戦略コンサルティングファームランキング|主要ファームの強み・年収・難易度を元コンサルが徹底解説
2025年12月29日更新
戦略コンサルティングファームへの転職を検討する際、「年収が最も高いのはどこか?」「入社難易度や序列はどうなっているのか?」と気になる人は多いでしょう。とくに近年は、マッキンゼーやBCGといった「MBB」だけでなく、総合系ファームの戦略部門も台頭しており、業界を正しく把握しておくことは重要です。
戦略コンサルの年収は高水準ですが、ファームごとの「案件」や「得意領域」によってキャリアパスや働き方は大きく異なります。単にランキング上位を目指すのではなく、各社のカルチャーや評価制度との相性を見極めることが、転職において重要です。
本記事では、主要戦略ファームを年収・入社難易度(偏差値)・働きやすさの観点からランキング形式で整理しました。MBBから総合系戦略部門まで、転職市場における立ち位置を整理していますので、キャリア選択の判断材料としてぜひ参考にしてください。
著者

町田 康熙
Machida Yasuhiro
慶應大学を卒業後、博報堂グループ・リクルートでの営業や、ローランドベルガーでの戦略コンサルティングを経験。MyVisionでは、コンサルタントとしての実践知と営業としての提案力を生かし、事業会社・コンサルティングファーム両面のハイクラス転職に強みを有する
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監修者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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戦略コンサルティングファームのランキングを見る前に
「戦略コンサル」と一括りにされがちですが、実際にはその成り立ちやビジネスモデルによってファームごとに大きく異なります。各ファームが業界内でどのような位置付けにあり、どのような役割を期待されているのかを理解することが、ファーム選びの第一歩です。
ここでは、ランキングを見る前提となる業界の構造と、主要なプレイヤーの分類について解説します。
業界の序列構造:MBB・主要外資系ファーム・総合系戦略部門の違い
コンサルティング業界には、戦略領域においても歴史的背景やブランド力に基づく「序列構造」が存在します。 戦略コンサルのランキングを正しく理解するには、MBB・外資系専門ファーム・総合系戦略部門の違いを前提として押さえることが不可欠です。
それぞれの立ち位置と代表的なファームは以下のとおりです。
| 分類 | 代表的なファーム | 主な役割・案件の特徴 |
|---|---|---|
| MBB | マッキンゼー・BCG・ベイン | 経営の最上流・全社変革にかかわり、主に戦略の立案を支援 |
| 欧米系ファーム | A.T. カーニー・ローランド・ベルガー・ADL | 製造業や人事など特定領域の専門性をもち、現場感のある戦略立案や実行までを担う |
| 総合系・戦略部門 | アクセンチュア・Strategy& (PwC) | 一気通貫型で戦略の立案にとどまらず、IT導入や業務改革などの実行までを支援 |
同じ「戦略コンサルタント」という職種であっても、所属するグループによって求められる役割は異なることに注意が必要です。 MBBは「純粋な戦略立案(ピュア・ストラテジー)」を極める環境です。一方総合系は「戦略の実装・定着」までを担うケースが多く、プロジェクトの関与範囲や評価軸が異なります。
年収や難易度のランキングを見る際は、こうしたビジネスモデルの違いを踏まえることで、「自分にとって現実的かつ最適な選択肢か」を判断しやすくなるでしょう。
【年収ランキング】最も稼げる戦略コンサルはどこ?
戦略コンサルティングファームは、高い給与水準を誇ります。一般的な事業会社とは異なり、20代後半で年収1,000万円になり、30代で2,000万円を超えることも珍しくありません。
しかし、その報酬体系はファームごとに特徴があり、実際の年収額は大きく変動します。ここでは、主要ファームの平均年収比較と、役職ごとの昇給イメージについて解説するので参考にしてください。
主要戦略ファームの平均年収一覧
戦略コンサルティングファームのなかで給与が高く設定されているのは、マッキンゼー、BCG、ベインの「MBB」3社です。これらの企業は経営トップの意思決定に直結する高難易度の案件を取り扱っているため、高い報酬を維持しています。
以下は、口コミデータによる主要な戦略ファームおよび総合系ファームの平均年収ランキングです。
| ファーム名 | 平均年収 |
|---|---|
| BCG(ボストン・コンサルティング・グループ) | 1,640万円 |
| マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1,504万円 |
| ベイン・アンド・カンパニー | 1,367万円 |
| A.T. カーニー | 1,335万円 |
| ローランド・ベルガー | 1,303万円 |
| ADL(アーサー・ディ・リトル) | 1,071万円 |
| PwCコンサルティング (Strategy&) | 1,000万円 |
| アクセンチュア | 867万円 |
参考:OpenWork
MBBやA.T. カーニーといったピュア・ストラテジーファームが上位を占めています。コンサルタントの平均年収が804万円であることを踏まえても、戦略コンサルの年収は高く設定されているのが特徴です。
引用:OpenWork
役職別の年収推移:パートナーになれば億越えも?
