監査法人に転職したい人へ|必要な資格・年収・BIG4と中小の違い・面接対策を解説
2025年11月30日更新
「監査法人に転職したいけれど、資格がないと難しい?」「BIG4と中小はどちらを選ぶべき?」と迷う方は多いでしょう。
監査法人は専門性が高い業界ですが、応募できるポジションや働き方は資格の有無や前職によって大きく変わります。監査だけでなく、アドバイザリーや内部統制支援など、経験を活かせる領域も幅広くあります。
本記事では、監査法人の種類や年収、資格要件、未経験からの可能性までをわかりやすくまとめています。監査法人への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
著者

藤田 祐督
Fujita Yusuke
横浜国立大学卒業後、サイバーエージェントに入社。子会社副社長/COOとして新規事業の戦略策定〜ブランディング、プロダクトマネジメントまで一気通貫で推進。その後、アクセンチュアでの事業戦略立案・DX支援、NTTドコモでの新規事業立ち上げを経てMy Visionに参画。
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監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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監査法人とは?仕事内容と役割を解説
監査法人とは、企業の財務情報が正しく作成されているかを第三者として確認する専門機関です。企業の信頼性や市場の公正性を支える重要な存在として位置づけられています。
ここでは、監査法人が具体的にどのような業務を担い、社会でどんな役割を果たしているのかを整理します。
監査法人の主な業務内容
監査法人の中心業務は、企業が公表する財務情報の信頼性を第三者として検証することです。会計の専門知識をもとに企業の数字やプロセスをチェックし、投資家や金融機関が安心して判断できる環境を整えています。
主な業務は次の通りです。
| 業務内容 | 概要 |
|---|---|
| 会計監査(法定監査・任意監査) | 財務諸表が基準どおりに作成されているかを検証し、監査意見を表明する。上場企業では法定監査が必須 |
| 内部統制監査 | 業務プロセスやリスク管理が適切に機能しているかを評価し、財務報告の信頼性を確保する |
| IPO支援(上場準備支援) | 上場を目指す企業に対し、監査対応や内部統制構築をサポート。準備段階から並走するのが特徴 |
| IFRS・US-GAAP対応 | 国際基準や海外基準での財務報告が必要な企業に向け、導入・運用を支援。グローバル案件でニーズが高い |
| アドバイザリー業務(FAASなど) | 会計・財務領域に関する改善提案や経営判断のサポートを行う。監査で得た知見を活用できる領域 |
監査法人は財務の適切性を担保するだけでなく、企業成長や市場の健全性にも寄与する役割を担います。会計の専門性が、そのまま社会の信頼につながる点が大きな特徴です。
監査法人の社会的役割と将来性
監査法人は、企業の財務情報だけでなく、経済全体の信頼性を支える立場にあります。資金を供給する投資家や金融機関が安心して判断できる環境を整えることで、市場の安定や企業活動の継続性に貢献しています。
社会的な期待は広がっており、会計基準の複雑化やグローバル取引の増加により、監査の重要性は一層高まっています。近年はサステナビリティ情報や内部統制、ITリスク評価など対象領域も拡大しており、専門性の幅を広げられる業界です。
将来は非財務情報の保証業務やデータ監査のニーズも増える見通しがあり、監査法人は安定性と発展性を兼ね備えたキャリアとして注目されています。
以下の記事でも、監査法人について詳しい内容を解説しています。ぜひご覧ください。
監査法人の種類と特徴|BIG4と中小の違い
監査法人といっても、BIG4と中小では規模や業務スタイル、得られる経験が大きく異なります。自分に合う環境を見極めるためには、それぞれの特徴を理解することが重要です。
ここでは、BIG4と中小監査法人の違いや強みを整理し、キャリアの方向性に応じたファーム選びのポイントを解説します。
BIG4(4大監査法人)の特徴と強み
BIG4は、世界的に展開する大手監査法人グループであり、日本においても上場企業の監査を中心に圧倒的なシェアを持っています。
