ITコンサルタントとSIerはどうちがう?仕事内容、年収、キャリアパスの観点から、どちらを選ぶかの観点とあわせて解説
2025年08月28日更新
ITエンジニアとしてのキャリアを考える際、「ITコンサルタント」と「SIer」という2つの選択肢で迷われる方は少なくありません。
どちらもIT分野で重要な役割を担う職種ですが、実は働き方や求められるスキル、将来のキャリアパスには大きな違いがあります。
本記事では、ITコンサルタントとSIerの定義から仕事内容・年収・キャリアパスまでを観点別に整理し、両者の違いを明確にします。
そのうえで、自分はどちらに向いているのかを判断するための視点を提示し、ITコンサルタントを目指す場合の転職成功のポイントも解説します。
IT業界で一歩を踏み出したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
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ITコンサルタントとSIerの定義と概要
ITコンサルタントとSIerを比較する前に、まずはそれぞれの定義と概要を整理しておきましょう。
ITコンサルタントとSIerは、どちらもIT業界で活躍する存在ですが、指す対象や立ち位置が異なります。
ITコンサルタントは「職種」や「役割」を示す言葉であるのに対し、SIerは「企業」を指す言葉です。
ここでは、両者の定義を整理し、代表的な企業を紹介します。
業務内容の詳細は、次章で観点別に解説していきます。
ITコンサルタントとは
ITコンサルタントとは、クライアント企業の経営課題に対して、ITを活用した解決策を提案し、その戦略立案から実行まで一貫してサポートする専門職です。
単なる技術者ではなく、企業の業務改善や成長戦略の実現に向けて、IT技術を手段として活用する役割を担います。
ITコンサルタントには、経営とITの両方に関する深い知識が求められます。
経営面では、クライアントのビジネスモデルや業界動向を理解し、課題の本質を見抜く洞察力が必要です。
IT面では、必ずしも実際の開発スキルは求められませんが、経営課題を解決できるIT技術の選定や、その実装プロセスに関する豊富な知識・経験が必要となります。
働き方としてはプロジェクト単位での契約が多く、案件ごとに異なるクライアントの課題に向き合います。
そのため、高い専門性と成果への責任が常に求められる職種といえるでしょう。
代表的なITコンサルティングファーム
日本のITコンサルティング業界には、グローバル展開する大手ファームから日系の専門企業まで、多様な企業が存在します。
ここでは、代表的なITコンサルティングファームの特徴を紹介します。
企業名 | 特徴 |
---|---|
アクセンチュア | 世界最大級のコンサルティングファーム。戦略からシステム導入まで一貫支援が可能で、グローバル案件やデジタル領域に強みを持つ |
アビームコンサルティング | 日本発の総合系。会計・人事・SCMなど幅広く支援し、日系企業や海外展開に強い |
ベイカレント・コンサルティング | 国内最大級の独立系。大手企業中心に戦略〜IT導入まで幅広く対応 |
PwCコンサルティング | PwCグローバルの一員。リスク対応やデジタル変革、サステナ領域に注力 |
KPMGコンサルティング | リスクマネジメントやガバナンス支援に強み。監査法人との連携が特徴 |
デロイトトーマツコンサルティング | 世界最大級デロイトグループ。戦略、テクノロジー、オペレーションまで網羅 |
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代表的なITコンサルティングファームは、いずれも戦略立案からシステム導入まで幅広く支援し、経営課題の解決を目的としています。
外資系から日系独立系まで特徴はさまざまですが、いずれも高度な専門性と経営視点が求められる点が共通しています。
SIerとは
SIer(System Integrator)とは、企業のITシステムの設計・構築から導入・保守運用まで、システム開発の全工程を担う企業を指す言葉です。
クライアントが必要とするシステムを技術的に実現することが主な役割となります。
ITコンサルタントが経営課題の解決を起点とするのに対し、SIerは「システムを作りたい」という具体的な依頼に対して、要件定義の段階から関わることが一般的です。
そのため、経営戦略よりもシステム構築や技術実装に重点を置いた、いわゆる「システム屋」としての側面が強いことが特徴といえます。
