TISの年収は高い?平均800万円の実態と福利厚生や働き方について徹底解説
2025年12月25日更新
TISの年収について、「平均年収はいくらか」「役職が上がらないと頭打ちになるのではないか」「高年収の分、働き方は厳しいのではないか」と気になる人は多いでしょう。とくに、ほかの大手SIerやコンサルファームと比較検討している段階では、額面年収だけでなく実態まで把握したいと感じるはずです。
結論からお伝えすると、TISの年収水準は高く、福利厚生を含めた実質年収や働き方とのバランスを踏まえると「コストパフォーマンスが高い企業」といえます。近年はコンサル領域や高付加価値ビジネスへの転換が進み、給与水準そのものも上昇傾向です。
本記事では、TISの平均年収の根拠をはじめ、グレード・役職別の年収テーブル、住宅手当などの福利厚生による実質年収、競合他社との比較、将来性やキャリアパスまでを網羅的に解説します。TISへの転職を検討している人が「自分にとって年収アップが現実的か」を判断できる内容です。
著者

河瀬 樹
Kawase Tatsuki
早稲田大学を卒業後、ベイカレントにてコンサルティング、営業だけでなく、採用・人事にも従事し数十名のコンサルタントのキャリア開発を支援。MyVisionに参画後は、コンサルタントと人事の双方の視点を踏まえた効率的な選考対策を強みに、多数の転職を支援
プロフィール詳細を見る
監修者

北野 雄大
Kitano Yudai
株式会社MyVision取締役
名古屋大学を卒業後、トヨタ自動車、デロイトトーマツコンサルティング、エクサウィザーズを経てコンサルティング業界特化のエージェントに入社。その後、株式会社MyVisionを設立。 大企業~コンサル、スタートアップまでの幅広い経験を活かしたキャリア支援に強みを持つ。
プロフィール詳細を見る
目次
全部見る
TISの平均年収は約800万円
TISの平均年収は、2025年3月期の有価証券報告書によると806万7,000円です。額面だけを見ると一定の水準にあることがうかがえ、実際に転職候補として年収面が気になる人も多いでしょう。
ここでは、まずTISの年収がどのような要因で形成されているのかを見ていきます。そのうえで、年齢別・男女別の平均年収の目安や、中途入社者の具体的な年収事例も紹介しますので、平均値だけでは見えにくい実態から自分のキャリアプランにどう当てはまるかを考える参考にしてください。
SIer業界でもトップクラスの伸び率を見せる理由
TISの年収がここ数年で伸びているのは、事業構造の転換と評価制度の見直しが同時に進んだことが理由です。単なる定期昇給ではなく、高付加価値領域へのシフトが給与水準の引き上げにつながっています。
有価証券報告書を見ると、平均年収は段階的に上昇していることがわかるでしょう。
- 2023年3月期:751万7,000円
- 2024年3月期:803万2,000円
- 2025年3月期:806万7,000円
出典:TIS「有価証券報告書」
とくに金融・決済分野やコンサル寄りの案件比率が高まり、収益性が改善したことが背景にあります。
加えて、「Pay for Job」を軸とした役割・成果重視の評価が浸透し、一定のグレード以上では昇給幅が大きくなりやすい点も影響ポイントです。
年齢別・男女別の平均年収目安
TISの年収水準は、年齢とともに着実に上がっていく傾向があります。とくに30代後半以降は役割やグレードの影響を受けやすく、年収レンジが大きく広がる点が特徴です。
年齢別の年収目安を、社員口コミをもとにしたOpenWorkの推定データで見ると、以下のとおりです。
| 年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
|---|---|---|
| 25歳 | 458万円 | 347万円~605万円 |
| 30歳 | 564万円 | 428万円~745万円 |
| 35歳 | 638万円 | 484万円~824万円 |
| 40歳 | 704万円 | 534万円~929万円 |
| 45歳 | 780万円 | 591万円~1,029万円 |
| 50歳 | 868万円 | 658万円~1,146万円 |
| 55歳 | 943万円 | 715万円~1,244万円 |
出典:OpenWork
一方、男女別の年収については、TISが開示している「非財務データ集」から傾向を読み取ることが可能です。2025年3月期における、女性の賃金が男性の何%かを示す賃金差異は*81.4%で、管理職に限ると91.7%*まで縮まっています。