規模・専門領域・国際ネットワークの強さが共通点で、キャリアの幅を広げたい方にとって代表的な選択肢です。
主要4法人の特徴は次の通りです。
| 法人名 | 特徴・強み |
|---|---|
| 有限責任あずさ監査法人(KPMG) | 約7,000名規模の大型ファーム。三井・住友系との関係が深く、金融・大企業向け監査に強い。国際ネットワークを活かしたクロスボーダー案件も豊富 |
| EY新日本有限責任監査法人 | 国内で最も多くの監査報酬を得ている大手。AI監査ツール「EY Helix」を活用し、データ分析を取り入れた先進的な監査が特徴 |
| 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte) | 国内最大級の規模。IPO支援に強く、内部統制・リスク管理などアドバイザリー領域も幅広い。グローバル対応力が高い |
| PwCあらた有限責任監査法人 | 約3,500名規模。外資系企業の監査に強く、IFRS・US-GAAP対応案件が多い。成果主義でフラットな組織文化が特徴 |
BIG4はどの法人も強固なブランド力を持ち、国際案件やアドバイザリー業務に関わる機会が多い環境です。大規模な監査やグローバル企業に携わりたい方に適した選択肢といえます。
BIG4監査法人については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
中小監査法人の特徴と強み
中小監査法人は、規模こそBIG4より小さいものの、柔軟な働き方や幅広い実務経験を積める点で注目される選択肢です。クライアントとの距離が近く、企業の成長フェーズに寄り添った支援ができる点も魅力です。
主な特徴と強みは、次の通りです。
| 特徴・強み | 概要 |
|---|---|
| 業務範囲が広く、実務経験が積みやすい | 少人数チームで監査を進めるため、若手でも上流〜下流まで一通り経験でき、担当企業の理解も深まりやすい |
| 中堅・成長企業の支援に強い | 地場企業や上場準備企業など、企業規模に応じた柔軟な支援が可能。IPO支援の経験を積みたい方にも向いている |
| 働き方の融通が利きやすい | 繁忙期はあるものの、BIG4に比べて残業調整の自由度が高い法人も多く、ワークライフバランスを取りやすい |
| 組織風土がフラットで相談しやすい | 距離の近いチーム体制で、上司やパートナーに意見を伝えやすい。個々の成長に合わせた育成も受けやすい |
| 地方密着の法人も多く、地域貢献ができる | 都市部だけでなく地方にも拠点が多く、地域経済に根ざした監査ができる |
中小監査法人は、幅広い業務を経験しながら長期的にキャリアを築きたい方に適した環境です。
将来、事業会社の経理・内部監査やアドバイザリー領域へキャリアを広げたい場合にも価値のある経験を積めるでしょう。
自分に合うファームの選び方
自分に合う監査法人を選ぶ際は、「どんな経験を積みたいか」「どの働き方を重視するか」を軸に考えることが重要です。規模だけで判断せず、キャリアの方向性に照らし合わせると選択がしやすくなります。
ファーム選びの主な判断軸を、以下にまとめました。
| 判断軸 | 視点 |
|---|---|
| 経験の幅・専門性 | 大規模案件や国際基準に携わりたい場合はBIG4が有力。幅広い工程を経験したいなら中小法人が向いている |
| 働き方・負荷の許容度 | グローバル案件や大規模クライアントが多い環境では繁忙期の負荷が高くなりやすい。ワークライフバランス重視なら中小法人も選択肢 |
| キャリアの方向性 | アドバイザリーやコンサルを見据えるならBIG4が有利。事業会社経理・内部監査を目指すなら中小法人でも十分評価される |
| 企業文化・チーム体制 | フラットで相談しやすい環境を求めるなら中小法人。大規模組織の教育制度の充実を重視するならBIG4が適している |
ファーム選びは「規模の大きさ=良い」ではなく、自分が目指す働き方や将来像に合うかどうかが最も大切です。キャリアの土台をどこで築くかによって、次のステップの選択肢も大きく変わります。
監査法人の職位(ポジション)と平均年収
監査法人では、業務経験や責任範囲に応じて職位が段階的に分かれており、それぞれに求められる役割と年収が明確に整理されています。自分がどの段階からスタートし、どのように成長していくのかを把握することが、転職後のキャリア形成に役立ちます。
