伊藤忠テクノソリューションズの年収が高い理由とは?昇給制度や福利厚生まで徹底調査
2025年10月29日更新
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、国内SIerのなかでも高水準の年収を誇る企業として知られています。伊藤忠グループの安定した経営基盤を背景に、プライム案件を中心とした高収益なビジネスモデルを確立しており、エンジニアやコンサルタントからの人気も高い企業です。
平均年収は700万円〜1,000万円前後といわれ、同業他社であるNTTデータや富士通、日立製作所と比べても上位に位置します。年功序列と成果主義を組み合わせた人事制度により、堅実に昇給・昇進を重ねられる点も特徴です。
本記事では、CTCの平均年収・年代別レンジ・職種別の給与差をはじめ、賞与や福利厚生の実態、昇給の仕組み、他社との比較までを詳しく解説します。転職でCTCへの入社を目指す方や、現在の市場価値を知りたい方はぜひ参考にしてください。
著者

安部 拓朗
Abe Takuro
上智大学卒業後、ジェイエイシーリクルートメントに入社し、大手~ベンチャー企業まで幅広い業界を対象に延べ2,000名以上の転職を支援。大手総合エージェントで培った業界横断的な提案力や面接支援に強みを持つ。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とは?
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、伊藤忠商事グループの中核を担う国内有数のIT企業です。システム開発からクラウド、ネットワーク構築まで幅広い領域を手がけ、安定した経営基盤と高い技術力を両立しています。
ここでは、CTCの会社概要と主要事業領域について詳しく見ていきましょう。
会社概要と事業内容
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は、伊藤忠商事の情報通信カンパニーから独立して誕生したシステムインテグレーターです。国内外の最新IT技術を活用し、企業や官公庁の課題解決を支援しています。
主な事業内容は、以下のように多岐にわたります。
- システムインテグレーション
- ITインフラ構築
- クラウドサービス
- ネットワーク・セキュリティソリューションの提供 など
特にプライム案件(元請け)比率が高く、要件定義や設計といった上流工程から一貫してプロジェクトを推進できる点が強みです。
また、マイクロソフトやAWSなど海外ベンダーとの連携にも積極的で、マルチクラウド環境の構築支援やデータ活用基盤の整備にも注力しています。
これにより、金融・製造・通信・公共といった幅広い業界で高付加価値なITソリューションを提供しており、国内トップクラスのSIerとして高い評価を得ています。
| 会社名 | 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(略称CTC) |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー |
| 設立 | 1979年7月11日 |
| 資本金 | 21,764百万円 |
| 従業員数 | 単体 5,983名、CTCグループ 12,222名(2025年4月1日現在) |
| 代表取締役社長 | 新宮 達史 |
| サイトURL | https://www.ctc-g.co.jp/ |
主要事業領域(SI、クラウド、ネットワーク、コンサルティング)
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、SIを軸にクラウド、ネットワーク、コンサルティングといった幅広いIT領域をカバーしています。
各事業が連携し、クライアント企業のDX推進を包括的に支援できる点が強みです。
| 事業領域 | 主な内容 | 特徴・強み |
|---|---|---|
| SI(システムインテグレーション) | 業務システム・基幹システムの設計、開発、運用、保守 | プライム案件が多く、要件定義から一貫対応。大手企業の経営基盤を支える |
| クラウド | AWS・Azure・Google Cloudなどの導入・運用支援 | マルチクラウド構築や移行支援に強み。企業のDX・コスト最適化を実現 |
| ネットワーク/セキュリティ | 通信インフラ構築、ゼロトラスト導入、サイバーセキュリティ対策 | 海外ベンダーとの連携により、高信頼・高品質なインフラを提供 |
| コンサルティング | IT戦略立案、業務改革支援、DX推進支援 | 経営課題を踏まえた戦略提案が可能。技術とビジネスの橋渡しを担う |
