ドリームインキュベータとは 特徴や年収を徹底解説
2025年08月05日更新
ドリームインキュベータ(以下、DI)は、100名以上のプロフェッショナルを擁し、日本のあらゆる分野のトップ企業に戦略コンサルティングサービスを提供しているファームです。DIのサービスラインは、経営戦略の策定からマネジメントコンサルティング、更には新規事業創出に関わるビジネスプロデュースにまで及びます。 選りすぐりの精鋭たちがクライアント企業が既存市場のみならず新規事業でも更にプレゼンスを高めるための包括的なサポートを提供しています。 DIや、DIへの転職にご関心のある方はぜひ参考にしてください。
著者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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ドリームインキュベータの基本情報:会社概要と事業内容
会社概要
社名:株式会社ドリームインキュベータ 代表者名:三宅孝之 設立年:2000 年 従業員数:143(2023年3月末時点) 資本金:5014百万円(2023年3月末時点) 売上高:301億円(2023年3月期実績) 株式公開:東京証券取引所 プライム市場
ドリームインキュベータの事業内容
DIは様々な切り口から顧客に対して戦略コンサルティングやビジネスプロデュースに関するサービスを提供しています。以下に代表的なサービスラインをいくつか紹介いたします。
産業プロデュース
産業プロデュース事業は、社会課題を基点に政府と企業が連携して新たな産業の構想を誕生させることを目指しています。このサービスの背景には既存ルール内での個別企業だけによる取り組みでは大きな構想の設計や実現はむずかしいという課題意識があります。産業プロデュースを行うDIのコンサルタントは産業の未来を創る大きな構想を描くと同時に、政府や企業などの各ステークホルダーを巻き込んでその構想を実現に向けてドライブしていくことも求められます。
戦略コンサルティング
DIはビジネスプロデュースに関連する新規事業の戦略策定に留まらず、全社の成長戦略や、中期経営計画の策定、R&D/研究開発戦略、M&A戦略、営業改革や幹部育成等に至るまで、幅広く企業・事業の成長に関連する様々なテーマで、日本を代表する様々な大手企業に対して、戦略コンサルティングのサービスを提供しています。
事業創造支援
事業創造支援では現状の常識の枠を超え、将来の成長を牽引するような新規事業創造の支援を行っています。DIの事業創造支援には「業界横断的な構想力」、「プロデュース型の推進力」、「手触り感のある提案力」という三つの大きな特徴があり、他戦略コンサルティングファームとの大きな差別化がなされています。特にインキュベーション/投資事業を通じて得られる事業へのリアルな知見を活かした「手触り感のある提案力」はDIならではの独自の強みと言えるでしょう。
インキュベーション/投資事業
DIでは、コンサルティング機能の提供のみならずビジネスプロデュースの具現化に向けて、投資機能の積極的な活用にも着目しています。自己資金によるプリンシパル投資の活動に加え、インド向けのDIインドデジタルファンドを運営しており、新たなイノベーションを創造する、ベンチャー及び成長企業への投資・育成を行っています。戦略コンサルティングとインキュベーション/投資事業の両立によりそれぞれで得た知見やノウハウが相互に活用され好循環が生み出されているのはDIの大きな特徴です。
ドリームインキュベータのコア・バリュー
コア・バリューとは、その会社のカルチャーや風土を特徴づける価値観です。DIでは「ミッション」、「ビジョン」、「バリュー」がそれぞれ策定されており、これらがDIのコアバリューを形作っています。 以下にDIの「ミッション」、「ビジョン」、「バリュー」をそれぞれ紹介いたします。
ミッション:「社会を変える 事業を創る」
DIではミッションとして「社会を変える 事業を創る」が掲げています。DIは経営課題の解決に対して普遍的かつ有効な戦略コンサルティングスキルと、インキュベーションで培われた当事者的な経営力を有しており、これら二つの融合によるビジネスプロデュースを実践しています。DIでは一貫して、社会課題を解決し日本経済を元気にするための事業創造を行ってきており、DIのミッションは創業時から変わらぬその姿勢をストレートに言語化したものとなっています。
ビジョン:「挑戦者が一番会いたい人になる」
DIは創業依頼ビジネスプロデュースを行い続けており、ビジネスプロデュースの実践において大切なのは最前線で挑戦し続ける経営者やビジネスパーソンに伴走する事です。そうした最前線で挑戦し続ける人々にとって最高の伴走者であり続けたいという想いがこのビジョンには込められています。
バリュー:「枠を超える。」
「領域の 枠を超えて 構想する」 「常識の 枠を超えて 戦略を立てる。」 「組織の 枠を超えて 仲間を集める。」 「自分の 枠を超えて 挑戦する。」
DIは社会を変える新しい事業の創出を目指しています。そして、そのためには発想の領域も、これまでの常識も、人と人とのつながりも、自分自身の可能性も、全て従来の枠を超えていくことが必要であるという考えから上記のようなバリューを採用しています。