ここでは、職位ごとの役割と年収レンジ、そして昇進のスピード感を踏まえたキャリアモデルを解説します。
職位別の役割と年収テーブル
監査法人では、担当範囲と責任の大きさに応じて職位が段階的に設定されており、キャリアに応じて報酬も上がります。以下で、職位別の役割と年収テーブルをまとめました。
なお、各法人が職位ごとの年収を網羅的に公開しているわけではないため、本記事では代表的な監査法人として有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)の年収を、インターネット上の口コミを基に紹介します。
| 職位 | 主な役割 | 年収例 |
|---|---|---|
| スタッフ/アソシエイト | 監査手続きの実行が中心。監査証拠の収集・照合など現場作業を担当 | 500万円〜600万円 |
| シニア/シニアアソシエイト | 後輩の管理、手続き設計の補助、レビューを担当。企業との折衝も増える | 700万円〜900万円 |
| マネージャー | 複数チームの統括、品質管理、スケジュール管理を担当。クライアント窓口も担う | 900万円〜1,100万円 |
| シニアマネージャー | 重要判断や品質責任を持ち、大規模案件をリード。高度な専門性が求められる | 1,200万円〜1,300万円 |
| パートナー | 監査意見の最終責任者。法人経営や顧客開拓も担う | 1,500万円〜 |
※引用:OpenWork
監査法人の年収は残業時間や案件規模、評価によって変動します。そのため、転職時には「自分はどの職位で入社できるか」「法人の報酬制度はどのように運用されているか」を確認することが重要です。
昇進のスピードとキャリアモデル
監査法人のキャリアは、経験年数と評価によって着実にステップアップできる仕組みになっています。一般的に、スタッフからシニア、マーネジャーへと進むまでの期間は比較的明確で、透明性の高い評価制度が採用されています。
昇進スピードの目安としては、スタッフで2〜3年、シニアで3〜5年、マーネジャーで数年を経てシニアマーネジャーやパートナーを目指す流れが多く見られます。早期に評価される人材はマーネジャー昇格までの期間が短縮されることもあり、専門性やコミュニケーション力が昇進の重要な要素です。
キャリアモデルとしては、監査部門で経験を積んだ後、アドバイザリー部門への異動や事業会社の経理・内部監査へのキャリアチェンジも選択肢に含まれます。監査法人で培った会計知識とプロジェクト推進力は幅広い領域で評価されるため、長期的にキャリアの可能性を広げられる環境です。
監査法人へ転職するメリットとデメリット
監査法人への転職は、専門性や安定したキャリアを得られる一方で、働き方の負荷や厳格なルールへの適応が必要になる側面もあります。メリットとデメリットを整理することで、自分に合った環境かどうかを見極めやすくなります。
ここでは、監査法人で働くうえで知っておきたいメリットとデメリットを解説します。
メリット:専門性、高年収、安定性
監査法人で働く最大のメリットは、会計や財務に関する高度な専門性を身につけられる点です。実務を通じて幅広い業界の財務構造に触れられるため、市場価値の高いスキルを体系的に習得できます。
また、年収水準が安定しており、スタッフ層でも残業代を含めると高めの報酬が期待できます。評価制度が比較的明確なため、職位が上がるほど収入の伸びも大きく、長期的なキャリア形成に有利です。
さらに、監査は法的に求められる業務であり、景気に左右されにくい点も特徴です。企業活動に欠かせない役割を担うため、職としての安定性を確保しながらキャリアを積める環境といえます。
デメリット:繁忙期の激務、厳格なルール
監査法人は決算期に業務が集中するため、繁忙期の負荷が大きくなる点がデメリットです。特に上場企業を担当する場合、短期間で多くの作業を進める必要があり、残業が増えやすい傾向があります。
また、監査は法律や基準に基づいて進める業務のため、手続きの厳格さやドキュメント管理の徹底が求められます。判断の自由度が小さく、形式的な作業が続くことにストレスを感じる人もいるでしょう。
こうした働き方に合うかどうかは個人の志向によって差があるため、事前に理解しておくことが転職後のギャップを減らすポイントです。
監査法人への転職は資格なし・未経験でも可能?
