が求めるスキルセット(共通項)
Big4では、個別のスキルや実務経験以上に「どのような姿勢で仕事に向き合い、成果を出そうとするか」が重視されます。選考では、経験の中身そのものよりも、その背景にある思考や行動特性が評価対象です。
Big4が評価するスキルセットを、以下にまとめました。
| スキルセット | 評価される観点 |
|---|---|
| 論理的思考力 | 物事を構造的に捉え、結論までのプロセスを言語化できるか |
| 主体性 | 指示待ちではなく、自ら課題や論点を見つけて行動できるか |
| コミュニケーション力 | 相手の立場を踏まえ、意図や背景を整理して伝えられるか |
| プロフェッショナリズム | 品質・期限・責任に対して高い意識を持っているか |
| 学習姿勢・柔軟性 | 未知の領域や変化に対して前向きに適応できるか |
これらは「何をしてきたか」よりも、「その経験を通じてどのように考え、行動してきたか」を測るための評価軸です。たとえ業界や職種が異なっていても、再現性のある思考やスタンスを示せれば高く評価されます。
Big4の面接では、経験の事実確認にとどまらず、「なぜそう判断したのか」「次に同じ状況でも同じ成果を出せるか」といった深掘りがおこなわれる点に特徴があります。自身のキャリアを振り返る際は、成果だけでなく、その裏にある思考プロセスまで整理しておくことが重要です。
年齢・経験・経歴による合格ラインの違い
Big4の中途採用では、年齢や経験年数によって期待される役割が明確に異なります。以下でに、年齢・経験別に見るBig4の合格ラインをまとめました。
| 区分 | 主な評価ポイント | 求められる水準 |
|---|---|---|
| 第二新卒・20代前半 | ポテンシャル・スキルセット | 論理的思考力、学習意欲、Big4での成長可能性 |
| 20代後半 | 基礎スキル+実務経験 | プロジェクト経験、業務理解、再現性のある行動 |
| 30代前半 | 即戦力性・専門性 | 特定領域での強み、成果につながる実績 |
| 30代後半以降 | マネジメント力・付加価値 | チーム統率、クライアントへの価値提供力 |
若手層では「現時点で何ができるか」よりも、「Big4でどれだけ伸びるか」が重視されます。年次が上がるにつれ、過去の実績や専門領域での再現性が厳しく見られる傾向です。
自身の年齢や経歴に応じて見られるポイントはこのように変化するため、応募時には「どの水準で評価されるか」を理解したうえで準備することを意識しましょう。
未経験・第二新卒でもBig4へ転職できる?
Big4への転職を考える際、「業界未経験や第二新卒でも本当に採用されるのか」と疑問に感じる人は多いでしょう。
結論として、Big4では部門やポジションによって未経験・第二新卒も転職可能です。とくにコンサルティング部門では、即戦力性よりもポテンシャルやスキルセットを重視した採用がおこなわれるケースも見られます。
ここでは、まずポテンシャル採用がおこなわれる背景や実態を整理したうえで、年齢ごとに異なる転職ハードルについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ポテンシャル採用の実態(コンサル部門など)
Big4では、すべての部門が即戦力のみを求めているわけではありません。とくにコンサルティング部門を中心に、将来的な成長を見込んだポテンシャル採用が行われています。
ポテンシャル採用は、特定業界やコンサルの実務経験よりも、論理的思考力や課題解決へのスタンス、学習意欲が重視されるものです。実際の選考では、これまでの経験をどのように整理し、Big4の業務にどう応用できるかを説明できるかが評価の分かれ目といえます。
そのため、未経験であっても「経験がないこと」自体が不利になるわけではありません。自分の強みや思考プロセスを再現性のある形で伝えられれば、ポテンシャル人材として十分に検討対象です。
年齢別の転職ハードル
Big4への転職ハードルは、年齢によって見られるポイントが変わります。若いほどポテンシャルが重視され、年次が上がるにつれて即戦力性や専門性が求められる点がポイントです。
20代前半〜後半では、業界経験の有無よりも、論理的思考力や学習姿勢、環境適応力が評価されやすいでしょう。第二新卒や若手層では、現時点の完成度よりも「Big4で成長できるか」という将来性が判断軸です。
