【例文あり】コンサル転職の「転職理由」完全ガイド|面接官を納得させるロジックと伝え方
2025年11月29日更新
コンサル転職の面接で必ず聞かれる「転職理由」について、「どこまで本音を話すべきか」「面接官が納得する伝え方は何か」と悩む方は多いでしょう。特に年収アップや市場価値の向上が大きな理由の場合、そのまま伝えて良いか迷うケースもあります。
結論として、コンサル転職では“転職理由の論理性と一貫性”が合否を大きく左右します。採用側は転職理由から「志向性の方向性」「成長意欲」「仕事への適性」を読み取り、活躍可能性を判断するためです。
本記事では、面接官が納得する転職理由の構成や、本音の理由の伝え方、現職別の例文まで分かりやすく解説します。転職理由を構造的に整理し、コンサル転職の成功率を高めたい方はぜひ参考にしてください。
著者

河瀬 樹
Kawase Tatsuki
早稲田大学を卒業後、ベイカレントにてコンサルティング、営業だけでなく、採用・人事にも従事し数十名のコンサルタントのキャリア開発を支援。MyVisionに参画後は、コンサルタントと人事の双方の視点を踏まえた効率的な選考対策を強みに、多数の転職を支援
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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コンサル転職では転職理由を整理することから始めよう
コンサル転職では、最初に“転職理由をどれだけ整理できているか”が面接の評価に大きく関わります。コンサルは入社直後からクライアント対応や高密度な学習が求められるため、明確な動機がある人ほど成果を出しやすいと判断されるためです。
ここでは、転職理由が重視される背景と、面接官が具体的にどこを見ているのかについて、解説します。
コンサル転職の面接で「転職理由(志望動機)」が重要視される理由
コンサル転職の面接では、転職理由が特に重視されます。入社後すぐに高い成果を求められるため、動機や志向が明確な人ほど早く活躍できると判断されるためです。
具体的にどの観点で評価されるのかを、次の4つのポイントから解説します。
コンサルタントとしての適性を見極めるため
コンサル転職の面接では、転職理由の“内容”から課題意識や志向性の方向性を確認します。現職で何を感じ、なぜ環境を変える必要があると考えたのかは、コンサルの仕事と合うかを判断する基礎になるためです。
また、転職理由の“組み立て方”からは論理的思考の素地が読み取られます。「過去」「転職の動機」「コンサルで実現したいこと」を一貫して説明できるかどうかが、コンサルタントに必要な思考プロセスと整合します。
このように、転職理由は動機の説明だけでなく、考え方や志向性の特徴を把握する手がかりとして重視されます。
「なぜコンサルか」の論理的な納得感を確かめるため
面接官は転職理由を通じて、「なぜコンサルでなければならないのか」を論理的に説明できるかを確認します。現職では実現できない理由と、現職では実現が難しい点と、コンサルなら実現できる理由を結びつけられるかが重要です。
また、転職理由の背景にある課題意識が、コンサルの仕事の特徴とどれだけ合っているかも見られます。環境を変える必然性を明確に語れるほど、志望動機の説得力が高まります。
さらに、目的と手段の関係が矛盾なく説明できるかは、納得感の基盤になります。なぜコンサルなのかを合理的に示せるかが、面接官が重視するポイントです。
早期離職のリスクがないか判断するため
面接官は転職理由を通じて、早期離職のリスクがあるかどうかを判断します。転職理由の背景にある目的意識の強さが、継続性の指標になるためです。
転職理由に一貫したストーリーがある場合、迷いなく取り組める姿勢が読み取れます。一方で理由が曖昧な場合、負荷の高い状況で踏みとどまれない可能性があると見られます。
加えて、将来のキャリアイメージをどれだけ具体的に描けているかも重要です。中長期で成長したい方向性が見えるほど、継続意欲を持って働けると判断されます。
自社ファームとの相性を測るため
面接官が転職理由を重視するのは、自社ファームとの相性を見極めるためです。ファームごとに求める働き方や価値観が異なるため、それに合う人ほど成果を出しやすいと判断されます。
転職理由に表れる動機や考え方が、自社の仕事の進め方と一致しているかは重要な判断軸です。たとえば「クライアントと伴走したい」「戦略策定に特化したい」などの志向が合っていれば、現場とのミスマッチが起こりにくくなります。
