コンサルのビジネスモデルとは?高収入になる仕組みとファームごとの違いや特徴を解説
2025年11月29日更新
コンサルティングファームは、クライアントの経営・業務課題を分析・戦略立案・実行支援などをする企業です。戦略系や総合系、IT系といった複数のタイプがあり、それぞれの強みを活かしながらビジネスを展開しています。
有形商品を提供していないにもかかわらず、「コンサルティングファームがなぜ高収益を実現できるのか」「コンサルタントが高収入を得られるのか」気になる方もいるでしょう。
この記事では、コンサルファームのビジネスモデルや高収益を実現できる理由について、ファームのタイプや職位も踏まえて解説します。コンサル業界のビジネスモデルで働く魅力や近年の業界動向も紹介するため、コンサルタントという働き方に興味を持つ方は、ぜひ参考にしてください。
著者

成澤 毅記
Narisawa Takaki
慶應義塾大学を卒業後、三菱商事にて、1兆円規模の大規模プロジェクトの会計領域を担当。後にRettyにて、IR・経営企画・経理等幅広い経験を積み、社長室を経て歴代最年少で財務経営企画部長に昇進。自身の転職経験を生かした業種・職種を問わない転職支援に強みを有している。
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監修者

山口 翔平
Yamaguchi Shohei
株式会社MyVision代表取締役
早稲田大学を卒業後、JTB、オリックス生命を経てコンサルティング転職に特化した人材紹介会社へ入社。 長年のエージェント経験を基に、より多くの求職者様に対して質の高い転職支援サービスを提供するため、株式会社MyVisionを設立。
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目次
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コンサルファームのビジネスモデルとは?高収益の仕組みを解説
一般的にコンサル業は、企業や行政機関が抱える課題を解決に導くサポートをするサービス業の一つです。コンサルティングファームではクライアントが持つ課題に対して、要因分析から戦略立案、実行支援や効果測定までを行い、収益を生み出すビジネスモデルを採用しています。
プロジェクトの規模によるものの、例えば、大手の外資系コンサルティングファームでは1か月あたりで数千万円規模のコンサルフィーを得るケースも少なくありません。以下では、コンサルティングファームの収益構造や高利益率を実現できる理由を解説します。
コンサルの収益構造は「人数 × 単価 × 稼働率」
コンサル業の収益は「人数×単価×稼働率」で決まる、極めてシンプルな構造です。提供価値の中心が“知的労働”であるため原価の大半は人件費で、固定費が少ない点が高利益率につながります。
人数はプロジェクトに参加するメンバー数、単価は職位ごとに設定された時間単価、稼働率はプロジェクト期間中にどれだけ稼働したかによって決まります。例えば、コンサルタント5名(平均単価150万円/月)が3カ月フル稼働した場合、総額2,250万円(150万円×5名×3カ月)規模のフィーとなり、これがファームの主要な収益源です。
また実行支援やPMO常駐、データ分析サービスなど、プロジェクトフィー以外でも、マネタイズできます。数ある業界・業種のなかでも知的労働を中心に高い価値を提供できるため、一つのプロジェクトで大きな収益を生み出せる点が、コンサル業の魅力です。
「なぜ儲かる?」コンサルが高利益率を実現できる理由
コンサル業が儲かるのは、少人数の専門家チームが“高い付加価値”を生み出し、時間単価が非常に高いサービスを提供できるためです。クライアントは経営課題の解決や事業成長といった大きな成果を期待しており、費用対効果が明確なため高単価のフィーが受け入れられています。
さらに、コンサル業は原価の大半が人件費で、設備投資や製造コストといった固定費がほとんど発生しません。構造的に利益率が高く、少人数の稼働でも数百万〜数千万円規模のプロジェクトフィーが発生するケースも一般的です。