このように、CTCは単なるシステム開発企業ではなく、クラウドやセキュリティ、経営コンサルティングまでを含めた総合ITパートナーとして事業を展開しています。
各領域が密接に連携しており、要件定義から運用フェーズまでを一貫支援できる点が、他のSIerとの差別化要因です。
伊藤忠テクノソリューションズの平均年収と給与水準
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、SIer業界のなかでも高水準の給与水準を誇る企業として知られています。
伊藤忠グループの安定した経営基盤を背景に、プライム案件を中心とした高付加価値なビジネスを展開しています。
ここでは、有価証券報告書や口コミサイトのデータをもとに、平均年収・年代別レンジ・職種別の年収差を整理します。
有価証券報告書・口コミデータから見る平均年収
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の平均年収は、データの出典によってやや差があります。
最新の有価証券報告書(第44期・2023年3月期)によると、社員の平均年間給与は約1,028万円と公表されています。 (引用:有価証券報告書)
一方、OpenWorkの口コミデータでは、社員の自己申告ベースで平均年収743万円という結果が見られます。 (引用:OpenWork)
実際の支給額は職種・年次・評価によって幅があり、現場社員と管理職層の平均をならすと、口コミサイトではやや低めに出る傾向があります。
つまり、CTCの実態としては「年収700万円台後半〜1,000万円超」がボリュームゾーンです。
年代別の年収(20代・30代・40代・50代)
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の年収は、年代が上がるにつれて着実に上昇していく傾向があります。
OpenWorkに掲載されているデータをもとに、推定年収とその範囲を以下の表にまとめました。
| 年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
|---|---|---|
| 25歳 | 542万円 | 429万円〜686万円 |
| 30歳 | 679万円 | 537万円〜859万円 |
| 35歳 | 794万円 | 627万円〜1,005万円 |
| 40歳 | 886万円 | 700万円〜1,121万円 |
| 45歳 | 966万円 | 764万円〜1,223万円 |
| 50歳 | 1,057万円 | 835万円〜1,337万円 |
引用:OpenWork
20代後半で600万円台、30代半ばには700〜800万円台に到達し、40代以降では900万円を超える水準に達します。管理職層や専門職への昇進により、50代で1,000万円を超えるケースも一般的です。
全体として、CTCは年齢とともに堅実に年収が伸びる“安定昇給型”の給与カーブを描いており、バランスの取れた報酬体系といえます。
職種別の年収(SE・営業・コンサル・研究職など)
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の年収は、担当職種や役割によって大きく異なります。
OpenWorkの口コミデータをもとに、主な職種別の推定年収を以下にまとめました。
| 職種 | 推定平均年収 | 年収範囲 |
|---|---|---|
| エンジニア・SE | 738万円 | 348万円〜1,500万円 |
| 営業職 | 742万円 | 300万円〜1,579万円 |
| 職能(管理・企画系) | 1,010万円 | 588万円〜1,450万円 |
| 技術職(研究・開発系) | 740万円 | 550万円〜1,000万円 |
| プロジェクトマネージャー(PM) | 880万円 | 700万円〜1,000万円 |
引用:OpenWork
SEや営業職は700万円台後半がボリュームゾーンで、実務経験やプロジェクト規模によって幅があります。また、成果やマネジメント範囲に応じて、1,000万円前後の報酬を得るケースも多く見られます。
CTCは技術職・営業職ともに成果に応じた評価制度を採用しており、年功要素と実績評価のバランスが取れた報酬体系となっています。専門性を高めることで、早期に高収入を目指せる環境といえるでしょう。
新卒・中途採用別の初任給・入社時年収の目安
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の初任給は、学歴によって明確に区分されています。
2026年度新卒採用の募集要項によると、以下の通りです。