また「なぜそのファームなのか」を明確に語れることは、入社後の貢献領域を判断する手がかりにもなります。ファームの特徴を理解したうえで転職を志望している場合、長期的な活躍が期待しやすいと評価されます。
面接対策の進め方については、以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
面接官を納得させる「転職理由」の基本フレームワーク
面接官が納得する転職理由をつくるには、「何を」「どの順番で」伝えるかを整理することが欠かせません。特にコンサル転職では、理由に一貫したストーリーがあるかどうかが評価の中心になります。
ここでは、転職理由の組み立て方と押さえるべき構成要素を解説します。
重要なのは「過去・現在・未来」の一貫性
面接官が転職理由で最も重視するのは、「過去・現在・未来」が一貫しているかどうかです。経験から得た課題意識と、転職を考えた背景、コンサルで実現したいことに自然に結びついているほど、納得感が生まれます。
一貫性を出すためには、まず自分が一貫して抱き続けてきた課題意識(軸)を明確にすることが有効です。そのうえで「なぜそう思ったのか」「だから次に何を選んだのか」という因果関係で話を組み立てると、矛盾のないストーリーになります。
また、先に「将来どうなりたいか」を決めてから逆算する方法も効果的です。目指す姿を起点に、現職での制約や過去の経験を整理することで、一貫した転職理由を作れます。
転職理由で伝えるべき4つの構成要素
転職理由は、次の4つを押さえることで一貫したストーリーとして伝えられます。
- 現職での経験と課題意識(過去)
- 転職を考えるようになった背景(現在)
- なぜコンサルを選ぶのかという必然性
- なぜそのファームで働きたいのかという将来像(未来)
まず、現職での経験や課題意識が転職理由の出発点になります。どんな制約や限界を感じたのかが、現在の転職検討へ自然につながることが重要です。
次に、コンサルを選ぶ明確な理由を示すことで、環境を変える必然性を説明できます。そのうえで、志望ファームを選ぶ根拠や今後のキャリア像を語ると、転職理由全体に一貫性が生まれます。
この4つを順序立てて整理することで、面接官が知りたい「動機の深さ」と「合理性」を明確に伝えられます。
コンサル転職の「本音の理由」はどう伝える?NG例とポジティブ変換術
コンサル転職を目指す人の多くは、年収アップや市場価値の向上といった“本音の理由”を持っています。しかし、これらをそのまま面接で伝えると、受け身な印象や短期的な動機と受け取られる可能性があります。
ここでは、本音を踏まえつつも面接官が納得する形で伝えるためのポイントを整理します。
よくある本音の転職理由(年収・市場価値・成長など)
コンサル転職では、年収アップや市場価値の向上など、率直な動機を持つ方が多いです。専門性を高めたい、成長スピードを上げたいといった、前向きな理由もよく挙げられます。
また、現職では関われない規模の課題に挑戦したいという思いも代表的な本音です。より上流の仕事に携わり、幅広い経験を積みたいというニーズは珍しくありません。
一方で、こうした本音はそのまま伝えると短期的な目的に見えたり、受け身な印象を与えたりする可能性があります。次の見出しでは、面接で避けるべきNG転職理由を解説します。
そのまま伝えてはいけないNG転職理由
本音の転職理由であっても、そのまま面接で伝えるとネガティブに受け取られる内容があります。特に「給与が低い」「残業が多い」「人間関係が合わない」といった現職への不満は、環境要因に左右されやすい人と見られる可能性があります。
また、「とにかく成長したい」「幅広い経験を積みたい」といった抽象的な理由も、注意が必要です。主体性より受け身の姿勢が強く映るほか、コンサルでなければならない必然性が伝わりにくくなります。
さらに、「有名だから」「ブランドが高いから」という志望動機は動機の浅さを疑われます。こうした理由を避け、より建設的に動機を示すための工夫が次のポイントになります。
本音を「貢献意欲」に変換する伝え方
本音の転職理由は、採用側の視点で再解釈し「どのように貢献したいか」という形に置き換えることで、前向きな動機として伝えられます。年収や成長への意欲も、身につけたい能力や提供したい価値に言い換えると説得力が高まります。