このことから、職位が上がるほど男女差は小さくなる一方、全体平均との差は管理職比率や職種構成の影響を受けていると考えられるでしょう。年収を判断する際は、性別そのものよりも、どの役割・グレードを担うかが重要な要素です。
中途入社者の年収事例
TISの中途採用では、応募ポジションや求められる役割に応じて、想定年収に幅を持たせた求人が公開されています。年収は一律ではなく、経験や専門性に応じて個別に設定される点が特徴です。
公開されている求人情報から確認できる、年収レンジの一例は以下のとおりです。
- 法人ルート営業:月給22万円以上+各種手当(インセンティブ含む)+賞与年2回
- 運用高度化コンサルタント:月額(基本給):314,000円~780,000円
- クレジットカードのオープン系インフラの構築・プロジェクトリーダー候補:月額(基本給):270,000円~405,000円
- 経営管理・管理会計領域の上流コンサルタント:月額(基本給):387,000円~793,000円
これらの求人からわかるのは、TISが中途採用においても「役割・スキルベース」で処遇を決めている点です。前職の企業規模や学歴よりも、どの領域でどのレベルの役割を担えるかが年収に影響しやすい構造です。
MyVisionでは、TISの最新求人情報を保有しており、募集ポジションごとの年収レンジや求められる役割を踏まえたうえで転職支援をおこなっています。現在募集中のTIS求人については、MyVisionの求人ページをご確認ください。
TISの年収システム|グレード・役職別の給与テーブル
TISの年収を正しく理解するには、平均年収だけでなく「どの役割・グレードで、どの程度の年収になるのか」を把握することが重要です。とくに中途入社を検討する場合、自身の経験がどの水準で評価されるのかは気になるポイントでしょう。
ここでは、TISの人事評価制度である「Pay for Job(役割給)」の考え方を起点に、年代・役職ごとの年収イメージや、賞与の仕組みまでを解説します。
昇給や年収アップの仕組みを理解することで、TISでどのようにキャリアを積めば収入が伸びていくのかを具体的にイメージできる内容です。
人事評価制度「Pay for Job(役割給)」の仕組み
TISでは、年齢や在籍年数ではなく、担っている役割や職務内容を軸に処遇を決める「Pay for Job(役割給)」を採用しています。どのレベルの役割を果たし、どの程度の価値を発揮しているかが、評価と年収に反映される考え方です。
この制度は、2023年4月に導入された新人事制度の中核に位置づけられています。半期ごとにMust(期待役割)・Will(志)・Can(能力)を上長とすり合わせる目標設定や、企業理念に基づくコンピテンシー評価を通じて、成果だけでなく挑戦のプロセスも評価対象に含めるものです。
報酬面では、役割の大きさや生み出す付加価値に見合った水準を実現するため、基本給水準そのものが引き上げられました。新人事制度では平均で約6%、最大で17%の基本給アップが実施されており、とくに高度人材や即戦力層への還元が強化されています。
TISの年収は、役割の拡大や責任範囲の変化と連動する構造といえるでしょう。
年代・役職ごとの年収シミュレーション
TISでは「Pay for Job(役割給)」の考え方に基づき、年収は年齢よりも役割・グレードによって大きく左右されます。どの役職・グレードを担うかによって、年収800万円や1,000万円に到達するタイミングが変わる点が特徴です。
役職・グレード別の年収イメージを把握する参考として、OpenMoney給与版に掲載されている投稿データをもとにした年収目安を以下にまとめました。
| 役職(グレード) | 年収イメージ | 年収レンジ(目安) |
|---|---|---|
| PR1 | 約402万円 | 350万円~500万円 |
| PR2 | 約587万円 | 400万円~600万円 |
| PR3 | 約716万円 | 600万円~800万円 |
| PR4 | 約921万円 | 750万円~950万円 |
| MG1/SP1 | 約1,206万円 | 950万円~1,100万円前後 |
| MG2/SP1 | - | 1,050万円~1,250万円 |
| MG3/SP1 | - | 1,300万円~1,600万円 |
| MG4/SP2 | - | 1,450万円~1,750万円 |
| MG5/SP2 | - | 1,600万円~1,900万円 |
出典:OpenMoney給与版
