FAS系コンサルファームへの転職 メリットや注意点を事例をもとに解説
2023年10月31日更新
近年、転職市場で人気を集めているコンサル業界ですが、その中でもFAS系コンサルティングファームは非常に人気のファーム群です。日本では2000年代以降、大手企業を中心にM&Aの件数が拡大し、2010年代には中小企業でもM&Aが当たり前に行われるようになりました。M&A案件などの増加に伴い、Big4系のFASを中心に積極的な採用が行われており、中には最終選考まで一日で行う1day選考会なども開催されています。
弊社では、FAS系ファームへの転職支援を積極的に行っております。特に、FAS系ファーム未経験からFAS系ファームへの転職を検討されている方は是非参考にしてください。
監修者
大河内 瞳子
Okochi Toko
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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目次
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FAS系ファームへの転職
未経験からFAS系ファームに転職できるか
結論から申し上げると、財務・ファイナンス領域での実務経験があれば、FAS系ファームへの転職は可能です。
近年は各FAS系ファームでも積極的な採用活動を行っており、以前と比べてFAS系ファーム未経験者の採用も積極的に行っている状況です。
また、FAS系ファーム未経験者であっても、求められるスキルである「論理的思考力」「コミュニケーション能力」の有無といった、FAS系ファームで働く上での適正を重視する傾向が高まっています。そのため、上記のスキルの素養を有することが証明できれば、採用のチャンスは十分にあります。
近年、FASではM&A案件などの増加に伴い、Big4系のFASを中心に積極的な採用が行われており、中には最終選考まで一日で行う1day選考会なども開催されています。FAS業界への転職に興味のある方は、まずは転職エージェントなども活用しながら、選考情報をこまめにチェックすることをおすすめします。
また、FASへの転職については金融業界の経験が必要と思われがちですが、実は未経験からの転職も積極的に行われています。そこで今回はFASに興味のある方向けに、FASの仕事内容や働き方といった基本的な情報から、実際のプロジェクト事例、その後のキャリアパスまで網羅的にご説明したいと思います。
本記事を読んでいただければFASについて全体のイメージをつかんでいただくことができると思います。また、弊社MyVisionは、業界未経験からFAS業界への転職も数多く支援しております。FAS業界に興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。
FAS系コンサルの転職、中途採用トレンド
FAS系ファームでは、クライアント企業のM&A案件の増加による影響で、各ファームとも案件が増加し、体制強化を図っています。それに伴い、中途採用者を積極的に受け入れています。
FAS系ファーム経験者だけでなく、公認会計士、商社(投資部門)・事業会社、金融機関、投資銀行・ファンド、コンサルファームといった、ファイナンシャルアドバイザリー業務の領域と親和性のある方々への採用ニーズは高い状況が続いています。
また昨今では、財務領域だけでなく、大手FASの場合、PMIにおけるシステム周りのポジションとしてIT経験者を採用するケースもあります。
人気のFAS系コンサルの採用状況について
続いて、FAS系ファームとして特に人気のある、PwCアドバイザリー、KPMG FAS、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)など、Big4を中心とした、FAS系ファームの採用状況について解説します。
各ファームとも具体的な中途採用人数は公表していませんが、これらのファームでの採用状況は活発化しております。
クライアント企業のM&A案件の増加や官民連携によるファンド設立・支援の支援依頼など、従来のファイナンシャルアドバイザリー業務と比較して、案件の種類が多角化しております。
それに伴って、Big4では、近年設立されたM&Aの戦略部門の他、従来のコーポレートファイナンス、バリュエーション、トランザクションサービスや、フォレンジック(不正調査・係争分析)に加え、特に公共領域においてPPP・PFIアドバイザリーを中心に展開するパブリックセクターの各部門が採用を強化しています。
独立系ブティックファームは、全体的に人材不足の傾向が続いています。Big4同様にM&Aアドバイザリーでニーズがあるほか、引き続き中堅・中小企業の再生領域において、公認会計士など高いレベルの知見を有する人材の採用を積極的に行っています。
