「転職エージェントは使うな」は本当か?使ったほうがいい人とメリット・デメリットを解説
2025年11月28日更新
転職活動を始めると、「転職エージェントは使うな」「やめておけ」といった意見を目にすることがあります。一方で、「活用して成功した」という声もあり、情報があふれている現代では、何を信じて行動すればいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
転職エージェントは、自分に合った形で活用できれば、転職活動の成功確率を高める有効な手段となります。
この記事では、転職エージェントを使うべき人・使わないほうがいい人の違いを整理し、利用時の注意点や活用方法まで解説します。
転職エージェントを活用するか、迷っている人は必見です。
著者

北野 雄大
Kitano Yudai
株式会社MyVision取締役
名古屋大学を卒業後、トヨタ自動車、デロイトトーマツコンサルティング、エクサウィザーズを経てコンサルティング業界特化のエージェントに入社。その後、株式会社MyVisionを設立。 大企業~コンサル、スタートアップまでの幅広い経験を活かしたキャリア支援に強みを持つ。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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「転職エージェントは使うな」と言われる理由
転職エージェントは、求人紹介や面接対策などのサポートが受けられる便利なサービスですが、一方で「使うべきではない」という声も少なくありません。
ここでは、転職エージェントに対して否定的な意見が生まれる主な理由を整理し、利用前に知っておくべき現実的な課題を解説します。
キャリアアドバイザーと相性が合わないから
転職エージェントに対して「合わなかった」と感じる最大の理由は、キャリアドバイザーとの相性です。転職エージェントのサービスの良さは、キャリアアドバイザーの良さに比例しますが、残念ながら全てのキャリアアドバイザーとの相性が合うことはないです。
例えば、転職者が「伴走する形で一緒に考えてほしい」と感じているのに、答えを押し付けられるような対応をされてしまい、信頼関係を築けなかったという声もあるのが実情です。
転職エージェントを活用して後悔している人も、キャリアアドバイザーと相性が合わなかったケースが多いです。
キャリアアドバイザーの差が激しいから
転職エージェントの質を左右する要因の一つは、キャリアアドバイザーの力量と姿勢の差です。経験の浅いアドバイザーほど成果を急ぎ、転職者の意思を十分に確認しないまま転職を勧める傾向があります。
その背景には、エージェントの成功報酬型の収益構造があります。
転職エージェントのビジネスモデルは、企業が採用を決めて初めて報酬が支払われます。短期的な収益を目標にするなら、とにかく内定者を出すことがアドバイザーの評価や収入に直結します。
転職者からすると、まだ方向性に迷っている段階で強く転職を勧められると、「一緒に考えてほしいのに急かされる」と感じて疲弊してしまうこともあるでしょう。
担当者の力量が不足していると有益な情報やアドバイスを得られず、また、担当者の転職者に対する向き合い方によっては転職をただ急かされる場合があるので、転職エージェントの質は、キャリアアドバイザーによって大きく変わります。
希望していない求人を紹介されるから
希望と異なる内容の求人を強く勧められるケースがあることも、転職エージェントに不満を感じやすい理由の一つです。
エージェントごとに保有している求人の分野や強みが異なるため、キャリアアドバイザーの得意領域によって提案内容に偏りが生まれます。
例えば、IT領域に強い転職エージェントの場合、転職者が別業界を希望していても、「今はITが伸びている」「経験を活かせるはず」といった形でIT業界への転職を強く勧められることがあります。キャリアアドバイザーとしては、保有求人数が多い領域ほど紹介しやすく、成果につながりやすいためです。
このように、アドバイザー側の得意領域が提案に影響するため、希望とのズレが生じやすいこともあります。
内定率に対する「過度な期待」とのギャップがあるから
エージェントは企業と転職者の間を取り持つ存在であり、あくまでサポート役です。内定率を高めるためのさまざまなサポートは受けられますが、最終的な合否は企業の採用基準と本人の実力・適性にも大きく影響されます。
