STP分析とは?3つの要素・やり方・事例をわかりやすく解説
2026年09月30日更新
マーケティング戦略を考える際「誰に商品・サービスを届けるべきかわからない」「競合との差別化をどう図ればよいかわからない」と悩むこともあるでしょう。こうした課題を整理し、自社が狙う市場や顧客、提供する価値を明確にする手法がSTP分析です。
本記事では、マーケティング戦略の立案に悩んでいる人に向けて、STP分析の概要や3つの要素、具体的なやり方をわかりやすく解説します。セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングそれぞれの分析方法に加え、トヨタ自動車・スターバックス・ユニクロの企業事例や、3C分析・PEST分析など関連するフレームワークも紹介します。
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著者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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STP分析とは?3つの要素と目的

STP分析は、マーケティング戦略を立案する際に活用されるフレームワークです。セグメンテーション(Segmentation)・ターゲティング(Targeting)・ポジショニング(Positioning)の3つの要素から構成され、それぞれの観点から市場や顧客、自社の立ち位置を整理します。
ここでは、STP分析の考え方と、マーケティング戦略の立案に活用する目的・メリットについて解説します。
STP分析とは
STP分析とは、市場を細分化し、そのなかから狙う顧客層を定め、自社の商品・サービスの立ち位置を明確にするマーケティング分析手法です。
STPは、以下3つの英単語の頭文字から名付けられています。
| 要素 | 英語 | 概要 |
|---|---|---|
| セグメンテーション(S) | Segmentation | 市場を顧客の属性やニーズなどに応じて細分化する |
| ターゲティング(T) | Targeting | 細分化した市場のなかから、狙う顧客層を決める |
| ポジショニング(P) | Positioning | ターゲット市場における自社の商品・サービスの立ち位置を決める |
STP分析では「市場を分ける→狙う市場を決める→自社の立ち位置を決める」という流れで、マーケティング戦略の方向性を整理します。
なお、STP分析は必ずしも一度決めたら終わりではありません。ターゲットのニーズや競合環境などを踏まえて、各要素を行き来しながら検討することも重要です。
STP分析をおこなう目的・メリット
STP分析をおこなう主な目的は、自社がどの顧客にどのような価値を提供するのかを明確にし、マーケティング戦略の方向性を定めることです。
STP分析によって、主に以下のようなメリットが期待できます。
- ターゲット顧客を明確にできる
- 顧客のニーズを把握しやすくなる
- 競合との差別化を図りやすくなる
- 自社の強みを活かせる市場を見つけやすくなる
- マーケティング施策の方向性を統一できる
市場全体を対象に商品・サービスを考えるのではなく、顧客を細分化して狙う市場を絞り込むことで、限られた経営資源をどこに投入するべきか検討しやすいでしょう。
また、ターゲットのニーズと競合の状況を踏まえて自社の立ち位置を決めることで「誰に」「どのような価値を」届けるのかが明確になり、広告や商品開発、販売方法などの施策にもつなげられます。

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
STP分析を実務で活用するには、分析結果をもとに戦略を立て、具体的な施策へ落とし込む力も求められます。マーケティング戦略や事業戦略に関わる仕事への転職を考えている人は、転職エージェントに相談し、自分の経験を活かせるポジションを確認してみましょう。
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STP分析のやり方5ステップ

STP分析は「目的・ゴールの整理→セグメンテーション→ターゲティング→ポジショニング→施策への落とし込み」の5ステップで進めます。
いきなり市場を細分化するのではなく、まず事業として目指す方向性を明確にしておくことがポイントです。そのうえで市場や顧客を分析し、自社が狙う市場と提供価値を具体化していきます。
ここでは、STP分析の具体的なやり方を5つのステップに分けて解説します。
STEP1:事業の目的・ゴールを整理する
まず事業の目的やゴールを整理することが重要です。事業の方向性が不明確なまま市場分析をおこなうと、ターゲット市場や競争戦略の選定が曖昧になり、マーケティング施策の効果が薄れてしまうためです。
目的・ゴールを整理する際は、下記を参考におこないます。