OpenMoney給与版に投稿された情報をもとにした年収イメージであり、実際の処遇は役割・評価・ポジションにより異なります
このデータを見ると、年収800万円前後はPR3〜PR4相当、年収1,000万円超はMG1またはSP1以上がひとつの目安です。管理職として組織を率いるルートだけでなく、高度な専門性を発揮するスペシャリスト職でも高年収を狙える点は、TISの特徴といえるでしょう。
TISへの転職でどのグレードからスタートできるかは、前職で担ってきた役割や専門性の伝え方によって変わります。
賞与(ボーナス)の支給月数と業績連動の割合
TISの年収を考えるうえで、賞与の位置づけも重要な要素です。基本給に加えて、一定水準の賞与が支給される設計となっており、年収全体の安定性に影響します。
公開されている採用情報をもとにすると、2024年度実績の賞与支給月数は4ヶ月分です。直近実績として一定の水準が示されており、年収の目安を考えるうえで参考になるでしょう。
一方で、賞与のうち業績や個人評価がどの程度反映されるかといった割合は明示されていません。
ただし、TISでは役割や成果を重視する評価制度を採用しており、担う役割やパフォーマンスが処遇に影響する考え方が賞与にも及んでいると考えられます。賞与を含めた年収水準を高めるには、グレードや役割の引き上げが不可欠です。
TISは「福利厚生」で実質年収が高い
TISの年収を考える際、基本給や賞与だけで判断すると実態を見誤る可能性があります。理由は、福利厚生による金銭的メリットが大きく、実質的な年収水準に影響しているためです。
ここでは、TISの福利厚生のなかでも年収や生活水準に直結しやすい制度に焦点を当てました。住宅関連制度や家族手当といった固定費を抑える仕組みから、テレワーク手当や持株会などの「見えにくい収入」まで、福利厚生を含めた場合の実質的な年収の考え方を解説していきます。
業界最高水準と言われる「住宅手当」と「独身寮」の支給実態
TISの福利厚生のなかでも、住宅関連制度は実質年収に直結しやすい要素です。とくに住宅手当は募集要項で支給額が明示されており、居住エリアに応じた補助が用意されています。
住宅手当の支給額は、東京31,000円/月、名古屋12,000円/月、大阪16,000円/月です。毎月の固定費である家賃の一部を補助する仕組みのため、年間で見ると可処分所得に与える影響は小さくありません。勤務地が都市部になるほど補助額が大きく設定されている点も特徴といえるでしょう。
一方、独身寮については募集要項上の詳細な条件は公開されていませんが、転職会議の社員口コミでは月額2万円前後で利用できるケースがあるとの声が見られます。公式情報ではないため個人差はあるものの、住宅コストを抑えやすい環境が用意されている点は、TISの福利厚生を評価するうえでひとつの判断材料になるでしょう。
家族手当・扶養手当の詳細
TISでは、子育て世帯を支援する制度として子育て手当(家族手当)が設けられています。ライフステージの変化に応じた支援が用意されており、実質年収を考えるうえで見逃せない要素です。
募集要項によると、扶養対象となる18歳未満の子ども1人につき、月額15,000円の手当が支給されます。対象は非管理職に限られるものの、毎月支給される固定手当であるため、年間では子ども1人あたり18万円の補助を受けられる計算です。
子どもの人数に応じて支給額が増える仕組みのため、子育て期の生活費負担を軽減しやすい点が特徴といえます。年収を額面だけで判断するのではなく、こうした家族手当を含めて考えることで、TISでの実際の生活水準をより具体的にイメージしやすくなるでしょう。
テレワーク手当や持株会など「隠れ収入」
TISの福利厚生には、毎月の給与明細には表れにくいものの、生活コストや将来の資産形成に影響する制度が用意されています。こうした制度は、結果として実質年収を押し上げる要因といえるでしょう。
テレワークについては、日数上限のないテレワーク勤務制度を全社員が利用可能とされています。テレワークそのものに対する手当の支給は明示されていないものの、通勤頻度を抑えられることで、交通費や時間的コストを削減しやすい点が特徴です。
また、募集要項には+従業員持株制度*が各種制度のひとつとして記載されています。詳細な条件は公開されていませんが、持株会は中長期的な資産形成につながる制度として位置づけられるでしょう。
短期的な手取り額だけでなく、こうした制度を通じて将来のリターンを得られる点も、TISの福利厚生を評価する際のポイントといえます。
福利厚生を含めると競合他社より生活水準は高い?