そのため、「エージェント経由なら受かりやすい」「推薦されれば通過率が高い」といった過度な期待を抱くと、現実とのギャップに落胆してしまうことがあります。エージェントは面接対策や書類添削などの支援を行いますが、選考結果そのものを操作できるわけではありません。
転職エージェントに望む期待値と実際のズレによって、転職エージェントが不要といわれることがあることには、注意が必要です。
転職エージェントを使ったほうがいい人
ネガティブな声もある一方で、転職エージェントを積極的に使ったほうがいい人も存在します。
ここでは、転職エージェントを積極的に活用したほうがいい人の特徴を具体的に解説します。
自分の市場価値を客観的に知りたい人
転職市場では、同じ経験でも評価される年収が企業や業界によって大きく変わるため、自分がどの程度の待遇で求められているのかを客観的に把握するには、市場データが必要です。
転職エージェントでは、職種・経験年数・スキルなどをもとに、自分と同条件の人材がどの程度の待遇で転職しているかを具体的に教えてもらえます。そのため、転職をするべきか、あるいは現職にとどまるべきかという判断も、感覚ではなく客観的なデータに基づいて行えるようになります。
もし「今の年収が妥当なのか」「転職で本当に上がるのか」と悩んでいるなら、まずは市場価値を把握するための面談から始めるのがおすすめです。
書類や面接のサポートを受けたい人
エージェントは日々、数多くの転職者をサポートしているため、選考通過者・不通過者それぞれの傾向を把握しています。そのため、「どんな履歴書が通過しやすいか」「面接でどのように答えると評価されるか」という実践的なノウハウを蓄積しています。
自己流で準備すると、書類や面接の内容が評価基準からずれてしまうこともありますが、エージェントを活用すれば最新の選考傾向を踏まえたアドバイスが受けられます。
また、企業ごとの質問傾向や評価ポイントを事前に教えてもらえるため、面接当日に落ち着いて臨むことができます。履歴書作成や面接対策を一人で行うことに不安がある人にとっては、こうしたサポートが大きな安心材料になります。
特定の業界や業種に強いプロのアドバイスを受けたい人
専門領域に強いアドバイザーは、業界の構造や求められるスキル、キャリアの伸ばし方を深く理解しており、自己判断では見落としやすい点まで整理してくれます。
未経験分野に挑戦する場合はもちろん、同業界でキャリアアップを狙う場合でも、外から見えにくい待遇水準やキャリアパスの実態を知ることは重要です。インターネットには多くの情報がありますが、古いデータや偏った口コミも多く、それだけを頼りに判断するとミスマッチにつながりやすくなります。
キャリアアドバイザーは企業の採用担当者と日々やり取りしているため、現場の働き方や評価基準、離職率の傾向など、最新の情報を把握しています。こうしたリアルな視点があることで、「この業界は本当にキャリアアップにつながるのか」「この会社は働きやすい環境か」といった不安にも、具体的に答えてもらえるのがメリットです。
表面的な情報だけで判断せず、業界に精通したプロの声を取り入れることで、より納得感のあるキャリア選択ができるようになるでしょう。
忙しくて転職活動に割ける時間が少ない人
仕事を続けながら効率的に転職活動を進めたい人にとって、転職エージェントは大きな支えになります。
転職では以下のような作業を一人で行う必要があります。
- 求人の選定
- 応募
- 職務経歴書の作成
- 面接日程の調整
このように、転職には想像以上に多くのタスクが発生します。一人で進めようとすると、業務との両立が難しく、準備不足のまま選考を受けてしまうことも少なくありません。
転職エージェントを利用すれば、応募先企業とのやり取りや面談日程の調整など、煩雑なスケジュール管理をすべて代行してもらえます。また、面接の前後に必要な準備やフィードバックもキャリアアドバイザーがまとめて整理してくれるため、効率的に活動を進められます。
限られた時間のなかで転職する必要がある人ほど、スケジュール管理まで任せられる転職エージェントの活用が有効です。
転職エージェントを使わない方がいい人
転職エージェントはさまざまなサポートを提供してくれますが、すべての人にマッチしているとは限りません。
ここでは、エージェントを利用しないほうが満足度高く転職活動を進めやすい人の特徴を整理します。
自分のペースで転職活動を進めたい人