- 企業のミッション・ビジョンを確認する:企業が目指す社会的価値や長期的な展望を整理する。
- 事業の成功指標(KPI)を設定する:売上目標、顧客獲得数、ブランド認知度など、具体的な指標を定める。
- ターゲット市場における自社の役割を考える:どの市場で、どのような価値を提供するのかを明確にする。
- 競争環境を意識し、差別化の方向性を考える:他社との差別化ポイントや市場での強みを意識する。
STEP2:セグメンテーションで市場を細分化する
市場にはさまざまな顧客が存在するため、すべての顧客を一括りにして考えると、ニーズの違いを捉えにくいでしょう。そこで、共通する特徴を持つ顧客をグループに分け、それぞれの特徴を整理します。
セグメンテーションでは、年齢や居住地域といった属性だけでなく、価値観や購買行動なども分類の基準になります。
ただし、細かく分類すること自体が目的ではありません。STEP1で整理した事業の目的を踏まえ、自社の商品・サービスとの関連性が高い軸を選ぶことがポイントです。
STEP3:ターゲティングで狙う市場を決める
市場を細分化したら、そのなかから自社が狙う顧客層・市場を選定します。
ターゲットを決める際は、市場規模や成長性だけでなく、競合の状況や自社の強み、顧客ニーズなどを総合的に確認することが重要です。市場が大きくても、競争が激しく自社の強みを活かせない場合は、十分な成果につながらない可能性があります。
また、ターゲットは必ずしも1つに絞る必要はありません。事業の目的や経営資源に応じて、複数の市場を対象とすることもできます。
STEP4:ポジショニングで自社の立ち位置を決める
ターゲット市場を決めたら、その市場における自社の商品・サービスの立ち位置を明確にします。
ポジショニングでは、顧客が商品・サービスを選ぶ際に重視する価値や、競合の商品・サービスとの違いを整理します。そのうえで、自社の強みを活かしながら、顧客から選ばれる独自の位置を検討しましょう。
価格や品質、機能性、利便性など、顧客にとって重要な評価軸を設定し、自社と競合の位置関係を比較すると、自社の立ち位置が整理できます。
STEP5:マーケティング施策に落とし込む
STP分析で市場や顧客、自社の立ち位置を整理したら、分析結果を具体的なマーケティング施策へ落とし込みます。
たとえば、ターゲット顧客のニーズに合わせて商品・サービスの内容を調整したり、購入しやすい価格や販売方法を検討したりします。プロモーションについても、ターゲット顧客が利用する媒体や情報収集の方法を踏まえて施策を決めましょう。
具体的な施策を検討する際は、4P・4Cなどのフレームワークを活用すると、商品・価格・流通・販促などの観点から整理できます。
施策を実行した後は、売上や顧客獲得数などのKPIを確認し、結果に応じて改善します。必要に応じてSTPの内容も見直しながら、マーケティング活動の精度を高めていきましょう。
【MyVision編集部の見解】 STP分析は、市場やターゲット、自社の立ち位置を整理するだけでなく、その結果を商品開発や価格設定、販売方法、プロモーションなどの具体的な施策につなげることが重要です。実際の業務では、分析から戦略立案、施策の実行・改善まで一貫して携わるケースもあります。分析だけで終わらず、実行や効果検証まで見据えてフレームワークを使えるかどうかが、実務では評価されやすいです。
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STP分析におけるセグメンテーションの分析方法

セグメンテーションでは、市場をどのような基準で分類するかが重要です。
ここでは、代表的な4つの変数と、細分化した市場を評価する際に活用できる6Rについて解説します。
セグメンテーションの4つの変数
セグメンテーションでは、主に「デモグラフィック」「ジオグラフィック」「サイコグラフィック」「ビヘイビアル」の4つの変数を使って市場を分類します。
| 変数 | 分類 | 主な項目 |
|---|---|---|
| デモグラフィック | 人口統計的要因 | 年齢、性別、職業、学歴、所得など |
| ジオグラフィック | 地理的要因 | 居住地域、気候、都市規模、文化的背景など |
| サイコグラフィック | 心理的要因 | 価値観、ライフスタイル、興味・関心など |
| ビヘイビアル | 行動的要因 | 購買頻度、ブランドロイヤルティ、使用状況など |
たとえば、同じ年代の顧客でも、価格を重視する人と品質を重視する人では商品を選ぶ基準が異なります。そのため、年齢や性別などの属性だけでなく、価値観や購買行動も組み合わせて分析することが大切です。
セグメンテーションに6Rを活用する
市場を細分化した後は、それぞれのセグメントが自社にとって有望かどうかを評価します。その際に活用できるのが「6R」です。6Rは、市場規模や成長性、到達可能性など、ターゲットとして適しているかを確認するための6つの指標です。