実際、総合コンサルティングファームの一つであるベイカレントの営業利益率は、2025年2月時点で36.7%でした。主要産業全体の平均3〜5%を大きく上回っており、コンサル業が高利益率を実現しやすいことがうかがえます。 (出典:ベイカレント「財務・業績」)
コンサルの収益源となる「フィー(料金体系)」の仕組み
コンサル業の主な収益源は、知的労働への対価として「フィー」という形で受け取ることが一般的です。「コンサルフィー」と呼ばれることもあり、主に次のような種類があります。
- プロジェクト型
- 顧問契約型
- スポットコンサル型
- 成果報酬型
多くのコンサルティングファームでは、プロジェクト型や顧問契約型で基盤を固め、スポットコンサル型をショットで取り入れながら収益を高めるビジネスモデルを構築しています。以下では、コンサル業のフィーの仕組みを具体的に解説します。
基本は「コンサルタントの単価 × 稼働時間」
コンサルフィーは、基本的に「コンサルタントの時間単価×稼働時間」で決まります。クライアントが抱える課題や担当する職位のレベルで金額は変動するものの、下記の計算式で算出できます。
| 料金体系 | 計算式 |
|---|---|
| プロジェクト型 | 職位ごとの単価×稼働期間×人数 |
| 顧問契約型 | 月額固定のリテイナーフィーで継続支援 |
| スポットコンサル型 | コンサルタントの単価×稼働した時間 |
| 成果報酬型 | 売上改善額やコスト削減額に応じて3〜35%を報酬化 |
コンサル業は成果報酬型を除き、プロジェクトの成否に関係なく収益を得られるビジネスモデルのため、長期案件が続くほど収益が安定しやすい点もコンサル業の特徴です。
職位ごとに異なる時間単価(チャージレート)
コンサルタントとひと口にいっても、依頼する人材の職位によって時間単価は異なります。職位と時間単価はコンサルタント/アナリスト、マネージャー/シニアマネージャー、パートナー/プリンシパルの順に高くなります。
経験年数や稼働時間によって異なるものの、職位ごとの1か月あたりのコンサルフィー相場は次のとおりです。
| 職位 | コンサルフィー(月相場) |
|---|---|
| コンサルタント/アナリスト | 約80万〜130万円 |
| マネージャー/シニアマネージャー | 約120万〜260万円 |
| パートナー/プリンシパル | 約200万〜400万円 |
職位が上がるほど、プロジェクトマネジメント、クライアントの意思決定支援、リスク管理など担う責任が大きくなります。
そのため、アナリスト層よりもマネージャー層・パートナー層の単価は高く設定され、プロジェクト全体のフィーにも大きく影響します。
プロジェクトフィー以外の料金体系
コンサルティングファームが得る収益は、プロジェクトフィーが中心ですが、近年は周辺サービスによって追加の収益を得るケースも増えています。特にツール導入・システム構築・研修サービスなど、プロジェクトに不随するサービスを提供することで、新たな売上が発生します。
代表的なものは以下の通りです。
- ソフトウェア・ツールの導入費用(初期費用・ライセンス料)
- システム構築・保守サービス
- 研修・ワークショップ・講演
- BPO(業務代行)
- データ分析サービス
- 成果報酬型プロジェクトに付随する追加報酬
なお、旅費交通費や宿泊費などの実費はクライアント負担になるものの、利益ではなく”生産項目”であり、収益源には含まれません。
プロジェクトから複数の収益源を生み出せる点も、コンサルティングファームが利益を築きつつ儲かる理由の一つです。
【ファーム別】コンサルのビジネスモデルを比較
業界全体を見たときに、クライアントが持つ課題に最適な解決策を提案・実行する点は、すべてのコンサルティングファームに共通する部分です。とはいえ、専門とするジャンルによって、ビジネスモデルは少々異なります。
以下では、コンサルティングファーム別の事業内容とビジネスモデルを解説します。
