野村総合研究所の年収は？競合他社との比較や転職難易度を徹底解説
2025年01月14日更新
「野村総合研究所のコンサルタントの年収を知りたい」 「野村総合研究所の福利厚生や残業時間を把握して、働くイメージを持ちたい」 「野村総合研究所へ実際に転職する際の準備を始めたい」
野村総合研究所（NRI）への転職を考える際に、このような悩みが出てくるのではないでしょうか。
野村総合研究所は国内最大手のシンクタンクとして、多くの転職者から人気を集めている企業です。
この記事では、野村総合研究所への転職を考えている方が気になる「年収」について詳しく解説します。
平均年収はもちろん、競合企業との比較、高水準の年収となっている背景について取り上げています。また、累計1,000名以上の方に内定獲得のための選考対策を実施した経験を活かして、野村総合研究所への転職対策や必要な準備もアドバイスしています。
最後まで記事を読んで、野村総合研究所でのコンサルタントに対する理解を深め、転職するための具体的な行動を明確にしましょう。
監修者
長田 快
Osada Kai
慶應大学卒業後、MURC、DTCにて戦略策定・消費財領域を中心に案件組成～デリバリーリードに従事。MyVisionでは、自身の経験・人脈を生かしたポストコンサル・エグゼクティブに対する、コンサルタント個々人が抱く悩みに即した、ファームごとの深い情報提供を軸とした支援に強みを有する
プロフィール詳細を見る
目次
全部見る
野村総合研究所とは？
野村総合研究所はコンサルティングからITソリューションまで、幅広くサービスを提供しているシンクタンクです。産業界のトップ企業や官公庁などの課題解決を行っています。。
2024年3月時点での従業員数は7,206人（NRIグループ全体では16,708人）。国内事業の成長により増収増益となっており、2024年3月期の連結売上高は7,365億円です。
野村総合研究所の特徴
野村総合研究所の特徴は「ナビゲーション×ソリューション」という独自のビジネスモデルです。このモデルでは、課題発見や戦略立案を担う「ナビゲーション」と、実行支援を行う「ソリューション」を組み合わせてクライアントの持続的な成長を支援します、
野村総合研究所は大きく4つのサービス・ソリューションを提供しています。
- コンサルティング：経営戦略や新規事業開発を支援し、競争力を強化
- 金融ITソリューション：銀行や証券など金融業界向けに特化したシステムを提供
- 産業ITソリューション：製造業や流通業に対する業務効率化やデジタル化を推進
- IT基盤サービス：クラウドソリューションやシステム運用保守でIT基盤を支援
これらの事業を軸に、ビジネスITにおける伴走支援とスピード感のあるグローバル展開を実施し、ビジョンである「未来創発」を実現するために努めているのが特徴です。
野村総合研究所の年収の特徴
野村総合研究所は業界内でも特に高水準の年収を設定しています。平均年収や役職別にどの程度期待できるのでしょうか。詳しく解説します。
野村総合研究所の平均年収
野村総合研究所の有価証券報告書によると、直近5年間（2019〜2024年）の平均年収は「約1,241万円」です。平均年齢は40.4歳、平均勤続年数は14.5年となっています。
大手口コミサイトによると、現行の制度は各期の職務や役割の達成度によって職階が決まるので、結果次第で30代でも高い年収を得ることができるでしょう。
| 年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 1,271万円 | 40.2歳 | 14.3年 |
| 2023年度 | 1,242万円 | 40.6歳 | 14.6年 |
| 2022年度 | 1,232万円 | 40.6歳 | 14.8年 |
| 2021年度 | 1,225万円 | 40.5歳 | 14.7年 |
| 2020年度 | 1,235万円 | 40.4歳 | 14.2年 |
横にスクロールできます
野村総合研究所の職種別・役職別の年収比較
野村総合研究所は職階によって年収レンジが決められています。
- メンバー
- アソシエイト
- シニアアソシエイト
- エキスパート
- チーフエキスパート
- マネジメント
大手口コミサイトによると、たとえば入社1-3年目は「メンバー」という職階になり450-500万円ほどの年収が想定されます。6-9年目は「シニアアソシエイト」となり、800-1,200万円程度の年収を得られるとされています。
野村総合研究所のキャリアイメージとしては、20代はメンバーやアソシエイト、20代後半からシニアアソシエイトやエキスパートの職階を目指すことが可能です。
野村総合研究所の新卒年収