戦略コンサルティングファームの給与体系は、年齢や勤続年数とは無関係に、「役職(タイトル)」によって厳格に定められています。
たとえば、口コミデータによるマッキンゼーの役職別の年収は以下のとおりです。
| 役職 | 平均年収 |
|---|---|
| ビジネスアナリスト | 600〜800万円 |
| アソシエイト | 1,000〜1,500万円 |
| エンゲージメント・マネージャー | 1,500〜2,000万円 |
| アソシエイト・パートナー | 2,500〜3,000万円 |
| パートナー | 5,000万円〜 |
| シニアパートナー | 1億円〜 |
参考:OpenWork
特筆すべきは、マネージャーやパートナーへの昇進時における年収の伸び率です。マネージャーになると、プロジェクトの現場責任者として管理監督手当が厚くなり、一気に2,000万円前後の水準に達します。
さらにパートナーまで上り詰めると、エクイティ(株主)として、ファームの共同経営者としての扱いになることも多く、年収の上限は事実上ありません。一部のトップパートナー層では年収1億円を超えることも可能です。
インセンティブ事情:実力主義による報酬の差
戦略コンサルタントの年収が高い水準に設定されているのは、「成果連動型」のインセンティブ比率が極めて高いためです。勤続年数よりも個人のパフォーマンスによって年収差が生まれるといえます。
一般的な日本企業のボーナスは給与の数ヶ月分程度で安定しているのが特徴です。一方、外資系戦略ファームでは、担当案件の難易度や成果、チームへの貢献度などによって年収総額が大きく左右されます。
とくに「Up or Out(昇進できなければ退職)」の文化が強いファームでは、平均評価の社員とトップ評価の社員で、同じ役職でも数百万円単位の年収差がつくことが実情です。高年収は保証されたものではなく、あくまで厳しい競争環境のなかで高い成果を出し続けた対価であることを理解しておきましょう。
なお、年収ランキングの数値はあくまで、口コミなどに基づく平均です。 実際には、アサインされるプロジェクトの性質や個人の評価によって提示額は上下に大きく振れることに注意しましょう。
【難易度・偏差値ランキング】入社が難しいファームの序列
戦略コンサルティングファームの転職は、年収が高いことを背景として、難易度が高いです。
ここでは、各ファームの難易度や転職市場の実情を解説します。
選考倍率と採用ハードルが高いファームTOP5
戦略系コンサルティングファームの選考倍率は、高く設定されています。年収の高さ・キャリアアップ・成長の機会が豊富であることが要因です。
業界内での採用ハードルに基づき、難易度の高いファームをランキング形式で紹介します。
なお、コンサルティング業界において公的な難易度データは存在しないため、「推定内定率」「内定者の平均学歴・経歴」「選考プロセスの厳格さ」などの指標に基づき、相対的な序列を整理しています。
| 順位 | ファーム | 偏差値 | 採用難易度が高い理由 |
|---|---|---|---|
| 1位 | マッキンゼー | 77 | 全世界共通の極めて高い合格基準が設定されており、論理的思考力のみならず、リーダーシップのポテンシャルを厳格に問われるため |
| 2位 | BCG | 76 | 仮説構築の速さと、クライアントを動かす人間力の両面で妥協のない選考が行われるため |
| 3位 | ベイン・アンド・カンパニー | 75 | 「結果主義」を体現できる人材のみを厳選しており、採用人数自体がMBBの中でもとくに少数に絞られているため |
| 4位 | ローランド・ベルガー | 72 | 欧州発の起業家精神(アントレプレナーシップ)が重視され、定型的なケース回答を超えた「独自の洞察」とタフな局面を突破する主体性が求められるため |
| 5位 | Strategy& | 72 | 戦略ファームとしての鋭い分析力に加え、PwCグループの広範なリソースを使いこなすための高い協調性と実務への落とし込みまでを見据えた深い思考力が問われるため |
とくにMBBでは、現役コンサルタント(マネージャー以上)が面接官を務めるケースが多く、限られた時間で高い仮説構築力と説得力を示せるかが合否をわけます。
年収やブランド力の高さに比例して、求められるレベルも極めて高い点が特徴です。
MBB(マッキンゼー・BCG・ベイン)の選考難易度