TISの福利厚生は、単なる制度の多さではなく、日常の生活コストや将来設計に影響する点が特徴です。年収額面だけを見た場合でも水準は高めですが、福利厚生を含めて考えると、実際の生活水準はさらに底上げされます。
とくに影響が大きいのは、住宅・子育て・休暇・働き方といった分野です。これらは毎月の支出や時間の使い方に直結するため、実質年収を考えるうえで重要な要素といえます。
生活水準に直結しやすい主な福利厚生は、以下のとおりです。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 休日・休暇 | 完全週休2日制(土・日・祝)、年末年始 |
| 年次有給休暇 | 初年度14日、5年目以降20日(時間休暇・半日休暇・積立制度あり) |
| その他休暇 | リフレッシュ休暇、介護休暇、マタニティ休暇、妊活休暇、子の看護休暇など |
| 住宅関連 | 住宅手当、借り上げ寮・社宅制度 |
| 家族支援 | 子育て手当(扶養対象子女1人につき月額支給) |
| 働き方支援 | テレワーク勤務制度(日数上限なし)、コアタイムなしフレックス |
| 資産形成 | 退職金制度、財形貯蓄制度、従業員持株制度 |
| 健康支援 | 健康診断(人間ドック費用補助)、ヘルスキーパーサービス |
公式サイト・募集要項に記載されている制度のうち、生活水準への影響が大きいものを抜粋しています。
これらの制度を見ると、TISは「収入を増やす」だけでなく、支出を抑え、将来不安を軽減する設計がなされていることがわかります。たとえば、住宅関連制度や有給休暇の取りやすさは、可処分所得や時間的余裕に直結するものです。
競合他社と単純に年収額面だけを比べると差が見えにくい場合でも、福利厚生を含めて考えると生活水準に違いが出るケースは少なくありません。TISは、長期的に安定した生活を送りながらキャリアを築きたい人にとって、検討価値の高い選択肢といえます。
福利厚生を含めたTISの基本情報については、以下の記事も参考になります。ぜひご覧ください。
TISと競合他社の徹底比較|年収・働きやすさ・将来性
TISの年収や福利厚生を見てきたうえで、次に気になるのは「ほかの大手SIerと比べてどうなのか」という点でしょう。とくに転職の比較・検討フェーズでは、年収水準だけでなく、働きやすさや将来性まで含めて判断したいと考える人が多いはずです。
ここでは、TISを主要な競合SIerと比較しながら、その立ち位置を整理します。NTTデータや野村総合研究所(NRI)といった上位SIerとの違い、SCSK・BIPROGY・CTCなど同業他社とのバランスを確認し、さらに残業時間や有給取得率から「時給パフォーマンス」の観点でも検証しました。
単なる年収比較にとどまらず、自分にとって納得感のある選択かどうかを判断するための材料にしてください。
vs NTTデータ・野村総合研究所(NRI)
TISを検討する際、多くの人が比較対象として挙げるのがNTTデータや野村総合研究所(NRI)です。ただしこれらの企業は事業モデルや求められる役割が異なるため、単純な年収額だけで判断するとミスマッチにつながる可能性があります。
まずは、年収・働きやすさ・将来性という3つの軸で、各社の立ち位置を整理します。
| 企業名 | 平均年収(2025年3月期) | 働きやすさ | 将来性 |
|---|---|---|---|
| TIS | 約8,067,000円 | 役割給・テレワーク制度・休暇制度などを整備 | コンサル領域強化・サービス化推進に取り組み |
| NTTデータ | 約9,234,000円 | 大規模プロジェクトで裁量と負荷が混在 | DX推進需要に対応した成長余地あり |
| 野村総合研究所 | 約13,217,000円 | 分析・コンサル色が強く成果主義傾向 | 高付加価値案件基盤で長期成長を見込む |
引用: TIS「有価証券報告書」 NTTデータ「有価証券報告書」 野村総合研究所「有価証券報告書」 働きやすさ・将来性は公開情報や業界動向と一般的な傾向を踏まえた説明であり、数値ではありません。