戦略系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームとは、クライアントが直面している経営課題に対して戦略を定めたり解決策を提案・実行したりするファームです。将来に関するテーマを扱うことが多く、M&A戦略、成長戦略、新規事業、グローバル戦略などのテーマを、少数精鋭のチームで短期間に支援する点が特徴です。
ビジネスモデルの要点は次のとおりです。
| 人員 | 2~6名の少数精鋭 |
| 単価感 | プロジェクト単価が非常に高い(1か月で数千円規模も多い) |
| 特徴 | 高付加価値サービスを提供するため、利益率も高いモデル |
ビジネスモデルは、プロジェクトフィーが中心で、調査業務やCxO向けアドバイザリーなどが補完的に提供されるケースもあります。
戦略系コンサルティングファームの概要は下記の記事で詳しく解説しているため、気になる方は、ぜひ参考にしてください。
総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームとは、さまざまな業界・業種のクライアントに対して、経営課題や業務改善、システム導入や保守・運用などを包括的に支援するファームです。多様な専門領域を持つ大規模組織で、課題に対して幅広く対応できる点や上流から下流まで一気通貫でサポートできる部分が強みです。
総合系コンサルティングファームのビジネスモデルの特徴は下記のとおりです。
| 人員 | 大規模な組織。1つの案件に数十名規模が参画するケースもある |
| 単価感 | 中~高単価(戦略より低いが、人数×期間で売上が大きくなる) |
| 特徴 | 実行支援・IT導入・PMOなど長期案件が多い構造 |
収益はプロジェクト型フィーが中心で、業務改革やシステム導入など人員規模が大きくなる案件ほど売上が伸びやすいモデルです。長期・大規模プロジェクトが多いことから、収益が安定しやすい点も総合系の特徴といえます。
総合系コンサルティングファームの概要を深く理解したい方は、下記の記事も参考にしてください。
IT系コンサルティングファーム
IT系コンサルティングファームとは、ITを活用しながらクライアントが抱えている課題を解決することをメインにしているファームです。経営戦略はもちろん、IT導入支援やDX推進などを中心に、デジタル化を通じて競争力向上を支援します。
下記は、IT系コンサルティングファームのビジネスモデルの概要です。
| 人員 | 大規模。ERP導入やDX案件は10~100名規模で動くケースもある |
| 単価感 | 中単価(戦略より低いが人数×期間で売上規模が大きい) |
| 特徴 | システム導入・開発・運用による長期稼働モデル |
収益はプロジェクト型フィーが中心で、要件定義~設計~開発~運用まで工程が長く、複数年プロジェクトになることも珍しくありません。
導入後も保守・運用サービスや追加開発、データ分析支援などで継続収益が生まれるため、安定したビジネスモデルを構築しやすい点が特徴です。
IT系コンサルティングファームの詳細を知りたい方は、下記の記事もチェックしておきましょう。
シンクタンク系コンサルティングファーム
シンクタンク系コンサルティングファームは、経済・産業・公共政策のリサーチ力を武器に、調査分析から政策立案、企業の経営支援までを行うファームです。官公庁向けの調査案件や社会課題領域のプロジェクトに強みを持ち、民間企業に対してもリサーチを起点としたコンサルティングを提供します。
シンクタンク系コンサルティングファームのビジネスモデルは次のとおりです。
| 人員 | 少〜中規模の組織が多い |
| 単価感 | 中~高単価(調査領域は高付加価値) |
| 特徴 | 官公庁案件・産業調査・政策立案に強い |
ビジネスモデルはプロジェクト型でコンサルフィーを得ることをベースに、官公庁向けの調査・分析案件や民間企業のリサーチ業務が安定的な売上基盤となります。調査機能が強いため、短期のスポット案件でも高付加価値を生みやすい点がシンクタンク系の特徴です。
シンクタンク系コンサルティングファームの詳しい情報は、下記の記事であわせてチェックしてください。
なぜクライアントは高額なフィーを支払うのか?