世界3大戦略コンサルティングファームであるMBB(マッキンゼー、BCG、ベイン)は、求められる個人のパフォーマンス力が高いため、転職難易度も高く設定されています。
転職難易度が高い理由は以下のようなものです。
- 応募者は難関大学卒やMBA取得者が多く、優秀な人材が集中している
- 募集枠が限られており、書類選考から競争率が高い
- ケース面接や英語面接など、独自かつ高度な選考プロセスがある
MBB各社にはそれぞれ異なる「難しさ」があります。マッキンゼーは「Global One Firm」の思想が強く、英語力や多国籍な環境での適応力が問われるのが実情です。BCGは洞察の深さとコミュニケーションが求められており、論理的思考力や対人能力の高さが合否を分けます。
ベインは「結果主義」のカルチャーが強く、ケース面接でも「その施策は本当に実現可能か?」という実効性が問われるなど、高度な問題解決能力が試されるため、選考難易度は高い傾向です。
学歴フィルターはある?未経験・中途採用の現実
戦略コンサルティングファームの選考では、形式的な学歴フィルターは設けられていないものの、結果として高学歴層が多く残る傾向があります。大学名そのものよりも、論理的思考力や議論を通じた理解力が重視されるためです。
実際の選考では、書類やケース面接を通じて、限られた時間で思考を構造化し、相手に伝え切れるかが厳しく見られます。その結果として、同様の訓練を受けてきた難関大学出身者やMBA取得者が多くなるのが実態です。
一方で、コンサル未経験や異業界出身者にとっては、採用ハードルが高いという事実があります。過去の業務経験をそのまま語るだけでは評価されにくいため、「再現性のある思考力」や「課題解決プロセス」を示せるかが分かれ目になるでしょう。
未経験から戦略コンサルを目指す場合は、職務経歴書での論理的な実績整理や、ケース面接への十分な対策が欠かせません。自身の経験や実績を論理的に説明できるように準備しましょう。
【評判・ホワイト度ランキング】激務の実態と働きやすさ
戦略コンサルティングファームといえば「激務」「深夜残業が当たり前」というイメージをもつ人も多いでしょう。 しかし近年は各ファームともに働き方改革を推進し、労働環境は劇的に改善されつつあります。
ここでは口コミサイトの評価を活用し、各ファームの「働きがい」や「ホワイト度」について解説します。
社員口コミで見る「働きがい」と「成長環境」の比較
戦略コンサルティングファームは激務と評される一方で、働きがいと成長環境に対する評価は非常に高い傾向があります。業務負荷は大きいものの、得られる経験値や裁量の大きさが満足度につながっているといえるでしょう。
以下は、口コミデータとともにMBBの働きがいや成長環境をまとめたものです。
| ファーム名 | 口コミ(要約) |
|---|---|
| マッキンゼー・アンド・カンパニー | クライアント企業にとっての最重要課題に取り組む機会にあふれている・未知の課題に向き合う方法論と自信がつき、マーケットからも評価されるためやりがいがある |
| BCG(ボストン・コンサルティング・グループ) | 若いうちからクライアント企業の経営層と議論する機会が多かったり、クライアント企業の重要な判断を左右する局面に携われたりするのでやりがいがある・キャリアアドバイザーやトレーニングが仕組み化されており、チームメンバーを成長させる基盤が整っている |
| ベイン・アンド・カンパニー | クライアントの問題解決を通じて実際の成果を目の当たりにでき、感謝の言葉をいただくことが一番のやりがい・高い期待値に応えながら、仕事に取り組むことでコンサルタントに必要な能力を開発できる環境である |
参考:OpenWork
共通しているのは、クライアントに貢献できる点と若手への裁量権が大きい点です。 クライアント企業の経営層と直接対峙し、社会的に意義のある変革にかかわれる点が、多忙を上回る充実感として評価されています。
「激務」は過去のもの?各ファームの働き方改革の現状
戦略コンサルティングファームでは、かつてのような「連日深夜残業・休日出勤が当たり前」という労働環境は、改善されつつあります。
以下は主要な戦略コンサルの残業時間から、ワーク・ライフ・バランスが整っている企業順にランキング化したものです。
| ファーム名 | 残業時間 | 働き方の特徴(口コミ要約) | |
|---|---|---|---|