この表からわかるとおり、平均年収だけを見るとNRIが最も高く、次いでNTTデータ、TISという順です。一方で、NRIは高い専門性やアウトプットを前提とした環境であり、業務負荷や期待水準も相応に高くなる点には注意が必要です。
TISは、NRIほど尖った専門性を前提とせず、NTTデータほど組織規模に左右されにくい位置づけにあります。役割に応じて処遇が決まる「Pay for Job」の考え方を採用しているため、年収・働き方・キャリアのバランスを重視したい人にとっては、現実的な選択肢になりやすいでしょう。
vs SCSK・BIPROGY・CTC
NTTデータやNRIと並び、TISと比較されやすいのがSCSK、BIPROGY、CTCといった大手SIerです。いずれも安定した顧客基盤を持つ企業ですが、年収水準や働き方、将来のキャリア設計には違いがあります。
以下で、TISと同業SIerを「年収」「働きやすさ」「将来性」の3軸で整理し、それぞれの特徴を確認しました。
| 企業名 | 平均年収(2025年3月期) | 働きやすさ | 将来性 |
|---|---|---|---|
| TIS | 約8,067,000円 | 役割給・テレワーク制度・休暇制度などを整備 | コンサル領域強化・サービス化推進に取り組み |
| TIS | 約7,870,000円 | 残業抑制や休暇取得を重視する制度設計で、ワークライフバランスを意識しやすい | 既存顧客を基盤に、DX・ITサービスの高度化を推進 |
| SCSK | 約8,462,000円 | 安定した働き方がしやすく、長期就業を前提とした制度が整っている | 公共・金融分野を中心に、既存事業の深化を継続 |
| CTC | 約10,288,000円 | 高付加価値案件が多く、業務量や責任も大きくなりやすい | 外資・大規模案件を背景に、専門性の高いキャリア形成が可能 |
引用: TIS「有価証券報告書」 SCSK「有価証券報告書」 BIPROGY「有価証券報告書」 CTC「有価証券報告書」
この比較を見ると、CTCは平均年収が高い一方で、求められる専門性や業務負荷も相応に高くなる傾向があります。SCSKやBIPROGYは、年収水準は比較的落ち着いているものの、安定性や働きやすさを重視したい人に向いた環境といえるでしょう。
TISはこれらの中間的な立ち位置にあり、年収・働きやすさ・成長機会のバランスを取りやすい点が特徴です。単純な年収額だけでなく、将来的にどのような役割を担い、どの程度の裁量や専門性を身につけたいかを踏まえて比較することが重要といえます。
激務度は?残業時間と有給取得率から見る「時給パフォーマンス」
結論として、TISは「高年収=長時間労働」になりにくく、時給パフォーマンスを意識しやすい環境といえます。年収水準だけでなく、働く時間とのバランスを重視したい人にとっては、検討価値の高い企業です。
採用サイトの公開情報によると、平均残業時間は月11.4時間、2024年度の有給取得率は62.6%とされています(2025年3月31日時点)。恒常的な長時間残業が前提となる働き方ではなく、業務量が一定程度コントロールされている様子がうかがえるでしょう。
これらの数値を踏まえると、TISは年収の高さだけでなく、投入する労働時間とのバランスを取りやすい点が特徴です。時間に追われる働き方よりも、限られた時間のなかで成果を出し、プライベートや自己投資の余地を確保したい人にとって、納得感のある選択肢といえます。
そもそもコンサルタントは激務なのかを気になる人は、以下の記事もご覧ください。近年のトレンドを徹底解説した内容です。
TISの将来性は?コンサル領域への進出と給与への影響
TISの年収や福利厚生を評価するうえで、今後もその水準が維持・向上していくのかという将来性の視点は欠かせません。とくにSIer業界は事業モデルの転換期にあり、企業ごとの差が広がりつつあります。
ここでは、TISが旧来型の受託開発中心のSIerからどのように脱却し、コンサル領域やサービス型ビジネスへと舵を切っているのかを解説します。
あわせて、コンサルタント職やITアーキテクト職の待遇強化の動き、TISで身につくスキルとその後のキャリアパスを解説しますので、将来の年収や市場価値にどのような影響があるのかを読み解いていきましょう。