監査法人への転職では、「資格がないと働けないのか」という疑問を抱く方が多いですが、実際にはポジションによって求められる要件が大きく異なります。監査法人には、会計士資格が必須となる業務がある一方で、未経験から挑戦できる領域も用意されています。
ここでは、資格が必要なポジションと、資格なし・未経験でも応募可能なポジションに分けて解説します。
公認会計士資格が必須のポジション
監査法人には、法律上「公認会計士または公認会計士試験合格者」が従事できると定められた業務があります。財務諸表監査のように、高度な専門性と監査責任を伴う領域では、資格が必須となるのが特徴です。
代表的な資格必須ポジションは以下の通りです。
| ポジション | 資格が必要な理由 | 主な業務内容 |
|---|---|---|
| 監査部門(財務諸表監査) | 監査意見の表明は会計士のみが実施できるため | 財務諸表監査、監査計画の立案、監査証拠の評価、監査報告書の作成 |
| 内部統制監査(J-SOX) | 法令に基づく監査であり、専門的判断が求められるため | 内部統制の評価、運用テスト、改善提案、報告書作成 |
| 会計プロフェッショナル職(審査・品質管理) | 高度な会計判断と監査品質のレビューが必要なため | 監査手続のレビュー、品質管理、専門的論点への助言 |
| 会計士向け専門職(金融監査・国際監査等) | 高難度の専門領域であり、資格者による判断が必須 | 銀行・証券会社の監査、IFRS・US-GAAP対応監査など |
これらの業務は法律や監査基準に基づいて行われるため、専門資格が前提となっています。 監査法人の“コア業務”でキャリアを築きたい場合は、公認会計士試験合格がほぼ必須といえます。
資格なし・未経験でも狙えるポジション
監査法人には、会計士資格が必須のポジションもあれば、なくても応募できるポジションが複数あります。財務監査以外の領域や専門サポート業務では、実務経験や業界知識が評価されることが多く、異業種からの転職も十分に可能です。
代表的な職種は下記の通りです。
| ポジション | 応募の入口となる経験・スキル | 主な業務内容 |
|---|---|---|
| アシスタント(監査サポート職) | PCスキル・事務経験・コミュニケーション力 | データ整理、証憑準備、監査チームのサポート業務 |
| アドバイザリー職(FAAS など) | 経理・財務・事業企画・金融・ITなどの専門経験 | 会計・財務領域の改善支援、決算早期化、IFRS導入支援など |
| 内部監査・内部統制支援(コンサル寄り) | 経理、内部監査、リスク管理の経験 | 内部統制の構築支援、運用評価、改善提案 |
| IT監査・システムリスク | ITエンジニア、情シス、セキュリティ経験 | IT統制評価、システムリスク監査、データ分析を用いた監査支援 |
| バックオフィス(人事・総務・経理) | 事務経験、採用・労務経験、経理経験など | 法人内の管理部門業務全般(監査実務ではなく内部機能) |
これらの職種は「監査そのもの」ではありませんが、監査法人のなかで会計・内部統制・ITリスクなどの知識に触れられるものです。
将来のキャリアとして、アドバイザリーや事業会社の経理・内部監査など、複数の方向性を検討できる職種です。
【パターン別】監査法人への転職で評価される経験
監査法人への転職では、さまざまな経験が評価されます。経理・財務の実務や金融機関での分析経験、会計士試験の合格といったバックグラウンドは、それぞれ異なる強みとして認識されます。
ここでは、代表的な3つのパターンに分けて、どのような経験が監査法人で評価されやすいのかを整理します。
事業会社の経理・財務・経営企画経験者
事業会社で経理・財務・経営企画に携わってきた方は、監査法人で高く評価されます。実務を通じて決算の流れや会計処理を理解しているため、監査手続きにスムーズに適応できる点が強みです。
特に、月次・四半期・年度決算の対応や予実管理、原価計算などの経験は監査の現場でも活かしやすい要素です。会計基準に関する理解がある場合は、監査調書の確認や分析業務にも早期に関われます。
また、企業側の立場を知っていることで、クライアントとのコミュニケーションが円滑になりやすい点も評価ポイントです。監査対象企業の実情をイメージしやすいため、監査の目的や背景を踏まえた対応ができる人材として期待されます。
金融機関(銀行・証券など)出身者
銀行や証券会社での経験は、金融機関向けの監査で求められる知識と親和性が高く評価されます。金融商品の構造やリスク管理に関する理解があり、専門性の高い領域にも対応しやすい点が強みです。