| 1位 | BCG(ボストン・コンサルティング・グループ) | 69.3 | アウトプット重視の自由な働き方が浸透しており、多忙ななかでもメリハリをつけたワークライフバランスの確保が可能になっている |
| 2位 | ベイン・アンド・カンパニー | 71.5 | 厳格な労働時間管理と代休・休暇取得を推奨するカルチャーが根付いている |
| 3位 | A.T.カーニー | 74.4 | バリューの発揮を前提とした個人の裁量が大きく、リモートワークの普及にともない時間と場所のフレキシビリティが向上している |
| 4位 | マッキンゼー・アンド・カンパニー | 75.8 | プロジェクト期間中の負荷は高いものの、合間に長期休暇を取得しやすく、年次が上がるほど自身の稼働をコントロールしやすい |
| 5位 | ローランド・ベルガー | 82.7 | 在宅ワークの浸透や全社的な意識改革により、プライベートの時間を調整しやすい環境へ改善が進んでいる |
参考:OpenWork
物理的な長時間労働は是正されつつありますが、戦略コンサルタントとしての「精神的なタフさ」は依然として求められます。 労働時間が短くなった分、より短い時間で、付加価値を出さなければいけないという生産性へのプレッシャーはむしろ高まったといえるでしょう。
ただし、社員が働きがいをもって働けている場合や成長するために長時間労働している場合もあるため、単純な残業時間では、ホワイト企業かどうかを判断できないことには注意が必要です。
社風比較:ドライな外資系 vs チームワーク重視
同じ戦略コンサルティングファームでも、社風は異なります。大きくわけると個人主義的・論理的でドライに見える組織と、信頼や協働を第一に考えるチームワーク重視の組織です。
ここでは戦略コンサルティングファームをドライ寄りか、チームワーク重視寄りかで整理します。
| ファーム | 社風の傾向 | 内容 |
|---|---|---|
| マッキンゼー | ドライ | 個人の仮説力と自立性を重視し、率直なフィードバックが多い |
| BCG | チーム | カルチャーとしてチーム単位でのフィードバックが多い |
| ベイン・アンド・カンパニー | チーム | 結果には厳しいがプロセスの評価では、助け合いの精神が根付いている |
| ローランド・ベルガー | ドライ | 個人のEntrepreneurship(起業家精神)とExcellence(卓越性)が求められる |
| Strategy&(PwC) | チーム | 多様な仲間とのチームワークが求められる |
「ドライな社風」は、議論やフィードバックが率直で、成果基準で判断されやすいという意味であり、チームを重視しないという意味ではありません。「チームワーク重視」は、相互支援や協働を価値観として明文化しているという意味であり、個人の成果が評価される前提は共通です。
実際の働きやすさは、プロジェクトの負荷、上司のマネジメント、評価と支援の仕組みに左右されます。
主要戦略コンサルティングファームの特徴を解説
ここからは、実際に日本国内で活動する主要な戦略コンサルティングファームについて、それぞれの特徴や強みを解説します。
各ファームが得意とする領域や求める人物像を理解し、自身の志向性に合った企業を見つけてください。
マッキンゼー・アンド・カンパニー:ブランドと「個」の強さ
マッキンゼーは戦略コンサルティング業界を代表する世界最高峰のファームです。世界で最も歴史ある戦略コンサルティングファームのひとつです。 個人の実力と自立性が強く求められる環境で、経営レベルの意思決定に深く関与しています。
マッキンゼーの特徴は以下のとおりです。
| 項目 | 特徴・内容 |
|---|---|
| 案件の特徴 | 経営トップ直下の全社変革の案件に強みをもつ・AI活用やシステム実装領域に強みをもつ |
| 社内カルチャー | 「One Firm」の理念のもと、世界中のオフィスで共通の価値観と品質基準・「Dual Mission」を掲げており、個人の成長を最大限に支援するフィードバック文化が根付いている |
| 求める人物像 | 高い論理的思考力とリーダーシップ・若手であっても上司やクライアントに対等に意見する力 |
社内には“Make your own McKinsey”(自分のキャリアは自分で築く)という考えがあり、自身の関心に合わせてプロジェクトや勤務地を選択できる自由度の高さも魅力です。一方で、常に高い期待値が課されるため、自ら機会を取りに行く主体性が不可欠な環境です。
