ケース面接の流れと進め方|時間配分や活用できるフレームワークを紹介
2025年12月22日更新
コンサル転職を目指す人の多くが、「ケース面接はどんな流れで進むのか?」「どこまで時間配分を意識すべきか?」と疑問を抱えています。とくにケース面接に初めて挑戦する場面では、具体的な進め方がイメージしにくく、不安を覚えることは当然です。
結論として、ケース面接は 「当日の流れを理解しているかどうか」 で結果が大きく変わります。限られた時間で仮説を立て、構造的に回答する必要があるため、プロセスを事前に押さえることで安定したアウトプットを出しやすくなります。
本記事では、ケース面接の代表的なパターンから基本的な流れ、理想的な時間配分、活用しやすいフレームワークまで整理して紹介しますので、これから本格的に選考対策を進めたい人は、ぜひ参考にしてください。
著者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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ケース面接とは
ケース面接とは、ビジネス上の課題に対して、限られた時間で論理的に解決策を導くプロセスを評価する選考形式です。正解を当てる面接ではなく、思考の分解力や仮説構築力、説明のわかりやすさを確認することが目的です。
課題設定の理解、論点整理、仮説立案、定量・定性分析、結論の提示という一連の流れをどう組み立てるかを通じて、コンサルタントとしての適性を判断します。コンサルファームだけでなく、総合商社やIT企業の一部でも採用されており、対策が必要な面接形式です。
コンサル業界で重要なケース面接がどのようなものかについては、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
ケース面接の代表的なパターン
ケース面接には複数の形式があり、企業ごとに出題傾向が異なります。主要なパターンを把握しておくことで、事前準備が進めやすくなるでしょう。
| パターン | 内容 | 評価されるポイント |
|---|---|---|
| 市場規模推定(フェルミ推定) | 限られた情報から市場規模を推定する問題形式。前提条件の設定や数値の分解方法が中心 | ・仮定の置き方 ・ロジックの妥当性 ・計算の正確性よりも思考プロセス |
| ケース問題(ビジネス課題解決) | 売上低下、競合対策、新規事業などの経営課題に対し、要因分析から解決策まで導く形式 | ・構造化 ・課題抽出力 ・仮説と根拠の一貫性 ・説明力 |
| 図表読解・分析ケース | 表やグラフを読み解き、示唆を導く問題形式。短時間で情報整理し、仮説へ接続する | ・数値の要点把握 ・示唆の抽出 ・論理的な説明 |
いずれの形式でも、論点整理の速さとコミュニケーションの明快さが評価されるのが特徴です。形式ごとの特徴を押さえておくことで、ケース面接全体への理解が深まります。
ケース面接の基本的な流れ
ケース面接は、一定のプロセスに沿って進むため、各ステップの役割を理解しておくことが重要です。流れを把握しておくと、当日の時間配分が安定し、回答の質を高めやすくなります。
ここでは、代表的なケース面接の進行ステップを5つに分けて、順番に解説します。
①質問の意図・前提条件の確認と定義(5分程度)
最初のステップでは、テーマの意図を正しく理解し、曖昧な条件を整理します。課題を誤って解釈すると、その後の分析や結論がずれやすいため、最初の5分で方向性を固めることが重要です。
対象範囲・期間・制約条件のほか、「面接官が何を見たいのか」という背景も確認すると軸がぶれにくくなります。要求を簡潔に言語化し、分析のスタート地点を明確にすることが特徴です。
②アプローチの提示と骨子作成(5分程度)
次に、問題をどのような切り口で分析するのかを提示し、全体の骨子を短時間で組み立てます。ここでは構造化の力が見られるため、主な論点と検討順序を明確に示すことが重要です。
次に、分析で見えてきたポイントをもとに、最も筋の通った仮説を組み立てるステップです。根拠となるデータとの関係を示すことで、次のステップで提示する解決策に説得力が生まれるでしょう。
③情報収集・分析と仮説構築(10〜15分程度)
続いて、提示したアプローチに沿って、面接官から得られる追加情報を整理し、論点ごとに分析を進めます。重要度の高い要素から検討すると、結論に向けた筋道が把握しやすくなるでしょう。
分析で見えてきたポイントをもとに、最も筋の通った仮説をまとめます。根拠となる数字や事実と仮説の関係を明確にすることで、次のステップで提示する解決策に説得力が生まれる点が特徴です。
④解決策の提示と具体化(5〜10分程度)
こうして構築した仮説を踏まえて、取り組むべき施策を端的に提示します。解決策は複数を並べるのではなく、最も効果が高いと考えられる案に絞ると論理がぶれにくくなるでしょう。
次に、選んだ施策を実行するための具体的なステップを示します。必要な条件や期待される効果を簡潔に整理すると、解決策の実現可能性が伝わりやすくなる点がポイントです。
⑤まとめと質疑応答(5分程度)
ここまでの検討をもとに、結論を一言で整理します。結論→理由の順にまとめると、全体の流れが明確になり、面接官にも意図が伝わりやすくなるため意識してください。
最後に、面接官からの質問に対して補足説明を行います。背景や前提条件を落ち着いて説明することで、思考プロセスをより深く理解してもらえるでしょう。
ケース面接の考え方と理想的な時間配分
ケース面接では、情報を構造的に捉えて論点を整理し、限られた時間のなかで「どの順番で考えるか」を設計する姿勢が重要です。
とくに情報整理の段階では、3C・4P・STP・SWOT・PEST、因数分解(売上=客数×客単価)、ロジックツリー、バリューチェーンといった基本フレームワークを用いることで、問題を分解しながら重要ポイントを素早く見極められます。テーマが変わっても、同じ思考の型で取り組める点が大きな強みです。
以下に、ケース面接を15分前後で進める場合の一般的なステップと時間配分をまとめました。
| ステップ | 時間の目安 | 主な目的 |
|---|---|---|
| ①意図・前提の確認 | 約2分 | 問い・範囲の定義 |
| ②アプローチ提示 | 約4分 | 分解軸の設定・骨子作成 |
| ③情報収集・分析 | 約3〜4分 | 重要要素の特定 |
| ④解決策の検討 | 約5〜6分 | 最終案の決定 |
| ⑤まとめ・質疑応答 | 約1分 | 結論整理 |
また、問いが複数ある場合は「どちらが本質的か」を判断する視点が必要です。一つ目を効率的に処理し、最終的な意思決定につながる問いに時間を割けると、回答の質が安定します。
ケース面接の例題と対策
ケース面接では、出題テーマは多岐にわたりますが、前提の置き方や分解の仕方が合否を左右するため、頻出パターンを押さえておくことが重要です。
代表的な例題を以下にあげましたのでご確認ください。
- ピアノ調律師の人数を推定する問題
- 自動車販売の市場規模を求める問題
- カフェ1店舗の売上計算と20%増加策
- 都心の満員電車を改善する方法
これらの問題は、考え方のステップを理解しておくほど本番で落ち着いて対応できます。
以下の記事では、4つの例題に対する解答プロセスや減点ポイントを詳しく解説しているため、実践的な対策を進めたい人は確認してみてください。
まとめ
ケース面接は、フェルミ推定とケース問題を通じて、論理的思考やコミュニケーション力を総合的に評価する面接です。流れや考え方の型を押さえ、代表的な例題で練習しておくことで、本番でも落ち着いて対応しやすくなります。
MyVisionは、戦略ファーム出身者によるケース面接対策を提供しており、思考プロセスの整理から実践的なフィードバックまでサポートしているエージェントです。ケース面接に不安がある人は、ぜひ一度ご相談ください。
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