| 6Rの要素 | 意味 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| Realistic scale | 市場規模 | 十分な市場規模があるか |
| Rank | 市場の成長性 | 今後の成長が見込めるか |
| Reach | 到達可能性 | ターゲット顧客にリーチできるか |
| Response | 反応のしやすさ | 顧客が商品・サービスに反応しやすいか |
| Relation | ブランドとの親和性 | 自社のブランド戦略と合っているか |
| Rival | 競合状況 | 競合との競争が激しくないか |
4つの変数で市場を分類したうえで6Rを使って評価することで、単に顧客を分類するだけでなく、自社が注目すべき市場を絞り込みやすくなるでしょう。
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STP分析におけるターゲティングの分析方法

ターゲティングでは、セグメンテーションで分けた市場のなかから、自社が実際に狙う市場を選びます。
市場規模だけで判断するのではなく、自社の強みや経営資源、競合との関係などを踏まえて、自社が価値を提供しやすい市場を検討することが重要です。
ターゲティングで確認するポイント
ターゲット市場を選定する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 市場規模:十分な顧客数や売上が見込めるか
- 成長性:今後も市場の拡大が期待できるか
- 競合状況:競合が多く、競争が激しい市場ではないか
- 自社の強み:自社の商品・サービスの強みを活かせるか
- 顧客ニーズ:顧客が求める価値を提供できるか
また、ターゲットの選定方法には、主に以下の3つがあります。
| 手法 | 特徴 |
|---|---|
| 集中型マーケティング | 特定のセグメントに絞ってマーケティングをおこなう |
| 差別型マーケティング | 複数のセグメントに対して、それぞれ異なるアプローチをおこなう |
| 無差別型マーケティング | セグメントごとの違いを考慮せず、幅広い市場に同じ商品・サービスを提供する |
自社の事業目的や経営資源、顧客ニーズなどを踏まえて、どの市場を狙うのかを検討することがポイントです。
集中型マーケティング
集中型マーケティングは、複数あるセグメントのなかから特定の市場に経営資源を集中させる方法です。対象を絞ることで、限られた経営資源でも特定の顧客層に合わせた商品開発やプロモーションを行いやすいでしょう。特定分野で専門性を高めたい場合にも適した方法です。
一方で、対象市場への依存度が高くなるため、市場環境の変化による影響を受けやすい点には注意が必要です。
差別型マーケティング
差別型マーケティングは、複数のセグメントを対象に、それぞれのニーズに合わせた商品やマーケティング施策を展開する方法です。たとえば、同じ企業が複数の顧客層に向けて、価格帯や機能、プロモーション方法の異なる商品を提供するケースが挙げられます。
複数の市場に対応できる一方、それぞれに合わせた商品開発や販促活動が必要になるため、集中型と比べて多くの経営資源が求められます。
無差別型マーケティング
無差別型マーケティングは、市場を細かく区別せず、幅広い顧客に対して同じ商品・サービスやマーケティング施策を展開する方法です。顧客ごとの違いに合わせて施策を変える必要がないため、マーケティング活動を効率化しやすい点が特徴です。
一方で、顧客ごとのニーズが多様な市場では、特定の顧客層に十分な価値を提供できない可能性があります。
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STP分析におけるポジショニングの分析方法
ポジショニングでは、ターゲット市場のなかで自社の商品・サービスをどのように位置づけるかを検討します。単に競合と異なる特徴を打ち出すのではなく、顧客が価値を感じるポイントと自社の強みが重なる領域を見つけることが重要です。
ポジショニングで自社の立ち位置を決めるポイント
自社の立ち位置を決める際は、まずターゲット顧客が商品・サービスを選ぶときに何を重視しているのかを整理しましょう。そのうえで、競合の商品・サービスと比較し、自社が提供できる価値や強みを確認します。
たとえば、以下のような評価軸が考えられます。
- 価格の高低
- 品質の高低
- 機能の多さ・シンプルさ
- プレミアム・大衆向け
- 利便性の高さ
- デザイン性
重要なのは「競合と違うこと」だけを目指すのではなく、ターゲット顧客にとって意味のある違いをつくることです。顧客ニーズと自社の強み、競合との差を照らし合わせながら、どの価値を打ち出すのかを決定します。
ポジショニングマップの作り方
ポジショニングマップは、2つの評価軸を設定し、自社と競合の商品・サービスをマップ上に配置する方法です。まず、ターゲット顧客が重視する評価基準から、比較に適した2つの軸を選びます。