野村総合研究所の2025年度の募集要項に記載されている初任給は次のとおりです。
- 修士了：304,500円
- 大学卒：276,500円 昇給年1回、賞与年2回
賞与を含めた想定年収は、修士卒であれば480万円前後、大学卒で450万円ほどになるでしょう。募集要項をもとにすると、中途採用者のコンサルタントの場合、経験やスキルに応じて年収は500-700万円以上となる可能性があります。
新卒採用の採用大学は？
2023年の野村総合研究所の新卒採用大学は、慶應義塾大学が最大の就職者数（70名）を記録しました。次に早稲田大学（62名）が続き、3番目に東京大学（32名）となっています。
全体的に私立大学と首都圏の大学が上位を占めており、東京大学や京都大学など旧七帝大からも多く採用しています。
コンサルタントは、論理的な思考能力や素早い問題解決能力が求められるため、一定の素養がある高学歴の人材が求められるようです。
出典：ダイヤモンドオンライン「アクセンチュアと野村総研、コンサル2社の「採用大学」ランキング2023最新版！両社ともに1位の大学は？」
野村総合研究所は激務？残業時間について
野村総合研究所は、社員の健康と生産性向上を目指して「時間外労働削減」に取り組んでいます。2020年度の月平均8.1時間だった時間外労働は、2023年度には6.2時間まで減少しました。会議時間の短縮や業務デジタル化、フレックスタイム制度やテレワーク導入など、効率化を促進する施策が成果を挙げています。
また、有給休暇取得率の向上にも注力しています。2023年度の取得率は70.5%と非常に高く、2025年度には80%を目指しています。社員が効率的に働きつつ、ワークライフバランスを保てる環境がさらに整備される見込みです。
野村総合研究所の年収が高い理由
野村総合研究所の年収は、同じコンサルティング業界内でも特に高水準です。その理由を解説します。
高収益を支える野村総合研究所の独自モデル
そもそもコンサルティング業界は、顧客の課題発見・解決に対して価値が高いサービスを提供することで高い報酬を得ています。クライアントの業務改善や収益の増加に直結する具体的な成果をもたらすことで、高額な報酬を受けることができるのです。
製造業や飲食業と比較するとコンサルティング業界は設備投資やランニングコストが少ないため、高い利益率を実現しています。
野村総合研究所も同様に「ナビゲーション×ソリューション」のビジネスモデルで顧客企業の戦略的課題に対して高度なコンサルティングを提供しています。
シンクタンク機能で市場動向を先読みし、顧客企業にとって新たなビジネス機会を創出します。その後、コンサルティングとITソリューションを組み合わせた高度なサービスで、顧客の課題解決を支援。単なる提案に留まらず、実装と保守まで包括的に対応します。
これが、高い収益性と高水準の年収を支える要因のひとつです。
業績の向上
野村総合研究所の業績は年々向上しており、売上や営業利益も順調に伸びています。
野村総合研究所の業績ハイライト（IFRS）によると、2023年度の連結ベース売上高は7,365億円、営業利益は1,204億円です。2022年度は売上高6,921億円、営業利益が1,118億円だったため、売上は前年比で7.67%増加しています。
この業績の向上が社員の給与にも反映されており、高水準な年収を支える要因となっています。
競合企業との年収比較
野村総合研究所は国内最大手のシンクタンクとして、他の大手企業と比較しても高い年収を得ることができます。
以下の表は、主要な競合企業との年収比較です。 | | |
| 企業名 | 平均年収 |
|---|---|
| 株式会社野村総合研究所 | 1240万円 |
| アクセンチュア株式会社 | 868万円 |
| 株式会社NTTデータ | 762万円 |
| 日本アイ・ビー・エム株式会社（IBM） | 916万円 |
| 富士通株式会社 | 694万円 |
| 株式会社シグマクシス | 757万円 |
横にスクロールできます
出所：OpenWork
大手口コミサイトによると、アクセンチュアやNTTデータ、PwCと比べると高水準となっています。たとえば、アクセンチュアの平均年収は約930万円とされていますが、野村総合研究所は1,240万円と大きく上回っています。
このような年収の違いは、各企業の業務内容や提供する付加価値の違いによるものです。野村総合研究所の高い年収は、豊富なコンサルティング知見と高付加価値なサービスを提供することによって支えられています。
野村総合研究所の評価制度
野村総合研究所の評価制度は成果主義を基盤にしています。社員はプロジェクトでの成果や業績に基づいて評価され、その評価がボーナスや昇給に反映されます。
