M&Aコンサルタントとは?仕事内容や年収、必要なスキルを解説
2026年07月27日更新
企業の成長戦略や事業再編の手段として「M&A(企業の合併・買収)」は年々重要性を増しています。その最前線で活躍するのが、経営・財務・法務の専門知識を駆使して案件を支援するM&Aコンサルタントです。
M&Aコンサルタントは、単なる仲介役ではありません。買収・売却の戦略立案から企業価値の算定、交渉支援、統合プロセス(PMI)まで、経営の意思決定に深くかかわる高度な専門職です。
本記事では、M&Aコンサルタントの仕事内容・年収・キャリアパスをはじめ、求められるスキルや未経験からの転職方法までを詳しく解説します。金融・会計の知見を活かしたい人や、より経営に近い立場で活躍したい人は、ぜひ参考にしてください。
MyVisionでは、M&Aコンサル転職に成功した事例・実績が多数あり、面接対策なども個別に徹底サポートしています。「まずは軽く話を聞いてみたい」「非公開求人だけみたい」などの興味でも大歓迎です。是非、情報収集として気軽に活用してみてください。


著者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
プロフィール詳細を見る
監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
プロフィール詳細を見る
目次
M&Aコンサルタント・M&Aアドバイザリー(FA)の求人情報
投資・経営改革プロフェッショナル職|案件開拓から投資先の経営・成長まで
想定年収
-
勤務地
-
業務内容
① 投資案件の開拓 ・当社の既存のネットワークに加え、M&A仲介会社・金融機関等との関係を構築し、投資機会を発掘する ・候補企業の事業や経営者の意向を把握し、当社との取り組みによる成長の可能性と投資の意義を見極める ② 投資検討・企業価値向上計画の策定 ・市場・競争環境、財務・事業データ、経営陣や現場へのヒアリングを通じて、候補企業の強み、経営課題、成長余地を明らかにする ・社内外の専門家と連携してデューデリジェンス(DD)を推進し、事業性とリスクを検証する ・当社のコンサルティングの知見・専門人材を活用し、成長施策、AIの活用、必要な投資・体制、実行順序、成果指標を含む企業価値向上計画を策定する ③ 投資実行 ・DDの結果と企業価値向上計画を踏まえ、投資判断に必要な論点・条件を整理し、社内の意思決定と社外関係者との合意形成を主導する ・売り手との条件交渉、契約締結、金融機関からの買収資金の借入調達等について、関係者を取りまとめ、投資実行まで案件全体を推進する ④ 投資先の経営・企業価値向上 ・投資実行後は取締役クラスとして経営に参画し、経営陣とともに事業計画や重要施策の意思決定・実行を担う ・投資先の経営陣・現場と当社の専門人材を巻き込み、営業強化、業務改革、AI活用、組織・経営管理体制の整備等を推進する ・売上・利益・資金繰りや各施策の進捗を把握し、課題に応じて計画・体制を見直しながら、成果の実現に責任を持つ
View More
戦略コンサルタント|マネージャー~ディレクター
想定年収
-
勤務地
東京都(千代田区麹町)
業務内容
●業務内容 全社・事業戦略、成長戦略、中期経営計画、新市場参入、M&A・アライアンス、業務改革(BPR)、調達改革、収益改善などのテーマに取り組みます。職位に応じて、以下の業務をお任せします。 ・市場・競争環境や事業・財務データを踏まえた経営課題の特定、戦略の選択肢・事業性の検証と経営陣の意思決定支援 ・プロジェクト全体の論点、目指す成果、実行計画、成果指標、チーム体制の設計 ・AI・テクノロジー・営業改革の専門家との協働による、戦略・施策の具体化と実行・定着の推進 ・クライアントとの合意形成、成果物の品質、進捗・工数・リスク・採算の管理 ・メンバーや案件責任者への役割・目標の設定、業務の委任、レビュー・評価・育成 ・既存顧客への支援拡大、新たな経営課題・成長機会に応じた提案と案件の創出 ・採用、専門領域やサービスの開拓、知見・支援手法の体系化を通じた組織づくり ●職位別の期待役割 【マネージャー】 ・プロジェクト全体の論点・方針を設計し、経営層や現場責任者との合意形成を通じて、合意した成果の実現に責任を持つ ・支援を通じて新たな課題や成長機会を捉え、既存顧客への次の提案を主導する ・プロジェクトの品質・進捗・工数・リスク・採算の管理と、メンバーの評価・育成に責任を持ち、プロジェクトの成果とメンバーの成長を両立する 【シニアマネージャー】 ・クライアントの中長期の成長に向けた支援方針を具体化し、複数プロジェクトを統括して成果の実現を主導する ・経営陣との関係を深め、新たな提案や案件の創出を通じて、継続的な支援とその範囲の拡大につなげる ・マネージャーや案件責任者の育成・支援を通じて、複数のチームが継続して成果を生み出せる体制を強化する 【ディレクター】 ・自身の専門性と経営層との信頼関係を基盤に、経営課題の発掘から案件の創出・拡大までを主導する ・担当する領域の顧客基盤の拡大と売上・粗利に責任を持ち、事業の成長を推進する ・次世代リーダーの育成を主導し、知見の体系化や組織づくりを通じて、ファーム全体の専門性・ブランド・文化の発展に貢献する
View More
M&A・組織再編・経営コンサルタント/シニアコンサルタント
想定年収
800~2,000万円
勤務地
東京都(江東区)
業務内容
