バリューチェーン分析とは?やり方・具体例をわかりやすく解説【テンプレート付き】
2026年09月28日更新
バリューチェーン分析は、自社の事業活動を工程ごとに分け、どこで価値が生まれているのかを確認するためのフレームワークです。経営企画や事業企画、マーケティング、コンサルティングなどの業務で使われますが、「具体的になにを分析すればよいのかわからない」「強みや課題をどう見つければよいのか」と悩む人もいるでしょう。
バリューチェーン分析では、各活動のコストや付加価値を確認し、競合との違いまで見ることで、競争優位の源泉や改善すべき工程を検討できます。本記事では、バリューチェーン分析の基本の考え方から4ステップのやり方、すぐに使えるテンプレート、ユニクロやIKEAの企業事例までわかりやすく解説します。
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著者

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
株式会社MyVision代表取締役
東京大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社。主に金融・通信テクノロジー・消費財業界における戦略立案プロジェクトおよびビジネスDDを担当。採用活動にも従事。 BCG卒業後は、IT企業の執行役員、起業・売却を経て、株式会社MyVisionを設立。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
コンサルタントの求人情報
【2322】_HG_将来のHondaを支える新事業戦略と連動したオープン&クローズ戦略の策定・実行
想定年収
920~1,040万円
勤務地
東京都(渋谷区)
業務内容
将来の社会動向やHondaのビジョン・ありたき姿を踏まえたオープン&クローズ戦略の立案から戦略実現に向けた実行推進までお任せいたします。 <具体的には> ・事業構想の策定とオープン&クローズ戦略の策定 ・開発技術を基にした競合企業の探索 ・事業戦略の分析と知財情報を用いた優位性技術の分析 ・開発プロジェクトの方針策定、研究部門との連携によるリソース戦略の企画・推進 ・外部機関との渉外活動 ※オープン&クローズ戦略とは・・・市場を広げながら自社の競争優位性も確保する戦略。 ※専門性や適性、会社ニーズなどを踏まえ、会社が定める業務への配置転換を命じる場合があります。
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D_044_【エネルギー×デジタル】【民間領域/ProOS第2】エネルギー業界向け業務プロセス改善担当
想定年収
400~802万円
勤務地
東京都(港区)
業務内容
大手電力・ガス企業〜再生可能エネルギーの新興企業といった、エネルギー領域の企業に対して業務設計や運営支援、デジタル活用による業務改善やDX推進といった業務を担っていただきます。 エネルギー業界では、デジタル人材が不足しており会社全体でデジタル化推進ができていない点が多くあります。弊社は、デジタル化が進んでいない業務に対して、業務課題を整理→業務プロセスを設計~デジタル活用まで一気通貫で伴走し、業務プロセスをより高品質・生産性高い状態へ導いていきます。 また、顧客社員一人ひとりがデジタル知見を養い自走できる状態にすべく、デジタル活用ができる環境整備やナレッジ化を図り顧客のDX推進を促進する基盤を整えます。 〈プロジェクト例〉 ・新電力事業者の需給管理業務を立ち上げ、運営体制を構築 ・送配電事業者の料金制度改正に伴う業務プロセス設計を支援 ・現場業務のデジタル化を推進し、RPA・VBAを活用した業務自動化を実現 ・顧客社員向けのデジタル活用教育を実施し、内製化を支援 ※上記はプロジェクト・ポジションの一例です。 ご応募いただいた求人・職種に限らず、ご経験・スキル・ご志向性を踏まえ、PMO、デジタル・DX推進、エネルギー業界向け業務支援・コンサルティング/BPO、運用・業務改善など、プロフェッショナルアウトソーシング第2統括部内の幅広いポジション・プロジェクトの中から最適な配属先を検討いたします。 担当職種の変更の範囲:会社の定める職種(出向を命じることがあり、その場合は出向先の定める職種)
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【1034】_HG_将来のHondaを支える将来成長戦略の策定とその実現に向けた研究所運営方針策定
想定年収
920~1,040万円
勤務地
東京都(渋谷区)
業務内容
将来の社会動向を踏まえた研究戦略の立案および技術テーマの創出を、経営層や研究部門と連携しながら推進していただきます。 具体的な業務内容は以下の通りです。 ・将来の社会動向やHondaのビジョン・ありたき姿を踏まえた技術戦略の立案 ・技術領域における方向性の提案および中長期ロードマップの策定 ・経営層・研究部門との連携による研究テーマの創出 ・上記を実現するためのリソース戦略の企画(効果的なリソース配分の提案・運営) ※経営陣との密な連携・各研究センターの戦略企画部門と協同のもと、研究方向性や優先順位を議論しながら将来成長戦略の策定と実現に向けてプロジェクトを推進します。 ※専門性や適性、会社ニーズなどを踏まえ、会社が定める業務への配置転換を命じる場合があります。