転職活動を自分の考えで進めたい人にとっては、転職エージェントの存在がプレッシャーになることがあります。
転職エージェントを活用すると、キャリアアドバイザーとの面談や提案、進捗確認などが定期的に発生するため、どうしても自分のペースが崩れやすいです。
じっくり時間をかけて情報収集したい人や、ライフプランを見直しながら方向性を考えたい人にとっては、転職を急かされているように感じてしまい、負担になる場合もあります。
自分の考えを整理しながら、マイペースに判断したい人は、転職サイトや企業への直接応募など、スケジュールを自分でコントロールできる方法が向いています。
エージェントを使わない選択も、主体的に行動できる人にとっては合理的な手段になるでしょう。
提案された求人を断るのが苦手な人
転職活動では、自分の意思を明確に伝えることが重要です。しかし、遠慮して本音を言えないまま進めてしまうと、希望と違う企業への応募が続き、結果的にミスマッチにつながってしまいます。
「悪い気がする」「断るのが苦手」という場合、エージェント経由の転職はかえってストレスになる可能性が高いです。
断るのが苦手な人は、転職サイトや企業への直接応募など、自分の判断で応募・辞退をコントロールできる方法が向いています。
キャリアアドバイザーとのやり取りが面倒な人
転職エージェントを利用するには、メールのやり取りや面談の調整といったコミュニケーションの手間がどうしても発生します。
求人紹介を受けたあとの返信や面接日程の確認など、やり取りの回数が多く、丁寧な対応が求められる場面も少なくありません。
そのため、メールを書くのが苦手だったり、返信や面談が面倒に感じたりする人は、エージェントの利用がストレスになりがちです。
特に「どこでもいいから転職できればいい」「細かい条件にこだわりはない」と考えている人にとっては、エージェントとの調整作業が負担に感じられるでしょう。
転職エージェントを活用するメリット
ここまで転職エージェントの注意点を見てきましたが、正しく使えば非常に心強い存在になります。
ここでは、転職エージェントを活用することで得られる主なメリットを具体的に整理します。
自分の市場価値がわかる
転職エージェントを利用するメリットの一つは、自分の市場価値を正確に把握できることです。
現在、自分の給与を低く感じている人が、必ずしも低い評価を受けているとは限りません。「会社に支払う余力がない」または「年収を上げる意思がない企業」で働いている可能性があります。
転職エージェントに相談し、自分の市場価値を知ることで、今の職場にとどまるべきか、転職で適正評価を得るべきかを冷静に判断できるようになります。
市場価値が高いのに正当に評価されていないまま働き続けるのは、キャリアの機会損失です。転職エージェントの面談で現実的な相場を把握すれば、自分の立ち位置が明確になり、より納得感のあるキャリア選択ができるようになります。
非公開求人を紹介してもらえる
転職エージェントを利用する大きなメリットの一つが、一般には公開されていない非公開求人にアクセスできることです。非公開求人とは、企業が転職サイトに掲載せず、特定のエージェントにだけ依頼して募集している案件を指します。
企業が非公開で採用を進める理由には、採用ノウハウや報酬水準などの情報を社外に出したくない、応募者が殺到して選考が滞るのを避けたい、自社のカルチャーに合う人だけを慎重に選びたいといった事情があります。
非公開求人には、転職サイトでは見つけられないポジションや条件の良い案件が含まれていることが多く、転職者にとっては応募の選択肢が広がるというメリットがあります。転職の成功確率を高めたい人ほど、非公開求人にアクセスできる環境を持っておくことがおすすめです。
応募書類や面接対策を手伝ってもらえる
転職エージェントの大きなメリットは、選考突破に向けた具体的なサポートを受けられることです。コンサルティング業界や大手企業のように独自の評価基準がある場合、自己流の対策では不十分になりやすく、特にケース面接では何を評価されているのか分からないまま練習してしまうと的外れな対策を続けてしまうことがあります。
その点、エージェントは各企業の評価項目や質問傾向を把握しているため、「論理的思考力」「コミュニケーション力」「構造的な説明力」など、企業が重視する観点に合わせた対策ができます。また、自分では気づきにくい声のトーンや話すテンポといった印象面についても、面接官視点でフィードバックしてもらえるのが強みです。