当社グループの事業 ・当社は「システム」「リサーチ」「コンサルティング」の3つの分野を柱に、社会に対して新たな価値を創出する総合シンクタンクです。 ・高い専門性と豊富な経験、さらに3つの機能の相互連携をもとにした付加価値の高い情報サービスを、国内外を問わず幅広い社会、業界、企業に提供しています。 採用部門 主に上場企業(多様な業種・規模)に対して、資本市場に立脚した経営コンサルティングを行っています。支援テーマ内容には、M&A・組織再編・企業価値算定、サステナビリティ経営推進、ビジョン・中期経営計画策定、コーポレートガバナンス、資本政策、人的資本等、多岐にわたります。 採用部門のミッション 企業の持続的な成長・企業価値向上を目指し、証券系シンクタンクのコンサルティング部門として、大和証券グループと連携して資本市場に立脚した支援を行うことがミッションとなります。特に足元では、M&A体制を強化し、M&A戦略およびM&Aアドバイザーの支援を拡大しています。 業務詳細 ・M&Aアドバイザリー業務・エグゼキューション (スキーム検討、契約書や文書開示等のサポート、企業価値算定、デューデリジェンスのサポート、等) ・組織再編(株式移転・会社分割・株式交換)に係る支援・エグゼキューション (スキーム検討、契約書や文書開示等のサポート、比率算定、移転資産等に係る助言、等) ・企業価値算定に係るバリュエーション業務(各方式に基づく算定・評価報告書の作成、等) ・上記に関連した他社事例等の調査
View More
資本市場戦略・株主政策コンサルタント【FAS事業部】
想定年収
700~1,000万円
勤務地
東京都
業務内容
平時における企業価値向上コンサルティング、有事(準有事)におけるアクティビスト対応コンサルティングや同意なき買収への対応まで、資本市場におけるあらゆる課題に向き合うコンサルティングをお任せします。 ・アクティビズム・リスク分析 ・株主目線からの脆弱性分析 ・バリュエーションギャップ分析 ・株主分析 ・企業価値向上コンサル ・エクイティストーリーの作成支援 ・資本市場を意識した中期経営計画の策定支援 ・事業ポートフォリオ方針の検討支援(M&A戦略含む) ・資本コスト経営の実装支援 ・IR資料の作成支援 ・ガバナンス体制の構築支援 ・アクティビスト 対応支援 ・アクティビスト情報提供 ・アクティビストの主張の分析 ・株主与野党分析 ・買収防衛策の検討支援 ・株主提案への対応支援 ・アクティビストのEXITの実行支援 ・同意なき買収 対応支援 ・提案内容の分析 ・中期経営計画の確認・更新 ・バリュエーション ・ベストパートナー分析 ・ホワイトナイトの探索(ファイナンシャルアドバイザリー) ●配属先情報 資本戦略事業本部 FAS事業部 ・配属先人数:44名 ・女性比率:約20% ・中途社員比率:約70% ・年齢構成:20代、30代、40代、50代まで幅広く在籍する組織です。 FAS事業部の中でも資本市場戦略・株主政策コンサルティングを対応する新設チームでの受け入れです。 また、当チームは経営コンサルのチームと日々協働しており、会計士、投資銀行出身者、金融機関出身者など様々なメンバーと一緒に働くことができる環境です。 仕事についての詳細 ●FAS事業部総合コンサル職用紹介資料(求職者公開OK) https://yamada-cg.app.box.com/s/es1fetmhuxmpl16jfimgbzaek8tgp6qn?sb=/boxai ●応募者様向けFAS事業部紹介動画 https://www.youtube.com/playlist?list=PLMt6ITw-2oL29229n7gZ-D7LKBZklt_kQ
View More
【福岡支社】ビジネスコンサルタント(企業成長・企業再生)
想定年収
500~1,000万円
勤務地
福岡県(福岡市)
業務内容
総合アカウンティングファームである弊社の九州エリアにおいて、 主に事業成長・再生の分野でのコンサルティング業務に携わっていただきます。 <具体的なプロジェクト内容> ①成長支援 ・中期経営計画策定(資本コスト経営視点の導入、事業ポートフォリオ再設定) ・次世代育成(理念/歩みの共有、MVVの確認) ・磨き上げ(M&A伴走、FA) ・経営管理体制構築支援(原価計算、システム連携等) ②再成長支援 ・決算分析・支援(資金繰り状況把握、現状分析、改善計画、金融機関対応) ・コベナンツヒット見込み(財務分析・事業分析・事業計画・金融機関対応) ・不採算事業/グループ会社対応(現状分析・課題と解決方針の検討) ③再生支援 ・資金ショート懸念(資金構造・実態把握・資金見通し・対応策検討) ・再建計画策定(資金繰り確認・財務/事業DD・事業計画・第三者機関対応) ・再生型M&A(財務/事業DD・スポンサー探索・第三者機関他対応) ・上記のプロジェクトを主軸として、その他複数のプロジェクトに参画頂きます。 (ご自身のスキル・経験を鑑みマネージャーとの面談のうえ) <その他プロジェクト例> ・M&Aにおける財務/税務DD、企業価値評価 ・組織再編、M&A戦略・PMI支援・IPO支援(資本政策の策定、会計制度の構築、内部管理体制の構築等) ・上場会社支援(決算開示支援等)・人事制度設計 九州エリアについて ●オフィスの雰囲気・環境 ・相談しやすいフラットな組織: 明るく活気があり、職歴や年齢に関わらず意見を言い合える風通しの良さがあります。 ・チームで育てる文化: プロジェクトは複数名のチーム制です。 OJTや定期的な1on1面談を通じて、未経験の業務も安心してスタートできるバックアップ体制を整えています。 ●データでみる福岡支社 人員構成: 38名(エリア長・支社長含む) 有資格者: 税理士 9名 / 公認会計士 9名 年齢層: 20代後半~50代前半のメンバーが活躍中
View More
M&Aコンサルタントとは?