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HRシニアコンサルタント
想定年収
720~1,200万円
勤務地
東京都(港区)
業務内容
HRコンサルタントとして、クライアントの経営戦略に基づいた人事業務の最適化・伴走支援を担っていただきます。 単なるアドバイザリーに留まらず、週1〜3日常駐して現場のチェンジマネジメントまで深く入り込むプロジェクトもございます。 将来的にはマネージャーとして、コンサルティング品質の管理や組織全体のナレッジシェアを牽引いただくことを期待しています。 ・ 採用戦略の企画立案 ・ 採用のKPI~KGI設定 ・ オウンドメディア(採用HP)の改善提案 ・ リクルーティングプロセスのBPR(業務変革)と最適化 ・人事ミッションの策定や組織編成・評価制度の再構築支援 ・AIを活用した人事業務のDX化(選考評価のAI判定設計・導入 など) 【具体的には】 大手チェーン店やサービス業の企業に対し、定量データを用いた課題抽出・施策提示を実施。 媒体選定や広告運用支援といった「入口」の最適化に加え、エンゲージメント向上によるリテンション(離職防止)施策の構築、人事・評価制度の設計、階層別研修の企画など、クライアントの人的資本経営を全般的に支援します。 近年はここに「AIで代替する/高度化する」という打ち手が加わりました。 たとえば選考プロセスであれば、これまで面接官の経験則に依存していた評価を、「何を、どの基準で、どう測るか」から設計し直し、AIが判定できる形に構造化して現場に実装する。 制度設計とテクノロジー実装の両方に手を伸ばせるのが、いまのこのポジションの面白さのひとつです。 ※弊社での社員一人ひとりにClaude(Anthropic社)の有料アカウントを付与しております。 【お取引企業】 ファーストフードチェーン、飲食店運営企業、派遣企業、介護施設、学習塾、美容院 など大手企業を中心に、様々な企業様とお取り引きをしております。 【プロジェクト事例】 ・ヘルスケア事業会社様:採用戦略の立案、実行と人員計画の策定を行い、媒体経由に応募率を2倍に改善、採用単価を大幅に抑制。 ・訪問看護事業会社様:システムの導入と人材紹介会社とのリレーション構築を行い、人事工数を大幅に削減し、人材紹介会社からの応募が1.8倍に増加。 ・選考評価のAI化プロジェクト:属人化していた選考評価の基準を再設計し、AIで判定可能な形に構造化。評価基準の設計から現場導入・運用定着までを一貫して支援。
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DX / セキュリティコンサルタント / 東京・大阪・福岡 / FPTコンサルティングジャパン
想定年収
600~2,100万円
勤務地
東京都(港区)
業務内容
~セキュリティコンサルタントとして、グローバル企業の成長を技術とコンサルティングで支援~ クライアント企業のサイバーセキュリティ態勢を評価・強化し、経営層から現場まで一気通貫で支援します。FPTグループの27カ国・5万人超のグローバルネットワークを活用し、上流コンサルティングから実装・運用まで一貫したソリューションを提供します。 【主な業務内容】 ●セキュリティ戦略コンサルティング(現在の主力案件) ・NIST CSF、CIS Controls等の国際標準フレームワークを活用したセキュリティ成熟度評価 ・リスクアセスメントに基づくセキュリティロードマップ(中長期計画)の策定 ・CSIRT構築・運用支援、インシデント対応体制の整備 ・セキュリティガバナンス・ポリシー策定支援 ●自動車サイバーセキュリティ(注力領域) ・UN-R155/R156、ISO/SAE 21434への対応支援 ・CSMS(サイバーセキュリティ管理システム)構築コンサルティング ・車載システムの脅威分析・リスクアセスメント(TARA) ・サプライチェーン全体のセキュリティ態勢構築支援 ●AIサイバーセキュリティ(注力領域) ・AI/ML システムのセキュリティリスク評価 ・AI活用におけるガバナンス・コンプライアンス体制構築 ・生成AI導入時のセキュリティ対策立案 ●プロジェクトマネジメント ・ベトナム開発チームとの協業によるセキュリティソリューション実装 ・クライアントとの折衝、提案資料・報告書作成 ・新規案件の提案活動、ビジネス開発支援
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バリューチェーン分析とは
バリューチェーン分析とは、企業の事業活動を工程ごとに分け、どこで付加価値が生まれ、どの活動にコストや改善余地があるかを把握するための分析手法です。自社の強みや弱みを工程単位で捉え、競争優位につながる活動を見つける際に活用されます。
バリューチェーンは、企業活動を「主活動」と「支援活動」に分けて考える点が特徴です。また、原材料の調達から顧客への提供までの流れを捉えるサプライチェーンとは、分析する目的や視点が異なります。