ドリームインキュベータで働く
ドリームインキュベータの案件の特徴
DIの案件の大きな特徴は新規事業関連の案件の比率が高いことです。DIはビジネスプロデュースを業界をまたいだ構想を描き、社内外の資源を組み合わせて、数千億円規模の新事業を創造することと定義しています。以下に挙げる二点はDIの新規事業関連案件の大きな特徴になっています。
事業創造の規模の大きさ
DIでは新規事業立案の際に短期的な利益よりも長期目線に立ち、業界横断的な発想で当該事業のみにとどまらず、その産業全体のあり方自体を変えてしまうようなアプローチを取ることが多いです。したがって、必然的にステークホルダーも増え、案件としての規模も大きくなります。
一気通貫の支援
DIはビジネスプロデュースを提供しています。したがって新規事業の構想・戦略を策定しておしまいではなく、そこから仲間集めやルール作りなど戦略を事業の形に落とし込む過程にもコミットする事が出来ます。ともすれば机上の空論になってしまいがちな通常の戦略コンサルティングとは一線を画しているのがDIの新規事業関連案件の大きな特徴と言えるでしょう。
ドリームインキュベータのプロモーションの仕組み
DIでは下記のレベルで職位が分かれています。
ビジネスプロデューサー マネージャー シニアマネージャー 執行役員
昇進は年次によって決定されるのではなく、それぞれの職位に必要な能力を身につけ、期待される役割を果たせると判断されると昇進し次のステップの仕事を任されます。。各職位で期待される役割は以下の通りです。
ビジネスプロデューサー:顧客の成長というゴールに向けて、マネージャーのアドバイスのもとで、高い視座で課題を俯瞰しつつ、能動的に事業をプロデュースする。 マネージャー・シニアマネージャー:現場のリーダーとして、大きなゴールを意識してプロジェクトを設計し、顧客及びチームメンバーをドライブする。 執行役員:プロジェクトの総責任者として顧客企業の成長にコミットする。また、DIの経営チームの一員として、DIの成長にも責任を負う。
また、ビジネスプロデューサーとして基礎を身につけた後は、マネージャーや執行役員を目指すのではなく、本人の希望に基づき専門性を高めていくというキャリアパスも存在します。 プロモーションに際して年齢に縛られることも少なく、希望すれば自らの専門性を磨く環境も提供されます。
ドリームインキュベータの育成制度
DIには様々な育成プログラムが整えられており、学ぶ意欲さえあれば限りない成長を遂げられる環境が用意されています。以下にDIの育成制度をいくつか紹介いたします。
Off-JT
DIでは職位ごとにOff-JTが設けられています。入社時には戦略コンサルタントとしての基礎を身につけるために、ベーススキル研修と模擬ケース研修が用意されています。また、マネージャー昇進後にはクライアントや部下や案件全体をマネジメントする必要がでてきます。そこで、マネージャー以上の社員はケースマネジメント研修とクライアントマネジメント研修をマネージャー昇進時に受講する事ができます。
OJT
DIのOJTにおいて特筆すべきはメンター制度の存在です。各プロジェクト毎にその案件直属の上司に加え、メンターから濃密なFBを受ける事ができます。また、メンターとの1on1でのキャリア面談が半年に一回あり、メンターを通じて様々な世界や業界を垣間見ることもできます。
その他の制度
他にも、「イノベータースピーカーシリーズ」というプログラムを展開しています。「イノベータースピーカーシリーズ」では国内外の起業家、研究者、VCが主にゲストとして招かれ、彼らとともに未来のビジネストレンドについて議論を深めることができ、一流のビジネスプロデューサーとなるための好奇心や幅広い知識を身に付けることが可能です。また、会社支援のもと「語学研修」を受けることも可能です。
ドリームインキュベータのカルチャー
DIの特徴的なカルチャーをいくつか紹介いたします。
風通しの良さ
DIのカルチャーの大きな特徴の1つとして挙げられるのは風通しの良さです。コンサルタントは直属の上司だけではなく、執行役員や自分の直属ではない上司などにも、進行中のプロジェクトやキャリアについて気軽にFBを求めることができます。マッキンゼーやBCGといった大手戦略ファームに比べるとコンサルタントの人数が少ないことに加え、新規事業支援などボトムアップでのクリエイティブな発想が求められる案件の比率が高いことなどが風通しの良いカルチャーが根付くことに繋がっています。
スピードの速さ
既存事業の変革や中期経営計画の策定に比べ、新規事業の支援はトライアンドエラーをより多く繰り返す事が求められます。そうした新規事業支援案件の比率が高いこともあり、DIでは仕事の進め方にスピード感が求められると感じる社員の方も多いです。
バックグラウンドの多様性
DIでは産業プロデュースなど、単一事業のみならず政府などのプレーヤーも巻き込んで進めていく案件も非常に多いです。そのため、案件に関わるステークホルダーが多様化する傾向があります。また、案件を進行するコンサルタントのバックグラウンドも他ファームと比べると非常に多様になるという特徴があります。
ドリームインキュベータ福利厚生について
DIでは全ての社員の心身の健康を支え安心して働ける職場環境を整えることに非常に力を入れています。以下にDIの代表的な福利厚生について紹介いたします。