| 学歴区分 | 月給 | 想定年収(賞与・手当含む目安) |
|---|---|---|
| 修士了 | 315,100円 | 約470万〜500万円 |
| 学士卒 | 295,500円 | 約440万〜470万円 |
| 高専専攻科卒 | 295,500円 | 約440万〜470万円 |
| 高専本科卒 | 273,100円 | 約410万〜440万円 |
新卒段階から比較的高い給与水準が設定されており、同業の大手SIerと比べても上位に位置します。また、賞与は年2回(6月・12月)支給され、入社1年目から安定した年収が期待できます。
一方で中途採用の場合は、経験・スキル・担当プロジェクトの規模によって大きく異なります。特にプロジェクトマネージャーやクラウドアーキテクトなど専門性の高いポジションでは、入社時から年収800万〜1,000万円以上が提示されるケースもあります。
具体的には記事後半の「高年収を狙いやすいポジションとその相場」で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
CTCは新卒・中途いずれの採用形態でも、経験や成果に見合った報酬を得られる仕組みが整っているといえます。
コンサルタント全体の平均年収については、以下の記事で解説しています。ぜひ目を通してみてください。
伊藤忠テクノソリューションズの給与制度・賞与・福利厚生
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、高水準の給与だけでなく、社員が長期的に安心して働ける報酬制度と福利厚生を整えています。年功序列と成果主義を組み合わせた独自の評価制度を採用しており、努力や成果が昇給・賞与にしっかりと反映される仕組みです。
また、住宅補助や企業年金、在宅勤務手当など、生活面を支える制度も充実しています。
ここでは、給与体系や賞与の実績、残業代の取り扱い、福利厚生の具体的な内容について詳しく見ていきましょう。
基本給・賞与・手当の内訳
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の給与は、基本給+賞与+各種手当で構成されています。年功的な昇給に加え、評価制度による成果反映がバランスよく組み込まれており、安定と実力主義の両立を実現しています。
基本給は職位・等級に応じて設定され、年1回(4月)に昇給の機会があります。賞与は年2回(6月・12月)支給され、業績および個人評価に連動する仕組みです。
また、手当面も充実しており、時間外勤務手当・通勤手当・住宅補助・在宅勤務手当・家族手当などが支給対象となります。特に住宅関連のサポートは手厚く、持家・賃貸のいずれにも補助が適用されるため、首都圏勤務の社員にとっても安心感のある制度です。
このように、CTCの給与体系は「成果を評価しながら、長く働ける環境を支える」バランス型の報酬設計となっています。
ボーナスの支給実績と評価制度
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)のボーナスは、年2回(6月・12月)の支給が基本です。支給額は業績と個人評価に連動しており、直近では年間で基本給の約5〜6か月分に相当する水準が維持されています。 (引用:OpenWork)
伊藤忠グループ全体の安定した収益基盤に支えられ、景気変動の影響を受けにくいのが特徴です。
評価制度は、年功的な昇給をベースにしつつも、成果主義を組み合わせたハイブリッド型を採用しています。
目標設定に基づくMBO(目標管理制度)と上司との面談を通じて評価が行われ、プロジェクトでの貢献度や専門スキルの発揮度がボーナスに反映されます。
また、一定以上の職位ではチームマネジメントや利益貢献度も評価指標に含まれ、マネージャークラスでは成果によって賞与が大きく変動するケースもあります。こうした仕組みにより、努力と結果が正当に報われる透明性の高い報酬体系が構築されています。
残業代・時間外手当の扱い
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)では、管理職を除く全社員に対して残業代(時間外手当)が全額支給されます。勤務時間は1分単位で管理されており、法令に基づいた適正な時間外手当が計算される仕組みです。
月あたりの平均残業時間は30時間以内で、繁忙期には一時的に増える場合もあるものの、働き方改革の推進により長時間労働の是正が進んでいます。 (引用:OpenWork)
リモートワークやフレックス勤務も導入されており、柔軟な働き方が定着しつつあります。