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FAS系コンサルに転職するメリット
FAS系のコンサルティングファームに転職された方の声を中心し、転職することで得られるメリットを解説します。
ここでは以下のメリットについて解説します。
- 企業経営の中枢に関与できる
- 経営者・CxOと仕事を共にできる
- 財務周りの専門性を会得できる
- キャリアの選択肢が拡大する
企業経営の中枢に関与できる
クライアント企業の中枢に携われることは、FAS系ファームで働くメリットの1つです。
FAS系ファームが担当する財務領域は、経営の根幹であり、企業の将来性に大きな影響を与えます。例えば、M&Aの結果による企業の業績や、企業再生に成功して再び復活するか、倒産するかなど、企業の将来は、FASのサービスによって大きく左右される可能性もあります。
FASの仕事は、企業並びに従業員の将来を担うものであり、成功の喜び・やりがいは非常に大きいです。
経営者・CxOと仕事を共にできる
経営の中枢に関与するため、社長、CFOを中心とした経営陣をカウンターパートに仕事を進めます。
そのため、成果物やサービスの品質は高いレベルを求められる一方、若い年齢からでも経営者に近い視点で仕事をすることができ、全社的かつ長期的な視点を会得することができます。
財務周りの専門性を会得できる
FAS系ファームは財務領域の専門家が集まった組織であり、特定の領域のプロジェクトに取り組むことで、その分野でにおける高い専門性を会得することが可能です。特定領域の第一人者として、将来的には、ファームのパートナー・マネージャーに昇進するだけでなく、事業会社(経営企画・M&A・経理部門)やベンチャーのCFO・経営企画、または公認会計士など士業として独立するキャリアパスもあります。
キャリアの選択肢が拡大する
専門性と重複する内容もありますが、財務領域の専門家としてのキャリアパスが拡大します。FASだけでなく、同業他社(他のBig4系のFAS)、コンサルファーム、事業会社(経営企画・M&A・経理部門)、ベンチャーのCFO・経営企画、投資銀行・PEファンドへの転職が可能になります。
また公認会計士など、士業としての独立する道もあります。その場合、FAS系ファームでの勤務経験があれば、監査業務だけでなく、ファイナンシャルアドバイザリーも行えるので、よりコンサルティングの幅が広がります。
このように転職の際、選択肢が増えるため、キャリア構築の選択肢が増加することもメリットの一つです。
FAS系ファームに転職することの苦労
精神的なプレッシャーが大きいこと
FAS系ファームが扱うM&Aや企業再生といったテーマは、経営上重要なアジェンダであり、企業の将来に大きな影響を与えます。時には経営陣の交代、人員整理、倒産などが発生する可能性もあります。そのため、クライアント企業はFASに対する品質要求が厳しくなり、プレッシャーも増加します。
またFASの成果物の一つに財務数値がありますが、金額・数値を扱う仕事ゆえ、特に株価計算や税務ロジック設計の業務では、ケアレスミスやロジックエラーがクライアントに甚大な損失を与える可能性があります。
労働時間がハードなこと
FAS系ファームに限らず、コンサル業界はクライアントの要望に応えるために、限られたスケジュールの中で質の高いアウトプットを継続して提示する必要があります。そのため、時には長時間労働や、厳しい納期が求められます。
しかし、そのような厳しい環境を乗り越えて、プロジェクトをやり遂げたときの達成感に大きなやりがいや、成長の実感に魅力を感じるコンサルタントも多くいます。
一方、労働時間についても、以前より改善がされてきています。また、他のコンサルファームと比較して、クライアントの決算時期前後に案件が集中することもあり、繁忙期と閑散期の差が激しいです。そのため、閑散期に長期休暇を取得しやすい傾向にあります。
専門分野の恒常的なキャッチアップが必要なこと
FAS系ファームに限らず、コンサルファームは各分野の専門家が集まった組織であり、特定の分野において高い専門性を会得し、常にアップデートする必要があります。
公認会計士やUSCPAなどの専門資格の勉強を始めとして、社内の勉強会、専門書籍や情報誌、学会・研究会の発表、海外の最新事例、時には他ファームの発表など、あらゆる情報源にアンテナを立て、自発的に情報を収集し、知識をアップデートすることが求められます。
FAS系コンサルタントの概要
ここまでFAS系ファームの採用動向や転職に関するメリット、転職後に苦労することを紹介しました。続いて、FAS系ファームとはどのような組織であるのかについて、ご説明します。
FAS系コンサルとは
FASの正式名称は、「Financial Advisory Services」であり、企業の財務・会計に関するコンサルティングサービス、またその業務を提供するコンサルティングファームです。近年では後継者不在や企業の統廃合の問題でM&Aが活性化しており、FASへの依頼も増加しています。