クライアントがコンサルティングファームへ高額なフィーを支払う主な理由は、「社内で解決するのが難しい課題を外部へ依頼したい」「自社のリソースだけでは足りない」などが挙げられます。
ここでは、クライアントがコンサルティングファームへ高額なフィーを支払う理由をより深掘りして解説します。
高度な「専門性」と「課題解決能力」
コンサルティングファームが高額なフィーを受け取れる最大の理由は、企業が自社だけでは解決できない高度で複雑な経営課題に対し、専門的な知見と再現性の高い課題解決プロセスを提供できるためです。
クライアントが抱える経営課題は、事業構造の転換、M&A戦略、グローバル展開、DX推進など、複雑かつ戦略的なものが多く、自社だけでは解決できない事案が増えている状況です。こうした課題に対し、戦略立案から実行支援までを一気通貫で支援できるコンサルティングファームの存在は、クライアントにとって価値の高い存在です。
コンサルタントは特定の業界や機能領域に精通しており、仮説構築、構造化、ロジック展開といった高度な問題解決スキルを備えています。さらに、過去の豊富なプロジェクト経験をもとに、短期間で解決策を導くことが可能です。
このような専門性と問題解決スキルがあるからこそ、クライアントは「短期間で高精度の成果を出せる」ことを投資と捉えて対価を支払います。
客観的な「第三者の視点」
コンサルティングファームが提供するもう一つの大きな価値は、利害関係から独立した第三者の視点を提供できる点です。企業内では、組織のしがらみや固定観念が意思決定を曇らせる要因になることが多く、社内の人材だけで問題の本質を見抜くのは困難な場面があります。
コンサルタントは企業外の立場から、組織政治に左右されない客観的な分析を行い、経営層が気づきにくい論点や意思決定の盲点を明確にできます。さらに、他社事例や業界ベンチマークを踏まえた比較視点を持つことで、社内だけでは得られない”外部の基準”を提示できる点も価値となります。
第三者による冷静な診断と踏み込んだ提言は、経営判断の精度を大きく高めます。特に、組織再編、新規事業、DXのような高リスクの意思決定においては、外部視点の有無が結果を左右するため、クライアントが高額フィーを投資と捉える大きな理由になります。
最新の知見とグローバルネットワーク
コンサルティングファームが高額なフィーを受け入れられる背景には、世界中の最新知見を体系的に集約し、クライアントに採点で提供できる”グローバルナレッジ”の存在があります。単独企業では入手が難しい情報や、成功事例にアクセスできる点が大きな価値となります。
大手コンサルティングファームは、世界各国に拠点を持ち、常に最新の情報を共有する体制を整えています。市場動向、競合分析、先進企業のベストプラクティスなど、国境を越えて共有される知見をもとに、高い精度の提言が可能です。
また、各国の法規制や市場環境、文化の違いを踏まえたアプローチを提案できる点も、グローバルネットワークの強みといえます。特に多国籍企業や海外展開では、現地事情を理解した支援が成果を大きく左右するため、コンサルファームの価値が一層高まります。
実行支援・プロジェクト管理(PMO)能力
コンサルティングファームが評価される理由の一つに、実際に戦略を形にし、現場での実行しきるためのプロジェクト管理(PMO)能力があります。多くの企業が自力で改革を進められずに頓挫する理由は、推進体制や意思決定の曖昧さであり、これを補完できる点がコンサルの大きな価値です。
コンサルタントは、プロジェクトの現場に入り込み、計画の策定からチームの立ち上げからKPI設計、スケジュール管理や課題対応などをリードします。特に、大規模なIT導入や組織変革プロジェクトでは、専門的な知見がなければプロジェクトが遅延・頓挫するリスクが高く、外部のPMOが不可欠です。
プロジェクトを促進し、目に見える成果に落とし込む実行力は、コストの最適化や失敗リスクの提言に直結するため企業はコンサルティングファームの実行支援・プロジェクト管理に価値を感じます。
コンサルのビジネスモデルにおける職位ごとの役割
コンサルファームでは、さまざまな職位のメンバーがプロジェクトに携わります。各役職で役割は決まっており、責任の重さや業務内容は異なります。
スキル・経験によって目指せる職位とそうでないポジションがあるため、以下では、職位に分けて主な業務を解説します。
パートナー/プリンシパル:案件獲得(営業)とプロジェクトの最終責任
パートナー/プリンシパルは、コンサルティングファームの経営的役割を担う上位職であり、主な業務は案件獲得(営業)とプロジェクトの最終責任です。具体的には、クライアントの経営陣と直接交渉し、新たな課題やニーズを把握したうえで、提案・受注をします。