転職エージェントを活用すれば、自己流では気づけない弱点を補い、選考通過率を高めるための実践的なサポートを受けられます。
効率よく転職活動できる
転職エージェントを利用すると、転職活動にかかる時間を大幅に短縮できるメリットがあります。転職エージェントでは、多くの作業を代行・支援してもらえるため、時間を大幅に短縮できます。
現職と並行して活動する人にとって、特に負荷が大きい工程とエージェントが支援できる内容は以下の通りです。
| 短縮・効率化できる作業 | 転職エージェントによる支援・効果 |
|---|---|
| 求人検索にかかる時間 | 希望条件に合う求人を自動でピックアップ |
| 応募書類を作成・修正する時間 | テンプレート提供と添削による短縮 |
| 企業とのメール・日程調整に費やす時間 | キャリアアドバイザーが一括で調整・連絡対応 |
| 面接準備や対策にかかる時間 | 過去事例や想定質問の共有、模擬面接で効率的に練習 |
| 面接後のフィードバック確認や次の準備にかかる時間 | 評価内容や改善点を共有し、次の面接にすぐ反映できる |
情報収集から面接準備までの主要な工程を任せられるため、限られた時間でも選考準備の質を保ちながら転職活動を進められます。
キャリアプランに関する相談もできる
目先の転職だけでなく、その後のキャリアを見据えたアドバイスをもらえることもメリットの一つです。
年収を上げる転職を勧めるだけでなく、一時的に年収が下がっても市場価値を高めるためのステップアップ転職を提案してくれることもあるでしょう。
また、将来的に独立や起業を目指している人も、その目標に近づくためのキャリア構築を前提とした求人を紹介してもらうことができます。
例えば、経営視点を学べる環境や、幅広い業界経験を積めるポジションなど、長期的にキャリアを成長させるための選択肢を提示してくれます。
数年後の目標から逆算した提案は、専門知識を持つキャリアアドバイザーならではといえます。将来を見据えたキャリアパスを具体的に描きたい人にとって、頼れるパートナーとなるでしょう。
年収などの条件交渉をしてもらえる
年収や勤務条件の交渉を代行してもらえる点も非常に便利です。
自分では言いづらい希望や細かな条件も、エージェントが企業との間に立って伝えてくれるため、円滑に話を進められます。
例えば、「あと年収を20万円上げてもらえたら入社したい」といった要望も、キャリアアドバイザーを通じて交渉してもらうことができます。企業側としても、採用したい人材であれば、柔軟に条件を調整するケースが多く、入社後のミスマッチ防止にもつながるでしょう。
また、希望職種が募集一覧にない場合でも、「デザイナーではなく、コーダーとしてなら検討できる」といった形で、ポジションの調整をしてもらえる可能性もあります。
このように、転職エージェントはただの求人紹介にとどまらず、企業との交渉を通じて最適な条件をすり合わせる役割も果たしてくれます。


失敗しやすい転職エージェントの特徴と見極め方
ここでは、失敗しやすい転職エージェントに共通する特徴と、信頼できるキャリアアドバイザーを見極めるポイントを紹介します。
とにかく求人を紹介してくる
転職エージェントのなかには、とにかく数をこなすことを優先するタイプも存在します。
面談の際にあなたの希望やキャリアを深掘りする前に、いきなり大量の求人を提案される場合は注意が必要です。
「転職の質」よりも「転職の数」を重視するキャリアアドバイザーも一部に存在するため、希望条件に合わない求人を次々と紹介されたり、応募を急かされたりするケースもあります。
このようなキャリアアドバイザーに当たった場合は、早めに担当変更を申し出るか、別のエージェントに切り替える判断が重要です。
すぐにキャリアダウンを勧めてくる
転職エージェントのなかには、十分な説明をしないまま年収を下げる転職を勧めてくるキャリアアドバイザーもいます。
一見「現実的な提案」に聞こえますが、安易に受け入れてしまうのは危険です。一度下げてしまった年収が市場価値となることが多く、再び年収を上げるのは難しいからです。
また、年収を下げる転職は、年収を上げる転職よりも容易です。そのため、一部のキャリアアドバイザーは、年収が下がるような転職でも強引に勧めてくることがあります。
万が一、年収を下げる提案をされた場合は、その理由や背景をしっかり確認するようにしましょう。
作業のように進行する
転職エージェントのなかには、機械的に転職支援を行うキャリアアドバイザーもいます。