FAS系ファームの代表企業としてはデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)、PwCアドバイザリー、KPMG FAS、EYストラテジー・アンド・コンサルティングです。これらは世界4大会計事務所(BIG4)のグループファームという特徴があります。
FAS系コンサルファーム 企業紹介(代表例)
以下のファームリストは、グローバルで代表的なFASの企業一覧になります。
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー (DTFA)
- PwCアドバイザリー
- KPMG FAS
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ
- エスネットワークス
- フーリハン・ローキー(旧GCA)
- プルータス・コンサルティング
FAS系コンサルタントの年収
FAS系ファームはコンサルティングファームと同様、他の業種と比べて比較的高収入であると言われています。下記はFAS系ファームの役職別の一般的な年収となります。
給与の内訳は、ベース給与と賞与(ボーナス)です。ベース給与は役職ごとにある程度固定で決められています。賞与は、おおよそ固定給の10%〜30%ほどで、その年の個人のパフォーマンスやファームの業績によって決まります。
FASは昇給スピードが一般的な企業と比べるとかなり早く、早い方は20代のうちに年収1,000万円を超えます。自身の能力や結果に応じて昇進スピードが決まるため、実力に応じた年収増を目指せる環境となっています。
FAS系ファームは昇給スピードが一般的な事業会社と比較するとかなり早く、早い方は20代のうちに年収1,000万円を超えます。自身の能力や結果に応じて昇進スピードが決まるため、実力に応じた年収増を目指せる環境となっています。
FAS系コンサルタントの仕事内容
FAS系ファームのメイン業務はM&Aに関するクライアントの支援です。M&A関連業務は、「M&A戦略」「デューデリジェンス(DD)」「バリュエーション」「PMI」といったプロセスに分類され、各ファームごとにそれぞれの領域に専門のチームを有していることが多いです。
また、M&A以外のFASの業務としては「企業再生支援」「フォレンジック(不正調査・係争分析)」「インフラ/PPP」の3つが代表的なものとしてあります。各領域に対応した組織を持つことで、より専門的なアドバイザリーサービスを提供できることがFASの強みです。
M&Aを支援を含めたFASの代表的な業務は下記になります。
M&A支援(M&A戦略・DD・バリュエーション・PMI)
クライアント企業のM&A戦略から、投資対象企業の価値やリスクなどの調査(DD)、企業価値評価(バリュエーション)、M&A後の統合プロセス(PMI)までを支援
戦略から実行までの管理・交渉面をサポートするFA/M&Aアドバイザー業も担う
企業再生支援
クライアント企業の収益性やリスク、成長性等を分析し、財務面・事業面の双方から企業再生を支援す
フォレンジック(不正調査・係争分析)
不正の予防・早期発見・対処(不正調査・危機対応・訴訟・仲裁支援等)など、不正・不祥事に関するアドバイザリー業務を担う
インフラ/PPP
インフラ関連事業やPPP/PFI(官民連携)プロジェクトに対する支援を行う
FAS系コンサルタントのキャリアパス
FAS系ファームで働くことの魅力の一つにキャリアパスの拡大があります。FAS系ファームは企業の財務・会計やM&Aの領域で幅広い案件を担当しており、財務・会計やM&Aに関するコンサルティングに関する多くの実務経験や実績を積むことが可能です。
FAS系ファームは案件の幅も広く、M&Aだけでも、M&Aアドバイザリー(バイサイド、セルサイド)、デューデリジェンス(財務、ビジネス、ITなど)、バリュエーション、PMIなどが存在します。そのため、コンサル後のキャリアは一括りにできませんが、おおむね下記に分類されます。
- 同業他社(他のBig4系のFAS)への転職
- コンサルファームへの転職
- 事業会社(経営企画・M&A・経理部門)への転職
- ベンチャーのCFO・経営企画への転職
- 投資銀行・PEファンド
- 独立/起業
同業他社(他のBig4系のFAS)への転職
総合コンサルと同様で、他の領域のテーマにチャレンジしたい場合が多いです。他にも、在籍しているファームで上のポストが空いていない等の理由から、役職や年収を上げるために転職する場合もあります。
コンサルファームへの転職
M&Aアドバイザリーの中のデューデリジェンス(DD)やPMI、または企業再生を経験し、戦略/総合コンサルファームで同様のサービスを提供する部門へ転職する場合もあります。
事業会社(経営企画・M&A・経理部門)への転職
