アドバイザリーとは?コンサルとの違いや業務内容・年収を解説
2026年01月26日更新
アドバイザリーの業務について、「アドバイザーの業務内容は?」「専門資格がない未経験からでも採用されるのか?」と気になる人は多いでしょう。
結論からお伝えするとアドバイザリーは、特定の専門領域において、客観的な立場から企業の意思決定を支援するという業務を遂行します。資格の有無にかかわらずこれまでの実務で培った強みをアピールできれば、未経験からの採用は十分可能です。
本記事では、アドバイザリーの定義や具体的な企業事例、年収を整理し、さらには財務・M&A・ITといった各専門領域の特徴について詳しく解説します。
アドバイザリーの業務を知り、自分のキャリアパスに合う環境かどうかを判断するための材料として、ぜひ参考にしてください。
著者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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アドバイザリーとは
アドバイザリーとは、M&A(企業の合併や買収)や金融、ITといった専門性の高い領域において、経営判断を支えるアドバイスを提供するサービスです。法務や財務、税務など専門的な分析や提案を提供し、企業を幅広いテーマで助言するのが特徴です。
ここでは、アドバイザリーの具体的な業務内容や、混同されやすいコンサルティングとの違いを詳しく解説します。
アドバイザリーの業務内容
アドバイザリーの業務は、高度な専門性をもとに企業の経営課題解決や意思決定の支援です。M&Aや事業再生を支援する財務アドバイザリーなど、業務の領域はさまざまあります。
具体的なアドバイザリー業務内容は、以下のとおりです。
| 領域 | アドバイザリーの業務内容 |
|---|---|
| 財務・会計 | ・M&Aの財務調査(財務デューデリジェンス) ・企業価値算定(バリュエーション・モデリング) ・事業再生支援(赤字企業の再生支援) ・ステークホルダー対応 |
| IT・システム | ・IT戦略の策定 ・DX(デジタルトランスフォーメーション)推進 ・ガバナンス構築(ITを適切に管理するための体制) ・サイバーセキュリティ対策 |
| リスク管理 | ・内部統制の構築支援 ・コンプライアンス体制の整備(フォレンジック) ・危機管理(クライシスマネジメント) |
アドバイザリーは、クライアントが直面する重要な意思決定において、客観的なデータや専門知見を提供することで、リスクの回避を支援します。
とくに財務やITといった領域では、高度な資格や専門知識が求められるため、プロフェッショナルとしての介在価値が高い仕事です。
アドバイザリーとコンサルの違い
アドバイザリーとコンサルティングは、専門領域と役割の側面で違いがあります。
どちらも企業の課題解決を支援しますが、アドバイザリーはより専門的な立場から助言するのが一般的です。一方コンサルティングは現場に入り込み、戦略立案から課題解決の実行まで担う傾向があります。
アドバイザリーとコンサルティングの具体的な違いは、以下のとおりです。
| 項目 | アドバイザリー | コンサルティング |
|---|---|---|
| 定義 | 専門的な助言 | 課題解決・実行 |
| 主な目的 | ・意思決定の支援 ・リスク回避 ・価値算定 | ・変革の実行 ・課題解決 ・システム開発 |
| 得意領域 | ・M&A ・事業再生 ・不正調査 ・ガバナンス | ・経営戦略 ・DX(デジタルトランスフォーメーション) ・業務改革 ・システム導入 |
アドバイザリーは、専門家としての客観的な意見を求められる場面で真価を発揮します。たとえばM&Aの適正性を判断する際や法規制への適合性を評価するうえで公平な立場からの助言が不可欠です。
一方で、コンサルティングは戦略立案のほかに、DXやシステム開発といった具体的な目標達成に向けてクライアントと伴走する点が特徴といえます。
以下の記事でコンサルタントについて詳しく解説していますので、参考にしてください。
アドバイザリーとアドバイザーの違い
アドバイザリーとアドバイザーは、業務内容を指すのか、あるいは業務をおこなう人を指すのかという違いがあります。
アドバイザリーは、組織として提供されるプロフェッショナルなサービスそのものを指す言葉です。一方アドバイザーは、特定の知見を活かし助言をする個人や役職を指します。
ドバイザリーとアドバイザーの具体的な違いについては、以下のとおりです。
| 項目 | アドバイザリー | アドバイザー |
|---|---|---|
| 定義 | 専門的なサービス・業務内容 | 助言する人・役職 |