旧来型SIerからの脱却と「サービス型ビジネス」への転換
TISは、受託開発中心の旧来型SIerから脱却し、継続的に価値を提供するサービス型ビジネスへの転換を進めています。この方針は、事業の収益構造だけでなく、将来的な給与水準にも関係するものです。
従来のSIビジネスは、案件単位の売上や稼働に依存しやすく、価格競争に陥りやすい構造でした。TISではこうした課題を踏まえ、金融・決済分野などの強みを生かした高付加価値サービスへと軸足を移しています。
サービス型ビジネスでは、単発の開発成果だけでなく、継続的な改善や価値創出が評価軸です。その結果、プロジェクトへの貢献度や担う役割が処遇に反映されやすくなるでしょう。
事業構造の転換が進むことで、コンサルティング力や専門性の高いスキルを持つ人材の重要性も高まります。TISが進めるこの取り組みは、年収や市場価値を中長期で考えるうえでも注目すべき動きといえるでしょう。
コンサルタント職・ITアーキテクト職の待遇強化
TISでは、コンサルタント職やITアーキテクト職といった高付加価値ポジションの待遇が重視される傾向にあります。サービス型ビジネスへの転換が進むなかで、上流工程や専門領域を担う人材の価値が高まっているためです。
これらの職種は、要件定義や構想策定、全体設計など、成果が事業価値に直結する役割を担います。役割の大きさや影響度が評価に反映されやすく、処遇にも差が出やすい点が特徴です。
コンサルタント職やITアーキテクト職での経験は、年収面だけでなく将来の市場価値にも影響します。TISで専門性を磨くことは、その後のキャリア選択を広げるひとつの足がかりになるでしょう。
TISで身につくスキルと、その後のキャリアパス
TISは、上流工程から実行までを一貫して担う経験を積みやすい環境です。金融・決済分野など難易度の高い案件にかかわることで、業務理解や全体設計の視点が身につきやすくなります。
具体的に身につきやすいスキルの例は、以下のとおりです。
- 顧客課題を構造化し、解決策を描くコンサルティングスキル
- 要件定義やアーキテクチャ設計などの上流工程スキル
- 大規模プロジェクトを推進するプロジェクトマネジメント力
- 金融・決済領域における業務知識とIT知見
これらのスキルは、社内評価だけでなく市場でも評価されやすい傾向があります。
また、TISで経験を積んだ後のキャリアパスは幅広いものです。社内で上位グレードや専門職を目指す道に加え、コンサルファームや事業会社のIT・DX部門へ進む選択肢も現実的といえます。
以下の記事では、TISを含むコンサル業界の今後について、徹底解説しています。プロの目から見た全体の動向が知りたい人は、ぜひご覧ください。
未経験や異業界からTISへ転職して年収アップするには
未経験や異業界からTISへの転職を考える際「本当に年収アップできるのか」「経験不足でも評価される余地はあるのか」と不安を感じる人は多いでしょう。とくにSIerやIT業界の経験がない場合、年収が下がるのではと考えがちです。
TISの中途採用は一定の競争があるものの、学歴よりも担える役割や再現性のあるスキルが評価される傾向にあります。中途採用倍率は公式発表はありませんが、ポジションごとの判断がおこなわれていると考えられるでしょう。
そのため、未経験・異業界出身であっても、役割や強みを適切に示せれば年収アップを狙う余地があります。ここでは、年収アップを実現している人の特徴や評価されやすい経験、書類選考・面接で重視される「自律的キャリア」の考え方を解説しますので参考にしてください。
中途採用で年収アップを勝ち取る人の特徴
未経験や異業界からTISへ転職して年収アップを実現する人には、いくつか共通した特徴があります。ポイントは、これまでの経験を「役割」や「再現性」の観点で整理できているかどうかです。
中途採用で年収アップを勝ち取る人の主な特徴を、以下にまとめました。
- 現職で担ってきた役割を、業務内容ではなく成果や影響範囲で説明できる
- 業界経験の有無にかかわらず、課題解決やプロジェクト推進の再現性を示せている
- 技術・業務・マネジメントのいずれかで、強みとなる専門領域を明確にしている
- 将来どのような役割を担いたいかを言語化し、自律的なキャリア観を持っている