30代以降は、特定領域での実績や成果の再現性が厳しく見られます。とくにマネージャー候補では、専門性に加えて、チームやプロジェクトをリードしてきた経験が合否に大きく影響するでしょう。
Big4の主なサービスラインと仕事内容
Big4は「コンサルファーム」というイメージを持たれがちですが、実際には複数のサービスラインを持つ総合プロフェッショナルファームです。監査・税務・コンサルティング・FASといった部門ごとに役割や求められる専門性は大きく異なります。
転職を検討する際は「Big4で働く」こと自体よりも、「どのサービスラインで、どのような仕事を担うのか」を理解することが重要です。部門選びを誤ると、入社後のミスマッチにつながる可能性もあります。
ここでは、Big4を構成する主要なサービスラインごとに、仕事内容や役割の違いを整理しますので、自身がどの部門が適しているかを考える参考にしてください。
監査(アシュアランス)
監査(アシュアランス)は、企業の財務情報や内部統制の信頼性を第三者の立場から保証する役割を担います。Big4の原点ともいえるサービスラインであり、上場企業や大企業を中心に、社会的影響力の大きい業務を担う点が特徴です。
主な業務として、会計監査や内部統制監査を通じて、財務諸表が適正に作成されているかを検証することが挙げられます。近年では、ガバナンス強化やリスク管理への関心の高まりを背景に、内部統制構築支援や不正リスク対応など、業務範囲も広がっている点も、特筆すべきポイントです。
監査部門では、会計知識や基準理解に加え、正確性と粘り強さが求められます。一方で、若手のうちから大企業の経営層と接点を持てるため、会計・財務の基礎を軸に長期的なキャリアを築きたい人に適したサービスラインです。
税務(タックス)
税務(タックス)は、企業や個人に対して税務申告や税務戦略の立案を通じて専門的な支援をおこなうサービスラインです。国内税務にとどまらず、国際税務や移転価格など、グローバルな視点での対応が求められる領域といえるでしょう。
主な業務には、法人税・消費税などの申告業務に加え、グループ再編や海外進出に伴う税務リスクの検討が含まれます。近年では、各国の税制改正や国際課税ルールの変化を背景に、アドバイザリー業務の重要性も高まっている状況です。
税務部門では、高度な専門知識と正確な判断力が不可欠といえます。一方で、特定分野の専門性を深めやすく、税務のプロフェッショナルとして長期的なキャリアを描きたい人に向いたサービスラインです。
コンサルティング(アドバイザリー)
コンサルティング(アドバイザリー)は、企業の経営課題に対して戦略立案から実行支援までを担うサービスラインです。業務改革やIT導入、リスク管理、人事制度設計など、扱うテーマは多岐にわたる点が特徴といえるでしょう。
主な業務では、現状分析を通じて課題を構造化し、解決策を設計・推進する役割を担います。近年はDXやデータ活用、サステナビリティ領域の案件も増えており、変化の大きい環境での対応力が求められるのがポイントです。
コンサルティング部門では、特定業界の知識以上に、課題解決力や論理的思考力が評価されます。一方で、プロジェクトを通じて幅広い業界・テーマにかかわれるため、汎用性の高いスキルを身につけたい人に適したサービスラインです。
FAS(フィナンシャル・アドバイザリー・サービス)
FAS(フィナンシャル・アドバイザリー・サービス)は、M&Aや事業再生など、企業の重要な意思決定を財務面から支援するサービスラインです。経営判断に直結するテーマを扱うため、高い専門性が求められる領域といえるでしょう。
主な業務には、M&Aにおけるデューデリジェンスや企業価値評価、PMI支援、事業再生・再編にかんするアドバイザリーなどが含まれます。案件ごとに求められる知識や分析内容が異なり、財務数値をもとにした多角的な検討が欠かせない分野です。
FAS部門では、財務・会計の知識に加え、数値を通じて企業の実態やリスクを読み解く力が重視されます。一方で、M&Aや経営再建といったダイナミックな案件にかかわれるため、専門性を武器にキャリアの幅を広げたい人に向いたサービスラインです。
Big4(デロイト・PwC・EY・KPMG)の強み・特徴・平均年収を徹底比較
Big4は同じ「4大ファーム」に括られますが、強みや注力領域、組織文化には違いがあります。転職先を選ぶ際は、ネームバリューだけで判断するとミスマッチが起きやすいでしょう。
また、平均年収は重要な比較軸になる一方で、サービスラインや職位、評価制度によって実態が変わります。年収の見え方だけでなく、どのような環境で成長しやすいかも含めて確認することが大切です。