| 実例 | ・財務アドバイザリー(FAS) ・ITアドバイザリー ・M&Aアドバイザリー | ・シニアアドバイザー ・キャリアアドバイザー |
| 形態 | チームや組織によるプロジェクト単位の支援 | 個人としての継続的な関与や助言 |
アドバイザリーは、組織的なサービスや業務内容で使われ、財務アドバイザリーなど企業が組織として提供する高度な専門サービスを意味します。一方でアドバイザーとは、個人や専門家が特定の職位に就いている人を指すのが一般的です。
アドバイザリー業務を主軸とする主な企業
アドバイザリー業務は会計系ファームからM&A仲介、IT系まで多様な企業で展開されています。とくに近年は、企業の不採算事業の切り離しやAI導入に向けた、戦略的な助言ニーズが高まっているのが現状です。
ここでは財務アドバイザリー、M&A仲介・アドバイザリー、IT・総合アドバイザリーで代表的な企業について紹介します。
財務アドバイザリー(FAS)
財務アドバイザリー(FAS)の主な業務は、会計や財務の知見を活かして、M&Aや事業再編の支援です。
Big4と呼ばれる大手監査法人グループのファームが、財務アドバイザリーとして専門性の高いサービスを提供します。
ここではさらに、4つのファームについて、財務アドバイザリー業務の具体例を確認していきましょう。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー (DTFA)
デロイト トーマツ フィナンシャルアドバイザリー(DTFA)は、2025年12月の組織統合により、現在は合同会社デロイト トーマツとしてFAS領域を担っています。
DTFAの財務アドバイザリーの主な業務内容は、以下のとおりです。
- M&A・トランザクション(成長戦略の実行支援)
- クライシスマネジメント(危機対応・再生支援)
- 環境変化に対応した新領域
合同会社デロイト トーマツのFAS機能は、M&Aの戦略策定からPMI(統合)業績改善までを一気通貫で支援するのが特徴です。
近年ではAIやデータを活用したM&Aプロセスの高度化したデジタルデューデリジェンスや公共領域支援など、財務アドバイザリーの業務は多岐にわたります。
以下の記事では旧DTFAについて年収や入社難易度などを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
PwCアドバイザリー
PwCアドバイザリーは世界136ヶ国のネットワークを活用し、ディール(取引)に関連するサービスを提供するアドバイザリーファームです(※)。税務や法務、監査などの専門性に応じたチームで、M&A・事業再生・インフラの領域で支援しています。
具体的なアドバイザリー業務は、以下のとおりです。
- M&Aの戦略策定
- バリュエーション(価値算定)
- 財務・税務デューデリジェンス(M&Aの財務調査)
- ディール完了後の統合支援(PMI)
PwCアドバイザリーは、M&Aの戦略策定から実行支援までワンストップで提供が可能です。近年ではESGデューデリジェンス(環境・社会・ガバナンスの専門調査)や地政学リスクへの対応も強化しています。
以下の記事ではPwCアドバイザリーの年収や社風まで解説しているので、目を通してみてください。
※ 参考:PwCアドバイザリー合同会社法人案内
KPMG FAS
KPMG FASは、現在はKPMGアドバイザリーホールディングス傘下のKPMGアドバイザリー株式会社において、主に「ディールアドバイザリー部門」がその機能を担っています。
具体的な財務アドバイザリー業務は、以下のとおりです。
- M&A戦略立案
- PMI(統合支援)
- 債権者交渉や再編計画策定などの再生支援
- 事業ポートフォリオの再構築
- 企業や事業価値を数値で評価するバリュエーション
KPMGアドバイザリーホールディングスが展開するのは、企業の成長戦略(M&A)から実行、PMIまで包括的に支援するアドバイザリーサービスです。
またAI変革やデータ分析、Web3.0、宇宙産業といった先端テクノロジー領域への投資を加速させており、財務アドバイザリーと最新技術を融合させています。
以下の記事では、事業再生のパイオニアとしての実績を持つ統合前のKPMG FASについて詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)は、EYのメンバーファームです。2020年の組織統合によって、戦略・M&A・コンサルティングの機能を集約し、専門性と実行力を両立しています。
具体的なアドバイザリー業務は、以下のとおりです。
- 企業の適正価値を算定
- M&A戦略・実行支援
- トランザクション・ディリジェンス(買収対象企業の調査)