ファイナンシャルアドバイザリーの経験や財務領域の知見を活用し、事業会社の経営企画部門などに転職する場合もあります。自社の投資部門の中で戦略を立て、ロングリストやショートリスト(M&Aによってシナジーが想定される企業をリストアップしたもの)を作成する企業も増加しており、その際に、M&A経験者を採用する場合もあります。また業務面だけでなく、WLBの改善を目的に転職される方も多いです。
ベンチャーのCFO・経営企画への転職
事業会社への転職と類似していますが、ベンチャー企業のCFOとして、より企業経営の根幹に携わる場合もあります。
投資銀行・PEファンド
前提として、投資銀行・ファンドへの転職例は少ないです。
投資銀行の場合、PMIの知見や、業務の共通項であるバリュエーションを経験した方が転職するパターンがあります。投資銀行ではPMIの業務は行っていませんが、M&Aの戦略を考える上で、シナジーを発揮できるかを検討する際に、PMIの経験があるとよいです。
ファンドの場合、「事業再生をしたくてFASに入社したが、ハンズオン型での実行支援ではなく、株式を取得して経営に入り込む形で再生に携わりたい」と思う方がPEファンドを目指す場合があります。また、M&Aアドバイザリー業務を経験するうちに、「もっと経営に携わりたい」と感じ、PEファンドに転職する場合もあります。
独立/起業
公認会計士として、自ら独立して会計事務所を開く例も多くみられます。その他にも、フリーランスのM&Aアドバイザリーとして独立や起業をする人もいます。後者の場合、古巣のFAS系ファームと業務委託契約を結ぶこともあります。
FAS系コンサルへ転職するため素養
FAS系ファームへの転職は非常に人気ではありますが、その採用難易度は高く、一筋縄ではいきません。転職を成功させるには、一定の適性や能力が必要となります。
FAS系コンサルに求められるスキル
論理的思考力・コミュニケーション能力
「論理的思考力」や「コミュニケーション能力」はFAS系ファームで働く上で、最も重要なスキルの一つです。面接でもこの2点を重視する傾向があります。
「論理的思考力」はビジネス上の問題を解決するために重要です。FAS系ファームでは、M&AやDD、PMIなど、財務領域におけるクライアントの経営課題を発見し、解決方法を提案します。クライアントの本質的な課題を見極め、的確なアプローチを取ることが要求されます。本質的な課題を見極めるには、仮説を立てて検証を行うことを繰り返して行う必要があります。その過程において、複雑な事象を要素に分解し、因果関係を明らかにしながら関連付けて考える論理的思考力が重要になります。
また、「コミュニケーション能力」は、クライアントやチームメンバーと良好な関係性を保つために非常に重要です。FAS系ファームは、クライアントの経営層や担当者とのコミュニケーションを通じて、財務領域に関する顧客の課題やニーズを明確にし、財務に関するコンサルティングを提供する必要があります。
M&Aは人員整理など非常にセンシティブな業務が多く、クライアントとのコミュニケーションには常に緊張感があります。相手の心情を探りながらも、納得感を持って受け取ってもらえるように伝え、実行する力は非常に重要です。他にも、業務を進めていく上ではタフな交渉が必要になる場面もありますので、交渉力も必要とされます。
財務領域関連の専門知識
FAS系ファームはM&Aを中心とした財務領域の全体的な知識が必要です。特に、財務に関する専門知識や企業分析・企業評価のスキルは必須です。米国公認会計士(USCPA)や公認会計士資格保有者は高く評価される傾向があります。また、前職が事業会社の場合、経営企画・財務部門における、財務業務の実務経験が評価される傾向にあります。
財務領域関連の実務経験
第二新卒枠など、未経験者の募集を積極化させているFAS系ファームですが、財務領域に関する業務の実務経験者は、採用で有利になる傾向があります。
特にBig4のFASはチームが細分化されており、中堅や独立系FASコンサルと比べると各部門において選考基準や求められる人材像も具体的になります。そのため、チームの人材にフィットする経歴を持つ候補者の選定を重要視します。
バックグラウンド別にFASコンサルに転職される方の特徴を下記に紹介します。
バックグラウンドごとの素養の特徴
公認会計士
FAS系ファームへの転職で最も多いターゲット層は公認会計士です。監査業務での経験と会計知識はM&Aに親和性が高く、M&A経験がなくとも採用されるケースが多いです。
会計士についてはグループ内でFASへ異動するというパターンもありますが、希望が叶う方も多くはなく、他ファームへと転職される方が多いです。
商社(投資部門)・事業会社
商社の投資部門や、大手事業会社の財務・経営企画の業務経験がある方、またはM&A関連のプロジェクトを経験された方は積極的に採用されるケースが多いです。
金融機関
