アクセンチュアとは|どんな会社?会社概要や年収を徹底解説
2025年10月10日更新
「アクセンチュアとはどんな会社なのか?」──コンサル業界への転職を考える方にとって、必ず耳にする企業の一つがアクセンチュアです。
世界最大級の総合系コンサルティングファームとして、戦略策定からシステム構築、さらにはAIやクラウドを活用した変革支援まで、幅広い領域を手がけています。
本記事では、最新の企業情報・事業内容・特徴・働く環境を整理し、「アクセンチュアを知りたい」「転職を検討している」という方が全体像をつかめるように解説します。
著者

大久保 宏菜
Okubo Hirona
大学卒業後、ソーシャルサービスの企画~開発、運用を経験した後、電通デジタル・アクセンチュアにてマーケティングコンサルに従事。MyVisionでは実務・コンサルティング経験を生かしたコンサル経験者・エグゼクティブに対するマーケ/IT領域の転職支援を得意とする。
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監修者

大河内 瞳子
Okochi Toko
株式会社MyVision執行役員
名古屋大学卒業後、トヨタ自動車での海外事業部、ファーストリテイリング/EYでのHRBP経験を経てMyVisionに参画。HRBPとして習得した組織設計、採用、評価などの豊富な人事領域経験を生かした支援に強みを持つ。
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目次
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アクセンチュアとは
アクセンチュア(Accenture)は、世界最大級の総合系コンサルティングファームであり、戦略立案から業務改革、ITシステムの設計・導入、さらに運用やアウトソーシングまで、企業の変革をエンドツーエンドで支援しています。
本社はアイルランド・ダブリンに置かれ、ニューヨーク証券取引所(NYSE: ACN)に上場。世界中に数十万人規模のプロフェッショナルを擁し、52か国・200都市以上で事業を展開しています。
特に近年はクラウド・データ・AI分野に注力しており、日本市場においてもM&Aやパートナーシップを通じて体制を強化。国内外の大手企業から中堅・中小まで、多様なクライアントに対してデジタル変革を推進する存在となっています。
会社概要
項目 | 詳細 |
---|---|
代表者名 | グローバル:ジュリー・スウィート(Julie Sweet)/ 日本オフィス:江川 昌史 |
設立年 | グローバル:1989年 / 日本オフィス設立:1995年 |
従業員数 | グローバル:約79万9,000人 (2024年12月時点) / 日本オフィス:約27,000人(2025年6月1日時点) |
資本金 | 3億5千万円 |
売上高 | グローバル:696.7億USドル(2025年度通期) / 日本オフィス:非公開(9期連続2桁成長を達成) |
株式公開 | ニューヨーク証券取引所 |
公式HP | https://www.accenture.com/jp-ja |
事業領域
アクセンチュアは「総合系コンサルティングファーム」として、戦略立案からITシステムの実装、さらには業務運用やサービスデザインに至るまで、企業変革を支援する幅広い事業領域を持っています。
特に近年はクラウド、AI、データ分析を軸としたソリューションを強化し、グローバル規模でのデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
主要ドメイン
アクセンチュアのサービスは大きく5つの領域に分かれています。
- ストラテジー&コンサルティング:経営戦略や業務改革を担うコンサルティング領域
- テクノロジー:クラウド、データ、AI、セキュリティなど最新テクノロジーを活用した実装支援
- オペレーションズ:アウトソーシングや業務運用最適化を通じて効率性を高めるサービス
- ソング:顧客体験デザインやデジタルプロダクト開発を支援
- インダストリーX:製造業を中心としたデジタルエンジニアリング・スマートファクトリー領域
これらの領域は業界ごとに横断的に提供されており、金融、公共、通信、製造、小売、ヘルスケアなど幅広いクライアントに対応しています。
テクノロジービジョン
アクセンチュアは毎年「Technology Vision」というレポートを発表し、今後のテクノロジー潮流を提言しています。
2025年版では生成AIやマルチエージェントAIの活用による「自律型ビジネス」の到来を予測し、ソフトウェア開発や業務プロセスの自動化が加速する未来を示しました。
こうした先進的な知見をクライアント案件に取り入れることで、グローバルでの競争優位を築いています。
強み・特徴
アクセンチュアの強みは、サービスの幅広さやグローバルな知見だけでなく、自ら変革を続ける企業姿勢にあります。ここでは特に注目すべき3つの特徴を紹介します。
エンドツーエンド