M&Aの支援に留まらず、組織変革や事業再生まで含めた包括的なトランスフォーメーションを得意とする点が特徴です。
近年は生成AIを駆使したデューデリジェンスの効率化や、ESGの観点を取り入れた投資戦略の助言に力を入れています。
以下の記事ではEYSCについて、特徴や年収について詳しく解説していますので、参考にしてください。
M&A仲介・アドバイザリー
M&A仲介・アドバイザリーは、企業の存続や成長に直結する譲渡や買収を支援するプロフェッショナルです。
後継者不在に悩む中小企業の事業承継だけでなく、DXや海外展開を目的とした攻めのM&Aニーズが加速しています。
ここではさらに、M&A仲介・アドバイザリー業界を代表する企業を解説します。
日本M&Aセンター
日本M&Aセンターは、M&A仲介の制約実績がトップのリーディングカンパニーです。売り手と買い手の間に立ち、中立的な立場でマッチングから成約までを支援します。
累計成約件数は1万件を超えており、全国の地方銀行や会計事務所との強固なネットワークを武器に国内最大級の案件数です。日本M&Aセンターの特徴は、以下が挙げられます(※)。
| 項目 | 特徴・強み |
|---|---|
| 包括的なネットワーク | 全国の地銀の9割以上や会計事務所約1,000先と提携する |
| AI・データの活用 | AIによるマッチング効率化を推進し成約スピードと精度を向上する |
| 高い報酬水準 | 完全実力主義でインセンティブ比率が高い |
日本M&Aセンターの強みは、全国を網羅する情報開発力と成約を最大化させる組織体制です。近年は海外拠点を通じたクロスボーダーM&AやAIを活用したデータドリブン経営にも注力しています。
経営者と向き合い、企業の存続や成長を支えるM&A仲介・アドバイザリーはやりがいが大きく、成長を求める人にとって日本M&Aセンターは魅力的な環境です。
※ 参考:データで分かる日本M&Aセンター
M&Aキャピタルパートナーズ
M&Aキャピタルパートナーズのアドバイザリー業務は、国内の中堅・中小企業の事業承継や成長支援を目的としたM&A仲介です。
着手金や月額報酬を一切受け取らない完全成功報酬制を導入しており、クライアントの成約に対する納得感を重視しています。
M&Aキャピタルパートナーズの具体的な特徴は以下のとおりです。
| 項目 | 特徴・強み |
|---|---|
| 完全成功報酬制 | 成約まで費用が発生しない仕組みを提供する |
| 高い案件単価 | 大規模な案件の比率が高い |
| 少数精鋭の体制 | 経験豊富なアドバイザーが直接案件を担当する |
M&Aキャピタルパートナーズは、着手金無料で顧客のハードルを下げつつ、専門性の高い提案で大型案件を成約に導くのが特徴です。アドバイザー個人の生産性と報酬が極めて高い、少数精鋭のプロフェッショナル集団といえます。
近年はグループ会社となったレコフとの連携を強化するなかで、データベースを駆使した戦略的なマッチング精度をさらに高めていくでしょう。
※ 参考:M&Aキャピタルパートナーズ公式サイト
IT・総合アドバイザリー
IT・総合アドバイザリーは、テクノロジーを核に据えた経営戦略の策定やDXの推進を支援する領域です。
ツールの導入ではなく、AIエージェントを活用した抜本的な業務変革が重視されています。戦略コンサルティングファームやシンクタンクが持つITなどの知見は、複雑化するデジタル社会において不可欠な存在です。
ここでは最先端のIT技術と戦略的知見を融合させて価値を提供する代表的な企業を紹介します。
アクセンチュア(戦略・IT系)
アクセンチュアは、世界最大級の規模を誇るコンサルティングファームです。テクノロジー コンサルティングやテクノロジー ストラテジー&アドバイザリー(TS&A)部門が中心となり、企業のデジタル変革を支援します。
アクセンチュアの具体的なITアドバイザリーの特徴は以下のとおりです。
| 項目 | 特徴・強み |
|---|---|
| 戦略から運用までの一貫性 | 戦略策定・システム構築・業務運用をワンストップで提供する |
| AIへの巨額投資 | 最新技術をビジネスプロセスへ組み込む体制を構築する |
| グローバルな知見共有 | 世界120ヶ国以上の拠点で得られたベストプラクティスをデータベース化する |
アクセンチュアは、技術導入に先駆けたガバナンス構築や役割定義を重視しています。現場がAIを使いこなし、意思決定する体制づくりなどの支援をしているのが特徴です。
ITアドバイザリーは、企業のビジョン策定からDXを通じたビジネス変革まで幅広くサポートします。
以下の記事では、アクセンチュアの働き方の特徴についてより解説していますので、ぜひ参考にしてください。
三菱総合研究所 (シンクタンク系)