MBA留学支援制度などの教育投資も潤沢であり、グローバルリーダーを目指すうえでこれ以上ない環境といえます。
マッキンゼーについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ボストン コンサルティング グループ(BCG):日本最大の規模と変革力
ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、外資系戦略ファームのなかで最長の歴史と最大級の人員規模を誇ります。クライアント企業と深く協働して変革を促す実行支援に強みを持ち、現場で成果を生み出す実践的なスタイルが特徴です。
BCGの特徴をまとめると以下のように整理できます。
| 項目 | 特徴・内容 |
|---|---|
| 案件の特徴 | あらゆる業界・テーマを網羅・とくにデジタル事業開発部門によるDX実装支援が強み |
| 社内カルチャー | 多様なバックグラウンドをもつ人との協力(Diversity & Inclusion)・チームのコラボレーションによる問題解決を得意とする |
| 求める人物像 | 論理的思考力やクライアントと信頼関係を築ける人間力・新しい知識を吸収し続ける知的好奇心 |
BCGは「戦略を実行してこそ価値がある」というスタンスを重要視しているため、現場での実行力も身につきます。ただし、その成長の機会を掴むためには、常に高い期待値が課されるなかで、自ら機会を取りに行く主体性が不可欠です。
多くの日系大企業の経営層にOB・OGが在籍していることからも明らかなように、BCGでの経験は、長期的キャリア形成の大きな財産となるでしょう。
BCGについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ベイン・アンド・カンパニー:「結果主義」徹底による高い顧客満足度
ベイン・アンド・カンパニーは、「結果主義」を掲げる世界的な戦略コンサルティングファームとして有名です。また、組織の結束力が強く、チーム全体で互いを高め合いながら成果にコミットするカルチャーも大きな特徴です。
ベイン・アンド・カンパニーの特徴は以下のように整理できます。
| 項目 | 特徴・内容 |
|---|---|
| 案件の特徴 | 買収・売却後の経営統合支援(PMI)を含むM&A関連・PEファンドのデューデリジェンス支援 |
| 社内カルチャー | 結果に対するコミットメントを重要視・若手の裁量権が豊富 |
| 求める人物像 | 知的好奇心や分析力・目標達成まで粘り強く推進する「実行力」 |
ベインのコンサルティングは、単なる戦略立案ではなく、「クライアントがどれだけ儲かったか」という具体的な成果に直結しています。一方で、少数精鋭で徹底した結果を求められるため、高いプレッシャーのなかでも成果を出し続けるタフさが問われる環境です。
この環境で働くことで、ビジネスにおける価値提供とは何かを深く学び、財務的なインパクトを生み出す能力を磨けるでしょう。
ベイン・アンド・カンパニーについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
A.T. カーニー:尖った提案力と実行支援
A.T. カーニーは、「目に見える成果」にこだわり、単なる戦略策定にとどまらず、クライアント企業の収益改善に直結する実行フェーズまで踏み込むスタイルを確立しています。業界の常識や既存の枠組みにとらわれない解決策を提示することが強みです。
A.T.カーニーの特徴は以下のように整理できます。
| 項目 | 特徴・内容 |
|---|---|
| 案件の特徴 | 製造業のサプライチェーン改革・大規模なコスト構造改革 |
| 社内カルチャー | グローバルでのナレッジ共有・チームメンバー間の協調性を重んじている |
| 求める人物像 | 高度な分析力と最後までやり遂げる推進力・業界の常識を疑える革新的な発想力 |
若手のうちからプロジェクトの主要メンバーとして大きな裁量を持つ機会が多く、短期間で濃密な経験を積むことが可能です。一方で、その裁量の大きさは責任の重さを表しており、年次に関係なく高いアウトプット水準が常に要求されるシビアな環境でもあります。
キャリアパスにおいても、事業会社の経営幹部や独立系コンサルタントなど、多岐にわたる道が開かれているでしょう。