M&Aコンサルタントは、企業の合併・買収を専門的に支援するプロフェッショナルです。経営戦略の実現に向けて、案件の企画から実行、統合後のサポートまで一貫して関与します。
ここでは、M&Aコンサルタントの定義や役割、かかわる案件の特徴、ほかの職種との違いについて詳しく見ていきましょう。
定義と役割
M&Aコンサルタントとは、企業の合併・買収において戦略立案から実行支援までを担う専門職です。単なる仲介ではなく、経営・財務・法務など多角的な視点から最適なM&Aを設計し、クライアントの成長戦略を実現する役割を担います。
具体的には、買収・売却の目的整理、候補企業の選定、企業価値評価(バリュエーション)、条件交渉、デューデリジェンス(詳細調査)など、M&Aプロセス全体を統括します。
加えて、案件成立後の統合作業(PMI)を支援することも多く、経営変革に深く関与できるポジションです。
経営層と直接やり取りする機会も多く、ビジネスの最前線で意思決定をサポートするのがM&Aコンサルタントの特徴です。専門知識だけでなく、論理的思考力やコミュニケーション力が問われる高難度な職種といえるでしょう。
案件規模とクライアント企業の特徴
M&Aコンサルタントが手がける案件の規模は、数億円規模の中小企業から数千億円に及ぶ大企業まで多岐にわたります。 所属するファームのタイプや専門領域によって、担当するクライアント層や支援内容が大きく異なります。
たとえば、大手コンサルティングファームやFAS(Financial Advisory Services)部門では、上場企業や外資系企業の大型案件を担当し、経営戦略やグローバル展開を見据えた統合支援をおこないます。
一方で、中堅・独立系のM&Aアドバイザリーファームでは、事業承継や中小企業の事業売却など、オーナー経営者に寄り添った支援が中心です。
いずれのケースでも、M&Aコンサルタントは「企業の将来を左右する意思決定」に携わる立場にあります。
企業の成長フェーズや目的に合わせ、戦略的な提案と実行力の双方が求められる点が特徴です。
投資銀行や戦略コンサルとの違い
投資銀行は資金調達を含む大型のM&A案件を中心に扱っており、資本市場と密接に関わっています。一方、戦略コンサルは全社戦略や事業戦略の立案が中心の業務で、M&Aはその中のテーマの1つです。
マッキンゼーは、戦略・コーポレートファイナンス・グループがM&A戦略の構築から実行までを支援しています。ボストンコンサルティンググループも「M&A・トランザクション・PMI」という専用ページを持ち、コーポレートファイナンス&ストラテジー・チームがM&A関連の支援をおこなっています。
M&Aコンサルタントは、こうした全社戦略の立案よりも、個々の取引そのものの実行支援に重点を置く点が特徴です。
出典:McKinsey&Company「戦略・コーポレートファイナンス」BCG「コーポレートファイナンス&ストラテジー」
M&Aアドバイザーとの違い
中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」では、M&Aの専門業者を「仲介者」と「FA(フィナンシャル・アドバイザー)」に分類しています。仲介者は譲渡側・譲受側の双方と契約し、双方から手数料を受け取りながら中立的にM&Aの成立を目指します。FAは一方のみと契約し、その依頼者にとって有利な条件を目指す点が特徴です。
「M&Aコンサルタント」という呼称がどちらに対応するかは企業によって異なります。日本M&Aセンターでは、売り手・買い手を別担当者が支援する独自の「FA体制」を採用し、この担当者を「M&Aコンサルタント」と呼んでいます。
出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」 日本M&Aセンター「M&Aコンサルタントの仕事内容」
▼戦略コンサルタントについて詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。

戦略コンサルタントとは?仕事内容・年収・向いている人を紹介
View More
M&Aコンサルタントの仕事内容
M&Aコンサルタントの業務は、単に買収や売却を仲介するだけではありません。企業の経営課題を理解したうえで、戦略立案から実行・統合(PMI)まで一貫して支援することが求められます。
M&Aの各フェーズでは、目的設定、候補先の調査、企業価値の算定、契約交渉、統合支援など、それぞれに異なる専門スキルが必要です。
ここでは、M&Aコンサルタントが担当する主な業務プロセスを段階ごとに解説します。
M&A戦略の立案と企画支援
M&Aコンサルタントは、案件の起点となる「戦略フェーズ」で企業がどの事業領域・市場で成長すべきかを具体的に設計します。 経営課題を分析し、どのようなM&Aが最も効果的かを明確にすることが目的です。
主な業務内容は次のとおりです。
- 経営戦略・中期計画の分析:既存事業の課題や成長余地を把握し、M&Aの必要性を明確化する
- 業界・競合調査:市場動向やプレイヤー分析を通じて、対象領域の成長可能性を評価する
- M&A目的の整理:新規事業参入、事業拡大、技術獲得、事業承継など、目的に応じた方針を設定する
- シナジー効果の試算:買収後の収益向上やコスト削減など、定量的な効果をシミュレーションする
- 実行計画の策定:買収手法やスケジュール、体制などを整理し、経営層へ提案する
この段階での提案の質が、案件全体の成功を左右します。M&Aコンサルタントは、経営者の意思決定を支える戦略パートナーとしての役割を担っています。
買収・売却先候補の調査(ソーシング)
M&A戦略が定まった後は、具体的な買収・売却先を探す「ソーシング」フェーズです。M&Aコンサルタントは、戦略目的に沿って最適な候補企業を抽出し、交渉可能な土台を築く役割を担います。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 候補企業リストの作成:業界データベースや独自ネットワークを活用し、条件に合致する企業をリストアップする
- スクリーニング・選定:財務状況、事業シナジー、経営体制などを分析し、優先度を整理する
- 企業へのアプローチ支援:秘密保持契約(NDA)を締結したうえで、意向確認や初期的な打診をおこなう
- トップ面談の調整:経営者同士の面談や情報交換の場を設定し、初期段階の信頼構築をサポートする