また、時間外勤務手当が支給され、労働に対して公平な報酬が得られる点もCTCの特徴です。SIer業界では裁量労働制を採用する企業も多いなか、実労働時間に応じて正確に支払われる給与体系は、社員からの評価も高く、安心して働ける環境づくりにつながっています。
住宅手当・退職金・在宅勤務制度などの待遇
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、社員の生活を長期的に支える福利厚生制度を幅広く整備しています。
住宅支援や退職金制度など、安定して働ける環境づくりに重点を置いている点が特徴です。
| 制度・手当 | 内容 | 特徴・備考 |
|---|---|---|
| 住宅手当 | 居住地・家族構成に応じて支給 | 新卒入社向けに入社3年間利用できる社員寮あり |
| 退職金制度 | 企業年金+確定拠出年金(DC)の併用型 | 長期勤続者の資産形成を支援。退職時に一時金または年金として受給 |
| 在宅勤務制度 | 在宅勤務・フレックスタイム制度を導入 | 業務内容に応じてリモートワーク可能。通信費・在宅手当を支給 |
| 財形貯蓄制度 | 給与から天引きで積立可能 | 貯蓄習慣を支援。住宅・年金・一般財形に対応 |
| 社員持株会 | 伊藤忠テクノソリューションズ株を積立購入 | 会社から奨励金あり。中長期の資産形成に活用可能 |
| 福利厚生施設 | 各種契約保養所・フィットネスクラブ利用補助など | 健康維持やリフレッシュを支援する制度が充実 |
これらの制度は、報酬面だけでなく「長く安心して働ける職場」を実現するための仕組みとして機能しています。
伊藤忠テクノソリューションズの年収が高い理由
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、高い年収水準を維持しています。その背景には、伊藤忠グループの資本力や安定した顧客基盤に加え、プライム案件中心の高収益なビジネスモデルがあります。
また、年功的な昇給制度と成果主義を融合させた独自の人事評価システムにより、社員の努力やスキル向上が確実に報酬へ反映される点も特徴です。
ここでは、CTCの年収が高いといわれる4つの主要な要因について詳しく解説します。
プライム案件中心による高収益構造
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の年収水準を支える最大の要因は、プライム(元請け)案件を中心とした高収益な事業構造にあります。
CTCは下請けとして開発を請け負うのではなく、クライアント企業と直接契約し、要件定義や設計といった上流工程から参画します。これにより、プロジェクト全体の収益を自社でコントロールできる点が特徴です。
また、金融・製造・通信・公共などの大手企業を中心に、長年の取引実績を持つことから、1件あたりの案件単価が高く、継続的な受注が見込める安定的な収益基盤を確立しています。
さらに、クラウド・AI・DXなど付加価値の高い領域への展開により、高単価プロジェクトが増加していることも年収上昇の後押しとなっています。技術力と顧客信頼を両立させたCTCならではの事業モデルが、高い給与水準を維持する根拠といえるでしょう。
伊藤忠グループの安定した経営基盤
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の高い年収水準を支えるもう一つの要素が、伊藤忠商事グループの強固な経営基盤です。親会社である伊藤忠商事は総合商社として国内外に幅広い事業ネットワークを持ち、その安定した財務力と資本力がCTCの事業運営を下支えしています。
グループ内外の大手企業との取引を通じて、長期的かつ大型の案件を多数獲得できる点も大きな強みです。特に、通信・製造・エネルギー・金融といった景気変動の影響を受けにくい業界との取引比率が高く、業績が安定していることが給与面にも直結しています。
さらに、伊藤忠グループ共通の人事・福利厚生制度を一部共有しており、社員の安心感や定着率の高さにもつながっています。こうしたグループシナジーが、CTCの堅実な成長と高い報酬レベルを支える大きな要因といえるでしょう。
年功序列と成果主義を組み合わせた人事制度
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の人事制度は、年功序列と成果主義をバランスよく組み合わせたハイブリッド型が特徴です。安定した昇給基盤を保ちながらも、実績やスキルアップによって年収を大きく伸ばせる柔軟な仕組みが整っています。
一定の勤続年数に応じて昇格・昇給の機会が設けられる一方で、個人の成果は明確な評価指標(MBO:目標管理制度)に基づいて判断されます。プロジェクトへの貢献度やリーダーシップ、専門技術の発揮度などが加点要素となり、結果を出した社員は早期昇進・高額賞与を得ることが可能です。