マーケット部門出身者は、フォレンジック(不正調査・係争分析)系でコーポレート系リスク管理、内部監査、コンプライアンスなどの経験がある方を採用するなど、経験を活かして活躍できる可能性があります。
営業系出身者は、中小企業向けにFAを行っているファームで採用される例があります。特に、優秀な実績や一定レベルの財務スキル、語学力のある方が優先的に求められる傾向にあります。
投資銀行・ファンド
転職母数自体は少ないですが、高度なファイナンススキルや語学力、実務経験をお持ちの方が多く、非常に高い評価を受けることが多いです。
コンサルファーム
戦略・総合系などでのFAS関連のプロジェクト経験者は、各FAS系ファームともに積極採用しています。これまでの経歴の中でM&Aや再生系にエッジを立てていきたい方や、フォレンジックなど新しい領域においてキャリアを築いていきたい方など、コンサル経験者は選考において優位になる可能性があります。
各ファームのパートナー語る期待する能力
FAS系ファームへの転職は、「論理的思考力」「財務領域の専門知識・実務経験」が必要ということを説明しました。その中で、各ファームのパートナーやマネージャークラスが具体的に求めるコンピテンシーはこちらです。
PwCアドバイザリー
日本の経済を変え、自分を成長させたいいう意欲・志を持つ
PwCアドバイザリー BRS(事業再生)チーム 森野 智博
スキルセットとマインドセットの2つを重視しています。スキルセットとしては、戦略やオペレーションや財務など、どこか1つ強い分野をお持ちの方です。一方、マインドセットも非常に重要です。
相当緊張感のある仕事ですし、ステークホルダーが多い分、交渉も難航し案件がなかなか進まないこともあります。これは精神的にも辛く、乗り越えるためには高い志が必要です。ですので、日本の経済を変えたい、困難を乗り越えて自分自身を成長させたい、という意欲と志が高い人にぜひ応募いただきたい。あとは、根が明るい人。「きっと明るい世界が待っているから、そこに向かって一緒に頑張りましょう!」と言える性格が重要だと思っています。
KPMG FAS
人の意見を尊重でき、好奇心旺盛で様々なことにチャレンジする
KPMG FAS リストラクチャリング部門 パートナー 山口健一郎
ハードスキルも大事ですが、とりわけマインドセットをより重視しています。具体的には、人の意見を尊重でき、好奇心旺盛で様々なことにチャレンジできる方かどうかに注目しています。事業再生において経営陣は人員リストラなど苦しい決断をしなければならない局面もありますが、アドバイザーが一緒になって暗く落ち込んでいるようではどうしようもありません。アドバイザーは常に前向きに、クライアントを元気づけることができるような存在であるべきであり、そのようなキャラクターの持ち主はこの仕事により向いていると考えています。
DTFA
自分で考えて行動することが好きな人
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー Digital部門 マネージングディレクター 古賀 敬浩
自分で考えて行動することが好きな人です。コンサルティングの仕事なので、お客様の立場に立って自分のこととしてどれだけ考えられるかが、一番大切だと思っています。そのため、自分なりの答えを楽しんで出せる人というのが、良いと思います。
EY
社会貢献したいという思いと知的好奇心を持つ
EY ストラテジー・アンド・コンサルティング ターンアラウンド・アンド・リストラクチャリングストラテジー(TRS)チーム ディレクター 東 浩司
1つ目の要素は、EYのパーパスである「Building a better working world」という存在意義に共感していただけることです。
事業再生という仕事は、企業の非常に厳しい局面をご一緒させていただくことが多く、難しい経営課題を解決していかなければいけないタフな仕事です。その一方で、会社や従業員、その家族、地域経済への貢献をダイレクトに感じられる仕事でもあります。実際に難しい局面を乗り切る、あるいは先々で難しい局面を乗り切れるように自己研鑽をしていくためには、自分自身が社会貢献したいんだという思いを強く持っていただくことが重要だと考えています。私自身は個人としてのパーパスがこのEYのパーパスと一致していると思えているため、非常に充実した仕事ができていると感じています。
2つ目の要素は、旺盛な知的好奇心です。
「総合格闘技」である事業再生には多くの知見やスキルが求められます。売上を上げることやコストを下げること、あるいは原価管理やグループ会社管理の改善などのテーマにも取り組みます。場合によっては、非中核事業の売却といったM&Aも実施するなど、テーマは多岐にわたります。私は10年以上、EYで事業再生の仕事をしていますが、まだまだ勉強が足りないと感じる毎日です。様々な知識や事例などを積極的に学び、実際の業務に生かしていくという点では、知的好奇心が旺盛な方に向いている仕事だと思っていますし、そのような方にジョインしていただきたいと考えています。