三菱総合研究所(MRI)は、日本を代表する総合シンクタンクです。官公庁向けの政策提言から民間企業の経営戦略まで幅広く手掛けています。
三菱総合研究所の具体的なITアドバイザリーについては、以下のとおりです。
| 項目 | 特徴・強み |
|---|---|
| シンクタンクの知見 | 官公庁案件で培った膨大なデータを背景にした戦略を立案する |
| 近年の重点領域 | 脱炭素社会の実現に向けたGXやAIガバナンスの構築 |
| グローバルな社会変革 | 海外のイノベーションエコシステム構築に関与する |
三菱総合研究所は、シンクタンクとしての公共性とコンサルティングとしての実効性を兼ね備えています。社会全体の持続可能性を高めるための支援をおこなっているのが特徴です。
近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)を通じた社会課題の解決に注力しています。
以下の記事では、三菱総合研究所の特徴や年収についてより解説していますので、ぜひ参考にしてください。
アドバイザリーの年収
アドバイザリーの年収は、非常に高い水準です。アドバイザリーの年収が高くなる背景として、専門性の高さや業績への貢献度があります。
とくにFASやM&A仲介では、役職が上がるにつれて賞与やインセンティブの割合が増え、30代で年収2,000万円を超えることも十分可能です。
ここでは最新の調査データや各社の報告書に基づき、領域別の具体的な年収相場について詳しく解説します。
財務アドバイザリー(FAS)
財務アドバイザリー(FAS)の年収レンジは、そのほかの領域のなかでも上位です。とくにマネージャークラスになると年収1,000万円を超えるケースが一般的であり、業界内でも高水準な報酬体系が維持されています。
年収が決まる要因としては、職位による上昇幅が大きい点に加え、市場における「人材獲得競争」が背景にあります。M&Aや事業再生など高度な財務知識を武器にするプロフェッショナルは希少性が高く、ベース給与の底上げが進んでいる傾向です。
代表的な企業であるPwCアドバイザリーの平均年収は約1,100万円であり、アドバイザリー職に限った平均は約1,500万円といわれています。役職によって大きく変動しますが、パートナー職では3,000万円以上も見込めるなど、報酬が高くなる傾向です。
IT/業務アドバイザリー
IT・業務アドバイザリー職の年収レンジは、FASと比較するとやや低い傾向にありますが、企業のテクノロジー投資の活発化に伴い上昇基調にあります。具体的には、ITアドバイザリーとして年収800万円以上がひとつの目安といえるでしょう。
年収が決まる要因としては、職位や成果に加え、近年は「案件特性」が大きく影響します。AIを前提とした変革やサイバーリスク対応など、技術的背景を持ちつつ最上流の経営課題を解決できる人材は供給が不足しており、高い年収が提示されやすい傾向です。
代表的な企業であるアクセンチュアの平均年収は約860万円、テクノロジー領域のレンジは430万〜2,500万円です。高度な専門性を持つプロフェッショナルに対して、実績に応じた手厚い報酬体系が用意されているといえるでしょう。
M&Aアドバイザリー
M&Aアドバイザリーの年収レンジは、数あるアドバイザリー領域の中でも突出して高い水準です。平均年収は1,000万円前後が目安となりますが、若手からでも成果次第で数千万円規模の資産形成が可能である領域といえるでしょう。
年収が決まる要因としては、成約実績に連動する「インセンティブ比率」の高さが挙げられます。完全実力主義の側面が強く、案件特性と成果次第で、報酬の上限はかなり引き上げられるといえるでしょう。
代表的な企業である日本M&Aセンターの平均年収は約1,000万円です。最高6,500万円に達する事例やM&Aキャピタルパートナーズのように年収中央値が約2,600万円にのぼるファームも存在しており、実績がダイレクトに年収へ反映される構造といえるでしょう。
【MyVision編集部の見解】 MyVision編集部の見解では、年収だけで転職先を検討することをおすすめしません。なぜなら、企業によって福利厚生や担当プロジェクトの領域が異なるからです。年収の高さに惹かれて自身のスキルセットを無理して入社すると、昇進やその後のキャリアパスにつながるので、総合的な指針から転職先を検討しましょう。
アドバイザリーのキャリアパス
アドバイザリーのキャリアパスには、ファーム内でキャリアアップを目指すだけでなく、事業会社への転職やスタートアップとして企業経営する方法があります。アドバイザリー業務で磨いた専門性は市場価値が高く、さまざまなキャリアパスが開かれているのが特徴です。
ここでは代表的な3つのキャリアパスについて、具体的に解説します。