この制度により、安定志向の社員にも挑戦志向の社員にも公平なチャンスが与えられる点がCTCの強みといえます。年次に応じた給与上昇の安心感を維持しつつ、成果を正当に評価する文化が、社員のモチベーションと生産性の向上を後押ししています。
長期的なキャリア形成を支える昇給システム
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、短期的な成果だけでなく、長期的なキャリア形成を重視した昇給システムを採用しています。年1回の昇給機会があり、勤続年数に応じて基本給が安定的に上昇する一方で、スキルや役割の拡大によって年収を大きく伸ばせる仕組みが整っています。
キャリアパスは、一般職から主任・課長・マネージャーへと段階的に進む「マネジメントコース」と、専門技術を極める「スペシャリストコース」に分かれています。特に後者では、マネジメントに進まなくても専門領域で高い成果を出すことで、年収1,000万円を超えるスペシャリストとして評価されるケースも少なくありません。
また、平均勤続年数13年以上という定着率の高さが制度の信頼性を裏付けています。安定した昇給と明確なキャリア選択肢により、社員が自身の強みを活かして長期的に成長できる環境が整備されている点は、CTCの年収水準を支える大きな要因といえるでしょう。
コンサルタントの代表的なキャリアパスについては、以下の記事でも解説しています。ぜひ目を通してみてください。
伊藤忠テクノソリューションズと他社の年収比較
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、高い年収水準を誇りますが、その位置づけは、他の主要企業と比較することでよく分かります。
ここでは、国内大手SIer(NTTデータ・富士通・日立製作所など)や、外資系ITコンサルティングファーム(アクセンチュア・IBM・KPMGなど)との年収を比較し、CTCの報酬水準や評価基準の特徴を明らかにします。
安定志向の国内大手と成果主義の外資系、双方の違いを踏まえながら、CTCの魅力を客観的に整理していきましょう。
国内SIerとの比較
※ NTTデータ・富士通・日立製作所 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の平均年収は約1,028万円(2024年3月期・有価証券報告書)と、国内SIerのなかでも最上位クラスに位置しています。
以下は、主要な国内SIerとの比較表です。
| 企業名 | 平均年収(有価証券報告書より) | 決算期 |
|---|---|---|
| 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) | 約1,028万円 | 2023年3月期 |
| NTTデータ | 約923.4万円 | 2025年3月期 |
| 富士通 | 約930万円 | 第125期(2024年度) |
| 日立製作所 | 約960万円 | 第156期(2024年度) |
引用: 有価証券報告書|伊藤忠テクノソリューションズ 2025年3月期有価証券報告書|NTTデータ 2024年度(第125期)有価証券報告書|富士通 第156期有価証券報告書|日立製作所
CTCの平均年収は、NTTデータや富士通を約100万円前後上回る水準です。日立製作所と比較しても、やや高い水準を維持しています。
特徴的なのは、賞与や業績連動給の割合が高く、企業業績が個人報酬に反映されやすい構造である点です。加えて、プロジェクト単価の高さや、利益率の高いプライム案件が多いことから、個人の平均年収が安定的に高水準で推移しています。
このように、CTCは「安定した経営基盤」と「高収益案件の多さ」を両立することで、国内SIerのなかでも持続的に高い給与水準を維持している企業といえます。
外資系ITコンサルとの比較
※アクセンチュア・IBM・KPMG
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は国内SIerとしては高い年収水準を誇りますが、外資系ITコンサルティングファームと比較すると、報酬体系や評価基準に明確な違いが見られます。
以下は、主要外資系企業との比較データです。
| 企業名 | 平均年収(OpenWorkより) |
|---|---|
| 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) | 743万円(OpenWork)/約1,028万円(有価証券報告書) |