契約形態も異なり、SIerは開発に必要な工数を人月(にんげつ)単位で契約するのが一般的です。
これにより、投入人員や期間に応じて収益が決まる仕組みとなっています。
代表的なSIer
日本には、長年にわたり大規模システムの構築や運用を担ってきた大手SIerが存在します。
ここでは代表的な企業を紹介します。
企業名 | 特徴 |
---|---|
NTTデータ | 国内最大級のSIer。官公庁や金融機関など社会インフラを支える大規模システムの開発・運用に強みを持つ |
富士通 | ハードウェアからソフトウェアまで幅広く手掛ける総合ITベンダー。国内外の企業向けにクラウド・AIなどの最新技術も展開している |
NEC | ネットワークやセキュリティ領域に強みを持ち、官公庁・自治体・社会インフラ向けシステムに豊富な実績を持つ |
日立製作所 | 社会インフラや産業分野に強く、IoT・AIを活用した社会課題解決型のシステム構築に注力している |
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SIerは、官公庁・金融・社会インフラといった大規模かつ重要なシステムを中心に支えてきた実績があります。
日本の産業や社会を支える基盤を構築・運用する点に強みがあり、ITコンサルタントと比べて「実装・運用を担う立場」が際立つのが特徴です。
ITコンサルタントとSIerの違いを観点別に解説
ITコンサルタントとSIerの基本的な定義や立ち位置を理解したところで、ここからは両者の具体的な違いを詳しく見ていきましょう。
キャリアを考えるうえで重要となる以下の5つの観点から、それぞれの特徴を比較解説します。
- 目的
- 仕事内容
- 年収
- キャリアパス
- スキル
これにより、自分にとってどちらがより適した選択肢なのかを判断することができます。
ITコンサルタントとSIerの目的の違い
ITコンサルタントとSIerは、どちらもITを活用して企業を支援する点では共通していますが、その活動目的は大きく異なります。
ITコンサルタントは経営課題の解決や事業成長を実現するために、ITを「手段」として活用するのに対し、SIerはクライアントが求めるシステムを具体的に「構築・提供」することが主な目的です。
ここでは、それぞれの目的を整理して解説します。
ITコンサルタントの場合
ITコンサルタントの目的は、クライアント企業の経営課題を解決し、事業成長につなげることです。
企業はシステムそのものよりも「業務の効率化」や「売上・利益の向上」といった成果を期待してIT投資を行います。
そのため、システム導入や技術活用はあくまで手段であり、経営上の成果を実現できて初めて役割を果たしたといえます。
ITコンサルタントの目的の具体例は、以下の通りです。
- 売上向上:ECサイトのリニューアルにより顧客体験を改善し売上を20%向上させる
- コスト削減:業務プロセスの自動化により人件費を削減し年間3,000万円のコスト削減を実現する
- 業務効率化:基幹システムの統合により部門間の情報共有を円滑化し意思決定スピードを向上させる
- 新規事業創出:データ分析基盤の構築により新たな顧客インサイトを発見し新サービス開発につなげる
- リスク管理強化:セキュリティシステムの刷新により情報漏洩リスクを軽減しコンプライアンス体制を強化する
このように、ITコンサルタントの活動は「システムを導入すること」自体が目的ではなく、「経営課題を解決できたかどうか」がプロジェクトの成否を判断する基準になります。
SIerの場合
SIerの目的は、クライアントのニーズに応じたシステム開発から導入、運用保守までのトータルサポートを提供することです。
ITコンサルタントとは異なり、経営課題や事業戦略といった上流工程には介入しないことが多く、これらの策定はクライアント企業が行います。
SIerは、ITシステムの導入が必要となった段階で依頼を受け、技術的な実装を担当する立場にあります。
そのため、クライアントから求められた機能や性能を確実に実現することを重視し、システムの品質や安定性を最優先としてプロジェクトを推進します。
SIerの目的の具体例は、以下の通りです。
- システム開発:基幹システムを要件通りに開発し予定された機能をすべて実装する
- 品質保証:徹底的なテストによりバグやエラーを排除し安定稼働を実現する
- 運用保守:システム稼働後のメンテナンスやトラブル対応を継続的に提供する
- 技術支援:最新技術を活用してシステムの性能向上やセキュリティ強化を図る
- インフラ構築:サーバーやネットワーク環境を最適に設計し安定したシステム基盤を提供する