まずは、バリューチェーンを構成する主活動と支援活動、サプライチェーンとの違いを解説します。
バリューチェーンを構成する主活動と支援活動

バリューチェーンは、企業の事業活動を「主活動」と「支援活動」の2つに分けて捉えます。主活動は顧客への価値提供に直接関わる業務で、支援活動は主活動を横断的に支える業務です。
主活動は、以下の5つで構成されます。
- 購買物流:原材料や商品の受け入れ、保管、在庫管理
- 製造・オペレーション:原材料を製品やサービスへ変える活動
- 出荷物流:完成した製品の保管や配送
- マーケティング・販売:商品やサービスを顧客へ訴求し、販売する活動
- サービス:販売後の問い合わせ対応やアフターサービス
一方、支援活動には、全般管理、人事・労務管理、技術開発、調達活動などです。これらは特定の工程だけを支えるのではなく、事業全体の効率や競争力を底上げする役割を担います。
主活動と支援活動を分けて見ることで、どの工程が顧客価値の創出に貢献しているのか、どこに改善余地があるのかを具体的に捉えやすくなります。
バリューチェーンとサプライチェーンの違い
バリューチェーンとサプライチェーンは、どちらも事業活動の流れを捉える考え方ですが、注目するポイントが異なります。バリューチェーンは各活動がどのような価値を生み出しているかを見るのに対し、サプライチェーンは原材料の調達から製品・サービスが顧客に届くまでの供給の流れに着目します。
| 項目 | バリューチェーン | サプライチェーン |
|---|---|---|
| 主な目的 | 付加価値や競争優位の源泉を把握する | 調達・生産・物流などの流れを効率化する |
| 主な視点 | 各活動が生み出す価値 | モノ・情報・供給の流れ |
| 分析対象 | 主活動・支援活動を含む事業活動 | 調達先から顧客までの供給網 |
両者は一部重なるものの、バリューチェーン分析では「どこで価値が生まれているか」、サプライチェーン分析では「どのように効率よく供給するか」を考える点が大きな違いです。
まずは情報収集から始める
バリューチェーン分析をおこなう目的
バリューチェーン分析をおこなう目的は、事業活動のどこに強みや課題があるかを把握し、今後の戦略や改善施策につなげることです。
主な目的として、競争優位の源泉を見つけること、コスト削減や付加価値向上につなげること、経営資源の配分を見直すことが挙げられます。
続いて、それぞれの目的について解説します。
競争優位の源泉を見つける
競争優位の源泉を見つけることは、バリューチェーン分析をおこなう目的のひとつです。各活動を競合と比較することで、自社がどの工程で優位性を持っているのかを具体的に把握できます。
競争優位の源泉として考えられる例は、以下のとおりです。
- 調達:低コストで安定して原材料や商品を確保できる
- 製造・オペレーション:品質や生産効率が競合より優れている
- 物流:短納期や低コストで商品を届けられる
- マーケティング・販売:顧客獲得力や販売力が高い
- サービス:購入後のサポートや顧客対応に強みがある
このように、単に「商品力が高い」「ブランドが強い」と捉えるのではなく、どの活動が競争力を生み出しているのかまで掘り下げることがポイントです。強みの源泉が明確になれば、今後どの工程をさらに伸ばすべきかを検討しやすくなります。
コスト削減や付加価値向上につなげる
コスト削減や付加価値向上につなげることも、バリューチェーン分析をおこなう目的です。各工程で発生しているコストと、その工程が生み出している価値を照らし合わせることで、改善すべき活動と強化すべき活動を判断できます。
具体的には、以下のように考えます。
- コスト削減を検討する活動:費用が大きい一方で、顧客価値への貢献が小さい工程
- 効率化を検討する活動:人手や工数がかかり、他工程の進行を妨げている工程
- 投資を増やす活動:顧客満足度や商品の差別化に大きく貢献している工程
- 強化を検討する活動:競合との差につながっており、今後さらに伸ばせる工程
すべての活動を一律にコスト削減の対象とするのではなく、投入しているコストに対してどの程度の価値を生み出しているかを見ることがポイントです。費用を抑えるべき領域と、あえて資源を投じるべき領域を分けることで、収益性と競争力の両方を高める施策を検討できます。
経営資源の配分を見直す
経営資源の配分を見直すことも、バリューチェーン分析をおこなう目的のひとつです。分析結果から、どの活動が競争優位や利益に貢献しているかを確認することで、ヒト・モノ・カネ・情報をどこへ重点的に配分するか判断できます。
たとえば、利益への貢献度が高い活動には人材や予算を追加し、反対に価値創出への寄与が小さい活動は縮小や外部委託を検討できます。限られた経営資源を一律に配るのではなく、成果につながりやすい領域へ重点投入する考え方です。
バリューチェーン分析によって各活動の役割と成果が見えれば、経営資源を感覚的に配分するのではなく、事業全体への貢献度を踏まえて投資先を選びやすくなります。
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バリューチェーン分析のやり方