ここでは、デロイト トーマツ グループ、PwC Japanグループ、EY Japan、KPMGジャパンの順に、各社の特徴と強み、年収の傾向を整理します。自分が重視したい軸に照らし合わせながら読み進めるとよいでしょう。
デロイト トーマツ グループ
| 強み | 総合力の高さと国内最大規模の人員体制 |
| 特徴 | 戦略・業務・IT・FASまで幅広い領域をカバー |
| 平均年収 | 約960万円(出典:OpenWork) |
デロイト トーマツ グループは、Big4のなかでも国内最大規模の人員と案件数を誇り、総合力の高さが際立っています。戦略・業務・IT・FASといった各領域が有機的に連携しており、大規模かつ難易度の高いプロジェクトに携わる機会が多い点が特徴です。
とくにコンサルティング部門では、官公庁や大企業の基幹改革、DX案件など、社会的インパクトの大きいテーマを扱うケースが目立ちます。専門性を深めながらも、複数領域を横断した経験を積みたい人に向いた環境といえます。
平均年収は約960万円と、Big4のなかでも高水準です。評価は成果主義の色合いが強く、業務量は多い傾向にあるものの、成長機会や報酬を重視する人にとって魅力のあるファームといえます。
PwC Japanグループ
| 強み | 戦略から実行まで一貫した支援体制 |
| 特徴 | コンサル・FAS・税務の連携が強い |
| 平均年収 | 約1,002万円(出典:OpenWork) |
PwC Japanグループは、戦略立案から実行支援までを一気通貫で担える点に強みがあります。各サービスライン間の連携が強く、複雑な経営課題に対して総合的なソリューションを提供できる体制が整っているといえるでしょう。
とくにコンサルティングやFAS領域では、M&Aや事業変革といった経営に近いテーマを扱う機会が多く、クライアントの意思決定に深く関与する場面が見られます。論理性に加えて、実行フェーズまでやり切る姿勢が評価されやすい環境です。
平均年収は約1,002万円とBig4のなかでも高水準に位置します。成果や役割に応じた評価が反映されやすく、高い専門性を武器に年収アップを目指したい人に向いたファームです。
EY Japan
| 強み | 人材育成と長期的なキャリア形成への注力 |
| 特徴 | グローバル連携とチーム志向のカルチャー |
| 平均年収 | 約913万円(出典:OpenWork) |
EY Japanは、人材育成を重視する姿勢が強く、長期的なキャリア形成を支援する制度が整っている点が特徴です。若手のうちから体系的な研修や実務経験を積めるため、基礎力を着実に高めたい人に向いた環境でしょう。
また、グローバルネットワークとの連携が強く、海外案件やクロスボーダー業務にかかわる機会も見られます。チームワークを重んじる文化が根づいており、協働しながら成果を出すスタイルが評価されやすい傾向です。
平均年収は約913万円とBig4のなかでも安定した水準にあります。短期的な成果だけでなく、成長プロセスや貢献度も評価に反映されるため、着実にスキルを磨きながらキャリアを積み上げたい人に適したファームです。
KPMGジャパン
| 強み | リスク・ガバナンス領域における専門性 |
| 特徴 | 落ち着いた組織文化と堅実なクライアント基盤 |
| 平均年収 | 約928万円(出典:OpenWork) |
KPMGジャパンは、リスクマネジメントやガバナンス、会計・財務領域に強みを持つファームです。金融機関や大企業を中心に、安定性と専門性が求められる案件を数多く手がけています。
組織全体としては比較的落ち着いたカルチャーが根づいており、専門性を深めながら着実にキャリアを積みたい人材が評価されやすい傾向です。チーム単位での協働を重視する風土があり、長期的な視点で価値提供をおこなうスタイルが見られます。
平均年収は約928万円とBig4のなかでも上位水準に位置します。派手さよりも堅実さを重視し、専門領域を軸に安定したキャリアを築きたい人に向いたファームといえるでしょう。
各社の平均年収や報酬体系について、さらに詳しく知りたい人は以下の記事も参考になります。Big4各社の年収相場や役職・サービスライン別の傾向を整理して解説しているため、自身のキャリアプランと比較しながら読み進めると理解が深まるでしょう。
Big4転職のよくある失敗パターン
Big4への転職では、内定を獲得すること自体がゴールではありません。入社後に「思っていた仕事と違った」「自分に合わなかった」と感じてしまうケースも見られます。