融資審査、法人営業、リスク管理、コンプライアンスに携わっていた場合、財務数値の根拠を見極めたり、誤謬が生じやすい領域を判断したりする力を発揮できます。金融特有の内部統制や規制を理解している点も、監査業務との親和性が高い要素です。
また、金融庁の監督基準や業界の実務プロセスへの理解があると、IT統制や内部統制の評価にも強みが出ます。これらの知識や判断力を活かせる点が、金融機関出身者が監査法人で評価される主な理由です。
公認会計士試験合格者(USCPA含む)
公認会計士試験合格者やUSCPAホルダーは、監査に必要な会計基準や専門知識を備えているため、監査法人で最も高く評価される層です。監査手続きの理解が早く、入社後の育成コストが低い点も採用で重視されます。
財務諸表監査や内部統制評価で求められる専門的判断に強く、監査リスクを見極める力や会計処理の妥当性を判断する力を発揮できます。実務未経験であっても、監査基準や会計理論を理解していることで業務への適応が早い点が特徴です。
さらに、USCPAは国際会計基準への理解が評価され、クロスボーダー案件やアドバイザリー領域でも活躍しやすい背景があります。こうした専門知識と資格の信頼性が、監査法人で評価される主な理由です。
監査法人の「アドバイザリー部門」というキャリア
監査法人には、監査を担当する部門のほかに、企業の改善支援を行うアドバイザリー部門があります。担当する業務が大きく異なるため、求められるスキルや働き方にも違いがあります。
ここでは、監査部門との違い、アドバイザリーで必要とされるスキル、そしてコンサルファームへつながるキャリアパスをわかりやすく解説します。
監査部門とアドバイザリー部門の違い
監査法人では、同じ会計領域でも「監査」と「アドバイザリー」では役割や目的が大きく異なります。監査は財務情報の信頼性を確認する業務であり、アドバイザリーは企業の課題解決や改善をサポートする業務です。
違いを整理すると、以下のようになります。
| 項目 | 監査部門 | アドバイザリー部門 |
|---|---|---|
| 業務の目的 | 財務情報の正確性を検証し、監査意見を表明する | 業務改善・会計処理・内部統制など、企業課題の解決を支援 |
| 業務内容 | 証憑確認、内部統制評価、監査調書作成など | 決算早期化、IFRS導入、内部統制構築、財務改善支援など |
| 働き方の特徴 | 繁忙期が明確で、決算スケジュールの影響が大きい | プロジェクト型で、時期により業務量が変動しやすい |
| 求められるスキル | 会計基準の理解、正確性、監査手続の実行力 | 課題整理、改善提案能力、コミュニケーション力 |
| キャリアの方向性 | 監査の専門家として経験を積む | コンサル寄りのスキルを磨き、幅広い領域に展開可能 |
このように、監査部門とアドバイザリー部門は目的や業務内容が大きく異なります。双方の特徴を整理しておくことで、監査法人のなかでどのような役割が果たされているかを明確に理解できます。
アドバイザリー部門で求められるスキル
アドバイザリー部門では、企業の課題を整理し改善策を導くための論理的思考力が求められます。現状を把握し、問題点を構造化する力が評価に直結します。
また、クライアントと議論しながら案件を進めるため、コミュニケーション力や資料作成スキルも必要です。財務・会計の基礎知識があると、改善提案の質が高まり適応も早くなります。
| スキル | 概要 |
|---|---|
| 論理的思考力(課題整理・構造化) | 現状分析から改善策の提示まで一貫して行うため、問題を整理し構造化する力が評価される |
| コミュニケーション力 | クライアントとの議論・合意形成が多く、情報整理と伝達の精度が問われる |
| 資料作成スキル(PowerPoint・Excel) | 分析結果や改善策を視覚的に伝えるため、資料化能力が必須 |
| 財務・会計の基礎知識 | IFRS導入支援や内部統制整備など、財務領域のアドバイザリーで必要となる前提知識 |
アドバイザリー業務は案件ごとにテーマが変わるため、業界知識や専門知識は入社後に身に付けていくことが一般的です。
必要な領域を都度キャッチアップできる柔軟な姿勢が、活躍の幅を広げるポイントとなります。
アドバイザリー部門はコンサルファームへのキャリアパスにも
アドバイザリー部門の経験は、そのままコンサルファームへのキャリアにつながる強みになります。企業の課題を分析し、改善策を提案する業務がコンサルの働き方と近いためです。
