日立コンサルティングの評判・年収・働きやすさを徹底解
2025年03月30日更新
日立コンサルティングは、日立製作所の100%子会社として、企業向けのITコンサルティングサービスを中心に提供しています。
日立グループが積み重ねてきた知見やノウハウを活かした事業展開を行い、ITだけでなく、エネルギー問題や地球温暖化問題など幅広い分野に支援を広げています。
親会社の日立製作所と連携したサービス提供が強みですが、「激務」や「離職率の高さ」など気になる評判もあります。
本記事では、日立コンサルティングの評判や年収、働きやすさ、キャリアパスなどを詳しく解説します。転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
全部見る
日立コンサルティングとは?
はじめに、日立コンサルティングとはどのような会社なのか、企業概要や事業領域について見ていきましょう。
日立コンサルティングは、日立製作所内のコンサルティング部門が独立する形で、2002年7月に設立されました。
商号 | 株式会社 日立コンサルティング |
設立 | 2002年7月1日 |
資本金 | 24億円 |
代表 | 代表取締役 取締役社長 伊藤洋三 |
従業員数 | 485名(2024年2月末現在) |
本社所在地 | 東京都千代田区麴町二丁目4番地1 麹町大通りビル(受付:11F) |
会社URL | https://www.hitachiconsulting.co.jp/ |
横にスクロールできます
マネジメントコンサルティング(経営計画、事業戦略、新事業構想~立上げ支援)、業務コンサルティング(業務改革、働き方改革、バリューチェーン改革)、ITコンサルティング(IT構想、IT戦略、デジタル技術活用)の3つの軸で顧客の経営課題の解決を支援しています。
同社の強みは、日立グループの企業の技術や製品を活かしたコンサルティングを提案できることです。なかでも製造・公共・金融分野での支援に強みがあります。
日立コンサルティングはやばい?やめとけという評判があるのはなぜ?
日立コンサルティングには「激務」「やばい」といった評判がありますが、一方で、働きやすさの改善に取り組んでいるという意見もしばしば見られます。それぞれの評判の背景について詳しく見ていきましょう。
残業時間が長く激務のイメージがある
コンサルティング業界の平均残業時間は月約40時間とされており、一般的な労働者の平均残業時間(13.8時間)と比較すると、残業が多い業界であることがわかります。
しかし、日立コンサルティングでは勤怠管理を徹底しており、全社平均の月残業時間は20~30時間に留まります。
実際に「平均残業時間が比較的短く、タスクを終えれば、休暇も取得しやすい環境」「残業管理に上司が調整に入る」などの口コミがあり、働きやすい環境が整っています。
一方で、日立コンサルティングは日立グループ内の比較的大規模なプロジェクトを受注するケースも多く、担当するプロジェクトによっては土日出勤や残業時間の増加など、負荷が高まることもあります。
極端な長時間労働はない環境ですが、ある程度の残業には覚悟が必要です。
離職率が高いイメージがある
キャリアアップなど前向きな理由で転職をするケースが多いコンサルティング業界では、短いスパンでの転職がマイナスになることはあまりありません。
日立コンサルティングの場合にも、「自分の好きな分野の仕事が減ってきた」「もっと幅広い案件に携わりたい」などの理由で退職を決めたという口コミがあります。
このような口コミの背景には、同社の軸であるITコンサルティングサービスだけでなく、新サービスの企画立案やグローバルビジネスなど、さまざまな分野への事業を展開していることがあげられます。入社後にアサインされる内容によっては、期待していた仕事ができずに転職を決める人も、少なくありません。
転職を検討中の方は、記事後半で解説する日立コンサルティングの事業領域を参考に、ご自身の強みやこれまでのキャリア、今後の展望とマッチするかを考えましょう。
日立コンサルティングのワークライフバランスの実態
コンサルティング業界特有のハードワークがイメージされる一方で、日立コンサルティングでは、ワークライフバランス向上の取り組みが進められています。
ハイブリッド勤務など柔軟な働き方への取り組み
日立コンサルティングでは、働き方改革の一貫として、オフィス出社とリモートワークを組み合わせることを許可しています。
スマホやPCなどのリモートワークツールを配布し、Wi-Fiやタブレットの貸出も行っているため、ツールを持っていない社員でもリモートワークに取り組みやすいことが魅力です。
また、取得園主要駅各所のサテライトオフィスでも勤務できる制度があり、自宅以外でのリモートワークを希望する人にも柔軟に対応しています。
勤務時間についても、社員等級によってフレックス勤務または裁量勤務が適用されます。
働く場所や時間をフレキシブルにコントロールできることは、同社の強みの一つです。
各種休暇制度の充実