このように、SIerのプロジェクトは「経営成果」よりも「システムが安定稼働し続けること」が評価基準となる点に特徴があります。
ITコンサルタントとSIerの仕事内容の違い
ITコンサルタントとSIerでは、プロジェクトにおける担当領域や関わり方が大きく異なります。
ITコンサルタントは経営課題を起点に戦略策定から導入支援までを担うなど、主に上流工程で活躍します。
一方、SIerは要件定義に基づきシステムを設計・構築し、運用・保守といった下流工程が中心です。
ここでは、それぞれの仕事内容を詳しく解説します。
ITコンサルタントの場合
ITコンサルタントは、SIerよりもさらに上流工程を担当し、要件定義の前段階である業務要件定義から関わることが特徴です。
プロジェクトの出発点は、クライアントの経営課題を明確化することから始まります。
業務は大きく次のステップに分けられ、それぞれに応じた役割を担います。
- 経営課題の特定:経営層や現場担当者へのヒアリング・調査・分析を通じて、本質的な経営課題を明確化する
- 解決策の立案:課題解決のための最適なITシステム導入案を作成し、費用対効果や実現可能性を検証する
- 提案・承認:提案書として整理し、クライアントの経営陣に対してプレゼンテーションを実施する
- 要件定義:承認後、実際のシステム要件定義を行い、プロジェクト全体の設計図を描く
- 導入支援:システム導入やサポート体制構築まで一貫してサポートする
昨今では、要件定義にとどまらず、実際のシステム導入やサポート体制構築までを業務範囲とすることが多くなっており、プロジェクトの成功に対する責任も拡大しています。
そのため、ITコンサルタントにはビジネスとITの両面に精通したスキルが求められます。
SIerの場合
SIerは、クライアントから提示されるRFP(提案依頼書)に基づき、システムを設計・開発・運用することが基本となります。
経営課題や事業戦略の策定といった上流工程ではなく、要件定義から始まる開発寄りの業務を担当する点が特徴です。
業務の流れは以下のようになります。
- 要件定義:RFPの内容に沿ってシステムに求められる機能や性能を明確化する
- 設計:要件定義をもとに基本設計・詳細設計を行いシステムの仕様を確定させる
- 開発・テスト:プログラマーが中心となりプログラム開発を行い、単体・結合・総合テストを実施する
- 導入:テストを終えたシステムをクライアント環境に導入し稼働確認を行う
- 保守・運用:導入後もバグ修正や機能改善、安定稼働のための運用支援を継続する
このように、SIerはシステムを「確実に作り、安定稼働させること」を目的とした工程を担います。
プロジェクトの中心は設計・開発・運用であり、クライアントの要望をいかに正確にシステムに落とし込めるかが重要になります。
ITコンサルタントとSIerの年収の違い
ITコンサルタントとSIerは、仕事内容や役割が異なるため、年収水準にも差があります。
一般的に、経営課題に直結する上流工程を担うITコンサルタントは高年収の傾向が強く、システム開発・運用を中心とするSIerは比較的安定した水準に落ち着くケースが多いです。
ここでは、それぞれの年収の特徴を解説します。
ITコンサルタントの場合
ITコンサルタントの年収は、他の職種と比較して非常に高いのが特徴です。
厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」によると、ITコンサルタントの平均年収は752.6万円となっています。
日本の平均給与年収が461万円であることを踏まえると、約1.6倍の水準に達しており、かなりの高年収であることが分かります。 (引用:平均給与|国税庁)
この背景には、経営課題の解決という高度な付加価値を提供することや、プロジェクトの成果に対する責任の重さが影響しています。
代表的な企業の年収例は以下の通りです。
企業名 | 平均年収 |
---|---|
アクセンチュア | 875万円(引用:OpenWork) |
アビームコンサルティング | 821万円(引用:OpenWork) |
ベイカレント・コンサルティング | 911万円(引用:OpenWork) |
PwCコンサルティング | 986万円(引用:OpenWork) |
KPMGコンサルティング | 901万円(引用:OpenWork) |
デロイトトーマツコンサルティング | 952万円(引用:OpenWork) |
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これらの年収水準は、経験年数やポジション、担当するプロジェクトの規模によってさらに上昇する可能性もあります。