バリューチェーン分析は、事業活動を分解したうえで、各工程のコストや付加価値、競合との違いを順番に確認して進めます。
基本の流れは、以下の4STEPです。
- 事業活動を主活動・支援活動に分ける
- 各活動のコストと付加価値を整理する
- 競合と比較して強み・弱みを特定する
- 特定した強みが競争優位につながるか評価する
続いて、それぞれのSTEPで確認すべきポイントを具体的に解説します。
STEP1|事業活動を主活動・支援活動に分ける
はじめに、自社の事業活動を「主活動」と「支援活動」に分けます。ポーターが示した分類をそのまま当てはめるのではなく、自社の業界やビジネスモデルに合わせて工程を設定することがポイントです。
たとえば、業界によって主活動は以下のように変わります。
| 業界 | 主活動の例 |
|---|---|
| 製造業 | 調達→製造→物流→販売→サービス |
| 小売業 | 仕入れ→在庫管理→店舗運営・EC→販売→顧客対応 |
| サービス業 | 集客→契約→サービス提供→アフターフォロー |
そのうえで、人事、技術開発、システム、管理部門など、主活動を横断的に支える業務を支援活動として分けます。事業の実態に合った単位で活動を設定することで、どの工程で価値が生まれているのかを分析しやすくなります。

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
最初から完璧に活動を分類する必要はありません。まずは顧客に価値が届くまでの流れを書き出し、分析しながら必要に応じて分け方を調整すると進めやすくなります。
STEP2|各活動のコストと付加価値を整理する
次に、各活動で発生しているコストと、その活動が生み出している付加価値を確認します。費用だけを見るのではなく、どの工程が顧客満足や差別化に貢献しているかまで把握することがポイントです。
確認する項目の例は、以下のとおりです。
- 人件費:各工程に関わる従業員の人件費
- 材料費:製品やサービスの提供に必要な原材料費
- 設備費:機械やシステム、店舗設備などにかかる費用
- 広告費:集客や販売促進にかかる費用
- 付加価値:品質向上、納期短縮、利便性、顧客満足などへの貢献
たとえば、広告費が大きくても新規顧客の獲得に大きく貢献している場合は、単純な削減対象とはいえません。一方で、コストが高いにもかかわらず顧客価値への影響が小さい活動は、効率化や業務の見直しを検討する余地があります。
コストと付加価値を並べて確認することで、削減すべき領域と、あえて投資を続けるべき領域を判断しやすくなります。
STEP3|競合と比較して強み・弱みを特定する
競合と比較することで、自社の強み・弱みを相対的に判断できます。自社内の数値や業務だけを見ても、その活動が市場で優れているのか、改善が必要なのかは判断しにくいためです。
比較する際は、以下のような情報を確認します。
- 売上高や利益率などの業績指標
- 商品・サービスの価格や品質
- 調達方法や販売チャネル
- 店舗数や拠点数、物流体制
- 顧客対応やアフターサービスの内容
競合の内部データをすべて把握することは難しいため、有価証券報告書や決算資料、公式サイト、商品情報などの公開情報をもとに比較します。
その結果、競合より低コストで運営できている工程や、顧客価値を高めている活動は強みとして捉えられます。反対に、コストやサービス水準で差がある工程は、改善候補として検討が可能です。
STEP4|特定した強みが競争優位につながるか評価する
最後に、STEP3で特定した強みが長期的な競争優位につながるかを評価します。競合より優れている活動が見つかっても、簡単に模倣されるものであれば、優位性を維持できるとは限りません。
評価には、経営資源や能力の競争力を4つの視点から確認するVRIO分析が活用できます。
- Value(経済価値):売上や利益、顧客価値の向上に貢献しているか
- Rarity(希少性):同じ強みを持つ競合が少ないか
- Imitability(模倣困難性):競合が簡単に再現できないか
- Organization(組織):強みを活かせる体制や仕組みが整っているか
たとえば、高い製品品質が強みでも、競合が同じ設備を導入するだけで再現できる場合は、持続的な競争優位にはつながりにくいと考えられます。独自技術や長年蓄積したノウハウ、組織全体で機能する仕組みなど、模倣しにくい要素まで確認することで、強みの持続性を見極められます。
【MyVision編集部の見解】 バリューチェーン分析の精度は、活動をどの粒度で分けるかによって大きく変わります。工程を大きく捉えすぎると、どこでコスト増加や価値創出が起きているのか見えにくくなる一方、細分化しすぎると論点が増え、改善すべき箇所の優先順位を判断しにくくなります。
分析で求められるのは、工程を細かく分けること自体ではなく、意思決定につながる単位まで掘り下げることです。たとえば利益率の改善が目的なら、コスト構造の差が見える粒度まで分解する必要があります。解決したい課題から逆算して分析範囲を決めることで、表面的な強みの確認にとどまらず、実行につながる示唆を得やすくなります。
過去実績による独自の選考対策