日立コンサルティングでは、育児や介護などのライフイベントに対応できる休暇制度に加え、自己啓発や社会活動への参加にも特別な休暇制度を設けています。
- ボランティア休暇
- 社員自己啓発休暇制度
- 育児休暇制度
- 子の看護休暇
- 介護休暇制度
- 育児・介護時短勤務制度
たとえば「ボランティア休暇」では、年次有給休暇とはべつに、10日間の有給休暇の取得が可能です。
また、入社後3年目以降には、国内外への留学や長期研修に参加するための「社員自己啓発休暇制度」として、最長2年までの休暇が取得できます。
育児や介護についても、年間5日の休暇が取得できる「子の看護休暇」や時短勤務など、個々の状況に応じて柔軟に対応しています。
社員からの口コミ評判
働き方やワークライフバランスについて、社員からは以下のような口コミが寄せられています。
- 入社前は深夜まで続く長時間残業が頻繁にあるというイメージを持っていたが、実際に入社してみると、長時間残業が続く働き方にならないように業務量を調整してもらうなどのサポートしてもらえた
- 在宅やサテライトオフィスの利用などが選択でき、勤務時間も個人の裁量で柔軟に調整できるので、社員一人一人が信頼されているという印象がある
日立コンサルティングの年収・報酬の実態
続いて、日立コンサルティングの給与制度や年齢・役職別の年収実態、報酬体系の特徴について詳しく解説します。
平均年収と他社との比較
Openworkのデータによると、日立コンサルティングの年収は926万円です。アクセンチュアの平均年収約860万円やデロイトトーマツコンサルティングの約950万円と比べても、業界水準で高い傾向にあります。
公開されているキャリア採用の情報では、年収見込み500~1,500万円と提示されているため、スキルや経験によっては入社時から高水準の年収が期待できます。
役職別年収
日立コンサルティングでは、以下8段階のステージで役職が用意されています。
- アナリスト
- コンサルタント
- シニアコンサルタント
- マネージャー
- シニアマネージャー
- ディレクター
- シニアディレクター
- マネージングディレクター
口コミでは、コンサルタントの平均年収は926万円、マネージャークラスでは1200万円~1500万円程度とされています。
また、日立コンサルティングにおける30歳の平均年収は731万円で、国税庁のデータによる男性の全年代の平均年収は569万円から大きく上回ります。
参照:国税庁
給与制度と社員からの口コミ評判
日立コンサルティングの年収には固定残業時間月40時間が含まれており、年1回の賞与(6月)と昇給(4月)があります。
給与制度に対する社員からの評判を紹介します。
- 給与は同業他社と比較して特別悪くはないと思うが、よくもない
- 給与水準は高い。BIG4などの大手コンサルと同等かそれ以上で待遇面は申し分ない
- 賞与は年1回で、個人の評価と業績で決まる。給与も他社と変わらない程度
このほかに、住宅手当やスキルアップのための手当などが充実しているため、実際の収入以上の満足度があるという意見もありました。
日立コンサルティングの事業領域・プロジェクトの実態
ここからは、日立コンサルティングにおける事業領域とプロジェクトの実態について解説します。
事業領域について
日立コンサルティングのコンサルティング領域は、おもに事業戦略、事業企画、業務改革の3つです。
IT領域でのコンサルティングに伴うシステム開発の工程は、日立製作所や日立のグループ企業へと引き継ぎますが、引き継いだ後も継続的に連携し、プロジェクトの実現まで携わる点が特徴です。
さらに、同社がコンサルティングを行う対象は、大きく以下の6つに分かれます。
- 産業(製造、流通、サービス)
- 公共(官公庁、自治体)
- 金融(Fintech、保険)
- 社会インフラ(エネルギー、都市、交通、通信)
- ヘルスケア・健康経営(次世代ワークスタイル改革、健康経営支援)
- IT・デジタル(先端デジタルテクノロジーの活用)
プロジェクトの5割以上が日立グループ以外の企業や公共への支援で、さまざまな業界の顧客にサービスを提供しています。日系企業の海外展開支援など、グローバルビジネスも手がけています。
サービス
日立コンサルティングが提供しているサービスについて、より詳しい内容を見ていきましょう。
経営・事業戦略
日立コンサルティングでは、クライアント企業の新しいブランド創出から中期的なビジョン設定や戦略立案など、経営の根幹を支えるグランドデザインを提供しています。
経営・事業戦略のなかで提供するサービスはさらに細かく分かれ、たとえば「現場参加型DX戦略策定サービス」では、DXセミナーや、業務変革の実現に向けたワークショップなどを通して企業のDX推進をサポートしています。
業務改革
日立コンサルティングでは、事業の再編・統廃合といった改革に対して、全社横断での業務分析や業務改革の企画・構想策定、定着などをサポートしています。