最初のヒアリングから求人紹介、面接日程の調整まで、形式的に手続きをこなすだけで、こちらの希望や不安を深く理解しようとしない場合には要注意です。
こうしたキャリアアドバイザーは、転職者の意向に関係なく、あらかじめ決められたルートに当てはめようとする傾向があります。「この業界ならこの求人」「この年齢ならこの職種」といった型にはまった提案を繰り返し、本当に希望している方向性を汲み取ってくれません。
転職活動は、マニュアル通りに進めても成功するとは限りません。経歴や価値観、将来の目標によって適切なキャリアはそれぞれ異なります。
本当に良いキャリアアドバイザーは、あなたの発言の意図や背景を理解したうえで、柔軟に提案を変えられる人です。
転職エージェントを効果的に活用する方法
転職エージェントは、使い方次第で転職活動の結果を大きく左右します。
ここでは、エージェントを効果的に活用するための3つのポイントを紹介します。
特化型のエージェントを活用する
転職エージェントを選ぶ際は、自分の希望業界や職種に特化したエージェントを選ぶことが非常に重要です。なぜなら、業界によって転職市場の動きや採用基準がまったく異なるからです。
例えば、コンサル業界であればケース面接やファームごとのカルチャーを深く理解していることが必須です。また、IT業界では技術スタックやプロジェクト規模によって評価基準が異なります。
業界特化型のエージェントは、こうした違いを踏まえて最適な求人や選考対策を提供してくれるのが強みです。
コンサル業界であればMyVisionのように、ケース面接対策やファームごとの特徴まで熟知した専門エージェントを選ぶことで、選考対策の精度を大きく高めることができます。
複数の転職エージェントに登録する
転職エージェントを利用する場合は、複数のエージェントに登録することもポイントです。
たとえ同じ企業のエージェントでも、担当となるキャリアアドバイザーによって、対応の丁寧さや、あなたのキャリアに対する提案力には大きな差があります。
最初から一社に絞ってしまうと、もし相性の悪いアドバイザーにあたってしまった場合、その後の活動全体が停滞してしまうという大きなリスクを抱えます。
実際、質の高い、理想的なキャリアアドバイザーに最初の一回で出会えるかどうかは運の要素も大きいのが現実です。だからこそ、2~3社に登録して同時にサービスを受け、提案内容やレスポンス、相性を比較しながら判断するのが賢明です。
質の高いキャリアアドバイザーを「見極めて」活用する
転職エージェントは「キャリアアドバイザー」の質によって大きく左右されるため、信頼できるキャリアアドバイザーを選ぶのが重要です。同じエージェントでも、担当アドバイザーの力量や姿勢によって、転職活動の質がまったく変わります。
信頼できるアドバイザーは、求人を紹介する前にキャリアを丁寧に深掘りし、「なぜ転職したいのか」「どんな環境なら力を発揮できるのか」を真剣に理解しようとヒアリングします。
一方で、十分なヒアリングをせずに求人を勧めてくるキャリアアドバイザーは、自分のキャリア形成と合わない求人を紹介される可能性があります。
信頼できるアドバイザーを見極めるには、次のようなポイントを意識しましょう。
- 話を遮らず、目的や背景を丁寧に聞いてくれる
- メリットだけでなく、リスクも正直に説明してくれる
- 応募を急かさず、冷静に選択を促してくれる
- 面接後に具体的なフィードバックや改善策を提案してくれる
会話を重ねるなかで、あなたのキャリア観や価値観を理解してくれると感じたアドバイザーこそが、信頼して転職活動を進めるべきパートナーです。
転職エージェントを使わずに転職する方法
転職エージェントの利用が一般化してきていますが、必ずしも全員がエージェントを介して転職する必要はありません。
特に「自分のペースでじっくり活動したい」「特定の企業や業界とのつながりを活かしたい」という方にとっては、エージェントに頼らない転職手法も非常に有効な選択肢となります。
ここからは、ご自身の力で転職を成功させるための具体的な方法を、代表的な手法に絞ってご紹介します。
転職サイト
転職サイトは、最も自由度の高い転職活動の方法です。膨大な求人のなかから、自分で気になる企業に直接応募できます。スキマ時間に求人を検索できるため、自分のペースで進めたい人に向いています。また、企業側も幅広い母集団にアプローチするために転職サイトを活用しており、多種多様な求人が集まるのが特徴です。