次に、それぞれの軸の両端に反対の価値を設定し、自社と競合の商品・サービスを配置します。
| Y軸(評価軸の例) | X軸 (評価軸の例) |
|---|---|
| 高価格 ↕ 低価格 | 高価格 ↔ 低価格 |
| 高品質 ↕ 低品質 | 高品質 ↔ 低品質 |
| プレミアム ↕ 大衆向け | プレミアム ↔ 大衆向け |
| 高機能 ↕ シンプル | 高機能 ↔ シンプル |
マップ上で競合の位置関係を確認すると、競争が集中している領域や、自社が強みを発揮できる領域が整理できます。ただし、空いている領域であれば必ず有望とは限らないため、顧客ニーズや自社の実現可能性も踏まえて判断しましょう。
STP分析の企業事例3選
STP分析は、多くの企業がマーケティング戦略を策定する際に活用しているフレームワークです。本章では、STP分析の具体的な事例として、トヨタ自動車、スターバックス、ユニクロの3社を取り上げ、それぞれの市場戦略を詳しく解説します。
トヨタ自動車のSTP分析
トヨタは、多様な市場に適した商品を展開し、ターゲットごとに適切なマーケティング戦略を展開しています。とくに、環境技術やハイブリッド車市場でのリーダーシップを確立し、持続可能な成長を実現しています。
1.セグメンテーション(市場細分化)
トヨタは、市場を「地域」「所得」「ライフスタイル」「環境意識」などの要素で細分化しています。具体的には以下のような分類が考えられます。
| セグメント軸 | 具体例 |
|---|---|
| 地域 | 日本市場、北米市場、ヨーロッパ市場、新興国市場 |
| 所得 | 高級車市場(レクサス)、大衆車市場(カローラ・ヤリス)、低価格車市場(アクア) |
| ライフスタイル | ファミリー向け(シエンタ)、アウトドア志向(ランドクルーザー)、都市型(プリウス) |
| 環境意識 | EV市場(bZ4X)、ハイブリッド市場(プリウス)、ガソリン車市場 |
2.ターゲティング(狙うべき市場の選定)
トヨタは、複数のターゲット市場を持つ「差別型マーケティング」を採用しています。
・ハイブリッド車市場(プリウス、アクア) → 環境意識の高い消費者向け ・高級車市場(レクサス) → 高所得層・ブランド志向の強い消費者向け ・大衆車市場(カローラ、ヤリス) → 幅広い層の消費者向け
3.ポジショニング(市場での立ち位置)
トヨタは「環境技術」「安全性」「品質の高さ」「低燃費」といった強みを軸にポジショニングを確立しています。
- 環境技術のリーダー → 世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」を開発し、ハイブリッド車市場を牽引。
- 高品質かつ低燃費な大衆車 → 「カローラ」や「ヤリス」などのベストセラーモデルを展開。
- 高級車市場でのプレゼンス強化 → 「レクサス」ブランドを展開し、BMWやメルセデス・ベンツと競争。
スターバックスのSTP分析
スターバックスは、「高級感」「居心地の良さ」「パーソナライズド体験」を軸にした戦略で、多くのコーヒーチェーンと差別化を図っています。
1.セグメンテーション(市場細分化)
スターバックスは、「ライフスタイル」「所得」「購買行動」「地域」などの要素を基準に市場を細分化しています。
| セグメント軸 | 具体例 |
|---|---|
| ライフスタイル | コーヒー愛好家、リラックス空間を求める層、仕事や勉強に利用する層 |
| 所得 | プレミアム価格帯を受け入れる中・高所得層 |
| 購買行動 | 毎日利用するリピーター、特別なときだけ利用する層 |
| 地域 | 都市部のビジネスエリア、住宅街、大学周辺、観光地 |
2.ターゲティング(狙うべき市場の選定)
スターバックスは「集中型マーケティング」を採用し、プレミアムなカフェ市場をターゲットにしています。
- 仕事・勉強の場を求める層 → 落ち着いた雰囲気とWi-Fi環境を提供。
- コーヒーの品質を重視する層 → 高品質な豆とバリスタの技術で差別化。
- ブランド志向の消費者 → 高級感のある店舗デザインやパーソナライズドサービスを提供。
3.ポジショニング(市場での立ち位置)
スターバックスは、「高品質なコーヒー」「心地よい空間」「サードプレイス(第三の場所)」を提供するブランドとしての地位を確立しています。
- 「高級コーヒーチェーン」としてのブランド確立 → 価格を高めに設定し、プレミアム感を演出。
- 「サードプレイス」としての差別化 → 家でも職場でもない、快適なカフェ空間を提供。
- カスタマイズできる商品戦略 → 顧客が好みに合わせてドリンクをカスタマイズ可能。
ユニクロのSTP分析
ユニクロは、「高品質×低価格」「機能性」「グローバル戦略」を軸に、独自の市場ポジションを確立しています。
1.セグメンテーション(市場細分化)
ユニクロは、「価格感」「ライフスタイル」「年齢層」「地域」などの要素で市場を細分化しています。
| セグメント軸 | 具体例 |
|---|---|