また、個人の成長を促すためのフィードバックセッションが定期的に行われており、社員のスキルアップが給与に直結する仕組みが整っています。
野村総合研究所の福利厚生
野村総合研究所は福利厚生が充実しています。裁量労働制やテレワーク、育児休暇・産休の取得率も高水準を維持しており、社員が働きやすい環境が整っています。
株式会社学情（本社：東京都千代田区）が実施した「転職意識調査レポート 2023」でも、転職先を選ぶ際に約40%が福利厚生を重要視しているため、転職先の福利厚生は重要な項目です。
企業の福利厚生はコンサルタントとしての働きやすさに大きな影響を与えるので、しっかりとチェックしておきましょう。
裁量労働制
裁量労働制とは、社員が自身の裁量に基づいて業務の進め方や時間配分を決定できる制度です。社員は働く時間よりも「結果」を重視し、高品質なアウトプットを求められます。アソシエイトやエキスパート以上の職階から裁量労働制が適用され、メンバーにはフレックスタイム制が導入されています。
未経験からコンサルタントとして入社した場合でも、自分のペースで業務を習得できるというメリットがあります。自ら学びながらスキルアップが可能であり、成果を求められることで成長の機会を得やすい環境です。
また、テレワークも可能となっており、柔軟な働き方が推奨されています。
休暇
野村総合研究所の休暇制度も充実しており、ライフワークバランスの調整がしやすい環境です。
- 年次有給休暇：初年度17日から始まり、5年目以降は最大23日まで付与
- リフレッシュ休暇：5営業日連続の休暇を年1回取得可能
- 暑中休暇：6〜9月の間に5営業日連続休暇を取得可能
- 慶弔休暇：結婚時には5営業日の連続休暇が取得可能
そのほかにも充実した休暇制度が用意されています。
2022年度の年次有給休暇取得率は70.5%で、多くの社員が有給を取得しており、安心して働ける環境が整っています。
育児休暇・産休
野村総合研究所では、育児休暇や産休の取得率が高く、家庭を持つ方でも安心してキャリアをスタートできる環境が整っています。
野村総合研究所は従来より子育てをしながら働く社員への支援策を講じており、女性社員のみならず、男性社員も育児休業を取得する傾向がみられます。
- 男性育児休業平均取得日数：61日
- 男性育児休業取得率：42.3%
- 男性育児休業及び育児目的休暇（※取得率）：76.7%
2022年度は男性の育児休業平均取得日数は約2ヶ月、育児休業取得率は42.3%です。多くの社員に制度が活用されていることがわかります。
女性の場合も、妊娠期間中や育児中の勤務時間の短縮が可能です。さらに、半日休暇、子の看護休暇、パートナー出産休暇なども整備されており、育児中の従業員を支援する制度が充実しています。
介護
野村総合研究所では高齢化社会を見据えて、社員が介護を行いながら働ける支援策もあります。家庭の事情で介護が必要な場合にも安心して働ける環境が用意されています
たとえば、介護休業は要介護対象者1名につき最長1年間取得可能（３回までの分割取得も可能）、短時間勤務などの支援制度も整えられています。
介護制度が充実していることで、ライフイベントに左右されずキャリアを続けやすい企業です。
野村総合研究所への転職対策
野村総合研究所は高水準の年収と充実した教育制度、福利厚生があり、コンサルタントとしてキャリアを築きたい方にとって非常に魅力的な企業です。
しかし、競争率が高く、転職にはしっかりとした準備が求められます
野村総合研究所の採用動向
野村総合研究所は中期経営計画（2023-2025）に基づき、デジタルトランスフォーメーション（DX）推進やグローバル展開、IT基盤刷新を成長戦略の柱としています。これらを支えるため、積極的に人材を採用しています。
たとえば、2020年には150名を中途採用していましたが、2022年には349名に増加しました。2025年度には約370名のキャリア採用を予定しています。特にDX関連分野やグローバル展開を支える人材、AIやクラウド技術に精通した専門家を求めています。
また、現在のキャリア採用では以下のような多岐にわたる職種が募集されています。
- 経営コンサルタント
- システムコンサルタント
- クラウド・アーキテクト
- セキュリティアナリスト
- 経理・財務
さまざまな職種が用意されており、これまでの経験を活かせる仕事が見つかる可能性が高いです。
野村総合研究所への転職難易度
野村総合研究所への転職は、コンサルティング業界全体でも難易度が高いとされています。
まず、求められるスキル・能力が非常に高いです。情報収集力、課題を発見する力、問題を解決する力が求められます。そのため、業界知識だけでなく、高度な問題解決能力や優れたコミュニケーションスキルも求められます。