ITコンサルタントは成果に見合った高い報酬が設定されている点が、大きな魅力です。
SIerの場合
SIerの年収は、システム開発や運用を担うエンジニア職種の水準に基づいています。
「job tag」によると、Webサービス開発を担うシステムエンジニアの平均年収は、574.1万円です。
さらに上位職のプロジェクトマネージャー(PM)では752.6万円と、役職やスキルの高度化に応じて水準が上がります。 (引用:job tag)
日本の平均給与461万円と比較すると高水準といえますが、ITコンサルタントの平均年収と比べるとやや控えめといえるでしょう。
ただし、大手SIerに所属すれば平均で900万円を超えるケースもあり、自身のキャリア次第では1,000万円を超える年収を目指すことも可能です。
代表的な大手SIerの平均年収は以下の通りです。
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これらの大手SIerの年収水準は、ITコンサルタントに匹敵する水準にあり、技術的な専門性を極めることで高い報酬を得ることが可能です。
ITコンサルタントとSIerのキャリアパスの違い
ITコンサルタントとSIerは、同じIT業界に属していても、キャリア形成の仕方や将来の選択肢に大きな違いがあります。
ITコンサルタントはプロジェクト経験を重ねることで上流工程の専門性を高め、マネジメントや戦略領域に進む道が開かれます。
一方、SIerは開発や運用の経験を積みながら、技術のスペシャリストやプロジェクトマネージャーとしてのキャリアを築くのが一般的です。
ここでは、それぞれのキャリアパスを具体的に解説します。
ITコンサルタントの場合
ITコンサルタントは、プロジェクトを通じて培った経営視点と業界知見を活かして、多様なキャリアパスを選択できます。
上流工程での経験や幅広い業界との関わりが評価され、転職市場では非常に高い価値を持つ人材として認識されています。
具体的なキャリアパスの選択肢は以下の通りです。
- 事業会社の情報システム部門(情シス):企業のIT戦略立案やシステム運用を内側から支援する
- 大手外資系企業:グローバルプロジェクトや最先端の技術活用に携わりさらにスキルアップ・高収入を狙える
- 経営・戦略コンサルタント:IT領域を超えて経営全般の課題解決に関与しより上流のキャリアへ進む
- 独立・起業:コンサルティング経験を活かした独立開業や新事業創出
- 投資ファンド・M&A仲介:業界知見を活かした投資判断や企業評価業務
ITコンサルタントからの転職では、より高年収の職種を目指すことも可能です。
特に経営・戦略コンサルタントや外資系企業では、1,000万円を超える年収も現実的です。
このように、ITコンサルタントはITスキルと経営視点の両方を兼ね備えているため、将来の選択肢が広く、高年収の職種へのキャリアアップも目指せます。
SIerの場合
SIerでは、開発・運用の実務経験を積み重ねながら、技術力を軸としたキャリアパスを歩むのが一般的です。
システム構築の現場で培った技術的な専門性を活かして、より上流工程や高度な役割へとステップアップできます。
具体的なキャリアパスの選択肢は以下の通りです。
- 技術スペシャリスト:特定技術領域の専門家としてアーキテクトやテックリードのポジションを目指す
- プロジェクトマネージャー:開発プロジェクトの統括責任者としてマネジメント能力を活かす
- ITコンサルタント:システム開発の知見を活かして上流工程を担当し、より経営に近い業務に携わる
- 事業会社の情シス:企業内エンジニアとして、社内システムの企画・開発・運用を担当する
- フリーランスエンジニア:独立して高単価案件を獲得しスキルに応じた高収入を実現する
近年では、SIerからITコンサルタントへ転職するケースが増えており、上流工程に携わりたい人にとって有力なキャリアチェンジの選択肢です。
また、エンジニアとして高い専門性を身につければ、フリーランスとして独立し、SIer時代を上回る収入を得ることも可能です。
ITコンサルタントとSIerの求められるスキルの違い
ITコンサルタントとSIerでは、担当する業務領域や役割が異なるため、求められるスキルにも明確な違いがあります。
ITコンサルタントは経営課題を解決するために、ビジネス理解力やコミュニケーション能力といった経営寄りのスキルが重視されます。
一方、SIerはシステムを確実に構築・運用するために、プログラミングやインフラ設計といった技術的な専門スキルが重要です。