- 取引ストラクチャーの検討:株式譲渡、事業譲渡、合弁など、案件の目的に応じた取引形態を提案する
ソーシングは、M&Aプロセスのなかでも最も地道で戦略性が求められる工程です。クライアントの意図を理解し、適切な相手を見つけ出す分析力と交渉センスが、M&Aコンサルタントの成果を大きく左右します。
企業価値評価(バリュエーション)
M&Aの成否を左右する重要なプロセスが、買収・売却対象企業の価値を算定する「バリュエーション」です。M&Aコンサルタントは、財務データや市場動向をもとに、客観的で妥当な企業価値を導き出します。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 財務諸表の分析:過去数年分のPL・BS・CFを確認し、収益性・安全性・成長性を評価する
- 将来キャッシュフローの予測:今後の売上・利益・投資計画をもとに、将来の資金創出力を算定する
- 評価手法の選定・適用:DCF法、マルチプル法、類似会社比較法などを組み合わせて企業価値を試算する
- シナリオ分析の実施:複数の前提条件を設定し、リスク要因による企業価値の変動を検証する
- バリュエーションレポートの作成:算定結果と前提条件を整理し、経営層や投資家にわかりやすく報告する
バリュエーションは、財務分析力と論理的思考力の両方が問われる工程です。M&Aコンサルタントは、単に数値を算出するだけでなく、「なぜこの価値になるのか」を説明できる説得力が求められます。
デューデリジェンス(財務・法務・ビジネスDD)
デューデリジェンス(Due Diligence:DD)は、買収・売却を進めるうえで対象企業のリスクや課題を明確にする最重要プロセスです。M&Aコンサルタントは専門家チームと連携し、財務・法務・ビジネスの観点から詳細な調査を実施します。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 財務デューデリジェンス(FDD):収益構造や債務状況、キャッシュフローの実態を分析し、粉飾や過大負債の有無を確認する
- 法務デューデリジェンス(LDD):契約書・知的財産・労務関係などの法的リスクを洗い出し、コンプライアンス状況を評価する
- ビジネスデューデリジェンス(BDD):市場ポジション、競合優位性、事業モデルの持続可能性を検証する
- *リスク評価と影響分析:潜在リスクが取引価格やPMIに与える影響を定量的に整理する
- 調査結果のレポート化:各領域の専門家と内容を統合し、経営判断の材料となる報告書を作成する
デューデリジェンスは、M&Aのリスクを透明化するための工程です。ここで得られた知見は、最終契約条件の交渉や統合計画の立案にも直結するため、M&Aコンサルタントの調整力と洞察力が試されます。
契約条件交渉の支援
デューデリジェンスの結果を踏まえ、M&Aコンサルタントは買収・売却条件の交渉をサポートします。この段階では、価格だけでなく、支払い条件・株式比率・経営権の移行時期など、細かな取り決めを慎重に詰めることが必要です。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 交渉方針の策定:クライアントの目的・譲れない条件を整理し、最終合意に向けた交渉シナリオを立てる
- 価格条件の調整:バリュエーションやDD結果をもとに、買収価格・補償条項・支払いスキームを交渉する
- 契約スキームの検討:株式譲渡、事業譲渡、合併など、目的に応じた最適な契約形態を選定する
- 弁護士・会計士との連携:契約書の文言や法務・税務上のリスクについて、専門家と協議しながら精査する
- 基本合意書(LOI)・最終契約書(SPA)作成支援:取引条件やスケジュールを文書化し、署名プロセスをサポートする
契約交渉は、M&Aプロジェクトの成否を決定づける重要な局面です。M&Aコンサルタントは、双方が納得できる条件を導き出すため、論理的な根拠と調整力の双方を駆使して交渉をリードします。
PMI(統合プロセス)のサポート
M&Aの最終段階では、契約締結後に買収先と自社を統合する「PMI(Post Merger Integration)」がおこなわれます。M&Aコンサルタントは、組織や業務の仕組みを整え、買収効果を実際の業績向上につなげるための支援を担います。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 統合計画の策定:経営方針や事業目標を踏まえ、組織・人事・IT・会計などの統合方針を立案する
- 統合チームの設置支援:経営陣と現場をつなぐ統合プロジェクトチームを組成し、役割や責任を明確化する
- 業務・システム統合の推進:会計基準やITシステムを共通化し、運用効率とデータ連携を強化する
- 人材・文化の調整:組織風土や評価制度の違いを理解し、従業員のモチベーション維持を図る
- シナジー効果のモニタリング:収益向上・コスト削減などの統合効果を定量的に検証し、改善策を提案する
PMIは、M&Aの成果を実際の経営成果へとつなげる重要な工程です。M&Aコンサルタントは、経営と現場の橋渡し役として、長期的な視点で企業の価値向上を支援します。
【MyVision編集部の見解】 M&Aコンサルタントの本質的な価値は、一部の専門工程だけを担うことではなく、「経営の意思決定から実行・統合までを一気通貫で支える点」にあります。その分、財務・戦略・交渉・組織と求められるスキル領域は広く、難易度も高い仕事です。
一方で、経営に近い立場で企業変革に深く関われる経験は、ほかの職種では得がたいものです。自身の志向や強みが、この総合的な役割に合っているかを見極めることが、M&Aコンサルタントを目指すうえでの重要な判断軸となります。
▼M&Aコンサルタントの仕事について詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。

M&A業界への転職は未経験でも可能?難易度や求人情報を紹介
View More
M&Aコンサルタントの年収
M&Aコンサルタントは、コンサル業界のなかでも高い報酬水準を誇る職種です。専門知識と成果が報酬に直結するため、スキルや実績によって大きく年収が変動します。
とくに、案件の成約に応じてインセンティブが支給されるケースが多く、実力次第で同年代よりも早い段階から高収入を得ることが可能です。