特に建設業など社会インフラに関わる事業者に対しては、日立グループが長年培ってきた社会インフラ技術やノウハウを活かし、人員不足や老朽化設備の増加といった課題を解決していることが特徴です。
グローバル
グローバルなビジネス展開において、日立コンサルティングが成功のカギとしているのは「日本品質のグローバルデリバリー」です。
具体的には納期遵守や柔軟なプロジェクト運営、詳細な管理と報告などを通して、プロジェクト構想策定から一気通貫でサポートしています。
「サービス」と「実行タスク」の2つのメニューで構成されていることも特徴で、M&Aや事業企画など、改革内容に合わせた支援を行っています。
ASEAN地域での「スマートシティ事業企画」や、日本とアメリカでの「米国企業による日本企業M&A」など、多数の実績を持つ部門です。
顧客体験マネジメント(CXM)
従来の大量消費を前提としたマーケティングではなく、顧客の心や感情にまで訴求できるサービス・製品の顧客体験をサポートします。
具体的には、エンドユーザーや生活者のライフスタイルを想像したうえで、タッチポイントや実際に提供する体験など、全体像の設計を行っています。
スマートマニュファクチャリング
スマートマニュファクチャリングは、デジタル技術の進化などで大きく変化する製造業の事業環境において、品質の向上や作業工程の最適化などを支援するサービスです。
具体的なサービス内容の一例として、「スマートファクトリー化支援サービス」があります。プロジェクト方針の決定など構想策定だけでなく、導入後にも運用上の課題点などをモニタリングし、一気通貫していることが特徴です。
働き方改革・人財活用
働き方改革・人財活用は、人材に関する課題解決や働き方の改善などに対し、デジタル技術を活用した施策を実行するサービスです。
たとえば労働時間の縮減に取り組む企業には、光トポグラフィ技術による脳活動計測データなどを活用し組織活性度を算出し、業務の見える化で現状を分析します。
出された現状分析をもとに、働き方の分類に応じて「専門家との面談」や「労働時間管理の高速化」など施策を実行し、効果測定までの包括的なサポート体制を整えていることが特徴です。
SDGs・サステナビリティ
多くの企業が取り組むデジタルトランスフォーメーション(DX)において、日立コンサルティングではESG投資やSDGsへの対応も強化していく「サステナビリティトランスフォーメーション(SX)」の実現を支援しています。
ITサービスデザイン&ITマネジメント
ITサービスデザイン&ITマネジメントは、日立コンサルティングが特に強みとしているサービス分野です。
ITサービスデザインの視点と実現するためのITマネジメントの視点を持ち、ITに関する課題解決を支援しています。
具体的には「システム開発手順構築」や「IT投資管理」など、日立グループ内のIT改革にも携わってきた豊富な知見やノウハウを活用していることが特徴です。
AI/ロボティクス
日立コンサルティングでは、急激に広がっているAIやロボティクスの利活用に対し、倫理的、法的、社会的課題(ELSI)への配慮も含めた支援を行っています。
たとえば生成AIを活用した「新事業創生」「業務変革・拡張」などの推進や、チャットボットの提案など、ニーズに応じた柔軟なコンサルティングサービスを提供していることが特徴です。
また、AI倫理や知財管理などスペシャリストから成る日立製作所「Generative AIセンター」と連携していることも強みで、情報漏えいや著作権侵害などのリスクマネジメントも含めたサービスを提供しています。
日立コンサルティングの成長環境・キャリアパスの評判
続いて、日立コンサルティングの成長環境やキャリアパスについて見ていきましょう。
社員の成長をサポートする環境
日立コンサルティングでは、社員が着実に知識やスキルを身に付け、ステップアップするために、教育をサポートする制度や研修を整備しています。
<クラス別共通研修>
- 上級マネジメント研修:幹部、幹部候補対象
- マネジメント研修:PM・管理職、及び、PM・管理職候補者対象
- コンサルティング基本研修:新卒・第二新卒、コンサル未経験の中途入社
<コンサルティング技術研修>
- コンサルティング領域別技術研修
- 分野別専門講座
日立コンサルティングでの研修は、社内で受け継がれてきたノウハウを「日立コンサルティング標準技法」として体系化していることが特徴です。
「コンサルティング領域別技術研修」では、全社員を対象とした全体概説や、アナリストクラス、コンサルタントクラスを対象とした基本研修、必要に応じて参加できる個別研修など、各クラスで求められる知識やスキルを学ぶことができます。
制度面では、外部研修の受講や書籍購入、語学学習のための費用を補助する制度があり、社員の自己研鑽を支援しています。
社員からの口コミ評判
成長環境やキャリアパスについて、社員からは次のような口コミが寄せられています。
- 勉強会も多々開催されているし、外部研修の受講や書籍購入、語学学習補助など、自己研鑽を支援する制度も充実している
- 資格取得手当は充実してきており、特定の資格を取得すれば手当が支給される