バリューチェーン分析に使えるテンプレート
バリューチェーン分析では、各活動のコストや付加価値、競合との差を同じ項目で確認できるテンプレートを使うと、分析を進めやすくなります。以下の項目を埋めながら、自社の強みや改善余地を確認してみてください。
| 活動・工程 | 主な業務 | コスト | 生み出す価値 | 競合との比較 | 強み・弱み | 改善案 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 例:調達 | 原材料の選定・仕入れ | 仕入原価・輸送費 | 安定供給・品質確保 | 競合より調達単価が低い | 強み | 仕入先との関係を維持しつつ調達先を分散する |
「活動・工程」には自社の主活動や支援活動を記載し、「主な業務」には具体的な業務内容を入れます。「コスト」と「生み出す価値」を並べて見ることで、費用に対して十分な価値を生み出しているかを確認できます。
さらに、「競合との比較」で市場における立ち位置を確認し、「強み・弱み」「改善案」まで記載すると、分析結果を施策へつなげやすいです。すべての項目を無理に埋める必要はなく、分析目的に応じて必要な項目を追加・省略して使うことも可能です。

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
テンプレートはすべての欄を一度に埋めようとせず、把握できる情報から記入してみてください。空欄になった項目自体が、追加で調べるべき情報を見つけるきっかけになります。
業界別のバリューチェーン

バリューチェーンは、業界によって価値が生まれる工程や重視すべき活動が異なります。製造業では調達や生産、小売業では仕入れや販売、サービス業では顧客接点や提供プロセスが中心です。
ここからは、製造業・小売業・サービス業のバリューチェーンの特徴をそれぞれ解説します。
製造業
製造業のバリューチェーンは、 「原材料の仕入れ→製造・加工→物流→販売→サービス」という流れが基本です。各工程で見るべきポイントを分けると、どこが競争力の源泉になっているかを把握しやすくなります。
| 工程 | 主な確認ポイント |
|---|---|
| 原材料の仕入れ | 調達価格、供給の安定性、仕入先との関係 |
| 製造・加工 | 生産効率、不良率、品質管理、設備稼働率 |
| 物流 | 在庫量、配送コスト、納期 |
| 販売 | 販売チャネル、価格設定、営業効率 |
| サービス | 保守対応、問い合わせ対応、顧客満足度 |
たとえば、製造工程で不良率を下げられれば、品質向上とコスト削減の両方につながります。物流を効率化できれば、在庫圧縮や納期短縮も期待できます。
製造業では、個々の工程だけでなく、仕入れから販売後のサービスまでのつながりも確認することがポイントです。工程ごとの強みと課題を比較することで、改善効果の大きい領域を見つけやすくなります。
小売業
小売業のバリューチェーンは、 「仕入れ→在庫管理→店舗運営・EC→販売→顧客対応」という流れで捉えられます。製造工程を持たないケースも多いため、仕入れ、在庫、販売チャネル、顧客接点の設計が競争力を左右しやすい点が特徴です。
主な確認ポイントは、以下のとおりです。
| 工程 | 主な確認ポイント |
|---|---|
| 仕入れ | 仕入価格、品ぞろえ、仕入先との関係 |
| 在庫管理 | 在庫回転率、欠品率、過剰在庫の有無 |
| 店舗運営・EC | 店舗効率、サイト利便性、接客品質 |
| 販売 | 販売チャネル、価格設定、販促施策 |
| 顧客対応 | 問い合わせ対応、返品対応、リピート率 |
たとえば、在庫管理の精度が高ければ、欠品による販売機会の損失と過剰在庫の両方を抑えやすくなります。また、店舗とECの連携が進んでいれば、顧客が購入しやすい環境を整えられます。
小売業では、商品そのものだけでなく、仕入れから購入後の対応まで含めた顧客体験全体を見ながら、どの工程が売上や満足度に影響しているかを確認することがポイントです。
サービス業
サービス業のバリューチェーンは、 「集客→商談・契約→サービス提供→顧客サポート」のように、顧客体験の流れに沿って捉えるのが基本です。モノの製造や物流がないケースも多いため、顧客との接点やサービス提供プロセスそのものが価値創出の中心になります。
主な確認ポイントは、以下のとおりです。
| 工程 | 主な確認ポイント |
|---|---|
| 集客 | 集客チャネル、広告効率、認知獲得 |
| 商談・契約 | 成約率、提案力、契約までの期間 |
| サービス提供 | 品質、対応スピード、業務効率 |
| 顧客サポート | 問い合わせ対応、継続率、顧客満足度 |
たとえば、商談から契約までに時間がかかっている場合は、提案内容や営業プロセスに改善余地があるかもしれません。サービス提供後の継続率が低ければ、提供品質やサポート体制を見直す必要があります。
サービス業では、ポーターの主活動をそのまま当てはめるのではなく、顧客がサービスを知ってから利用を続けるまでの流れに合わせて活動を設定することがポイントです。
企業別の過去問と想定問答を用意
バリューチェーン分析の企業事例