A.T. カーニーについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
高度な分析力と最後までやり遂げる推進力 ・業界の常識を疑える革新的な発想力
ローランド・ベルガー:欧州系独自の視点と製造業への強み
ローランド・ベルガーは欧州系唯一のグローバル戦略コンサルティングファームです。とくに自動車や産業機械といった製造業領域においての膨大な実績を誇ります。「Entrepreneurship(起業家精神)」を企業文化の核としており、既存の枠組みにとらわれない柔軟な発想が特徴です。
ローランド・ベルガーの特徴は以下のように整理できます。
| 項目 | 特徴・内容 |
|---|---|
| 案件の特徴 | 製造業のバリューチェーン全体・欧州企業のM&Aや欧州市場の進出支援 |
| 社内カルチャー | ひとりひとりに高い裁量とオーナーシップを求めている・フラットで風通しの良い組織文化 |
| 求める人物像 | 高度な論理的思考力やプロジェクトに自律的に参画する積極性・欧州市場や製造業への関心や知見 |
ローランド・ベルガーでは特定の産業領域における深い専門性を養うことができます。一方で、手厚い指示を待つ姿勢は通用せず、自ら課題を設定し行動する強いオーナーシップがなければ生き残れない厳しい環境です。
米国系ファームとは異なる欧州独自の経営思想やアプローチを学ぶことができ、多角的な視野を養えるでしょう。
ローランド・ベルガーについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
アーサー・ディ・リトル(ADL):技術(MOT)とイノベーションに特化
ADLは1886年にマサチューセッツ工科大学(MIT)の博士によって設立された、世界初の経営コンサルティングファームです。 創業以来、技術とイノベーションを経営戦略の中心に据えるMOT(Management of Technology:技術経営)の思想を提唱しています。
ADLの特徴は以下のとおりです。
| 項目 | 特徴・内容 |
|---|---|
| 案件の特徴 | 製造業の研究開発やイノベーション創出・知的財産マネジメント・近年はヘルスケアやエネルギー領域も増加 |
| 社内カルチャー | 真面目で研究室な社風・中長期的な視点でコンサルタントの成長を見守る文化 |
| 求める人物像 | 高度なロジカルシンキング・科学技術やイノベーションへの深い関心と知見 |
ADLでは「技術」という切り口で経営戦略を構築する専門性を高められます。ただし、高度な専門技術をビジネスの収益へと転換させる難易度の高いテーマを扱うため、技術への深い理解と、経営視点で俯瞰する視座が求められる環境です。
R&Dや知財戦略といった深い技術領域まで踏み込むため、「技術を理解できる経営人材」としての市場価値を確立できるでしょう。
ADLについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Strategy& / アクセンチュア Strategy:総合力を活かした実行力
「Strategy&」「アクセンチュア Strategy」は、従来の戦略ファーム(MBBなど)とは一線を画す、総合コンサルティングファームの実行力を背景に持つ戦略部門です。両社ともテクノロジーと組織力を活用して具体的に変革を推し進めています。
Strategy& / アクセンチュア Strategyの特徴は以下のとおりです。
| 項目 | Strategy&の特徴 | アクセンチュア Strategy の特徴 |
|---|---|---|
| 案件の特徴 | M&A戦略、大規模な組織・オペレーション変革 | AI、クラウド、データ分析などを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX) |
| 社内カルチャー | 協調的でオープンな文化 | 実力主義と成果主義 |
| 求める人物像 | 異なる背景をもつ人物と複雑な課題を解決する能力 | 従来の戦略コンサルに必要な問題解決能力に加えてデジタル技術への深い理解が必要 |
総合系戦略部門で働くメリットは、戦略立案だけに留まらない業界や組織の変革を体験できる点です。Strategy&は財務・組織変革の実行力を、アクセンチュア Strategyはテクノロジー実装力を武器としており、描いた戦略を現実のものとするスキルが身につきます。