たとえば「市場価値を上げたい」という本音は、「より高度な課題に取り組み、クライアントに提供できる価値を広げたい」と表現できます。現職の制約を理由にするのではなく、挑戦したい領域を明確にすることがポイントです。
また「上流の仕事をしたい」という気持ちは、「事業の全体像を捉えたうえで、根本的な課題解決に携わりたい」といった貢献意欲に変換できます。自分が実現したい価値を軸に語ることで、本音を活かしながら前向きな志望動機を示せます。
【現職別】コンサル転職理由の例文集
転職理由は、現職の業界や職種によって背景が大きく異なります。同じ「コンサルを志望する理由」でも、経験してきた業務や課題意識によって伝えるべきポイントは変わります。
ここでは、代表的なバックグラウンドごとに、面接で使える転職理由の例文を紹介します。
事業会社(メーカー・商社など)からの転職理由
事業会社では、担当する業務が固定化されやすく、扱えるテーマの幅に限界を感じるケースが多くあります。より広い視点で課題に向き合いたいという思いから、コンサルへの転職を検討する方が多いのが特徴です。
その背景から、次のような転職理由が生まれます。
- 担当領域が限定されているため、より大きな課題に挑戦したい
- 業務改善・企画の経験を多様な企業で生かしたい
- 現場で培った知識を、複数企業の課題解決に応用したい
これらを踏まえた例文は次の通りです。
<例文> これまで事業会社で業務改善や企画業務に携わるなかで、特定領域に閉じた改善では限界があると感じるようになりました。より大きな課題に取り組むには、自社の枠を超えて多様な企業の課題に向き合う必要があると考えています。 コンサルタントとして、現場で培った経験を生かしながら構造的な問題解決に挑戦し、クライアントの成果につながる支援を実現したいと考え、転職を志望しています。
金融機関(銀行・証券など)からの転職理由
金融機関では、商品やサービスが制度・規制に強く影響されるため、担当できる業務の幅が限定されやすいという環境があります。より本質的な課題に向き合い、クライアントの変革に直接関わりたいという思いから、コンサルを志望する方が多い傾向があります。
その背景から、次のような転職理由が生まれます。
- 金融商品の枠を超え、企業全体の課題に向き合いたい
- 営業・審査・企画など職務が縦割りで、変革をリードしにくいため
- 規制や組織構造の制約で、大胆な提案や改革が実行しにくいため
- 財務・リスク管理などの専門性を、多様な業界の課題解決に生かしたい
これらを踏まえた例文は次の通りです。
<例文> 銀行で法人営業と財務分析を担当するなかで、資金調達や財務改善にとどまらず、企業の事業構造そのものに課題があるケースを多く経験しました。しかし、金融機関という立場上、踏み込んだ提案や変革の実行支援が難しく、より広い視点で企業成長に携わりたいという思いが強くなりました。 コンサルタントとして、財務の知見と企業分析の経験を生かし、クライアントの事業成長に直接貢献したいと考え、転職を志望しています。
SIer・ITベンダーからの転職理由
SIer・ITベンダーでは、プロジェクトの役割が要件定義や設計・開発に限定され、事業課題の上流に関わりにくいという環境があります。技術に加えて“ビジネス視点”を身につけ、根本的な課題解決に携わりたいという思いから、コンサルを志望するケースが多くあります。
その背景から、次のような転職理由が生まれます。
- システム導入の前提となる事業課題の整理に関わりたい
- 顧客の要求に応えるだけでなく、最適な解決策を提案したい
- 技術に偏らず、ビジネスとテクノロジーの両軸で価値を出したい
- 複数業界のDXや業務改革に携わり、経験の幅を広げたいと感じた
これらを踏まえた例文は次の通りです。
<例文> これまでSIerとして要件定義から設計・開発まで一連の工程を担当するなかで、システム導入だけでは根本的な課題解決につながらないケースを多く経験しました。企業の事業課題を踏まえたうえで、最適な解決策を提案・実行する役割に挑戦したいと考えるようになりました。 コンサルタントとして、ITの知見とプロジェクト経験を組み合わせ、業務改革やDX推進に幅広く貢献したいと考え、転職を志望しています。
公務員・士業からの転職理由
公務員や士業は安定した環境で専門性を発揮できる一方、業務範囲が制度や組織構造によって固定されやすく、主体的に変革を進めにくいという側面があります。より大きな裁量を持ち、成果に直結する課題解決に関わりたいという思いから、コンサルを志望するケースが多くあります。