バリューチェーン分析は、実際の企業事例を見ると、どの活動が競争優位につながっているのかを具体的にイメージしやすくなります。
ここからは、ユニクロとIKEAを例に、各社がどのような活動を強みにしているのかを解説します。
ユニクロ
ユニクロのバリューチェーンは、企画・素材開発・生産・物流・販売までを一貫して管理するSPAモデルが強みです。顧客の声を商品開発へ反映し、その後の生産や在庫、販売まで連動させることで、高品質な商品を効率的に提供できる仕組みを構築しています。
ユニクロの主なバリューチェーンは、以下のように捉えられます。
| 工程 | 主な取り組み |
|---|---|
| 商品企画・R&D | 顧客の声や市場動向をもとに商品コンセプトを設計 |
| 素材開発・調達 | 素材メーカーと直接交渉し、高品質な素材を安定調達 |
| 生産 | 委託工場と連携し、生産進捗や品質を管理 |
| 在庫管理 | 販売状況に応じて店舗への在庫投入や増減産を調整 |
| 販売・マーケティング | 店舗やアプリ、広告などを通じて商品を販売・訴求 |
特徴的なのは、それぞれの工程が独立しているのではなく、部門間で情報を共有しながら連動している点です。たとえば、販売状況に応じて生産数量を調整したり、顧客から寄せられた品質に関する意見を生産部門へ反映したりする仕組みがあります。素材開発では東レなどと協業し、ヒートテックをはじめとする機能性素材の開発にもつなげています。
このようにユニクロは、特定の一工程だけで競争力を生み出すのではなく、商品企画から販売までの連携によって品質・価格・供給のバランスを高めている企業です。バリューチェーン分析では、こうした工程間のつながりまで見ることで、企業の強みがどこから生まれているのかを捉えやすくなります。
※参考:FAST RETAILING「ユニクロのビジネスモデル」
IKEA
IKEAのバリューチェーンは、商品開発から原材料、製造、物流、顧客接点までを一体で設計している点に特徴があります。低価格を実現するために特定の工程だけを効率化するのではなく、複数の活動を連動させてコストと価値の両方を高めています。
IKEAの主なバリューチェーンは、以下のように捉えられます。
| 工程 | 主な取り組み |
|---|---|
| 商品開発・デザイン | 価格を起点に、デザイン・機能・品質・サステナビリティを両立 |
| 原材料 | 素材選定や新素材の開発を通じて、コストや環境負荷を考慮 |
| 製造・調達 | サプライヤーと長期的に連携し、製品や生産方法を改善 |
| 物流 | フラットパックや効率的な梱包によって輸送効率を高める |
| 販売・顧客接点 | 店舗だけに限らず、顧客が利用しやすい接点を広げる |
特徴的なのは、低価格を販売段階だけで実現しようとしていない点です。商品開発では最初に価格を意識し、デザイナーやエンジニア、調達担当者などが連携して商品を設計。製造ではサプライヤーを単なる仕入先として扱わず、製品や生産方法の改善にも協力する関係を築いています。
物流でも、フラットパックを前提に商品を設計することで、梱包や輸送の効率化につなげています。設計段階から物流までを連動させることで、低価格を実現しながら、機能性や品質を含む顧客価値も維持している点がIKEAのバリューチェーンの特徴です。
※参考:IKEA Global「The IKEA value chain」
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バリューチェーン分析の結果を戦略に活かす方法
バリューチェーン分析は、強みや課題を把握するだけでなく、その結果を具体的な施策へつなげることで効果を発揮します。
ここでは、強みへの経営資源の集中、ボトルネックの改善、活動同士のつながりの見直しという3つの活用方法を解説します。
強みのある活動に経営資源を集中する
バリューチェーン分析で強みが明確になった活動には、人材・予算・設備・技術などの経営資源を重点的に配分します。競合より優位性のある工程をさらに強化することで、その差を広げやすくなるためです。
たとえば、商品開発力が競争力の源泉になっている企業であれば、研究開発人材の採用や開発環境への投資を増やす方法があります。販売力に強みがある場合は、営業人員の増強や販売チャネルの拡大が選択肢です。
すべての活動へ同じように資源を配るのではなく、成果への貢献度が高い領域へ重点投入することで、自社の強みを戦略的に伸ばせます。
ボトルネックになっている活動を改善する
バリューチェーン分析でボトルネックが見つかった場合は、その工程が事業全体にどのような影響を与えているかを確認したうえで改善します。処理の遅れや品質低下が前後の工程へ波及している場合、ひとつの活動だけを見直しても十分な効果が得られないことがあります。
たとえば、受発注処理の遅れによって出荷が滞っている場合は、受発注工程だけでなく、在庫管理や物流との連携まで確認が必要です。製造工程で不良が多い場合も、その原因が原材料の品質や作業手順にある可能性があります。
ボトルネックの改善では、問題が表れている工程だけに手を入れるのではなく、原因と影響範囲を見極めることがポイントです。前後の活動まで含めて確認することで、事業全体の成果につながる改善策を選びやすくなります。