同ファーム内でのキャリアアップ
アドバイザリーファームでは実力主義に基づいた明確な役職制度があります。入社後はアナリストからスタートして、平均して2〜3年ごとに昇進を検討されるのが一般的です。
以下に、通常のアドバイザリーにおけるキャリアパスを提示しました。
| 役職 | 期間目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| アナリスト | 1〜3年 | 調査・分析・資料作成といったデリバリーを実行する |
| コンサルタント | 3〜5年 | プロジェクトの実務リーダーで成果物の品質に責任を持つ |
| マネージャー | 5〜10年 | 予算管理やチーム運営でクライアントとの窓口を担う |
| プリンシパル・シニアマネージャー | 7〜12年 | 複数のプロジェクトマネジメントの品質管理や顧客開拓をおこなう |
| パートナー | 10年〜 | ファームの経営や新規案件の受注で顧客との信頼構築する |
若手層は情報収集や分析、資料作成などの実務を通じて基礎力を磨きますが、昇進するにつれ専門知識やメンバー育成などのスキルが必要です。Up or Out(昇進するか、去るか)の文化は以前よりもやわらいでいますが、多くのファームでは実力主義の傾向があります。
専門性を深めつつ、経営層に同じ高い視座を獲得していくことで、アドバイザリーの市場価値を高められるでしょう。
事業会社への転職
アドバイザリーで培った専門知識は事業会社の経営中枢でも高く評価されます。とくにM&Aや財務戦略に精通した人材は、大手企業の経営企画部やM&A専門部署において即戦力として迎えられるケースが多い傾向です。
事業会社への転職でアドバイザリー業務を活かせる職務は、以下が挙げられます。
| 職務 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 経営企画・財務戦略 | 全社戦略の策定や予算管理・資本政策の立案 |
| M&A・事業開発 | 買収案件のソーシングやデューデリジェンスの統括 |
| FP&A(財務分析) | データの可視化を通じた意思決定支援や収益改善の提案 |
アドバイザリー出身者は数字を根拠に経営を語れる点が強みです。事業会社へ転職するなかで、外部のアドバイザーとしてではなく、当事者として意思決定に深く関与できる点にやりがいを見出す人もいます。
年収水準はファーム時代と比較して下がる場合もありますが、ワークライフバランスの改善や長期的なキャリア形成を見通す選択肢のひとつです。
スタートアップ・起業
アドバイザリー業務の出身者は、スタートアップの経営参画や起業においても高い成功率を誇ります。とくに創り出すフェーズでは、不確実ななかで数値を根拠に意思決定を下せる能力が不可欠です。
スタートアップ・起業で活かせるアドバイザリーの役割は、以下が挙げられます。
| 役割 | 具体的な貢献内容 |
|---|---|
| CFO(最高財務責任者) | 資金調達の戦略策定や資本政策の構築 |
| COO(最高執行責任者) | 業務プロセスの標準化や組織拡大に向けたオペレーションの構築 |
| 自ら起業・独立 | 専門領域に特化したブティック系ファームの設立やSaaSプロダクトの開発 |
CFOとして投資家との交渉を担うだけでなく、COOとしてAIを駆使した効率的な組織運営を設計するケースも増えています。アドバイザリーで培った構造化能力と専門知見は、リソースが限られるスタートアップにとって強力な武器です。
独立・起業の道を選ぶうえでも、アドバイザリー業務で培ったネットワークや信頼関係が事業を立ち上げる支えになるでしょう。
アドバイザリーへの転職を成功させる方法
アドバイザリーへの転職は、高度な専門性と論理的思考力が求められるため十分な準備が欠かせません。
ここでは内定率を高めるための職務経歴書や面接の対策、その他の方法を解説します。
職務経歴書対策
アドバイザリーの職務経歴書では、専門性をどのように実務へ活かしてきたかを数字ではかれる実績とともにアピールすることが重要です。職務経歴書をとおして、ドキュメンテーション能力や論理的思考力を最初に評価される背景があります。
具体的に評価される項目と記載するポイントは、以下のとおりです。
| 評価される項目 | 対策内容 |
|---|---|
| 定量的な実績 | 成約件数・削減コスト・プロジェクト規模などを具体的な数値で示す |
| 専門スキルの証明 | 財務分析・モデリング・ITアーキテクチャ設計などの手法を明記する |
| 役割の明確化 | チーム内での立ち位置やリーダーシップを発揮したエピソードを盛り込む |