ただし、応募者が多いことを前提に募集が出されているため、企業は応募書類の質や面接でのパフォーマンスを厳しく見ています。年収交渉や面接対策もすべて自力で行う必要があるため、情報収集から準備まで一定の負荷がかかります。
ハローワーク
ハローワークは、公的機関が運営しており、地域密着型の求人が多いのが特徴です。無料で相談できるため、初めての転職や地方での転職を考えている人に向いています。
一方で、求人は幅広い層を対象としているため、専門性を求めるポジションやキャリアアップにつながる案件は比較的少ない傾向があります。安定した働き方や地元での転職を優先したい人には向いていますが、年収アップを目指す人にはやや物足りないかもしれません。
企業の採用ページから直接応募
企業の採用ページから直接応募する方法は、スピード感と自由度の高さがメリットです。企業の採用担当者と直接やり取りできるため、やる気や熱意をストレートに伝えられます。
一方で、非公開求人にはアクセスできず、選択肢が限られやすい側面があります。応募書類の作成や面接対策もすべて自分で行う必要があり、企業ごとに情報を調べる手間もかかります。企業研究にじっくりと時間を割ける人や、主体的に動ける人に向いた方法です。
知人・友人からの紹介
知人や友人からの紹介は、信頼関係を前提に選考が進むため、比較的内定につながりやすいです。実際に働いている人からリアルな職場の雰囲気や業務内容を聞けるため、入社後のギャップが少ない点も魅力です。
一方で、紹介してくれた相手への遠慮から、断りづらさや気まずさを感じることがあります。そのため、人間関係よりもキャリア基準で冷静に判断できる人には向いていますが、紹介者に気を遣いすぎてしまう人や、断るのが苦手な人には向いていない方法といえます。
SNS
近年は、X(旧Twitter)やLinkedInなどのSNSを活用して転職活動を行う人も増えています。企業担当者や社員と直接つながれるため、リアルな情報を得やすく、スカウトを受けるきっかけにもなります。日頃の発信から自分の専門性をアピールできる点もメリットです。
ただし、SNSは情報の信頼性にばらつきがあったり、膨大な情報を整理したりする必要があります。情報の真偽を精査でき、情報の管理に抵抗がない人には向いていますが、情報の取捨選択や管理が難しい人にはやや不向きな方法といえます。
転職イベント
転職イベントは、企業の担当者と直接話せる貴重な場です。多くの企業が一度に集まるため、短時間で複数社の情報を比較でき、企業ごとの雰囲気やカルチャーを肌で感じられるのが魅力です。オンラインでは分かりづらい、現場ならではの温度感をつかめる点も強みです。
一方で、事前準備や当日の移動などに時間がかかるうえ、人気企業には人が集中して十分に話せないこともあります。積極的に動いて情報を取りに行きたい人や、企業の雰囲気を直接知りたい人には向いていますが、準備や移動の時間を確保しづらい人、効率重視で進めたい人には負担が大きい方法といえます。
キャリアコーチングサービス
キャリアコーチングは、自分の強みや価値観、今後のキャリアの方向性を整理するためのサービスです。転職を前提にせず、独立・副業・社内異動など幅広い選択肢を一緒に検討できるため、将来のキャリアプランをじっくり考えたい人に向いています。
ただし、求人紹介や企業とのやり取りは基本的に自分で行う必要があり、サポート範囲はあくまでキャリア設計が中心です。転職以外の選択肢も含めて人生全体のキャリアを考えたい人には向いていますが、求人紹介や内定までのサポートを希望する人には不向きな方法といえます。
まとめ
転職エージェントは、非公開求人へのアクセスや面接対策、条件交渉など、自分一人では難しい部分を支援してくれる頼もしいサービスです。
一方で、キャリアアドバイザーとの相性が合わなかったり、希望と異なる求人を紹介されるなど、利用に際してストレスを感じる場面があることも事実です。。
納得できる転職を実現するためには、エージェント任せにするのではなく、情報を引き出す主体として関わることが重要です。
また、どんなエージェントにも得意分野があります。例えば、MyVisionのようなコンサル業界特化型の転職エージェントであれば、ケース面接の傾向やファームごとの採用方針など、深い知見をもとにサポートを受けられます。
複数のエージェントを比較検討し、自分に合ったサポート体制を見極めて、信頼できるエージェントと一緒に納得できるキャリアを築いていきましょう。