ここでは、平均年収や役職別レンジ、成果報酬の仕組み、ほかの職種との比較について詳しく見ていきましょう。
平均年収と役職別レンジ
M&Aコンサルタントの平均年収は、厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」によると約903.2万円です(※)。
専門性が高く、成果が報酬に反映されやすい職種であるため、同年代の平均を大きく上回る水準といえます。
役職ごとの年収レンジは、M&A支援を中心とするFAS(Financial Advisory Services)系ファームの一例として、KPMG FASを参考にすると、以下のように推移します。
| 役職 | 想定年収レンジ |
|---|---|
| コンサルタント | 約700万~3,000万円 |
| アソシエイト | 約750万~1,500万円 |
| アドバイザリー | 約800万~3,200万円 |
| プロフェッショナル | 約850万円〜2,060万円 |
KPMG FASの全体的な平均年収は約1,200万円と、M&Aコンサルタントの平均年収よりも高い傾向があります。
役職が上がるほど、案件獲得力やチーム統率力が重視され、年収も大きく上昇します。とくにマネージャー以降は、成果連動報酬やボーナスの割合が高くなる傾向があります。
※ 参考:jobtag
▼KPMG FASについて詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです

KPMG FASとは?年収・転職難易度・仕事内容・採用情報を徹底解説
View More
企業タイプ別の年収傾向
企業タイプによって、M&Aコンサルタントの年収水準には大きな差があります。M&A仲介会社、戦略コンサルティングファーム、外資系FASの3タイプを例に、代表的な企業の年収を比較します。
| 企業タイプ | 該当企業 | OpenWork平均年収 | 回答者数 |
|---|---|---|---|
| M&A仲介会社 | M&Aキャピタルパートナーズ | 3,331万円 | 23人 |
| 戦略コンサルティングファーム | マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社 | 1,442万円 | 92人 |
| 外資系FAS | PwCアドバイザリー合同会社 | 1,090万円 | 190人 |
M&Aキャピタルパートナーズの年収が突出して高い背景には、成約実績に連動したインセンティブ制度があります。成約時に支払われる金額が大きく、上限のないインセンティブと決算賞与の2本立てで報酬が決まります。
マッキンゼーは年俸制を採用しており、基本給とパフォーマンスボーナスの組み合わせで年収が決まる点が特徴です。PwCアドバイザリーは職種によって年収差が大きく、アドバイザリー職の平均年収1,506万円に対し、アソシエイト職は781万円にとどまり、その差は725万円にのぼります。
このように、同じ企業タイプに分類される会社であっても、報酬の構成や職種による差は大きく異なります。数字だけを比較するのではなく、固定給とインセンティブの比率や、どの職種のデータが平均値を押し上げているのかまで確認したうえで判断しましょう。
インセンティブや成果連動型報酬
M&Aコンサルタントの報酬は、基本給に加えて成果連動型のインセンティブ制度が導入されているケースが多く見られます。 案件の成約やチーム目標の達成度に応じて報酬が支給される仕組みです。
主なインセンティブの仕組みは以下のとおりです。
- 案件成約ボーナス:買収・売却案件が完了した際に、契約規模や貢献度に応じて支給される
- チーム業績連動賞与:部門全体の売上・利益目標の達成率に基づき、四半期または年次で支給される
- 個人評価ボーナス:クライアント対応力や案件貢献度など、定性面の成果も加味して評価される
- 大型案件インセンティブ:取引金額が大きい案件やクロスボーダー案件などでは、特別報酬が設定されることもある
このような成果報酬制度により、優秀なコンサルタントほど年収が大幅に伸びやすい構造になっているといえます。
とくに日系M&Aアドバイザリーファームや上場企業系のコンサル会社では、成果報酬の割合が全体の30〜50%を占めるケースもあり、実力主義の色合いが強い点が特徴です。
M&Aコンサルタントは激務なのか
M&Aコンサルタントは、一般的に「激務」といわれることの多い職種です。実際、案件の進行状況やフェーズによっては、長時間労働になりやすい側面があります。
とくに、デューデリジェンスや契約交渉の終盤では、短期間で大量の資料確認や調整が発生し、業務負荷が一時的に高まる傾向です。
一方で、常に過酷な働き方が続くわけではありません。案件の立ち上げ期や検討段階では比較的スケジュールに余裕があり、業務量に波があるのが実情です。
また、近年は働き方改革の影響もあり、深夜・休日稼働を前提としない体制づくりを進めるファームも増えています。
激務と感じるかどうかは、担当する案件の規模や役割、所属ファームの文化によって左右されます。高い集中力と責任が求められる分、経営の意思決定に深くかかわれる点は大きな魅力です。
負荷とやりがいのバランスをどう捉えるかが、この仕事に向いているかを判断するひとつの基準といえるでしょう。
繁忙期の働き方
M&Aコンサルタントの仕事は、案件ごとに関わる相手や規模が異なり、進行状況によって業務量が変動しやすいという特徴があります。特にクロージングが近づく時期は、資料作成や関係者間の調整に時間を要する場面が多く、期日に合わせた対応が求められます。
デューデリジェンスやトップ面談の日程調整など、複数の関係者のスケジュールを同時に管理する必要がある工程では、通常期よりも業務が集中しやすくなります。
一例として、日本M&Aセンターの採用サイトで紹介されている社員の1日は、午前中に顧客訪問、昼休憩を挟んで15時に帰社、その後の打ち合わせを経て事務作業をおこない、20時30分ごろに退社する流れとなっています。
出典: 日本M&Aセンター「M&Aコンサルタントの仕事内容」
仕事のやりがいと大変さ
M&Aコンサルタントの仕事は、企業の合併や買収という重要な決断に関わるため、成約に至るまでの過程で大きな責任を背負う場面が多くあります。買い手と売り手はそれぞれの立場で人生をかけた決断をしており、その間に立って利害を調整することが役割であるため、精神的な負荷が大きいです。