活動同士のつながりを見直す
バリューチェーン分析の結果を戦略に活かすには、個々の活動だけでなく、前後の工程とのつながりまで確認する必要があります。ある工程を改善しても、別の工程に負荷がかかれば、事業全体として十分な成果につながらないためです。
たとえば、調達コストを下げた結果、原材料の品質が落ちて製造工程の不良率が上がれば、かえって全体コストが増える可能性があります。反対に、販売現場で得た顧客の声を商品開発へ反映できれば、複数の活動が連携して付加価値を高められます。
各活動の成果を個別に評価するだけでなく、前後工程への影響まで確認することで、部分最適に偏らない施策を検討可能です。
【MyVision編集部の見解】 改善施策が複数見つかった場合、すべてを同時に進めると、かえって現場の負荷が高まりやすくなります。優先順位を決める際は、期待できる利益や顧客価値への影響、実行の難易度、他工程への波及の大きさを見比べることが有効です。
効果が大きく、実行しやすい施策から着手すれば、早期に成果を確認しやすくなります。一方で、効果は大きくても他工程への影響が大きい施策は、関係部門との調整や追加検証が必要です。分析後に求められるのは、改善案を増やすことではなく、事業全体への影響を踏まえて実行順を決める判断です。
元コンサルが徹底伴走
バリューチェーン分析と組み合わせたいフレームワーク
バリューチェーン分析は、自社内部の価値創造プロセスを把握するのに適した手法です。一方で、外部環境や市場、競合まで含めて戦略を考えるには、ほかのフレームワークを組み合わせると分析の幅が広がります。
ここでは、バリューチェーン分析と組み合わせやすいファイブフォース分析、SWOT分析、3C分析を紹介します。
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析は、業界を取り巻く競争環境を把握する際に活用できるフレームワークです。自社内部の価値創造プロセスを見るバリューチェーン分析と組み合わせることで、外部環境と内部活動の両面から戦略を検討できます。
両者の違いは、以下のとおりです。
| 項目 | バリューチェーン分析 | ファイブフォース分析 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 自社内部の事業活動 | 業界全体の競争環境 |
| 主な視点 | どの活動が価値や強みを生んでいるか | どの競争要因が収益性に影響しているか |
| 主な分析要素 | 主活動・支援活動、コスト、付加価値 | 業界内の競争、新規参入、代替品、買い手、売り手 |
| 活用目的 | 強みや改善余地を特定する | 業界構造や競争圧力を把握する |
たとえば、ファイブフォース分析で買い手の交渉力が強いとわかった場合は、バリューチェーン分析を使って、商品開発やサービス、販売などのどの活動を強化すれば価格以外の価値を高められるか検討できます。
外部環境で生じている競争圧力を把握したうえで、自社のどの活動を変えるべきかまで落とし込める点が、両者を組み合わせるメリットです。
▼ファイブフォース分析について詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。

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SWOT分析
SWOT分析は、バリューチェーン分析で見つけた自社の強み・弱みを、外部環境と結びつけて戦略へ展開する際に活用できます。バリューチェーン分析で内部要因を具体化し、SWOT分析で機会と脅威を加えることで、施策の方向性を考えやすくなります。
それぞれの役割は、以下のとおりです。
| 分析手法 | 主に見る内容 | 戦略へのつなげ方 |
|---|---|---|
| バリューチェーン分析 | 各活動の強み・弱み、コスト、付加価値 | 自社内部の競争力や改善余地を特定する |
| SWOT分析 | Strength・Weakness・Opportunity・Threat | 内部環境と外部環境を組み合わせて施策を考える |
たとえば、バリューチェーン分析で商品開発力が強みだとわかった場合、市場拡大というOpportunityと組み合わせれば、その強みを活かした新商品投入や新市場への展開を検討できます。
このように、バリューチェーン分析で内部の強み・弱みを具体化し、SWOT分析で外部環境との関係を見ることで、分析結果を実際の戦略へつなげやすくなります。
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3C分析
3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から、事業環境を捉えるフレームワークです。バリューチェーン分析と組み合わせることで、自社の強みが市場や競合との関係でどのような意味を持つのかを確認できます。
両者の役割は、以下のとおりです。
| 分析手法 | 主に見る内容 | 活用イメージ |
|---|---|---|
| 3C分析 | 市場・顧客、競合、自社の関係 | どの市場で、どの競合に対して、どの強みを活かすか考える |