こうした失敗の多くは、選考対策の不足というより、事前の理解や判断軸が曖昧なまま進めてしまうことが原因です。とくに部門選びや志望動機、業務内容への理解不足は、ミスマッチを招きやすいでしょう。
ここでは、Big4転職で起こりやすい失敗パターンを整理し、なぜそうした問題が起きるのかを解説します。転職後に後悔しないためにも、事前に確認しておきたい視点として押さえておきましょう。
部門選びのミス
Big4転職で多い失敗のひとつが、部門選びを十分に検討しないまま応募してしまうケースです。「Big4で働きたい」という動機が先行し、サービスラインごとの仕事内容や求められる役割を深く理解しないまま決断すると、入社後のギャップが生じやすくなるでしょう。
とくにコンサル、監査、税務、FASは、業務内容やキャリアの方向性が大きく異なるものです。自分の経験や志向と合わない部門を選んでしまうと、成果を出しにくく、評価や成長の実感にも影響が出かねません。
部門選びでは、現在のスキルをどう活かしたいかだけでなく、将来どのような専門性を築きたいかまで見据えることが重要です。短期的なイメージではなく、中長期のキャリア軸から判断することが、ミスマッチ回避につながります。
志望動機の浅さ
志望動機が浅いまま選考に臨んでしまうことも、Big4転職でよく見られる失敗パターンです。「Big4だから」「成長できそうだから」といった理由だけでは、ほかの候補者との差別化が難しくなるでしょう。
Big4の選考で重視されるのは「なぜこのファームなのか」「なぜこの部門なのか」を具体的に説明できるかという点です。各社・各部門の特徴を理解しないまま志望動機を組み立てると、表面的な印象を与えてしまう可能性が高まります。
志望動機を深めるためには、これまでの経験とBig4で実現したいキャリアを結びつける視点が欠かせません。自分の強みがどの業務でどう活かせるのかまで落とし込むことで、説得力のある志望動機につながります。
業務理解不足によるミスマッチ
業務内容を十分に理解しないまま転職を決めてしまうことも、Big4転職で起こりやすい失敗のひとつです。企業名や年収、ブランドイメージだけを基準に判断すると、実際の業務とのギャップを感じやすくなるでしょう。
Big4では、同じ部門名であってもプロジェクト内容や関与フェーズが幅広く、想定していた仕事と異なるケースも見られます。業務の忙しさや求められるアウトプットの質について事前に把握できていないと、入社後の負担感が大きくなりがちです。
ミスマッチを防ぐには、仕事内容だけでなく、働き方や評価のされ方まで含めて理解しておくようにしましょう。実際のプロジェクト事例やキャリアパスを確認し、自身の志向と合致しているかを見極める視点が欠かせません。
Big4の求人情報
Big4の求人は、ファームや部門、ポジションによって募集状況が大きく異なります。また、募集内容は流動的で、タイミングによって非公開求人が中心となるケースも少なくありません。
最新のBig4求人や、自身の経験に合ったポジションを確認したい人は、MyVisionが保有する求人検索をご活用ください。コンサル・FAS・IT領域など、Big4各社の幅広い求人情報を探せます。
Big4の選考プロセスと通過のための対策
Big4への転職を目指すうえで「どのような選考が行われるのか」「何を重視して対策すべきか」は事前に把握しておきたいポイントです。各社で細かな違いはあるものの、選考全体の流れや評価軸には共通点があります。
Big4の選考では、書類・テスト・面接を通じて、スキルや経験だけでなく再現性のある思考やスタンスが多面的に見られます。準備不足のまま臨むと、本来の強みを十分に伝えきれない可能性もあるでしょう。
ここでは、一般的な選考フローを整理したうえで、書類選考やWebテスト、面接、ケース面接それぞれの対策ポイントを解説します。どの段階で何が評価されるのかを理解し、効率的に準備を進める参考にしてください。
一般的な選考フロー
Big4の中途採用では、複数の選考ステップを通じて総合的に評価がおこなわれます。ファームや部門によって前後する場合はあるものの、基本の流れは共通するものです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 書類選考 | 職務経歴書・履歴書をもとに、経験やスキルの適合度を確認 |
| Webテスト・適性検査 | 論理的思考力や基礎的な能力を測定 |