また、業務量が案件の進行状況に左右されやすいことから、資料作成や関係者との打ち合わせが重なる時期には、拘束時間が長くなり、体力的な負荷を感じやすい場面もあります。
仕事の負荷が大きい一方で、成約を迎えたときの達成感や、経営者から直接感謝を伝えられる機会の多さが、この仕事ならではのやりがいにつながります。
M&Aコンサルタントに求められるスキル
M&Aコンサルタントの仕事は、企業の合併や買収という重要な意思決定に関わるため、専門知識だけでなく実務的な対応力も欠かせません。財務諸表を読み解く力や法務に関する基礎知識はもちろん、買い手と売り手の間に立って調整を進める交渉力も求められます。
また、複数の案件を同時に進行させることも多く、期日をふまえながら関係者を巻き込んでいく力も必要です。ここでは、その中でもとくに重要とされる2つの領域を紹介します。
財務分析力と法務知識
日本M&Aセンターでは、簿記2級の取得が正社員登用の条件とされており、入社後の研修でも簿記2級の模擬試験や法務テストが実施されます。あわせて税務、会計、人事に関する研修も用意されており、幅広い実務知識を段階的に身につける仕組みです。
アドバイザリー契約を締結する際には、社内資格を持った説明者が契約の重要事項を説明する決まりがあり、法務・契約に関する正確な理解も業務の一部として求められます。財務諸表を読み解く力や契約に関する基礎知識は、研修と実務を通じて段階的に磨かれていく領域です。
出典: 日本M&Aセンター「M&Aコンサルタントの仕事内容」
交渉力とプロジェクトマネジメント能力
M&Aコンサルタントの仕事では、譲渡企業と譲受企業という異なる立場の当事者の間に立ち、双方が納得できる着地点を見つける交渉力が欠かせません。
基本合意の締結後には、買収価格やスキーム、役員・従業員の処遇といった具体的な条件をすり合わせていく必要があり、双方の意向を汲み取りながら現実的な落としどころを探る調整力が求められます。
また、M&Aは戦略立案からクロージングまで多くの工程を経るため、案件全体の進捗を管理するプロジェクトマネジメント能力も重要です。デューデリジェンスの段階では、必要な資料の準備や質疑応答のスケジュール調整をおこないながら、期日までに手続きを終える必要があります。
複数の案件を同時に抱えることも多く、関係者ごとに異なる事情やスケジュールを把握しながら、計画的に物事を前に進めていく力が実務のなかで自然と鍛えられていきます。
M&Aコンサルタントへの転職で活かせる資格
M&Aコンサルタントに、必須の資格はありません。 しかし、専門知識を体系的に学び、クライアントからの信頼を得るうえでは、関連資格の取得が大きな強みとしてアピールできます。
とくに、財務分析・経営戦略・法務の3領域はM&A実務と密接にかかわっており、それぞれに対応する資格を持っていると、案件対応力が高まりやすいです。
ここでは、M&Aコンサルタントとしての専門性を高めるうえで「あると有利な資格」を分野別に紹介します。
財務・会計スキルを証明できる資格
M&Aコンサルタントにとって、最も基礎となるのが財務・会計の知識です。
企業価値評価や財務デューデリジェンスなど、数字を正確に読み解く力が求められるため、財務スキルを客観的に示せる資格は大きなアドバンテージといえます。
代表的な資格は以下のとおりです。
| 資格 | 概要 |
|---|---|
| 公認会計士 | 財務諸表の分析やデューデリジェンス業務に直結し、FAS(財務アドバイザリー)部門では重視される |
| 日商簿記1級・2級 | 会計処理や財務構造の理解に役立ち、実務の土台を固める基本資格として評価が高い |
| 証券アナリスト(CMA) | 企業価値評価や投資判断に関する知識を体系的に学べ、バリュエーション業務に活かしやすい |
これらの資格は、M&A実務における「定量的な判断力」を養ううえで有効です。資格を通じて得た知識をベースに、経営や戦略視点を組み合わせることで、より説得力のある提案ができます。
経営・戦略の理解を深める資格
M&Aコンサルタントは、財務分析だけでなく、企業の成長戦略を描く力も求められます。
経営全体を俯瞰し、事業ポートフォリオの再構築やシナジー創出を提案するためには、経営理論や戦略策定の知識を体系的に学ぶことが有効です。
代表的な資格は以下のとおりです。
| 資格 | 概要 |
|---|---|
| 中小企業診断士 | 経営戦略、組織、人事、財務など幅広い分野を網羅。中堅・中小企業向けのM&A支援に有用 |
| MBA(経営学修士) | グローバル企業の経営戦略やリーダーシップを体系的に学べる。外資系コンサルや上流案件での評価が高い |
| 経営戦略修士 | 国内MBAの一種で、実務家教員によるケーススタディを通じ、経営判断力を実践的に養える |
これらの資格を持つことで、財務分析にとどまらず、経営課題を総合的に捉えた提案ができます。
とくにマネージャー以上を目指す段階では、経営視点を身につけることが大きな差別化につながります。
法務・ビジネス実務に役立つ資格
M&Aでは、契約交渉やデューデリジェンスなど、法務の知識が欠かせない局面が数多く存在します。
法的リスクを理解し、適切な助言をするためには、基礎的な法律知識を身につけておくことが重要です。
代表的な資格は以下のとおりです。
| 資格 | 概要 |
|---|---|
| ビジネス実務法務検定 | 企業法務の基本を体系的に学べる。契約書の読み解きやリスク管理など、M&A実務に直結する知識を習得できる |
| 行政書士 | 会社法や契約関連の法務知識を有し、登記や契約書作成などの法的手続きに強みを持つ |
| 弁護士資格(司法試験合格) | 法的リスクの評価や契約交渉を自ら主導できる高度資格。法務デューデリジェンス領域で有利 |
M&Aコンサルタントは弁護士ほどの法的専門性を求められるわけではありませんが、契約や法規制の基本を理解していることが、クライアントとの信頼構築につながるケースは多いです。
ビジネス実務レベルでも法務知識を習得しておくと、交渉や報告書作成の精度を高められます。
M&Aコンサルファームの大手企業