- 新卒や若手を育てようとしてくれる人は多いと思う。制度としては、自社内の研修だけでなく、日立グループの研修も使える
引用:エンゲージ会社の評判 引用:転職会議
日立コンサルティングの求人と採用に関する評判
ここからは、日立コンサルティングの求人や採用について、具体的な選考フローや実際に面接を受けた人からの評判を挙げつつ解説していきます。
中途採用の募集要項
日立コンサルティングの中途採用では、メインで担当するプロジェクトの領域ごとに募集職種が分かれています。
DXコンサルタント
全社デジタル化戦略の立案から、業務改革・デジタル化の構想策定、改革実行力を高めるためのDX組織・人材強化、制度設計まで、一貫して企業のデジタル化支援を行います。
生成AI等に関するELSIコンサルタント
企業におけるAI倫理(生成AIを含む)、プライバシーに関するリスクアセスメントや制度設計などを遂行します。
製造ITコンサルタント
製造領域に関するシステム導入のプロフェッショナルとして、ERP(製造モジュール)やMES導入の上流コンサル(構想策定~要件定義)を担い、製造業務の抜本的革新・生産性向上や新たな価値創造を支援します。
未経験者の募集も一部ありますが、基本的にはコンサルティング業界の経験を必須としているものが中心です。
日立コンサルティングの中途採用における選考フロー
日立コンサルティングの中途採用における選考フローは、応募の後に書類選考とWeb適性テストがあり、その後に1次面接、2次面接と続いていきます。応募から内定までにかかる期間はおよそ1ヶ月程度です。
口コミから、面接で実際に聞かれた質問を紹介します。
- なぜコンサルタントを目指しているのか?
- これまでの自分の取り組みでアピールできることはなにか?
- IT関連で最近の気になるニュースは?
引用:転職会議
日立コンサルティングの面接では、論理的思考力やコミュニケーション能力だけでなく、社会課題に対して当事者意識を持って自ら解決する姿勢や新しいことへ意欲的に挑戦できることなども重視されます。
日立コンサルティングの転職で後悔しないためのポイント
日立コンサルティングへの転職はキャリアアップのチャンスになりますが、容易に成功するものではありません。
特にコンサルティング業界未経験者の場合は、着実にスキルを身に付け成果を上げられる人材か、自社の求める人物像にマッチしているか、といった観点で採用の可否を判断されることになります。
そのため、事前にしっかりと企業の組織風土や求める人物像について理解し、どんなことをアピールするべきかを考えておきましょう。
日立コンサルティングでは、スローガンとして“Excitement & Fun”を掲げており、成長意欲のある社員を求めています。具体的には、以下のような人物像がマッチするでしょう。
- 既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想とチャレンジ精神をもって仕事に取り組める方
- 社員同士で尊重し合い、仲間の成長を支援する組織風土に共感できる方
- 常にスキルや経験をアップデートする姿勢を持ち、変革の実現のために取り組める方
日立コンサルティングへの転職におすすめのエージェント
日立コンサルティングへの転職を考える際には、コンサル業界に特化した転職エージェントの活用をおすすめします。
コンサル業界への転職と一口に言っても、他社との比較や、業界特有の面接・試験対策など、抱える悩みは人それぞれです。
専門の転職エージェントを利用すれば、あなたの適性や希望に合った企業を選びやすくなり、内定獲得の可能性を高めるためのサポートも受けられます。
特にMy Visionは、「コンサル転職支援で豊富な実績を持つアドバイザー」や「コンサルファームでの実務経験者」が在籍しており、質の高い転職支援を提供しているのが特長です。
また、200社以上のコンサルティングファームとつながりがあり、あなたの経歴や働き方の価値観に合った求人を紹介できるのも大きな強みです。
無料で利用できるうえ、転職成功に向けたスケジュール設計から総合的なサポートを受けられるので、ぜひ気軽にご相談ください。
まとめ
日立コンサルティングは、日立グループの一員として、経営・業務・ITコンサルティングを提供する企業です。激務との評判もありますが、近年はワークライフバランス改善の取り組みが進んでいます。平均年収は業界水準で高く、成長環境やキャリアパスも整備されています。
転職を検討する際は、事前に業界や会社についての知識を深め、適切なアピールをするための面接対策を行うことがポイントです。コンサル業界に特化したエージェントを活用し、企業研究や選考対策を十分に行うことで、転職の成功に近づくでしょう。
あなたもコンサルタントとして
働きませんか?
コンサルタントへの転職をお考えの方は、
是非MyVisionにご相談ください。
ファームとのコネクションを活かし、
あなたの理想の転職が実現するよう転職先の紹介から面接対策に至るまで、
徹底的にサポートいたします。