ここでは、それぞれに求められるスキルを詳しく解説します。
ITコンサルタントの場合
ITコンサルタントに求められるのは、技術力そのものよりも「経営とITをつなぐスキル」です。
コードを書く必要はありませんが、どのようなシステムを実装すべきか、その難易度や実現性を理解できる知識は必要です。
また、経営層との折衝や提案の場面が多いため、SIer以上に高度なビジネススキルやコミュニケーション力が求められます。
具体的に求められるスキルは以下の通りです。
- ビジネススキル:経営知識や業務プロセスに関する理解、戦略的な課題解決力
- ITリテラシー:コードを書かなくても、システムの仕組みや実装難易度を把握できる知識
- 業界知見と最新ITトレンド:クライアント業界の特性や、クラウド・AIなど新技術のキャッチアップ
- コミュニケーション能力:経営層への提案や現場ヒアリングを通じて合意形成を図る力
このように、ITコンサルタントには「経営とITを橋渡しする存在」として、総合的な知識と人間力が強く求められます。
SIerの場合
SIerに求められるのは、システム開発を確実に遂行するための技術的スキルです。
プログラミングや設計といった実装力を基盤とし、担当分野に応じた専門知識を身につけることが必要となります。
具体的に求められるスキルは以下の通りです。
- プログラミングスキル:Java、C言語、Pythonなど主要言語の理解と開発経験
- システム設計力:要件定義をもとに基本設計・詳細設計を行えるスキル
- データベース設計・運用:Oracle、SQL Server、PostgreSQLなどのデータベース技術と最適化手法
- インフラ・ネットワーク知識:サーバー構築、クラウド環境、セキュリティ対策に関する技術的理解
- 担当領域の専門知識:金融、製造、公共など、システムを導入する業界特有の知見
- プロジェクト管理能力:開発スケジュール管理、品質管理、チームマネジメントスキル
また、クライアントと関わる立場の*PM(プロジェクトマネージャー)やSE(システムエンジニア)*であれば、要件をヒアリングし、技術的な内容を分かりやすく説明するコミュニケーション能力も重要です。
技術力を基盤としながらも、クライアントとの円滑な関係構築が求められます。
SIerからITコンサルタントへの転職が増えている理由
これまで解説してきた通り、ITコンサルタントとSIerには様々な違いがありますが、近年はSIerからITコンサルタントへの転職を希望する人が増えています。
背景には、システム構築を中心とした役割から一歩踏み出し、経営課題の解決や上流工程に携わりたいというニーズの高まりがあります。
また、キャリアの選択肢や年収面での魅力も、ITコンサルを志望する動機です。
ここでは、SIerからITコンサルタントへの転職が注目される具体的な理由を解説します。
経営課題の解決に携われる
SIerはシステム開発の依頼を受けて要件定義から参画するのが一般的であり、クライアントの経営課題や事業戦略に直接提言する機会は多くありません。
そのため「もっと上流から企業の成長に関わりたい」と感じる人もいるのが実情です。
一方、ITコンサルタントは経営課題を解決するためにITシステムを手段として活用する職種です。
クライアントの事業戦略から関わり、「どのような課題があるのか」「それを解決するためには何が必要なのか」を経営層と議論しながら、最適なソリューションを提案できます。
このように、より上流工程で事業の成長に直接貢献できる点にやりがいを見出し、SIerからITコンサルタントへ転職を希望する人が増えています。
中長期的なキャリアパスが広がる
SIerとITコンサルタントでは、将来のキャリアの選択肢に大きな違いがあります。
SIerは実際に手を動かす開発業務が中心となるため、プログラミングスキルやシステム構築の技術力は確実に伸ばせます。
ただし、経営に関する業務に携わる機会が少ないため、経営コンサルタントや戦略コンサルタントへの転職は難易度が高くなるのが一般的です。
一方、ITコンサルタントは経営課題を前提にITを活用する経験を積めるため、より幅広いキャリアの選択肢が開かれます。
経営コンサルタントや戦略コンサルタントといった上流志向の職種へ進みやすいだけではなく、事業会社の経営企画やDX推進部門などへの転職もつなげやすいのが特徴です。
こうしたキャリアパスの広がりを見込んで、中長期的な視点でSIerからITコンサルタントへの転職を決断する人が増えています。
技術的な基盤を持ちながら、経営領域でのキャリアアップを目指せる点は、大きな魅力といえるでしょう。