| 一次面接 | 経験や志向、スキルセットの確認 |
| 二次面接以降 | 志望動機の深掘りや専門性の確認 |
| ケース面接(一部部門) | 課題解決力や思考プロセスを評価 |
| 内定 | 条件提示・入社意思確認 |
Big4の選考は、ひとつの要素だけで合否が決まる仕組みではありません。書類やテストで基礎的な適性を確認したうえで、面接を通じて再現性のある思考や行動ができるかが段階的に見られます。
また、コンサルティングやFASなど一部部門ではケース面接が加わり、評価の比重が高くなる傾向です。志望部門に応じて、どのステップで何が問われるのかを意識して準備を進めましょう。
書類選考:活かせる経験・スキルをアピールする職務経歴書の書き方
Big4の書類選考は、職務経歴書を通じて「この人が入社後にどのような価値を出せるか」が見られるものです。単なる業務の羅列ではなく、経験の再現性や評価軸との一致を意識した記載が必要といえます。
まず意識したいのは、志望部門の評価ポイントに合わせて経験を整理することです。たとえばコンサルやFASでは課題解決や分析プロセス、監査や税務では専門知識や正確性が伝わる書き方が求められます。
職務内容は、「担当業務→工夫した点→得られた成果」の順で記載すると伝わりやすくなるでしょう。成果はできるだけ数値や具体例で示し、Big4の業務でも再現できる行動として説明することがポイントです。
また、スキルや資格を列挙するだけでなく、それをどの業務でどう活かしてきたかまで落とし込むと説得力が高まります。書類選考は最初の関門だからこそ、面接につながるストーリーを意識した職務経歴書を作成することが大切です。
Webテスト・適性検査:ファームごとの出題傾向と対策
Big4のWebテスト・適性検査は、応募者の基礎的な思考力や処理能力を確認する目的で実施されます。書類選考と並ぶ初期段階の関門であり、一定の基準を満たせなければ次の面接に進めません。
出題内容はファームや部門によって異なりますが、一般的には論理的思考力を測る問題や数的処理、言語理解が中心です。コンサルやFAS部門では、スピードと正確性の両立が求められるケースが多く、事前対策の有無が結果に直結しやすい傾向を持ちます。
対策として、出題形式に慣れておくことが欠かせません。市販の対策問題集や模擬テストを活用し、制限時間内に解き切る感覚を身につけておくとよいでしょう。Webテストは一発勝負になりやすいため、選考全体を見据えて早めに準備を進めることがポイントです。
面接対策:よくある質問
Big4の面接では、これまでの経験やスキルだけでなく「どのような思考で行動してきたか」が重視されます。事実関係を答えるだけでなく、判断の背景や再現性まで説明できるかが評価の分かれ目です。
よくある質問としては、「これまでの業務内容」「転職理由」「Big4を志望する理由」「志望部門を選んだ理由」などが挙げられます。いずれも表面的な回答ではなく、自身の経験と結びつけて具体的に語れるかがポイントです。
対策として、想定質問に対する回答を準備するだけでなく、「なぜそう考えたのか」「別の選択肢はなかったのか」といった深掘りを想定しておくことが重要といえます。経験をスキルセットや評価軸に紐づけて整理しておくことで、面接全体に一貫性が生まれるでしょう。
ケース面接の対策(コンサル・FAS部門)
コンサルティング部門やFAS部門では、通常の面接に加えてケース面接が実施されるケースがあります。ケース面接は、正解そのものよりも、課題に対する思考プロセスや論点整理の仕方が重視されるものです。
ケース面接では、限られた情報のなかで前提を置き、課題を構造化しながら解決策を導く力が求められます。結論を急ぐのではなく、「なぜその仮説を置いたのか」「どのように検討を進めたのか」を言語化できるかが評価のポイントです。
対策として、基本のフレームワークを押さえたうえで、実際に声に出して考える練習を重ねるものがよいでしょう。ケース面接は慣れの差が出やすいため、事前に形式や進め方を理解しておくだけでも通過率は大きく変わります。
ケース面接の進め方や具体的な回答イメージを掴みたい人は、以下の関連記事も参考になります。実際のケース面接の流れや、回答例をもとにした解説を掲載していますので、対策の一助として活用してください。
MyVisionがBig4転職に強い理由
Big4への転職を成功させるには、一般的な転職対策だけでは不十分です。ファームごとの違いや部門別の評価軸を正しく理解し、それに合わせた準備をおこなうことが重要といえます。