また、受注後はプロジェクト全体の品質・進捗・成果物について最終的な責任を負います。現場の実務には関与する機会が少ないものの、プロジェクトの方向性を左右する役割を担う点が特徴です。
さらに、ブランド構築、人材育成、採用といった組織運営業務も担います。高度な専門性にくわえて、対人スキル、政治感覚、リーダーシップなど総合力が求められるポジションです。
パートナー/プリンシパルの役割に関しては、下記の記事で詳しく解説しているため、キャリアアップを視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。
マネージャー/シニアマネージャー:プロジェクト管理とデリバリー
マネージャー/シニアマネージャーは、プロジェクトの現場責任者として、提案内容を実現する旗振りをする中核的な役割を担います。論点設計からクライアント折衝、品質管理、稼働の最適化まで、デリバリーの中心を担うポジションです。
具体的には、プロジェクト計画の策定、チームメンバーのアサイン、成果物のクオリティ管理、ステークホルダーとの調整などを主導し、限られた時間と人員のなかでアウトプットの質を最大化します。
特に、論点の設定やスコープの調整、課題対応といった判断力は、マネージャー層に求められる革新的なスキルです。
また、稼働率や予実管理を通じて収益性を維持しつつ、クライアントの満足度を高めることも重要です。このポジションの力量が高いほどプロジェクトの成否やリピート率が大きく変わるため、ファームのビジネスモデルにおいて重要な役割を果たすといえるでしょう。
マネージャー/シニアマネージャーの職位へ理解を深めたい方は、下記の記事もあわせてチェックしておきましょう。
コンサルタント/アナリスト:実務(情報収集、分析、資料作成)
コンサルタント/アナリストは、プロジェクトの実務を支える現場の実行部隊として、情報収集・分析・資料作成などのタスクを担当します。ファクトを集め、論点を構造化し、提案の説得力を高める役割です。
アナリストは主にリサーチやデータ整理などの基礎部分を担当し、コンサルタントはそこから一歩踏み込み、仮説構築、示唆出し、提案資料を作成することが主な業務です。上移植が決定したテーマに沿って、インタビュー、統計分析、競合調査などを繰り返し、意思決定に必要な論拠を精緻に積み上げていく点が特徴です。
成果物の質やアウトプットのスピードがプロジェクト全体の評価に直結し、最終的にはクライアント満足度や収益性にも影響を与えます。クライアント先に常駐するケースもあり、若手のうちから実践的なコミュニケーション能力やビジネス理解が求められます。
コンサル業界のビジネスモデルで働く「魅力」と「厳しさ」
コンサル業界は、数ある業界のなかでも成果が見えやすく、頑張りが給与に反映されやすいといった魅力があり、コンサルタントを目指したいと考える方は多くいます。ただし、魅力的な部分だけではなく、厳しい部分があることも事実です。
コンサル業界の実態を理解せずに目指すと、「自分に合う働き方ではなかった」と後悔する可能性がゼロではありません。ここからは、コンサル業界で働く魅力と厳しさの両方を解説します。
【魅力1】高年収の源泉(高い付加価値)
コンサル業界が高年収を実現できる背景には、人材の付加価値に基づいたビジネスモデルがあります。クライアントがコンサルティングファームに支払うコンサルフィーの中核は、コンサルタント個人の知的生産力によるものです。
特に、経営戦略やDX推進、組織改革といった高度かつ複雑な課題を扱うプロジェクトでは、提案のインパクトが大きく、企業にとっての投資対効果が非常に高くなります。高付加価値の業務に従事するコンサルタントには、成果に見合った報酬が支払われます。
当記事を発信するMyVisionの求人を見ると、経営・戦略コンサルティング系の求人で800万〜1,700万円程度、ITコンサルティング系の求人で600万〜1,200万円程度が年収のボリュームゾーンです。高付加価値×高単価のビジネスモデルに基づく明確な収益構造が、コンサル業界の高年収を支えています。
【魅力2】早期のスキルアップと成長環境
コンサル業界は、成長速度の速さにおいて群を抜いている理由は、若手のうちから高度な問題解決業務に携わり、圧倒的な量と質の経験を積める環境が整っているためです。日々の業務そのものがスキルアップに直結します。
プロジェクトでは、論点設計、仮説構築、データ分析、提案資料の作成など、ビジネスの基礎となるスキルを実践のなかで習得していきます。加えて、上司からのフィードバックも多く、改善サイクルが早い点も成長スピードを押し上げる要因です。