| トレンド対応 | 生成AIを活用した業務効率化やデータ分析の実務経験があれば優先的に記載する |
職務経歴書では、アドバイザリー業務に直結する再現性のあるスキルを可視化することが重要です。
とくに財務アドバイザリー(FAS)やITアドバイザリーを志望するうえでは、複雑な情報を整理して構造化する能力が書面から伝えられるようにしましょう。そのために結論から先に述べる結論ファーストの構成を徹底することが不可欠です。
面接対策
アドバイザリーの面接では、他社ではなくなぜこのファームを選び、アドバイザリー業務を志望したのかを面接官に納得させることが必要です。また面接官は、職務経歴書に記載された実務経験を専門知識と論理的思考力の側面から深掘りします。
面接対策で具体的に準備するポイントは、以下のとおりです。
| 評価される項目 | 対策内容 |
|---|---|
| 志望動機 | 監査や事業会社ではなくアドバイザリーとして支援したい理由を伝える |
| 論理的思考力(ケース対策) | 複雑な課題に対し解決を導き出すプロセスを練習する |
| 専門知識 | 財務(財務諸表・バリュエーション)やIT(システム構成・最新技術)の基本を整理する |
面接では志望動機がとくに重視されるため、各ファームが掲げるビジョンや具体的なアドバイザリー業務の理解を深めておくことが欠かせません。
とくにアドバイザリーでの面接では、特定の課題(ケース)に対して、面接官と議論しながら解決策や導くケース面接が多くあります。自身の過去の成功体験に、最新のトレンドを掛け合わせて語れるよう準備しましょう。
以下の記事ではケース面接の出題例や対策方法を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
転職エージェントの活用
アドバイザリー業務への転職には、転職エージェントを活用しましょう。アドバイザリーは非公開求人の割合が高い傾向であり、個人の力だけで募集情報を網羅するのは困難であるためです。
転職エージェントを利用するメリットは、以下が挙げられます。
- 非公開求人へのアクセス
- ケース面接対策
- 条件交渉の代行
- 業界動向の把握
とくに近年は人手不足の影響で、生成AIの実装経験やサステナビリティ(ESG)の専門知識を持つ人材の争奪戦といえます。特定のファームと太いパイプを持つエージェントを活用することで、アドバイザリーの採用率を高められるでしょう。
コンサル業界に特化したエージェントでは、書類対策やケース面接での評価ポイントを把握しています。自身のスキルがどのファームで高く評価されるかを見極めるためにも、プロの視点を取り入れることがおすすめです。
【MyVision編集部の見解】 MyVision編集部の見解では、ひとつの総合的な転職エージェントの活用のみを推奨していません。業界によって対策方法や必要となる知見が大きく異なるのが背景です。そのため、業界に精通した「特化型の転職エージェントの活用」も視野にいれるとその後の転職活動も納得のいくものになりやすいでしょう。
アドバイザリーへの転職ならMyVision
どのファームが自身のこれまでのキャリアを最大化させるのか判断するのは、簡単ではありません。アドバイザリー業務といっても、財務(FAS)やM&A、ITなど特色が異なる背景があります。
アドバイザリーへの転職は、一般的な事業会社に比べて選考のハードルが高く、高度な論理的思考力(ケース対策)や専門知識の即戦力性が必要です。とくにAIによる変革やサステナビリティ(ESG)対応など、最新動向への理解も必須となっており、対策の難易度は高まっています。
そこで頼りになるのが、コンサル業界に特化した転職エージェントのMyVisionです。
MyVisionには、元FAS出身者やコンサル業界を知り尽くしたプロフェッショナルが多数在籍しています。表面的な求人紹介ではなく、実体験に基づいた精度の高いキャリア提案が受けられる点が最大の強みです。
領域ごとの評価ポイントを熟知しているため、書類選考や面接対策の参考確率を高められます。会計士の経験からM&Aアドバイザリーへ転職し年収アップした事例などもありますので、MyVisionへお気軽にご相談ください。
アドバイザリーに関するFAQ
ここからは、アドバイザリーについてのよくある質問について解説していきます。
Q.公認会計士などの専門資格を持っていなくても、財務アドバイザリー(FAS)に転職できますか?
専門資格を持っていなくても財務アドバイザリーに転職することは可能です。
確かにFASには公認会計士や税理士の有資格者が多く在籍していますが、無資格の未経験者でも、前職での経理経験などがあれば十分に採用の可能性があります。
Q.アドバイザリーから将来、戦略コンサルタントに転身することはできますか?