| バリューチェーン分析 | 自社の各活動が生み出す価値や強み | 自社の強みがどの工程から生まれているか掘り下げる |
たとえば、3C分析で顧客から高品質な商品が求められており、競合との差別化余地もあるとわかった場合、バリューチェーン分析を使って、その品質を支えている商品開発や調達、製造などの工程を確認できます。
3C分析で戦う市場や競争環境を捉え、バリューチェーン分析で自社内部の強みを具体化することで、戦略の方向性をより具体的に検討しやすくなります。

岡﨑 健斗
Okazaki Kento
複数のフレームワークを覚えることより、課題に応じて使い分けられることが実務では求められます。こうした企業分析や戦略立案に興味がある人は、コンサルティング業務との適性を考える材料にもなるでしょう。
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バリューチェーン分析をおこなう際の注意点
バリューチェーン分析は、活動を細かく分けるだけでは十分ではありません。分析の目的を見失ったり、競合比較や付加価値の視点が抜けたりすると、実際の改善施策につながりにくくなります。
バリューチェーン分析をおこなう際に押さえておきたい3つの注意点を見ていきましょう。
活動を分解することを目的にしない
バリューチェーン分析では、活動を細かく分けること自体を目的にしないことが大切です。分析の本来の目的は、各活動の価値や課題を把握し、改善や投資の判断につなげることにあります。
工程を細かくしすぎると確認項目が増え、どこに着目すべきか見えにくくなります。一方で、大きくまとめすぎると、コスト増加や価値創出が起きている箇所を特定しづらいです。
売上向上や利益率改善、業務効率化など、解決したい課題を起点に分析範囲を決めることで、必要な粒度で活動を見直しやすくなります。
自社だけを見て競合比較を省略しない
自社だけを見て強み・弱みを判断せず、競合との比較までおこなうことが必要です。自社内では成果が出ている活動でも、競合のほうが高い水準にあれば、競争優位とはいえないためです。
たとえば、自社の物流コストが前年より下がっていても、競合がさらに低コストで運営できていれば、相対的な強みにはなりません。反対に、社内では当たり前になっている活動が、競合と比べると高い顧客価値を生んでいるケースもあります。
バリューチェーン分析では、社内の改善度だけで評価せず、市場のなかでどの位置にいるのかまで確認することがポイントです。競合との差を基準に見ることで、強化すべき活動と改善すべき活動を見極めやすくなります。
コストと付加価値の両面から評価する
バリューチェーン分析では、コストの大小だけで良し悪しを判断せず、その活動がどれだけ付加価値を生み出しているかまで確認します。費用が高い工程でも、顧客満足度や差別化に大きく貢献していれば、削減によって競争力を損なう可能性があるためです。
たとえば、手厚いカスタマーサポートに人件費がかかっていても、それが継続利用や顧客満足につながっているなら、単純に縮小すべきとは限りません。一方、コストが大きいにもかかわらず顧客価値への影響が小さい工程は、効率化を検討する余地があります。
費用対効果を見る際は、支出額だけでなく、その活動が売上や品質、顧客体験にどう貢献しているかまで含めて判断することがポイントです。
企業別の過去問と想定問答を用意
よくある質問
バリューチェーン分析はどのような企業・業界で使えますか?
バリューチェーン分析は、製造業だけでなく、小売業、サービス業、IT企業など幅広い業界で活用できます。業界ごとに価値が生まれる工程は異なるため、自社のビジネスモデルに合わせて主活動を設定することがポイントです。
バリューチェーン分析に必要な情報はどこから集めますか?
自社分析では、会計データ、業務フロー、KPI、顧客アンケート、社内ヒアリングなどを活用します。競合分析では、決算資料や公式サイト、商品・サービス情報、業界レポートなどの公開情報から比較できる材料を集めます。
登録1分の簡単3ステップ
まとめ
バリューチェーン分析は、企業の事業活動を工程ごとに分け、どこで価値が生まれているのかを把握するためのフレームワークです。主活動と支援活動を洗い出し、コストや付加価値、競合との違いを確認することで、自社の強みや改善すべき領域を明確にできます。
分析結果は、強みへの経営資源の集中やボトルネックの改善、活動同士の連携見直しなど、具体的な戦略へつなげることが大切です。ユニクロやIKEAのように、複数の活動を連動させて競争力を高めている企業事例も参考になります。
バリューチェーン分析のようなフレームワークを使い、企業の強みや課題を見極めて戦略を考える仕事に関心がある人は、コンサルティング業界も選択肢のひとつです。MyVisionでは、これまでの業務経験をどのようなコンサル領域で活かせるのかまで踏まえて転職を支援しています。戦略立案や事業改善に関わるキャリアを検討している人は、まずは自身の経験がどの領域で評価されるか確認してみてください。
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