その背景から、次のような転職理由が生まれます。
- 制度による制約が大きく、主体的に改革を進めにくいため
- 個別の手続き業務より、組織全体の課題に向き合いたい
- 専門知識をより広い分野で生かし、企業や自治体の成長に貢献したい
- 自ら企画・推進できる環境で成果を出したい
これらを踏まえた例文は次の通りです。
<例文> 公務員として地域行政に携わるなかで、住民対応や制度運用にとどまらず、組織全体の課題解決に関わる必要性を強く感じる場面が増えていました。しかし、制度上の制約から自ら改革を推進できる範囲に限界があり、より主体的に変革を進められる環境を求めるようになりました。 コンサルタントとして、行政で培った課題整理力や関係者調整の経験を生かし、組織の成長や業務改善に貢献したいと考え、転職を志望しています。
第二新卒・未経験者の転職理由
第二新卒や未経験の方は、早期のキャリア形成や成長スピードに対する危機感から、より広い業務に挑戦できる環境を求める傾向があります。現職では担当領域が限定され、経験の幅が広がりにくいことが転職を検討する背景になります。
そこから、次のような転職理由が生まれます。
- 早期に多様な業務経験を積み、成長スピードを高めたい
- 限定的な業務より、課題分析や改善提案など上流の仕事に挑戦したい
- 若手のうちに主体的に動ける環境でスキルを伸ばしたい
- 現職の延長線では目指したいキャリアを実現しにくいと感じたため
これらを踏まえた例文は次の通りです。
<例文> 現職では定型的な業務が中心で、若手が主体的に改善提案や企画に関わる機会が限られていました。早期に成長できる環境で課題分析や提案に携わり、経験の幅を広げたいという思いが強くなりました。 コンサルタントとして、多様な業界の課題に向き合いながらスキルを高め、クライアントに価値を提供できる人材を目指したいと考え、転職を志望しています。
面接の深掘り質問「なぜコンサルか?」への回答のロジック
面接では必ず「なぜコンサルなのか」という深掘りが行われます。ここで納得感のある答えを示すには、現職では実現できない理由と、コンサルだからこそ叶えられる価値を論理的に説明することが欠かせません。
ここでは、その考え方を整理しながら回答の軸を明確にします。
現職では実現できない理由
面接官は、転職理由のなかで「なぜ現職では実現できないのか」を明確に説明できるかを重視します。現職の制約が整理されていると、転職の必然性が伝わりやすくなります。
たとえば、担当領域の限定や意思決定プロセスの遅さなどは、環境を変えない限り解決しにくい課題です。自身の目指すキャリアと現職の環境にギャップがあることを、客観的に説明することが重要です。
こうした“現職の限界”を具体的に示すことで、なぜコンサルを選ぶ必要があるのかにつながります。
コンサルでこそ実現できること(=コンサルを選ぶ必然性)
「なぜコンサルなのか」を説明するには、コンサルだからこそ実現できる価値を具体的に示すことが重要です。現職にはない視点や役割を担える点が、転職の必然性になります。
コンサルでは、多様な業界・企業の課題に向き合い、経営・業務・組織など幅広いテーマに関われます。短期間で課題の全体像を捉え、改善策の立案から実行支援まで一貫して携われる点は、事業会社では得にくい経験です。
また、変革を推進する立場としてクライアントと対等に議論し、成果に直結する支援ができる点も特徴です。こうした役割に挑戦したいという意欲を示すことで、コンサルを選ぶ必然性がより明確に伝わります。
面接の深掘り質問「なぜ、そのファームなのか?」への回答のロジック
コンサル面接では「なぜそのファームなのか」という質問が必ず深掘りされます。ここで説得力を持たせるには、ファームの特徴を理解したうえで、自身の経験や志向性とどこが一致しているのかを明確に示すことが重要です。
ここでは、その考え方を整理しながら回答の軸をつくる方法を解説します。
ファームの「種類」で絞り込む(戦略系・総合系・IT系など)
コンサル業界ではファームごとに扱う領域や支援スタイルが異なるため、まずは「どの種類のコンサルに適性があるのか」を整理することが重要です。戦略系・総合系・IT系などの特徴を理解すると、自身の志向性との一致点が見えやすくなります。
たとえば、経営課題に深く関わりたいなら戦略系、業務改革からシステム導入まで幅広く携わりたいなら総合系、テクノロジー起点で課題解決を進めたいならIT系が候補になります。志向するキャリアとファームの種類が一致しているかを示すことで、選択理由に納得感が生まれます。