借上社宅制度 慶弔見舞金制度 入社準備金前借制度 選択制退職金制度 従業員持株会 自社株交付制度 語学研修支援制度 就業不能所得補償制度 他各種社会保険完備
また、社員の健康管理への支援が非常に充実しているのも大きな特徴です。健康管理支援の代表的な仕組みとしては以下のようなものが挙げられます。
生活習慣病予防検診補助(35歳未満) 人間ドック補助(満35歳以上) PET検査補助(満40歳以上) 医療費補助 インフルエンザ予防接種、会社常備薬 産業医によるカウンセリング制度 健康保険組合 EAP(外部専門家によるカウンセリング等)
このようにDIは従業員の福利厚生にとても力を入れている会社であると言えるでしょう。
女性の働きやすさについて
DIでは社員1人1人がプロフェッショナルとして成果を出すための支援は惜しまないというカルチャーが根付いており、育休や産休に関する支援や制度が非常に充実しています。また、社員の意見や要望を吸収して制度にしてしまう姿勢や出産や子育てに対して非常に前向きな会社の雰囲気も特徴的です。 以下に代表的なエピソードを二つ紹介いたします。
入社一年目に合わせた制度改革
ある社員が入社一年目で育休を取ろうとしたところ、社内規定で一年以内での育休取得が禁止されていることがわかりました。しかし、その社員が人事に掛け合ったところそのルールは廃止され入社一年目からでも育休を取得する事ができるようになりました。
執行役員も17時に退社
多くの会社では育休や子育て支援の制度が整っていても、制度が形骸化しており実際にはほとんど活用されていないという事例が珍しくありません。しかし、DIでは執行役員自らが17時に退社し育児や子供の教育に力を注いでいます。また、社内共通のスケジューラーには「子育て」という項目が設けられており育児に対して積極的に取り組もうというカルチャーが強く根付いています。
出典:ドリームインキュベータ 戦略コンサルDIが提案する「働きやすさの新常識」 パフォーマンス最大化のカギは「自由と自律」
ドリームインキュベータの平均年収
戦略コンサルタントは他の業種と比較して高収入であると言われています。 下記にDIの役職別・年齢別の年収目安を紹介いたします。
職位別年収目安 ビジネスプロデューサー:年収 550万円~1100万円 マネージャー:年収 1200万円~1500万円 シニアマネージャー:年収 1600万円~2000万円 執行役員:年収2000万円~
年齢別年収目安 25歳 約800万円(約600万円~1000万円) 30歳 約1400万円(約1200万~約1500万円) 35歳 約1800万円(約1600万~2000万円) 40歳 約2500万円(約2000万円~)
※上記年収の目安は、公式サイトに掲載された情報ではありませんので、参考程度にご活用ください。
戦略コンサルティングファームは昇給スピードが総合コンサルティングファームと比べてもかなり早く、最速で20代前半のうちに年収1,000万円を超えます。自身の能力や出したアウトプットの質に応じて昇進スピードが決まるため、実力に応じた年収増を目指せる環境となっています。直近の有価証券報告書によると、平均年収は1776万円(平均年齢は37.1歳)となっており、増加傾向となっています。
DIの最近のトピック
トピック①元代表取締役社長山川氏の著書「瞬考」が発売
DIの前代表取締役社長の山川隆義氏の著書「瞬考」が2023年6月7日に発売され、ビジネス書としては異例の発売前重版も決定しました。「瞬考」はエンジニア×戦略コンサル×ビジネスプロデュースという異質のキャリアを歩んできた著者が「ビジネスプロデュース」やそのために必要な「鋭い仮説」はどうすれば生み出せるのかということを自らの経験に即して書き下ろした内容となっています。DIのメソッドやカルチャーを肌で感じたい方にはおすすめの一冊です。
出典:newscast 発売前重版決定!仮説を一瞬ではじき出す「瞬考」とは?AI時代に立ち向かうビジネスパーソン必見の一冊が登場
トピック②「ジャパンアルムナイアワード2022」にて審査員賞を受賞
DIは創業20周年を記念し公式アルムナイネットワークを発足させました。発足以前のアルムナイ活動はDI主体によるものが中心でした。しかし、アルムナイネットワーク発足をきっかけにアルムナイ個人にフォーカスする機会が増加しました。こうした点が評価されジャパンアルムナイアワード2022において審査員賞を受賞することができました。今後もアルムナイネットワークの価値を高め、ひいてはそれをDIのブランディングにつなげるためにもさらなるアルムナイネットワーク活性化が期待されます。
出典:ドリームインキュベータ「ジャパン・アルムナイ・アワード2022」にて審査員賞を受賞、対談記事が掲載
トピック③電通グループと資本業務提携を結ぶ
DIと電通は2021年に資本業務提携を結びました。戦略コンサルティングと広告というそれぞれ一見離れた事業領域に属しているように見える両者ですが「顧客企業の事業創造を支援しトップラインの成長に貢献する」というコアバリューは実は共通しており、今後はそれぞれの強みを活かした協業のあり方を模索していく事になります。ビジネスのクリエイティブな側面に強みを持つ両社のコラボレーションの進展は極めて興味深いものになるでしょう。