これらの特徴を備えている場合、TISの「Pay for Job(役割給)」の考え方と親和性が高くなります。
経験年数や業界歴よりも、どの役割を任せられるかが評価されやすいため、未経験・異業界出身でも年収アップを狙える余地が生まれるでしょう。
評価されやすい経験
TISの中途採用では、業界経験そのものよりも、役割を担い成果を出してきた経験かどうかが重視されます。とくに、同社の「Pay for Job(役割給)」と親和性の高い経験は、年収評価にもつながりやすくなるでしょう。
評価されやすい経験の例は、以下のとおりです。
- プロジェクトにおいて、進行管理や関係者調整を担った経験
- 顧客や社内の課題を整理し、改善策や提案を行った経験
- ITを活用して業務効率化や業務改革に貢献した経験
- 複数部署や外部ベンダーと連携し、合意形成を進めた経験
- 数値や成果で説明できる改善・立て直しの実績
これらは必ずしもSIerやIT企業での経験に限りません。事業会社や中小企業、異業界での経験であっても「どのような役割を担い、何を実現したか」を明確に説明できれば、TISで評価される余地があります。
重要なのは、職種名や業界名ではなく、再現性のあるスキルや行動を示せているかどうかです。自身の経験を役割ベースで整理することで、TISでの年収アップにつながる評価を得やすくなります。
書類選考・面接でアピールすべき「自律的キャリア」
TISの書類選考や面接では、経歴の華やかさよりも、自ら考えてキャリアを選択してきたかどうかが重視されます。与えられた環境のなかで、どのような意図を持って行動してきたのかが評価の軸です。
アピールすべきなのは「何をしてきたか」だけではありません。役割の変化や課題に直面した際、なぜその選択をし、どのように行動したのかという思考プロセスを説明できるかが重要です。
また、今後どのようなスキルや役割を担いたいのかを、自分の言葉で語れるかどうかも見られます。TISでのキャリアを受け身ではなく、自律的に描こうとしている姿勢が伝われば、未経験や異業界出身であっても評価につながりやすくなるでしょう。
TISへの転職、年収交渉を成功させるならMyVision
TISへの転職で年収アップを実現するには、単に応募するだけでなく、どのポジションで、どの役割を担える人材として評価されるかを見極めることが重要です。とくにTISは「Pay for Job(役割給)」を採用しているため、職務内容の伝え方やポジション選定によって、提示される年収水準が大きく変わります。
MyVisionは、コンサルティング業界・IT業界への転職支援に特化したエージェントです。TISの最新求人情報や過去の決定事例をもとに、応募者の経験がどのグレード・役割で評価されるのかを具体的に整理し、現実的な年収レンジを踏まえた選考対策と交渉をおこないます。
TISでのキャリアと年収を中長期で考えたい人にとって、転職の初期設計は重要な分岐点になるでしょう。自身の市場価値を正しく評価し、納得感のある条件で転職を進めたい場合は、MyVisionの支援を活用することで成功確率を高められます。
まとめ
TISは、旧来型SIerからサービス型ビジネスへの転換を進めており、専門性や成果が処遇に反映されやすい環境が整いつつあります。コンサルタント職やITアーキテクト職をはじめ、高付加価値な役割を担うことで年収アップを狙える点も特徴です。
また、中途採用では業界経験の有無よりも、役割や再現性のあるスキルが評価されます。未経験や異業界出身であっても、自律的なキャリア観を示せればチャンスは十分にあるでしょう。
TISへの転職で年収アップやキャリアの質向上を目指すなら、初期段階でのポジション選定や条件整理が重要です。MyVisionでは、TISの最新求人情報や過去の決定事例をもとに、選考対策から年収交渉まで一貫して支援しています。
あなたもコンサルタントとして
働きませんか?
コンサルタントへの転職をお考えの方は、
是非MyVisionにご相談ください。
ファームとのコネクションを活かし、
あなたの理想の転職が実現するよう転職先の紹介から面接対策に至るまで、
徹底的にサポートいたします。