この整理ができていると、志望するファームの強みと自身の経験・志向性がどこで結びつくのかを説明しやすくなります。続く見出しで、その考え方を詳しく解説します。
ファームの「強み・特徴」と自身の「経験・志向性」を一致させる
ファームごとの強みや特色を理解し、自身の経験や志向性とどこが一致しているのかを示すことが、志望動機の説得力を高めるポイントです。特徴を「知っている」だけでは不十分で、自分のキャリアとどのように結びつくかを具体的に語る必要があります。
たとえば、業務改革に強いファームであれば自分の改善経験、IT系であればテクノロジー知識、戦略系であれば構造的な課題整理の強みなど、相性の良さを示すポイントは人によって異なります。自分の経験がどの領域で価値を発揮できるのかを明確にすることが重要です。
こうした「強みと経験の一致」を示すことで、他社ではなくそのファームを志望する理由に一貫性が生まれます。
説得力のある転職理由を作成するための準備
自己流で転職理由をまとめようとすると、どうしても説明にブレが生まれやすくなります。事前に準備を整えることで、面接で筋の通った、納得感のある伝え方ができるようになります。
ここでは、転職理由の精度を高めるために取り組むべき準備を整理します。
自己分析とキャリアの棚卸し
説得力のある転職理由を作るには、まず自分の経験や強みを正確に把握することが不可欠です。棚卸しができていると、面接で質問された際も一貫した説明がしやすくなります。
具体的には、過去の業務経験・成果・課題意識を整理し、「どの経験がコンサル業務に転用できるのか」を明確にすることが重要です。要素を分けて振り返ると、自分の価値がどこにあるのか見えやすくなります。
以下に、棚卸しの手順をまとめました。
| ステップ | 内容 | 具体的な質問例 |
|---|---|---|
| ①業務内容の洗い出し | これまで担当してきた業務をすべて可視化する | どんな役割を担っていたか?・どの工程を担当していたか? |
| ②成果・実績の整理 | 数値・事実ベースで成果をまとめる | 達成した成果は?・どんな改善を実現したか? |
| ③課題意識の明確化 | 業務のなかで感じた問題や限界を言語化する | 改善したかった点は?・どんなもどかしさがあったか? |
| ④強みの抽出 | 経験から共通して発揮してきた強みを特定する | 周囲に評価された点は?・再現性のある強みは? |
| ⑤コンサル業務との接続 | 強みや課題意識がコンサルでどう生きるかを整理する | どの経験が課題解決に活きるか?・どう貢献できるか? |
棚卸しを丁寧に行うことで、転職理由に一貫性と説得力が生まれます。
徹底した業界研究・企業研究
業界研究と企業研究が深まっているほど、転職理由に具体性と説得力が生まれます。理解が浅いと、誰にでも当てはまる説明になり、面接で深掘りされた際に答えにくくなるため注意が必要です。
まずは業界全体の構造を把握し、自分の経験がどの領域で生きるのかを整理します。次に、志望ファームごとの強みや特徴を調べ、どこに共通点があるのかを明確にすることが重要です。
以下に、効率的に進めるための方法をまとめました。
| ステップ | 内容 | 調べるポイント・質問例 |
|---|---|---|
| ①コンサル業界全体の理解 | 戦略系・総合系・IT系の違いを把握する | 各領域は何を支援するのか?・扱うテーマの範囲は? |
| ②各ファームの特徴把握 | 強み・支援領域・カルチャーを確認する | 得意領域は?・どの業界に強い?・働き方や評価の特徴は? |
| ③プロジェクト事例の確認 | 実際にどんな課題を扱っているか理解する | 公開事例やレポートは?・自分の経験が生きる場面は? |
| ④現場社員の声・口コミの確認 | 実態や求められるスタイルを知る | 働き方のイメージは?・活躍している人の共通点は? |
| ⑤自分の経験との接続整理 | なぜそのファームなのかを言語化する | 経験と強みがどこで一致する?・どう貢献できる? |
業界と企業の理解が深まるほど、志望理由の軸が明確になり、面接での説明にも一貫性が生まれます。
模擬面接で「論理性」と「一貫性」を磨く
転職理由をより説得力のある形に仕上げるには、実際に言葉として話しながら整理するプロセスが欠かせません。模擬面接を通じて第三者から客観的な指摘を受けると、説明の流れや表現の曖昧さに気づきやすくなります。