M&Aコンサルタントとして働く場合、勤務先の候補は仲介会社だけにとどまりません。戦略コンサルティングファームやFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)会社など、M&A関連の業務を手がける企業は複数のタイプに分かれています。
企業によって契約形態や報酬体系、担当する業務範囲が異なるため、それぞれの特徴を把握したうえで転職先を検討することが大切です。ここでは、代表的な3つのタイプの企業を紹介します。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、譲渡企業と譲受企業の双方と契約を結び、中立的な立場でマッチングから成約までを支援する会社です。転職先の候補としても人気が高く、なかでも東証プライムに上場する3社は、業界内での知名度や実績の面で代表的な存在といえます。まずは各社の会社概要を比較し、その特徴を確認していきます。
| 企業名 | 設立 | 事業内容 |
|---|---|---|
| M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 | 2005年10月 | M&A関連サービス事業 |
| 株式会社日本M&Aセンター | 1991年4月25日 | M&A仲介、PMI支援、企業評価の実施、上場支援、MBO支援など |
| 株式会社ストライクグループ | 1997年7月 | M&Aの支援 |
M&Aキャピタルパートナーズは、中堅・中小企業の事業承継型M&Aに特化した完全独立系の仲介会社です。日本M&Aセンターホールディングスは、傘下の事業会社である日本M&Aセンターを通じて、M&A仲介にとどまらずPMI支援や企業評価、上場支援など幅広いサービスを提供しています。
ストライクグループは、事業会社である株式会社ストライクを通じてM&A仲介をおこなっており、日本で初めてのインターネットM&A市場「SMART」を運営している点が特徴です。同グループは2026年4月に持株会社体制へ移行し、株式会社ストライクグループが発足しています。
出典:M&Aキャピタルパートナーズ「事業内容」 日本M&Aセンター「会社概要」 ストライクグループ「会社概要」
▼M&Aキャピタルパートナーズについて詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。

M&Aキャピタルパートナーズの評判|働き方・年収・向き不向きまで徹底解説
View More
戦略コンサルティングファーム
戦略コンサルティングファームのなかにも、M&A戦略の立案から実行支援までを専門領域として掲げる企業があります。世界的に知られる3社について、公式サイトの情報をもとに事業内容を紹介します。
| 企業名 | 設立 | 事業内容(M&A関連) |
|---|---|---|
| マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1926年 | M&A戦略、候補企業の選定、デューデリジェンス、取引実行、統合計画・実行などを支援 |
| ボストンコンサルティンググループ | 1963年 | M&A戦略、トランザクション、カーブアウト、デューデリジェンス、PMIなどを一貫して支援 |
| ベイン・アンド・カンパニー | 1973年 | M&A戦略の策定、デューデリジェンス、取引後の統合・価値向上までを支援 |
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、日本において戦略・コーポレートファイナンス・グループを持ち、M&A戦略の構築から実行までを支援しています。
ボストンコンサルティンググループの日本オフィスは1966年に開設されており、外資系コンサルティングファームとして初めて日本に進出した企業です。同社はコーポレートファイナンス&ストラテジーのチームを中心に、M&A・トランザクション・PMI領域を専門としています。
ベイン・アンド・カンパニーも、M&A戦略の策定からデューデリジェンス、統合支援までを幅広く手がけています。
出典:McKinsey&Company「戦略・コーポレートファイナンス」 BCG「コーポレートファイナンス&ストラテジー」 Bain&Company「企業買収、合併(M&A)」
FASやアドバイザリー会社
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)会社は、会計事務所グループの一員として、M&Aや事業再生、企業戦略の策定など幅広い領域を手がけています。ここでは、Big4と呼ばれる大手会計事務所系のうち、3社のFAS部門を紹介します。
| 企業名 | 事業内容 |
|---|---|
| 合同会社デロイト トーマツ | M&A、クライシスマネジメント、イノベーションを主要領域とするファイナンシャルアドバイザリー |
| PwCアドバイザリー合同会社 | M&A、事業再生、インフラの3領域を中心とするディールアドバイザリー |
| 株式会社KPMG FAS | M&Aや事業再生を支援するディールアドバイザリー業務、経営戦略の策定と実行を支援するストラテジー業務 |
合同会社デロイト トーマツ(旧デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)は、150を超える国と地域に展開する現地チームと連携しながら、戦略立案からPMIまで一気通貫のサポート体制を構築しています。
デロイト トーマツ コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリーの3社は2025年12月1日付で合併し、社名は「合同会社デロイト トーマツ」に変更されています。
PwCアドバイザリー合同会社は、PwCの日本におけるメンバーファームとして、世界のグローバルネットワークと連携しながら企業の重要な経営判断を支援しています。
株式会社KPMG FASは、KPMGインターナショナルのメンバーファームです。ディールアドバイザリー業務のほか、経営戦略の策定と実行を支援するストラテジー業務も手がけています。なお、KPMGジャパンはアドバイザリー領域を統轄する「KPMGアドバイザリーホールディングス株式会社」を設立し、2025年12月1日付で事業を開始しています。
出典:デロイト トーマツ グループ「コーポレート ファイナンシャルアドバイザリー」 PwC Japanグループ「ディールアドバイザリー」 KPMGジャパン「KPMG FAS」