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FAS系の転職で失敗しないために
昨今のM&A案件の増加によって、中途採用者の拡大を積極的に進めているFAS系ファームですが、中にはFAS系ファームへの転職で、失敗してしまうケースがあります。
転職に失敗する主な原因としては、「選考の失敗」と「入社後のミスマッチ」が挙げられます。これらの失敗を回避し、FAS系ファームへの転職を成功へと導くためには以下の点に注意する必要があります。
選考の失敗を避ける
選考に失敗する主な原因としては、自分のスキルや経験が企業の求めるものと一致していないということが挙げられます。この問題を避けるために、自己分析を通じ、自分の強みやこれまでの経験を面接時に適切に伝える力が大切です。また、各ファームの求める人材や、FAS系ファームの業務についての基本的な理解も必要となります。
例えば、M&A戦略やDD支援プロジェクトへの参画を希望して転職活動を行っていたにも関わらず、選考に進んだファームは企業再生やフォレンジック(不正調査・係争分析)に強みがあり、ご自身の希望の案件にアサインされるのが難しいケースもあります。
本来なら採用されるような候補者でも、事前準備や情報収集を適切に行なっていないために採用を逃してしまう可能性もあります。このような選考における失敗をできるだけ少なくするため、弊社MyVisionでは、個々人のキャリアや経験に合わせたアドバイスを提供し、コンサル転職の成功へとサポートいたします。
入社後のミスマッチを避ける
また、入社後にミスマッチが発生し、転職が失敗に終わるケースもあります。入社後のミスマッチとは、例えば業務内容や各ファームの企業文化、報酬等に対するご自身の期待値と、採用後の実際の現実との間にギャップが生じてしまった場合に起こります。
例えば、前職が事業会社の経営企画部門でM&Aの戦略策定や、買収した子会社のPMIの業務を担当されていた場合、M&A関連業務の知識・経験は確かに豊富な一方で、インフラ/PPPに関する業務の知見は必ずしも豊富とは言えません。
その方が政府系機関やインフラプロジェクトで構想策定・政策立案・制度設計に関する戦略策定支援等にアサインされた場合、関連する知見が不足しているためプロジェクトの推進に困難を感じることがあります。結果として自分の知見が活かせる場面が少なく、期待されたバリューを発揮できないケースがあります。
この問題を避けるためは、事前に企業調査を行い、自分がどのような環境で働きたいのか、何を達成したいのか、また何ができるか、というビジョンを明確にすることが重要です。弊社MyVisionでは、数多くの方の転職をサポートする中で得られた、公には公開されていないリアルな情報についても個別の面談を通して共有させていただき、入社後のミスマッチをできる限り防ぎます。
コンサルティング業界への転職は、自己成長や自身のキャリアを広げる大きなチャンスです。それぞれの転職活動が成功に結びつくよう、しっかりとサポートさせていただきます。
FAS系ファームに転職するために必要な準備
ここまでFAS系ファームへの転職について説明しました。FAS系ファームでは若手ハイクラス層、特に金融機関やファイナンス関連の経験者の採用に非常に積極的な姿勢を示しており、FAS系ファームへの転職を考えている方にとって、今がベストなタイミングであると言えます。
しかし、FAS系ファームに転職するには、事前の対策や計画など様々な準備が必要となります。そのため転職の難易度は高く、転職においてはコンサルティング業界を専門とした転職エージェントの活用が非常に効果的です。
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もし未経験からのFAS系ファームへの転職に不安を感じている方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。ファーム毎の傾向や、最近のトレンド等含めてサポートさせていただきます。
まとめ
FAS系ファームは転職先の候補として、非常に人気ですが、その分採用基準も高く、適切な対策や余裕を持った計画が不可欠です。
FAS系ファームの転職は事前準備など大変である反面、自身のキャリアを飛躍させる大きなチャンスでもあります。
MyVisionでは、FAS系ファームへの転職に関する情報提供から、適切なファームや求人ポジションの紹介、選考対策まで、個々人の事情に合わせて幅広く支援しています。
FAS系ファームへの転職を少しでも検討されているようでしたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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