アクセンチュアは経営戦略の立案から業務プロセスの改革、システム実装、さらに運用・改善までをワンストップで提供できる「エンドツーエンド」が大きな特徴です。
一部の戦略コンサルティングファームやSIerではカバーできない領域も、アクセンチュアでは一気通貫で対応可能なため、顧客にとって高い利便性と一貫性のあるサービスを提供できます。
グローバル・ナレッジ
52か国・200都市以上で事業を展開するアクセンチュアは、世界中のプロジェクトで培った知見やナレッジを共有できる仕組みを持っています。
日本法人のコンサルタントも、海外の最新事例や成功モデルを参照しながらプロジェクトを進められるため、グローバル水準のソリューションを迅速に提供できる点が強みです。
変化への適応(事業最適化)
アクセンチュアは自らの事業運営においても常に変革を実行しています。2025年度には8億ドル超の事業最適化プログラムを実施し、生成AIやクラウド領域に対応できる人材体制への転換を加速しました。
こうした「自ら変化し続ける企業文化」こそが、急速に変わる市場環境の中で持続的に成長を続けられる理由のひとつといえます。
働く環境・制度
社員が安心して長期的にキャリアを築けるよう、アクセンチュアでは働きやすさを支える仕組みが整えられています。次は具体的な制度やカルチャーを紹介していきます。
福利厚生・働き方
アクセンチュアでは、社員が安心して長期的にキャリアを築けるよう多様な福利厚生制度を整えています。出産・育児・介護に関する制度、年次有給や特別休暇、各種手当、在宅勤務やフレックス制度などが代表的です。
公式サイトでも公開されているように、母体保護休暇や配偶者出産休暇、子の看護休暇、育児休業、介護休暇といったライフイベントに対応する制度は充実しています。また、確定拠出年金(401k)、従業員株式購入プラン、長期収入所得補償などの資産形成や安心を支える仕組みも導入されています。
これらはグローバル企業としての基準に加え、日本独自の法制度や働き方に対応した形で整備されているのが特徴です。
カルチャー
アクセンチュアでは、社風を体現する言葉として “Think Straight, Talk Straight.” を掲げています。立場や上下関係に関わらず、誰もが自分の考えを率直に語ることが鼓励される環境です。
また、職場での多様性を重視し、日本国内では「ジェンダー」「クロスカルチャー」「障がい者」「LGBTIQ+」「ウェルビーイング」の5つのセグメントにおいて、インクルージョン施策を推進しています。
さらに、日本法人はグローバル知見を日常的に活用できる体制を整えており、世界中のプロジェクト事例を参照する「ナレッジエクスチェンジ」から最新技術・ノウハウを共有できます。技術的な相談も世界中の担当者にチャットやメールで行う風土があります。
採用・キャリア
アクセンチュアでのキャリアは、豊富な研修や成長機会に裏付けられています。ここでは育成制度やキャリア形成の仕組み、そして社内での新たな挑戦を可能にする仕組みを見ていきましょう。
育成・キャリア機会
アクセンチュアは「人材こそ最大の資産」と位置づけ、豊富な研修制度とキャリア開発機会を提供しています。社員は入社直後から基礎研修を受けられるほか、24,000以上のオンラインコースやグローバル研修を活用できます。特定領域の専門スキル習得だけでなく、マネジメントやリーダーシップに関するプログラムも用意されており、キャリアの段階に応じて成長できる環境が整っています。
ピープルリード制度
社員一人ひとりには「ピープルリード」と呼ばれるメンター役の社員がつき、キャリア形成を長期的にサポートします。ピープルリードはプロジェクトの上司ではなく、中長期的な視点で本人の強みや志向を把握し、定期的にフィードバックやアドバイスを行います。これにより、短期的な評価にとどまらず、キャリア全体の成長支援を受けられる仕組みになっています。
キャリアズマーケットプレイス
アクセンチュアでは社内で希望のポジションに応募できる「キャリアズマーケットプレイス」が整備されています。社員はグローバルに展開されている数千件のポジションから検索・応募することが可能で、社内異動やキャリアチェンジを自律的に実現できます。日本法人でも毎年多くの社員がこの制度を活用し、新たな領域やプロジェクトに挑戦しています。
まとめ
アクセンチュアは世界最大級のプロフェッショナルサービス企業として、戦略立案からIT実装、オペレーションまでを一気通貫で支援できる体制を整えています。世界中に多数の拠点と人材を擁し、日本法人も大規模な組織へと成長を続けています。
日本法人は継続的に高い成長率を維持しており、AIやクラウドといった成長領域への投資も拡大中です。制度面では在宅勤務やフレックス制度、育児・介護支援など柔軟な働き方が可能で、「Think Straight, Talk Straight.」というカルチャーのもと、多様な人材が力を発揮できる環境が整備されています。
転職希望者にとって、アクセンチュアは専門性を高めながら幅広いキャリアの可能性を追求できるフィールドです。挑戦の場を求める方にとって、国内外での成長機会を得られる有力な選択肢といえるでしょう。