未経験からM&Aコンサルタントを目指すには
M&Aコンサルタントは専門性の高い職種ですが、未経験からの転職も十分に可能です。実際、営業職や金融機関、経営企画など異業種出身で活躍している人も多く、これまでの経験を活かしながらキャリアチェンジできます。
重要なのは、M&A業務に必要な基礎知識を身につけ、数字や経営に強い姿勢を示すことです。
ここでは、未経験からM&Aコンサルタントを目指す際に押さえておきたい準備のポイントや、転職を成功させるための具体的なステップを解説します。
転職に有利な経験
未経験からM&Aコンサルタントを目指す場合、まずは基礎知識と実務理解を固めることが重要です。M&A業界では即戦力が求められるため、事前準備の質が転職成功の大きな分かれ目といえます。
押さえておきたい準備のポイントは以下のとおりです。
- M&Aの基礎知識を学ぶ:M&Aの流れや主要用語(バリュエーション、デューデリジェンス、PMIなど)を理解しておく。書籍や入門講座、オンライン講座を活用すると効果的
- 財務・会計の基礎を習得する:簿記や財務三表の読み方、企業価値評価の仕組みを学び、数字を扱う力を身につける
- 論理的思考力とビジネス文章力を鍛える:提案資料や分析レポートの作成力は、選考や実務で高く評価される
- 志望動機を具体化する:なぜM&Aにかかわりたいのか、どんなスキルを活かせるのかを言語化しておくことで、面接時の説得力が増す
これらを事前に準備しておくことで、未経験でも「基礎を理解しており、吸収力がある人材」として好印象を与えられます。
とくに、財務知識とビジネス感覚をバランスよく磨いておくことが、転職成功のポイントです。
転職難易度と対策のポイント
M&Aコンサルタントへの転職は、専門性と高いコミュニケーション力を兼ね備える必要があるため、中途採用市場でも難易度は高めです。
一方で、営業職や金融、経営企画など、数値分析や折衝経験を持つ人材はポテンシャル採用の対象とされています。
転職を成功に導くための突破ポイントは以下のとおりです。
- 職務経歴のなかで「成果を数値化」して伝える:営業実績や改善効果など、数値ベースで成果を示すと評価されやすい
- クライアント折衝や経営層対応の経験を強調する:顧客との信頼構築力をアピールできると即戦力として見られる
- 志望動機を「成長支援」「経営課題解決」などM&A目的に結びつけて語る:業務理解が深い印象を与えられる
- 面接での学習意欲を具体的に示す:「簿記を学習中」「M&A関連書籍を読んでいる」など、成長意識を数値や行動で伝える
- 専門エージェントを活用して対策を練る:選考傾向や非公開求人を把握し、キャリア戦略を具体化する
このように、知識よりも「どう活かせるか」「どう伝えるか」が突破のポイントです。
実績や姿勢を定量的に伝えることで、未経験でも高い評価を得られます。
【MyVision編集部の見解】 未経験からM&Aコンサルタントを目指すうえで最も重要なのは、「知識の有無」ではなく、「どの経験をM&Aの文脈で活かせるかを具体的に説明できること」です。
M&Aは専門性が高い分、即戦力志向が強い領域ですが、実際の選考では完璧な知識よりも、数字への向き合い方や経営課題への関心、学習姿勢が重視される傾向があります。
そのため、自己流で準備を進めるよりも、M&A領域に精通した転職エージェントやキャリアアドバイザーを活用し、自身の強みをどう打ち出すべきかを整理することが有効です。
第三者の視点を取り入れることで、未経験でも説得力のある転職ストーリーを描きやすくなるでしょう。
▼未経験からコンサルへの転職について詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。

【2026年8月最新】コンサルへの転職は未経験でも可能?年代別難易度も紹介
View More
M&Aコンサルタントのよくある質問
ここでは、M&Aコンサルタントを目指す際によくある質問を紹介します。
Q.未経験でもM&Aコンサルタントになれますか
財務の基礎理解と論理的思考力を前提に、「数値で語れる成果」や「関係者を動かした経験」を具体例で示せると評価されます。
Q.M&Aコンサルタントの年収はなぜ高いのですか
M&Aコンサルタントは年収が高い理由は、案件金額が大きく、経営判断への影響度が高いためです。
専門性と成果が報酬に反映されやすく、役職が上がるほど年収レンジも広がる傾向にあります。
Q.M&Aコンサルタントは本当に激務ですか
例であげると、日本M&Aセンターの月間平均残業時間は71.1時間、有給休暇消化率は45.3%です。
案件の進行状況によって業務量が変わりやすく、クロージング前後は対応に時間を要する傾向があります。
一方で、成果に応じたインセンティブ制度が整っている企業も多く、働き方と報酬のバランスは企業ごとに確認する必要があります。
Q.資格がなくても転職できますか
M&Aコンサルタントとして働くために必須の資格はありません。
弁護士や公認会計士、税理士といった国家資格は、契約書作成や財務・税務デューデリジェンスなど特定の業務を担当する場合に必要とされますが、M&Aコンサルタント自体に法律上必須の資格要件はない、という位置づけです。
資格がなくても、営業経験や財務知識、交渉力といった実務スキルを示せれば、選考のなかで評価対象となります。
まとめ
M&Aコンサルタントは、財務・法務・経営などの幅広い専門知識を駆使し、企業の成長や再編を支援するプロフェッショナルです。
案件ごとに状況が異なるため、高い分析力や交渉力、そしてタフな精神力が求められますが、その分大きなやりがいと高収入が得られる職種でもあります。
未経験から挑戦する場合でも、財務・会計の基礎を身につけ、ビジネスへの関心や学習意欲を示すことでチャンスを掴むことが可能です。
とくに会計・金融・営業などのバックグラウンドを持つ人は、経験を活かしてスムーズにキャリアチェンジできる傾向があります。
MyVisionでは、FAS系やM&Aアドバイザリーファームなど、ハイクラス層に特化した求人を多数保有しています。
M&Aコンサルタントとしてキャリアを築きたい人は、ぜひMyVisionの転職支援をご活用ください。専門コンサルタントが、あなたの経験や希望に合った最適なキャリアプランをご提案します。