アドバイザリーから戦略コンサルに転身することは十分に考えられます。
とくにITや財務の専門性を武器にした転身がおすすめでしょう。 たとえば、アドバイザリーで培う特定の領域における専門性は、戦略コンサルタントとしての希少価値を格段に高めてくれます。
まとめ
アドバイザリーとは、M&Aや財務、ITといった専門領域において、客観的な立場から企業の意思決定を支援する業務です。実行支援中心のコンサルティングに対し、専門知見に基づく助言を通じて、リスク回避や価値算定をする役割があります。
アドバイザリーの年収は高い傾向である一方で、選考で求められる基準も高まっており、ケース対策や書類のブラッシュアップが欠かせません。そのためにはコンサル業界特化のエージェントであるMyVisionの活用が、アドバイザリー転職を成功への近道です。
MyVisionでは、過去数千件の面接内容を分析した独自の対策資料や頻出問題集をもとに選考対策をします。求人票には載らない各ファームの内部事情や、評価ポイントもリアルに伝えられるでしょう。
実際にコンサル未経験者がMyVisionを活用し、アドバイザリー業務への転職を成功させた事例もあります。MyVisionが選ばれる理由を参考にしてみてください。
MyVisionでは非公開求人の紹介から選考対策まで、コンサル業界出身のアドバイザーがキャリア構築をサポートします。アドバイザリー業務の実態を知りたい人は、ぜひMyVisionの無料相談へお申込みください。
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名古屋
業務内容
【募集部室】 ●コンサルティング事業本部 経営戦略ビジネスユニット 経営戦略第2部 【職務内容】 経営戦略ビジネスユニットでは、主に中堅企業を対象に「戦略策定から実行支援まで」、一貫したソリューション提供を軸にコンサルティングを行っています。 大企業向けコンサルティングに比べて、「経営者と直接やりとり」をしながら、「顧客の経営全般に関与する」ことになるため、その発展や変革にダイレクトに貢献することができます。このために組織として「T字型人材」への育成を指向し、様々な育成施策を展開しています。 また、戦略・計画策定にとどまらず、計画を着実に実践するための支援(インプリメンテーション)を行うことも多く、長期間に渡りお客さまの企業変革を「戦略から実践まで」支援しています。 ●主なクライアント 中堅企業を中心に大企業~中小企業まで、業種業態に関わらず「幅広なクライアント」を対象に、同時並行で様々なコンサルティングを遂行しています。 特定の業種にとらわれること無く、様々な業界を対象としたコンサルティングに携わりながら、コンサルタントとしての経験を積んで頂くことが出来ます。 ●具体的には (注力分野) (1) 経営戦略・事業戦略:「中期経営計画」「成長戦略」「新規事業開発」「収益力向上」等のテーマを中心に、企業戦略全般の支援や将来の新市場の開拓、ビジネスモデル変革を通じたクライアントの成長を支援します (2) 実行支援:BPO支援、企業価値向上、売上高増大・コスト節減策立案、および、これらの支援を通じて企業の経営効率を高め、企業価値向上・ボトムライン最大化・社内管理体制再構築を実現します (3) 組織風土改革推進:組織変革サーベイの開発、組織診断の実行、意識改革に向けた組織開発・組織改善方針の立案 (4) 人材育成:企業目的遂行のために、クライアント内での戦略実行人材の開発、中長期視点での主体的・計画的に行動できる人材の発掘・育成 (業務内容・役割) (1) 経営環境の調査・分析:市場環境、業界構造、協力/競合企業などに対する公開情報や専門家インタビュー等により、調査・分析、資料化、報告 (2) クライアント内部情報の収集・分析:クライアントの経営関連資料、業務関連データ(をクライアント担当者と協力して収集・分析、資料化、報告 (3) 戦略・戦術の検討と策定支援:上記(1)(2)の結果を踏まえ、クライアントが取るべき企業行動や活動の検討、企画、具体化、実施決定を支援 (4) 戦略・戦術の実行支援:クライアントの各部門や社員様への働きかけ支援、外部組織との連携支援等 (5) 組織変革に向けたファシリテーション:クライアント担当者や利害関係者との信頼関係構築、全社を巻き込んだ活動の推進 ●備考 中堅企業の経営に直接働きかける機会が豊富なため、大きな責任はあるものの、コンサルティング成果が実感しやすく、企業経営に対するインパクトの大きな業務が出来ます。 様々な業界、企業規模のクライアントへのコンサルティングを同時並行で進めるため、多様なインプットがあり、コンサルタントとしての成長が促進される環境です。 【プロジェクト事例】 (1) 経営戦略・事業戦略 ・産業機械メーカー:IPOを視野に入れた中期経営計画策定 ・広告業 :成長戦略策定支援 ・電機メーカー :オープンイノベーションの仕組みを活用した新規事業創出支援 ・金融機関 :新規事業探索とビジネスモデルの策定支援 ・不動産業 :ボールパークによってもたらされる統合的価値評価 (2) 実行支援 ・中堅化粧品卸 :中期経営計画作成支援・実行支援 ・製造業 :経営再建計画策定および施策実施支援 ・飲食サービス業 :収益改善および経営者的人材育成 ・医療法人 :2病院の統合計画の策定および計画策定から開業までの実行支援