さらに、クライアント企業の経営層と議論する機会も多く、常に視座でビジネスを捉える習慣が身に付きます。
このような環境で数年間キャリアを積むと、他業界では得られないスピード感でのスキルアップを実現できます。
【厳しさ1】「Up or Out」の文化と成果へのプレッシャー
コンサル業界で避けて通れない厳しさの一つが、「Up or Out」と呼ばれる厳格なの評価文化です。Up or Outとは、一定期間内に昇進できなければ退職を促されるという実力主義の考え方に基づいた評価方法のことです。明確かつ公平性が保たれた評価である一方で、常に高い成果を求められることを意味します。
コンサル業界に足を踏み入れると、短期間で結果を出し続けるプレッシャーがかかり続けることを知っておきましょう。加えて、複数案件を同時に進めたり、クライアントとの調整業務も発生したりするため、精神的・肉体的な負荷が大きくなるケースも少なくありません。
ただし、この文化を乗り越えることで、短期間での昇進や高年収、幅広いキャリアの広がりは魅力です。成果主義の環境をポジティブに捉えられるかどうかが、コンサル業界で長く活躍できるかを左右します。
【厳しさ2】高い稼働率の維持
コンサルティングファームのビジネスモデルでは、「人月単価 × 稼働率」が売上の基本構造です。そのため、コンサルタント一人ひとりの生産性が業績に直結します。
そのため、コンサルタントはプロジェクトが途切れない状態を求められます。複数案件が並行したり、納期が重なったりすると、タスクの密度が一気に高まり、時間的・精神的な負荷が増すケースも珍しくありません。
こうした環境では、体調管理やストレスマネジメント、タスクの優先順位付けなど、自身を適切にコントロールする力が不可欠です。働き方改革の影響で一部ファームでは改善が進んでいるものの、成果と稼働時間が密接に結びつく業界構造は、現在も大きくは変わっていません。
コンサル業界のビジネスモデルの最新動向
コンサル業界を目指すうえで、ビジネスモデルの最新動向を知っておくことは欠かせません。近年は生成AIやITといった技術開発が早く、数年前まで通用していたスキル・知見が実際の現場で効果を発揮しなくなるといった事例が見受けられます。
以下では、コンサル業界を目指す際に役立つ、ビジネスモデルの最新動向を詳しく解説します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)支援の拡大
近年、コンサルティングファームの主要サービスとして急拡大しているのがDX支援です。
企業の競争力がデジタル活用の成熟度で左右されるようになり、クラウド導入、業務の自動化、AI活用、データ分析基盤の整備など、実行段階まで支援できるパートナーとしてコンサルティングファームの需要が高まっています。特に大企業では、全社的な改革プロジェクトとしてDXを位置付けるケースが増えています。
この変化により、ITコンサルやテクノロジー部門の存在感が増し、ファーム全体のビジネスモデルにも影響を与えています。
実行支援(ハンズオン)の一般化
コンサルティングの役割が提案で終わる時代は、過去のものとなりつつあります。現在では、実行支援=ハンズオン型支援が主流です。
クライアントは戦略の立案だけでなく、それを現場に根付かせ、確実に実行へと移すフェーズまで伴走できるパートナーを求めています。そのため、現場常駐型で課題解決に深く入り込むスタイルや、部門横断でのプロジェクト推進など、実務に近い支援が増加しています。
机上の論理だけでは成果に蒸すb着かないという認識が広がったことで、実行力・調整力・変革推進力が、今後のコンサルタントに不可欠なスキルになりつつあります。
サブスクリプション型・成果報酬型の増加
業界全体で従来の人月単価制から、継続契約型のサブスクリプションモデルや、成果に連動した報酬体系への移行が進んでいます。理由は「コストに見合った成果を得たい」というクライアントのニーズが高まっているためです。
例えば、月額制のサブスクリプションモデルでは、戦略立案だけでなく日常業務の改善やデータ分析、経営管理などを継続的に支援できるため、関係性がより深く長期的になります。一方で、成果報酬型ではプロジェクトの成果に連動して報酬が変動するため、コンサルティングファームもより積極的に成果にコミットする体制が求められます。
提供するサービスの本質に変わりはないものの、クライアントの「成果への期待値の高まり」や「長期的なパートナー関係志向」を受け、ビジネスモデルも柔軟に変化している状況です。
コンサルのビジネスモデルを理解して転職を成功させるには