| アクセンチュア | 865万円 |
| IBM | 911万円 |
| KPMGコンサルティング | 906万円 |
引用:OpenWork
外資系企業は明確な成果主義を採用しており、個人の実績に応じて年収が大きく変動する“変動報酬型”が一般的です。一方でCTCは、年功序列と成果主義を組み合わせたハイブリッド型制度を採用し、安定した昇給をベースにしながらも、成果に応じた賞与や昇進の機会を設けています。
そのため、短期間で高収入を目指す場合は外資系が優位ですが、安定性と成果評価のバランスを取りたい層にとってはCTCが魅力的です。
実績を積み上げることで確実に年収を上げていける構造となっており、長期的なキャリア形成と報酬の両立が図りやすい環境といえます。
社員の口コミ・評判から見るリアルな給与事情
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の給与水準については、社員の口コミからも業界内でも高水準で安定していることがうかがえます。
特に2023年度以降の給与改定により、基本給が大きく引き上げられた点が評価されています。
日系Sierとしては給与は抜群に良い。2023年度に基本給を上げてボーナスを減らす給与改定が行われており、月給がかなり上昇した。ここ数年は業績がよくボーナスもかなりの額が出ているため、結果としてかなりの高水準給与となっている。 引用:OpenWork
このように、直近では給与構成の見直しによって固定給の安定性と業績連動の柔軟性を両立する仕組みへと移行しています。また、一般社員でも毎年の昇給がしっかりと行われており、堅実に年収を伸ばせる環境が整っています。
給与は高いほうだと思う。普通の評価を受けていれば年に1,2万くらい上がる。 引用:OpenWork
一方で、ボーナス比率が高い給与構成であるため、業績次第では年によって支給額が変動するという声もあります。
基本給は普通だが、ボーナスが多い。そのため、景気がいい時は問題ないが、そうではない時は給料レベルが大分下がると考えられる。 引用:OpenWork
全体としては、日系SIerのなかでもトップクラスの給与水準を維持しながらも、近年は固定給を重視した改定により、景気変動リスクを軽減する方向に進んでいます。
高い報酬を安定的に得られる点が、CTCの大きな魅力といえるでしょう。
転職で伊藤忠テクノソリューションズの年収を上げるには?
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)へ転職する場合、ポジションや専門スキルによって提示される年収レンジは大きく異なります。特に、プロジェクトマネージャーやクラウドアーキテクトなど、高度な技術やマネジメント経験を要する職種では、入社時から年収900万円〜1,000万円超が提示されるケースもあります。
ここでは、中途採用ポジション別の想定年収や、転職時に年収を上げるための戦略を詳しく解説します。
自分の経験や市場価値を最大限に活かすためのポイントを押さえて、より高い条件での転職を実現しましょう。
高年収を狙いやすいポジションと相場
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)では、担当職種や専門スキルによって入社時の想定年収が大きく変わります。
中途採用の場合、特にマネジメントや高難度技術領域に関わるポジションでは、初年度から高収入を得やすい傾向があります。
| ポジション | 想定年収レンジ | 特徴 |
|---|---|---|
| プロジェクトマネージャー(PM) | 500万円〜1,000万円 | 大型案件を統括し、顧客折衝から納品までを管理。マネジメント経験が重視される |
| ITアーキテクト/クラウドエンジニア | 500万円〜1,200万円 | AWS・Azureなどの設計スキルを活かし、DX推進案件を担当 |
| 営業(法人・ソリューション営業) | 550万円〜1,000万円 | プライム案件の提案活動を担う。成果に応じて賞与額が変動 |
| システムエンジニア(SE) | 550万円〜1,000万円 | 実装・設計から上流工程へステップアップすることで年収アップが可能 |
(出典:OpenWork・転職サイト掲載データをもとに作成)
特にPMやITコンサルタントは、案件規模と責任範囲が大きいため年収水準が高い職種です。
また、クラウドやデータ活用など成長領域のスキルを持つ人材は、採用競争が激しく、提示年収が相場より上振れする傾向があります。
CTCへの転職で年収を上げたい場合は、こうした高付加価値領域の経験やマネジメント実績を整理してアピールすることが鍵となります。