より高収入を目指せる
年収面での違いも、SIerからITコンサルタントへの転職を後押しする要因の一つです。
前述した通り、ITコンサルタントの平均年収は752.6万円であるのに対し、SIerのSEは574.1万円となっており、約170万円の差があります。
この差は、ITコンサルタントが経営課題の解決という高度な付加価値を提供している点に起因します。
特に若手〜中堅層では、この年収差が生活やキャリア形成に直結し、転職を決意するきっかけになるケースが少なくありません。
ただし、年収アップは短期的なメリットに過ぎません。高収入を持続させるためには、経営視点や課題解決能力といったスキルを磨き続けることが必要です。
ITコンサルタントとSIerどちらを選ぶべき?判断するための観点を紹介
ITコンサルタントとSIerの違いを詳しく解説してきましたが、最終的には「自分にとってどちらが適しているか」を判断する必要があります。
どちらも魅力的なキャリア選択肢である一方、求められるスキルや働き方、将来の方向性は大きく異なります。
ここでは、それぞれの視点から選び方のヒントを解説しますのでぜひ参考にしてください。
実務に何を求めるか
ITコンサルタントとSIerは、どちらもITを活用してクライアントを支援しますが、日々の業務の関わり方には大きな違いがあります。
そのため、自分が「どんな仕事にやりがいを感じるのか」を軸に考えることが大切です。
例えば、以下のようにイメージすると違いが分かりやすくなります。
やりがいを感じること | 向いている職種 | 例 |
---|---|---|
課題の本質を見極めて戦略を設計することが好き | ITコンサルタント | 「この業務の非効率を解消するには、システムをどう設計すべきか?」を経営層と議論する |
自分の手でシステムを動かして成果を形にするのが好き | SIer | 要件通りのシステムを設計・開発し、クライアントの業務が効率化される瞬間にやりがいを感じる |
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どちらの領域もIT業界において重要ですが、アプローチの仕方が異なるため、自分が「実装で成果を出したいのか」「戦略策定に携わりたいのか」を意識して選ぶことが必要です。
こうした自己分析を行うことで、転職後のミスマッチや「思っていた仕事内容と違った」といったギャップを防ぎやすくなります。
中長期的なキャリアで何を大事にするか
転職を考える際は、目先の仕事内容や待遇だけでなく、将来的にどんなキャリアを築きたいのかを意識することが重要です。
ITコンサルタントとSIerではキャリアの広がり方が大きく異なるため、最終的にどのような働き方を目指したいのかによって選ぶべき道も変わってきます。
将来像の例から、向いている選択肢を見てみましょう。
将来の理想像 | 向いている職種 | 理由 |
---|---|---|
戦略コンサルタントや経営企画として企業の成長戦略に関わりたい | ITコンサルタント | 経営課題の解決経験や業界横断的な知見が、上流工程でのキャリアに直結する |
事業会社のCTOやIT部門責任者として技術戦略を牽引したい | ITコンサルタント | 技術と経営の両方を理解した人材として、企業のデジタル変革を主導できる |
フリーランスエンジニアとして高単価案件を獲得したい | SIer | 開発スキルや特定技術への専門性を深められるため、独立後も技術力で勝負できる |
特定領域の技術エキスパートとして専門性を極めたい | SIer | 深い技術知識と豊富な開発経験により、その分野のスペシャリストとして活躍できる |
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このように、短期的な転職理由だけでなく「5年後、10年後にどんな自分でいたいか」をイメージすることが、後悔のないキャリア選択につながります。
SIerからITコンサルタントへ転職を成功させた事例
ここまで解説してきたように、SIerで培ったスキルや経験はITコンサルタントへの転職に十分活かすことができます。
しかし「本当に自分でも転職できるのか」「どんなキャリアが描けるのか」と不安を感じる方も多いでしょう。
そこでここでは、実際にSIerからITコンサルタントへ転職を果たした2人の事例をご紹介します。
具体的なキャリアの変化や転職を決断した理由を知って、自分自身のキャリアを考える参考にしてください。
事例①上流工程から課題解決に携わるためエンジニアからITコンサルタントへ転職
転職前の業界/職種 | 日系大手SIer/エンジニア |