コンサル業界は花形の業界と見られることが多く、新たなキャリアとして選ばれやすい業界です。目指す方が多い分、転職する難易度は高くなっています。そのため、ビジネスモデルを踏まえて、自身のキャリアを戦略的に考えながら転職活動を進めることが重要です。
以下では、コンサル業界への転職を実現するために必要なポイントを解説します。
自身のスキルセットとファームのモデルを合致させる
コンサル業界で長期的に活躍するには、自身の強みや志向性と、志望ファームのビジネスモデルと一致しているかを見極めることが重要です。
例えば、デジタル領域に強みがあるならIT系やDX支援に注力するコンサルティングファーム、論理構成力や仮説思考に自信があるなら戦略系コンサルティングファームがフィットするでしょう。
また、ファームによって、期待する役割やキャリアの進み方は大きく異なります。専門性を高めていくモデルもあれば、ゼネラリストとして幅広く経験を積むキャリアもあります。
自分がどのような働き方をしたいのか、どのスキルを深めたいのかを明確にすることで、入社後のミスマッチを防ぎ、後悔しない選択ができます。
ビジネスモデルの違いがキャリアパスに与える影響を理解する
コンサルティングファームには、戦略系・総合系・IT系・シンクタンク系など、複数のタイプが存在し、それぞれビジネスモデルに違いがあります。この違いも、キャリアパスに直接影響するのを知っておくことが大切です。
例えば、戦略系コンサルティングファームでは、少数精鋭の環境でハイレベルな課題に取り組む分、論理的思考力とスピード感が求められ、若手のうちから高い期待がかかります。
対して総合系コンサルティングファームでは、戦略から実行まで幅広い経験を積めるため、マネジメントスキルを習得することにも繋がります。IT系では、システム導入やデジタル推進に強みがあり、ITスキルやPMO経験を活かしたキャリアを築くことが可能です。
タイプごとの特徴を理解せずに転職すると、期待していた業務と現実にギャップが生じる恐れがあります。自身のスキルや志向性と、ファームのビジネスモデルがどう噛み合うかを見極めることが、満足度の高いキャリア形成をするうえで欠かせません。
ファームごとの特徴を熟知した転職エージェントを活用する
コンサル業界への転職を成功させるためには、ファームごとのビジネスモデルや働き方、育成方針に精通した転職エージェントを活用することが重要です。なぜなら、同じ「戦略コンサル」でもコンサルティングファーム次第でアプローチや文化、求められる人物像が大きく異なるためです。
コンサル特化型のエージェントであれば、内部情報や選考動向、プロジェクト体制の実態、過去の内定獲得事例など、個人では収集しきれない情報を把握しています。そのため、求職者一人ひとりの強みや志向性に合わせて、最適な選択肢を提示できます。
特に未経験からコンサル業界へ転職する場合、書類の通過率やケース面接対策に差が出やすい傾向が見られます。自分で調べるよりも、効率的かつマッチするコンサルティングファームと出会うために、プロの力を借りることがおすすめです。
コンサル転職のことでお悩みならMyVisionへ
コンサル転職で迷っている方は、ぜひ、MyVisionへご相談ください。MyVisionはコンサル転職に特化したエージェントです。年収アップを期待できる求人の提案や書類添削・面接対策を通じて、求職者が理想とする働き方に向けて伴走します。
在籍するキャリアアドバイザーは、「コンサル業界の転職支援において突出した実績を持つ方」もしくは「コンサル業界での実務経験を有する方」のみです。コンサル業界のリアルを知るからこそ質が高く、きめ細やかなサポートができます。
また、元コンサルタントが仮想面接官として模擬面接を実施するため、コンサル転職で必要な論理的思考や実践力を養うことも可能です。「コンサル転職で年収アップを図りたい」「やりがいがある仕事に挑戦したい」という方は、MyVisonで転職相談をすることを強くおすすめします。
まとめ
コンサルティングファームのビジネスモデルは、タイプによって若干の違いは見られるものの、基本的には「人数 × 単価 × 稼働率」の構造でできています。
コンサルタントの職位やどれくらいの期間・時間で稼働するのかでコンサルフィーは決まります。大手外資系コンサルティングファームになると一つのプロジェクトで数千万円規模の収益を生み出すことも珍しくありません。
コンサルタントとして活躍するためには、高いスキルと中長期的なキャリア形成をすることが重要です。コンサル転職に興味はあるものの、「進め方がわからない」「理想とするキャリアを実現したい」という方は、ぜひ、MyVisionへご相談ください。
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