| 価格感 | 高価格ブランド(GUCCIなど)と低価格ブランド(しまむらなど)の間に位置 |
| ライフスタイル | 機能性・シンプルなデザインを求める層 |
| 年齢層 | 子ども服・ファミリー向け、若者向け、大人向け |
| 地域 | 日本、アジア、欧米市場 |
2.ターゲティング(狙うべき市場の選定)
ユニクロは、「差別型マーケティング」を採用し、以下のような市場をターゲットにしています。
- 高品質なベーシックウェアを求める層 → シンプルなデザインと機能性を重視。
- コストパフォーマンスを求める層 → 低価格でありながら高品質な商品を提供。
- グローバル市場 → 日本市場だけでなく、欧米・アジア市場にも展開。
3.ポジショニング(市場での立ち位置)
ユニクロは、「ファストファッションとは異なる高品質・低価格ブランド」としてポジショニングしています。
- 「シンプル&機能性」 → ヒートテックやエアリズムなどの機能性商品を強化。
- 「高品質・低価格」 → 質の高い素材を使いながらも、手頃な価格を実現。
- 「グローバルブランド」 → 世界的な展開を強化し、海外市場の拡大を図る。

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
トヨタ・スターバックス・ユニクロのように、ターゲットのニーズを踏まえて自社独自の価値を明確にすることで、競合との差別化につなげられます。マーケティング戦略の立案や実行に関わる仕事への転職を検討している人は、転職エージェントに相談し、自分の経験を活かせる求人を探してみましょう。
本質的なキャリア提案
STP分析とあわせて使いたいフレームワーク
STP分析は、顧客を分類してターゲットを定め、自社の市場での立ち位置を明確にするためのフレームワークです。一方で、STP分析だけでは市場環境や競合、自社の強みなどを十分に把握できない場合があります。
3C分析やPEST分析、SWOT分析などのフレームワークを組み合わせると、より多角的にマーケティング戦略を検討できるでしょう。ここでは、STP分析とあわせて活用したい代表的なフレームワークを紹介します。
3C分析
3C分析は「Customer(顧客・市場)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの視点から、事業を取り巻く環境を分析するフレームワークです。
顧客のニーズや市場の動向、競合の特徴、自社の強み・弱みなどを整理することで、マーケティング戦略を検討するための材料を集められます。
STP分析では、3C分析で得られた情報をセグメンテーションやターゲティング、ポジショニングに活用できます。たとえば、顧客・市場の分析からニーズを把握し、競合分析から競合が狙っている市場や提供価値を確認することで、自社が狙う市場や差別化の方向性を検討しやすいでしょう。
3C分析で市場や競合、自社の状況を整理してからSTP分析をおこなうことで、ターゲットやポジションをより具体的に検討することが可能です。
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PEST分析
PEST分析は「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの観点から、企業を取り巻く外部環境を分析するフレームワークです。
法規制や政策、景気や物価、人口動態や消費者の価値観、技術革新など、自社だけではコントロールできない環境の変化を整理できます。
STP分析をおこなう際には、PEST分析で把握した外部環境をセグメンテーションやターゲティングの判断材料として活用できます。たとえば、社会的な価値観の変化によって新たな顧客ニーズが生まれている場合、そのニーズを持つ層を新たな市場として検討することが可能です。
PEST分析で市場を取り巻く環境の変化を把握しておくと、現在だけでなく将来的な市場の変化も踏まえてSTP分析を進められます。
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SWOT分析
SWOT分析は、自社の「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」と、外部環境における「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」を整理するフレームワークです。
自社が持つ経営資源や競争上の強みだけでなく、市場の成長機会や競合の動向なども整理することで、自社がどのような市場で優位性を発揮できるのかを検討できます。
STP分析では、SWOT分析で整理した自社の強みをターゲット選定やポジショニングに活用が可能です。たとえば、特定の顧客層に対して自社の技術力やブランド力が強みになるのであれば、その層をターゲットとして設定し、競合との差別化につなげる方法が考えられます。