転職エージェントの活用
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)への転職で年収アップを狙うなら、IT・コンサル業界に強い転職エージェントの活用が効果的です。非公開求人や高年収ポジションにアクセスできるため、自力応募よりも選択肢が広がります。
一般には公開されていない募集も、エージェント経由で紹介されるケースが多く見られます。高難度ポジションを希望する人ほど、専門エージェントの情報網が有利に働きます。
また、エージェントは希望条件を踏まえて年収交渉やオファー調整を代行してくれる点も強みです。直接伝えにくい希望年収も、客観的な市場データをもとに交渉してもらえます。
さらに、CTCでは選考で志望動機やキャリアの一貫性が重視されるため、模擬面接や想定問答サポートを受けることで通過率も向上します。戦略的に準備を進めたい方ほど、早めにエージェントへ相談するのがおすすめです。
マイビジョンでの転職事例
MyVisionでは個別の企業名を出しての転職事例は公開していませんが、前職と転職先の領域がわかるよう、多くの実例を掲載しています。
ここでは、伊藤忠テクノソリューションズと同じく、国内IT系コンサルティングファームへの転職成功事例を一例として紹介します。
| 氏名 | K・Mさん |
|---|---|
| 年齢 | 45歳 |
| 学歴 | 名古屋大学卒 |
| 前職 | メーカー/社内SE |
| 転職後 | 日系ITコンサルティングファーム/コンサルタント |
| 年収変化 | 700万円→800万円 |
K・Mさんは、長年のプロジェクトマネジメントで培った社内SEから新しいキャリアを求め、ITコンサルタントへ転職しました。初の転職で年収100万円アップを実現しています。
MyVisionを選んだ理由について、K・Mさんは「ミドル層のIT転職に詳しく、企業ごとの内部情報を具体的に教えてもらえた点が安心だった」と語っています。担当エージェントが企業のチーム体制や案件内容を丁寧に共有し、初めての転職活動でも不安なく進められたとのことです。
現在は、実行フェーズでプロマネスキルを発揮しながら、今後は上流工程へのキャリア拡大を目指しているそうです。
このように、MyVisionでは経験職種を活かしつつ年収アップ・キャリアアップを実現する転職支援を数多く行っています。
まとめ
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、伊藤忠グループの安定基盤と高い技術力を背景に、国内SIerのなかでもトップクラスの年収水準を誇ります。
有価証券報告書では平均年収1,000万円超と公表されており、プライム案件中心の高収益構造や、年功序列と成果主義を組み合わせた人事制度がその水準を支えています。
また、2023年度以降の給与改定で基本給が引き上げられるなど、社員の評価や待遇改善にも積極的です。クラウド・DXといった成長領域のスキルを持つ人材には高額オファーが提示されるケースも多く、転職による年収アップのチャンスも広がっています。
CTCへの転職を目指す際は、IT業界に精通した転職エージェントを活用し、自身の経験を正しく評価してもらうことが重要です。安定した環境のなかで、高収入と専門性の両立を実現したい方にとって、CTCは非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
MyVisionが選ばれる理由
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)のような人気企業への転職を成功させるには、業界理解と戦略的な準備が欠かせません。MyVisionは、コンサル・IT領域に特化したハイクラス転職エージェントとして、専門性の高い支援を提供しています。
MyVisionが多くの転職者に選ばれている理由は、次の3点に集約されます。
- 業界に精通したキャリアアドバイザーによる個別支援:各コンサル・ITファームの内部事情やチーム構成まで把握しており、応募前に“リアルな情報”を提供
- ケース面接・想定問答を含む徹底した選考対策:職種ごとの選考傾向を踏まえ、面接練習や志望動機のブラッシュアップをマンツーマンで実施
- 年収交渉・条件調整まで一括サポート:候補者のスキルや市場価値を踏まえて、企業と直接交渉。より高い評価・条件での内定獲得を支援可能
MyVisionでは、経験を活かして次のステージを目指す方に対し、戦略立案から内定・入社後フォローまで一貫した支援を提供しています。
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