アドバイザリー部門の実務では、ロジカルシンキング、資料作成、クライアント対応などコンサルで必要となるスキルを一通り磨けます。財務・会計の専門性を軸に提案できる点は、総合系や戦略系でも評価されます。
さらに、監査法人ではIFRS導入支援や業務改革、内部統制構築など幅広いテーマに関われるため、転職時に専門性を示しやすい背景があります。財務知識を強みにコンサル領域へ広げたい人にとって有効なキャリアパスと言えるでしょう。
監査法人への転職を成功させるためのポイント
監査法人への転職を成功させるには、選考で評価されるポイントを押さえながら準備を進めることが重要です。特に、志望理由の整理や面接対策、情報収集の質が結果を左右します。
ここでは、転職理由の整理方法、面接で聞かれる質問への対策、そして専門性の高い領域を扱う監査法人への転職で有効なエージェント活用のポイントを解説します。
転職理由とキャリアプランを明確にする
監査法人の選考では、転職理由と今後のキャリアプランが一貫しているかが重視されます。志望動機が曖昧な場合、監査業務への理解が不十分と判断される可能性があります。
まず、現職で感じている課題と監査法人で実現したいことを整理し、転職理由を具体化することが大切です。監査の専門性を身に付けたいのか、アドバイザリーで課題解決に関わりたいのかなど、方向性を明確にすると説得力が増します。
さらに、入社後のキャリアイメージを示すことで、長期的な視点で応募していることを伝えられます。監査からアドバイザリーへの展開や、事業会社でのキャリアにもつながる点を踏まえて整理しておくと効果的です。
面接で聞かれることと対策
監査法人の面接では、監査業務への理解と応募理由の一貫性が重視されます。特に「なぜ監査法人なのか」「なぜその法人なのか」を明確に説明できるかが評価につながります。
よく聞かれる質問として、志望動機、これまでの経験で活かせる点、チームで働く際のエピソードなどがあります。監査業務の特徴である正確性やコミュニケーションの重要性を踏まえ、自身の経験と結び付けて回答を準備すると効果的です。
また、監査法人は繁忙期が明確な働き方であるため、業務量への理解を確認する質問が出るかもしれません。選考前に職務内容や繁忙期の実態を把握しておき、業務への適応力や意欲を具体的に示せるよう準備することが大切です。
監査法人やアドバイザリー部門に強い転職エージェントを活用する
監査法人への転職では、募集背景や見られるポイントが法人ごとに異なります。専門領域に詳しいエージェントを活用すると、自分の強みをどのように伝えるべきか整理しやすくなります。
面接では経験の伝え方が結果を左右するため、書類や想定問答を一緒に調整できるサポートは有効です。選考の進め方や面接官の傾向を踏まえたアドバイスを受けられる点もメリットです。
また、アドバイザリー部門を志望する場合は、プロジェクト経験やスキルの整理が必要になります。専門性の理解がある担当者と準備を進めることで、選考対策をより精度高く整えられます。
監査法人への転職はMyVisionへ
監査法人への転職を成功させるなら、専門領域に精通したサポートを受けることが最も確実です。MyVisionでは、監査・アドバイザリー領域に強いプロの担当者が、一人ひとりの経験に合わせて最適な選考対策を提供します。
法人ごとの特徴や募集背景を踏まえた応募書類の作成、面接での伝え方、キャリアプランの整理まで一貫してサポートします。BIG4から中小監査法人まで幅広い選択肢のなかから、あなたに合うキャリアを提案できる点も強みです。
監査業務で専門性を高めたい方も、アドバイザリーを軸にキャリアを広げたい方も、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
監査法人への転職では、監査とアドバイザリーの違いや求められるスキル・資格を理解することが重要です。事業会社や金融機関、会計士試験合格者など、経歴によって評価されるポイントも異なります。
BIG4と中小監査法人では業務内容や働き方に特徴があるため、自分の経験や志向に合う環境を見極めることが成功につながります。また選考では転職理由やキャリアプランの一貫性が問われるため、事前準備が欠かせません。
監査法人やアドバイザリー領域の転職は専門性が高いため、正確な情報と適切な対策が結果を左右します。MyVisionでは、あなたの経験を踏まえた最適なキャリア選択を支援していますので、ぜひご活用ください。
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