SWOT分析で自社の強み・弱みと市場の機会・脅威を整理することで、実現可能性を考慮しながらターゲットやポジションを検討できます。
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4P分析・4C分析
4P分析は「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販促)」の4つの視点から、企業側のマーケティング施策を整理するフレームワークです。一方、4C分析では「Customer Value(顧客価値)」「Cost(顧客負担)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」の視点から、顧客側に立ってマーケティング施策を検討します。
STP分析で「誰に」「どのような価値を」「どのような立ち位置で提供するか」を明確にした後、4P分析や4C分析を使って具体的な施策へ落とし込む流れです。
たとえば、STP分析で「価格よりも機能性を重視する顧客」をターゲットにした場合、4P分析では商品の機能や価格、販売チャネル、販促方法などを検討します。4C分析では、その商品が顧客にどのような価値をもたらすのか、購入時の負担や利便性、コミュニケーション方法などを顧客視点から整理します。
STP分析で戦略の方向性を定め、4P・4C分析で具体的なマーケティング施策に落とし込むことで、分析結果を実行につなげやすいでしょう。
【MyVision編集部の見解】 STP分析は、3C分析やPEST分析で市場環境を整理し、SWOT分析で自社の強みを把握したうえで活用すると、より具体的な戦略を検討できます。さらに4P・4C分析まで組み合わせれば、戦略を実際のマーケティング施策へスムーズに落とし込めます。STP分析を単独で使うと施策に結びつきにくいため、前後のフレームワークとの流れを意識するとよいでしょう。
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STP分析に関するよくある質問
STP分析を実践する際は、ほかのフレームワークとの違いや、分析を進める順番について疑問を持つこともあるでしょう。ここでは、STP分析に関するよくある質問に回答します。
Q1. STP分析と3C分析の違いは?
3C分析とSTP分析では、分析する対象と目的が異なります。3C分析は顧客・競合・自社の3つの視点から事業環境を把握するのに対し、STP分析は市場を細分化し、ターゲットと自社のポジションを決めるために活用します。
つまり、3C分析が「市場や自社の状況を把握するための分析」であるのに対し、STP分析は「誰をターゲットにし、どのような立ち位置を取るかを決めるための分析」といえるでしょう。
Q2. STP分析とSWOT分析の違いは?
SWOT分析は、自社の強み・弱みと外部環境の機会・脅威を整理し、自社を取り巻く状況を把握するために使います。一方、STP分析は、市場を細分化してターゲットを選定し、自社のポジションを明確にするために活用します。
SWOT分析で整理した自社の強みや市場の機会を、STP分析におけるターゲット選定やポジショニングの判断材料として活用することも可能です。
Q3. STP分析の順番はS→T→Pで決める必要がありますか?
STP分析は、S(セグメンテーション)→T(ターゲティング)→P(ポジショニング)の順番で進めます。ただし、実際の分析では、各要素を行き来しながら内容を見直すこともあるでしょう。
たとえば、ポジショニングを検討した結果、競合との差別化が難しいとわかった場合は、ターゲットやセグメンテーションの切り口を見直すことも考えられます。そのため、流れはS→T→Pとしつつ、必要に応じて前の段階に戻りながら分析するとよいでしょう。
まとめ
STP分析は、市場を細分化し(セグメンテーション)、最適なターゲットを選定し(ターゲティング)、競合と差別化を図る(ポジショニング)ことで、企業の競争優位性を高めます。成果を出すマーケティング戦略立案に必要不可欠なフレームワークのひとつです。
コンサル志望の人にとって、STP分析の理解はクライアント企業の市場戦略を的確に導くための基礎スキルとなります。市場環境の分析力を磨き、実践的な提案ができるようにしておきましょう。
マーケティング領域のコンサル転職を目指す人は、こうしたフレームワークの実務活用力が選考突破の鍵になります。MyVisionでは、業界経験豊富なコンサルタントがケース面接対策から企業別の選考準備まで伴走します。転職相談から内定までのシンプルな流れと、MyVisionが選ばれる理由をぜひご確認ください。

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
STP分析は、マーケティング戦略を整理するだけでなく、企業の課題や市場環境を構造的に捉える際にも役立つフレームワークです。コンサル転職を目指す人は、実務での活用方法まで理解しておくと、選考対策にもつなげやすくなるでしょう。
過去実績による独自の選考対策