Strategy& / アクセンチュア Strategyについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ランキングだけで選ぶのは危険!失敗しないファームの選び方
戦略コンサルティングファームへの転職を目指す際、売上規模や年収ランキングだけで志望先を決めるのはリスクが高いです。 各ファームには案件の得意領域や独特の社風があり、これらが自身と合致していない場合、早期離職につながる可能性があります。
ここでは、入社後のミスマッチを防ぎ、長期的なキャリア形成につなげるためのファーム選びの重要ポイントを3つの視点で解説します。
自分のキャリアプランとファームの「得意領域」を照らし合わせる
戦略コンサルティングファーム選びでは、ランキングの高さよりも、自身のキャリアプランとファームの得意領域が合っているかが重要です。得意領域のミスマッチは、入社後の成長実感や満足度を大きく左右します。
「戦略コンサルティングファーム」と一口にいっても、* M&A戦略や経営戦略など純粋な戦略立案に特化したファーム*もあれば、新規事業開発やDX戦略を得意としたファームも存在します。
たとえば「経営に携わる戦略を立案したい」のであれば、経営全般の視座を養えるピュア・ストラテジー(純粋戦略)案件が多いMBBを目指すのは優良な選択肢になるでしょう。 一方で、「テクノロジーを活用した事業変革をリードしたい」と考えるならば、アクセンチュアやデロイトといった総合系ファームの戦略部門のほうが、実装まで一気通貫でかかわれる機会が豊富です。
入社後のミスマッチを防ぐためには、そのファームのプロジェクト事例やパートナー陣の専門領域を確認し、自分の目指すスキルセットが得られる環境かどうかを見極めましょう。
ネームバリューよりも「社風」とのマッチングを重視する
戦略コンサルティングファームを選ぶうえで、企業の「社風」が自身の性格や価値観と合致しているかは、長く活躍するうえで重要な要素です。カルチャーが合わない環境では、実力があっても成果を出し続けることが難しくなります。
たとえば、個人の知的生産性を高めようとする「個人戦」の色彩が強いファームもあれば、チームワークとクライアントへの伴走を重視する「チーム戦」の文化が根付くファームもあります。どちらが優れているという話ではなく、自分が力を発揮しやすい環境かどうかが重要です。
ネームバリューだけで判断し、自身の志向と異なるカルチャーの組織に入社してしまうと、精神的な負担が大きくなりやすい傾向があります。評価のされ方やフィードバックの文化が合わない場合、成長実感を得にくくなる点には注意が必要です。
選考プロセスにおいて、面接官や現場のコンサルタントと直接話し、「この人たちと一緒に働きたいか」を確かめましょう。「この人たちと、どのように仕事を進めるのか」を具体的にイメージできるかが、ミスマッチを防ぐポイントです。
将来のキャリアパス(ポストコンサル)の選択肢で選ぶ
戦略コンサルティングファームを選ぶうえで、その後のキャリアパスはどのようなものが開かれているのかを確認することは重要です。コンサル業界は次のステップへの通過点となる場合も少なくありません。
ポストコンサルの進路は、出身ファームのブランドやネットワーク、スキルセットに大きく影響されます。 たとえば、ベンチャーキャピタルへの転身を目指すなら、投資業界への輩出実績が豊富な戦略ファーム(MBBなど)での経験が有利です。
一方、事業会社の経営企画やスタートアップのCXOを目指す場合は、戦略だけでなく現場への実装・実行支援まで深くかかわり、手触り感のある変革経験を積めるファームが高く評価される傾向にあります。
ファームを選ぶ際は、OB・OGがどのような業界・職種で活躍しているかを確認し、自分の描く将来像に近いロールモデルが多く存在する環境を選ぶ視点が必要です。
戦略コンサルへの転職を成功させるためのポイント
戦略コンサルティングファームの中途採用は倍率が高く、一般的な企業への転職とは異なる特有の対策が求められます。
ここでは、内定獲得率を高めるために押さえておくべき3つの重要なポイントを解説しますので、転職を検討している人は参考にしてください。
高度な論理的思考力が問われる「ケース面接」対策
戦略コンサルへの転職において最大の難関といえるのが「ケース面接」です。 これは、面接の場で提示されるビジネス課題に対し、制限時間内に論理的な解決策を導き出すことが試されます。