さらに、面接の難易度も一般的な企業より高く、論理的思考能力やコミュニケーション能力を問うケース面接やフェルミ推定などが出題されます。
実際の面接では「学生時代に力を入れたことを教えてください」「あなたを採用するメリットは？」など、比較的基本的な質問が多くみられます。
そのほかにもさまざまな角度からコンサルタントとしての素養を評価されるため、転職難易度は高くなっています。
しかし、しっかりとした準備と自己分析を行えば、決して不可能なものではありません。野村総合研究所は成長意欲の高い人材を歓迎しており、努力を重ねることで採用のチャンスをつかむことが可能です。
野村総合研究所が求める人物像
野村総合研究所が求めるのは、次のような人物です。
- 挑戦し続ける強い意志を持つ人: 未知の課題に対しても粘り強く取り組むことが求められます。
- 自立性がある人: 自ら考え、目標を立て行動できる自立的な姿勢が必要です。
- チャレンジ精神: 新しいことに挑戦し、自ら解決策を提供する積極的な姿勢が重要です。
- 巻き込み力: チームで協力して成果を出すことが求められ、他者を巻き込む力も重要な要素となります。
官公庁や大手企業の困難なプロジェクトに直面しても、粘り強く対応し、チームと協力して高い成果を出す人物が求められています。
未経験でも野村総合研究所への転職は可能？
未経験からでも野村総合研究所への転職は可能です。
大手口コミサイトによると、特にITやデータ分析のスキルがある場合、コンサルタント経験がなくても採用されることがあります。
上述したように野村総合研究所は、成長意欲が高く、自ら学び続ける姿勢を持つ人材を歓迎しています。
2022年3月期から「マイキャリアデザイン研修を実施するなど、キャリアアップの機会を豊富に提供しています。未経験からコンサルタントへの転職は困難も伴いますが、野村総合研究所では学びながら成長できる環境が整っています。
豊富な研修制度や上司・先輩からの指導を通じて、専門的なスキルを身につけることが可能です。強い意欲と準備があれば、未経験でもコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせることができるでしょう。
野村総合研究所への転職対策
高水準の年収や充実した福利厚生を持つ野村総合研究所ですが、その分、転職難易度も高いので事前に徹底的に対策をおこないましょう。
自己分析・志望動機
野村総合研究所は、経営からIT、セキュリティ領域まで幅広いコンサルティング業務を手掛けています。
そのため、自己分析を通じて自分のスキルや経験がどのように業務に役立つか、クライアントの成果を上げられるのかを明確にすることが重要です。
特に以下の3つのスキルは野村総合研究所で求められます。それぞれ、どのように発揮したかを具体的なエピソードで整理しておきましょう。
- 論理的思考能力
- 問題解決力
- コミュニケーション能力
面接対策
野村総合研究所の面接では、フェルミ推定やケース面接といった、コンサルティング業界特有の問題解決能力を問う質問が採用されます。
以下の点に留意して準備しましょう。
- フェルミ推定：限られた情報から数量を推定する練習を行い、論理的思考のプロセスを磨きましょう
- ケース面接：ビジネスケースに対する解決策を提案する練習を重ね、問題解決能力を高めることが重要です
さらに、野村総合研究所では「構造化面接」が行われることもあります。構造化面接とは、応募者全員に同じ質問を問いかけ、統一された基準で評価する面接手法です。他者の話を要点を押さえて聞き取り、わかりやすくまとめる練習をしておくと効果的です。
フェルミ推定やケース面接の練習は以下の記事がおすすめです。
まとめ
野村総合研究所は、高い年収と充実した福利厚生を提供しており、コンサルティング業界でキャリアを築きたいと考える方にとって非常に魅力的な選択肢です。
転職を成功させるためには、自己分析や面接対策をしっかりとおこない、必要に応じて転職エージェントを活用することが重要です。
ぜひ今回の記事を参考に野村総合研究所でのキャリアを実現するための第一歩を踏み出してくださいね。
MyVisionでは、コンサル転職に関する情報提供から、適切なファームや求人ポジションの紹介、選考対策まで、個々人の事情に合わせて幅広く支援しています。
コンサルティングファームへの転職を少しでも検討されているようでしたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
あなたもコンサルタントとして
働きませんか？
コンサルタントへの転職をお考えの方は、
是非MyVisionにご相談ください。
ファームとのコネクションを活かし、
あなたの理想の転職が実現するよう転職先の紹介から面接対策に至るまで、
徹底的にサポートいたします。