---|---|
転職理由 | 希望する銀行システムの案件に参画できなかった・上流工程に関わりたいと感じた |
転職で苦労したこと | コンサル特有のケース面接や業界知識の不足への対応 |
MyVisionの支援内容 | 経験の棚卸しと強みの言語化支援・模擬面接を繰り返し実施し、不安を払拭 |
転職後の業界/職種 | IT系コンサルティングファーム/コンサルタント |
年収UP幅 | 600万円→650万円(+50万円) |
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A.Wさんは、大手SIerでエンジニアとして3年間勤務し、技術力を磨きながらも「希望する銀行システム案件に参画できない」「上流工程に関われない」というもどかしさを抱えていました。
そうしたなか、ITコンサルタントとして活躍する同僚の話をきっかけに、自身も経営課題に近い立場で価値を発揮したいと考えるようになりました。
転職活動では、SIerからコンサルへのキャリアチェンジという点でケース面接対策に苦労しましたが、MyVisionの模擬面接や徹底したサポートにより自信をつけることができたといいます。
結果、ITコンサルタントへの転職を成功させ、年収も50万円アップしました。
今では「経営課題の解決」という上流工程から携わることで、より大きなやりがいを得ているそうです。
引用:上流工程から課題解決に携わるため、エンジニアからITコンサルタントへ転職|MyVision
事例②SEとしてのシステム開発経験を梃子にさらなる上流の課題解決を行うためにITコンサルタントに転職
転職前の業界/職種 | SIer/システムエンジニア |
---|---|
転職理由 | 開発経験を積み上げたうえでより上流フェーズへキャリアアップしたいと考えた |
転職で苦労したこと | エンジニア経験だけでは不十分で、課題解決力や論理的思考をアピールする必要があった |
MyVisionの支援内容 | 将来のキャリアプランを踏まえた面談・徹底した面接対策・課題解決力を伝える受け答えの指導 |
転職後の業界/職種 | 外資系ITコンサルティングファーム/コンサルタント |
年収UP幅 | 600万円→800万円(+200万円) |
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Y.Aさんは、SIerでSEとして勤務し、開発や設計を中心に経験を積んできました。
4年目からは要件定義にも関わり、現場で着実にスキルを伸ばしていましたが、次第に「依頼に基づく開発だけではなく、さらに上流工程から課題解決に携わりたい」という思いが強くなりました。
20代後半を迎え、キャリアアップの必要性を感じたことも転職を後押しした要因です。
転職活動では、エンジニアとしての技術力だけでなく、コンサルタントに求められる課題解決力や論理的思考をどう伝えるかに苦労しました。
そこでMyVisionの支援を受け、模擬面接を通じて受け答えの精度を高めた結果、外資系ITコンサルティングファームから内定を獲得。
しかも想定以上の好条件でオファーを受けることができました。
年収は200万円アップの800万円となり、本人も「人生の転換点」と語るほど納得感のある転職に成功しました。
現在は、憧れのファームで一人前のコンサルタントを目指し、上流工程からクライアントの課題解決に挑んでいます。
引用:SEとしてのシステム開発経験を梃子に、さらなる上流の課題解決を行うためにITコンサルタントに転職|MyVision
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ITコンサルタント転職は、通常の職種と比べて選考基準が厳しく、対策の有無が合否を大きく分けます。
だからこそ、経験豊富なエージェントが伴走してくれるMyVisionを活用することが、転職成功への大きな一歩になるのです。
まとめ
ITコンサルタントとSIerは同じIT業界に属していますが、ITコンサルタントは経営課題の解決を目的に上流工程から関与し、SIerはシステム開発や運用といった実装を担う点で大きく異なります。
近年は「経営課題に携わりたい」「キャリアの幅を広げたい」「高収入を目指したい」と考え、SIerからITコンサルタントへ転職する人が増えています。
ITコンサルタント転職は選考対策が重要になるため、専門知識を持つMyVisionに相談することがおすすめです。
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