この面接で評価されるのは、回答の正誤そのものではなく「思考のプロセス」です。 現状分析から課題の特定、施策の立案までを構造的に整理し、面接官に対し説得力を持って伝える能力が厳しく審査されます。
対策としては、フェルミ推定や主要なビジネスフレームワークの習得が必要です。 ただし、独学だけでは自身の論理の飛躍などに気づくことが難しいため、転職エージェントなどを活用して模擬面接を繰り返し、プロの視点からフィードバックを受けることで内定の確率が高まるでしょう。
ケース面接については、以下の記事でより詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
書類選考で落とされないためのレジュメ作り
戦略コンサルの選考では、面接に進む前の書類選考の段階で厳格に審査されます。 書類審査だけではなく面接にも用いられるため、職務経歴書の質を上げるのは重要です。
戦略コンサルに内定するための職務経歴書は以下を意識して記載しましょう。
-プロジェクトや業務における自身の役割・意思決定範囲を明確にする
- 前職での経験や実績を明確な数字で記載する
- 希望するファームに求められる要素を確認し、自身の強みと整合するように記載する
通過率を高めるためには、単に業務内容を羅列するのではなく、コンサルタントが重視する「構造化」と「定量化」を意識する必要があります。過去の実績を「どのような課題に対し、どのような仮説で行動し、結果として数値をどれだけ改善したか」を論理的に説明しましょう。
職務経歴書については、以下の記事でより詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
コンサル特化型エージェント活用の重要性
戦略コンサルティングファームへの転職活動は、業界の内部事情に精通した「コンサル特化型エージェント」を活用しましょう。
特化型エージェントを活用する最大のメリットは、各ファームの最新の採用動向や「非公開求人」にアクセスできる点です。戦略ファームは極秘プロジェクトにかかわる人員募集を公開しないことがあり、有力なポジションはエージェント経由でしか知らされないケースが少なくありません。
また、ケース面接の対策においても、特化型エージェントには過去の出題傾向や合格者の回答パターンといった膨大なデータが蓄積されています。 元コンサルタント出身のアドバイザーから、実践的な模擬面接やフィードバックを受けられる環境は魅力的です。
MyVisionのようなコンサル特化型の転職エージェントを利用することは、戦略コンサルへの転職を検討するにあたって有力な選択肢です。
戦略コンサルへの転職ならMyVisionへ
戦略コンサルティングファームへの転職は、高い倍率と特殊な選考プロセスを突破する必要があり、個人の対策だけでは限界があります。 MyVisionは、コンサルティング業界への転職に特化したエージェントであり、累計8,000名以上の支援実績とそこから導き出された独自の選考対策が特徴です。
過去数千件にも及ぶ面接データを分析した「独自の対策資料」や「想定問答集」を提供し、難関とされるケース面接においても、評価ポイントを熟知したプロがサポートします。
「自分の経歴で挑戦できるか知りたい」「ケース面接の対策をしたい」などの人は自身の市場価値を知ることからはじめましょう。戦略コンサルへのキャリアを本気で目指す人は、ぜひMyVisionの無料相談を活用してみてください。
まとめ
戦略コンサルティングファームは、早い成長スピードと高年収が得られる魅力的な環境ですが、単にランキングや知名度だけで志望先を決めることはリスクをともないます。
転職を成功させ、入社後も活躍し続けるためには、各ファームの「得意領域」や「社風」を深く理解し、自身のキャリアプランと合致する環境を見極めることが重要です。
また、選考プロセスは極めて難易度が高く、論理的思考力を問われるケース面接やコンサルタント視点でのレジュメ作成など、専門的な対策が欠かせません。独学での対策には限界があるため、業界の知見を持つエージェントを有効活用することが、内定への近道です。
戦略コンサルタントとしてのキャリアに関心がある人は、ぜひMyVisionの無料相談を活用してみてください。
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