MyVisionは、Big4への転職支援に特化したノウハウと実績を持つエージェントです。元Big4出身者の知見を活かし、書類選考から面接、ケース面接まで一貫した支援をおこなっています。
ここでは、MyVisionがなぜBig4転職に強いのかについて具体的に解説しますので、ほかのエージェントとの違いを確認しながら自身の転職活動にどう活かせるかをイメージしてください。
元Big4出身コンサルが多数在籍
MyVisionの大きな強みのひとつが、元Big4出身のコンサルタントが多数在籍している点です。実際の選考や現場を経験しているからこそ、表面的な情報にとどまらない支援を可能としています。
Big4出身者は、各ファームや部門ごとの評価ポイント、面接で見られやすい観点を把握している点が特徴です。そのため、応募者の経験をどのように言語化すれば評価につながるのか、実践的なアドバイスを提供できます。
また、入社後の働き方やキャリアの実情についても具体的に伝えられる点も強みです。転職前後のギャップを最小限に抑えながら、納得感のある意思決定を支援しています。
部門別の選考対策に精通(FAS/アドバイザリー/IT)
Big4の選考は、同じファームであっても部門ごとに評価軸や対策の方向性が大きく異なります。MyVisionは、FAS・アドバイザリー・ITといった主要部門ごとの違いを踏まえた支援をおこなうエージェントです。
たとえばFASでは、財務知識や数値への理解に加え、意思決定をどう支援してきたかが問われます。一方、アドバイザリーでは課題解決力や思考プロセス、IT領域ではシステム理解とビジネス視点の両立が重視される傾向です。
MyVisionは、こうした部門別の評価ポイントを踏まえ、選考で見られる観点に沿って対策を最適化します。志望部門に合わせた準備ができるため、的外れな対策に時間を割くことなく、合格に直結する支援を受けられます。
書類・面接・ケース面接を個別最適化
Big4の選考では、同じ候補者であっても、書類・面接・ケース面接それぞれで見られるポイントが異なります。MyVisionは、選考プロセスを一括りにせず、各フェーズごとに対策を個別最適化しているエージェントです。
書類選考では、志望部門の評価軸に沿って職務経歴書を設計し、経験の再現性が伝わる表現に落とし込みます。面接対策は、想定質問への回答準備に加え、深掘りに耐えられる思考整理まで支援するものです。
ケース面接では、フレームワークの当てはめに終始しないよう、思考プロセスの組み立て方や伝え方を重点的にトレーニングします。選考段階ごとの「見られ方」を踏まえた対策により、合格可 能性を高められる点がMyVisionの強みです。
Big4の最新の採用ニーズを入手できる
Big4の採用ニーズは、ファームごとの戦略や市場環境によって変化しやすい傾向があります。とくに求められるスキルや経験、ポジションの強化領域は四半期ごとに更新されることもあり、最新情報のキャッチアップが選考突破において重要です。
MyVisionは、Big4各社の採用担当者や内部ネットワークから直接情報を取得しています。そのため、一般には公開されない採用動向や、部門ごとの募集背景・即戦力ニーズといったリアルタイムな情報を候補者に提供することが可能です。
こうした最新の採用ニーズを把握したうえで準備を進めることで、求人票だけでは見えにくい評価ポイントを捉えられます。この特性で応募先企業の現状に即した対策が可能になるため、合格率の向上が見込めるでしょう。
まとめ
Big4への転職は難易度が高い一方で、部門やポジション、これまでの経験によって十分に実現可能です。監査・税務・コンサルティング・FASといったサービスラインごとの違いや、各ファームの特徴を正しく理解することが、ミスマッチを防ぐ第一歩といえます。
また、選考ではスキルや経験だけでなく、思考プロセスやスタンスといったスキルセットが重視されるポイントです。書類選考や面接、ケース面接それぞれで見られるポイントを把握し、評価軸に沿った対策をおこなうことが重要といえるでしょう。
Big4転職を本気で成功させたい人は、専門性の高い支援を受けることが近道です。MyVisionでは、元Big4出身者による実践的なアドバイスと、部門別に最適化された選考対策を通じて、納得感のある転職をサポートしています。Big4への転職を検討している人は、一度相談してみるとよいでしょう。
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