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コンサル_オープンポジション
想定年収
500~2,500万円
勤務地
東京都渋谷区
業務内容
※コンサルティング事業部でオープンで選考を受けたいという場合の求人 選考内でコンサルティング事業部のコンサルタント/シニアコンサルタント/マネージャー以上のどのレイヤーでオファーさせていただくか決定予定です。
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コンサルティング職(スタッフ)
想定年収
400~800万円
勤務地
東京都港区
業務内容
- 事業再生業務(事業DD、財務DD、再生計画立案、実行支援、金融機関調整等)のコンサルティング ①過剰債務や資金繰り悪化の中堅・中小企業に対し、事業再生コンサルティングを実施。 DDを通じ、対象会社の正常収益力、実態純資産の把握を行い、返済計画含む事業再生計画の立案を実施。 ②その際、コストカットのみでなく、PL改善をどうできるのかを対象会社の社長と検討し、達成可能な計画策定を実施。 ③再生計画立案後は、モニタリング支援を実施し、絵に描いた餅となることのないよう再生計画の実行支援も行う。
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ビジネスコンサルタント(エキスパート/シニア)
想定年収
1,200~2,000万円
勤務地
東京都渋谷区
業務内容
社内外のメンバーとプロジェクトを組みながら、クライアントの本質的な課題を整理・定義したうえ、戦略構築やグランドデザインの検討、そして戦略実現のためのマーケティングやシステム等のソリューション構築・サービス提供まで、一気通貫したコンサルティングを提供します。 入社後は、ご自身の得意領域に合わせてアサインを決定します。 【具体的な業務内容】 顧客理解に基づく論点・仮設設計とタスクの整理・遂行、プロジェクトマネジメントなどを行なっていただきます。 またチームとしてのコンサルティング力向上に向け、案件情報/ノウハウ共有などの仕組みづくりをしていただきます。 ●戦略策定フェーズ例 ・顧客との継続的な関係性構築が必要なお客様に対し、保有している顧客データを活用したマーケティング施策の高度化に向けた戦略策定をご支援します。 ・デジタル技術を活用した事業バリューアップや新規事業創造を目指されるお客様に対し事業戦略策定をご支援します。 ●システム等のソリューション構築 ・クライアントのデータ利活用戦略遂行やありたい姿の実現に向け、システムのグランドデザインを描き、適切なシステム/ソリューション選定・導入をご支援します。 ●案件例 ・小売業界:1to1マーケティングの実現に向けた、戦略や施策立案、必要ツールおよびシステムの提案・構築 ・大型商業施設:顧客・テナント・施設運営者・地域など様々な視点から商業施設のあるべき姿を再定義し、データを活用したマーケティング実現のためのプラットフォーム、サイネージ、アプリなどの提案・構築 ・スマートシティ:地域課題解決に向けたイノベーション創出、住⺠にとってのウェルビーイング実現のための戦略検討と都市OS設計/開発 ・海外案件:住友商事が出資検討先のマーケティング視点でのデューデリジェンスおよび、国内外でのバリューアップ支援 【働く環境】 ●プロジェクトにはスペシャリティを有したセールス担当やエンジニア等のメンバーと共にチームで対応していきます。 ●プロジェクトは、本人の希望や得意とする分野、チャレンジしたい領域をもとに相談していきながら決定していきます。 ●ハイブリットワーク・スーパーフレックス制・私服勤務を全社で採用しているため、働き方の自由度が高く、自身の仕事に集中して取り組むことができる環境です。 ●コンサルティング企業、大手SIer、事業会社 等で活躍していたプロフェッショナルメンバーが在籍しており、多様な人材が揃っています。
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生成AI推進担当_コンサルタント
想定年収
500~800万円
勤務地
東京都渋谷区
業務内容
今年度より新設されたAI専門部隊「AICoE」に所属し、自社内のマーケターやコンサルタント等の多様な職種に対して、汎用生成AIツールの活用促進をご担当いただきます。 また、社内にとどまらずクライアントへの生成AI活用の案件において、施策検討から実行までの幅広いご活躍を期待しています。 将来的にはチームリーダー等の組織長として、組織拡大や商材開発にも寄与していただくことも期待しています。 具体的には・・・ ●社内のマーケターやコンサルタント、デザイナー向けの生成AI活用の具体的なスキルトランスファー ●社外のクライアント向けの生成AI活用の推進、実行 ●最新の生成AIの情報収集 ●実務に直結する具体的なユースケースの共有 ●GPTsやGemなどの特化型チャットボットの作成 ●Difyやn8nなどのAIワークフローのツールを活用したAIワークフローの構築
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