特に、転職理由は「過去→現在→未来」の流れで一貫性が求められるため、話してみることで説明の抜けや論点のズレが明確になります。質問の意図に沿って答えられているか、伝え方に無駄がないかを確認することが重要です。
模擬面接で精度を高めることで、本番でも落ち着いて筋の通った説明ができるようになります。
コンサル転職の「転職理由」で失敗するNGパターン
転職理由は内容の整理が不十分だと説得力を欠き、面接で評価されにくくなります。特にコンサル面接では理由の論理性や企業理解の深さが求められるため、避けるべきポイントを把握しておくことが重要です。
ここでは、面接で失敗につながりやすいNGパターンを整理します。
転職理由と志望動機に一貫性がない
転職理由と志望動機がつながっていない場合、面接官は「本当にこのファームで活躍したいのか」を判断できず、評価が下がりやすくなります。どれほど魅力的な経験を語っても、理由の流れに矛盾があると説得力を欠いてしまいます。
たとえば、現職で感じた課題と志望ファームで実現したいことが結びついていないケースは典型的です。「現職では上流に関われない」と話しながら、志望先が上流以外の領域に強いファームの場合も、整合が取れません。
面接では「過去の経験→転職を考えた理由→志望ファームで実現したいこと」が一つの流れで説明できるかが鍵になります。理由の軸がぶれないよう、事前に整理しておくことが重要です。
企業研究が浅く「誰にでも言える理由」になっている
志望動機がどのファームにも当てはまる内容だと、面接官は「自社を選ぶ理由がない」と判断します。企業研究が不十分なまま面接に臨むと、一般論に終始し、説得力を欠いた印象になりやすく注意が必要です。
たとえば「成長できる環境で働きたい」「幅広い業界を支援したい」といった理由は、ほとんどすべてのコンサルファームに当てはまります。これでは、なぜそのファームなのかが伝わらず、差別化につながりません。
志望先の強みや支援領域、カルチャーを理解したうえで、自分の経験や志向性とどこが一致しているのかを示すことが重要です。固有の特徴と自身のキャリアを結びつけるほど、志望動機に深みが生まれます。
「なぜコンサルか」が曖昧で、現職でも実現可能に聞こえる
「なぜコンサルなのか」を明確に説明できない場合、面接官は“現職でも同じことができるのではないか”と感じます。転職の必然性が伝わらないと、志望度や適性の評価にも影響が出やすくなります。
たとえば「課題解決に携わりたい」「幅広い経験を積みたい」といった理由は、事業会社の企画職や他業界でも実現可能です。コンサルを選ぶ明確な理由が示されていないと、志望動機として弱くなってしまいます。
コンサルでこそ得られる経験や役割を踏まえ、自身の課題意識やキャリアの方向性と結びつけて説明することが重要です。「現職では実現できない理由」と「コンサルだからこそ挑戦できる領域」をセットで伝えることで、転職の必然性が明確になります。
納得感のある転職理由でコンサル転職を実現するならMyVisionへ
コンサル転職では、転職理由の完成度が選考結果に直結します。自分だけで整理すると、説明の流れが曖昧になったり、一貫性を欠いたりすることが少なくありません。
MyVisionでは、元コンサルが転職理由の言語化から模擬面接まで伴走し、採用側の視点に沿った“伝わる志望動機”を一緒に作り上げます。経験の棚卸しや志望ファームとの接続点の整理など、個人では難しい部分も丁寧にサポートします。
選考で自信を持って転職理由を語り、納得感のある志望動機でコンサル転職を成功させたい方は、ぜひMyVisionにご相談ください。
まとめ
コンサル転職では、転職理由の明確さと一貫性が選考突破の大きな鍵になります。過去の経験、転職を考えた背景、志望するファームで実現したいことが一つの流れで説明できるかが重要です。
そのためには、自己分析や業界研究を通じて、自分の経験がどこで価値を発揮できるのかを整理することが欠かせません。面接では「なぜコンサルか」「なぜそのファームか」を納得感のある形で伝えることが求められます。
適切な準備を進めることで、転職理由に説得力が生まれ、志望ファームへの熱意もより具体的に伝えられます。コンサル転職を確実に成功させたい方は、MyVisionのサポートもぜひご活用ください。
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